JPH09209718A - ガスタービン用空気冷却システムおよび冷却方法 - Google Patents

ガスタービン用空気冷却システムおよび冷却方法

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JPH09209718A
JPH09209718A JP3717496A JP3717496A JPH09209718A JP H09209718 A JPH09209718 A JP H09209718A JP 3717496 A JP3717496 A JP 3717496A JP 3717496 A JP3717496 A JP 3717496A JP H09209718 A JPH09209718 A JP H09209718A
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low temperature
temperature side
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air
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JP3717496A
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English (en)
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Tateo Yoshimura
楯夫 吉村
Yuji Kawashima
祐二 川嶋
Masayuki Someya
真之 染谷
Tetsuo Kanda
哲郎 神田
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

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  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な設備で、気温の高い電力需要のピーク
時にガスタービンの軸出力を増加させることができて経
済的なガスタービンの燃焼用空気の冷却システムおよび
当該冷却システムを用いた冷却方法を得る。 【解決手段】 不凍液を貯留する高温側蓄冷部1と、こ
の高温側蓄冷部1から高温側供給管3を介して送られる
不凍液を低温液化ガスを冷却媒体として冷却する熱交換
部4と、この熱交換部4から低温側戻り管5を介して送
られる低温の不凍液を貯留する低温側蓄冷部6と、この
低温側蓄冷部6から低温側供給管8を介して送られる不
凍液によってガスタービンの燃焼空気を冷却する空気冷
却器9と、この空気冷却器9によって昇温された不凍液
を高温側蓄冷部1に導く高温側戻り管10とを備えてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンの燃
料用低温液化ガスの冷熱を利用して、当該ガスタービン
の燃焼用空気を冷却するためのガスタービン用空気冷却
システムおよび冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特に高効率と低公害性に優れるこ
とから、低温液化ガスの一種である液化天然ガス(以
下、LNGと略称する。)を燃料として使用するガスタ
ービンと、蒸気タービンとを組合わせたコンバインドサ
イクルを設置した発電所が数多く建設されている。この
ような発電用ガスタービンにおいて燃料として用いられ
るLNGは、メタンを主成分とする天然ガス(以下、N
Gと略称する。)を、搬送および貯蔵の便宜上、常圧下
で−162℃以下に冷却することにより液化したもので
あり、上記発電所において、海水を熱源とするオープン
ラック式気化器や、あるいは当該LNGを熱源とするサ
ブマージド式気化器等によって再びガス化したうえで上
記ガスタービンの燃料として使用している。
【0003】ところで、上記ガスタービンにあっては、
出力は主として燃料流量と燃焼圧力とによって決定され
る。一方、燃焼用の空気は、ガスタービンおよび発電機
と同軸の空気圧縮機で燃焼圧力以上まで昇圧される。こ
の空気圧縮機は、空気の慣性力を利用したものであり、
上記発電機と同じ回転数、すなわち一定回転で運転され
るので、気温が低く空気の密度が大きい時には、図3に
示すように、多量の圧縮空気を送り出せるのに対し、気
温が高くなると送出空気量が減少する。この結果、気温
