JPH09217270A - 繊維製品 - Google Patents
繊維製品Info
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- JPH09217270A JPH09217270A JP1756496A JP1756496A JPH09217270A JP H09217270 A JPH09217270 A JP H09217270A JP 1756496 A JP1756496 A JP 1756496A JP 1756496 A JP1756496 A JP 1756496A JP H09217270 A JPH09217270 A JP H09217270A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 人体に対する安全性に優れ、新たな耐性菌又
は抵抗性菌発生の恐れがほとんどない上に、ＭＲＳＡ菌
増殖抑制機能に優れる繊維製品の提供。 【解決手段】 コロイド状の遊離硫黄を０．０１〜２０
重量％含有するメチシリン耐性黄色ブトウ球菌増殖抑制
性繊維製品であることを特徴とする繊維製品、及びコロ
イド状の遊離硫黄を０．０１〜２０重量％含有する院内
感染防止用繊維製品であることを特徴とする繊維製品。
は抵抗性菌発生の恐れがほとんどない上に、ＭＲＳＡ菌
増殖抑制機能に優れる繊維製品の提供。 【解決手段】 コロイド状の遊離硫黄を０．０１〜２０
重量％含有するメチシリン耐性黄色ブトウ球菌増殖抑制
性繊維製品であることを特徴とする繊維製品、及びコロ
イド状の遊離硫黄を０．０１〜２０重量％含有する院内
感染防止用繊維製品であることを特徴とする繊維製品。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性繊維製品に
関する。
関する。
【０００２】
【従来の技術】周知のように、メチシリン耐性黄色ブド
ウ球菌（メチシリン・レジスタント・スタフィロコッカ
ス・オーリウス；Ｍｅｔｈｉｃｉｌｌｉｎ・ｒｅｓｉｓ
ｔａｎｔ・Ｓｔａｐｈｙｌｃｏｃｃｕｓ・ａｕｒｅｕ
ｓ、以下ＭＲＳＡ菌という）に対する感染特に院内感染
は厄介な社会問題となっており、主に医療関係機関、病
院において院内感染対策の重要性がすでに指摘されてい
る。抗性物質に対して強い耐性を示すＭＲＳＡ菌は、乾
燥に強いため、例えば、医療関係者の衣類を介してある
いは空気中の塵埃を介して広がり、部屋の周辺でも生存
できるといわれ免疫力の弱ったあるいは抵抗力の低下し
た人や乳幼児、老人などに感染しやすいのが特徴であ
り、目下のところこの菌に対する特効薬、治療薬も見出
されていない。
ウ球菌（メチシリン・レジスタント・スタフィロコッカ
ス・オーリウス；Ｍｅｔｈｉｃｉｌｌｉｎ・ｒｅｓｉｓ
ｔａｎｔ・Ｓｔａｐｈｙｌｃｏｃｃｕｓ・ａｕｒｅｕ
ｓ、以下ＭＲＳＡ菌という）に対する感染特に院内感染
は厄介な社会問題となっており、主に医療関係機関、病
院において院内感染対策の重要性がすでに指摘されてい
る。抗性物質に対して強い耐性を示すＭＲＳＡ菌は、乾
燥に強いため、例えば、医療関係者の衣類を介してある
いは空気中の塵埃を介して広がり、部屋の周辺でも生存
できるといわれ免疫力の弱ったあるいは抵抗力の低下し
た人や乳幼児、老人などに感染しやすいのが特徴であ
り、目下のところこの菌に対する特効薬、治療薬も見出
されていない。
【０００３】従って、院内感染を防止することが第一の
防波堤となるため、手術着や看護用白衣、帽子、マスク
等医療従事者衣料の他、ベッド回り品、パジャマ、イン
テリア等用のＭＲＳＡ菌感染予防素材が求められてい
る。このような要求に対して従来、各種抗菌剤で加工さ
れた繊維製品が提案されているがこれらの繊維製品は、
人体に対する安全性が懸念されること、さらには新たな
耐性菌が発生する危険性を有することなどがすでに指摘
されているとともに、特にＭＲＳＡ菌の院内感染を充分
に予防し得る繊維製品には至っていなかったのである。
