JPH09216901A - 酢化反応の反応開始方法及び反応装置 - Google Patents

酢化反応の反応開始方法及び反応装置

Info

Publication number
JPH09216901A
JPH09216901A JP4818396A JP4818396A JPH09216901A JP H09216901 A JPH09216901 A JP H09216901A JP 4818396 A JP4818396 A JP 4818396A JP 4818396 A JP4818396 A JP 4818396A JP H09216901 A JPH09216901 A JP H09216901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
cellulose
acetylating agent
acetylation
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4818396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3962105B2 (ja
Inventor
Mitsuru Yamashita
充 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP04818396A priority Critical patent/JP3962105B2/ja
Publication of JPH09216901A publication Critical patent/JPH09216901A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3962105B2 publication Critical patent/JP3962105B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロースの酢化反応において、酢化剤およ
び反応溶媒を多量に用いることなく、反応を均一に進行
させる。 【解決手段】 酸性触媒の存在下、反応系の気相成分を
反応系外に留去しつつセルロースを酢化剤により減圧下
に酢化してセルロースアセテートを製造する方法におい
て、反応溶媒を含浸させたセルロースに、酸性触媒と酢
化剤とを混合して添加し、反応を開始させる。セルロー
ス添加前の酸性触媒と酢化剤の接触時間は10分程度以
下であり、反応開始温度は20〜70℃程度である。反
応装置は、酢化反応器と、酢化反応器に供給する酸性触
媒と無水酢酸とを混合するラインミキサなどの混合手段
と、反応系を減圧にするための減圧手段と、反応系の気
相成分を凝縮させる凝縮手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煙草用のフィルタ
ートウ、繊維、写真用フィルム、人工腎臓などに用いら
れるセルロースアセテートを製造する上で有用なセルロ
ース酢化反応の反応開始方法及び反応装置に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアセテートを工業的に製造す
る代表的な方法として、硫酸などの酸性触媒の存在下、
セルロースを無水酢酸などの酢化剤により酢化する方法
が知られている。この方法は、通常、セルロース原料を
離解・解砕する離解・解砕工程、離解・解砕されたセル
ロースを活性化する前処理活性化工程、セルロースを無
水酢酸により酢化する酢化反応工程、必要により酢化反
応工程で得られるセルロースアセテートを部分的に加水
分解してアセチル基置換度を調整する加水分解工程、得
られたセルロースアセテートドープを沈殿、洗浄、乾燥
し、製品化する後処理工程、及び後処理工程で排出され
る酸を回収する酸回収工程からなる。
【0003】前記酢化反応は激しい発熱反応であるた
め、反応熱の除去に多大のエネルギーを必要とする。ま
た、反応温度が高いとセルロースアセテートの解重合反
応が進行して重合度が低下するため、反応温度を比較的
低い温度にコントロールする必要がある。
【0004】上記の点に鑑み、特公平2−5761号公
報には、セルロースを原料とし、無水酢酸を酢化剤、酢
酸を溶媒、硫酸を触媒とするセルロースアセテートの製
造方法において、酢化反応の全期間若しくは初期を含む
一部の期間、反応系内を減圧にし、発生する蒸気を凝集
させ、反応系外に留出させることにより反応生成物の濃
縮を行うセルロースアセテートの製造方法が開示されて
いる。この方法によれば、反応熱を反応系の揮発成分の
蒸発潜熱により効率的に除去できると共に、反応温度を
比較的低い温度にコントロールできる。また、無水酢酸
や反応溶媒の使用量を低減できるので、酸回収工程での
負荷を軽減できる。
【0005】しかし、酢化反応では、反応の進行に伴っ
て、反応器内の混合物は固液状態から次第にドープ状を
呈するようになる。特に、前記公報に記載されているよ
うに、反応系の気相成分を反応系外に留去しつつセルロ