が高い場合には、ガスタービンは燃料流量を抑制せねば
ならず、よって軸出力も抑制されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、従来の上記
発電用のガスタービンにあっては、発電所として最も需
要の大きい真夏の日中に、気温の上昇によって当該ガス
タービンの空気流量が小さくなり、この結果ガスタービ
ンの軸出力が低下してしまうという問題点があった。そ
こで、電力需要のオフピーク時に冷凍機を使って冷熱を
氷蓄熱槽に蓄熱し、電力需要のピーク時に上記氷蓄熱槽
からの冷熱によってガスタービンの取入れ空気を冷却す
る方法も提案されているが、当該方法にあっては、冷凍
機等の付帯装置が必要となって設備費の高騰化を招来す
るという問題点がある。
【0005】また、LNG貯蔵設備のLNGの冷熱を直
接利用してガスタービンに取入れられる燃焼用空気を冷
却することにより、上記ガスタービンの出力を増大させ
る試みもあるが、LNGの冷熱だけでは出力増加量が小
さく、しかもLNGの気化温度が−162℃と極めて低
温であるために、直接冷熱源として用いると、温度が低
過ぎて空気中の水分が熱交換器の伝熱面で凍結する等の
問題が生じて取り扱いが難しいうえに、さらに通常LN
G貯蔵設備と発電設備とが遠く離れているために、ガス
タービン冷却用のLNG冷熱を送気するための配管設備
に多大の費用を要するといった問題点があり、未だ実用
化には至っていない。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、簡易な設備で、気温の高い電力需要のピーク
時にガスタービンの軸出力を増加させることができて経
済的なガスタービンの燃焼用空気の冷却システムおよび
当該冷却システムを用いた冷却方法を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係るガスタービン用空気冷却システムは、ガスタービ
ンの燃料用低温液化ガスの冷熱を利用して、上記ガスタ
ービンの燃焼用空気を冷却するためのガスタービン用空
気冷却システムであって、不凍液を貯留する高温側蓄冷
部と、この高温側蓄冷部から高温側供給管を介して送ら
れる不凍液を上記低温液化ガスを冷却媒体として冷却す
る熱交換部と、この熱交換部から低温側戻り管を介して
送られる低温の不凍液を貯留する低温側蓄冷部と、この
低温側蓄冷部から低温側供給管を介して送られる不凍液
によって上記燃焼用空気を冷却する空気冷却器と、この
空気冷却器によって昇温された不凍液を上記高温側蓄冷
部に導く高温側戻り管とを備えてなることを特徴とする
ものである。
【0008】ここで、請求項2に記載の発明は、上記熱
交換部が、冷却媒体である低温液化ガスの流路に沿って
直列に配設された複数の熱交換器を備えてなり、後段側
の熱交換器における低温液化ガスの出口側配管を、少な
くとも最前段の熱交換器における被加熱側の入口側配管
に接続することにより、後段側の熱交換器で昇温された
低温液化ガスを、少なくとも最前段の熱交換器の加熱媒
体として用いるようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0009】また、請求項3に記載の発明は、上記請求
項2に記載の熱交換器が、シェル・アンド・チューブ形
熱交換器および/またはプレート式熱交換器であること
を特徴とするものであり、さらに請求項4に記載の発明
は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の不凍液が、少
なくとも−40℃で凍結しないものであることを特徴と
するものである。
【0010】次いで、請求項5に記載の本発明に係るガ
スタービン用空気の冷却方法は、上記請求項1ないし4
のいずれかに記載のガスタービン用空気冷却システムを
用い、上記低温液化ガスによって熱交換部で冷却した不
凍液を上記低温側蓄冷部に蓄えておき、大気温度が高い
時間帯に、上記低温側蓄冷部内の不凍液を上記空気冷却
器に送ってガスタービンの燃焼用空気を冷却することを
特徴とするものであり、さらに請求項6に記載の発明
は、上記熱交換部における不凍液の冷却を連続して行な
うことを特徴とするものである。
【0011】請求項1〜4のいずれかに記載の冷却シス
テムおよびこれを用いた請求項5または6に記載の冷却
方法によれば、予めガスタービンの燃料用低温液化ガス
によって熱交換部で冷却され、上記低温側蓄冷部に蓄え
られた不凍液を、大気温度が高い時間帯に空気冷却器に
