JPH09159284A - 空気調和機の膨張弁制御装置 - Google Patents

空気調和機の膨張弁制御装置

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JPH09159284A
JPH09159284A JP7316250A JP31625095A JPH09159284A JP H09159284 A JPH09159284 A JP H09159284A JP 7316250 A JP7316250 A JP 7316250A JP 31625095 A JP31625095 A JP 31625095A JP H09159284 A JPH09159284 A JP H09159284A
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temperature
compressor
shell temperature
expansion valve
air conditioner
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JP7316250A
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English (en)
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Akishi Takanashi
陽史 高梨
Tsutomu Shimizu
努 清水
Shigeru Narai
茂 成相
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気調和機の消費電力量低減、快適性向上。 【解決手段】 室内空気吸込温度、外気温度およびイン
バータ方式圧縮機の運転周波数、並びに室内側熱交換器
送風機風量および室外側熱交換器送風機風量の少なくと
も一つを入力とし、圧縮機の目標圧縮機外殻温度を出力
とする制御規則部16と、目標圧縮機外殻温度と現在の
圧縮機外殻温度から膨張弁開度を制御する開度制御部1
8を有する空気調和機の膨張弁制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内側熱交換器と
室外側熱交換器とを接続する冷媒配管に、膨張機構とし
て電動式膨張弁を有する空気調和機の膨張弁制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、空気調和機においては室内側熱交
換器と室外側熱交換器とを接続する冷媒配管に、膨張機
構として電動式膨張弁が介設されているが、このような
電動式膨張弁の開度制御は、一般に過熱度制御方式によ
って行われている。その具体例は特開昭60−1332
69号公報に記載されているように、キャピラリーチュ
ーブを介設したインジェクション配管とサーミスタを専
用に設けることにより蒸発圧力相当飽和温度を測定し、
さらに蒸発器出口ガス温度をサーミスタを用いて測定
し、これらの温度差を過熱度として、これを設定値に維
持すべく電動式膨張弁を制御している。
【0003】また、第2の従来例として、近年、特開昭
62−299660号公報に示されており、図8はその
発明の空気調和機における電動式膨張弁の開度制御の機
能ブロック図であり、図9は空気調和機の冷媒回路図で
ある。この発明の空気調和機は圧縮機101と室内熱交
換器106と室外熱交換器104とを冷媒循環可能に接
続し、上記室内熱交換器106と室外熱交換器104と
を接続する液管112に電動式膨張弁113を介設した
空気調和機であって、室内側の温度を検出する第1温度
検出手段114と室外側の温度を検出する第2温度検出
手段114とを設けると共に、上記第1第2温度検出手
段114,115の検出温度差に基づいて上記電動式膨
張弁113の開度を制御する制御手段116を設けてい
る。また、図10から図12には、条件データ記憶部1
22に格納されているデータテーブルを模式的に示して
おり、図10は横軸に外気温度と室内温度との差の絶対
値ΔT、縦軸に電動式膨張弁の弁開度をとり、上記外気
温度を媒介変数として、暖房運転時における適正弁開度
を求めるグラフである。図11は暖房運転時においてフ
ァンタップがH(強風)とL(弱風)とにおける外気温
度と補正係数C1の関係、図12はインバータ周波数を
変えた場合の外気温と補正係数C2の関係を示してい
る。上記各グラフより、例えば暖房運転時には、図10
で求められる弁開度に、図11および図12で得られる
補正係数C1,C2をそれぞれ乗じて、最終弁開度が決
定されるのである。以上のようにして、負荷変動に応じ
