JPH09217815A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JPH09217815A
JPH09217815A JP2809396A JP2809396A JPH09217815A JP H09217815 A JPH09217815 A JP H09217815A JP 2809396 A JP2809396 A JP 2809396A JP 2809396 A JP2809396 A JP 2809396A JP H09217815 A JPH09217815 A JP H09217815A
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JP
Japan
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pump
gear
differential
rotation
pinion
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JP2809396A
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English (en)
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Akira Nakamura
晃 中村
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、内蔵ポンプを大型にせずに充
分な差動制限力を得る。 【解決手段】 エンジンにより回転駆動されるケース3
内に配置された差動機構15と、その差動を制限する摩
擦クラッチ43と、クラッチ43を押圧するアクチュエ
ータ45と、これを駆動するギヤポンプ47と、ギヤポ
ンプ47の回転入力部材65と差動機構15のサンギヤ
23とピニオンキャリヤ31との間に配置され、回転入
力部材65に対して一方向の回転だけを伝え、反対方向
の回転を遮断する一対のワンウェイクラッチ79、81
とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に用いられ
る動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭62−253530号公報に図2
のような動力伝達装置201が記載されている。
【0003】この動力伝達装置201は、変速機を介し
てエンジンの回転が入力する入力軸203、入力軸20
3に連結されたケース205及び第1出力軸207、入
力軸203に相対回転自在に嵌裝された中空の第2出力
軸209、第2出力軸209に連結されたスプロケット
211、ケース205と第2出力軸209との間に配置
された多板クラッチ213及びオイルポンプ215、オ
イルポンプ215に駆動されて多板クラッチ213を締
結する油圧アクチュエータ217などから構成されてい
る。
【0004】第1出力軸207は後輪側に連結され、第
2出力軸209はスプロケット211を介して前輪側に
連結されている。従って、前後輪間に差動回転が生じる
とオイルポンプ215が駆動され、油圧アクチュエータ
217によって多板クラッチ213が締結される。
【0005】こうして、エンジンの駆動力は入力軸20
3から第1出力軸207を介して後輪側に伝達されると
共に、前後輪間に差動回転が生じたときは多板クラッチ
213が締結され、発生した差動制限力により前輪側に
も駆動力が伝達される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、差動回転によ
って駆動されるオイルポンプ215は差動回転の方向が
変わると反対方向に回転するから、差動回転がいずれの
方向に生じても多板クラッチ213を締結可能にするた
めに、動力伝達装置201では、オイルポンプ215に
一方向弁219、221を設けてオイルの流れを整流し
ている。
【0007】ところが、一方向弁219、221を用い
たことによって、その流路抵抗とオイル洩れとによる大
きな油圧ロスが生じ、それだけオイルポンプ215を大
型にしないと、油圧アクチュエータ217に充分な油圧
を与えることができなくなるが、これに伴って、動力伝
達装置201が重くなり、甚だしい場合はオイルポンプ
215を組み込めなくなることがある。これに加えて、
バルブボディ、バルブシート、流体の流路などから構成
される一方向弁219、221を配置しただけ構造が複
雑になる。
