JPH09217052A - 紫外線吸収剤およびそれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents
紫外線吸収剤およびそれを含有する皮膚外用剤Info
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- JPH09217052A JPH09217052A JP4843496A JP4843496A JPH09217052A JP H09217052 A JPH09217052 A JP H09217052A JP 4843496 A JP4843496 A JP 4843496A JP 4843496 A JP4843496 A JP 4843496A JP H09217052 A JPH09217052 A JP H09217052A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れたUV−A領域の紫外線吸収能を有し、
かつ、皮膚に対する安全性に優れ、また、種々の皮膚外
用剤用基剤に対して高い溶解性を示す、新規な紫外線吸
収剤を提供すること。 【解決手段】 式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基を示す)で表
される5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペ
ンタジエン酸エステルの一種または二種以上からなるこ
とを特徴とする紫外線吸収剤およびこれを含有すること
を特徴とする皮膚外用剤。
かつ、皮膚に対する安全性に優れ、また、種々の皮膚外
用剤用基剤に対して高い溶解性を示す、新規な紫外線吸
収剤を提供すること。 【解決手段】 式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基を示す)で表
される5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペ
ンタジエン酸エステルの一種または二種以上からなるこ
とを特徴とする紫外線吸収剤およびこれを含有すること
を特徴とする皮膚外用剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、UV−A領域の紫
外線を吸収する紫外線吸収剤およびこれを含有する皮膚
外用剤に関する。
外線を吸収する紫外線吸収剤およびこれを含有する皮膚
外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層の破壊とともに、太陽光
線に由来する紫外線による皮膚の障害が注目されてきて
いる。 この紫外線から皮膚を保護する目的で、従来よ
り、種々の紫外線吸収剤が化粧品等の皮膚外用剤に配合
され、利用されている。
線に由来する紫外線による皮膚の障害が注目されてきて
いる。 この紫外線から皮膚を保護する目的で、従来よ
り、種々の紫外線吸収剤が化粧品等の皮膚外用剤に配合
され、利用されている。
【0003】紫外線は、その波長領域によって、UV−
A(320〜400nm)、UV−B(290〜320
nm)およびUV−C(290nm以下)に分けられる
が、この中でも特にUV−B領域の紫外線は、急性の紅
斑形成等の皮膚障害を生じさせることが知られており、
従来の紫外線吸収剤の開発の多くは、このUV−B領域
の紫外線吸収剤に向けられていた。
A(320〜400nm)、UV−B(290〜320
nm)およびUV−C(290nm以下)に分けられる
が、この中でも特にUV−B領域の紫外線は、急性の紅
斑形成等の皮膚障害を生じさせることが知られており、
従来の紫外線吸収剤の開発の多くは、このUV−B領域
の紫外線吸収剤に向けられていた。
【0004】しかし、最近になって、UV−A領域の紫
外線が、シミ、ソバカス等の色素沈着や、UV−B領域
の紫外線の皮膚障害を増強する作用を有することが判明
し、UV−A領域の紫外線を吸収する紫外線吸収剤の開
発も重要視されるようになってきた。
外線が、シミ、ソバカス等の色素沈着や、UV−B領域
の紫外線の皮膚障害を増強する作用を有することが判明
し、UV−A領域の紫外線を吸収する紫外線吸収剤の開
発も重要視されるようになってきた。
【0005】UV−A領域の紫外線を吸収する物質とし
ては、例えば、種々のジベンゾイルメタン誘導体が知ら
れており、中でも4−(1,1−ジメチルエチル)−4'
−メトキシジベンゾイルメタンが紫外線吸収剤として汎
用されている(特公昭61−16258号公報)。
ては、例えば、種々のジベンゾイルメタン誘導体が知ら
れており、中でも4−(1,1−ジメチルエチル)−4'
−メトキシジベンゾイルメタンが紫外線吸収剤として汎
用されている(特公昭61−16258号公報)。
【0006】また、5−アリール−2,4−ペンタジエ
ン酸の骨格を有する数種の化合物も、UV−A領域の紫
外線吸収剤の有効成分として提案されており、特開平6
−336417号公報および特開平7−238275号
公報には天然物由来のピペリン酸〔5−(1,3−ベン
ゾジオキソール−5−イル)−2,4−ペンタジエン
酸〕およびそのエステルが、米国特許明細書第5,32
0,833号には3−アルコキシ−5−アリール−2,4
−ペンタジエン酸がそれぞれ開示されている。 さら
に、特開平7−17912号公報には、ジカルボン酸で
あるシンナミリデンマロン酸誘導体が、特開平7−17
892号公報には、ケトンである5−アリール−2,4
−ペンタジエノン誘導体がそれぞれ開示されている。
ン酸の骨格を有する数種の化合物も、UV−A領域の紫
外線吸収剤の有効成分として提案されており、特開平6
−336417号公報および特開平7−238275号
公報には天然物由来のピペリン酸〔5−(1,3−ベン
ゾジオキソール−5−イル)−2,4−ペンタジエン
酸〕およびそのエステルが、米国特許明細書第5,32
0,833号には3−アルコキシ−5−アリール−2,4
−ペンタジエン酸がそれぞれ開示されている。 さら
に、特開平7−17912号公報には、ジカルボン酸で
あるシンナミリデンマロン酸誘導体が、特開平7−17
892号公報には、ケトンである5−アリール−2,4
−ペンタジエノン誘導体がそれぞれ開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した種々のUV−
A領域の紫外線吸収剤は、いずれも優れた紫外線吸収能
を有するが、皮膚に対して感作性を示すため、安全に用
いることができなかったり、あるいは、化粧品等の皮膚
外用剤に配合するにあたり、基剤に対する溶解性が著し
く低いためその使用量が制限され、紫外線吸収能が十分
に発揮されないという問題点があった。
A領域の紫外線吸収剤は、いずれも優れた紫外線吸収能
を有するが、皮膚に対して感作性を示すため、安全に用
いることができなかったり、あるいは、化粧品等の皮膚
外用剤に配合するにあたり、基剤に対する溶解性が著し
く低いためその使用量が制限され、紫外線吸収能が十分
に発揮されないという問題点があった。
【0008】よって、優れたUV−A領域の紫外線吸収
能を有し、かつ、皮膚に対する安全性に優れ、また、種
々の皮膚外用剤用基剤に対して高い溶解性を示す、新規
な紫外線吸収剤が求められており、本発明はこれらの条
件を満たす紫外線吸収剤を提供することを課題とする。
能を有し、かつ、皮膚に対する安全性に優れ、また、種
々の皮膚外用剤用基剤に対して高い溶解性を示す、新規
な紫外線吸収剤が求められており、本発明はこれらの条
件を満たす紫外線吸収剤を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、UV−A領域の紫外線吸収剤として既
にいくつかの化合物が提案されている5−アリール−
2,4−ペンタジエン酸誘導体に着目した。
を解決するため、UV−A領域の紫外線吸収剤として既
にいくつかの化合物が提案されている5−アリール−
2,4−ペンタジエン酸誘導体に着目した。
【0010】そして、これら誘導体の性質を検索した結
果、新たに、5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,
4−ペンタジエン酸エステルが、優れたUV−A領域の
紫外線吸収能を有し、かつ、他の5−アリール−2,4
−ペンタジエン酸誘導体に比べ、皮膚に対する感作性が
著しく低く、安全性に優れることを見いだした。さら
に、その感作性はUV−A領域の紫外線吸収剤として現