防波堤となるため、手術着や看護用白衣、帽子、マスク
等医療従事者衣料の他、ベッド回り品、パジャマ、イン
テリア等用のＭＲＳＡ菌感染予防素材が求められてい
る。このような要求に対して従来、各種抗菌剤で加工さ
れた繊維製品が提案されているがこれらの繊維製品は、
人体に対する安全性が懸念されること、さらには新たな
耐性菌が発生する危険性を有することなどがすでに指摘
されているとともに、特にＭＲＳＡ菌の院内感染を充分
に予防し得る繊維製品には至っていなかったのである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、かか
る要求に応えた、すなわち、人体に対する安全性に優
れ、新たな耐性菌又は抵抗性菌発生の恐れがほとんどな
い上に、ＭＲＳ菌増殖抑制機能に優れる繊維製品を提供
することである。
る要求に応えた、すなわち、人体に対する安全性に優
れ、新たな耐性菌又は抵抗性菌発生の恐れがほとんどな
い上に、ＭＲＳ菌増殖抑制機能に優れる繊維製品を提供
することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記本発明
課題を達成すべく、従来公知の各種抗菌剤を用いた繊維
製品を多数試作し、それらを評価する検討を重ねた結
果、本発明課題を達成し得る繊維製品を見出すことに成
功し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明
は、 １．コロイド状の遊離硫黄を０．０１〜２０重量％含有
するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌増殖抑制性繊維製品
であることを特徴とする繊維製品、 ２．コロイド状の遊離硫黄を０．０１〜２０重量％含有
する院内感染防止用繊維製品であることを特徴とする繊
維製品、 ３．少なくとも一部がセルロース系繊維から成る繊維製
品であることを特徴とする前記１又は２記載の繊維製
品、である。
課題を達成すべく、従来公知の各種抗菌剤を用いた繊維
製品を多数試作し、それらを評価する検討を重ねた結
果、本発明課題を達成し得る繊維製品を見出すことに成
功し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明
は、 １．コロイド状の遊離硫黄を０．０１〜２０重量％含有
するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌増殖抑制性繊維製品
であることを特徴とする繊維製品、 ２．コロイド状の遊離硫黄を０．０１〜２０重量％含有
する院内感染防止用繊維製品であることを特徴とする繊
維製品、 ３．少なくとも一部がセルロース系繊維から成る繊維製
品であることを特徴とする前記１又は２記載の繊維製
品、である。
【０００６】以下において本発明を詳細に説明する。本
発明による繊維製品は、コロイド状の遊離硫黄を０．０
１〜２０重量％より好ましくは０．０５〜２０重量％、
さらに好ましくは０．１０〜２０重量％含有する必要が
ある。０．０１重量％未満ではＭＲＳＡ菌増殖抑制効果
に乏しい繊維製品となる可能性が多くなり、また２０重
量％を超えて含有させても、ＭＲＳＡ菌増殖抑制機能の
一層の向上を期待し難くなる上、このように含有させた
繊維製品を得ることが困難となる可能性が多くなるから
である。
発明による繊維製品は、コロイド状の遊離硫黄を０．０
１〜２０重量％より好ましくは０．０５〜２０重量％、
さらに好ましくは０．１０〜２０重量％含有する必要が
ある。０．０１重量％未満ではＭＲＳＡ菌増殖抑制効果
に乏しい繊維製品となる可能性が多くなり、また２０重
量％を超えて含有させても、ＭＲＳＡ菌増殖抑制機能の
一層の向上を期待し難くなる上、このように含有させた
繊維製品を得ることが困難となる可能性が多くなるから
である。
【０００７】本発明の繊維製品において、コロイド状の
遊離硫黄を含有させるには、布帛の段階で含有させても
差支えないが、予めコロイド状の遊離硫黄を含有させた
