JP2004301000A - 低温液化ガスの2次基地 - Google Patents
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Abstract
【課題】設備コストと運転コストとをともに大幅に低減化させることが可能となる低温液化ガスの2次基地を提供する。
【解決手段】低温液化ガスの貯槽10と、この貯槽10から抜き出された低温液化ガスを気化させる気化器12a、12bと、この気化器12a、12bにおいて気化されたガスを燃料とするガスタービン13とを備えた低温液化ガスの2次基地において、気化器12a、12bにおいて低温液化ガスを気化させる熱交換媒体の熱源として、ガスタービン13の排ガスによって生成された蒸気を用いたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】低温液化ガスの貯槽10と、この貯槽10から抜き出された低温液化ガスを気化させる気化器12a、12bと、この気化器12a、12bにおいて気化されたガスを燃料とするガスタービン13とを備えた低温液化ガスの2次基地において、気化器12a、12bにおいて低温液化ガスを気化させる熱交換媒体の熱源として、ガスタービン13の排ガスによって生成された蒸気を用いたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電用ガスタービンへの燃料供給用等として、当該ガスタービンに近接して設けられる低温液化ガスの2次基地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、低温液化ガスの一種である液化天然ガス(以下、LNGと略称する。)を燃料として使用するガスタービンと、ボイラー/蒸気タービンとを組合わせた複合(コンバインド)サイクルを設置した発電所が数多く建設されている。
上記蒸気・ガスタービン複合サイクルによる発電システムによれば、ガスタービンにおけるブレイトンサイクルと、蒸気タービンにおけるランキンサイクルとの組み合わせにより、特に高効率が得られるとともに、低公害性に優れるという利点がある。
【0003】
ここで、上記発電用ガスタービンにおいて燃料として用いられるLNGは、メタンを主成分とする天然ガス(以下、NGと略称する。)を、搬送および貯蔵の便宜上、常圧下で−162℃以下に冷却することにより液化したものである。そして、上記LNGは、専用の運搬船によって搬送され、一旦海岸近くに設置された1次基地のLNG貯槽に蓄えられたうえで、必要に応じて抜き出され、気化器において気化されて隣接する発電所へと送られて行くようになっている。
この際に、上記1次基地においては、海に近接しているために安価な海水を利用することができる。このため、LNGを気化させる上記気化器として、海水を熱媒とするオープンラック式気化器が多く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記発電所が1次基地から遠隔な地に設けられている場合には、1次基地で気化させた後に、当該発電所まで送気することは現実的ではない。そこで、通常上記発電所に近接した箇所に、一定量のLNGを貯留する2次基地を設け、この2次基地の貯槽から必要に応じてLNGを抜き出し、気化器によって気化させて上記ガスタービンへと供給するようにしている。
【0005】
図2は、従来のこの種のLNGの2次基地を示すもので、図中符合1がLNGの貯槽である。この貯槽1は、100kl〜200klの容量を有する断熱性に優れた2重管構造の容器であり、当該2次基地の規模に応じて、複数基(図ではそのうちの1基を示す。)設置されている。この貯槽1の底部には、ローリー2によって搬送されてきたLNGを貯槽1内に取り入れるための受入管3と、この貯槽1内のLNGを抜き出す払出管4が接続されている。そして、払出管4には、LNGを気化させる気化器5が設けられている。
【0006】
ここで、上記2次基地において気化された天然ガスは、通常発電用のみならず一般の都市ガスとしても利用されるために、気化器5の出口における天然ガスの圧力は、上記都市ガスの供給圧力に調整されている。そこで、気化器5の後段の図示されないガスタービンへ送る払出管4には、上記天然ガスをガスタービンの入口における供給圧力まで昇圧させるためのガスコンプレッサ6が設けられている。
【0007】
このような従来のLNGの2次基地にあっては、気化器5の熱源として、1次基地のような安価な海水を使用することができない。このため、空気を熱源とする空温気化器が用いられているが、設置面積が大きく、かつそのメンテナンスに多くの手間を要するという問題点があった。