在最も汎用されている4−(1,1−ジメチルエチル)
−4'−メトキシジベンゾイルメタンと比べても低く、
かつ、種々の化粧品基剤に対する溶解性に優れることを
確認し、本発明を完成した。
果、新たに、5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,
4−ペンタジエン酸エステルが、優れたUV−A領域の
紫外線吸収能を有し、かつ、他の5−アリール−2,4
−ペンタジエン酸誘導体に比べ、皮膚に対する感作性が
著しく低く、安全性に優れることを見いだした。さら
に、その感作性はUV−A領域の紫外線吸収剤として現
在最も汎用されている4−(1,1−ジメチルエチル)
−4'−メトキシジベンゾイルメタンと比べても低く、
かつ、種々の化粧品基剤に対する溶解性に優れることを
確認し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、式(1)
【化3】 (式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基を示す)で表
される5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペ
ンタジエン酸エステルの一種または二種以上からなるこ
とを特徴とする紫外線吸収剤、および上記式(1)で表
される化合物の一種または二種以上からなる紫外線吸収
剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤を提供するも
のである。
される5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペ
ンタジエン酸エステルの一種または二種以上からなるこ
とを特徴とする紫外線吸収剤、および上記式(1)で表
される化合物の一種または二種以上からなる紫外線吸収
剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤を提供するも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる5−
(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン
酸エステル(1)の、Rで示されるアルキル基は、炭素
数1〜18の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であれ
ばいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタ
デシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル
基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルペン
チル基、2−エチルヘキシル基等を挙げることができ
る。
(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン
酸エステル(1)の、Rで示されるアルキル基は、炭素
数1〜18の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であれ
ばいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタ
デシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル
基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルペン
チル基、2−エチルヘキシル基等を挙げることができ
る。
【0013】後述するように、式(1)で表される化合
物は、Rで示されるアルキル基の炭素数によって、極性
基剤に特に溶解しやすいもの(炭素数2以下)と、非極
性基剤に特に溶解しやすいもの(炭素数6程度以上)が
あるので、皮膚外用剤に含有せしめる場合は、その基剤
によって使い分けることができる。 本発明では、特
に、Rで示されるアルキル基が炭素数6程度以上、好ま
しくは8〜12程度の直鎖状または分岐鎖状のアルキル
基であるものが、紫外線吸収剤として現在汎用されてい
る4−(1,1−ジメチルエチル)−4'−メトキシジベ
ンゾイルメタンと比べて非極性基剤に対する溶解性が著
しく高いので好ましい。
物は、Rで示されるアルキル基の炭素数によって、極性
基剤に特に溶解しやすいもの(炭素数2以下)と、非極
性基剤に特に溶解しやすいもの(炭素数6程度以上)が
あるので、皮膚外用剤に含有せしめる場合は、その基剤
によって使い分けることができる。 本発明では、特
に、Rで示されるアルキル基が炭素数6程度以上、好ま
しくは8〜12程度の直鎖状または分岐鎖状のアルキル
基であるものが、紫外線吸収剤として現在汎用されてい
る4−(1,1−ジメチルエチル)−4'−メトキシジベ
ンゾイルメタンと比べて非極性基剤に対する溶解性が著
しく高いので好ましい。
【0014】また、式(1)のペンタジエン酸骨格の2
位および4位の二つのC=C二重結合の立体配置は、
(Z)でも(E)でもよいが、好ましくは、天然物由来
のピペリン酸の骨格と同じ(E,E)配置の化合物が用
いられる。
位および4位の二つのC=C二重結合の立体配置は、
(Z)でも(E)でもよいが、好ましくは、天然物由来
のピペリン酸の骨格と同じ(E,E)配置の化合物が用
いられる。
【0015】式(1)で表される化合物は、公知の化合
物であり、たとえば、特開昭62−281839号公報
に記載されているように、5−リポキシゲナーゼ作用阻
害剤の合成原料として用いられることが知られている。
しかし、これらの化合物が紫外線吸収剤として有用で
あることは、全く知られていなかった。
物であり、たとえば、特開昭62−281839号公報
に記載されているように、5−リポキシゲナーゼ作用阻
害剤の合成原料として用いられることが知られている。
しかし、これらの化合物が紫外線吸収剤として有用で
あることは、全く知られていなかった。
【0016】式(1)で表される化合物は、公知の方法
によって合成され、例えば、下記の反応式に従って合成
することができる。
によって合成され、例えば、下記の反応式に従って合成
することができる。
【化4】 (式中、Rは前記した意味を有する)
【0017】すなわち、化合物(1)は、〔A〕 香料
として容易に入手できるベラトルムアルデヒド(2)を
アセトアルデヒドとアルドール縮合するか(ルート
1)、あるいはベラトルムアルデヒド(2)をベラトル
ムアルデヒドジエチルアセタールへ変換してから脱エタ
ノール反応を行う(ルート2)ことにより、3−(3,
4−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド(3)と
し、次いでこの化合物をジエチルホスホノ酢酸エステル
を用いたウィッティッヒ−ホルナー−エモンス反応に付
すことにより、目的とする5−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−2,4−ペンタジエン酸エステル(1)を得
る方法によるか、〔B〕 ベラトルムアルデヒド(2)
から、ジエチルホスホノクロトン酸エステルを用いたウ
ィッティッヒ−ホルナー−エモンス反応によって、一段
階で5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペン
タジエン酸エステル(1)を得る方法のいずれかにより
製造することができる。
として容易に入手できるベラトルムアルデヒド(2)を
アセトアルデヒドとアルドール縮合するか(ルート
1)、あるいはベラトルムアルデヒド(2)をベラトル
ムアルデヒドジエチルアセタールへ変換してから脱エタ
ノール反応を行う(ルート2)ことにより、3−(3,
4−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド(3)と
し、次いでこの化合物をジエチルホスホノ酢酸エステル
を用いたウィッティッヒ−ホルナー−エモンス反応に付
すことにより、目的とする5−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−2,4−ペンタジエン酸エステル(1)を得
る方法によるか、〔B〕 ベラトルムアルデヒド(2)
から、ジエチルホスホノクロトン酸エステルを用いたウ
ィッティッヒ−ホルナー−エモンス反応によって、一段