ースを酢化する減圧酢化反応法では、反応系内のドープ
粘度が非常に高くなる。したがって、上記減圧酢化反応
法では、撹拌効率を高めるため、酢化反応器として二軸
のニーダを使用する場合が多い。そして、このようなニ
ーダを使用する場合には、ニーダの撹拌翼の先端部とニ
ーダの内壁(トラフ)とのクリアランスにおいて、セル
ロースが圧縮、圧密化され易い。一方、前記公報の実施
例では、無水酢酸と酢酸の混合液と前処理活性化したセ
ルロースとを仕込んで撹拌混合し、これに硫酸と酢酸と
の混合液を添加して酢化反応を開始する方法が採用され
ている。しかし、この方法では、原料セルロースのうち
前記圧縮、圧密化された部分に触媒である硫酸が浸透す
る前に、添加した硫酸の大部分がセルロースのうち圧密
化されていない部分に吸着するためか、反応が均一に進
行せず、セルロースアセテート中に未反応の塊状セルロ
ースが残存しやすい。そのため、セルロースアセテート
をアセトンなどの溶剤に溶解して濾過する際に、前記塊
状セルロースにより濾布の目詰まりを生じ、濾布の交換
頻度が増大する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、セルロースの酢化反応において、酢化剤および
反応溶媒を多量に用いることなく、反応を均一に進行さ
せることのできる反応開始方法及び反応装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、いわゆる減圧酢化反
応法において、反応溶媒を含浸させたセルロースに、酸
性触媒と無水酢酸とを混合して添加すると、酢化反応が
均一に進行し、反応生成物中に未反応セルロースが残存
しにくいことを見出だし本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、酸性触媒の存在下、
反応系の気相成分を反応系外に留去しつつセルロースを
酢化剤により減圧下に酢化してセルロースアセテートを
製造する方法において、反応溶媒を含浸させたセルロー
スに、酸性触媒と酢化剤とを混合して添加し、反応を開
始させる酢化反応の反応開始方法を提供する。
【0009】本発明は、また、酸性触媒の存在下、反応
系の気相成分を反応系外に留去しつつセルロースを酢化
剤により減圧下に酢化してセルロースアセテートを生成
させる反応装置であって、酢化反応器と、酢化反応器に
供給する酸性触媒と酢化剤とを混合する混合手段と、反
応系を減圧にするための減圧手段と、反応系の気相成分
を凝縮させる凝縮手段とを有する反応装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面に基づいて本発
明の実施の形態を説明する。図1は本発明の反応装置の
一例を示す概略図である。この反応装置は、セルロース
を酢化剤により酢化するための酢化反応器1と、酢化反
応器1に供給する酸性触媒と酢化剤とを合流混合するた
めのラインミキサ2と、反応系を減圧にするための真空
ポンプ3と、反応系の気相成分を凝縮させるコンデンサ
4とを有している。酢化反応器1には、セルロースなど
の原材料を供給するための原材料供給ライン5、および
ラインミキサ2から酸性触媒と酢化剤との混合液を供給
するための触媒−酢化剤混合液供給ライン8と、反応系
の気相成分をコンデンサ4に導くためのガス抜取りライ
ン9とが取付けられている。ラインミキサ2には酸性触
媒を供給する触媒供給ライン6と酢化剤を供給する酢化
剤供給ライン7とが備えられている。また、コンデンサ
4には、コンデンサ4により凝縮された留出液を抜取る
留出液抜取りライン10と、真空ポンプ3に通じる減圧
ライン11とが取付けられている。
【0011】酢化反応器1としては、セルロースアセテ
ートの製造に通常用いられる反応器を使用できる。好ま
しい酢化反応器には、ニーダ(例えば、二軸ニーダ)な
どの捏和式反応器が含まれる。ラインミキサ2として
は、触媒供給ライン6の酸性触媒と酢化剤供給ライン7
の酢化剤とを合流混合させて直ちに反応器内に添加でき
る混合機であればよく、邪魔板や撹拌翼などを備えた慣
用のラインミキサを使用できる。また、真空ポンプ3お
よびコンデンサ4としては、それぞれ慣用のものを使用
できる。
【0012】この反応装置では、酢化反応器1に真空ポ
ンプ3とコンデンサ4とが備えられているので、酸性触
媒の存在下、反応系の気相成分を反応系外に留去しつつ
セルロースを酢化剤により減圧下に酢化してセルロース
アセテートを生成させるいわゆる減圧酢化反応法により
セルロースアセテートを製造できる、また、ラインミキ
サ2を有しているので、酢化反応器1に、酸性触媒と酢
化剤とを混合して添加できるだけでなく、前記両成分を
極めて短時間内に混合し、直ちに酢化反応器1内に添加
することができる。また、前記両成分の混合及び添加操
作を簡易にかつ効率的に行うことができる。
【0013】なお、真空ポンプ3に代えて、例えば、エ
ゼクタ、アスピレータなどの他の減圧手段を用いてもよ
い。また、ラインミキサ2に代えて、酸性触媒含有液と