て冷媒流通量を増減するために電動式膨張弁の開度制御
を行い、冷凍能力の向上を図るものである。なお、冷房
運転時においても同様である。
【0004】また一般に、圧縮機の外殻に設けられた圧
縮機外殻温度検出手段の検出結果を用いて圧縮機の回転
周波数を制御することにより、圧縮機の保護が行われて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来例の場合は、キャピラリーチューブを介設したイン
ジェクション配管を専用に設ける必要があり、さらに測
温用のサーミスタ等の測温センサーを必要とし、従って
電動式膨張弁を用いた空気調和機は高価でかつ小型の空
気調和機には適さないものであった。さらに、インジェ
クション配管を通して冷媒をバイパスさせるために、冷
凍能力の低下を招いていた。
【0006】また、第2の従来例の場合は、負荷変動に
応じて最終弁開度が決定されパルス出力により開度設定
を行うものであるが、電動式膨張弁は内部構造体の寸法
ばらつきによる流量ばらつきにより最適な流量に設定す
ることは非常に困難であり、また、この流量ばらつきを
小さくしようとすると、電動式膨張弁の内部構造体の加
工精度を向上させる必要があり、電動式膨張弁自体が高
価になってしまうといった問題があった。また、近年に
おいては、セパレート型空気調和機の空気調和機室外機
の運転時の騒音低減のため、圧縮機の運転周波数や使用
者の好みに応じて室外ファン速も変更可能なものとなっ
ているが、この室外ファン速による負荷変動に対応する
ことは不可能であり、冷凍能力の向上は困難である。さ
らに、第2の従来例の場合、図10から図12に示すよ
うに、制御の出力である弁開度は外気温度と室内温度と
の差の絶対値ΔT、ファンタップ、インバータ周波数に
対して線形関係があるとして決定される。すなわち、Δ
T、ファンタップ、インバータ周波数は各々独立して、
最適な弁開度を決定している。しかしながら、実際の空
気調和機の冷媒回路においては制御の出力である最適な
弁開度と制御の入力である外気温度と室内温度との温度
差ΔT、ファンタップ、インバータ周波数との関係は非
線形であり、第2の従来例の手法では最適な弁開度を決
定することは困難であるという問題があった。
【0007】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、負荷変動に応じて電動式膨張弁の開度を
最適制御し、空気調和機の冷凍能力、効率の向上を目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の技術的手段は、室内側熱交換器と室外側熱交
換器とインバータ方式圧縮機と電動式膨張弁と圧縮機外
殻温度を検出する圧縮機外殻温度出手段を有する空気調
和機において、室内空気吸込温度、外気温度およびイン
バータ方式圧縮機の運転周波数、並びに室内側熱交換器
送風機風量および室外側熱交換器送風機風量の少なくと
も一つを入力とし、圧縮機の目標圧縮機外殻温度を出力
とする制御規則部と、上記目標圧縮機外殻温度と現在の
圧縮機外殻温度から膨張弁開度を制御する開度制御部を
有し、上記制御規則部が入力に対し、負荷が変動しても
常に冷凍サイクルあるいはヒートポンプの成績係数を最
大にするような圧縮機外殻温度を出力する制御規則を有
する空気調和機の膨張弁制御装置である。
【0009】また、本発明は、制御規則部が、ニューラ
ルネットワークで構成されたものである。
【0010】また、本発明は、制御規則部が、ニューラ
ルネットワークの学習結果を、入力条件を段階分けし、
その段階毎に出力を定めたテーブルで構成されたもので
ある。
【0011】また、本発明は、制御規則部のテーブル
が、圧縮機の運転周波数毎に定められた基準圧縮機外殻
温度に対するシフト量で構成されたものである。
【0012】また、本発明は、制御規則部の入力に、室
内空気の湿度あるいは室外空気の湿度を加えたものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】上記技術手段による作用は、以下
の通りである。
【0014】圧縮機の外殻に設けられた圧縮機外殻温度
検出手段の検出結果を用いて圧縮機の回転周波数を制御
することにより、圧縮機の保護を行う。圧縮機外殻温度
は図13に示すように、冷凍サイクル中の吐出ガス温度
と相関関係がある。さらに、室内空気吸込温度、外気温
度およびインバータ方式圧縮機の運転周波数、並びに室
内あるいは室外側熱交換器送風機風量から空気調和機の
負荷を推定し、負荷が変動しても常に冷凍サイクルある
いはヒートポンプの成績係数が最大となるような圧縮機
外殻温度を出力し、さらにこの圧縮機外殻温度となるよ