階で5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペン
タジエン酸エステル(1)を得る方法のいずれかにより
製造することができる。
【0018】上記〔A〕の方法において、ルート1で3
−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド
(3)を得るには、ベラトルムアルデヒド溶液(好まし
くはベラトルムアルデヒド(2)を約1倍量のトルエン
またはキシレンに溶解した溶液)と、例えば、水酸化カ
リウムまたは水酸化ナトリウム水溶液(10%程度の水
溶液)の混合液中に、約10倍モル量のアセトアルデヒ
ド水溶液(好ましくは80%程度の水溶液)を約35〜
40℃の温度で少しずつ加えてアルドール縮合を行えば
良い。
−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド
(3)を得るには、ベラトルムアルデヒド溶液(好まし
くはベラトルムアルデヒド(2)を約1倍量のトルエン
またはキシレンに溶解した溶液)と、例えば、水酸化カ
リウムまたは水酸化ナトリウム水溶液(10%程度の水
溶液)の混合液中に、約10倍モル量のアセトアルデヒ
ド水溶液(好ましくは80%程度の水溶液)を約35〜
40℃の温度で少しずつ加えてアルドール縮合を行えば
良い。
【0019】また、〔A〕方法のルート2で3−(3,
4−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド(3)を
得るには、次の如くすれば良い。 すなわち、まず、ベ
ラトルムアルデヒド(2)の、例えばトルエンまたはキ
シレン溶液に、約1〜1.2倍モル量のオルトギ酸エチ
ルおよび触媒量(好ましくは約0.01〜0.1倍重量)
の酸(硫酸または/およびp−トルエンスルホン酸)を
加えて、室温もしくは約50〜60℃の加温下で約2〜
3時間反応を行い、ベラトルムアルデヒドジエチルアセ
タールを得る。 次いで、得られたベラトルムアルデヒ
ドジエチルアセタールに、触媒量(好ましくは約0.0
1〜0.02倍モル量)の塩化亜鉛を加え、これにアセ
タールの約1〜1.2倍モル量のエチルビニルエーテル
を約35〜45℃で滴下し反応を行い、1,1,3−トリ
エトキシ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパ
ンを得る。 さらに、得られた1,1,3−トリエトキシ
−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパンを、約
0.8〜1.2倍量の酢酸および水(好ましくは約10〜
20%含水酢酸となるようにする)、ならびに、酢酸ナ
トリウムまたは酢酸カリウムとともに、窒素雰囲気下、
約90〜100℃で約2〜3時間反応させ脱エタノール
反応を行えば良い。
4−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド(3)を
得るには、次の如くすれば良い。 すなわち、まず、ベ
ラトルムアルデヒド(2)の、例えばトルエンまたはキ
シレン溶液に、約1〜1.2倍モル量のオルトギ酸エチ
ルおよび触媒量(好ましくは約0.01〜0.1倍重量)
の酸(硫酸または/およびp−トルエンスルホン酸)を
加えて、室温もしくは約50〜60℃の加温下で約2〜
3時間反応を行い、ベラトルムアルデヒドジエチルアセ
タールを得る。 次いで、得られたベラトルムアルデヒ
ドジエチルアセタールに、触媒量(好ましくは約0.0
1〜0.02倍モル量)の塩化亜鉛を加え、これにアセ
タールの約1〜1.2倍モル量のエチルビニルエーテル
を約35〜45℃で滴下し反応を行い、1,1,3−トリ
エトキシ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパ
ンを得る。 さらに、得られた1,1,3−トリエトキシ
−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパンを、約
0.8〜1.2倍量の酢酸および水(好ましくは約10〜
20%含水酢酸となるようにする)、ならびに、酢酸ナ
トリウムまたは酢酸カリウムとともに、窒素雰囲気下、
約90〜100℃で約2〜3時間反応させ脱エタノール
反応を行えば良い。
【0020】斯くして、ルート1または2で得られた3
−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド
(3)は、必要によりヘプタン、トルエン、酢酸エチル
等を用いて再結晶を行うことにより精製して、次のウィ
ッティッヒ−ホルナー−エモンス反応に用いることがで
きる。
−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド
(3)は、必要によりヘプタン、トルエン、酢酸エチル
等を用いて再結晶を行うことにより精製して、次のウィ
ッティッヒ−ホルナー−エモンス反応に用いることがで
きる。
【0021】ウィッティッヒ−ホルナー−エモンス反応
は、水素化ナトリウム(好ましくは60%水素化ナトリ
ウム)をテトラヒドロフラン、トルエン、ジメトキシエ
タン等(特に好ましくはジメトキシエタン)に懸濁させ
た懸濁液に、ジエチルホスホノ酢酸エステル(市販品、
もしくは、約等モル量のホスホン酸トリエチルとブロモ
酢酸エステルより調製したもの)を窒素雰囲気下、室温
より低温(好ましくは約0〜5℃)で滴下し、次いで、
ここへ3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルア
ルデヒド溶液(水素化ナトリウム懸濁液と同一の溶媒に
溶解したもの)を、約10〜15℃で滴下し、室温で約
1〜2時間反応させ、5−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,4−ペンタジエン酸エステル(1)を得る。
水素化ナトリウムの使用量は、反応させる3−(3,4
−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド(3)に対
し約1〜1.2モル量とし、ジエチルホスホノ酢酸エス
テルの使用量は、3−(3,4−ジメトキシフェニル)
アクリルアルデヒド(3)と約等モル量とする。
は、水素化ナトリウム(好ましくは60%水素化ナトリ
ウム)をテトラヒドロフラン、トルエン、ジメトキシエ
タン等(特に好ましくはジメトキシエタン)に懸濁させ
た懸濁液に、ジエチルホスホノ酢酸エステル(市販品、
もしくは、約等モル量のホスホン酸トリエチルとブロモ
酢酸エステルより調製したもの)を窒素雰囲気下、室温
より低温(好ましくは約0〜5℃)で滴下し、次いで、
ここへ3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルア
ルデヒド溶液(水素化ナトリウム懸濁液と同一の溶媒に
溶解したもの)を、約10〜15℃で滴下し、室温で約
1〜2時間反応させ、5−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,4−ペンタジエン酸エステル(1)を得る。
水素化ナトリウムの使用量は、反応させる3−(3,4
−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド(3)に対
し約1〜1.2モル量とし、ジエチルホスホノ酢酸エス
テルの使用量は、3−(3,4−ジメトキシフェニル)
アクリルアルデヒド(3)と約等モル量とする。
【0022】あるいは、〔B〕の方法のように、約等モ
ル量のブロモクロトン酸エステルとホスホン酸トリエチ
ルより容易に調製することができるジエチルホスホノク
ロトン酸エステルを、ベラトルムアルデヒドと上記のよ
うな条件でウィッティッヒ−ホルナー−エモンス反応さ
せ、一段階で5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,
4−ペンタジエン酸エステル(1)を得ることもでき
る。
ル量のブロモクロトン酸エステルとホスホン酸トリエチ
ルより容易に調製することができるジエチルホスホノク
ロトン酸エステルを、ベラトルムアルデヒドと上記のよ
うな条件でウィッティッヒ−ホルナー−エモンス反応さ
せ、一段階で5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,
4−ペンタジエン酸エステル(1)を得ることもでき
る。