繊維を利用することがより望ましい。そのような繊維で
あれば合成繊維であっても差支えない。より好ましいの
は天然繊維である。それらのうち、例えば、本出願人が
先に提案した特開平３−１９９６４号公報に開示したコ
ロイド状の遊離硫黄を含有するセルロース系繊維を利用
することが特に好ましい。
遊離硫黄を含有させるには、布帛の段階で含有させても
差支えないが、予めコロイド状の遊離硫黄を含有させた
繊維を利用することがより望ましい。そのような繊維で
あれば合成繊維であっても差支えない。より好ましいの
は天然繊維である。それらのうち、例えば、本出願人が
先に提案した特開平３−１９９６４号公報に開示したコ
ロイド状の遊離硫黄を含有するセルロース系繊維を利用
することが特に好ましい。
【０００８】この場合におけるセルロース系繊維とは、
麻、綿、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジック
レーヨン（特に平均重合度５００〜６００が好まし
い。）等の再生セルロース繊維、ライオセル（ＬＹＯＣ
ＥＬＬ；例えば繊維学会誌（繊維と工業）Ｖｏｌ．４
８，Ｎｏ．１１（１９９２）Ｐ．５８４〜Ｐ．５９１に
記載されているコートルズ社の商品各テンセルが相当す
る。）をいうが、特に好ましいのはビスコースレーヨ
ン、ポリノジックレーヨン、ライオセルであり、単糸デ
ニールや繊維長（短繊維でも長繊維でもよい）は特に限
定されない。
麻、綿、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジック
レーヨン（特に平均重合度５００〜６００が好まし
い。）等の再生セルロース繊維、ライオセル（ＬＹＯＣ
ＥＬＬ；例えば繊維学会誌（繊維と工業）Ｖｏｌ．４
８，Ｎｏ．１１（１９９２）Ｐ．５８４〜Ｐ．５９１に
記載されているコートルズ社の商品各テンセルが相当す
る。）をいうが、特に好ましいのはビスコースレーヨ
ン、ポリノジックレーヨン、ライオセルであり、単糸デ
ニールや繊維長（短繊維でも長繊維でもよい）は特に限
定されない。
【０００９】前記セルロース系繊維を本発明の繊維製品
に利用する場合のセルロース系繊維におけるコロイド状
の遊離硫黄の含有量は０．２〜２０重量％であることが
好ましく、１〜１０重量％であることが更に好ましい。
０．２重量％未満では繊維製品となしたときＭＲＳＡ菌
増殖抑制効果が発揮され難くなり、２０重量％を超える
とセルロース系繊維製造工程において臭いの発生や糸切
れ等が起こり易くなり繊維製造が困難となる。
に利用する場合のセルロース系繊維におけるコロイド状
の遊離硫黄の含有量は０．２〜２０重量％であることが
好ましく、１〜１０重量％であることが更に好ましい。
０．２重量％未満では繊維製品となしたときＭＲＳＡ菌
増殖抑制効果が発揮され難くなり、２０重量％を超える
とセルロース系繊維製造工程において臭いの発生や糸切
れ等が起こり易くなり繊維製造が困難となる。
【００１０】コロイド状の遊離硫黄を含有する繊維は、
既述のように公知である。かかるセルロース系繊維が、
黄色ブドウ球菌、アクネ菌（ニキビの原因となる菌）、
白せん菌（水虫の原因となる菌）等に対してその増殖を
抑制する抗菌性があり、このような菌に起因する皮膚疾
患等に顕著な効果を有することも公知である。しかしな
がらこれまでコロイド状の遊離硫黄を含有する繊維がＭ
ＲＳＡ菌に対する増殖抑制機能を有することは、意外に
も、全く知られていなかったし、また硫黄自体の薬理作
用としても全く知られていなかったのである。本発明者
によって初めて、コロイド状の遊離硫黄を含有する繊維
が、ＭＲＳＡ菌に対して極めて優れた増殖抑制機能を有
することが見出されたのである。本発明の前記遊離硫黄
を含有する繊維は、前記ＭＲＳＡ菌増殖抑制機能に加
え、皮膚刺激性がなく、人体に対する安全性も高く、ま
た新たな耐性菌あるいは抵抗性菌が発生し難いという優
れた性質を併せ有する。
既述のように公知である。かかるセルロース系繊維が、