うに、膨張弁の開度制御を行う。
【0015】また、冷凍サイクルの実験データもしくは
冷凍サイクルの数値解析結果から得られた冷凍サイクル
の成績係数が最大となる入出力の組み合わせをもとに、
ニューラルネットワークを用いて学習を行った結果のパ
ラメータに基づき、任意の入力条件に対して冷凍サイク
ルあるいはヒートポンプの成績係数が最大となる圧縮機
外殻温度を出力し、さらにこの温度となるように、膨張
弁の開度制御を行う。
【0016】また、ニューラルネットワークの学習結果
を、入力条件を段階分けし、その段階毎に出力を定めた
ルックアップテーブルにより、任意の入力条件に対して
冷凍サイクルあるいはヒートポンプの成績係数が最大と
なる圧縮機外殻温度を出力し、さらにこの温度となるよ
うに、膨張弁の開度制御を行う。
【0017】また、ルックアップテーブルに基づき、圧
縮機の運転周波数毎に定められた基準圧縮機外殻温度を
シフトすることにより、任意の入力条件に対して冷凍サ
イクルあるいはヒートポンプの成績係数が最大となる圧
縮機外殻温度を出力し、さらにこの温度となるように、
膨張弁の開度制御を行う。
【0018】さらに、室内空気吸込温度、外気温度およ
びインバータ方式圧縮機の運転周波数、室内あるいは室
外側熱交換器送風機風量に加えて室内あるいは室外空気
の湿度から空気調和機の負荷を推定し、負荷が変動して
も常に冷凍サイクルあるいはヒートポンプの成績係数が
最大となるような圧縮機外殻温度を出力し、さらにこの
温度となるように、膨張弁の開度制御を行う。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。図1は本発明の第1の実施例におけ
る空気調和機の膨張弁制御装置のブロック図である。図
1において10は室内空気吸込温度、11は外気温度、
12は室内側熱交換器送風機風量すなわち室内ファンタ
ップ、13は室外側熱交換器送風機風量すなわち室外フ
ァンタップ、14はインバータ方式圧縮機の運転周波
数、16は制御規則部、18は開度制御部、20は電動
式膨張弁である。
【0020】本発明の第1の実施例においては、室内空
気吸込温度10、外気温度11、室内側熱交換器送風機
風量12あるいは室外側熱交換器送風機風量13、運転
周波数14の信号をもとに制御規則部16が、上記10
から14の入力に応じて空気調和機の負荷に対して最適
な目標圧縮機外殻温度17を出力する。開度制御部18
は現在圧縮機外殻温度(圧縮機の吐出ガス温度)15と
目標圧縮機外殻温度17の大小を比較し、現在圧縮機外
殻温度15が目標圧縮機外殻温度17よりも高い場合に
は制御信号19を送信し電動式膨張弁20の開度を大と
して圧縮機外殻温度が低くなるように制御し、一方現在
圧縮機外殻温度15が目標圧縮機外殻温度17よりも低
い場合には、電動式膨張弁20の開度を小として圧縮機
外殻温度が高くなるように制御する。このように、現在
圧縮機外殻温度15と目標圧縮機外殻温度17が等しく
なるように制御する。
【0021】以上のようにすることにより、現在圧縮機
外殻温度15は空気調和機の負荷に対して最適な圧縮機
外殻温度に維持され、結果として冷凍サイクルあるいは
ヒートポンプの成績係数を最大にするような運転状態を
維持することが可能となり、空気調和機の消費電力低
減、快適性の向上を図ることができる。
【0022】次に、図2(a)、図2(b)、図3によ
り、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実
施例は、図1における制御規則部がニューラルネットワ
ークで構成されるものであるが、図2(a)は、ニュー
ラルネットの学習方法を、図2(b)は、ニューラルネ
ットワークによる推測方法を示すブロック図であり、図
3は、ある条件運転における空気調和機の電動式膨張弁
開度と成績係数の関係を示すグラフである。図3におい
て、空気調和機の成績係数31は電動式膨張弁開度32
に対してある一点において最大値を持つことがわかる。
この点がすなわち成績係数が最大となる点であり、電動
式膨張弁の最適開度33である。また、図3は、電動式
膨張弁開度32と圧縮機外殻温度34の関係を示してい
るが、圧縮機外殻温度34は電動式膨張弁32に対して
単調減少する特性となっており、従って最適開度33に
おける圧縮機外殻温度、すなわち最適圧縮機外殻温度3
5が各運転条件に対してただ1つ存在する。図3に示さ
れている関係を求めるためには、電動式膨張弁開度32
と成績係数31あるいは圧縮機外殻温度34との特性が
既知である必要があるが、この関係は、制御を行う空気
調和機における実験データもしくは冷凍サイクルの数値
解析結果から得ることができる。冷凍サイクルの数値解
