JPH0921740A - 粒子判定基準の決定方法およびその装置並びにその判定基準を用いた粒子分析装置 - Google Patents

粒子判定基準の決定方法およびその装置並びにその判定基準を用いた粒子分析装置

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JPH0921740A
JPH0921740A JP7168751A JP16875195A JPH0921740A JP H0921740 A JPH0921740 A JP H0921740A JP 7168751 A JP7168751 A JP 7168751A JP 16875195 A JP16875195 A JP 16875195A JP H0921740 A JPH0921740 A JP H0921740A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 第1カテゴリーに属する第1検体群の各分布
データを積算して第1基本分布データを作成する第1工
程と、、第2カテゴリーに属する第2検体群の各分布デ
ータを積算して第2基本分布データを作成する第2工程
と、第1および第2基本分布データを比較して第1およ
び第2カテゴリーのいずれか一方に特有の粒子が存在す
る分布データ上の領域を算出する第3工程からなり、算
出した領域を粒子判定基準とする粒子判定基準の決定方
法を備える。 【効果】 異なる2種類のカテゴリーに属する検体群の
分布データの相違を求めることにより、特有の粒子が存
在する分布データ上の領域、すなわち異常粒子の判定領
域が決定されるので、その決定を容易にかつ、客観的に
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、細胞や血球のような
粒子や無機微粒子などを分析する粒子分析装置に関し、
とくに、検体を測定して作成した血球のスキャッタグラ
ムから異常血球を識別するための粒子判定基準の決定方
法およびその装置並びにその判定基準を用いた粒子分析
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の血液分析装置においては、検体に
含まれる血球のスキャッタグラムを作成し、予めスキャ
ッタグラム中に粒子判定基準として設定された判定領域
に出現する異常血球の数を計数して、その数に応じて検
体の状態を判定し、多数の検体を能率よくスクリーニン
グ検査するようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな判定領域を予め適正に決定することは、血液学や試
薬特性などに精通した熟練者でなければ難しいという問
題点があった。
【0004】この発明はこのような事情を考慮してなさ
れたもので、熟練を要することなく、容易に判定領域を
決定することができる粒子判定基準の決定方法と装置、
および、その粒子分析装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、検体の粒子の分布データに対し粒子判定基準として
所定領域を設定し、その所定領域に出現する粒子に基づ
いて検体の粒子を分析するための粒子判定基準の決定方
法であって、第1カテゴリーに属する第1検体群の各分
布データを積算して第1基本分布データを作成する第1
工程と、第2カテゴリーに属する第2検体群の各分布デ
ータを積算して第2基本分布データを作成する第2工程
と、第1および第2基本分布データを比較して第1およ
び第2カテゴリーのいずれか一方に特有の粒子が存在す
る分布データ上の領域を算出する第3工程からなり、算
出した領域を粒子判定基準とする粒子判定基準の決定方
法を提供するものである。
【0006】さらに、この発明は、検体の粒子の分布デ
ータに対し粒子判定基準として判定領域を設定し、その
判定領域に出現する粒子に基づいて検体の粒子を分析す
るための粒子判定基準の決定装置であって、第1カテゴ
リーに属する第1検体群の各分布データを記憶する第1
記憶手段と、第2カテゴリーに属する第2検体群の各分
布データを記憶する第2記憶手段と、第1検体群の各分
布データを積算して第1基本分布データを作成する第1
データ作成手段と、第2検体群の各分布データを積算し
て第2基本分布データを作成する第2データ作成手段
と、第1基本分布データと第2基本分布データとを比較
して第1および第2カテゴリーのいずれか一方に特有の
粒子が存在する分布データ上の領域を粒子判定基準とし
て算出する領域決定手段を備えた粒子判定基準の決定装