黄色ブドウ球菌、アクネ菌（ニキビの原因となる菌）、
白せん菌（水虫の原因となる菌）等に対してその増殖を
抑制する抗菌性があり、このような菌に起因する皮膚疾
患等に顕著な効果を有することも公知である。しかしな
がらこれまでコロイド状の遊離硫黄を含有する繊維がＭ
ＲＳＡ菌に対する増殖抑制機能を有することは、意外に
も、全く知られていなかったし、また硫黄自体の薬理作
用としても全く知られていなかったのである。本発明者
によって初めて、コロイド状の遊離硫黄を含有する繊維
が、ＭＲＳＡ菌に対して極めて優れた増殖抑制機能を有
することが見出されたのである。本発明の前記遊離硫黄
を含有する繊維は、前記ＭＲＳＡ菌増殖抑制機能に加
え、皮膚刺激性がなく、人体に対する安全性も高く、ま
た新たな耐性菌あるいは抵抗性菌が発生し難いという優
れた性質を併せ有する。
【００１１】コロイド状の遊離硫黄を繊維あるいは布帛
に含有させる方法は、本発明において特に好ましく用い
られるセルロース系繊維の場合についても説明すると、
紡糸原液中に硫黄生成物を含有させて紡糸したり、後加
工において、例えば、硫黄を溶解した硫化ソーダ水溶液
やチオ硫酸ソーダ水溶液にセルロース系繊維の糸又は布
帛を浸漬し、酸溶液中で分解させることで達成できる。
に含有させる方法は、本発明において特に好ましく用い
られるセルロース系繊維の場合についても説明すると、
紡糸原液中に硫黄生成物を含有させて紡糸したり、後加
工において、例えば、硫黄を溶解した硫化ソーダ水溶液
やチオ硫酸ソーダ水溶液にセルロース系繊維の糸又は布
帛を浸漬し、酸溶液中で分解させることで達成できる。
【００１２】かかるセルロース系繊維から構成される繊
維製品におけるセルロース系繊維の含有量は、繊維製品
を構成する繊維の少なくとも５重量％以上、好ましくは
１０重量％以上、さらに好ましくは５０重量％以上であ
ればよい。尚、かかるセルロース系繊維と混用する他の
繊維としては、希望に応じて適宜選定して用いればよ
く、例えば、コロイド状の遊離硫黄を含有しないセルロ
ース系繊維との混用、絹、ウール、ポリエステル、ナイ
ロン、アクリル、アセテート、ポリウレタン系弾性繊
維、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、抗ピル性等を改質した改質繊維等の従来公知の各
種繊維との一種以上の混用であってよく、また混用形態
としても交撚、混繊、混紡等糸での混用や交編織、積層
のような布帛やシート状での混用であってよい。また、
本発明における繊維製品の形態は、糸、不織布、編織物
等いずれでもよい。
維製品におけるセルロース系繊維の含有量は、繊維製品
を構成する繊維の少なくとも５重量％以上、好ましくは
１０重量％以上、さらに好ましくは５０重量％以上であ
ればよい。尚、かかるセルロース系繊維と混用する他の
繊維としては、希望に応じて適宜選定して用いればよ
く、例えば、コロイド状の遊離硫黄を含有しないセルロ
ース系繊維との混用、絹、ウール、ポリエステル、ナイ
ロン、アクリル、アセテート、ポリウレタン系弾性繊
維、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、抗ピル性等を改質した改質繊維等の従来公知の各
種繊維との一種以上の混用であってよく、また混用形態
としても交撚、混繊、混紡等糸での混用や交編織、積層
のような布帛やシート状での混用であってよい。また、
本発明における繊維製品の形態は、糸、不織布、編織物
等いずれでもよい。
【００１３】本発明による繊維製品は、既述のようにＭ
ＲＳＡ菌の増殖を抑制し得る繊維製品である必要があ
る。本発明におけるこのＭＲＳＡ菌増殖抑制性は以下に
説明するＭＲＳＡ菌数増減値差によって評価する。すな
わち、液体ブイヨンに懸濁させたＭＲＳＡ菌を試験片上
に接種し、３７℃で１時間静置培養する。そして、培養
前後における試験片上のＭＲＳＡ菌数を測定し、次式に
より、試験片のＭＲＳＡ菌数増減値を算出する。
