JPH09211397A - ディスプレー装置 - Google Patents

ディスプレー装置

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JPH09211397A
JPH09211397A JP1677296A JP1677296A JPH09211397A JP H09211397 A JPH09211397 A JP H09211397A JP 1677296 A JP1677296 A JP 1677296A JP 1677296 A JP1677296 A JP 1677296A JP H09211397 A JPH09211397 A JP H09211397A
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JP
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acid
mol
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display device
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JP1677296A
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English (en)
Inventor
Masao Tomikawa
真佐夫 富川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成でかつ薄いディスプレー装置を得
る。 【解決手段】複数の透明基板に挟まれた中に、一般式
[1]または[2]で示される構造を有したものが表示
材料として存在することを特徴とするディスプレー装
置。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレー装置
に関するものであり、さらに詳しくは、光線照射、電圧
変化などにより表示が変化する新規なディスプレー装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、ディスプレー装置としては、
電子線により発色をおこなっていたブラウン管、液晶を
ガラス板の間に挟み、その光線透過性を電気信号で制御
する液晶ディスプレーなどが知られている。
【0003】周知のように、ブラウン管は電子線を画像
面に照射することで、蛍光を発生させるために、管内部
は真空に保つ必要がある、奥行きが大きくなる、消費電
力が大きいなどの欠点があり、近年の軽薄短小の要求に
答えるために、液晶ディスプレー、プラズマディスプレ
ーなどが注目されるに至っている。しかし、液晶ディス
プレーの場合は、液晶分子の持つ大きな2色性のため
に、角度をつけて画像を見ると見えなくなり、そのため
に位相差板などを挿入する、液晶を配向するために行う
ラビング処理に工夫をするなどの装置の繁雑化、光線透
過率が低いために高出力のバックライトが必要などの欠
点がある。
【0004】また、プラズマディスプレーの場合も、表
示に要する電圧が高い、複数の色表示が出来ないなどの
欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の諸欠点に鑑み創案されたもので、本発明の目的は、
軽薄短小にでき、単純な構造で、紫外線、電子線、X線
照射あるいは電圧変化により化合物の色が変化すること
で表示を行えるディスプレー装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
以下の構成を採ることにより達成される。
【0007】(1)複数の透明基板に挟まれた中に、一
般式[1]または[2]で示される構造を有したものが
表示材料として存在することを特徴とするディスプレー
装置。
【0008】
【化2】 (2)表示の制御を紫外線照射で行うことを特徴とした
請求項1記載のディスプレー装置。
【0009】(3)表示の制御を電圧変化で行うことを
特徴とした請求項1記載のディスプレー装置。
【0010】(4)表示の制御を電子線照射で行うこと
を特徴とした請求項1記載のディスプレー装置。
【0011】(5)表示の制御をX線照射で行うことを
特徴とした請求項1記載のディスプレー装置。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明におけるディスプレー装置