置を提供するものである。
【0007】この発明の粒子分析装置における分析対象
粒子は、体液中の各種細胞、血球、無機微粒子のような
粒子を含む。
【0008】第1カテゴリーに属する第1検体とは、検
体に含まれる粒子の形態やサイズなどの特徴を示すパラ
メータが、所定範囲内に分布すると考えられる検体、例
えば、正常な複数の人体から採取した正常な血液の検体
である。
【0009】これに対して、第2カテゴリーに属する第
2検体とは、検体に含まれる粒子の形態やサイズなどの
特徴を示すパラメータが、前記所定範囲と異なる範囲に
も分布すると考えられる検体、例えば、特定の疾患を有
する人体から採取した異常な血液検体(芽球出現検体、
未成熟顆粒球出現検体、左方移動検体又は赤芽球出現検
体のような検体)である。
【0010】また、検体に含まれる粒子の分布データと
は、検体に含まれる粒子を分類するために、電気的、光
学的に計測した粒子の形態やサイズなどの特徴を示すパ
ラメータ(電気抵抗、前方散乱光強度、側方散乱光強
度、蛍光強度など)により分布図、つまり、スキャッタ
グラム又はヒストグラムを表わすためのデータのことで
ある。分布データは、分布図における粒子のアドレスと
度数から構成される。
【0011】また、検体群の各分布データを積算して基
本分布データを作成するとは、検体群から得られた全分
布図について、アドレス毎に度数(粒子数)を重畳(加
算)することによって新しい1つの分布図(スキャッタ
グラム)を形成することである。
【0012】また、第1および第2基本分布データを比
較して決定される、第1および第2カテゴリーのいずれ
かに特有の粒子が存在する分布データ上の領域とは、第
1および第2基本分布データを比較したとき、いずれか
一方のみが存在する分布データ上の領域であってもよい
し、第1および第2基本分布データの比を算出し、その
比が所定値よりも大きい分布データ上の領域であっても
よいし、さらに、その両方の領域であってもよい。
【0013】なお、第1および第2記憶手段、第1およ
び第2データ作成手段と、領域算出手段は、RAM,R
OMおよびCPUからなるマイクロコンピュータを用い
て一体的に構成することができる。
【0014】さらに、この発明は、前記粒子判定基準の
決定装置によって決定された領域を判定領域として記憶
する判定領域記憶手段と、検体を測定しその検体に含ま
れる粒子の分布データを作成する分布データ作成手段
と、作成された分布データについて前記判定領域内に存
在する粒子を判定する判定手段と、判定手段の判定結果
を出力する出力手段を備えた粒子分析装置を提供するも
のである。
【0015】そして、判定領域記憶手段は、前記粒子判
定基準の決定装置によって決定された領域を判定領域と
して記憶し、分布データ作成手段は、検体を測定して分
布データを作成し、判定手段は、その分布データについ
て前記判定領域内に存在(出現)する粒子を判定する。
【0016】ここで、分布データ作成手段の代りに予め
作成された任意の分布データを入力する入力手段、例え
ば、光ディスク読取装置を備え、判定手段は入力された
分布データについて判定領域内に存在する粒子を判定す
るようにしてもよい。
【0017】
【実施例】図1は、この発明の一実施例を示す粒子分析
装置の基本構成図であり、粒子分析装置100は、細胞
を整列させて流すフローセル3と、このフローセル3内
を流れる細胞にレーザ光を照射する光照射手段1と、細
胞によって散乱された2種類の前方散乱光をそれぞれ検
知し得る少なくとも2個に分画された受光センサー部を
有する受光手段6と、光照射手段1から出射されたレー
ザ光をフローセル3に集光する第1集光手段2と、細胞
によって散乱された2種類の前記前方散乱光を光照射手
段1から出射されるレーザ光の光軸とほぼ平行になるよ
うに集光する第2集光手段5と、光照射手段1からの直
接光の通過を阻止するビームストッパ4を備える。
【0018】また、粒子分析装置100は、受光手段6
によって検知された2種類の前方散乱光のパルス信号を
分析する信号分析手段7を備え、白血球を前記フローセ
ル3に流し、フローセル3によって細流化された白血球
によって散乱された2種類の前方散乱光を受光手段6に
よって検出し、信号分析手段7によって白血球を分析
し、その結果を表示手段8に表示させる。
【0019】図2は図1の要部詳細図であり、図2にお
いて、21は、光照射手段1としての半導体レーザであ
り、これには、たとえば東芝製半導体レーザTOLD9421
(光出力最大5mW、出力波長650nm)を用いる。