【0023】得られた5−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,4−ペンタジエン酸エステル(1)におい
て、更に必要であればそのエステル基Rを適宜変換する
ことにより、目的とする炭素数のアルキル基を有するも
のを得ることができる。このエステル基の交換は、エス
テルのままで公知のエステル交換反応を実施するか、あ
るいは、一旦エステルを加水分解して5−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸とした後
に種々のアルコールと反応させることによって行うこと
ができる。
ル)−2,4−ペンタジエン酸エステル(1)におい
て、更に必要であればそのエステル基Rを適宜変換する
ことにより、目的とする炭素数のアルキル基を有するも
のを得ることができる。このエステル基の交換は、エス
テルのままで公知のエステル交換反応を実施するか、あ
るいは、一旦エステルを加水分解して5−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸とした後
に種々のアルコールと反応させることによって行うこと
ができる。
【0024】このようにして得られる5−(3,4−ジ
メトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エステル
(1)は、後記実施例に示すように、優れたUV−A領
域(320〜400nm)の紫外線吸収能を有し、か
つ、皮膚に対する感作性が著しく低く安全性に優れたも
のである。 また、このエステル基を炭素数6程度以上
の基にすれば、現在汎用されている紫外線吸収剤である
4−(1,1−ジメチルエチル)−4'−メトキシジベン
ゾイルメタンでは溶解性が低かった非極性の基剤に対し
ても、高い溶解性を示す化合物を得ることができる。
メトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エステル
(1)は、後記実施例に示すように、優れたUV−A領
域(320〜400nm)の紫外線吸収能を有し、か
つ、皮膚に対する感作性が著しく低く安全性に優れたも
のである。 また、このエステル基を炭素数6程度以上
の基にすれば、現在汎用されている紫外線吸収剤である
4−(1,1−ジメチルエチル)−4'−メトキシジベン
ゾイルメタンでは溶解性が低かった非極性の基剤に対し
ても、高い溶解性を示す化合物を得ることができる。
【0025】よって、本発明の5−(3,4−ジメトキ
シフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エステル(1)
は、単独で、または二種以上混合し、必要により適当な
担体と組合せて皮膚外用剤用のUV−A領域の紫外線吸
収剤として極めて有利に用いることができる。
シフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エステル(1)
は、単独で、または二種以上混合し、必要により適当な
担体と組合せて皮膚外用剤用のUV−A領域の紫外線吸
収剤として極めて有利に用いることができる。
【0026】また、この紫外線吸収剤を適切な皮膚外用
剤基剤に含有せしめて、UV−A領域の紫外線吸収効果
を有する皮膚外用剤を得ることができる。
剤基剤に含有せしめて、UV−A領域の紫外線吸収効果
を有する皮膚外用剤を得ることができる。
【0027】本発明において、皮膚外用剤とは、皮膚に
塗布、スプレー等によって適用するものをいい、この皮
膚外用剤の基剤としては、公知の皮膚外用剤用の基剤で
あり5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペン
タジエン酸エステル(1)に対し不活性なものであれば
特に制限されることなく、固体、液体、乳剤、泡状体、
ゲル等のいずれも使用することができる。
塗布、スプレー等によって適用するものをいい、この皮
膚外用剤の基剤としては、公知の皮膚外用剤用の基剤で
あり5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペン
タジエン酸エステル(1)に対し不活性なものであれば
特に制限されることなく、固体、液体、乳剤、泡状体、
ゲル等のいずれも使用することができる。
【0028】基剤の具体例としては、水、エタノール、
セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコー
ル類;グリセリン、プロピレングリコール等の多価アル
コール類;パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等
の脂肪酸類;ミリスチン酸イソプロピル、モノステアリ
ン酸プロピレングリコール、グリセリントリカプラー
ト、グリセリントリミリスタート等のエステル類;ヒマ
シ油、オリーブ油、ヤシ油、ラノリン、スクワラン、鯨
ろう等の植物性または動物性油脂類;パラフィン、流動
パラフィン、シリコーン油等の鉱物油類;エアゾール噴
射剤として用いられる低沸点炭化水素またはハロゲン化
炭化水素類;澱粉、タルク等を挙げることができる。
セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコー
ル類;グリセリン、プロピレングリコール等の多価アル
コール類;パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等
の脂肪酸類;ミリスチン酸イソプロピル、モノステアリ
ン酸プロピレングリコール、グリセリントリカプラー
ト、グリセリントリミリスタート等のエステル類;ヒマ
シ油、オリーブ油、ヤシ油、ラノリン、スクワラン、鯨
ろう等の植物性または動物性油脂類;パラフィン、流動
パラフィン、シリコーン油等の鉱物油類;エアゾール噴
射剤として用いられる低沸点炭化水素またはハロゲン化
炭化水素類;澱粉、タルク等を挙げることができる。
【0029】特に、スクワラン、流動パラフィン、シリ
コーン油等の非極性油を用いると、のびが良く、べとつ
かず、サッパリ感のある優れた使用感と、水や汗に流さ
れにくいという耐水性を有する皮膚外用剤を得ることが
できるので好ましく、このような非極性油を基剤として
用いる場合は、炭素数6〜14程度、特に好ましくは8
〜12程度のエステル基を有する5−(3,4−ジメト
キシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エステル
(1)を用いるとよい。
コーン油等の非極性油を用いると、のびが良く、べとつ
かず、サッパリ感のある優れた使用感と、水や汗に流さ
れにくいという耐水性を有する皮膚外用剤を得ることが
できるので好ましく、このような非極性油を基剤として
用いる場合は、炭素数6〜14程度、特に好ましくは8
〜12程度のエステル基を有する5−(3,4−ジメト
キシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エステル
(1)を用いるとよい。
【0030】また、本発明の皮膚外用剤は、5−(3,
4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エ
ステル(1)の紫外線吸収効果を損なわない範囲におい
て、通常用いられる他の成分、たとえば、薬効成分、防
腐剤、酸化防止剤、香料、着色料、界面活性剤等を適宜
添加することができる。
4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エ
ステル(1)の紫外線吸収効果を損なわない範囲におい
て、通常用いられる他の成分、たとえば、薬効成分、防
腐剤、酸化防止剤、香料、着色料、界面活性剤等を適宜
添加することができる。
【0031】さらに、本発明の皮膚外用剤は、従来より
公知のUV−A領域の紫外線吸収剤を併用したり、UV
−B領域の紫外線吸収剤を配合することにより、より一
層有効な紫外線吸収効果を得ることができる。 UV−
B領域の紫外線吸収剤としては、たとえば、p−アミノ
安息香酸エステル類、p−メトキシ桂皮酸エステル類、
2ーフェニルベンズイミダゾール誘導体、4ーフェニル
ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、サリチル酸
フェニルエステル等のサリチル酸誘導体、没食子酸誘導
体等を挙げることができる。
公知のUV−A領域の紫外線吸収剤を併用したり、UV
−B領域の紫外線吸収剤を配合することにより、より一
