JPH0921574A - 多室空気調和機 - Google Patents

多室空気調和機

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JPH0921574A
JPH0921574A JP7168595A JP16859595A JPH0921574A JP H0921574 A JPH0921574 A JP H0921574A JP 7168595 A JP7168595 A JP 7168595A JP 16859595 A JP16859595 A JP 16859595A JP H0921574 A JPH0921574 A JP H0921574A
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air conditioner
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compressor
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outdoor
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康孝 吉田
Yozo Hibino
陽三 日比野
Susumu Nakayama
進 中山
Hiroshi Yasuda
弘 安田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 いろいろな室内空気条件及び配管長等に応じ
て、快適な空気調和及び消費電力の最適化等をすること
ができる多室空気調和機を提供する。 【構成】 本多室空気調和機は、部屋の熱容量並びに熱
通過係数を少なくとも要因とする利用部161等の熱環
境の状態、及び圧縮機2の駆動周波数と多室空気調和機
の能力との関係を表す係数を、複数の所定の観測量を元
に時々刻々同定していくオンラインシステム同定器47
と、フィードバック演算器44とを有する制御演算装置
32を有している。 【効果】 多室空気調和機が設置されるまで未知な構造
部分についての動特性をも明らかにして空調できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一台の室外機と一台ま
たは複数台の室内機によって、一室または複数室の室内
空気の過熱及び冷却を行う多室空気調和機に関し、特
に、その室内空気の温度等を好適に制御する多室空気調
和機に関する。
【0002】
【従来の技術】このような従来の多室空気調和機として
は、例えば、特開昭63―25446号公報等に記載さ
れた省電力を目指した多室空気調和機がある。
【0003】また、省電力化を目的としたものではない
が、所定の入力を室内に与えその反応を検知すること
で、その空調をする室内の状態例えば室内容量及び室内
温度等を精密に認識して多室空気調和機の制御をする、
いわゆるシステム同定を用いた多室空気調和機もある。
このような従来の多室空気調和機としては、例えば、特
開昭62−128816号公報、特開昭63−2824
41号公報、特開平3−13754号公報等に記載され
た装置がある。
【0004】ここで、省電力化を目的とした多室空気調
和機の公知例である特開昭63―25446号公報記載
の発明を説明する。この従来の発明は、空気調和機を起
動させ定常状態に達した後、先ず室内ファンを微小変動
させ、室内温度や圧縮機冷媒吐出過熱度等の制御対象を
変化させないよう圧縮機と室内電子膨張弁の開度を操作
し、その結果消費電力(電流)が如何に変化したかを測
定して、減少しているようだと前回の変動方向と同方向
に、増加しているようだと逆方向に室内ファン回転数を
変動させ続けるというものである。
【0005】次にシステム同定を用いた多室空気調和機
の公知例である特開昭62−128816号公報、特開
昭63−282441号公報、特開平3―12754号
公報の発明を説明する。この従来の発明は、微小振幅の
試験信号を操作信号に印加して、その時の検知信号から
多室空気調和機の動特性を同定モデルとして得、この同
定モデルを基として積分型最適制御器を設計し、制御時
において各操作信号の大きさに応じて積分型最適制御器
を選択するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
特開昭63―25446号公報の多室空気調和機では、
他の制御量を変動しないように固定した上で、電力量を
新たな制御対象として注目するものであるから、外乱が
作用しなかった時には実現容易な方法と思われる反面、
空気調和機の起動後、定常状態に達してからでないと使
用できないことや、室内温度や圧縮機冷媒吐出過熱度等
の制御量が、固定できないで変動してしまう場合にはそ
の手法が行えないほか、ある運転時における状態に対し
てのみしか考慮していないのであるから次回運転時には
前回の経験が役立たない等の問題がある。
【0007】また、特開昭62−128816号公報、
特開昭63−282441号公報、特開平3―1375
4号公報に記載の多室空気調和機におけるシステム同定
法は、設計する際に制御定数を決定するための測定手段