【0020】22はコリメータレンズ、23はコンデン
サレンズであり、これらは第1集光手段2を構成する。
半導体レーザ2から発せられたレーザ光はフローセル3
内の粒子が流れる部分に集光される。 フローセル3に
は、試薬によって処理された血液が細流化され(シース
フローが形成され)図2では紙面の裏から表の方向に向
かって流される。
【0021】また、半導体レーザ21の位置する側とは
反対側つまりフローセル3の後方には、ビームストッパ
4と、第2集光手段5としてのコレクタレンズ25とが
配置され、さらに少し離れて受光手段6であるフォトダ
イオード26が1つ配置される。ビームストッパ4はフ
ローセル3を透過した中央部のレーザ光(直接光)を阻
止するためにフローセルの流れ方向に延びる細長い板で
ある。
【0022】コレクタレンズ25は、フローセル3を流
れる細胞で散乱された前方散乱光を光軸に平行になるよ
うに集光するレンズであり、第2集光手段5を構成す
る。
【0023】フォトダイオード26は、コレクタレンズ
25によって光軸に平行とされた前方散乱光を受光する
が、散乱光のうち2種類の前方散乱光を受光できるよう
な分画された受光面を持つ。
【0024】図3は、フォトダイオード26の斜視図、
図4はその受光面の形状を示す説明図である。フォトダ
イオード26は、図4に示すように、中央部に円状の受
光面C、周辺部に半円状の受光面Aを備える。
【0025】そして、フォトダイオード26は、光軸に
対して1°から5°までの低角前方散乱光と、光軸に対
して6°から20°までの高角前方散乱光を、それぞれ
受光面Cと受光面Aで検出する。
【0026】低角前方散乱光は、細胞の大きさを反映す
るものであり、高角前方散乱光は、細胞の内部形態を反
映するものであるので、これらの散乱光から得られる信
号を分析することによって、細胞の計数及び分類が可能
となる。ここで、たとえば受光面Cの直径は、1.5m
m、半円状の受光面Aは直径6mm程度の円の一部として
形成される。
【0027】フォトダイオード26は、通常用いられる
フォトダイオードと同様に、図3に示すように金属缶タ
イプの容器の収容され、受光した散乱光強度に対応した
電気パルス信号を出力する端子を数本備えている。
【0028】この端子は、図1に示すように信号分析手
段7に接続される。信号分析手段7は、増幅回路、ピー
ク検出回路、A/D変換回路及びマイクロコンピュータ
等から構成される。マイクロコンピュータは、CPU,
ROM,RAMなどを備え、キーボードやマウスなどの
入力装置が必要に応じて接続される。また、表示手段8
は、CRTやLCDやプリンタなどにより構成される。
【0029】フォトダイオード26から出力される電気
パルス信号は、低角前方散乱光と高角前方散乱光の光強
度に対応した2種類の信号であり、フローセル3の光照
射領域を通過する細胞ごとに出力される。
【0030】信号分析手段7では、上述のような電気パ
ルス信号を受けて、そのパルスのピーク値、パルス幅及
びパルス波形の面積等を計測することによって、細胞分
析に必要なデータを導出し、細胞の計数及び分類を行
う。
【0031】図5は、粒子分析装置100において、白
血球の分類を行ったときに表示される分布図、つまりス
キャッタグラムの例を示す。ここで、横軸(X軸)は高
角前方散乱光パルスの強度IHを示し、縦軸(Y軸)は
低角前方散乱光パルスの強度ILを示している。
【0032】このスキャッタグラムは、図6に示すよう
に、リンパ球が集団(クラスタ)Lとして、単球が集団
Mとして、好酸球以外の顆粒球が集団Gとして、好酸球
が集団Eとして、4つの集団に分類される。
【0033】図6において、破線で囲まれた領域Wは、
予め信号分析手段7に設定された異常粒子判定領域(以
下、判定領域という)の1例である。(この実施例で
は、領域Wを未成熟顆粒球出現領域としている)。そし
て、領域W内に、図7に示すように検出細胞(未成熟顆
粒球)が出現する(プロットされる)場合には、信号分
析手段7は、出現数を計数し、その数が所定値を越える
と、表示手段8に、例えば、“POSITIVE(陽
性)”というメッセージと、その異常細胞(未成熟顆粒
球)の出現に対応したメッセージを表示する。
【0034】なお、ここでは、説明を省略するが、判定
領域としては、上記の未成熟顆粒の判定領域以外に、芽
球、左方移動、異型リンパ球および有核赤血球などの判
定領域を設定することができる。従って、粒子分析装置
100を用いれば、複数の異なる検体についてスクリー
ニング検査を能率よく行うことができる。