送ってガスタービンの取入れ空気を冷却しているので、
ガスタービンの出力を増大させるために充分な冷熱を確
保することができ、よって気温の高い電力需要のピーク
時にガスタービンの軸出力を増加させることができる。
しかも、上記ガスタービンの取入れ空気の冷却を、蓄冷
槽や熱交換器といった簡易な設備のみで行なうことがで
きるとともに、さらに不凍液との熱交換によって気化し
たガスをそのままガスタービンの燃料として使用できる
ため、気化器の稼働費用を削減することができて経済的
である。
【0012】特に、請求項6に記載の発明のように、上
記不凍液の冷却を24時間連続して行なうようにすれ
ば、少なくとも夏期においては、低温液化ガスの気化器
を運転する必要が全く無く、よって従来と比較して当該
気化器の稼働費用を大幅に削減することができるために
極めて経済的である。
【0013】また、請求項2に記載の発明にあっては、
後段側の熱交換器で不凍液との熱交換によって昇温され
た低温液化ガスを、少なくとも、最も温度が低い最前段
の熱交換器の加熱媒体として用いているので、低温液化
ガスの気化温度が例えばLNGのように−162℃と低
い温度であっても、不凍液の凝結を防止することができ
るとともに、これらの熱交換によって効率的に上記低温
液化ガスを気化させることが可能となる。さらに、不凍
液が凍結しないため、上記不凍液を大気に解放しない閉
タイプの熱交換器の使用が可能である。このため、請求
項3に記載の発明のように、上記熱交換器として、汎用
のシェル・アンド・チューブ形熱交換器および/または
プレート式熱交換器を用いれば、構造が簡便で安価であ
るとともに、運転や保守がより一層容易になる。
【0014】なお、本発明において不凍液とは、使用温
度で凍結しない液体をいい、請求項4に記載の発明のよ
うに、少なくとも−40℃の温度で凍結しないものを使
用することが好ましい。このような不凍液としては、例
えばエチレングリコールの含有率が50〜85wt%のエ
チレングリコール水溶液、プロピレングリコールの含有
率が約56wt%以上のプロピレングリコール水溶液、ト
リエチレングリコールの含有率が約62〜77wt%のト
リエチレングリコール水溶液等の不凍液や、さらにはエ
タノールやメタノール等の液体も使用可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明に係る
ガスタービン用空気冷却システムを、発電用ガスタービ
ンの燃料用LNGの冷熱を利用して、上記ガスタービン
の燃焼用空気を冷却するためのシステムに適用した一実
施形態を示すものである。図1において、この空気冷却
システムは、不凍液を貯留する高温側蓄冷槽(蓄冷部)
1と、この高温側蓄冷槽1から蓄冷用ポンプ2によって
高温側供給管3を介して送られる上記不凍液を、LNG
(低温液化ガス)を冷却媒体として冷却する熱交換部4
と、この熱交換部4から低温側戻り管5を介して送られ
る低温の不凍液を一時貯留する低温側蓄冷槽(蓄冷部)
6と、この低温側蓄冷槽6から空気冷却用ポンプ7によ
って低温側供給管8を介して送られる上記不凍液によっ
て燃焼用空気を冷却するフィンチューブ式の空気冷却器
9と、この空気冷却器9によって昇温された上記不凍液
を上記高温側蓄冷槽1に導く高温側戻り管10とから概
略構成されたものである。
【0016】ここで、上記不凍液としては、例えばエチ
レングリコールを主成分とし、これに防錆剤、防かび剤
を添加した低腐食性の85%水溶液(平均比熱0.68
kcal/kg.K、凝結温度−60℃)が使用されている。ま
た、図中実線で示した、高温側蓄冷槽1から高温側供給
管3、熱交換部4および低温側戻り管5を介して低温側
蓄冷槽6に至る不凍液の冷却ラインは、24時間連続し
て運転するようになっており、他方図中点線で示した、
上記低温蓄冷槽6から低温側供給管8、空気冷却器9お
よび高温側戻り管10を介して高温側蓄冷槽1に至る燃
料空気の冷却ラインは、夏期の日中のような空気温度が
高い電力需要のピーク時に運転するようになっている。
したがって、上記両蓄冷槽1、6は、不凍液の冷却ライ
ンを24時間連続運転した際に、当該不凍液の全量を蓄
えておくことが可能な容量に設定されている。
【0017】また、上記熱交換部4は、図2に示すよう
に、冷却媒体となるLNGの流路に沿って配設された3
連のシェル・アンド・チューブ形の熱交換器11、1
2、13を有するもので、初段の熱交換器11は1基で
あり、第2段および最終段の熱交換器12、13は、同
形のものがそれぞれ3基づつ並列に配設されているが、