析手法としては各種の方法があるが、たとえば冷凍サイ
クルの定常運転時のバランス点を導出する手法(参考文
献:福島ら 「空調用冷凍装置のサイクルシミュレーシ
ョン」冷凍 第52巻第593号 p301〜314
(1977年))等を用いることができる。
【0023】次に、最適圧縮機外殻温度35のニューラ
ルネットへの学習方法について図2(a)に基づいて説
明する。図2(a)において、41は学習用入力条件
で、例えば、室内空気吸込温度、外気温度、室内側熱交
換器送風機風量、室外側熱交換器送風機風量、インバー
タ方式圧縮機の運転周波数の5つの入力である。42
は、前記冷凍サイクルの数値解析結果から得られる学習
用入力条件41の時の最適圧縮機外殻温度である。43
はニューラルネットワークであり、44は学習時に学習
結果として得られる重み(パラメータ)である。ニュー
ラルネットワーク43による学習とは、学習用入力条件
41に対して、教師データとして与えられる最適圧縮機
外殻温度42を出力するように、重み44を調整するこ
とでなされる。この過程が学習であるが、ニューラルネ
ットの学習アルゴリズムは、各種の方法があるが、例え
ばバックプロパゲーションのアルゴリズム(参考文献:
ラメルハート、D.Eとマクレランド.J.L「PDP
モデル−認知科学とニューロン回路網の検索」{Run
melhart,D.E and Mcclellan
d,j.l(Eds.),Parallel Dist
ributedProcessing,Explora
tion in the microstructur
e of Cognition.Vol.1.2MIT
Press,Cammbridge(1986)}に
より、最降下法等によって最適解を求める。そして、こ
れらのアルゴリズムにより十分に学習用入力条件41に
対し最適圧縮機外殻温度42に近い出力を得られるよう
になった状態のネットワークの重み44を用いて、未知
の入力に対する最適圧縮機外殻温度を推定する。
【0024】次に、図2(b)に基づいてニューラルネ
ットを用いた最適圧縮機外殻温度の推測方法を説明す
る。45は負荷に関する推測用入力条件であり、46は
推測用入力条件に対し最適圧縮機外殻温度の推測を行っ
た結果である目標圧縮機外殻温度である。以上の構成で
推測の方法について説明する。学習が学習用入力条件4
1と最適圧縮機外殻温度42の1セットのデータを制御
エリア内の複数のサンプリング点に対しデータを用意
し、ニューラルネットワーク43を用いて学習を行った
のに対し、推測過程では学習時のサンプリング点の間の
入力条件に対しても出力を得るデータの補間を行う。具
体的には制御エリア内の任意の入力条件に対しニューラ
ルネットワーク43とそこに組み込まれている重み44
を用いて、フォワード計算を行い、出力である目標圧縮
機外殻温度46を得る。以上のように学習を行ったニュ
ーラルネットワークを図1の制御規則部16とすること
により、現在圧縮機外殻温度は空気調和機の負荷に対し
て、常に最適な圧縮機外殻温度に維持され、結果として
冷凍サイクルあるいはヒートポンプの成績係数を最大に
するような運転状態を維持することが可能となり、空気
調和機の消費電力低減、快適性の向上を図ることができ
る。さらに、ニューラルネットワークを用いることによ
り、非線形制御が可能となり、より制度の高い空気調和
機の膨張弁制御が実現できる。
【0025】次に、図4、図5(a)、図5(b)、図
6により、第3の実施例について説明する。図4は本発
明の第3の実施例のブロック図であり、50は室内空気
吸込温度、51は外気温度、52は室内側熱交換器送風
機風量すなわち室内ファンタップ、53は室外側熱交換
器送風機風量すなわち室外ファンタップ、54はインバ
ータ方式圧縮機の運転周波数、56はルックアップテー
ブル、58は開度制御部、60は電動式膨張弁である。
【0026】次に、図5(a)および図5(b)によ
り、図4のルックアップテーブルの作成方法について説
明する。図5(a)はニューラルネットワークを用いて
ルックアップテーブルの基データを作成する方法を示す
ブロック図である。71は制御エリア全体の入力条件
で、例えば、室内空気吸込温度、外気温度、室内側熱交
換器送風機風量、室外側熱交換器送風機風量、インバー
タ方式圧縮機の運転周波数の5つの要素を入力とし、各
入力要素に対し、離散値をとる入力要素はその全組み合
わせを、連続値をとる入力要素は、十分小さな刻み幅で
刻んだ入力値のデータを用意する。72は制御エリア全
体の入力条件71に対し、重み44が組み込まれたニュ
ーラルネットワーク43を用いてフォワード計算を行
い、最適圧縮機外殻温度を推測した結果である制御エリ
ア全体の最適圧縮機外殻温度である。このような構成に