【0035】次に、この判定領域の決定方法とその装置
について説明する。まず、粒子分析装置100におい
て、信号分析手段7に、図8に示すように粒子判定基準
決定装置200を接続する。粒子判定基準決定装置20
0は、第1記憶手段10、第2記憶手段11、第1デー
タ作成手段12、第2データ作成手段13、および領域
決定手段14を備え、マイクロコンピュータやパーソナ
ルコンピュータによって構成される。
【0036】次に、複数の正常な検体と、複数の異常な
検体(ここでは、未成熟顆粒球が出現する検体)につい
て、粒子分析装置100で分析して各スキャッタグラム
を作成する。
【0037】装置200は、各スキャッタグラムのデー
タを信号分析手段7から受け取り、次に説明する2つの
方法、すなわち(1)出現粒子数法と(2)出現確率法とによ
って、判定領域を決定し、決定した領域を、図6の領域
Wのように、信号分析手段7に設定する。なお、この
時、後述する判定領域の位置決め用基準点(領域基準
点)も信号分析手段7に設定される。
【0038】(1)出現粒子数法 説明を簡単にするために、図5に示すようなスキャッタ
グラムの平面上の各ドットの座標(アドレス)(X,Y)を
図9のように定義し、各アドレスに対する度数をF(X,
Y)で表わすとする。すなわちスキャッタグラムを表わす
分布データをF(X,Y)とする(図9において例えば、n
=256)。
【0039】そして、N件(例えば200件)の正常な
検体について粒子分析装置100で、各スキャッタグラ
ムを作成する。図10(a)に示すN個の分布データF
1(X,Y),F2(X,Y),…,FN(X,Y)を、装置200の第1
記憶手段10に格納する。
【0040】次に、M件(例えば100件)の異常な検
体(未成熟顆粒球出現検体)について粒子分析装置10
0でスキャッタグラムを作成する。図10(b)に示すM
個の分布データG1(X,Y),G2(X,Y),…,GM(X,Y)が装
置200の第2記憶手段11に格納される。第1データ
作成手段12は、図11の(a)に示すように、第1記憶
手段10に格納された分布データを重ね合わせる(アド
レス単位に加算する)。
【0041】つまり、 F♯(X,Y)=F1(X,Y)+F2(X,Y)+…+FN(X,Y)…(1) によって図12の(a)に示すように基本正常スキャッタ
グラムの分布データF♯(X,Y)を算出する。
【0042】一方、第2データ作成手段13は、図11
の(b)に示すように、第2記憶手段11に格納された分
布データを重ね合わせる(アドレス単位に加算する)。
つまり、 G♯(X,Y)=〔G1(X,Y)+G2(X,Y)+…+GM(X,Y)〕・(N/M)…(2) によって、図12の(b)に示すように基本異常スキャッ
タグラムの分布データG♯(X,Y)を算出する。なお、式
(2)の右辺の(N/M)は式(1)とスキャッタグラム件数を合
わせるために乗じたものである。
【0043】そして、図12の(a)に示す分布データF
♯(X,Y)の表わすスキャッタグラムが、ノイズのような
余分な成分を含んで図13の(a)のようになり、その断
面ヒストグラムが図13の(b)に示すように裾で広がっ
ている場合には、所定のしきい値th1で裾がカットさ
れ、それぞれ、図14の(a)と(b)に示されるように修正
される。
【0044】つまり、 F♯th(X,Y) =F♯(X,Y) −th1 (F♯(X,Y) >th1 )…(3) F♯th(X,Y) =0 (F♯(X,Y) ≦th1 ) から算出された図14の(a)に示すF♯th(X,Y)が基本正
常スキャッタグラムの分布データになる。
【0045】そこで、領域決定手段14は、次のように
して判定領域を決定する。まず、図15の(a)と(b)に示
すように基本異常スキャッタグラムG♯(X,Y)から基本
正常スキャッタグラムF♯th(X,Y)を型抜きする。
【0046】その結果、図16の(a)に示すようなスキ
ャッタグラムH♯(X,Y)を得る。図16の(b)は、その断
面ヒストグラムである。つまり、 H♯(X,Y) =G♯(X,Y) (F♯th(X,Y) =0のとき) H♯(X,Y) =0 (F♯th(X,Y) >0のとき) として算出される。
【0047】ここで、図16の(a)に示すように得られ
た領域は複数個存在する。従って、それを最も典型的な
1個に絞るため、図16の(b)に示すようにしきい値t
h2でカットする。
【0048】つまり、 H♯th(X,Y) =H♯(X,Y) −th2 (H♯(X,Y) >th2)…(5) H♯th(X,Y) =0 (H♯(X,Y) ≦th2) を演算する。