【0008】そこで、この発明は、内蔵ポンプを差動回
転で駆動し、そのポンプ圧で差動制限用の摩擦クラッチ
を締結させる動力伝達装置であって、構造が簡単で、内
蔵ポンプを大型にせずに大きなポンプ圧による充分な差
動制限力が得られる動力伝達装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の動力伝達装置
は、エンジンの駆動力により回転駆動されるケースと、
このケースに貫入する一対の出力軸と、各出力軸の間に
配置された差動機構と、差動機構の差動を制限する摩擦
クラッチと、摩擦クラッチを押圧するアクチュエータ
と、アクチュエータに圧力を与えて駆動するポンプと、
このポンプの回転入力部材と各出力軸との間に、直接ま
たは他の部材を介在させて間接に配置され、回転入力部
材に対して一方向の回転だけを伝え、反対方向の回転を
遮断する一対のワンウェイクラッチとを備えたことを特
徴とする。
【0010】ポンプは常に一方向に回転駆動されるの
で、ポンプの吸込口と吐出口とが入れ替わることがな
い。したがって従来例と異なって、一方向弁が不要とな
る構成であるから、一方向弁の流路抵抗と圧洩れとによ
る大きな圧力ロスから開放され、ポンプを大型にせずに
充分な差動制限力が得られると共に、装置の重量化が避
けられ、ポンプを装置に組み込めなくなることもない。
また、バルブボディ、バルブシート、流体の流路などか
ら構成される一方向弁が不要となるので構造が簡単にな
る。
【0011】請求項2の動力伝達装置は、請求項1の動
力伝達装置において、差動機構が、サンギヤとケース側
のインターナルギヤとこれらを連結するダブルのピニオ
ンギヤと該ピニオンギヤを支承するピニオンキャリヤと
を有するプラネタリーギヤ式の差動機構であり、一対の
出力軸がサンギヤとピニオンキャリヤとにそれぞれ連結
されており、一対のワンウェイクラッチがポンプの回転
入力部材とサンギヤ側及びピニオンキャリヤ側との間に
配置されたものである。
【0012】この動力伝達装置では、エンジンの回転は
ケースからインターナルギヤに入力し、サンギヤとピニ
オンキャリヤからそれぞれの出力軸を介して車輪側に伝
達される。
【0013】各出力軸間に差動回転が生じた場合、例え
ば、予め、ケースとサンギヤとピニオンキャリヤとが同
方向に回転し、かつサンギヤがピニオンキャリヤよりも
速く回転するとき、サンギヤ側のワンウェイクラッチが
サンギヤの回転をポンプの回転入力部材に同方向に伝達
すると共に、ピニオンキャリヤ側のワンウェイクラッチ
がピニオンキャリヤの回転を遮断するように各ワンウェ
イクラッチの作用方向を設定して配置しておけば、これ
とは差動回転速度が変ってサンギヤがピニオンキャリヤ
よりも遅く回転するときは、今度は、ピニオンキャリヤ
側のワンウェイクラッチが回転入力部材に回転をやはり
同方向に伝達し、サンギヤ側のワンウェイクラッチがサ
ンギヤの回転を遮断するようになる。そして、このよう
な各ワンウェイクラッチの作用方向配置により、ケース
が逆転するときはサンギヤとピニオンキャリヤとの差動
回転速度に関係なく両ワンウェイクラッチはフリーとな
り、ポンプの回転入力部材が回転しないので、ポンプは
作動しない。
【0014】こうして、ポンプは一方向にだけ回転し、
かつ高速側の部材と同じ回転速度で回転するので、差動
制限力が向上すると共に、請求項1の動力伝達装置と同
様に、一方向弁の流路抵抗と圧洩れとによる大きな圧力
ロスから開放され、ポンプを大型にせずに充分な差動制
限力が得られると共に、装置の重量化が避けられ、ポン
プを装置に組み込めなくなることもない。また、一方向
弁を配置しないで済むから構造が簡単になる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1により本発明の一実施形態を
説明する。図1はこの実施形態のデファレンシャル装置
1(動力伝達装置)を示す。なお、符号を与えていない
部材等は図示されていない。
【0016】このデファレンシャル装置1は後輪駆動車
の後輪側車軸上に配置されており、左右の方向はこの車
両及び図1での左右の方向である。
【0017】図1のように、デファレンシャル装置1の
デフケース3(ケース)はケーシング本体5とカバー7
とをボルト9で固定して構成されている。デフケース3
はデフキャリヤの内部に配置されており、デフケース3
のボス部11、13はベアリングを介してデフキャリヤ
に支承されている。
【0018】デフキャリヤにはオイル溜りが形成されて
いる。デフケース3はこのオイル溜りに浸漬されてお