層有効な紫外線吸収効果を得ることができる。 UV−
B領域の紫外線吸収剤としては、たとえば、p−アミノ
安息香酸エステル類、p−メトキシ桂皮酸エステル類、
2ーフェニルベンズイミダゾール誘導体、4ーフェニル
ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、サリチル酸
フェニルエステル等のサリチル酸誘導体、没食子酸誘導
体等を挙げることができる。
【0032】本発明の皮膚外用剤の剤形は任意であり、
たとえば、クリーム、化粧水、乳液、軟膏、ゲル、スプ
レー、スティック、白粉、ファンデーション等のいずれ
でもよい。 これらの剤形中の5−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2,4−ペンタジエン酸エステル(1)の
使用濃度は、基剤の種類、他の紫外線吸収剤との併用の
有無、使用目的等により適宜変えることができるが、通
常は約0.01〜30重量%、好ましくは約0.1〜10
重量%とするのが良い。
たとえば、クリーム、化粧水、乳液、軟膏、ゲル、スプ
レー、スティック、白粉、ファンデーション等のいずれ
でもよい。 これらの剤形中の5−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2,4−ペンタジエン酸エステル(1)の
使用濃度は、基剤の種類、他の紫外線吸収剤との併用の
有無、使用目的等により適宜変えることができるが、通
常は約0.01〜30重量%、好ましくは約0.1〜10
重量%とするのが良い。
【0033】
【実施例】以下、合成例、試験例および実施例を挙げて
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によ
り制限されるものではない。
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によ
り制限されるものではない。
【0034】なお、以下の物理化学データの測定には次
の機器を用いた。 融 点;MP−S3型(柳本商事株式会社製) プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR);AM
−400型(400MHz)(ブルッカー社製) 内部標準物質:テトラメチルシラン 質量スペクトル(MS);M−80B質量分析計(イオ
ン化電圧:20eV)(株式会社日立製作所製) 元素分析;CHN−2400(パーキンエルマー社製) 紫外吸収スペクトル(UV);UV−260型(株式会
社島津製作所製)
の機器を用いた。 融 点;MP−S3型(柳本商事株式会社製) プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR);AM
−400型(400MHz)(ブルッカー社製) 内部標準物質:テトラメチルシラン 質量スペクトル(MS);M−80B質量分析計(イオ
ン化電圧:20eV)(株式会社日立製作所製) 元素分析;CHN−2400(パーキンエルマー社製) 紫外吸収スペクトル(UV);UV−260型(株式会
社島津製作所製)
【0035】合 成 例 1 (E,E)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,
4−ペンタジエン酸エチル〔式(1)中、Rがエチル基
である化合物;以下、「化合物(1−1)」と記載す
る〕の合成: (1)3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルア
ルデヒドの合成 ベラトルムアルデヒドジエチルアセタール〔ベラトルム
アルデヒド(東京化成株式会社製)とオルトギ酸エチル
から調製したもの〕476g(2.0mol)および塩
化亜鉛 3.5g(0.026mol)を40℃に加熱
し、40〜45℃でエチルビニルエーテル 145g
(2.0mol)を滴下した。 滴下終了後、同温度で1
時間撹拌した。 冷却後、有機層を飽和炭酸ナトリウム
で洗浄し、次いで中和し、セライトでろ過して塩化亜鉛
を除去した。 濃縮して、1,1,3−トリエトキシ−3
−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパン 626g
(2.0mol)を得た。
4−ペンタジエン酸エチル〔式(1)中、Rがエチル基
である化合物;以下、「化合物(1−1)」と記載す
る〕の合成: (1)3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルア
ルデヒドの合成 ベラトルムアルデヒドジエチルアセタール〔ベラトルム
アルデヒド(東京化成株式会社製)とオルトギ酸エチル
から調製したもの〕476g(2.0mol)および塩
化亜鉛 3.5g(0.026mol)を40℃に加熱
し、40〜45℃でエチルビニルエーテル 145g
(2.0mol)を滴下した。 滴下終了後、同温度で1
時間撹拌した。 冷却後、有機層を飽和炭酸ナトリウム
で洗浄し、次いで中和し、セライトでろ過して塩化亜鉛
を除去した。 濃縮して、1,1,3−トリエトキシ−3
−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパン 626g
(2.0mol)を得た。
【0036】得られた1,1,3−トリエトキシ−3−
(3,4−ジメトキシフェニル)プロパン 626g
(2.0mol)、酢酸 600ml、酢酸ナトリウム
132gおよび水 80mlを、窒素雰囲気下95℃で
3時間加熱し、脱エタノール反応を行った。 冷却後、
水 100mlを加え、さらに炭酸ナトリウム 110g
を少しずつ加えて中和し、酢酸エチル 3.5リットルで
抽出した。 次いで、酢酸エチルを留去して粗結晶35
5gを得た。 これをトルエンを用いて再結晶して、3
−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド
310g(1.61mol, 収率80.7%, 融点82〜
84℃)を得た。
(3,4−ジメトキシフェニル)プロパン 626g
(2.0mol)、酢酸 600ml、酢酸ナトリウム
132gおよび水 80mlを、窒素雰囲気下95℃で
3時間加熱し、脱エタノール反応を行った。 冷却後、
水 100mlを加え、さらに炭酸ナトリウム 110g
を少しずつ加えて中和し、酢酸エチル 3.5リットルで
抽出した。 次いで、酢酸エチルを留去して粗結晶35
5gを得た。 これをトルエンを用いて再結晶して、3
−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアルデヒド
310g(1.61mol, 収率80.7%, 融点82〜
84℃)を得た。
【0037】(2)(E,E)−5−(3,4−ジメトキ
シフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(1−
1)の合成 窒素気流下、60%水素化ナトリウム 23.9g(0.
598mol)を乾燥したジメトキシエタン(以下、
「DME」と略記する)200mlに懸濁させた懸濁液
を0〜5℃に冷却し、ここへジエチルホスホノ酢酸エチ
ル(東京化成株式会社製)132.5g(0.59mo
l)のDME溶液 100mlを滴下した。反応による
水素の発生が止むのを確認した後、この懸濁液中に、上
記で得た3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリル
アルデヒド 114.8g(0.598mol)のDME
溶液 550mlを10〜15℃以下で滴下し、次いで
室温で1時間攪拌した。 反応物をガスクロマトグラフ
ィーで確認し、転化率が98%になったところで反応を
終了した。 クエン酸一水和物 3.0gを加えて1時間
攪拌して中和し、減圧下でDMEを留去した。 得られ
た濃縮物に、酢酸エチル 550mlおよび水 200m
lを加えて抽出し、次いで有機層を水洗した。 酢酸エ
チルを留去して得られた粗結晶を、へプタンを用いて再
結晶して、目的とする(E,E)−5−(3,4−ジメト
キシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(1−
1)122g(0.47mol, 収率87.3%, 融点9
4〜95℃)を黄白色結晶として得た。
シフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(1−
1)の合成 窒素気流下、60%水素化ナトリウム 23.9g(0.