であるオフライン同定と呼ばれるもので、設置する利用
部の熱容量や熱通過率等の事前に予測不可能な動特性パ
ラメータまでを同定することは不可能である。
【0008】例えば、多室空気調和機の暖房能力と消費
電力をある空気条件で計測すると図4のようになる。こ
こで暖房能力や消費電力は定常値である。この図から、
例えば暖房能力を一定に保つ曲線は能力一定曲線QAB
で表され、それに沿って圧縮機駆動周波数と電子膨張弁
開度の組み合わせを選ぶと、能力一定操作量トラジェク
トリが曲線ABとして得られる。
【0009】それに伴い消費電力曲線WABが得られる
が、消費電力を最小にする圧縮機駆動周波数、電子膨張
弁開度の組み合わせは消費電力曲線WAB上にCOP最
大化操作量として求められる。ここで、COPとは単位
消費電力あたりの暖房能力または冷房能力をいう。ま
た、同じ制御精度なら、消費電力を最小化するような最
適操作量も求められる。
【0010】しかし、この図4に表される暖房能力及び
消費電力の値は、異なる空気条件、配管長さ等によって
変化するので、従来の多室空気調和機におけるオフライ
ン計測ではその傾向は知ることができても、値そのもの
まで知ることができない。
【0011】さらには、定常に達するまでの過渡的な能
力、消費電力の挙動まで考慮に入れることは不可能であ
る。多室空気調和機の動特性がこのように空気条件、配
管長さに大きく依存する上に、多室空気調和機が設置さ
れる利用部の熱容量、熱通過係数等のパラメータが未知
であると、最適な多室空気調和機の運転は望めない。
【0012】そこで、本発明は、多室空気調和機とその
利用部の動特性の構造を明らかにすることによって、い
ろいろな空気条件及び配管長等に応じて、快適な空気調
和をすることができるとともに、消費電力をも最適化及
び低減することができる多室空気調和機を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の多室空気調和機
は、室外機と、室内機を一台または複数台設け、前記室
外機と前記室内機とを配管接続して閉回路をなし、前記
閉回路の中に冷媒を封入し、前記室外機においては、周
波数可変の圧縮機と室外熱交換器及び室外電子膨張弁を
配管するとともに前記室外熱交換器に送風する室外ファ
ンを備え、前記室内機においては、室内空気と熱交換を
行う室内熱交換器と前記室内熱交換器の冷媒の流量を調
節する室内電子膨張弁を順次配管するとともに前記室内
熱交換器に送風する室内ファンを備えて形成される多室
空気調和機において、部屋の熱容量並びに熱通過係数を
少なくとも要因とする利用部熱環境の状態、及び、前記
圧縮機の駆動周波数と多室空気調和機の能力との関係を
表す係数を、複数の所定の観測量を元に時々刻々同定し
ていくオンラインシステム同定器と、フィードバック演
算器とを有することを特徴とする。
【0014】また、本発明の多室空気調和機は、室外温
度、圧縮機冷媒吐出過熱度、圧縮機冷媒吸入圧力、圧縮
機冷媒吐出圧力、圧縮機消費電力、室内温度及び室内吹
き出し温度を少なくとも含む各制御量を検知する検知手
段と、圧縮機駆動周波数、室外ファン回転数、室外電子
膨張弁開度、室内ファン回転数及び室内電子膨張弁開度
を少なくとも含む各操作量を操作する操作手段と、設定
室内温度を少なくとも含む設定値を設定する設定手段
と、前記各操作量についての信号を要素とする操作量信
号ベクトルと前記検知手段が検知した各信号を要素とす
る検知信号ベクトルとを入力して、多室空気調和機とそ
の利用部の動特性を表すパラメータ推定値信号ベクトル
を最小二乗の意味で同定出力する最小二乗オンラインシ
ステム同定器と、前記パラメータ推定値信号ベクトルと
前記検知信号ベクトルと前記設定手段が設定した設定値
を要素とする設定値信号ベクトルとを入力して、入力し
た各ベクトルに対して前記各制御量の制御偏差量が同じ
となるときに、前記操作手段が要する消費電力をもっと
も小さくする最適制御信号ベクトルを出力するフィード
バック最適操作量演算器とを有することが好ましい。
【0015】また、本発明の多室空気調和機は、室外温
度、圧縮機冷媒吐出過熱度、圧縮機冷媒吸入圧力、圧縮
機冷媒吐出圧力、圧縮機消費電力、室内温度、室内吹き
出し温度を少なくとも含む各制御量を検知する検知手段
と、圧縮機駆動周波数、室外ファン回転数、室外電子膨
張弁開度、室内ファン回転数、室内電子膨張弁開度を少
なくとも含む各操作量を操作する操作手段と、設定室内
温度を少なくとも含む設定値を設定する設定手段と、前
記各操作量についての信号を要素とする操作量信号ベク
トルと前記検知手段が検知した各信号を要素とする検知
信号ベクトルとを入力して、多室空気調和機とその利用
部の動特性を表すパラメータ推定値信号ベクトルを最小
二乗の意味で同定出力する最小二乗オンラインシステム
同定器と、前記パラメータ推定値信号ベクトルと前記検
知信号ベクトルと前記設定手段が設定した設定値を要素
とする設定値信号ベクトルとを入力して、入力した各ベ
クトルに対してCOP(単位消費電力あたりの冷暖房能
力)を最大化する信号ベクトルを出力するフィードバッ
クCOP最大化操作量演算器とを有することが好まし
い。
【0016】また、本発明の多室空気調和機は、室外温