は、一般式[1]または[2]で表される構造単位を有
する化合物がガラス板などの透明な基板に挟まれ、光線
を照射、あるいは外部の電圧が変化等することで化合物
の中で電子の移動が起り、400〜800nmに新たな
吸収を持ったラジカルイオンが生成することで色の変化
が起こる。この吸収の位置は、化合物の構造で決定さ
れ、例えば、ピロメリットジイミド構造を有する場合
は、720nm、ビフェニル構造のジイミドの場合は4
50nm付近に吸収が現れる。このように、物質の構造
を変化させるとカラ−表示可能なディスプレー装置にす
ることが出来る。
【0013】本発明のディスプレー装置は、一般式
[1]または[2]で表される構造単位を有する化合物
をフィルムあるいは溶液の状態で透明な基板に挟む構成
をとる。該透明基板としては、表示の制御に用いる紫外
線等を照射するものであればどのようなものでも良い
が、ガラス板、あるいはポリメタクリレ−ト、ポリスチ
レン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステルなどのプ
ラスティック材料を好ましく使用することができる。こ
のような基板は、そのまま使用しても良いが、シラン
系、アクリル系のコ−ト剤を塗布したものを使用しても
良い。また、電子線、X線で制御する場合は、真空中で
制御が行われるため、ガラス板に挟まれ、完全に密閉さ
れた構造が好ましい。
【0014】また、電圧変化で表示を制御する場合、酸
化スズ−インジウムなどの透明な導電性電極をこの透明
基板に塗布し、必要な加工を行うことで達成される。
【0015】本発明における、表示材料である構造単位
[1]または[2]で表される化合物は、いわゆるジイ
ミド化合物、ジアミド酸化合物、ジアミドジエステル化
合物といわれるもので、この中のテトラカルボン酸構造
の部分が大きな電子吸引性を有しているために光線照射
や電圧印加で電荷移動反応が起こり、ラジカルイオンを
分子内部で形成する。
【0016】構造単位[1]または[2]中のR1中の
R4、R5は、水素または置換基であればよいが、R
4、R5の少なくとも一方が、炭素数1〜30までの炭
化水素基、パーフルオロアルキル基、フェニル基、アル
キル置換フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、塩素、
臭素、フッ素、パーフルオロアルキル置換フェニル基、
ナフチル基であることが好ましく、R4、R5の両方が
これらの置換基であることがより好ましい。
【0017】このようなR1としては、次のような酸の
残基を挙げることができる。
【0018】ピロメリット酸、3−フェニルピロメリッ
ト酸、3−トリフルオロメチルピロメリット酸、3−フ
ルオロピロメリット酸、3−クロロピロメリット酸、3
−ブロモピロメリット酸、3−ナフチルピロメリット
酸、3−(2’,3’,4’,5’−テトラフルオロフ
ェニル)ピロメリット酸、3−(2’−トリフルオロメ
チルフェニル)ピロメリット酸、3−(3’−トリフル
オロメチルフェニル)ピロメリット酸、3−(4’−ト
リフルオロメチルフェニル)ピロメリット酸、3−
(3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)
ピロメリット酸、3−(3’−フルオロフェニル)ピロ
メリット酸、3−(4’−フルオロフェニル)ピロメリ
ット酸、3−(3’,4’−ジフルオロフェニル)ピロ
メリット酸、3−(3’−メチルフェニル)ピロメリッ
ト酸、3−(4’−メチルフェニル)ピロメリット酸、
3−(3’−エチルフェニル)ピロメリット酸、3−
(4’−エチルフェニル)ピロメリット酸、3−(3’
−クロロフェニル)ピロメリット酸、3−(4’−クロ
ロフェニル)ピロメリット酸、3,6−ジフルオロピロ
メリット酸、3,6−ジクロロピロメリット酸、3,6
−ジフェニルピロメリット酸、3,6−ビス(3’−ト
リフルオロメチルフェニル)ピロメリット酸、3,6−
ビス(4’−トリフルオロメチルフェニル)ピロメリッ
ト酸、3,6−ビス(3’−フルオロフェニル)ピロメ
リット酸、3,6−ビス(4’−フルオロフェニル)ピ
ロメリット酸、3,6−ビス(3’,4’−ジフルオロ
フェニル)ピロメリット酸、3,6−ビス(2’,
3’,4’,5’−テトラフルオロフェニル)ピロメリ
ット酸、3,6−ビス(3’−メチルフェニル)ピロメ