り、そのオイルレベルはボス部11、13の下端より上
方にある。
【0019】デフケース3にはリングギヤがボルトで固
定され、このリングギヤは駆動力伝達系の駆動ギヤと噛
み合っている。こうして、デフケース3はエンジンの駆
動力によりこの駆動力伝達系を介して回転駆動される。
【0020】デフケース3の内部には、ダブルピニオン
のプラネタリーギヤ式差動機構15が配置されている。
この差動機構15は、デフケース3の内周に形成された
インターナルギヤ17と、互いに噛み合った外側と内側
のピニオンギヤ19、21と、サンギヤ23などから構
成されており、外側のピニオンギヤ19はインターナル
ギヤ17と噛み合い、内側のピニオンギヤ21はサンギ
ヤ23と噛み合っている。
【0021】ピニオンギヤ19、21の両端に形成され
た軸部25、27はブッシュ29を介して左右のピニオ
ンキャリヤ31、33に支承されている。これらのピニ
オンキャリヤ31、33は互いに連結されており、右の
ピニオンキャリヤ33は右側のボス35と一体に形成さ
れている。また、サンギヤ23は左側のボス37と一体
に形成されている。
【0022】右側のボス35は支承部39によりケーシ
ング本体5に支承され、左側のボス37はサンギヤ23
とピニオンギヤ21との噛み合いによって径方向外側か
ら支持されている。各ボス35、37の間にはスラスト
ワッシャ41が配置されている。右側のボス35は右後
輪の車軸(出力軸)にスプライン連結され、左側のボス
37は左後輪の車軸(出力軸)にスプライン連結されて
いる。
【0023】こうして、差動機構15が構成されてお
り、デフケース3を回転させるエンジンの駆動力は、イ
ンターナルギヤ17からピニオンギヤ19、21を介し
てサンギヤ23とピニオンキャリヤ33とに分配され、
ボス37、35から各車軸を介して左右の後輪に伝達さ
れる。
【0024】また、悪路走行中などに、後輪間に駆動抵
抗差が生じると、各ピニオンギヤ19、21の自転によ
ってエンジンの駆動力は左右各側に差動分配される。
【0025】差動機構15を挟んで、その右側には多板
クラッチ43(摩擦クラッチ)が配置され、左側には油
圧アクチュエータ45(アクチュエータ)と外接型のギ
ヤポンプ47(ポンプ)とが配置されている。
【0026】多板クラッチ43はインターナルギヤ17
(デフケース3)と右のピニオンキャリヤ33との間に
配置されている。また、ピニオンキャリヤ33と多板ク
ラッチ43との間には押圧板49が配置されている。
【0027】油圧アクチュエータ45のピストン51は
ギヤポンプ47のポンプハウジング53とデフケース3
との間にそれぞれシールリング55、57を介して軸方
向移動自在に配置されている。また、シリンダー59は
ピストン51とポンプハウジング53とデフケース3と
の間で形成されている。
【0028】シリンダー59に油圧が与えられると、ピ
ストン51はピニオンキャリヤ31、33と押圧板49
とを介して多板クラッチ43を押圧し締結する。
【0029】ギヤポンプ47は、ポンプハウジング53
と、大ギヤ61と、大ギヤ61の周りに周方向等間隔配
置された複数個(例えば4個)のポンプギヤ63と、リ
ング状の回転入力部材65などから構成されている。
【0030】ポンプハウジング53は外周をデフケース
3に圧入され、更にボルトで固定されている。大ギヤ6
1の内周は回転入力部材65の外周にスプライン連結さ
れており、回転入力部材65の内周は支承部71によっ
てカバー7に支承されている。また、大ギヤ61と各ポ
ンプギヤ63はポンプハウジング53に設けられたそれ
ぞれの収納孔に摺動自在に収納されている。大ギヤ61
の収納孔とポンプギヤ63の各収納孔は互いに連通して
ポンプ室を形成している。
【0031】大ギヤ61と4個のポンプギヤ63はこれ
らのポンプ室で噛み合ってギヤポンプ機能を構成してお
り、ギヤポンプ47はこれらの4組のギヤポンプ機能か
ら構成されている。
【0032】回転入力部材65が回転すると、デフケー
ス3に固定されたポンプハウジング53側のポンプギヤ
63と回転入力部材65側の大ギヤ61とが相対回転
し、ギヤポンプ47が回転駆動される。カバー7にはギ
ヤポンプ47の各吸入ポート73が設けられ、ポンプハ
ウジング53には吐出ポート75が設けられている。そ
して、吸入ポート73は、カバー7の開口77とカバー
7の左側面に回転自在に配置されたオイルポケットから
オイルパイプ(いずれも図示省略)を介してデフキャリ
ヤのオイル溜りに接続されている。
【0033】ギヤポンプ47の回転入力部材65とサン