酢化剤含有液とを混合可能な撹拌混合槽などの他の混合
手段を用いてもよい。好ましい混合手段には、酸性触媒
と酢化剤とを合流混合とともに酢化反応器に添加可能な
混合手段、例えばラインミキサなどが含まれる。
【0014】以下に、上記反応装置を用いて、いわゆる
減圧酢化法におけるセルロース酢化反応の反応を開始す
る方法について説明する。
【0015】酢化反応器1に、原材料供給ライン5か
ら、所定量のセルロースと反応溶媒とを供給し、所定の
圧力および温度下に、撹拌混合する。そして、酸性触媒
を含む触媒含有液と酢化剤を含む酢化剤含有液を、それ
ぞれ触媒供給ライン6および酢化剤供給ライン7を通じ
てラインミキサ2に供給して混合し、直ちに触媒−酢化
剤混合液供給ライン8を通じて酢化反応器1に仕込み、
反応を開始させる。
【0016】反応に用いるセルロース、反応溶媒、酸性
触媒および酢化剤としては、セルロースアセテートの製
造に通常用いられるものであればよい。例えば、セルロ
ースとしてサルファイト法溶解パルプ等の種々のパルプ
など、反応溶媒として酢酸など、酸性触媒として硫酸な
ど、酢化剤として無水酢酸などを使用できる。セルロー
スは、例えば酢酸などにより前処理活性化したものを用
いるのが好ましい。反応溶媒の使用量は、撹拌混合操作
を損なわない範囲で定められ、セルロース100重量部
に対して、例えば200〜600重量部、好ましくは2
30〜400重量部程度である。酸性触媒の使用量は、
反応を損なわない範囲、例えば、セルロース100重量
部に対して、0.4〜10重量部、好ましくは0.6〜
2重量部程度である。酢化剤は、所望する酢化度によっ
ても異なるが、通常セルロースのヒドロキシル基に対し
て等モル以上使用する。酢化剤として無水酢酸を使用す
る場合、その使用量は、セルロース100重量部に対し
て、例えば200〜400重量部、好ましくは230〜
300重量部程度である。
【0017】反応開始温度t(℃)(触媒添加時の反応
系内の温度)は、酢化反応が進行し、かつ急激な反応を
回避できる温度であれば特に限定されないが、好ましく
は20〜70℃、さらに好ましくは30〜55℃程度で
ある。反応を上記の温度範囲で開始すると、反応が円滑
に開始されると共に、触媒のセルロースへの浸透性が向
上する。そのため、セルロースをより均一に酢化でき
る。
【0018】反応開始時の反応系の真空度は、反応過程
において反応系を沸騰状態にし得る圧力であればよく、
反応温度に応じて適宜設定できる。例えば、前記真空度
は40〜150Torr、好ましくは45〜100To
rr程度である。反応開始時において、反応系は沸騰状
態にあってもよい。
【0019】上記の反応開始方法によれば、反応溶媒を
含浸させたセルロースに、酸性触媒と酢化剤とを混合し
て添加することにより反応を開始するので、反応溶媒と
酢化剤とを含浸させたセルロースに酸性触媒を添加する
場合と異なり、酸性触媒のセルロースに対する浸透性が
向上するためか、セルロースのうち、例えば反応器の撹
拌翼の先端部と反応器の内壁とのクリアランスにおいて
圧縮、圧密化された部分においても、反応が速やかに進
行する。そのため、酢化剤や反応溶媒の使用量を低減化
できる減圧酢化反応法において、セルロースアセテート
中に未反応の塊状セルロースが混在するのを抑制でき、
均質な製品を得ることができる。したがって、セルロー
スアセテートを溶剤に溶解して濾過する際に、塊状セル
ロースによる目詰まりを顕著に防止できる。
【0020】また、酸性触媒と酢化剤との混合をライン
ミキサ2により行うので、前記両成分を合流混合ととも
に反応器内に供給できる。すなわち、酸性触媒供給ライ
ンを流れる酸性触媒と、酢化剤供給ラインを流れる酢化
剤とを合流させ、極めて短時間で混合して直ちに反応溶
媒を含浸させたセルロースに添加することができる。酸
性触媒と酢化剤との接触時間が長いと、両成分が反応し
て触媒不活性な成分が生成する場合がある。例えば、酸
性触媒として硫酸、酢化剤として無水酢酸を使用する場
合、両成分を長時間接触させると、不活性なスルホ酢酸
が生成して、酢化反応速度が低下しやすい。したがっ
て、上記方法によれば、酸性触媒と酢化剤との接触時間
を短縮でき、両成分の接触に起因する触媒の不活性化を
抑制できる。また、ラインミキサでは、装置を小型化で
きるので、前記両成分の混合、添加操作を簡易にかつ効
率的に行うことができる。
【0021】なお、酸性触媒と酢化剤とは、前記反応溶
媒を含浸させたセルロースに、混合して添加すればよ
く、上記ラインミキサのほか、慣用の混合手段、例えば
撹拌混合槽などにより混合して添加してもよい。本発明
において、好ましい反応開始方法には、酸性触媒と酢化
剤とを合流混合とともに前記セルロースに添加して反応
を開始させる方法が含まれる。
【0022】酸性触媒および酢化剤は、それぞれ、その
ままラインミキサ2に供給してもよいが、溶媒、特に反
応溶媒で希釈して供給することもできる。触媒含有液の
触媒濃度は、例えば0.1〜50重量%、好ましくは