度、圧縮機冷媒吐出過熱度、圧縮機冷媒吸入圧力、圧縮
機冷媒吐出圧力、圧縮機消費電力、室内温度、室内吹き
出し温度を少なくとも含む各制御量を検知する検知手段
と、圧縮機駆動周波数、室外ファン回転数、室外電子膨
張弁開度、室内ファン回転数、室内電子膨張弁開度を少
なくとも含む各操作量を操作する操作手段と、設定室内
温度を少なくとも含む設定値を設定する設定手段と、前
記各操作量についての信号を要素とする操作量信号ベク
トルと前記検知手段が検知した各信号を要素とする検知
信号ベクトルとを入力して、多室空気調和機とその利用
部の動特性を表すパラメータ推定値信号ベクトルを、パ
ラメータを確率的変動をする確率変数と見なしたとき、
尤も確からしい値という最尤推定の意味で出力する最尤
推定オンラインシステム同定器と、前記パラメータ推定
値信号ベクトルと前記検知信号ベクトルと前記設定手段
が設定した設定値を要素とする設定値信号ベクトルとを
入力して、入力した各ベクトルに対して前記各制御量の
制御偏差量が同じとなるときに、前記操作手段が要する
消費電力をもっとも小さくする最適制御信号ベクトルを
出力するフィードバック最適操作量演算器とを有するこ
とが好ましい。
【0017】また、本発明の多室空気調和機は、室外温
度、圧縮機冷媒吐出過熱度、圧縮機冷媒吸入圧力、圧縮
機冷媒吐出圧力、圧縮機消費電力、室内温度、室内吹き
出し温度を少なくとも含む各制御量を検知する検知手段
と、圧縮機駆動周波数、室外ファン回転数、室外電子膨
張弁開度、室内ファン回転数、室内電子膨張弁開度を少
なくとも含む各操作量を操作する操作手段と、設定室内
温度を少なくとも含む設定値を設定する設定手段と、前
記各操作量についての信号を要素とする操作量信号ベク
トルと前記検知手段が検知した各信号を要素とする検知
信号ベクトルとを入力して、多室空気調和機とその利用
部の動特性を表すパラメータ推定値信号ベクトルを、パ
ラメータを確率的変動をする確率変数と見なしたとき、
尤も確からしい値という最尤推定の意味で出力する最尤
推定オンラインシステム同定器と、前記パラメータ推定
値信号ベクトルと前記検知信号ベクトルと前記設定手段
が設定した設定値を要素とする設定値信号ベクトルとを
入力して、入力した各ベクトルに対してCOP(単位消
費電力あたりの冷暖房能力)を最大化する信号ベクトル
を出力するフィードバックCOP最大化操作量演算器と
を有することが好ましい。
【0018】
【作用】本発明の多室空気調和機は、設定熱環境空間を
得るための方策は複数の利用部室内温度、圧縮機冷媒吐
出圧力、圧縮機冷媒吸入圧力、圧縮機冷媒吐出過熱度、
多室空気調和機能力等の制御量が、それぞれ決められた
設定値に一致するように、圧縮機の周波数や室外電子膨
張弁開度、室内電子膨張弁開度や室外及び室内ファンと
いった操作量を制御するものである。これにより、多室
空気調和機全体が常に適正な運転状態で運転できるよう
制御することができ、安定かつ安全な運転を保持できる
と共に、負荷の増減に応じた暖房あるいは冷房能力が得
られ、使用者に好ましい熱環境空間が得られる。更に、
多室空気調和機とその利用部の動特性を明らかにするこ
とで、最適制御等、様々な制御法が使用可能となり、省
電力化に大いに貢献することができる。
【0019】ここで、本発明の多室空気調和機では、多
室空気調和機とその利用部の動特性を明らかにする手段
として、実際に運転する際にシステム同定を行うオンラ
インシステム同定器を用いているので、多室空気調和機
が設置されてから後に、測定が必要な利用部の熱容量や
熱通過係数等も同定することができる。
【0020】すなわち、多室空気調和機が設置されたこ
とによって変動した後のその利用部の動特性をも、オン
ラインシステム同定器を用いて明らかにすることができ
る。
【0021】また、暖房あるいは冷房能力は圧縮機周波
数や電子膨張弁開度、室外ファン等の操作量だけでな
く、熱交換器蒸発温度や凝縮温度、配管長や運転台数な
どによって変化する。本多室空気調和機におけるオンラ
インシステム同定器及びフィードバック演算器は、その
変化要因を同定値に反映し、その時々に応じた最適な制
御を行うことを可能とする。更に、運転時間が長い場合
や、運転回数が多い場合には、より高精度な制御が行え
る学習効果があり、一層の省電力化の機能を有するもの
である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0023】図1は、本発明の実施例に係る多室空気調
和機が用いられている多室空気調和機を示すブロック図
である。本多室空気調和機は、室外機1と、複数台の室
内機91,92を有し、室外機1と1台又は複数台から
なる室内機91,92とを配管接続して閉回路をなし、
その閉回路の中に冷媒を封入している。
【0024】そして、室外機1においては、周波数可変
の圧縮機2と室外熱交換器3及び室外電子膨張弁8を配
管するとともに室外熱交換器3に送風する室外ファン4
を備えている。また、室内機91,92においては、室
内空気と熱交換を行う室内熱交換器101,102とそ
の室内熱交換器101,102の冷媒の流量を調節する
室内電子膨張弁121,122を順次配管するとともに