よりルックアップテーブルの基データを作成する。
【0027】次に、図5(b)は、図5(a)に示す制
御エリア全体の入力条件71に対する最適圧縮機外殻温
度72を用いてテーブルを作る構成を示す図である。7
3は図5(a)の制御エリア全体の入力条件71と制御
エリア全体の最適圧縮機外殻温度72を合わせた制御エ
リア全体の最適圧縮機外殻温度入出力データ、74は量
子化手段、75はルックアップテーブルである。このよ
うな構成で、量子化手段74は、制御エリア全体の最適
圧縮機外殻温度入出力データ73に対して、入力空間を
ある幅を持った刻みで段階分けし、各段階毎の代表値を
求める。代表値の求め方は、各段階間の最適圧縮機外殻
温度入出力データ全部の平均を用いることもできるし、
使用頻度などで重み付けした値を用いることもできる。
この代表値がルックアップテーブル75のテーブル値と
なる。図6はルックアップテーブル78の一実施例を示
し、室内空気吸込温度Ti1〜Til、外気温度To1
〜Tom、室内側熱交換器送風機風量Qi1〜Qin、
室外側熱交換器送風機風量Qo1〜Qop、運転周波数
F1〜Fqが書き込まれることとなる。
【0028】以上に述べたように、本実施例によれば、
入力に対しニューラルネットワークから最適圧縮機外殻
温度を推測する部分をルックアップテーブルに置き換え
ることによって制御装置を簡単に実現することができ
る。
【0029】また、図7に示すように、図1の制御規則
部16のルックアップテーブルを圧縮機の運転周波数毎
に定められた基準圧縮機外殻温度テーブルと、室内空気
吸込温度、外気温度、室内側熱交換器送風機風量、室外
側熱交換器送風機風量、運転周波数毎に定められたシフ
ト量テーブルで構成し、基準圧縮機外殻温度とシフト量
を加算することにより最適圧縮機外殻温度を決定する。
このようにすることにより、最適圧縮機外殻温度の上限
と下限の幅は80℃程度であるがシフト量の上限と下限
の幅は約30℃程度となり、例えば最適圧縮機外殻温度
を1℃刻みで出力しようとすると、第3の実施例におい
ては、出力は80通り必要であるが、本実施例において
は30通りとなり、空気調和機の電子制御装置の記憶装
置の容量削減が可能となる。
【0030】更に、図1における、室内空気吸込温度1
0、外気温度11、室内側熱交換器送風機風量12、室
外側熱交換器送風機風量13、運転周波数14に加え
て、冷房運転時は室内空気の湿度、暖房運転時は室外空
気の湿度の信号をもとに制御規則部16が、上記10か
ら14の入力に応じて空気調和機の負荷に対して最適な
目標圧縮機外殻温度17を出力する。制御規則部16の
入力に湿度を加えることにより、蒸発器として動作して
いる熱交換器すなわち、冷房時の室内熱交換器、暖房時
の室外熱交換器における空気中の水の潜熱による熱交換
が空気調和機の負荷に及ぼす影響も考慮されるため、よ
り高精度の制御が可能となる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による空気
調和機の膨張弁制御装置によれば、空気調和機運転時の
負荷に対して、最適な圧縮機外殻温度に維持され、結果
として冷凍サイクルあるいはヒートポンプの成績係数を
最大にするような運転状態を維持することが可能とな
り、空気調和機の消費電力低減、快適性向上が可能とな
る。
【0032】また、ニューラルネットワークを用いるこ
とにより、非線形制御が可能となり、より精度の高い空
気調和機の膨張弁制御が実現できる。
【0033】また、入力に対しニューラルネットワーク
から最適圧縮機外殻温度を推測する部分をルックアップ
テーブルに置き換えることによって制御装置を簡単にか
つ安価に実現することができる。
【0034】また、ルックアップテーブルを圧縮機の運
転周波数毎に定められた基準圧縮機外殻温度テーブル
と、室内空気吸込温度、外気温度、室内側熱交換器送風
機風量、室外側熱交換器送風機風量、運転周波数毎に定
められたシフト量テーブルで構成し、基準圧縮機外殻温
度とシフト量を加算することにより最適圧縮機外殻温度
を決定すれば、空気調和機の電子制御装置の記憶装置の
容量削減が可能となる。
【0035】更に、室内空気吸込温度、外気温度、室内
側熱交換器送風機風量、室外側熱交換器送風機風量、運
転周波数に加えて、冷房運転時は室内空気の湿度、暖房
運転時は室外空気の湿度の信号をもとに、空気調和機の
負荷に対して最適な目標圧縮機外殻温度を決定すること
により、蒸発器として動作している熱交換器すなわち、
冷房時の室内熱交換器、暖房時の室外熱交換器における
空気中の水の潜熱による熱交換が空気調和機の負荷に及
ぼす影響も考慮されるため、より高精度の制御が可能と