598mol)を乾燥したジメトキシエタン(以下、
「DME」と略記する)200mlに懸濁させた懸濁液
を0〜5℃に冷却し、ここへジエチルホスホノ酢酸エチ
ル(東京化成株式会社製)132.5g(0.59mo
l)のDME溶液 100mlを滴下した。反応による
水素の発生が止むのを確認した後、この懸濁液中に、上
記で得た3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリル
アルデヒド 114.8g(0.598mol)のDME
溶液 550mlを10〜15℃以下で滴下し、次いで
室温で1時間攪拌した。 反応物をガスクロマトグラフ
ィーで確認し、転化率が98%になったところで反応を
終了した。 クエン酸一水和物 3.0gを加えて1時間
攪拌して中和し、減圧下でDMEを留去した。 得られ
た濃縮物に、酢酸エチル 550mlおよび水 200m
lを加えて抽出し、次いで有機層を水洗した。 酢酸エ
チルを留去して得られた粗結晶を、へプタンを用いて再
結晶して、目的とする(E,E)−5−(3,4−ジメト
キシフェニル)−2,4−ペンタジエン酸エチル(1−
1)122g(0.47mol, 収率87.3%, 融点9
4〜95℃)を黄白色結晶として得た。
【0038】合 成 例 2 (E,E)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,
4−ペンタジエン酸 2−エチルヘキシル〔式(1)
中、Rが2−エチルヘキシル基である化合物;以下、
「化合物(1−2)」と記載する〕の合成:合成例1で
得た化合物(1−1)12.2g(0.047mol)、
2−エチルヘキシルアルコール 32.2g(0.248
mol)、p−トルエンスルホン酸一水和物 2.4gお
よびトルエン 70mlを、生成するエタノールを除去
しながら8時間還流した。 反応溶液を炭酸ナトリウム
水溶液で洗浄後、2−エチルヘキシルアルコールおよび
トルエンを減圧下で留去した。 次いで濃縮物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的と
する(E,E)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−
2,4−ペンタジエン酸 2−エチルヘキシル(1−2)
10.2g(0.0295mol, 収率62.5%)を淡
黄色油状物として得た。
4−ペンタジエン酸 2−エチルヘキシル〔式(1)
中、Rが2−エチルヘキシル基である化合物;以下、
「化合物(1−2)」と記載する〕の合成:合成例1で
得た化合物(1−1)12.2g(0.047mol)、
2−エチルヘキシルアルコール 32.2g(0.248
mol)、p−トルエンスルホン酸一水和物 2.4gお
よびトルエン 70mlを、生成するエタノールを除去
しながら8時間還流した。 反応溶液を炭酸ナトリウム
水溶液で洗浄後、2−エチルヘキシルアルコールおよび
トルエンを減圧下で留去した。 次いで濃縮物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的と
する(E,E)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−
2,4−ペンタジエン酸 2−エチルヘキシル(1−2)
10.2g(0.0295mol, 収率62.5%)を淡
黄色油状物として得た。
【0039】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。1 H−NMR(CDCl3)δppm;0.89(t,3
H,J=7.0Hz),0.92(t,3H,J=7.0H
z),1.29〜1.42(m,8H), 1.62(qn,1
H,J=7.2Hz),3.91(s,3H),3.92(s,
3H),4.08〜4.10(m,2H),5.97(d,1
H,J=15.3Hz), 6.72 〜7.04(m,5
H),7.42(dd,1H,J=15.3Hz,10.6H
z) MS(m/z); 346(M+), 元素分析(C21H30O4として); 理 論 値(%) C:72.80%, H:8.73% 実 測 値(%) C:72.85%, H:8.71%
た。1 H−NMR(CDCl3)δppm;0.89(t,3
H,J=7.0Hz),0.92(t,3H,J=7.0H
z),1.29〜1.42(m,8H), 1.62(qn,1
H,J=7.2Hz),3.91(s,3H),3.92(s,
3H),4.08〜4.10(m,2H),5.97(d,1
H,J=15.3Hz), 6.72 〜7.04(m,5
H),7.42(dd,1H,J=15.3Hz,10.6H
z) MS(m/z); 346(M+), 元素分析(C21H30O4として); 理 論 値(%) C:72.80%, H:8.73% 実 測 値(%) C:72.85%, H:8.71%
【0040】合 成 例 3 (E,E)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,
4−ペンタジエン酸ラウリル〔式(1)中、Rがラウリ
ル基である化合物;以下、「化合物(1−3)」と記載
する〕の製造:合成例1で得た化合物(1−1)12.
2g(0.047mol)、ラウリルアルコール 46.
58g(0.25mol)、p−トルエンスルホン酸一
水和物 2.2gおよびトルエン 100mlを、生成す
るエタノールを除去しながら8時間還流した。 反応溶
液を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄後、ラウリルアルコー
ルおよびトルエンを減圧下で留去した。 次いで濃縮物
をメタノールを用いて再結晶して、目的とする(E,
E)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペ
ンタジエン酸ラウリル(1−3)16.4g(0.040
8mol, 収率86.7%)を淡黄色結晶として得た。
4−ペンタジエン酸ラウリル〔式(1)中、Rがラウリ
ル基である化合物;以下、「化合物(1−3)」と記載
する〕の製造:合成例1で得た化合物(1−1)12.
2g(0.047mol)、ラウリルアルコール 46.
58g(0.25mol)、p−トルエンスルホン酸一
水和物 2.2gおよびトルエン 100mlを、生成す
るエタノールを除去しながら8時間還流した。 反応溶
液を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄後、ラウリルアルコー
ルおよびトルエンを減圧下で留去した。 次いで濃縮物
をメタノールを用いて再結晶して、目的とする(E,
E)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペ
ンタジエン酸ラウリル(1−3)16.4g(0.040
8mol, 収率86.7%)を淡黄色結晶として得た。
【0041】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融 点 ; 66〜68℃1 H−NMR(CDCl3)δppm;0.88(t,3
H,J=7.0Hz), 1.27〜1.37(m,18H),
1.68(qn,2H,J=7.7Hz),3.91(s,3
H),3.93(s,3H), 4.16(t,2H,J=6.
7Hz), 5.96(d,1H,J=15.3Hz), 6.
76(dd,1H,J=15.5Hz,10.8Hz),6.
82〜7.04(m,5H), 7.43(dd,1H,J=
15.3Hz,10.7Hz) MS(m/z);402(M+), 元素分析(C25H38O4として); 理 論 値(%) C:74.59%, H:9.51% 実 測 値(%) C:74.55%, H:9.50%
た。 融 点 ; 66〜68℃1 H−NMR(CDCl3)δppm;0.88(t,3
H,J=7.0Hz), 1.27〜1.37(m,18H),
1.68(qn,2H,J=7.7Hz),3.91(s,3
H),3.93(s,3H), 4.16(t,2H,J=6.
7Hz), 5.96(d,1H,J=15.3Hz), 6.
76(dd,1H,J=15.5Hz,10.8Hz),6.
82〜7.04(m,5H), 7.43(dd,1H,J=
15.3Hz,10.7Hz) MS(m/z);402(M+), 元素分析(C25H38O4として); 理 論 値(%) C:74.59%, H:9.51% 実 測 値(%) C:74.55%, H:9.50%
【0042】試 験 例 1 紫外線吸収効果および各種基剤への溶解性:前記合成例
1〜3で得られた化合物(1−1)、(1−2)および
(1−3)について、UV−A領域(320〜400n
m)の紫外線吸収効果および各種基剤への溶解性を調べ
た。
1〜3で得られた化合物(1−1)、(1−2)および
(1−3)について、UV−A領域(320〜400n
m)の紫外線吸収効果および各種基剤への溶解性を調べ
た。
【0043】紫外線吸収効果は、それぞれの化合物をエ
タノール溶液とし、この溶液の紫外吸収スペクトル(U