そこで、当該問題点を解消するために、LNGを燃焼させた熱を利用する小型で効率の良い温水気化器も適用可能であるが、熱源自体が高価であり、経済性に劣るという問題点があった。
【0008】
さらに、上記気化器5において得られた燃料ガスをを昇圧するための高価なガスコンプレッサ6を設置する必要があり、投資コストが嵩むとともに、その運転にも大きな動力消費が生じるという問題点があった。
このように、従来のLNGの2次基地にあっては、総じて、設備コストが高く、かつ運転のための動力消費が多いために、より一層の低設備コスト化および高効率化が望まれていた。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、設備コストと運転コストとをともに大幅に低減化させることが可能となる低温液化ガスの2次基地を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る低温液化ガスの2次基地は、低温液化ガスの貯槽と、この貯槽から抜き出された上記低温液化ガスを気化させる気化器と、この気化器において気化されたガスを燃料とするガスタービンとを備えた低温液化ガスの2次基地において、上記気化器において上記低温液化ガスを気化させる熱交換媒体の熱源として、上記ガスタービンの排ガスによって生成された蒸気を用いたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の気化器の前段に、上記ガスタービンの入口における上記燃料ガスの圧力が当該ガスタービンへの供給に充分な圧力となるように、上記貯槽から抜き出した上記低温液化ガスを昇圧する払出ポンプを設けたことを特徴とするものである。
【0012】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記熱交換媒体が、上記気化器に循環供給される冷媒であり、かつ上記気化器の前段に、当該冷媒を上記蒸気によって昇温させる熱交換器を設けるとともに、上記気化器の後段に、当該気化器を経た上記冷媒によって上記ガスタービンへの燃焼用空気を冷却する吸気冷却器を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項1〜3のいずれかに記載の発明においては、気化器において低温液化ガスを気化させる熱交換媒体の熱源として、ガスタービンの排ガスによって生成された蒸気を用いているので、この蒸気自体を熱交換媒体とすることにより、あるいは水、エチレングリコール、メタノール等を上記熱交換媒体とし、これを蒸気によって昇温して気化器に送ることにより、低温液化ガスの気化が行われる。
【0014】
この際、特に上述したコンバインドサイクルを用いた発電所や大量に蒸気を利用する工場等においては、ガスタービンの排ガスによって蒸気を発生させて、後段の蒸気タービンや工場の蒸気ヘッダー等へと送るボイラーが設置されているため、当該ボイラで発生した蒸気のごく一部を分岐させるのみで、上記気化器の熱源とすることができる。この結果、気化器の小型化を図ることができるとともに、安価な熱源による効率的な低温液化ガスの気化を行うことが可能となる。
【0015】
これに加えて、請求項2に記載の発明によれば、気化器の前段に、ガスタービンの入口における燃料ガスの圧力が供給圧力として充分な圧力となるように、貯槽から抜き出した低温液化ガスを昇圧する払出ポンプを設けているので、従来のような高価なガスコンプレッサが不要になって経済性に優れる。しかも、気化したガスを圧縮するガスコンプレッサの消費動力よりも、液体の状態で昇圧する上記払出ポンプの消費動力の方が大幅に少なくて済むために、発電効率が上昇し、かつ運転コストの低減化も図ることが可能になる。
【0016】
ところで、上記複合サイクルによる発電システムあるいは蒸気を併合する熱電併給システム(いわゆるコージェネレーションシステム)においては、ガスタービンの出力が、主として燃料流量、燃焼ガス温度および燃焼圧力によって決定される。一方、燃焼用の空気は、ガスタービンおよび発電機と同軸の空気圧縮機で燃焼圧力以上まで昇圧される。この空気圧縮機は、上記発電機と同じ回転数、すなわち一定回転で運転されるので、気温が高く空気の密度が小さい時には、その特性上、当該空気圧縮機における処理重量空気量を所定量にすべく作動する。この結果、体積空気量の増加をきたし、ガスタービン付帯のコンプレッサーの所要電力が増加することになる結果、発電出力が低下することになる。