図では便宜上、第2段および最終段の熱交換器12、1
3についてもその内の各1基を図示する。そして、初段
の熱交換器11の冷却側入口11aには、上記LNGの
導入管14が接続され、その冷却出口側11bの配管1
5が2段目の熱交換器12の冷却側入口12aに接続さ
れている。そして、この熱交換器12の冷却側出口12
bのLNG配管16が、初段の熱交換器11の被冷却側
入口11cに接続され、その被冷却側出口11dの配管
17が最終段の熱交換器13の冷却側入口13aに接続
されている。他方、冷却すべき不凍液が送られてくる高
温側供給管3の先端は枝配管3a、3bとされ、それぞ
れ第2段および最終段の熱交換器12、13の被冷却側
入口12c、13cに接続されており、各熱交換器1
2、13の被冷却側出口12c、13dの出口配管5
a、5bが集合管となって低温側戻り管5に接続されて
いる。そして、上記熱交換部4によって不凍液との熱交
換により気化したNGは、配管18からガスタービンの
燃料供給管へと導かれるようになっている。
【0018】次に、以上の構成からなるガスタービン用
空気冷却システムを用いた本発明に係る冷却方法の一実
施形態について説明する。先ず、高温側蓄冷槽1に常温
(約25℃)の不凍液を満たした状態から、蓄冷用ポン
プ2を連続運転して、上記不凍液を高温側供給管3から
熱交換部4に送る。すると、上記不凍液は、配管3a、
3bからそれぞれ熱交換器12、13内に送られて、L
NGによって約−40℃にまで冷却され、低温側戻り管
5から低温側蓄冷槽6に蓄えられて行く。他方、2段目
の熱交換器12によって不凍液との熱交換により昇温さ
れたLNG(またはNG)は、初段の熱交換器11に送
られ、ここで導入されてくる約−160℃のLNGと熱
交換してこれを昇温する。これにより再び冷却されたL
NGは、配管17から最終段の熱交換器13に送られ、
不凍液と熱交換して再び昇温されて気化することにより
NGとなって、配管18からガスタービンの燃料として
送られて行く。
【0019】このようにして、LNGによって冷却した
不凍液を低温側蓄冷槽6に蓄えておき、大気温度が高く
需要が増大した時間帯に、上記空気冷却用ポンプ7を運
転して低温側蓄冷槽6内の不凍液を低温側供給管8から
上記空気冷却器9に送る。これにより、上記ガスタービ
ンの燃焼用空気は、上記空気冷却器9において不凍液に
よって常温から10℃以下まで冷却される。
【0020】以上のように、上記空気冷却システムおよ
びこれを用いた冷却方法にあっては、予めガスタービン
の燃料用LNGによって熱交換部4で冷却され、低温側
蓄冷槽6に蓄えられた不凍液を、大気温度が高く、かつ
電力需要がピークとなる時間帯に空気冷却器9に送って
ガスタービンの取入れ空気を冷却しているので、ガスタ
ービンの出力を増大させるために充分な冷熱を確保する
ことができ、よって電力需要のピーク時にガスタービン
の軸出力を増加させることができる。この際に、上記ガ
スタービンの取入れ空気の冷却を、蓄冷槽1、6や熱交
換器11〜13といった簡易な設備のみで行なうことが
できるため、設備費の高騰化を招くことがない。
【0021】さらに、上記不凍液の冷却ラインを24時
間連続して行なっているので、不凍液との熱交換によっ
て気化したNGを常時そのままガスタービンの燃料とし
て使用できるため、少なくとも夏期においては、従来L
NGの気化に使用していた気化器を運転する必要が全く
無く、よって従来と比較して当該気化器の稼働費用を大
幅に削減することができるために極めて経済的である。
また、熱交換部4において、2段目の熱交換器12で不
凍液との熱交換によって昇温されたLNG(またはN
G)を、最も温度が低い初段の熱交換器11の加熱媒体
として用いているので、LNGの気化温度が−162℃
と低い温度であっても、不凍液の凝結を防止することが
できるとともに、これらの熱交換によって効率的に上記
LNGを気化させることができる。
【0022】加えて、上記熱交換部4において不凍液が
凍結しないため、上記不凍液を大気に解放しない閉タイ
プのシェル・アンド・チューブ形の熱交換器11〜13
を使用することができ、よって構造が簡便で安価である
とともに、運転や保守がより一層容易になる。
【0023】なお、上記実施形態の説明においては、低
温液化ガスが、一般的にこの種の発電用ガスタービンの
燃料として用いられているLNGである場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、他の低温液