リット酸、3,6−ビス(4’−メチルフェニル)ピロ
メリット酸、3,6−ビス(3’−クロロフェニル)ピ
ロメリット酸、3,6−ビス(4’−クロロフェニル)
ピロメリット酸、3,6−ビス(3’,5’−ビス(ト
リフルオロメチル)フェニル)ピロメリット酸、3,6
−ジナフチルピロメリット酸。
【0019】本発明におけるポリマーは、R1がこれら
のうちの1種から構成されていても良いし、2種以上か
ら構成される共重合体であっても構わない。
【0020】R2としては、2価の有機基であれば特に
限定されないが、次のようなものが例示される。
【0021】
【化3】 本発明におけるポリマーはR2がこれらのうちの1種か
ら構成されていてもよいし、2種以上から構成される共
重合体であっても構わない。
【0022】さらに、接着性を向上させるために、ポリ
イミド系の材料である場合、耐熱性を低下させない範囲
でR2として、シロキサン結合を有する脂肪族性の基を
共重合することも可能である。好ましい具体例として
は、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキ
サンなどが挙げられる。また、ジイミド化合物やポリイ
ミドオリゴマ−である場合、オキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリルオキシプロピルトリメトキシシランなどの有機ケ
イ素化合物、あるいはアルミニウムモノエチルアセトア
セテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(ア
セチルアセトネート)などのアルミニウムキレート化合
物あるいはチタニウムビス(アセチルアセネート)など
のチタニウムキレート化合物などが好ましく用いること
もできる。
【0023】これらのジイミド化合物の製法の一例につ
いて説明する。対応する無水テトラカルボン酸とモノア
ミンをN−メチルピロリドンなどの極性溶媒中、−10
度から100度の低温で反応を行いジアミド酸化合物を
得た後に基板などに塗布し、200度から400度で加
熱あるいは、無水酢酸−ピリジンなどイミド化触媒中に
て脱水閉環を行う方法、無水テトラカルボン酸とモノア
ミンを、メタクレゾ−ル、パラクロロフェノ−ルなどの
フェノ−ル系の溶媒やN−メチルピロリドンなどの溶媒
中、100度から溶媒の沸騰温度でトリエチルアミン、
イソキノリン、ピリジンなどのイミド化触媒とともに加
熱し反応させ、直接ジイミド化合物を得る方法、対応す
る無水テトラカルボン酸とアルコ−ルを反応させ、エス
テル化合物を得、次いでジシクロヘキシルカルボジイミ
ドなどの存在下、アミンと反応させジアミドジエステル
を得る方法などが知られている。
【0024】本発明の表示材料である一般式[1]また
は[2]で表される構造単位を有する化合物は、低分子
量化合物でもポリマでもよい。すなわちnは1から10
000までの範囲である。以上の化合物は、N−メチル
ピロリドンなどの溶媒に溶かした状態で透明基板に挟ん
でも良いし、フィルム状のものを挟んでも、蒸着スピン
コ−トなどの手法で基板に堆積しても良い。また、性能
を向上させる目的で、N−フェニルジエタノ−ルアミ
ン、N−フェニルグリシン、ミヒラ−ケトンなどの芳香
族アミン、テトラチアフルバレン、テトラシアノエチレ
ン、テトラシアノキノジメタンなどの電荷移動化合物を
全体の1から10モル%導入し、ラジカル形成を容易に
することもできる。 溶液の場合、過塩素酸テトラメチ
ルアンモニウム、過塩素酸ナトリウムなどの塩を00.
1〜10%溶液に加え、電気伝導率を高めてイオン対形
成を容易にすることも出来る。
【0025】また、高分子の場合、3,3´,4,4´
−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3´,
4,4´−ジフェニルヘキサフルオロプロパンテトラカ
ルボン酸、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸、、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタ
ンテトラカルボン酸などを少量用いてその特性の変化し
ない範囲で変性しても良い。また、導電性高分子である
ポリアセチレン、ポリビニルピロリドンなどとブレンド
して使用しても良い。
【0026】ジイミド化合物を使用する場合、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル、アクリ