0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%
程度である。酸化剤含有液の酢化剤濃度は、例えば50
〜100重量%、好ましくは80〜100重量%、さら
に好ましくは90〜100重量%程度である。
【0023】酸性触媒と酢化剤とを混合して添加する際
の両成分の接触時間(セルロースに添加前の接触時間)
は、例えば10分以下(0.002〜10分程度)、好
ましくは5分以下(例えば0.003〜5分程度)、さ
らに好ましくは1分以下(例えば0.005〜1分程
度、特に0.005〜0.5分程度)である。両成分の
接触時間が長いと、触媒不活性な成分が生成して、酢化
反応速度が低下しやすい。酸性触媒と酢化剤とを含む混
合液の反応器への添加時間は、反応のスケールによって
も異なるが、30分以内、例えば0.01〜30分程
度、好ましくは0.1〜10分程度、さらに好ましくは
0.2〜5分程度である。
【0024】酸性触媒と酢化剤とを含む混合液の温度
は、反応を阻害しない範囲であればよいが、反応開始を
円滑に行うため、例えばt±10(℃)程度、好ましく
はt±5(℃)の範囲に調整するのが好ましい。例え
ば、前記混合液の温度は、20〜60℃、好ましくは2
5〜55℃、さらに好ましくは30〜50℃程度であ
る。前記混合液の温度が高すぎると、前記触媒不活性な
成分が生成しやすくなる。前記混合液の温度を上記範囲
に調整するため、予め、上記範囲の温度に調整した触媒
含有液と酢化剤含有液とを混合してもよい。
【0025】反応開始後、反応系を沸騰状態とし、反応
によって生成した酢酸を含む蒸気をガス抜取りライン9
を通じてコンデンサ4に導き、凝縮した留出液を留出液
抜取りライン10から留去する。所定時間反応後、反応
系を大気圧下とし、必要に応じてさらに反応を進行させ
た後、例えば反応停止剤を添加して反応を停止させる。
得られたセルロースアセテートは、必要に応じて加水分
解してアセチル基置換度を調整した後、沈殿、洗浄等の
慣用の精製手段により精製される。
【0026】反応温度は、酢化反応が損なわれず、しか
も副反応を抑制できる範囲で選択でき、例えば20〜8
0℃、好ましくは30〜70℃程度である。減圧下にお
ける反応の反応終了時は、例えば、留出液の留出量によ
り定めることができる。反応温度が低すぎると、反応速
度が遅くなり、逆に高すぎると、解重合反応が起こりや
すくなり、セルロースアセテートの重合度が低下する。
【0027】
【発明の効果】本発明の反応開始方法によれば、減圧酢
化反応法において、反応溶媒を含浸させたセルロース
に、酸性触媒と酢化剤とを混合して添加し、反応を開始
させるので、セルロースの酢化反応において、酢化剤お
よび反応溶媒を多量に用いることなく、反応を均一に進
行させることができる。本発明の反応装置によれば、酸
性触媒と酢化剤とを混合する混合手段を有しているの
で、反応開始時において、酢化反応器に酸性触媒と酢化
剤とを混合して添加できる。そのため、セルロースの酢
化反応が均一に進行し、均質なセルロースアセテートを
得ることができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明する。なお、特に断らない限り、「部」および「%」
は、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。ま
た、下記の実施例および比較例において、酢化反応器と
して、撹拌翼先端と反応器内壁(トラフ)とのクリアラ
ンスが1mm、有効容積5L、全容積10Lのシグマ翼
付き二軸ウェルナー型ニーダを用い、回転数を60rp
mとした。ニーダのジャケットには、約51℃の温水を
流通させ、反応器内を断熱に近い状態とした。
【0029】実施例 図1に示す反応装置を用いて、セルロースからセルロー
スアセテートを製造した。セルロース原料としてサルフ
ァイト法溶解パルプ(含水率約7%)をフラッフ状に解
砕し、パルプ100部に対して、35部の酢酸を用いて
前処理活性化し(30℃、120分)、さらに酢酸42
2部を添加した。この酢酸を含浸したセルロースを、酢
化反応器1に撹拌しながら仕込み、温度を50℃とし
た。酢化反応器1を真空ポンプ3により減圧にし、真空
度を57Torrに制御した。50℃の99.5%無水
酢酸−酢酸溶液250部と、50℃の3.2%硫酸−酢
酸溶液122部とをラインミキサ2により混合しながら
1.5分かけて、触媒−酢化剤混合液供給ライン8を通
じて酢化反応器1に仕込み、反応を開始させた。反応系
は沸騰状態となり、酢酸と無水酢酸との混合蒸気がコン
デンサ4により凝縮され、留出し始めた。反応温度は沸
点に相当する約50℃を維持した。なお、酢化反応器に
仕込む前の無水酢酸と硫酸との接触時間(ラインミキサ
2及び触媒−酢化剤混合液供給ライン8における混合液
の滞留時間)は0.02分であった。反応を開始した
後、245部の留出液が留出した時点で、酢化反応器1
内を大気圧に戻した。反応混合物(セルロースアセテー
トドープ)を観察したところ、未反応のセルロース塊状