【0017】
このため、従来の発電用のガスタービンにあっては、発電所として最も需要の大きい真夏の日中に、気温の上昇によって空気の密度が小さくなる結果、当該空気圧縮機の所要軸動力が増加してしまい、逆にガスタービンの軸出力が10%以上低下してしまうという問題点があった。
【0018】
この点、請求項3に記載の発明によれば、気化器に冷媒を循環供給するとともに、この気化器の後段に、当該気化器を経た冷媒によってガスタービンへの燃焼用空気を冷却する吸気冷却器を設けているので、大気温度が高い時期に上記吸気冷却器を作動させることにより、発電用ガスタービンの効率化を図ることができる。この際に、冷媒を蒸気によって昇温させる熱交換器を設けているので、冷媒の温度を適宜調整することにより、空気中の水分が吸気冷却器の伝熱面で凍結して空気冷却性能が低下する等の問題が生じることを未然に防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る液化低温ガスの2次基地を、蒸気・ガスタービン複合サイクルによる発電システムを有する発電所又は熱電併給のコージェネレーションシステムに燃料ガスを供給するためのLNGの2次基地に適用した一実施形態を示すものである。
この2次基地においても、ローリー2によって搬送されてきたLNG(低温液化ガス)を、受入管3を介して内部に貯蔵するための貯槽10と、この貯槽10から払出管11を介して抜き出されたLNGを気化させる複数基(図では2基)の気化器12a、12bと、この気化器12a、12bにおいて気化されたガスを燃料とするガスタービン13とが設置されている。ちなみに、上記貯槽10も、図2に示したものと同様の構成のもので、図では複数基設けられているもののうちの1基を示している。
【0020】
そして、この2次基地においては、気化器の前段の払出管11に、上記ガスタービン13の燃焼器14の入口における天然ガスの圧力が、充分な供給圧力となるようにLNGを昇圧する払出ポンプ15が設けられている。
また、気化器12a、12bにおいて気化された天然ガスは、それぞれの出口側配管16a、16bが合流接続された天然ガス供給管17から、上記燃焼器14の入口に導かれている。ここで、天然ガス供給管17には、ガスタービン13の負荷変動に対応するためのバッファタンク17aが介装されており、このバッファタンク17a内には、活性炭が充填されている。
【0021】
他方、これら気化器12a、12bにおいてLNGと熱交換する熱交換媒体は、2次基地に隣接する工場の冷凍設備(図示を略す。)における冷媒として循環供給されるようになっている。すなわち、上記冷凍設備からの戻りライン18に循環ポンプ19が設けられ、この循環ポンプ19の吐出側が一方の気化器12aに接続されている。さらにこの気化器12aの出口側配管20が、他方の気化器12bに接続され、当該気化器12bにおいてLNGとの熱交換により冷却された冷媒が冷媒供給管21から上記冷凍設備へと供給されるようになっている。
【0022】
ちなみに、上述した循環供給される上記冷媒としては、例えば上記冷凍設備において必要な冷媒温度が−20℃〜−30℃である場合にはメタノール等が、−10℃程度である場合にはエチレングリコール等が、さらに上記工場に数℃の冷水として供給する場合には水が好適に使用される。
そして、これら冷媒の熱源として、ガスタービン13の排気ガスを利用して排熱ボイラ22において発生し、供給管23から図示されない蒸気タービン又は工場の蒸気ヘッダーへと送られる蒸気の一部が使用されている。
【0023】
すなわち、冷媒の戻りライン18には、冷媒加熱器(熱交換器)24が介装され、この冷媒加熱器24に、蒸気の供給管23から枝配管された蒸気管25が導入されている。また、この蒸気管25は、気化器12bの出口側配管16bに介装された天然ガス昇温器26にも導入されている。そして、これら冷媒加熱器24および天然ガス昇温器26において熱交換することにより液化した蒸気は、給水管27から図示されないボイラ給水ラインへと戻されるようになっている。
【0024】
また、この2次基地においては、ガスタービン13の燃焼用空気を冷却するための吸気冷却器30が設けられている。そして、この吸気冷却器30への冷却熱源として、気化器12aを経た冷媒の出口側配管20からの枝配管31が導入されており、吸気冷却器30を経た冷媒は上記戻りライン18へと戻されるようになっている。他方、吸気冷却器30において冷却された燃焼用空気は、その供給管32からコンプレッサ33へと導かれている。なお、図中符合34は、発電機である。