ル樹脂などに分散して使用することも可能である。この
場合も、導電性高分子であるポリアセチレン、ポリビニ
ルピロリドンなどと使用できることはもちろんである。
また、固体状態で使用する場合、1種類の材料のみで
形成することもできるが、数種類の材料を複合して形成
することも可能である。
【0027】本発明のディスプレー装置の製造方法の一
例を説明するが、本発明はこれに限定されない。まず、
本発明の組成物を透明な支持体の上に塗布する。支持体
の材質としては、例えばガラス、プラスティックなどが
挙げられる。電気信号にて、表示を制御する場合、通常
この透明な基板の上に酸化スズ−インジウムなどよりな
る透明な電極が形成され、この上に本発明の化合物を塗
布する。
【0028】塗布方法としては、スピンナーを用いた回
転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印
刷、ロールコーティングなどの手段が可能である。塗布
膜厚は塗布手段、組成物の固形分濃度、粘度によって調
節することができるが、通常0.1〜150μmの範囲
になるように塗布される。また、該化合物が低分子の場
合、蒸着、化学的気相成長などの手法により薄膜を形成
することもできる。
【0029】このようにして形成された該化合物を含む
基板を加熱乾燥して、完全なジイミド化合物の薄膜を得
る。加熱は、オーブン、ホットプレート、赤外線などを
利用し、150〜500℃の範囲で1分〜数時間行うの
が好ましい。
【0030】
【実施例】発明をより詳細に説明するために実施例を挙
げる。
【0031】[合成例1] 3、6−ジヨ−ドデュレンの合成 デュレン13.4g(0.1モル)を酢酸200ml、
硫酸10ml、水30ml中に分散させ液温を70度に
加熱した。ここにヨウ素30.7g(0.24モル)、
過ヨウ素酸28g(0.12モル)を加え反応を行っ
た。70度で3時間後に溶液の色が淡い黄色から無色に
なり、白色の沈殿が生成する。この白色の沈殿を回収
し、トルエンとエタノ−ルの混合溶媒で再結晶を行っ
た。これにより3、6−ジヨ−ドデュレンが27g
(0.07モル、70%)得られる。
【0032】[合成例2] 3、6−ビス(m−トリフルオロメチルフェニル)ピロ
メリット酸2無水物の合成 300mlテトラヒドロフランに合成例1で得た3、6
−ジヨ−ドデュレン10g(0.026モル)を溶解さ
せた。ここに塩化パラジウム0.3gを分散させ、液温
が上昇し過ぎないように、m−トリフルオロメチルフェ
ニルマグネシウムヨウ素が0.03モル含まれたジエチ
ルエ−テル溶液30mlを加えていった。この時に反応
が起こり、溶液中にマグネシウムの塩と思われる白色の
沈殿物が生成する。反応終了後、10%硫酸水溶液10
0mlをこの溶液中に投入し、不溶性のマグネシウムの
塩を分解した。ここより、ジエチルエ−テルで目的物質
である3、6−ビス(m−トリフルオロメチルフェニ
ル)デュレンを抽出した。エ−テルを風乾後、トルエン
とエタノ−ルの混合溶媒にて再結晶した。
【0033】3、6−ビス(m−トリフルオロメチルフ
ェニル)デュレン3g(0.007モル)をピリジン8
5ml、水15ml中に溶解し溶液の温度を95度にし
た。ここに過マンガン酸カリウム2g(0.012モ
ル)をゆっくりと添加していった。このまま、30分反
応を続け、生成した黒色の沈殿物を除いた。ろ液は、回
収して溶媒を乾燥したところ、白色固体が得られた。こ
の固体を10%の水酸化ナトリウム水溶液100mlに
溶解させて、溶液の温度を100度にした。ここに過マ
ンガン酸カリウム2gを追加し、100度で2時間反応
を行い、未反応の部分を全て酸化した。
【0034】反応終了後、ろ過して黒色の二酸化マンガ
ンを除き、得られたろ液に濃塩酸を加えていき、溶液の
pHを酸性にしてテトラカルボン酸を析出させた。これ
をろ過して白色の固体を得た。固体を乾燥後、無水酢酸
にて再結晶とカルボン酸の無水物化を行い、表記の3、
6−ビス(m−トリフルオロメチルフェニル)ピロメリ
ット酸2無水物2gを得た(融点348−350度)。
【0035】[合成例3] 3、6−ジフェニルピロメリット酸2無水物の合成 300mlテトラヒドロフランに合成例1で得た3、6
−ジヨ−ドデュレン10g(0.026モル)を溶解さ
せた。ここに塩化パラジウム0.3gを分散させ、液温
が上昇し過ぎないように、フェニルマグネシウム臭素が