物は見られず、酢化反応は均一に進行していた。
【0030】比較例 セルロース原料としてサルファイト法溶解パルプ(含水
率約7%)をフラッフ状に解砕し、パルプ100部に対
して、100部の酢酸を用いて前処理活性化した(30
℃、120分)。酢化反応器1に、酢酸263部と無水
酢酸250部とを仕込み、撹拌しながら、上記前処理活
性化したセルロースを仕込み、温度を50℃とした。酢
化反応器1を真空ポンプ3により減圧にし、真空度を5
7Torrに制御した。
【0031】50℃の1.4%硫酸−酢酸溶液281部
を、1.5分かけて酢化反応器1に仕込み、反応を開始
させた。反応系は沸騰状態となり、酢酸と無水酢酸との
混合蒸気がコンデンサ4により凝縮され、留出し始め
た。反応温度は、沸点に相当する約50℃を維持した。
反応を開始した後、245部の留出液がが留出した時点
で、酢化反応器1内を大気圧に戻した。反応混合物(セ
ルロースアセテートドープ)を観察したところ、米粒状
の未反応セルロース塊状物が多数見られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の反応装置の一例を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1…酢化反応器 2…ラインミキサ 3…真空ポンプ 4…コンデンサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性触媒の存在下、反応系の気相成分を
    反応系外に留去しつつセルロースを酢化剤により減圧下
    に酢化してセルロースアセテートを製造する方法におい
    て、反応溶媒を含浸させたセルロースに、酸性触媒と酢
    化剤とを混合して添加し、反応を開始させる酢化反応の
    反応開始方法。
  2. 【請求項2】 酸性触媒と酢化剤とを合流混合とともに
    添加する請求項1記載の反応開始方法。
  3. 【請求項3】 セルロースに添加前の酸性触媒と酢化剤
    との接触時間を10分以下とする請求項1記載の反応開
    始方法。
  4. 【請求項4】 温度20〜70℃で反応を開始する請求
    項1記載の反応開始方法。
  5. 【請求項5】 20〜60℃に調整された酢酸含浸セル
    ロースに、それぞれ20〜70℃に調整された硫酸含有
    液と無水酢酸含有液とを接触時間0.003〜5分で混
    合した後、添加して反応を開始させる請求項1記載の反
    応開始方法。
  6. 【請求項6】 酸性触媒の存在下、反応系の気相成分を
    反応系外に留去しつつセルロースを酢化剤により減圧下
    に酢化してセルロースアセテートを生成させる反応装置
    であって、酢化反応器と、酢化反応器に供給する酸性触
    媒と酢化剤とを混合する混合手段と、反応系を減圧にす
    るための減圧手段と、反応系の気相成分を凝縮させる凝
    縮手段とを有する反応装置。
  7. 【請求項7】 混合手段がラインミキサである請求項6
    記載の反応装置。
JP04818396A 1996-02-08 1996-02-08 酢化反応の反応開始方法及び反応装置 Expired - Lifetime JP3962105B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04818396A JP3962105B2 (ja) 1996-02-08 1996-02-08 酢化反応の反応開始方法及び反応装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04818396A JP3962105B2 (ja) 1996-02-08 1996-02-08 酢化反応の反応開始方法及び反応装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09216901A true JPH09216901A (ja) 1997-08-19
JP3962105B2 JP3962105B2 (ja) 2007-08-22

Family

ID=12796281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04818396A Expired - Lifetime JP3962105B2 (ja) 1996-02-08 1996-02-08 酢化反応の反応開始方法及び反応装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3962105B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1075513C (zh) * 1999-09-08 2001-11-28 中国科学院广州化学研究所 气固相反应制醋酸纤维素的方法
KR100748551B1 (ko) * 2006-09-01 2007-08-10 임채진 초산셀룰로오스 제조방법 및 장치