【0025】
以上の構成からなるLNGの2次基地の構成は、コンバインドサイクルの発電所におけるガスタービン13への燃料供給用のものであるが、当該2次基地のLNG貯槽10から別途都市ガスを供給する場合には、図中点線で示す構成を増設することにより対応することができる。
この構成について説明すると、図中符合12cは、上記気化器12a、12bと同様の気化器であり、その熱源としては、冷媒加熱器24において蒸気により昇温された後の冷媒を、戻りライン18から枝配管することにより使用可能である。
【0026】
そして、この気化器12cにおいて気化された天然ガスは、BOGミキシングタンク40に導入され、貯槽10内で発生して適宜抜き出された蒸発ガス(BOG)とミキシングされ、さらに付臭設備41に送られて臭気が付与された後に、送ガスミキシングタンク42から都市ガス供給ライン43へと供給される。なお、図中符合44は、必要に応じてミキシングされるLPGガスの供給ラインであり、符合45はこれらのガスを混合するためのミキサである。
【0027】
以上の構成からなるLNGの2次基地においては、図示されないLNGの1次基地等から抜き出されたLNGが、ローリー2によって上記2次基地まで搬送され、受入管3から貯槽10内に取り入れられる。そして、貯槽10内のLNGをガスタービン13の燃料として使用する場合には、払出ポンプ15によってLNGをガスタービン13の燃焼器14入口における圧力が、供給圧力として充分な圧力となるように昇圧した上で、気化器12a、12bへと送る。そして、これら気化器12a、12bにおいて、循環供給される冷媒によって気化させ、一定量をバッファタンク17a内の活性炭に吸着保持させたうえで、使用量に応じて天然ガス供給管17から燃焼器14へと供給する。
【0028】
次いで、この燃焼器14において、上記天然ガスと、供給管32から導入されてコンプレッサ33により圧縮された空気とが混合・燃焼され、その燃焼ガスによってガスタービン13が回転駆動されることにより発電機34による発電が行われる。この際に、発電機34に負荷変動が生じて、短時間に天然ガスの使用量が増加した場合には、バッファタンク17a内の天然ガスが使用されることにより、上記負荷変動に追従する。また、当該燃焼によって生じた高温の排ガスは、後段の排熱ボイラ22に送られる。そして、この排熱ボイラ22において発生した蒸気が、供給管33から図示されない蒸気タービン又は工場の蒸気ヘッダーへと送られることにより、別途発電又は蒸気利用の工程に使用される。
【0029】
他方、排熱ボイラ22において発生した蒸気の一部は、供給管23に枝配管された蒸気管25から冷媒加熱器24へと送られ、戻り管18から戻された冷媒と熱交換する。そして、冷媒加熱器24において所定温度まで昇温された冷媒は、循環ポンプ19によって一方の気化器12aに送られ、上述したLNGの気化に使用される。次いで、上記気化器12aを経た冷媒は、その出口側配管20から他方の気化器12bへと送られて、同様にLNGの気化に使用される。このようにして、気化器12a、12bにおいてLNGと熱交換することにより低温となった冷媒は、冷媒供給管21から、上記2次基地に隣接する図示されない工場の冷凍設備における冷媒として供給され、再び戻りライン18から冷媒加熱器24へと循環される。
【0030】
この際に、気化器12bに供給される冷媒は、一方の気化器12aを経ることにより温度が低下しているために、当該気化器12bによって気化した後の天然ガスの温度も、一方の気化器12aを経た後の天然ガスの温度より低くなる。そこで、気化器12bを経た天然ガスについては、天然ガス昇温器26において、蒸気管25から供給される蒸気の一部により、気化器12aを経た天然ガスの温度とほぼ等しい温度まで昇温される。
以上のように冷媒や天然ガスと熱交換した後の蒸気あるいは水は、給水管27から別途排熱ボイラ22の給水ラインへと戻されて行く。
【0031】
また、夏季や特にその日中のような大気温度が高い時期には、気化器12aを経た冷媒の一部を、枝配管31から吸気冷却器30へ送り、ガスタービン13の燃焼用空気を冷却した後に、コンプレッサ33へと送る。これにより、ガスタービン13の効率化を図ることができる。ちなみに、空気冷却を必要としない季節や時間帯においては、枝配管31への冷媒の供給を止めたり、あるいは吸気冷却器30への冷媒配管にバイパスを設けて、当該冷媒を、吸気冷却器30を迂回させて戻りライン18へと戻す等により対応することが可能である。