0.03モル含まれたジエチルエ−テル溶液30mlを
加えていった。この時に反応が起こり、溶液中にマグネ
シウムの塩と思われる白色の沈殿物が生成する。反応終
了後、10%硫酸水溶液100mlをこの溶液中に投入
し、不溶性のマグネシウムの塩を分解した。ここより、
ジエチルエ−テルで目的物質である3、6−ビス(m−
トリフルオロメチルフェニル)デュレンを抽出した。エ
−テルを風乾後、トルエンとエタノ−ルの混合溶媒にて
再結晶した。
【0036】3、6−ジフェニルデュレン3g(0.0
07モル)をピリジン85ml、水15ml中に溶解し
溶液の温度を95度にした。ここに過マンガン酸カリウ
ム2g(0.012モル)をゆっくりと添加していっ
た。このまま、30分反応を続け、生成した黒色の沈殿
物を除いた。ろ液は、回収して溶媒を乾燥したところ、
白色固体が得られた。この固体を10%の水酸化ナトリ
ウム水溶液100mlに溶解させて、溶液の温度を10
0度にした。ここに過マンガン酸カリウム2gを追加
し、100度で2時間反応を行い、未反応の部分を全て
酸化した。
【0037】反応終了後、ろ過して黒色の二酸化マンガ
ンを除き、得られたろ液に濃塩酸を加えていき、溶液の
pHを酸性にしてテトラカルボン酸を析出させた。これ
をろ過して白色の固体を得た。固体を乾燥後、無水酢酸
にて再結晶とカルボン酸の無水物化を行い、表記の3、
6−ジフェニルピロメリット酸2無水物3gを得た(融
点400度以上)。
【0038】わかるように、カップリングするグリニャ
−ル試薬の構造を変えることで、種々の置換したPMD
Aが得られる。
【0039】[合成例4] 3、6−ジクロロ無水ピロメリット酸の合成 3、6−ジクロロデュレン5gをピリジン85ml、水
15ml中に溶解し溶液の温度を95度にした。ここに
過マンガン酸カリウム2g(0.012モル)をゆっく
りと添加していった。このまま、30分反応を続け、生
成した黒色の沈殿物を除いた。ろ液は、回収して溶媒を
乾燥したところ、白色固体が得られた。この固体を10
%の水酸化ナトリウム水溶液100mlに溶解させて、
溶液の温度を100度にした。ここに過マンガン酸カリ
ウム2gを追加し、100度で2時間反応を行い、未反
応の部分を全て酸化した。
【0040】反応終了後、ろ過して黒色の二酸化マンガ
ンを除き、得られたろ液に濃塩酸を加えていき、溶液の
pHを酸性にしてテトラカルボン酸を析出させた。これ
をろ過して白色の固体を得た。固体を乾燥後、無水酢酸
にて再結晶とカルボン酸の無水物化を行い、表記の3、
6−ジクロロピロメリット酸2無水物3gを得た(融点
400度以上)。
【0041】実施例1 窒素気流下、4、4´−ジアミノジフェニルエ−テル
0.5g(0.0025モル)とイソキノリン3滴を2
0mlのメタクレゾ−ルに室温で溶解させ、ここに合成
例2で得た、3、6−ビス(m−トリフルオロメチルフ
ェニル)ピロメリット酸2無水物1.28g(0.00
25モル)を加え、溶媒の沸騰温度である200℃で3
時間反応を行い、ポリイミド溶液を得た。この溶液が室
温になった後、1lのメタノ−ル中に投入してポリイミ
ドを沈殿させ、触媒のイソキノリンを除いた。沈殿した
白色のポリイミドを濾別し、乾燥後N−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)30mlに溶解させ、再度メタノ−
ル1l中に投入して、ポリイミドの沈殿を得、濾別して
精製されたポリイミドの固体を得た。乾燥終了後、この
ポリイミドとテトラメチルアンモニウム過ヨウ素酸0.
15gをNMP30mlに溶解させ、ポリイミド溶液を
作製した。
【0042】酸化スズ−インジウム(ITO)の電極の
ついたガラス板に、1%の3−アミノプロピルトリメト
キシシランを含むメタノ−ル溶液を噴霧して、150℃
で30分乾燥させた。ここに先程のポリイミド溶液をス
ピンコ−ト法で厚みが50μmになるように塗布した。
塗布後、80℃で1時間乾燥させて、NMPがある程度
残存した、ポリイミドフィルムをガラス板上に得た。さ
らにこの上に、ITOのついたガラス板をITO面がポ
リイミド面と付着するように接触させた。2つのITO
電極に配線を取り付けた。さらにガラス板の表面に東芝
ガラス製の紫外線カットフィルターL−42を取り付
け、ディスプレー装置を作製した。
【0043】この2つの電極に5Vの電位差を与えたと
ころ、ポリイミドが緑色に変化し、表示状態が変化し