なる。
【0036】更に、圧縮機保護のための圧縮機外殻温度
検出手段を利用するため、新たな検出手段を設けること
なく安価に冷凍サイクルあるいはヒートポンプの成績係
数を最大にするような運転状態を維持することが可能と
なり、空気調和機の消費電力低減、快適性向上が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における空気調和機の膨張
弁制御装置のブロック図
【図2】(a)ニューラルネットワークによる学習方法
を示すブロック図 (b)ニューラルネットワークによる推測方法を示すブ
ロック図
【図3】空気調和機の電動式膨張弁開度と成績係数の関
係を示すグラフ
【図4】本発明の第3実施例における空気調和機の膨張
弁制御装置のブロック図
【図5】(a)ルックアップテーブルの基データの作成
方法を示すブロック図 (b)ルックアップテーブルの作成方法を示すブロック
【図6】本発明の第3実施例におけるルックアップテー
ブルの実施例を示す説明図
【図7】本発明におけるルックアップテーブルの実施例
を示す説明図
【図8】従来の空気調和機の膨張弁制御装置のブロック
【図9】従来の空気調和機の冷媒回路図
【図10】従来の空気調和機のデータテーブル特性図
【図11】従来の空気調和機のデータテーブル特性図
【図12】従来の空気調和機のデータテーブル特性図
【図13】吐出温度と圧縮機外殻温度の相関を示す概略
【符号の説明】
10,50 室内空気吸込温度 11,51 外気温度 12,52 室内側熱交換器送風機風量 13,53 室外側熱交換器送風機風量 14,54 運転周波数 15,55 現在圧縮機外殻温度 16 制御規則部 17,57 目標圧縮機外殻温度 18,58 開度制御部 19,59 制御信号 20,60 電動式膨張弁 31 成績係数 32 電動式膨張弁開度 33 最適開度 34 圧縮機外殻温度 56 ルックアップテーブル 101 圧縮機 104 室外熱交換器 106 室内熱交換器 112 液管 113 電動式膨張弁 114 室内サーミスタ 115 室外サーミスタ 116 制御手段 122 条件データ記憶部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内側熱交換器と室外側熱交換器とイン
    バータ方式圧縮機と電動式膨張弁と圧縮機外殻温度を検
    出する圧縮機外殻温度出手段を有する空気調和機におい
    て、室内空気吸込温度、外気温度およびインバータ方式
    圧縮機の運転周波数、並びに室内側熱交換器送風機風量
    および室外側熱交換器送風機風量の少なくとも一つを入
    力とし、目標圧縮機外殻温度を出力とする制御規則部
    と、上記目標圧縮機外殻温度と現在の圧縮機外殻温度か
    ら膨張弁開度を制御する開度制御部を有し、上記制御規
    則部が入力に対し、負荷が変動しても常に冷凍サイクル
    あるいはヒートポンプの成績係数を最大にするような圧
    縮機外殻温度を出力する制御規制を有することを特徴と
    する空気調和機の膨張弁制御装置。
  2. 【請求項2】 制御規則部がニューラルネットワークで
    構成されると共に、上記ニューラルネットワークが複数
    の冷凍サイクルの実験データもしくは冷凍サイクルの数
    値解析結果から得られた冷凍サイクルの成績係数が最大
    となる入出力の組み合わせをもとに、ニューラルネット
    ワークを用いて学習を行った結果のパラメータを有し、
    任意の入力条件に対して冷凍サイクルあるいはヒートポ
    ンプの成績係数が最大となる圧縮機外殻温度を出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機の膨張弁制
    御装置。
  3. 【請求項3】 制御規則部がニューラルネットワークの
    学習結果を、入力条件を段階分けし、その段階毎に出力
    を定めたルックアップテーブルであることを特徴とする
    請求項1から2いずれか1項記載の空気調和機の膨張弁
    制御装置。
  4. 【請求項4】 制御規則部のルックアップテーブルが、
    圧縮機の運転周波数毎に定められた基準圧縮機外殻温度
    に対するシフト量であることを特徴とする請求項1から
    3いずれか1項記載の空気調和機の膨張弁制御装置。
  5. 【請求項5】 制御規則部の入力に、室内空気の湿度あ
    るいは室外空気の湿度を加えたことを特徴とする請求項
    1から4いずれか1項記載の空気調和機の膨張弁制御装
    置。
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