【0049】次に、 I♯(X,Y)=1 (H♯th(X,Y)>0)…(6) I♯(X,Y)=0 (H♯th(X,Y)=0) を演算して、図17に示す判定領域W♯を表わす分布デ
ータI♯(X,Y)を決定する。
【0050】(2)出現確率法 前述のように、正常検体および異常検体について作成さ
れたスキャッタグラムの分布データが、図10の(a)と
(b)に示すように、第1記憶手段10と第2記憶手段1
2にそれぞれ格納されると、第1データ作成手段12と
第2データ作成手段13は、それぞれ、各スキャッタグ
ラムの分布データを、次式により、正規化する。
【0051】
【数1】
【0052】ここで、正規化とは、1つのスキャッタグ
ラムについて、それを形成する総細胞数に対する各ドッ
トにおける細胞数の比率(%)、つまり、出現確率を求
め、その比率によってスキャッタグラムを形成し直すこ
とである。
【0053】次に、第1データ作成手段12および第2
データ作成手段13は、図18の(a)と(b)に示すよう
に、各分布データを重ね合わせる(アドレス単位に加算
する)。つまり、 F%(X,Y)=F1%(X,Y)+F2%(X,Y)+…+FN%(X,Y)…(9) G%(X,Y)=G1%(X,Y)+G2%(X,Y)+…+GM%(X,Y)(N/M)…(10) を算出する。これらが、図19の(a)と(b)とに示す基本
正常スキャッタグラムの分布データF%(X,Y)と基本異
常スキャッタグラムの分布データG%(X,Y)になる。
【0054】そこで、領域決定手段14は、次のように
して判定領域を決定する。まず、基本異常スキャッタグ
ラムの分布データG%(X,Y)を、基本正常スキャッタグ
ラムの分布データF%(X,Y)で除算して、次式のように
H%(X,Y)を算出する。 H%(X,Y) =G%(X,Y) /F%(X,Y) (G%(X,Y) ≧F%(X,Y))…(11) H%(X,Y) =0 (G%(X,Y) <F%(X,Y) )
【0055】そして、図20の(a)に示すようにH%(X,
Y)の示すスキャッタグラムについて、図20の(b)に示
すように、しきい値th3でカットする。つまり、 H%th(X,Y) =H%(X,Y) −th3 (H%(X,Y) >th3 )…(12) H%th(X,Y) =0 (H%(X,Y) ≦th3 ) を演算する。なお、図20の(b)は図20の(a)の要部断
面ヒストグラムである。
【0056】次に、 I%(X,Y)=1 (H%th(X,Y)>0) …(13) I%(X,Y)=0 (H♯th(X,Y)=0)
を演算して、図21に示す判定領域
W%を表わす領域データを算出する。
【0057】このようにして判定領域W♯およびW%の
領域データが算出されると、領域決定手段14は、これ
らの領域の位置決め用基準点(以下、領域基準点とい
う)Pの座標、即ちP(m1,n1)を式(1)又は(3)によ
って得られるスキャッタグラムの集団Gの統計学的重心
として算出する。そして、これらの領域データおよび領
域基準点の座標が信号分析手段7に図22に示すように
設定される。
【0058】次に、このように設定された判定領域の較
正方法およびその装置について説明する。図25は図1
に示す信号分析手段7の詳細ブロック図であり、信号分
析手段7は、受光手段6からの信号をうけてスキャッタ
グラムの分布データ(分布図)を作成する分布データ作
成手段21、作成された分布データを記憶する分布デー
タ記憶手段22、スキャッタグラムの分布データの各集
団の位置を示す集団基準点を抽出する基準点抽出手段2
5、領域決定手段14によって算出される領域基準点を
記憶する領域基準点記憶手段23、領域決定手段14に
よって決定される判定領域を記憶する判定領域記憶手段
24、集団基準点と領域基準点の各座標を比較して判定
領域の移動量を算出する移動量算出手段26、その移動
量に基づいて判定領域のスキャッタグラム上の位置を較
正する判定領域較正手段27、および判定領域に出現す
る細胞数を計数して異常判定を行う異常判定手段28を
備える。
【0059】そこで、検査すべき1つの検体がフローセ
ル3に供給されると、信号分析装置7の分布データ作成
手段21は、その検体についてのスキャッタグラムを図
23に示すように作成し、その分布データを分布データ
記憶手段22に格納する。次に、基準点抽出手段25
は、作成されたスキャッタグラムの集団Gの統計学的重
心Q(m2,n2) を算出してそれを集団基準点として抽出す
る。