た。また、電位を一瞬逆に加え、その後電位を加えるの
を停止すると緑色の表示が無色になった。この変化は何
度も起こった。
【0044】実施例2 実施例1のポリイイミド溶液を、ガラス板上に厚み1m
mとなるように挟み込み、ここに100Wの高圧水銀灯
の光線を照射した。光照射された部分のみ、722nm
に新たな吸収が表れ、緑色に変化した。また、光線照射
を停止すると緑色は消失した。光線照射による緑色への
変化は一度のみではなく、何度も起こった。
【0045】実施例3 2−トリフルオロメチルアニリンと合成例3の酸無水
物、3滴のイソキノリンンを10mlのメタクレゾ−ル
に溶解させた。この溶液を200度にして、3時間反応
を行い、ジジイミド化合物を得た。反応終了後、溶液を
メタノ−ル中に投入した。そこで、得られる白色の固体
をろ別して集めた。この白色粉体を乾燥した後に、NM
Pに固形分0.5%となるように溶解し、この溶液を実
施例2と同様にガラス板に挟み込み、光線照射を行った
ところ、光線照射時に溶液は緑色に変化し、722nm
に新たな吸収が生成した。
【0046】実施例4 2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4、4´−ベ
ンチジン1.6g(0.005モル)をメタクレゾ−ル
10mlに溶解させ、3滴のイソキノリンと1.435
gの合成例4の酸無水物(0.005モル)を200度
で6時間反応させた。反応終了時には幾分の不溶分が出
てくるが、このまま1lのメタノ−ル中に投入した。生
じる沈殿物を濾過で集め、80度で1晩真空乾燥した。
この沈殿をNMPに固形分0.5%になるように溶解さ
せた。ここで完全には溶解しないため、濾過して可溶分
のみを用いて実施例2と同様にガラス板に挟み込み、光
線照射を行ったところ、光線照射時に溶液は緑色に変化
し、660nmに新たな吸収が生成した。
【0047】実施例5 2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4、4´−ベ
ンチジン3.2g6(0.01モル)をメタクレゾ−ル
20mlに溶解させ、3滴のイソキノリンを加え溶解さ
せた。ここに無水ピロメリット酸1.09g(0.00
5モル)と3、3´、4、4´−ジフェニルエ−テルテ
トラカルボン酸2無水物1.55g(0.005モル)
を10mlのメタクレゾ−ルとともに加えた。この溶液
を200度で3時間反応を行ない、ポリイミド溶液を得
た。この溶液が室温に低下するのを待ち、1lのメタノ
−ル中に投入しポリイミドを沈殿させた。沈殿した白色
のポリイミドの沈殿を濾別し、乾燥後、NMP30ml
に溶解させ、再度メタノ−ル1中に投入して精製した。
乾燥終了後、白色のポリイミドをNMP20mlに溶解
させポリイミド溶液を得た。この溶液にテトラメチルア
ンモニウム過ヨウ素酸0.1gを溶解させた。この溶液
をガラス製の試験管に炭素電極とともに入れた。両電極
に1.5Vの電位差をかけると、溶液が緑色に変化し
た。電圧をかけるを停止すると溶液の色は薄い黄色に戻
り、再度電圧を加えると緑色に変化した。
【0048】実施例6 4、4´−ジアミノジフェニルエ−テル2.00g
(0.01モル)をNMP10mlに溶解させた。ここ
に無水ピロメリット酸0.44g(0.002モル)と
3、3´、4、4´−ジフェニルエ−テルテトラカルボ
ン酸2無水物2.48g(0.008モル)をNMP1
0mlとともに加えた。この溶液を室温で2時間反応を
行い、ポリアミド酸の溶液を得た。この溶液をガラス基
板上に最終の膜厚がおよそ20μmとなるようにスピン
コ−トし、80度で30分、150度で30分、350
度で1時間の熱処理を行い、ポリイミドのフィルムをガ
ラス基板上に得た。このガラス基板を、エリオニオクス
社製電子線露光装置、ERE−301を用いて加速電圧
20kVで30μC/cm2 の電子線をある範囲に照射
した。島津製自記分光光度計UV−240を用いて測定
したところ、照射後、10分は720nmに吸収が検出
されたが、その後消失した。この試料を用いて再度電子
線を照射したところ、720nmに同じ吸収が検出され
た。
【0049】比較例1 2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4、4´−ベ
ンチジン1.6g(0.005モル)をメタクレゾ−ル
10mlに溶解させ、3滴のイソキノリンと1、2、
3、4−シクロペンタンテトラカルボン酸2無水物1.