ギヤ23のボス37との間にはワンウェイクラッチ79
が配置され、回転入力部材65と左のピニオンキャリヤ
31との間にはワンウェイクラッチ81が配置されてい
る。これらのワンウェイクラッチ79、81の作用方向
は下記のように設定されている。
【0034】例えば、車両の前進右旋回時のように、サ
ンギヤ23(左後輪)がピニオンキャリヤ33(右後
輪)よりも速く差動回転したとき、ワンウェイクラッチ
79が連結され、ワンウェイクラッチ81連結が遮断さ
れるように配置されている。従って、サンギヤ23の回
転はワンウェイクラッチ79を介して回転入力部材65
に伝達されて大ギヤ61がサンギヤ23と同方向に駆動
されると共に、ピニオンキャリヤ31、33の回転はワ
ンウェイクラッチ81によって遮断される。
【0035】また、車両の前進左旋回時のように、サン
ギヤ23(左後輪)がピニオンキャリヤ31,33(右
後輪)よりも遅く差動回転すると、今度はワンウェイク
ラッチ81が連結され、ワンウェイクラッチ79の連結
が遮断されるから、ワンウェイクラッチ81を介してピ
ニオンキャリヤ31、33の回転が回転入力部材65に
伝達され、大ギヤ61がピニオンキャリヤ31、33と
同方向に駆動されると共に、ワンウェイクラッチ79に
よってサンギヤ23の回転が遮断される。
【0036】こうして、旋回の方向が変わってもギヤポ
ンプ47は常に同一方向に回転駆動され、かつ高速側の
部材と同じ回転速度で駆動される。そして、車両が後退
する(デフケース3とサンギヤ23とピニオンキャリヤ
31、33が逆転する)ときは、両ワンウェイクラッチ
79,81はフリーとなり、ギヤポンプ47は作動しな
い。
【0037】このように車両の前進時にギヤポンプ47
が回転駆動されると、オイル溜りのオイルはオイルパイ
プを介してオイルポケットに吸い上げられ、更に、開口
77と吸入ポート73を通って吸い込まれ、ギヤポンプ
47で加圧され、吐出ポート75を通って油圧アクチュ
エータ45のシリンダー59に与えられる。
【0038】シリンダー59にオイル圧が与えられる
と、上記のように、油圧アクチュエータ45はピストン
51によりピニオンキャリヤ31、33と押圧板49と
を介して多板クラッチ43を押圧し締結する。多板クラ
ッチ43が締結されると、多板クラッチ43の摩擦抵抗
とギヤポンプ47のポンプ仕事とにより差動機構15の
差動が制限される。多板クラッチ43の摩擦抵抗とギヤ
ポンプ47のポンプ仕事は差動回転数の上昇に伴って大
きくなるから、この差動制限機能は(差動回転)速度感
応型である。
【0039】なお、デフケース3には開口が設けられて
おり、この開口からはオイル溜りのオイルやリングギヤ
の回転によってオイル溜りから撥ね上げられデフキャリ
ヤの内壁で跳ね返ったオイルがデフケース3の内部に入
り、差動機構15の各ギヤと摺動部、多板クラッチ4
3、ワンウェイクラッチ79、81、他の摺動部などを
潤滑し、耐久性を高める。
【0040】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0041】上記のように、デファレンシャル装置1で
は、サンギヤ23及びピニオンキャリヤ31とギヤポン
プ47の回転入力部材65との間にワンウェイクラッチ
79、81を配置したことにより、ギヤポンプ47は常
に一定方向に回転駆動され、ポンプの吸込口と吐出口と
が入れ替わることがなくなると共に、高速側の部材と同
じ回転速度で駆動される。そして、従来例と異なって一
方向弁を用いずに済むので、差動制限力が一層向上す
る。
【0042】さらに、デファレンシャル装置1は、一方
向弁の流路抵抗と圧洩れとによる大きな油圧ロスから開
放されるから、ギヤポンプ47を大型にしないでも充分
な差動制限力が得られると共に、重量化が避けられ、ギ
ヤポンプ47が組み込めなくなることもない。更に、バ
ルブボディ、バルブシート、流体の流路などから構成さ
れる一方向弁を用いないで済むので構造が簡単である。
【0043】デファレンシャル装置1を用いた車両は、
その大きな速度感応型の差動制限機能によって操縦性や
安定性などの運動性能が充分に改善されると共に、悪路
などで一方の駆動輪が空転すると他方の駆動輪に大きな
駆動力が送られて走破性が向上する。
【0044】なお、本発明において、差動機構は、上記
の実施形態のようなプラネタリーギヤ式のものに限ら
ず、例えば、ベベルギヤ式の差動機構、一対の出力側サ
イドギヤを連結するピニオンギヤをデフケースの収納孔
に摺動自在に配置し、ギヤ間の摩擦抵抗やギヤとデフケ
ースとの摩擦抵抗を利用してトルク感応型の差動制限機