【0060】移動量算出手段26は、判定領域W♯,W
%の領域基準点P(m1,n1) を集団基準点Q(m2,n2) に一
致させるために必要な移動量ΔX=m2−m1,ΔY=n
2−n1を算出する。
【0061】そして、判定領域較正手段27は、算出さ
れた移動量だけ、判定領域W♯,W%を移動させること
により、その判定領域の位置を図24に示すように較正
する。異常判定手段28は、前記スキャッタグラムに関
して、較正された判定領域内に出現する細胞数を計数
し、その数に応じたメッセージを表示手段8に表示させ
る。
【0062】
【発明の効果】この発明によれば、異なる2種類のカテ
ゴリーに属する検体群の分布データの相違を統計的に算
出することにより、特有の粒子が存在する分布データ上
の領域、すなわち異常粒子の判定領域が決定されるの
で、その決定を容易にかつ、客観的に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の要部詳細図である。
【図3】図2の要部詳細斜視図である。
【図4】図2の要部説明図である。
【図5】実施例によって作成されるスキャッタグラムの
一例である。
【図6】図5のにおける集団を示す説明図である。
【図7】実施例の判定領域を示す説明図である。
【図8】図1の実施例に適用した判定領域決定装置を示
すブロック図である。
【図9】実施例のスキャッタグラムの座標を示す説明図
である。
【図10】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図11】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図12】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図13】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図14】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図15】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図16】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図17】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図18】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図19】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図20】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図21】実施例の判定領域の決定方法を示す説明図で
ある。
【図22】実施例のスキャッタグラムにおける判定領域
と領域基準点を示す説明図である。
【図23】実施例のスキャッタグラムにおける判定領域
と集団との位置関係を示す説明図である。
【図24】実施例のスキャッタグラムにおける判定領域
の位置の較正方法を示す説明図である。
【図25】図1の要部詳細を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光照射手段 2 第1集光手段 3 フローセル 4 ビームストッパ 5 第2集光手段 6 受光手段 7 信号分析手段 8 表示手段 21 半導体レーザ 22 コリメータレンズ 23 コンデンサレンズ 24 フローセル 25 コレクタレンズ 26 フォトダイオード 27 ビームストッパ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体の粒子の分布データに対し粒子判定
    基準として所定領域を設定し、その所定領域に出現する
    粒子に基づいて検体の粒子を分析するための粒子判定基
    準の決定方法であって、第1カテゴリーに属する第1検
    体群の各分布データを積算して第1基本分布データを作
    成する第1工程と、第2カテゴリーに属する第2検体群
    の各分布データを積算して第2基本分布データを作成す
    る第2工程と、第1および第2基本分布データを比較し
    て第1および第2カテゴリーのいずれか一方に特有の粒
    子が存在する分布データ上の領域を算出する第3工程か
    らなり、算出した領域を粒子判定基準とする粒子判定基
    準の決定方法。