化ガスについても同様に適用することが可能である。ま
た、上記高温側蓄冷槽1および低温側蓄冷槽6について
も、独立式の蓄冷槽を設けることに限るものではなく、
一の蓄冷槽内を分割して高温側蓄冷部および低温側蓄冷
部とする等、各種の形態が適用可能である。
【0024】さらにまた、熱交換部4についても、3連
の熱交換器11〜13群によって構成することに限るも
のではなく、各熱交換器における伝熱面積状の制約や、
不凍液の凝結温度等の条件によっては、3連未満あるい
は4連以上の熱交換器群によって構成してもよく、その
場合においても、上述したように、後段側の熱交換器に
おけるLNG(低温液化ガス)の出口側配管を、少なく
とも最前段の熱交換器における被加熱側の入口側配管に
接続することにより、後段側の熱交換器で昇温された低
温液化ガスを、少なくとも最前段の熱交換器の加熱媒体
として用いるようにすれば好適である。
【0025】
【実施例】一般的な1000MW(設計温度;15℃)
のコンバインドサイクル発電ユニットに、図1および図
2に示した空気冷却サイクルを用いた場合について説明
する。真夏の日中においてガスタービンの吸気温度が3
5℃に上昇すると、空気密度の低下により、上記ガスタ
ービンの軸出力は864MWに低下する。そこで、高温
側蓄冷槽1に満たした温度25℃の不凍液を熱交換部4
に600m3/hで送り、LNGによって−40℃に冷却
し、低温側蓄冷槽6に蓄えておく。これを具体的に説明
すると、図2において、熱交換部4としては、それぞれ
伝熱面積が約500m2の熱交換器11、12、13を用
いる。ちなみに、熱交換器12および13については、
各3基を並列に配設する。そして、導入管14からLN
Gを流量300m3/hで上記熱交換器11、12、13
に送ると、初段の熱交換器11で昇温されて約−78℃
となり、さらに第2段の熱交換器12で不凍液を冷却し
た後の出口温度が約0℃となる。次いで、これが初段の
熱交換器11に送られて、約−160℃のLNGと熱交
換することにより、再び約−78℃まで冷却されて最終
段の熱交換器13に送られる。そして、上記熱交換器1
3において不凍液と熱交換して出口温度が約0℃のNG
となり、配管18からガスタービンの燃料として送られ
て行く。
【0026】他方、高温側供給管3からそれぞれ第2段
および最終段の熱交換器12、13に送られた温度25
℃の不凍液は、上記LNGによって約−40℃まで冷却
されて、低温側蓄冷槽6に蓄えられる。そして、真夏の
日中の電力需要がピークとなる時間帯に、上記低温側蓄
冷槽6内の不凍液を、空気冷却用ポンプ8によって約2
800m3/hの流量で空気冷却器9へ送り、ここで空気
温度を10℃以下まで冷却する。この結果、ガスタービ
ンの吸気温度が10℃であるとすると、その軸出力は1
033MWになり、上記空気冷却システムを使用しなか
った場合の軸出力864MWと比較して、16.9%軸
出力が増加する。これにより、気温上昇に基づくガスタ
ービンの軸出力の低下が防止され、電力需要の上昇に対
応することが可能となる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4のい
ずれかに記載の冷却システムおよびこれを用いた請求項
5または6に記載の冷却方法によれば、ガスタービンの
出力を増大させるために充分な冷熱を確保することがで
き、よって気温の高い電力需要のピーク時にガスタービ
ンの軸出力を増加させることができるとともに、上記ガ
スタービンの取入れ空気の冷却を、蓄冷槽や熱交換器と
いった簡易な設備のみで行なうことができるうえに、不
凍液との熱交換によって気化したガスをそのままガスタ
ービンの燃料として使用できるため、気化器の稼働費用
を削減することができて経済的である。
【0028】この際に、請求項6に記載の発明のよう
に、上記不凍液の冷却を24時間連続して行なうように
すれば、少なくとも夏期においては、低温液化ガスの気
化器を運転する必要が全く無く、よって従来と比較して
当該気化器の稼働費用を大幅に削減することができるた
めに極めて経済的であり、また請求項2に記載の発明に
よれば、低温液化ガスの気化温度が例えばLNGのよう
に−162℃と低い温度であっても、不凍液の凝結を防
止することができるとともに、これらの熱交換によって
効率的に上記低温液化ガスを気化させることが可能とな
る。よって、請求項3に記載の発明のように、上記熱交
換器として汎用のシェル・アンド・チューブ形熱交換器