ＲＳＡ菌の増殖を抑制し得る繊維製品である必要があ
る。本発明におけるこのＭＲＳＡ菌増殖抑制性は以下に
説明するＭＲＳＡ菌数増減値差によって評価する。すな
わち、液体ブイヨンに懸濁させたＭＲＳＡ菌を試験片上
に接種し、３７℃で１時間静置培養する。そして、培養
前後における試験片上のＭＲＳＡ菌数を測定し、次式に
より、試験片のＭＲＳＡ菌数増減値を算出する。
【００１４】 別途ブランクとしてナイロン製白布を準備し、上記と全
く同様にして、ブランクのＭＲＳＡ菌数増減値を算出す
る。本発明におけるＭＲＳＡ菌増殖抑性の評価基準であ
るＭＲＳＡ菌数増減値差は、次式によって求められる。
く同様にして、ブランクのＭＲＳＡ菌数増減値を算出す
る。本発明におけるＭＲＳＡ菌増殖抑性の評価基準であ
るＭＲＳＡ菌数増減値差は、次式によって求められる。
【００１５】ＭＲＳＡ菌数増減値差＝（ブランクのＭＲ
ＳＡ菌数増減値）−（試験片のＭＲＳＡ菌数増減値） 本発明においては、このＭＲＳＡ菌数増減値差（以下、
菌数増減値差という）が１．６以上であると、当該繊維
製品は、ＭＲＳＡ菌増殖抑制性であると評価して差支え
ない。本発明による繊維製品のより好ましい菌数増減値
差は２．０以上であり、更に好ましくは３．０以上であ
り、特に好ましいのは４．０以上である。
ＳＡ菌数増減値）−（試験片のＭＲＳＡ菌数増減値） 本発明においては、このＭＲＳＡ菌数増減値差（以下、
菌数増減値差という）が１．６以上であると、当該繊維
製品は、ＭＲＳＡ菌増殖抑制性であると評価して差支え
ない。本発明による繊維製品のより好ましい菌数増減値
差は２．０以上であり、更に好ましくは３．０以上であ
り、特に好ましいのは４．０以上である。
【００１６】本発明の繊維製品は医療関係機関および病
院内用即ち院内感染防止用繊維製品であることが特に好
ましい。具体的には、医師、看護婦、技師等の医療関係
者の白衣、ユニフォーム、病院内で軽く羽織る予防衣、
手術着、帽子、マスク、パンティストッキング、タオル
等医療従事者衣料の他、ベッドシーツ、シーツカバー、
毛布等のベッド関連、患者の肌着等のインナー、パジャ
マ、病院内や病室のカーテン、敷物や壁装材等のインテ
リア等の繊維製品を例示することができる。又、病院内
用の繊維製品のみならず一般家庭での感染防止用介護用
繊維製品として適用することも望ましい。
院内用即ち院内感染防止用繊維製品であることが特に好
ましい。具体的には、医師、看護婦、技師等の医療関係
者の白衣、ユニフォーム、病院内で軽く羽織る予防衣、
手術着、帽子、マスク、パンティストッキング、タオル
等医療従事者衣料の他、ベッドシーツ、シーツカバー、
毛布等のベッド関連、患者の肌着等のインナー、パジャ
マ、病院内や病室のカーテン、敷物や壁装材等のインテ
リア等の繊維製品を例示することができる。又、病院内
用の繊維製品のみならず一般家庭での感染防止用介護用
繊維製品として適用することも望ましい。
【００１７】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに
限定されるものではない。なお、本発明における遊離硫
黄の分析方法および繊維製品の評価方法を次に示す。
り具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに
限定されるものではない。なお、本発明における遊離硫
黄の分析方法および繊維製品の評価方法を次に示す。
【００１８】（１）遊離硫黄の分析方法 セルロース系繊維におけるコロイド状の遊離硫黄の含有
量は以下の方法で測定した。５００ｍｌのガス発生器に
２００ｍｌの水と２０ｇのホウ酸と１０ｇの糸を入れ、
窒素ガスを通しながら１時間煮沸し、冷却後フェノール
フタレインを指示薬として６Ｎの苛性ソーダ溶液で中和
する。次にこれを２００ｇ／リットルの亜硫酸ソーダ２
０ｍｌと１ｇ／リットルのステアリン酸石鹸５ｍｌを加
え、窒素ガスを通しながら３時間煮沸し、冷却後別の５
００ｍｌのビーカに液を移す。１００ｍｌの水で糸を洗