室内熱交換器101,102に送風する室内ファン11
1,112を備えている。
【0025】さらに、本多室空気調和機は、図2に示す
ように、部屋の熱容量並びに熱通過係数を少なくとも要
因とする利用部熱環境の状態、及び、前記圧縮機の駆動
周波数と多室空気調和機の能力との関係を表す係数を、
複数の所定の観測量を元に時々刻々同定していくオンラ
インシステム同定器47と、フィードバック演算器44
とを有する制御演算装置を有している。
【0026】また、室外機1は、アキュムレータ5、四
方弁6及びレシーバ7を備えている。そして、室外機1
及び室内機91,92の各ガス側及び液側を、各々ガス
側管路13、液側管路14及び分岐管151,152で
接続して閉回路をなし、その閉回路の内部に冷媒を封入
してある。
【0027】また、室内機91,92は、空気調和の対
象となる部屋等の内部である利用部161,162にそ
れぞれ配置してある。
【0028】さらにまた、本多室空気調和機は、室外温
度を検知する室外温度検知器17、圧縮機冷媒吐出温度
検知器及び冷媒過熱度演算器からなる圧縮機冷媒吐出過
熱度検知器18、圧縮機冷媒吸入圧力を検知する圧縮機
冷媒吸入圧力検知器19、圧縮機冷媒吐出圧力を検知す
る圧縮機冷媒吸入圧力検知器20、圧縮機2の消費電力
を検知する圧縮機電力検知器21、圧縮機2の周波数を
操作するインバータ圧縮機操作器22、室外ファン4の
送風能力を操作する室外側送風能力操作器23、室外フ
ァン4の消費電力を検知する室外ファン電力検知器2
4、室外電子膨張弁8の開度を操作する室外電子膨張弁
開度操作器25、利用部161,162の利用部室内温
度を検知する利用部室内温度検知器261,262、そ
の利用部への吹き出し温度を検知する利用部吹き出し温
度検知器271,272、室内ファン111,112の
送風能力を操作する室内側送風能力操作器281,28
2、室内ファン111,112の電力を検知する室内フ
ァン電力検知器291,292、室内電子膨張弁12
1,122の冷媒循環量を操作する室内電子膨張弁開度
操作器301,302、予め与えられた設定値を記憶あ
るいは使用者が好みの熱環境を設定するための設定器3
11,312及び制御演算装置32を有している。
【0029】次に、本多室空気調和機の動作を説明す
る。本多室空気調和機とその周りの環境は、例えば、操
作量である室外電子膨張弁開度をシステムへの入力、状
態量である圧縮機冷媒吐出過熱度をシステムの出力と見
なすと、電子膨張弁開度によって圧縮機冷媒吐出過熱度
が変化するシステムと考えることができる。
【0030】また同様に、操作量である圧縮機駆動周波
数をシステムへの入力、状態量である多室空気調和機能
力をシステムからの出力とみなすと、圧縮機駆動周波数
によって多室空気調和機能力が変化するシステムとも考
えることができる。
【0031】更に、本多室空気調和機能力によって、利
用部室内温度が変化するシステムとも考えられる。
【0032】そこで、その入力、出力の因果関係を時系
列あるいは微分方程式で表した動特性が、如何なる構造
を持っているのかを明らかにすることによって、システ
ムの制御精度が向上すると考えられる。例えば、その次
数やむだ時間、パラメ−タの値等が正確に分かること
で、制御対象の動特性の解析、制御器の選択、設計がよ
り適切かつ綿密に行うことができる。
【0033】但し、前述したように、次数解析はオフラ
インでも行えるが、パラメータの値までは知り得ない。
よって、オンラインシステム同定を用いてパラメータの
具体的な値を同定し、その値を利用することで高精度な
制御が行えるわけである。
【0034】以下に、そのオンラインシステム同定等に
ついての原理を簡単に説明する。
【0035】動特性を表す動特性の次数については、次
数評価手段によってオフラインで決定できるので、既知
とする。また、一般に多室空気調和機とその利用部の動
特性は、むだ時間を有する非線形システムで表せるが、
その場合は、平衡点中心にTaylor展開する線形近
似等で線形化を行う。
【0036】ここで、連続時間システムか離散時間シス
テムか、或るいは一次遅れ系か高次遅れ系か、一入力一
出力系か多入力多出力系かは、操作器の設計仕様、制御
対象の次数判定結果、線形化法に依存し、解析、設計法
も異なる。ここでは離散時間システム、一次遅れ系、一
入力一出力系、むだ時間無しのシステムについて説明す
る。いま、本多室空気調和機とその周りの環境の動特性
が下記数式1で表す時系列モデルで示せるとする。
【0037】
【数1】
【0038】上記数式1において、変数x(k)は制御
量を、変数u(k)は操作量を、変数v(k)は外乱を
表し、パラメータa、bは未知とする。数式1で表され
る一例としては、制御量x(k)は室内温度、操作量u
(k)は圧縮機周波数、外乱v(k)は室外気温、設定
値r(k)は設定室内温度、パラメータa、bはそれぞ
れ利用部の熱容量や熱通過係数、操作量u(k)に対す
る暖房あるいは冷房能力に依存する量とすることができ
る。
【0039】この数式1の動特性をx(k)の観測量で
ある検知信号y(k)で書き替えると、下記数式2に示
すようになる。
【0040】
【数2】
【0041】上記数式2において、e(k)は検知信号