V)の最大吸収波長(吸収極大値、λmax)および最大
吸収波長における分子吸光係数(ε)を測定することに
より調べた。
タノール溶液とし、この溶液の紫外吸収スペクトル(U
V)の最大吸収波長(吸収極大値、λmax)および最大
吸収波長における分子吸光係数(ε)を測定することに
より調べた。
【0044】また、各種基剤への溶解性は、それぞれの
化合物を、99.5%エタノール、シリコーン油(シリ
コンKF56、信越化学工業株式会社製)または流動パ
ラフィン(シルコールP−70、岩瀬コスファ株式会社
製)に、5w/w%または10w/w%となるように加
え、密閉容器中で2時間50℃に加温後、室温(25
℃) に戻し、さらに24時間放置したときの外観を観
察し、以下の3段階に評価することにより調べた。
化合物を、99.5%エタノール、シリコーン油(シリ
コンKF56、信越化学工業株式会社製)または流動パ
ラフィン(シルコールP−70、岩瀬コスファ株式会社
製)に、5w/w%または10w/w%となるように加
え、密閉容器中で2時間50℃に加温後、室温(25
℃) に戻し、さらに24時間放置したときの外観を観
察し、以下の3段階に評価することにより調べた。
【0045】溶解性の評価; 完全に溶解しているもの : ○ 白濁しているもの : △ 溶解せずに結晶が析出しているもの : ×
【0046】尚、比較化合物として、従来より紫外線吸
収剤に用いられている4−(1,1−ジメチルエチル)
−4'−メトキシジベンゾイルメタンを選び、その紫外
線吸収効果および各種基剤への溶解性を同様に測定し
た。 これらの測定結果を表1に示す。
収剤に用いられている4−(1,1−ジメチルエチル)
−4'−メトキシジベンゾイルメタンを選び、その紫外
線吸収効果および各種基剤への溶解性を同様に測定し
た。 これらの測定結果を表1に示す。
【0047】( 結 果 )
【表1】
【0048】表1から明らかなように、本発明の化合物
(1−1)、(1−2)および(1−3)は、従来から
紫外線吸収剤に用いられている比較化合物と、同程度に
優れたUV−A領域の紫外線吸収能を有していた。 ま
た、本発明の化合物はいずれも、極性基剤であるエタノ
ールに対し、優れた溶解性を示し、さらに、本発明の化
合物(1−2)および(1−3)は、比較化合物では著
しく溶解性の低かった非極性基剤であるシリコーン油お
よび流動パラフィンに対し、優れた溶解性を示した。
(1−1)、(1−2)および(1−3)は、従来から
紫外線吸収剤に用いられている比較化合物と、同程度に
優れたUV−A領域の紫外線吸収能を有していた。 ま
た、本発明の化合物はいずれも、極性基剤であるエタノ
ールに対し、優れた溶解性を示し、さらに、本発明の化
合物(1−2)および(1−3)は、比較化合物では著
しく溶解性の低かった非極性基剤であるシリコーン油お
よび流動パラフィンに対し、優れた溶解性を示した。
【0049】試 験 例 2 皮膚に対する安全性試験: (1) 一次刺激性試験 合成例1および3で得られた化合物(1−1)および
(1−3)について、次のようにして皮膚一次刺激性試
験を行った。
(1−3)について、次のようにして皮膚一次刺激性試
験を行った。
【0050】実験動物としては、体重220〜240g
の雄のハートレイ系モルモットを、2週間予備飼育後、
体重が350〜400gになった健康なものを用いた。
また、被験溶液としては、各被験化合物の10%アセ
トン溶液を用いた。
の雄のハートレイ系モルモットを、2週間予備飼育後、
体重が350〜400gになった健康なものを用いた。
また、被験溶液としては、各被験化合物の10%アセ
トン溶液を用いた。
【0051】試験は、1群10匹とした実験動物の肩甲
骨上の皮膚面を刈毛し、この1.5×1.5cmの区画
に、上記被験溶液 0.02mlを塗布し、24時間後お
よび48時間後の皮膚の反応を調べることにより行っ
た。 一次刺激性の判定は、下記表2で得られる陽性率
と平均評価点より行った。 この結果を表3に示す。
骨上の皮膚面を刈毛し、この1.5×1.5cmの区画
に、上記被験溶液 0.02mlを塗布し、24時間後お
よび48時間後の皮膚の反応を調べることにより行っ
た。 一次刺激性の判定は、下記表2で得られる陽性率
と平均評価点より行った。 この結果を表3に示す。
【0052】判 定 基 準:
【表2】
【0053】( 結 果 )
【表3】 表3から明らかなように、本発明の化合物はいずれも、
一次刺激性を有さなかった。
一次刺激性を有さなかった。
【0054】(2)感作性試験 合成例1および3で得られた化合物(1−1)および
(1−3)並びに後に示す比較化合物について、感作性
試験を行った。まず、被験溶液として、次の3種の溶液
を用意した。 フロインド・コンプリート・アジュバンド(Freund
CompleteAdjuvant。以下「FCA」と略記する)
を、同量の滅菌水でW/O型に乳化した溶液。 被験化合物の10%FCA溶液。 被験化合物の20%FCA溶液に、の乳化溶液を
同量混合した、被験化合物の10%乳化溶液。
(1−3)並びに後に示す比較化合物について、感作性
試験を行った。まず、被験溶液として、次の3種の溶液
を用意した。 フロインド・コンプリート・アジュバンド(Freund
CompleteAdjuvant。以下「FCA」と略記する)
を、同量の滅菌水でW/O型に乳化した溶液。 被験化合物の10%FCA溶液。 被験化合物の20%FCA溶液に、の乳化溶液を
同量混合した、被験化合物の10%乳化溶液。
【0055】次に、次のようにして感作誘導を行った。
すなわち、まず、一次刺激性試験で用いたのと同じ実
験動物の肩甲骨上の皮膚面3×4cmを刈毛し、ここに
上記 〜 の3種の被験溶液を0.1mlずつ、各々
2か所に皮内注射した。 次いで、注射6日後に同部位
を刈毛し、被験化合物の経皮吸収を促進させるために、
10%ラウリル硫酸ナトリウム含有ワセリンを塗布し
た。 更に、24時間後、同部位に上記 の被験溶液
0.2mlを2×4cmの濾紙を用いて48時間閉塞適
用した。
すなわち、まず、一次刺激性試験で用いたのと同じ実
験動物の肩甲骨上の皮膚面3×4cmを刈毛し、ここに
上記 〜 の3種の被験溶液を0.1mlずつ、各々
2か所に皮内注射した。 次いで、注射6日後に同部位
を刈毛し、被験化合物の経皮吸収を促進させるために、
10%ラウリル硫酸ナトリウム含有ワセリンを塗布し
た。 更に、24時間後、同部位に上記 の被験溶液
0.2mlを2×4cmの濾紙を用いて48時間閉塞適
用した。
【0056】感作誘導後21日目に、実験動物側腹部位
を刈毛し、被験化合物の規定濃度(5%および2%)の
アセトン溶液を1.0×1.0cmの皮膚に0.02ml
開放塗布することにより感作誘発処理を行った。 な
お、本感作試験では、対照群として、感作誘導処理を行
わず、各被験化合物で感作誘発処理のみを行った群を設
定した。
を刈毛し、被験化合物の規定濃度(5%および2%)の
アセトン溶液を1.0×1.0cmの皮膚に0.02ml
開放塗布することにより感作誘発処理を行った。 な
お、本感作試験では、対照群として、感作誘導処理を行
わず、各被験化合物で感作誘発処理のみを行った群を設
定した。
【0057】感作試験の判定は、感作誘導処理群の24
時間後の皮膚の反応(A1)および48時間後の皮膚の
反応(A2)、ならびに対照群の24時間後の皮膚の反
応(a1)および48時間後の皮膚の反応(a2)を、前
記表2で得られた陽性率と平均評価点より評価した。
さらに、この結果から、24時間後の感作誘導処理群と
対照群の評価の差(A1-a1)、および48時間後の感
作誘導処理群と対照群の評価の差(A2-a2)を算出し
た。 尚、対照群の皮膚の反応は、24時間後(a1)お
よび48時間後(a2)のいずれも、陽性率は0/1
0、平均評価点は0であったので、(A1-a1)および
(A2-a2)として、(A1)および(A2)の評価をそ
のまま用いた。 これらの結果を表4に示す。
時間後の皮膚の反応(A1)および48時間後の皮膚の
反応(A2)、ならびに対照群の24時間後の皮膚の反
応(a1)および48時間後の皮膚の反応(a2)を、前
記表2で得られた陽性率と平均評価点より評価した。
さらに、この結果から、24時間後の感作誘導処理群と
対照群の評価の差(A1-a1)、および48時間後の感
作誘導処理群と対照群の評価の差(A2-a2)を算出し
た。 尚、対照群の皮膚の反応は、24時間後(a1)お
よび48時間後(a2)のいずれも、陽性率は0/1
0、平均評価点は0であったので、(A1-a1)および
(A2-a2)として、(A1)および(A2)の評価をそ
のまま用いた。 これらの結果を表4に示す。
【0058】尚、感作性試験において、用いた比較化合
物は下の通りである。 比較化合物1(以下、「比較1」と略記する):4−
(1,1−ジメチルエチル)−4'−メトキシジベンゾイ
ルメタン 比較化合物2(比較2):ピペリン酸エチル 比較化合物3(比較3):下記式(4)において、R1
=水素原子、R2=メチル基、R3=エチル基である化合
物 比較化合物4(比較4):下記式(4)において、R1
=アセチル基、R2=メチル基、R3=エチル基である化