【0032】
このように、上記構成からなるLNGの2次基地によれば、気化器12a、12bにおいてLNGを気化させる冷媒の昇温用熱源および後段の気化器12bを経た天然ガスの昇温用熱源として、発電用ガスタービン13の排ガスによって排熱ボイラ22で生成された蒸気を用いているので、空気を熱源として用いている従来のものと比較して、気化器12a、12bの小型化を図ることができるとともに、安価な熱源による効率的なLNGの気化を行うことができる。
また、図中点線で示したように、将来都市ガスを供給する基地として使用する場合にも、増設する気化器12cとして、上記気化器12a、12bと同様の小型のものを使用することができるため、小コスト化を図ることが可能となる。
【0033】
加えて、気化器12a、12bの前段に、ガスタービン13の入口における燃料ガスの圧力が供給圧力として充分な圧力となるように、貯槽10から抜き出したLNGを昇圧する払出ポンプ15を設けているので、従来のような高価なガスコンプレッサが不要になる。しかも、気化した天然ガスを圧縮するガスコンプレッサの消費動力よりも、LNGの状態で昇圧する払出ポンプ15の方が、消費動力が大幅に少なくなるために、上述した設備コストの低減化のみならず、発電効率の上場および運転コストの低減化も併せて達成することが可能になる。
【0034】
さらに、気化器12aの後段に、この気化器12aを経た冷媒によってガスタービン13への燃焼用空気を冷却する吸気冷却器30を設けているので、大気温度が高い時期に吸気冷却器30を作動させることにより、発電用ガスタービン13の効率化を図ることができる。この際に、冷媒を冷媒加熱器24において蒸気によって昇温させているので、吸気冷却器30へ送られる冷媒の温度を過度に低温にならないように調整することにより、吸気冷却器30の伝熱面で空気中の水分が凍結することにより空気冷却性能が低下する等の問題が生じることを未然に防止することができる。
【0035】
また、このLNGの2次基地においては、天然ガス供給管17に、ガスタービン13の負荷変動に応じた天然ガスの供給量の変動を吸収するバッファタンク17aを設け、かつこのバッファタンク17a内に、活性炭を充填しているので、上記活性炭による天然ガスの吸着作用によって、当該バッファタンク17aの容量を従来のものと比較して1/3程度に小型化することができる。
【0036】
さらに、冷媒を工場の冷凍設備の冷媒としても循環供給しているので、上記工場の冷凍設備において冷凍能力が不足する夏場においても、確実に所要の冷媒を確保することができ、よって当該工場における生産量の増加や冷凍機動力の低減化も併せて図ることができる。この際、特に上記2次基地においては、冷媒の流れ方向に沿って、気化器12a、12bを直列的に配置しているので、後段の気化器12bの出口においては低温の冷媒を得ることができる。このため、上記冷凍設備が−30℃といった低温の冷媒を必要とする場合においいても、容易にこれに対応することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3のいずれかに記載の低温液化ガスの2次基地によれば、低温液化ガスの気化器の熱源としてガスタービンの排ガスによって発生させた蒸気を使用することにより、上記気化器の小型化を図ることができるとともに、安価な熱源による効率的な低温液化ガスの気化を行うことが可能となる。
【0038】
また、請求項2に記載の発明によれば、気化器の前段に設けた払出ポンプによって、予め低温液化ガスを昇圧し、直接ガスタービンへと供給しているので、従来のような高価なガスコンプレッサが不要になって経済性に優れるとともに、気化したガスを圧縮するガスコンプレッサの消費動力よりも、液体の状態で昇圧する上記払出ポンプの消費動力の方が大幅に少なくて済むために、ガスタービン補機設備が省エネ型になり、発電効率も高くなるとともに、運転コストの低減化も図ることが可能になる。
【0039】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、上記気化器を経た冷媒によってガスタービンへの燃焼用空気を冷却する吸気冷却器を設けているので、大気温度が高い時期に上記吸気冷却器を作動させることにより、発電用ガスタービンの効率化を図ることができるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低温液化ガスの2次基地の一実施形態を示す構成図である。