に混入する観測ノイズであり、これを白色雑音モデルと
し、直接検知できないものとする。また、今は電力量を
考慮に入れ、これは直接検知できないとし、検知される
量と電力の関係が仮に、下記数式3に示す関係にあると
する。
【0042】
【数3】
【0043】上記数式3において、α、βはそれぞれ定
数とし、このシステムに対して制御システムを設計しよ
うとすれば、パラメータa、b、α、βの値が既知でな
いと、具体的な制御定数は計算できない。パラメータ
α、βについては、多室空気調和機自体の性能を表すパ
ラメータなので、ある空気条件においてはオフラインで
も計測、決定できるが、パラメータa、bに関しては多
室空気調和機が設置される利用部室内の特性を表してい
るので、それは不可能である。
【0044】しかし、仮にその値が既知であるものとし
て、例えば、下記数式4に示す規範を最小にする最適解
を求める。
【0045】
【数4】
【0046】上記数式4において、m、nは正の定数で
ある。その最適フィードバックゲイン及びバイアスは、
動的計画法等によって下記数式5に示す形に求まる。
【0047】
【数5】
【0048】この形は、制御規範である数式4の形に依
存し、P+バイアス型、PI+バイアス型、PID+バ
イアス型等に求まる。但し、ここでは、外乱は室外気温
等のように検知可能とし、制御量は直接検知できること
とする。よって観測量のフィードバック形は、下記数式
6に示す形を用いることとなる。
【0049】
【数6】
【0050】これらのゲインK1、K2、K3、fの初期
値は、パラメータa、b、α、βの事前情報を基に決定
される。
【0051】次に、未知パラメータa、bの値を同定す
るが、観測を行うと同時に逐次同定するオンラインシス
テム同定を行うものとする。よって、その推定値をa”
(k)、b”(k)と表し、ベクトルを用いて推定ベク
トルを下記数式7のように定義する。
【0052】
【数7】
【0053】また、観測ベクトルを下記数式8のように
定義する。
【0054】
【数8】
【0055】ここで、初期値θ”(0)については、事
前情報を基に与えられているものとする。この推定ベク
トルθ”(k)は、例えば下記数式9に示す値J1を最
小にするように設計すれば、下記数式10に示す逐次計
算の形が求められる。
【0056】
【数9】
【0057】
【数10】
【0058】ここで、上記数式9を最小にする意味合い
は、得られたデータが最も上記数式2に合致するように
パラメータを見出すことである。
【0059】このように、先ず何らかの形で求められた
システムへの入力u(k)と、制御量の観測値y
(k)、その変化量y(k+1)を入手することによっ
て、本多室空気調和機の運転中に制御を行いながら、未
知パラメータを同定する機構を設計することができる。
【0060】そして、フィードバック係数を、順次更新
される推定値を用いて逐次更新していく形にすること
で、逐次可変フィ−ドバック係数の制御装置に設計す
る。
【0061】以上の説明においては、一次遅れ系、一入
力一出力系、むだ時間無し、オンラインシステム同定は
逐次最小二乗法という最も簡単な例であり、制御規範と
しては、制御精度と消費電力の二次規範であるが、この
考え方は、高次遅れ系、多入力多出力系、むだ時間を有
するシステム、他同定法、他制御則でも同じように適用
できる。
【0062】図2は、図1に示した多室空気調和機に適
用した、二次遅れ二操作系の多室空気調和機の制御装置
における制御演算装置32での信号処理の一例を示すブ
ロック図である。この例においては、システムへの入力
としては圧縮機駆動周波数と電子膨張弁開度があり、シ
ステムからの出力としては多室空気調和機能力、利用部
室内温度があるとする。また、ここでは、空気調和の対
象となる利用部としては、図1における利用部161の
一つだけに注目する。
【0063】ここで、設定器311は、利用部室内温度
設定信号r(k)を出力する。また、多室空気調和機
は、空調能力Q(k)を出力し、その能力を受けて変化
する利用部室内温度が利用部室内温度Ti(k)であ
る。
【0064】そして、能力検知手段271は、空調能力
Q(k)を入力して多室空気調和機能力検知信号y
1(k)を出力する。室内温度検知手段は、利用部室内
温度Ti(k)を入力して利用部室内温度検知信号y
2(k)を出力する。
【0065】また、圧縮機駆動周波数信号演算器42
は、操作信号である圧縮機駆動周波数信号u1(k)を
出力する。電子膨張弁開度演算器43は、操作信号であ
る電子膨張弁開度信号u2(k)を出力する。
【0066】また、第1オンラインシステム同定器45
は、多室空気調和機の動特性を表すパラメータの推定値
を要素とする推定値信号ベクトルθ”1(k)を出力す
る。第2オンラインシステム同定器46は、利用部熱環
境の動特性を表すパラメータの推定値を要素とする推定
値信号ベクトルθ”2(k)を出力する。
【0067】また、圧縮機駆動周波数信号演算器42と
電子膨張弁開度演算器43とは、フィードバック演算器
44を構成している。第1オンラインシステム同定器4
5と第2オンラインシステム同定器46とは、オンライ
ンシステム同定器47を構成している。