および/またはプレート式熱交換器を用いれば、構造が
簡便で安価であるとともに、運転や保守がより一層容易
になるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービン用空気冷却システム
の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】図1の熱交換部の構成図である。
【図3】ガスタービンにおける外気温度と送出空気量と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 高温側蓄冷槽(蓄冷部) 3 高温側供給管3 4 熱交換部 5 低温側戻り管 6 低温側蓄冷槽(蓄冷部) 8 低温側供給管 9 空気冷却器 10 高温側戻り管 11、12、13 熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 染谷 真之 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 神田 哲郎 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービンの燃料用低温液化ガスの冷
    熱を利用して、上記ガスタービンの燃焼用空気を冷却す
    るための空気冷却システムであって、不凍液を貯留する
    高温側蓄冷部と、この高温側蓄冷部から高温側供給管を
    介して送られる上記不凍液を上記低温液化ガスを冷却媒
    体として冷却する熱交換部と、この熱交換部から低温側
    戻り管を介して送られる低温の上記不凍液を貯留する低
    温側蓄冷部と、この低温側蓄冷部から低温側供給管を介
    して送られる上記不凍液によって上記燃焼用空気を冷却
    する空気冷却器と、この空気冷却器によって昇温された
    上記不凍液を上記高温側蓄冷部に導く高温側戻り管とを
    備えてなることを特徴とするガスタービン用空気冷却シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 上記熱交換部は、冷却媒体である低温液
    化ガスの流路に沿って直列に配設された複数の熱交換器
    を備えてなり、後段側の上記熱交換器における上記低温
    液化ガスの出口側配管を、少なくとも最前段の上記熱交
    換器における被加熱側の入口側配管に接続することによ
    り、後段側の上記熱交換器で昇温された上記低温液化ガ
    スを、少なくとも上記最前段の上記熱交換器の加熱媒体
    として用いるようにしたことを特徴とする請求項1に記
    載のガスタービン用空気冷却システム。
  3. 【請求項3】 上記熱交換器は、シェル・アンド・チュ
    ーブ形熱交換器および/またはプレート式熱交換器であ
    ることを特徴とする請求項2に記載のガスタービン用空
    気冷却システム。
  4. 【請求項4】 上記不凍液は、少なくとも−40℃で凍
    結しないものであることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載のガスタービン用空気冷却システム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のガ
    スタービン用空気冷却システムを用い、上記低温液化ガ
    スによって熱交換部で冷却した上記不凍液を上記低温側
    蓄冷部に蓄えておき、大気温度が高い時間帯に、上記低
    温側蓄冷部内の上記不凍液を上記空気冷却器に送って上
    記ガスタービンの燃焼用空気を冷却することを特徴とす
    るガスタービン用空気の冷却方法。
  6. 【請求項6】 上記熱交換部における上記不凍液の冷却
    を連続して行なうことを特徴とする請求項5に記載のガ
    スタービン用空気の冷却方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009542950A (ja) * 2006-07-06 2009-12-03 アルストム テクノロジー リミテッド ガスタービン作動方法ならびに当該方法を実施するためのガスタービン
JP2012229860A (ja) * 2011-04-26 2012-11-22 Tokyo Gas Chemicals Co Ltd 結合型液化天然ガス気化器

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