435g(0.005モル)を200度で4時間反応さ
せた。反応終了後、1lのメタノ−ル中に投入した。生
じる沈殿物を濾過で集め、80度で1晩真空乾燥した。
この沈殿をNMPに固形分0.5%になるように溶解さ
せた。実施例2と同様にガラス板に挟み込み、光線照射
を行ったところ、溶液の色変化はなかった。
【0050】比較例2 4、4´−ジアミノジフェニルエ−テル2.0g(0.
01モル)をメタクレゾ−ル10mlに溶解させ、3滴
のイソキノリンと1、2、3、4−ブタンテトラカルボ
ン酸2無水物1.435g(0.005モル)を200
度で3時間反応させた。反応終了後、1lのメタノ−ル
中に投入した。生じる沈殿物を濾過で集め、80度で1
晩真空乾燥した。この沈殿をNMPに固形分0.5%に
なるように溶解させた。この溶液10mlにテトラメチ
ルアンモニウム過塩素酸0.33g(0.1モル/l)
を溶解させた。この溶液をガラス製の試験管に炭素電極
とともに入れた。両電極に1.5Vの電位差を加えた
が、溶液の色の変化はなかった。
【0051】実施例7 4、4´−ジアミノジフェニルメタン1.88g(0.
0095モル)と1、3−ビス (3−アミノプロピ
ル)テトラメチルジシロキサン0.12g(0.000
5モル)をメタクレゾール10mlに溶かし、イソキノ
リンを3滴加えた。この溶液を室温に保ち、3,6−ビ
ス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸2無水物3.
54g(0.01モル)をメタクレゾール5mlととも
に加えた。この溶液を200度にして4時間反応させ
た。反応終了後、1lのメタノール中に投入した。生じ
る沈殿物を濾過で集め、80度で1晩真空乾燥を行っ
た。この沈殿をNMP中に固形分1%になるように溶解
させた。この溶液に紫外線照射したところ、溶液の色が
深緑に変化し608nmに新たな吸収が生じた。
【0052】実施例8 無水ピロメリット酸21.8g(0.1モル)をガンマ
ブチロラクトン200mlに溶解させ、エタノ−ル10
g(0.22モル)とピリジン1mlを加えた。溶液を
50度に保ち、4時間エステル化反応を行った。反応終
了後、反応溶液を水2l中に投入し、白色の沈殿を得
た。この沈殿物を濾過によって集め、水で洗浄した。こ
のものを70度で1晩真空乾燥した。真空乾燥後のもの
を10g((0.03モル)を塩化チオニル100ml
中に分散させ、沸騰温度で1時間、酸クロライド化反応
を行った。反応終了後、余剰の塩化チオニルを蒸留で除
去し、目的物質を得た。この物質3.79g(0.01
モル)をテトラヒドリフラン30mlに溶解させて、ア
ニリン1.86g(0.02モル)とテトラヒドロフラ
ン20mlの溶液を5gのトリエチルアミン(0.05
モル)の存在下、40度で2時間反応を行った。反応終
了後、この溶液を水2lに投入し、白色沈殿を得た。こ
の沈殿を濾過により集め、水とメタノ−ルで洗浄した。
このものを再度NMP20mlに溶解させ、水2lに投
入した。この操作を2度繰り返した。このものをNMP
に固形分0.5%となるように溶解し、この溶液を実施
例2と同様にガラス板に挟み込み、光線照射を行ったと
ころ、光線照射時に溶液は緑色に変化し、718nmに
新たな吸収が生成した。
【0053】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成したので、電
圧、紫外線、X線、電子線で、表示状態が変化するディ
スプレー装置を得ることができるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の透明基板に挟まれた中に、一般式
    [1]または[2]で示される構造を有したものが表示
    材料として存在することを特徴とするディスプレー装
    置。 【化1】
  2. 【請求項2】 表示の制御を紫外線照射で行うことを特
    徴とした請求項1記載のディスプレー装置。
  3. 【請求項3】 表示の制御を電圧変化で行うことを特徴
    とした請求項1記載のディスプレー装置。
  4. 【請求項4】 表示の制御を電子線照射で行うことを特
    徴とした請求項1記載のディスプレー装置。
  5. 【請求項5】 表示の制御をX線照射で行うことを特徴
    とした請求項1記載のディスプレー装置。
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