【0068】次に、上述した図2に示す多室空気調和機
における制御演算装置32の動作について、図3に示す
フローチャートを参照して説明する。
【0069】ここでも、空気調和の対象となる利用部と
しては、図1における利用部161の一つだけに注目す
る。先ずはじめに、多室空気調和機が起動される(S
1)。その後、操作量である圧縮機駆動周波数、電子膨
張弁開度の値は、あらかじめ設定された初期値(u
1(0)、u2(0))が設定される(S2)。
【0070】その後、室内空気吸い込み温度、及び室内
空気吹き出し空気温度が、例えば暖房運転時においては
どちらも上昇するので、それを図1の検知器261、2
71により計測及び検知する(S3)。次に、多室空気
調和機能力が演算され、図2中の検知信号36として出
力されるとともに、利用部室内温度が検知信号37とし
て出力される(S4)。
【0071】これらの検知信号に対し、操作量に対する
多室空気調和機の反応である多室空気調和機の動特性
と、多室空気調和機能力に対する利用部熱環境の反応で
ある利用部熱環境動特性、これら動特性を表すパラメー
タを演算及び同定する(S5,S6)。
【0072】そして、これらのパラメータの値をもと
に、フィードバックゲインが新たに演算され、同時に2
つの操作量、圧縮機駆動周波数と電子膨張弁開度の次の
ステップの値(u1(1)、u2(1))が求まる(S
7,S8)。
【0073】さらに運転を続ける場合は、ステップ3に
戻る。そして、新しい圧縮機駆動周波数、電子膨張弁開
度が与えられ、多室空気調和機はそれに応じた能力を出
力しているので、検知部50は前ステップと同様、室内
空気吸い込み温度、室内空気吹き出し温度を検知し(S
3)、多室空気調和機能力を演算する(S4)。以下
は、前のステップで行われた演算を繰り返す。
【0074】これらの一連の動作において、同定される
パラメータは数式9を最小化する最小二乗法で行っても
よいし、検知信号を確率的な変数と見なし尤も確からし
い値を出力する最尤推定法で行なってもよい。また、演
算される圧縮機駆動周波数と電子膨張弁開度は、数式4
のような二次規範を最小化する最適操作量であったり、
あるいはCOPを最大化する操作量であれば、制御精度
を保ちつつ、消費電力を抑えるという量にすることがで
き、省電力形制御で制御される。
【0075】図5及び図6は、上述した実施例の制御に
よる効果の一例を示すグラフである。図5では、圧縮機
駆動周波数61、電子膨張弁開度64、利用部室内温度
63、消費電力62の変化が示されている。ここで、操
作量を求める制御則としては、圧縮機駆動周波数に関し
ては数式4のような二次規範、電子膨張弁に関してはC
OP最大化規範を用いた。
【0076】また、図6は同時に行ったオンラインシス
テム同定においての、未知パラメータa”(k)、b”
(k)の収束の様子を示したものである。図6から、未
知パラメータa”(k)、b”(k)は、約10分で収
束し、同時に図5に示される閉ループシステムも安定で
あり、無駄な消費電力を抑える挙動となっていることが
わかる。
【0077】このようにして制御対象である多室空気調
和機とその利用部の動特性を順次同定、更新することに
より、フィードバック制御量も順次高精度な値に更新さ
れ、準最適な多室空気調和機とその周りの熱環境の状態
量の制御が行え、制御精度の高精度化、省電力化を実現
できる。
【0078】上述した二つの例では、制御量として多室
空気調和機能力や利用部室内温度、操作量として圧縮機
駆動周波数、電子膨張弁開度を扱ったが、その他にも、
制御量として、圧縮機冷媒吸入あるいは吐出圧力、熱交
換器冷媒蒸発温度や熱交換器吹き出し空気温度、または
直接消費電力等とし、操作量として、室外及び室内ファ
ンの回転数等をも加えて、多入力多出力高次遅れ系で制
御系を構築することができる。また利用部の熱環境とし
て空気調和だけでなく、冷凍、水温管理等、様々な熱機
械でも使用できる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、多
室空気調和機において、多室空気調和機とその周囲の熱
環境の動特性における、多室空気調和機器が設置される
まで未知な構造部分についてもオンラインシステム同定
によって明らかにし、その明らかにした動特性に応じて
多室空気調和機を制御するので、常に安定で快適、しか
も省電力化を達成した運転を保証する多室空気調和機を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る多室空気調和機とその周
りの熱環境の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における多室空気調和機の制御装置とその
構成を示すブロック図である。
【図3】図1における多室空気調和機の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図4】通常の多室空気調和機の能力及び消費電力を圧
縮機駆動周波数と電子膨張弁開度によって示したグラフ
である。
【図5】図1における多室空気調和機の電子膨張弁開度
等についての挙動を示すグラフである。