JP2011122014A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Konica Minolta Opto Inc 樹脂複合体とその製造方法、及びそれに用いられるセルロースナノファイバーの製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109721660B (zh) * 2019-01-22 2021-07-30 南通醋酸纤维有限公司 一种高温醋化工艺制备醋酸纤维素酯的方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1075513C (zh) * 1999-09-08 2001-11-28 中国科学院广州化学研究所 气固相反应制醋酸纤维素的方法
KR100748551B1 (ko) * 2006-09-01 2007-08-10 임채진 초산셀룰로오스 제조방법 및 장치
JP2011122014A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Konica Minolta Opto Inc 樹脂複合体とその製造方法、及びそれに用いられるセルロースナノファイバーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3962105B2 (ja) 2007-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108368182B (zh) 乙酸纤维素、乙酸纤维素的制造方法及制造装置
US4439605A (en) Process for producing cellulose acetate
EP0590401B1 (en) Process for the preparation of a fatty acid ester of cellulose
KR100278525B1 (ko) 폴리알킬렌 테레프탈레이트로부터 알칼리 금속 또는 알칼리토류 금속의 테레프탈레이트 및 알킬렌 글리콜을 회수하는 방법
GB2295149A (en) Process for preparing an aqueous slurry of terephthalic acid by oxidation of p-xylene in acetic acid and washing with p-xylene or an acetic acid ester
US4590266A (en) Process for preparing cellulose acetate
JPH09216901A (ja) 酢化反応の反応開始方法及び反応装置
JP3144957B2 (ja) セルロース脂肪酸エステル及びその製造方法
EP1746081B1 (en) Production method of highly pure pyromellitic dianhydride
KR100405799B1 (ko) 셀룰로스 카르바메이트 제조 방법
KR20050107493A (ko) 폴리에스터 제조에 사용하기 적합한 카르복실산/다이올혼합물의 제조 방법
JP3046441B2 (ja) 酢酸セルロースの製造方法
JP2754066B2 (ja) 酢酸セルロースの製造方法
JPH04261401A (ja) 水溶性酢酸セルロース及びその製造方法
US6624299B2 (en) Process for producing cellulose acetate
JP3988195B2 (ja) ラクチドの精製法および重合法
US3846403A (en) Production of cellulose esters from partially purified wood pulp by hemicellulose removal
JPH10298201A (ja) セルロースエステルの製造方法
JP2000511588A (ja) セルロースアセテートの製造方法
KR101799093B1 (ko) 폴리알킬렌 카보네이트 입자의 제조 방법
JP2001002416A (ja) エチレングリコール可溶性二酸化ゲルマニウムの製造方法及びその溶解法
JP3768283B2 (ja) ニーダ用撹拌翼、ニーダ及びこれを用いたセルロースアセテートの製造方法
JP2000212201A (ja) 酢酸セルロ―スの製造方法
KR20160052179A (ko) 폴리알킬렌 카보네이트 입자의 제조 방법
CN112573993B (zh) 一种4,4’-双氯甲基联苯的生产工艺

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070518

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140525

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term