浄し、４０％ホルマリン１０ｍｌと酢酸、酢酸ナトリウ
ムの緩衝液２０ｍｌを加える。次にｐＨが４．６になる
まで濃酢酸を加え、０．１Ｎのヨウ素水を一定量加え
て、０．１Ｎのチオ硫酸ソーダでスターチを指示薬に逆
滴定する。ブランクとして糸を入れないで以上の処理を
同様に行う。試料糸の遊離硫黄の含有量は次式により求
める。
量は以下の方法で測定した。５００ｍｌのガス発生器に
２００ｍｌの水と２０ｇのホウ酸と１０ｇの糸を入れ、
窒素ガスを通しながら１時間煮沸し、冷却後フェノール
フタレインを指示薬として６Ｎの苛性ソーダ溶液で中和
する。次にこれを２００ｇ／リットルの亜硫酸ソーダ２
０ｍｌと１ｇ／リットルのステアリン酸石鹸５ｍｌを加
え、窒素ガスを通しながら３時間煮沸し、冷却後別の５
００ｍｌのビーカに液を移す。１００ｍｌの水で糸を洗
浄し、４０％ホルマリン１０ｍｌと酢酸、酢酸ナトリウ
ムの緩衝液２０ｍｌを加える。次にｐＨが４．６になる
まで濃酢酸を加え、０．１Ｎのヨウ素水を一定量加え
て、０．１Ｎのチオ硫酸ソーダでスターチを指示薬に逆
滴定する。ブランクとして糸を入れないで以上の処理を
同様に行う。試料糸の遊離硫黄の含有量は次式により求
める。
【００１９】遊離硫黄の含有量（％）＝｛（Ａ−Ｂ）×
０．００３２×１００｝／ｇ Ａ；０．１Ｎ−Ｎａ2 Ｓ2 Ｏ3 滴定量（ブランク）（ｍ
ｌ） Ｂ；０．１Ｎ−Ｎａ2 Ｓ2 Ｏ3 滴定量（サンプル）（ｍ
ｌ） ｇ；糸採取量（絶乾）（ｇ） （２）増殖抑制性の評価方法 抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験方法（マニュア
ル）（繊維製品衛生加工協議会、昭和６３年、による）
に基ずく、ＭＲＳＡ菌による菌数測定法による。
０．００３２×１００｝／ｇ Ａ；０．１Ｎ−Ｎａ2 Ｓ2 Ｏ3 滴定量（ブランク）（ｍ
ｌ） Ｂ；０．１Ｎ−Ｎａ2 Ｓ2 Ｏ3 滴定量（サンプル）（ｍ
ｌ） ｇ；糸採取量（絶乾）（ｇ） （２）増殖抑制性の評価方法 抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験方法（マニュア
ル）（繊維製品衛生加工協議会、昭和６３年、による）
に基ずく、ＭＲＳＡ菌による菌数測定法による。
【００２０】即ち、滅菌した液体ブイヨンにＭＲＳＡ
菌（ＩＩＤ１６７７）を懸濁させ、この液を０．２ｇの
試験片上に０．２ｍｌ接種（菌数は約４１万個）し、直
ちに３７℃で１８時間静置培養する。 培養後取り出し、培養前後の試験片上の生菌数を測定
し、下記の計算式でＭＲＳＡ菌数増減値を算出する。
菌（ＩＩＤ１６７７）を懸濁させ、この液を０．２ｇの
試験片上に０．２ｍｌ接種（菌数は約４１万個）し、直
ちに３７℃で１８時間静置培養する。 培養後取り出し、培養前後の試験片上の生菌数を測定
し、下記の計算式でＭＲＳＡ菌数増減値を算出する。
【００２１】 別途ブランクとしてナイロン製白布を準備し、試験片
に行ったのと全く同じ前記，の操作を行う。
に行ったのと全く同じ前記，の操作を行う。
【００２２】次式によってＭＲＳＡ菌数増減値差を求
める。 ＭＲＳＡ菌数増減値差＝（ナイロン標準白布の菌数増減
値）−（試験片の菌数増減値）
める。 ＭＲＳＡ菌数増減値差＝（ナイロン標準白布の菌数増減
値）−（試験片の菌数増減値）
【００２３】
【実施例１】単糸繊度が１．５デニールのビスコースレ
ーヨンフィラメントの集合体を、１００ｇ／リットルの
硫化ソーダ水溶液中に３．０ｇ／リットルの硫黄を溶解
させた処理液中に浸漬、次いで、絞液後、１４０ｇ／リ
ットルの硫酸中に浸漬した。硫化水素ガスが発生しなく
なった時点で液中から前記フイラメント重合体を取り出
し、水洗を繰り返し、風乾、熱風乾燥し、１時間洗濯機
で水洗した後、風乾した。
ーヨンフィラメントの集合体を、１００ｇ／リットルの
硫化ソーダ水溶液中に３．０ｇ／リットルの硫黄を溶解
させた処理液中に浸漬、次いで、絞液後、１４０ｇ／リ
ットルの硫酸中に浸漬した。硫化水素ガスが発生しなく