【図6】図1における多室空気調和機の動特性を表すパ
ラメータの演算結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 室外機 2 圧縮機 3 室外熱交換器 4 室外ファン 5 アキュムレータ 6 四方弁 7 レシーバ 8 室外電子膨張弁 91 室内機 92 室内機 101 室内熱交換器 102 室内熱交換器 111 室内ファン 112 室内ファン 121 室内電子膨張弁 122 室内電子膨張弁 13 ガス管 14 液管 15 分岐管 161 利用部 162 利用部 17 室外温度検知器 18 圧縮機冷媒吐出過熱度検知器 19 圧縮機冷媒吸入圧力検知器 20 圧縮機冷媒吐出圧力検知器 21 圧縮機電力検知器 22 インバータ圧縮機操作器 23 室外側送風能力操作器 24 室外ファン電力検知器 25 室外電子膨張弁開度操作器 261 室内温度検知器 262 室内温度検知器 271 吹き出し空気温度検知器 272 吹き出し空気温度検知器 281 室内側送風能力操作器 282 室内側送風能力操作器 291 室内ファン電力検知器 292 室内ファン電力検知器 301 室内電子膨張弁 302 室内電子膨張弁 311 設定器 312 設定器 32 制御演算装置 33 室内設定温度信号 34 多室空気調和機能力 35 利用部室内温度 36 多室空気調和機能力検知信号 37 室内温度検知信号 38 圧縮機駆動周波数信号 39 電子膨張弁開度信号 40 多室空気調和機動特性推定値信号ベクトル 41 利用部熱環境動特性推定値信号ベクトル 42 圧縮機駆動周波数演算器 43 電子膨張弁開度演算器 44 フィードバック演算器 45 オンライン多室空気調和機動特性システム同定器 46 オンライン利用部熱環境動特性システム同定器 47 オンラインシステム同定器 48 多室空気調和機起動部 49 操作器規定初期値設定部 50 吸い込み、吹き出し空気温度検知部 51 多室空気調和機能力演算部 52 多室空気調和機動特性演算部 53 利用部熱環境動特性演算部 54 圧縮機駆動周波数操作量演算部 55 電子膨張弁開度操作量演算部 56 停止、継続運転判定部 57 停止実行部 58 能力一定曲線 59 能力一定操作量トラジェクトリ 60 能力一定消費電力曲線 61 圧縮機駆動周波数 62 消費電力 63 利用部室内温度 64 電子膨張弁開度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 弘 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室外機と、室内機を一台または複数台設
    け、前記室外機と前記室内機とを配管接続して閉回路を
    なし、前記閉回路の中に冷媒を封入し、前記室外機にお
    いては、周波数可変の圧縮機と室外熱交換器及び室外電
    子膨張弁を配管するとともに前記室外熱交換器に送風す
    る室外ファンを備え、前記室内機においては、室内空気
    と熱交換を行う室内熱交換器と前記室内熱交換器の冷媒
    の流量を調節する室内電子膨張弁を順次配管するととも
    に前記室内熱交換器に送風する室内ファンを備えて形成
    される多室空気調和機において、部屋の熱容量並びに熱
    通過係数を少なくとも要因とする利用部熱環境の状態、
    及び、前記圧縮機の駆動周波数と多室空気調和機の能力
    との関係を表す係数を、複数の所定の観測量を元に時々
    刻々同定していくオンラインシステム同定器と、フィー
    ドバック演算器とを有することを特徴とする多室空気調
    和機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多室空気調和機におい
    て、室外温度、圧縮機冷媒吐出過熱度、圧縮機冷媒吸入
    圧力、圧縮機冷媒吐出圧力、圧縮機消費電力、室内温度
    及び室内吹き出し温度を少なくとも含む各制御量を検知
    する検知手段と、圧縮機駆動周波数、室外ファン回転
    数、室外電子膨張弁開度、室内ファン回転数及び室内電
    子膨張弁開度を少なくとも含む各操作量を操作する操作
    手段と、設定室内温度を少なくとも含む設定値を設定す
    る設定手段と、前記各操作量についての信号を要素とす
    る操作量信号ベクトルと前記検知手段が検知した各信号
    を要素とする検知信号ベクトルとを入力して、多室空気
    調和機とその利用部の動特性を表すパラメータ推定値信
    号ベクトルを最小二乗の意味で同定出力する最小二乗オ
    ンラインシステム同定器と、前記パラメータ推定値信号
    ベクトルと前記検知信号ベクトルと前記設定手段が設定
    した設定値を要素とする設定値信号ベクトルとを入力し
    て、入力した各ベクトルに対して前記各制御量の制御偏
    差量が同じとなるときに、前記操作手段が要する消費電
    力をもっとも小さくする最適制御信号ベクトルを出力す
    るフィードバック最適操作量演算器とを有することを特
    徴とする多室空気調和機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の多室空気調和機におい