  2. 【請求項2】 第1カテゴリーに属する第1検体群が、
    正常粒子からなる正常検体群であり、第2カテゴリーに
    属する第2検体群が、正常および異常粒子からなる異常
    検体群であり、特有の粒子が、前記異常粒子である請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 粒子の分布データが、分布図における粒
    子のアドレスと度数からなるデータであり、第1および
    第2工程が各分布データの度数をアドレス単位に加算す
    ることによって、それぞれ第1および第2基本分布デー
    タを作成する工程である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 第3工程が、第1基本分布データと第2
    基本分布データとを比較していずれか一方のみが存在す
    る分布データ上の領域を粒子判定基準として算出する工
    程である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 第3工程が、第1基本分布データと第2
    基本分布データとの比を算出し、その比が所定値よりも
    大きい分布データ上の領域を粒子判定基準として算出す
    る工程である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 検体の粒子の分布データに対し粒子判定
    基準として判定領域を設定し、その判定領域に出現する
    粒子に基づいて検体の粒子を分析するための粒子判定基
    準の決定装置であって、第1カテゴリーに属する第1検
    体群の各分布データを記憶する第1記憶手段と、第2カ
    テゴリーに属する第2検体群の各分布データを記憶する
    第2記憶手段と、第1検体群の各分布データを積算して
    第1基本分布データを作成する第1データ作成手段と、
    第2検体群の各分布データを積算して第2基本分布デー
    タを作成する第2データ作成手段と、第1基本分布デー
    タと第2基本分布データとを比較して第1および第2カ
    テゴリーのいずれか一方に特有の粒子が存在する分布デ
    ータ上の領域を粒子判定基準として算出する領域決定手
    段を備えた粒子判定基準の決定装置。
  7. 【請求項7】 第1カテゴリーに属する第1検体群が、
    正常粒子からなる正常検体群であり、第2カテゴリーに
    属する第2検体群が、正常および異常粒子からなる異常
    検体群であり、特有の粒子が、前記異常粒子である請求
    項6の装置。
  8. 【請求項8】 粒子の分布データが、分布図における粒
    子のアドレスと度数からなるデータであり、第1および
    第2データ作成手段は、各分布データの度数をアドレス
    単位に加算することによって、それぞれ第1および第2
    基本分布データを作成することを特徴とする請求項6記
    載の装置。
  9. 【請求項9】 領域決定手段は、第1基本分布データと
    第2基本分布データとを比較していずれか一方のみが存
    在する分布データ上の領域を粒子判定基準として算出す
    る請求項6記載の装置。
  10. 【請求項10】 領域決定手段は、第1基本分布データ
    と第2基本分布データとの比を算出し、その比が所定値
    よりも大きい分布データ上の領域を粒子判定基準として
    算出する請求項6記載の装置。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の装置によって算出され
    た領域を粒子判定基準として記憶する判定領域記憶手段
    と、任意の検体を測定しその検体の分布データを作成す
    る分布データ作成手段と、作成された分布データにおい
    て前記領域内に存在する粒子を判定する判定手段と、判
    定手段の判定結果を出力する出力手段を備えた粒子分析
    装置。
  12. 【請求項12】 請求項6記載の装置によって算出され
    た領域を粒子判定基準として記憶する判定領域記憶手段
    と、任意の検体の分布データを入力する入力手段と、入
    力された分布データについて前記領域内に存在する粒子
    を判定する判定手段と、判定手段の判定結果を出力する
    出力手段を備えた粒子分析装置。
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