なった時点で液中から前記フイラメント重合体を取り出
し、水洗を繰り返し、風乾、熱風乾燥し、１時間洗濯機
で水洗した後、風乾した。
【００２４】得られたビスコースレーヨンフィラメント
の集合体は、コロイド状の遊離硫黄を０．６重量％含有
していた。この集合体を３８ｍｍにカットしたものと綿
を混紡し、綿番手で４０番手の混紡糸を得た（綿含有量
８０％）。この混紡糸を用いて１８ＧＧのスムース組織
の丸編他を作製した。なお、この丸編地としてのコロイ
ド状の遊離硫黄は、０．６重量％含有のセルロース系繊
維を２０％含有しているので、０．１２重量％となる。
次いで精練後、次亜塩素酸ソーダで漂白し、蛍光染色し
た。得られた白色のスムース編地を用いて丸首肌着を作
成した。肌着としてのコロイド状の遊離硫黄の含有量
は、０．１重量％であった。
の集合体は、コロイド状の遊離硫黄を０．６重量％含有
していた。この集合体を３８ｍｍにカットしたものと綿
を混紡し、綿番手で４０番手の混紡糸を得た（綿含有量
８０％）。この混紡糸を用いて１８ＧＧのスムース組織
の丸編他を作製した。なお、この丸編地としてのコロイ
ド状の遊離硫黄は、０．６重量％含有のセルロース系繊
維を２０％含有しているので、０．１２重量％となる。
次いで精練後、次亜塩素酸ソーダで漂白し、蛍光染色し
た。得られた白色のスムース編地を用いて丸首肌着を作
成した。肌着としてのコロイド状の遊離硫黄の含有量
は、０．１重量％であった。
【００２５】得られた肌着のＭＲＳＡ菌増殖抑制性を評
価した結果、菌数増減値差が４．１であった。この値は
ＭＲＳＡ菌に対する増殖抑制効果が認められる菌数増減
値差１．６を大幅に上廻り、本実施例による肌着は優れ
たＭＲＳＡ菌増殖抑制効果を有するものであった。
価した結果、菌数増減値差が４．１であった。この値は
ＭＲＳＡ菌に対する増殖抑制効果が認められる菌数増減
値差１．６を大幅に上廻り、本実施例による肌着は優れ
たＭＲＳＡ菌増殖抑制効果を有するものであった。
【００２６】
【実施例２】１００ｇ／リットルの硫化ソーダ水溶液２
リットル中に硫黄３５ｇを溶解し、常法により得られた
セルロース含有量９％のビスコース２０リットル中に加
えて混合し、１時間攪拌した。０．０７ｍｍ中の１００
孔の紡糸口金を用いて、紡糸速度７０ｍ／分で紡糸し、
３００デニール１００フィラメントのビスコースレーヨ
ンフィラメント糸を得た。次いでこれを水洗し、熱風乾
燥した。得られたビスコースレーヨンフィラメント糸
は、コロイド状の遊離硫黄を１．３重量％含有してい
た。
リットル中に硫黄３５ｇを溶解し、常法により得られた
セルロース含有量９％のビスコース２０リットル中に加
えて混合し、１時間攪拌した。０．０７ｍｍ中の１００
孔の紡糸口金を用いて、紡糸速度７０ｍ／分で紡糸し、
３００デニール１００フィラメントのビスコースレーヨ
ンフィラメント糸を得た。次いでこれを水洗し、熱風乾
燥した。得られたビスコースレーヨンフィラメント糸
は、コロイド状の遊離硫黄を１．３重量％含有してい
た。
【００２７】このビスコースレーヨンフィラメント糸の
集合体を１２７ｍｍにカットしたものと３インチにバイ
ヤスカットされたアクリル系合成繊維（旭化成工業
（株）製、登録商標カシミロン）を混紡し、毛番手で２
０番手双糸を得た（アクリル系合成繊維含有量８５
％）。次いで、アクリル系合成繊維のみを片染めした染
糸となし、この染糸を用いてタフトし、パイル長１１ｍ
ｍのカットパイルマットを得た。マットとしてのコロイ
ド状の遊離硫黄の含有量は、０．１７重量％であった。
集合体を１２７ｍｍにカットしたものと３インチにバイ
ヤスカットされたアクリル系合成繊維（旭化成工業
（株）製、登録商標カシミロン）を混紡し、毛番手で２
０番手双糸を得た（アクリル系合成繊維含有量８５
％）。次いで、アクリル系合成繊維のみを片染めした染
糸となし、この染糸を用いてタフトし、パイル長１１ｍ
ｍのカットパイルマットを得た。マットとしてのコロイ
ド状の遊離硫黄の含有量は、０．１７重量％であった。