    て、室外温度、圧縮機冷媒吐出過熱度、圧縮機冷媒吸入
    圧力、圧縮機冷媒吐出圧力、圧縮機消費電力、室内温
    度、室内吹き出し温度を少なくとも含む各制御量を検知
    する検知手段と、圧縮機駆動周波数、室外ファン回転
    数、室外電子膨張弁開度、室内ファン回転数、室内電子
    膨張弁開度を少なくとも含む各操作量を操作する操作手
    段と、設定室内温度を少なくとも含む設定値を設定する
    設定手段と、前記各操作量についての信号を要素とする
    操作量信号ベクトルと前記検知手段が検知した各信号を
    要素とする検知信号ベクトルとを入力して、多室空気調
    和機とその利用部の動特性を表すパラメータ推定値信号
    ベクトルを最小二乗の意味で同定出力する最小二乗オン
    ラインシステム同定器と、前記パラメータ推定値信号ベ
    クトルと前記検知信号ベクトルと前記設定手段が設定し
    た設定値を要素とする設定値信号ベクトルとを入力し
    て、入力した各ベクトルに対してCOP(単位消費電力
    あたりの冷暖房能力)を最大化する信号ベクトルを出力
    するフィードバックCOP最大化操作量演算器とを有す
    ることを特徴とする多室空気調和機。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の多室空気調和機におい
    て、室外温度、圧縮機冷媒吐出過熱度、圧縮機冷媒吸入
    圧力、圧縮機冷媒吐出圧力、圧縮機消費電力、室内温
    度、室内吹き出し温度を少なくとも含む各制御量を検知
    する検知手段と、圧縮機駆動周波数、室外ファン回転
    数、室外電子膨張弁開度、室内ファン回転数、室内電子
    膨張弁開度を少なくとも含む各操作量を操作する操作手
    段と、設定室内温度を少なくとも含む設定値を設定する
    設定手段と、前記各操作量についての信号を要素とする
    操作量信号ベクトルと前記検知手段が検知した各信号を
    要素とする検知信号ベクトルとを入力して、多室空気調
    和機とその利用部の動特性を表すパラメータ推定値信号
    ベクトルを、パラメータを確率的変動をする確率変数と
    見なしたとき、尤も確からしい値という最尤推定の意味
    で出力する最尤推定オンラインシステム同定器と、前記
    パラメータ推定値信号ベクトルと前記検知信号ベクトル
    と前記設定手段が設定した設定値を要素とする設定値信
    号ベクトルとを入力して、入力した各ベクトルに対して
    前記各制御量の制御偏差量が同じとなるときに、前記操
    作手段が要する消費電力をもっとも小さくする最適制御
    信号ベクトルを出力するフィードバック最適操作量演算
    器とを有することを特徴とする多室空気調和機。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の多室空気調和機におい
    て、室外温度、圧縮機冷媒吐出過熱度、圧縮機冷媒吸入
    圧力、圧縮機冷媒吐出圧力、圧縮機消費電力、室内温
    度、室内吹き出し温度を少なくとも含む各制御量を検知
    する検知手段と、圧縮機駆動周波数、室外ファン回転
    数、室外電子膨張弁開度、室内ファン回転数、室内電子
    膨張弁開度を少なくとも含む各操作量を操作する操作手
    段と、設定室内温度を少なくとも含む設定値を設定する
    設定手段と、前記各操作量についての信号を要素とする
    操作量信号ベクトルと前記検知手段が検知した各信号を
    要素とする検知信号ベクトルとを入力して、多室空気調
    和機とその利用部の動特性を表すパラメータ推定値信号
    ベクトルを、パラメータを確率的変動をする確率変数と
    見なしたとき、尤も確からしい値という最尤推定の意味
    で出力する最尤推定オンラインシステム同定器と、前記
    パラメータ推定値信号ベクトルと前記検知信号ベクトル
    と前記設定手段が設定した設定値を要素とする設定値信
    号ベクトルとを入力して、入力した各ベクトルに対して
    COP(単位消費電力あたりの冷暖房能力)を最大化す
    る信号ベクトルを出力するフィードバックCOP最大化
    操作量演算器とを有することを特徴とする多室空気調和
    機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011257062A (ja) * 2010-06-09 2011-12-22 Ntt Facilities Inc 空調システムの運転制御方法
JP2014206304A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 日立アプライアンス株式会社 空気調和機
WO2016141790A1 (zh) * 2015-03-10 2016-09-15 深圳市艾特网能有限公司 带自然冷的多联制冷系统及其控制方法

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