【図2】従来の2次基地を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 貯槽
11 払出管
12a、12b、12c 気化器
13 ガスタービン
14 燃焼器
15 払出ポンプ
18 冷媒の戻りライン
21 冷媒供給管
22 排熱ボイラ
24 冷媒加熱器(熱交換器)
25 蒸気管
30 吸気冷却器
33 コンプレッサ
34 発電機
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電用ガスタービンへの燃料供給用等として、当該ガスタービンに近接して設けられる低温液化ガスの2次基地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、低温液化ガスの一種である液化天然ガス(以下、LNGと略称する。)を燃料として使用するガスタービンと、ボイラー/蒸気タービンとを組合わせた複合(コンバインド)サイクルを設置した発電所が数多く建設されている。
上記蒸気・ガスタービン複合サイクルによる発電システムによれば、ガスタービンにおけるブレイトンサイクルと、蒸気タービンにおけるランキンサイクルとの組み合わせにより、特に高効率が得られるとともに、低公害性に優れるという利点がある。
【0003】
ここで、上記発電用ガスタービンにおいて燃料として用いられるLNGは、メタンを主成分とする天然ガス(以下、NGと略称する。)を、搬送および貯蔵の便宜上、常圧下で−162℃以下に冷却することにより液化したものである。そして、上記LNGは、専用の運搬船によって搬送され、一旦海岸近くに設置された1次基地のLNG貯槽に蓄えられたうえで、必要に応じて抜き出され、気化器において気化されて隣接する発電所へと送られて行くようになっている。
この際に、上記1次基地においては、海に近接しているために安価な海水を利用することができる。このため、LNGを気化させる上記気化器として、海水を熱媒とするオープンラック式気化器が多く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記発電所が1次基地から遠隔な地に設けられている場合には、1次基地で気化させた後に、当該発電所まで送気することは現実的ではない。そこで、通常上記発電所に近接した箇所に、一定量のLNGを貯留する2次基地を設け、この2次基地の貯槽から必要に応じてLNGを抜き出し、気化器によって気化させて上記ガスタービンへと供給するようにしている。
【0005】
図2は、従来のこの種のLNGの2次基地を示すもので、図中符合1がLNGの貯槽である。この貯槽1は、100kl〜200klの容量を有する断熱性に優れた2重管構造の容器であり、当該2次基地の規模に応じて、複数基(図ではそのうちの1基を示す。)設置されている。この貯槽1の底部には、ローリー2によって搬送されてきたLNGを貯槽1内に取り入れるための受入管3と、この貯槽1内のLNGを抜き出す払出管4が接続されている。そして、払出管4には、LNGを気化させる気化器5が設けられている。
【0006】
ここで、上記2次基地において気化された天然ガスは、通常発電用のみならず一般の都市ガスとしても利用されるために、気化器5の出口における天然ガスの圧力は、上記都市ガスの供給圧力に調整されている。そこで、気化器5の後段の図示されないガスタービンへ送る払出管4には、上記天然ガスをガスタービンの入口における供給圧力まで昇圧させるためのガスコンプレッサ6が設けられている。
【0007】
このような従来のLNGの2次基地にあっては、気化器5の熱源として、1次基地のような安価な海水を使用することができない。このため、空気を熱源とする空温気化器が用いられているが、設置面積が大きく、かつそのメンテナンスに多くの手間を要するという問題点があった。
そこで、当該問題点を解消するために、LNGを燃焼させた熱を利用する小型で効率の良い温水気化器も適用可能であるが、熱源自体が高価であり、経済性に劣るという問題点があった。
【0008】
さらに、上記気化器5において得られた燃料ガスをを昇圧するための高価なガスコンプレッサ6を設置する必要があり、投資コストが嵩むとともに、その運転にも大きな動力消費が生じるという問題点があった。