【００２８】得られたマットのＭＲＳＡ菌増殖抑制機能
を評価した結果、ＭＲＳＡ菌数増減値差が４．５であ
り、優れたＭＲＳＡ菌増殖抑制効果を有するものであっ
た。
を評価した結果、ＭＲＳＡ菌数増減値差が４．５であ
り、優れたＭＲＳＡ菌増殖抑制効果を有するものであっ
た。
【００２９】
【比較例１】実施例１における、コロイド状の遊離硫黄
を含有するビスコースレーヨンフィランドの集合体の代
わりに、硫黄を溶解させた処理液中に浸漬する前の単糸
繊度１．５デニールのビスコースレーヨンフィラメント
の集合体を用いた以外は実施例１と全く同様にして肌着
を作成し、評価した。
を含有するビスコースレーヨンフィランドの集合体の代
わりに、硫黄を溶解させた処理液中に浸漬する前の単糸
繊度１．５デニールのビスコースレーヨンフィラメント
の集合体を用いた以外は実施例１と全く同様にして肌着
を作成し、評価した。
【００３０】得られた肌着のＭＲＳＡ菌増殖抑制機能を
評価した結果、ＭＲＳＡ菌数増減値差が１．４であっ
た。この値はＭＲＳＡ菌に対する増殖抑制効果が認めら
れる1.６を大幅に下廻っており、全く増殖抑制効果の無
いものであった。
評価した結果、ＭＲＳＡ菌数増減値差が１．４であっ
た。この値はＭＲＳＡ菌に対する増殖抑制効果が認めら
れる1.６を大幅に下廻っており、全く増殖抑制効果の無
いものであった。
【００３１】
【発明の効果】本発明による繊維製品は、人体に対して
安全であり新たな耐性菌又は抵抗性菌発生の恐れがほと
んどない上に、ＭＲＳＡ菌増殖抑制機能に極めて優れ、
院内感染防止用繊維製品に特に好適である。
安全であり新たな耐性菌又は抵抗性菌発生の恐れがほと
んどない上に、ＭＲＳＡ菌増殖抑制機能に極めて優れ、
院内感染防止用繊維製品に特に好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｄ０１Ｆ 2/08 Ｄ０１Ｆ 2/08 // Ｄ０６Ｍ 101:06
Claims (3)
- 【請求項１】 コロイド状の遊離硫黄を０．０１〜２０
重量％含有するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌増殖抑制
性繊維製品であることを特徴とする繊維製品。 - 【請求項２】 コロイド状の遊離硫黄を０．０１〜２０
重量％含有する院内感染防止用繊維製品であることを特
徴とする繊維製品。 - 【請求項３】 少なくとも一部がセルロース系繊維から
成る繊維製品であることを特徴とする請求項１又は２記
載の繊維製品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1756496A JPH09217270A (ja) | 1996-02-02 | 1996-02-02 | 繊維製品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1756496A JPH09217270A (ja) | 1996-02-02 | 1996-02-02 | 繊維製品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09217270A true JPH09217270A (ja) | 1997-08-19 |
Family
ID=11947418
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1756496A Withdrawn JPH09217270A (ja) | 1996-02-02 | 1996-02-02 | 繊維製品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09217270A (ja) |
-
1996
- 1996-02-02 JP JP1756496A patent/JPH09217270A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030506 |