合物 比較化合物5(比較5):下記式(4)において、R1
=メチル基、R2=アセチル基、R3=エチル基である化
合物
物は下の通りである。 比較化合物1(以下、「比較1」と略記する):4−
(1,1−ジメチルエチル)−4'−メトキシジベンゾイ
ルメタン 比較化合物2(比較2):ピペリン酸エチル 比較化合物3(比較3):下記式(4)において、R1
=水素原子、R2=メチル基、R3=エチル基である化合
物 比較化合物4(比較4):下記式(4)において、R1
=アセチル基、R2=メチル基、R3=エチル基である化
合物 比較化合物5(比較5):下記式(4)において、R1
=メチル基、R2=アセチル基、R3=エチル基である化
合物
【0059】
【化5】
【0060】( 結 果 )
【表4】 表4から明らかなように、本発明の化合物はいずれも、
比較化合物と比べ、ほとんど感作性を有していなかっ
た。
比較化合物と比べ、ほとんど感作性を有していなかっ
た。
【0061】実 施 例 1 日焼け止め化粧水の調製:下記の成分Aおよび成分Bを
それぞれの配合割合で、室温で均一に溶解し、A液およ
びB液を調製した。次に、B液を攪拌しながら徐々にA
液に加えて可溶化した後、ろ過して容器に充填した。
それぞれの配合割合で、室温で均一に溶解し、A液およ
びB液を調製した。次に、B液を攪拌しながら徐々にA
液に加えて可溶化した後、ろ過して容器に充填した。
【0062】 成 分 配合割合(重量部) 成分A:化合物(1−1) 1.0 エタノール 7.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5 クエン酸 0.02 クエン酸ナトリウム 0.1 p−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.15 香 料 適 量 成分B:グリセリン 4.0 プロピレングリコール 7.0 精製水 80.23
【0063】実 施 例 2 日焼け止めクリーム(O/W型)の調製:下記の配合割
合で、成分Aを80〜85℃に、成分Bを75℃に、水
浴上で加熱溶解し、A液およびB液を調製した。A液を
攪拌しながら徐々にB液に加えて乳化を行い、ホモジナ
イザーでさらに攪拌し、冷却して50℃で成分Cを添加
し、30℃まで冷却して容器に充填した。
合で、成分Aを80〜85℃に、成分Bを75℃に、水
浴上で加熱溶解し、A液およびB液を調製した。A液を
攪拌しながら徐々にB液に加えて乳化を行い、ホモジナ
イザーでさらに攪拌し、冷却して50℃で成分Cを添加
し、30℃まで冷却して容器に充填した。
【0064】 成 分 配合割合(重量部) 成分A:化合物(1−2) 4.0 鯨ろう 8.0 グリセリントリカプラート 12.0 セチルアルコール 2.0 ステアリルアルコール 2.0 p−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.15 成分B:グリセリン 1.5 プロピレングリコール 1.5 精製水 68.7 p−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム 0.15 成分C:香 料 適 量
【0065】実 施 例 3 日焼け止めクリーム(W/O型)の調製:下記の配合割
合で、成分Aを80〜85℃に、成分Bを75℃に、水
浴上で加熱溶解し、A液およびB液を調製した。 A液
を攪拌しながら徐々にB液に加えて乳化を行い、冷却し
て50℃で成分Cを添加し、45℃でコロイドミルにか
けて容器に充填した。
合で、成分Aを80〜85℃に、成分Bを75℃に、水
浴上で加熱溶解し、A液およびB液を調製した。 A液
を攪拌しながら徐々にB液に加えて乳化を行い、冷却し
て50℃で成分Cを添加し、45℃でコロイドミルにか
けて容器に充填した。
【0066】 成 分 配合割合(重量部) 成分A:化合物(1−3) 4.0 p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチル ヘキシル(UV−B領域の紫外線吸収剤) 3.0 流動パラフィン 10.0 鯨ろう 6.0 スクワラン 6.0 グリセリントリカプラート 20.0 セチルアルコール 2.0 モノステアリン酸ポリオキシエチレン 3.0 ソルビタン p−ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.1 成分B:グリセリン 1.5 プロピレングリコール 1.5 精製水 44.8 p−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム 0.1 成分C:香 料 適 量
【0067】実 施 例 4 日焼け止めシャンプー組成物の調製:下記の配合割合
で、各成分を常法に従って混合しシャンプー組成物10
0gを製造した。
で、各成分を常法に従って混合しシャンプー組成物10
0gを製造した。
【0068】 成 分 配合割合(重量部) 化合物(1−3) 2.0 デカン酸 0.05 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 18.5 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(1%水溶液) 15.0 ラウリル硫酸アンモニウム 8.0 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0 1,3−ジメチロール−5,5-ジメチルヒダントン 0.15 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05 クエン酸 少 量 食 塩 少 量 香 料 0.85 精 製 水 51.4
【0069】
【発明の効果】本発明の5−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−2,4−ペンタジエン酸エステルからなる紫外
線吸収剤は、優れたUV−A領域の紫外線吸収能を有
し、かつ、皮膚に対する安全性に優れ、また、種々の化
粧品基剤に対して高い溶解性を示すものである。よっ
て、これを含有する本発明の皮膚外用剤は、UV−A領
域の紫外線による皮膚障害を、好適に防止することがで
きる。 以 上
ニル)−2,4−ペンタジエン酸エステルからなる紫外
線吸収剤は、優れたUV−A領域の紫外線吸収能を有
し、かつ、皮膚に対する安全性に優れ、また、種々の化
粧品基剤に対して高い溶解性を示すものである。よっ
て、これを含有する本発明の皮膚外用剤は、UV−A領
域の紫外線による皮膚障害を、好適に防止することがで
きる。 以 上
Claims (2)
- 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基を示す)で表
される5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペ
ンタジエン酸エステルの一種または二種以上からなるこ
とを特徴とする紫外線吸収剤。 - 【請求項2】 式(1) 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基を示す)で表
される5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,4−ペ
ンタジエン酸エステルの一種または二種以上からなる紫
外線吸収剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4843496A JPH09217052A (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | 紫外線吸収剤およびそれを含有する皮膚外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4843496A JPH09217052A (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | 紫外線吸収剤およびそれを含有する皮膚外用剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09217052A true JPH09217052A (ja) | 1997-08-19 |
Family
ID=12803256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4843496A Pending JPH09217052A (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | 紫外線吸収剤およびそれを含有する皮膚外用剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09217052A (ja) |
-
1996
- 1996-02-13 JP JP4843496A patent/JPH09217052A/ja active Pending
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