能を得る差動機構、あるいは、ウォームギヤの歯面摩擦
抵抗を利用してトルク感応型の差動制限機能を得る差動
機構などを用いてもよい。
【0045】本発明の動力伝達装置に、これらのトルク
感応型差動制限機能を持った差動機構を用いれば、この
トルク感応型差動制限機能に加えて、摩擦クラッチとポ
ンプとによる速度感応型差動制限機能を併せ持った動力
伝達装置が得られる。
【0046】また、差動機構は、これらの差動機構のよ
うに差動回転部材が3個のものに限らず、従来例のよう
に差動回転部材が駆動力の入力部材と出力部材の2個で
構成されたものでもよい。
【0047】ポンプはギヤポンプ以外のものでもよく、
ギヤポンプは内接型のものでもよい。オイルはデフケー
スに封入してもよい。
【0048】また、差動制限用のクラッチは多板クラッ
チに限らず、例えば、コーンクラッチのような他の摩擦
クラッチでもよい。
【0049】なお、この発明の動力伝達装置は、フロン
トデフ(前輪の車軸上に配置したデファレンシャル装
置)と、リヤデフ(後輪の車軸上に配置したデファレン
シャル装置)と、センターデフ(エンジンの駆動力を前
輪と後輪とに分配するデファレンシャル装置)のいずれ
にも用いることができる。
【0050】
【発明の効果】上記のように、請求項1の動力伝達装置
は、ポンプが一方向にだけ回転駆動されるので、従来例
と異なって一方向弁が不要となり、差動制限力が向上す
る。
【0051】このように、一方向弁を用いないから、一
方向弁の流路抵抗と圧洩れとによる大きな圧力ロスから
開放され、ポンプを大型にせずに充分な差動制限力が得
られると共に、装置の重量化が避けられ、ポンプを装置
に組み込めなくなることもない。また、複雑な構成の一
方向弁を配置しないだけ構造が簡単になる。
【0052】請求項2の動力伝達装置では、サンギヤ及
びピニオンキャリヤとポンプの回転入力部材との間にワ
ンウェイクラッチを配置したことによって、ポンプは一
方向に高速側の部材と同回転速度で駆動されるよう構成
することが可能であるので、差動制限力が一層向上す
る。
【0053】更に、請求項1の動力伝達装置と同様に、
一方向弁の流路抵抗と圧洩れとによる大きな圧力ロスか
ら開放され、ポンプを大型にせずに充分な差動制限力が
得られると共に、装置の重量化が避けられ、ポンプを装
置に組み込めなくなることもない。また、一方向弁を配
置しないで済むので構造が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置(動力伝達装置) 3 デフケース(ケース) 15 プラネタリーギヤ式差動機構 17 インターナルギヤ 19、21 ピニオンギヤ 23 サンギヤ 31、33 ピニオンキャリヤ 43 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 45 油圧アクチュエータ(アクチュエータ) 47 ギヤポンプ(ポンプ) 65 回転入力部材 79、81 ワンウェイクラッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    ケースと、このケースに貫入する一対の出力軸と、各出
    力軸の間に配置された差動機構と、差動機構の差動を制
    限する摩擦クラッチと、摩擦クラッチを押圧するアクチ
    ュエータと、アクチュエータに圧力を与えて駆動するポ
    ンプと、このポンプの回転入力部材と各出力軸との間
    に、直接あるいは他の部材を介在させて間接に配置さ
    れ、回転入力部材に対して一方向の回転だけを伝え、反
    対方向の回転を遮断する一対のワンウェイクラッチとを
    備えたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 差動機構が、サンギヤとケース側のイン
    ターナルギヤとこれらを連結するダブルのピニオンギヤ
    と該ピニオンギヤを支承するピニオンキャリヤとを有す
    るプラネタリーギヤ式の差動機構であり、一対の出力軸
    がサンギヤとピニオンキャリヤとにそれぞれ連結されて
    おり、一対のワンウェイクラッチがポンプの回転入力部
    材とサンギヤ側及びピニオンキャリヤ側との間に配置さ
    れた請求項1の動力伝達装置。
JP2809396A 1996-02-15 1996-02-15 動力伝達装置 Pending JPH09217815A (ja)

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