このように、従来のLNGの2次基地にあっては、総じて、設備コストが高く、かつ運転のための動力消費が多いために、より一層の低設備コスト化および高効率化が望まれていた。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、設備コストと運転コストとをともに大幅に低減化させることが可能となる低温液化ガスの2次基地を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る低温液化ガスの2次基地は、低温液化ガスの貯槽と、この貯槽から抜き出された上記低温液化ガスを気化させる気化器と、この気化器において気化されたガスを燃料とするガスタービンとを備えた低温液化ガスの2次基地において、上記気化器において上記低温液化ガスを気化させる熱交換媒体の熱源として、上記ガスタービンの排ガスによって生成された蒸気を用いたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の気化器の前段に、上記ガスタービンの入口における上記燃料ガスの圧力が当該ガスタービンへの供給に充分な圧力となるように、上記貯槽から抜き出した上記低温液化ガスを昇圧する払出ポンプを設けたことを特徴とするものである。
【0012】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記熱交換媒体が、上記気化器に循環供給される冷媒であり、かつ上記気化器の前段に、当該冷媒を上記蒸気によって昇温させる熱交換器を設けるとともに、上記気化器の後段に、当該気化器を経た上記冷媒によって上記ガスタービンへの燃焼用空気を冷却する吸気冷却器を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項1〜3のいずれかに記載の発明においては、気化器において低温液化ガスを気化させる熱交換媒体の熱源として、ガスタービンの排ガスによって生成された蒸気を用いているので、この蒸気自体を熱交換媒体とすることにより、あるいは水、エチレングリコール、メタノール等を上記熱交換媒体とし、これを蒸気によって昇温して気化器に送ることにより、低温液化ガスの気化が行われる。
【0014】
この際、特に上述したコンバインドサイクルを用いた発電所や大量に蒸気を利用する工場等においては、ガスタービンの排ガスによって蒸気を発生させて、後段の蒸気タービンや工場の蒸気ヘッダー等へと送るボイラーが設置されているため、当該ボイラで発生した蒸気のごく一部を分岐させるのみで、上記気化器の熱源とすることができる。この結果、気化器の小型化を図ることができるとともに、安価な熱源による効率的な低温液化ガスの気化を行うことが可能となる。
【0015】
これに加えて、請求項2に記載の発明によれば、気化器の前段に、ガスタービンの入口における燃料ガスの圧力が供給圧力として充分な圧力となるように、貯槽から抜き出した低温液化ガスを昇圧する払出ポンプを設けているので、従来のような高価なガスコンプレッサが不要になって経済性に優れる。しかも、気化したガスを圧縮するガスコンプレッサの消費動力よりも、液体の状態で昇圧する上記払出ポンプの消費動力の方が大幅に少なくて済むために、発電効率が上昇し、かつ運転コストの低減化も図ることが可能になる。
【0016】
ところで、上記複合サイクルによる発電システムあるいは蒸気を併合する熱電併給システム(いわゆるコージェネレーションシステム)においては、ガスタービンの出力が、主として燃料流量、燃焼ガス温度および燃焼圧力によって決定される。一方、燃焼用の空気は、ガスタービンおよび発電機と同軸の空気圧縮機で燃焼圧力以上まで昇圧される。この空気圧縮機は、上記発電機と同じ回転数、すなわち一定回転で運転されるので、気温が高く空気の密度が小さい時には、その特性上、当該空気圧縮機における処理重量空気量を所定量にすべく作動する。この結果、体積空気量の増加をきたし、ガスタービン付帯のコンプレッサーの所要電力が増加することになる結果、発電出力が低下することになる。
【0017】
このため、従来の発電用のガスタービンにあっては、発電所として最も需要の大きい真夏の日中に、気温の上昇によって空気の密度が小さくなる結果、当該空気圧縮機の所要軸動力が増加してしまい、逆にガスタービンの軸出力が10%以上低下してしまうという問題点があった。
【0018】
この点、請求項3に記載の発明によれば、気化器に冷媒を循環供給するとともに、この気化器の後段に、当該気化器を経た冷媒によってガスタービンへの燃焼用空気を冷却する吸気冷却器を設けているので、大気温度が高い時期に上記吸気冷却器を作動させることにより、発電用ガスタービンの効率化を図ることができる。この際に、冷媒を蒸気によって昇温させる熱交換器を設けているので、冷媒の温度を適宜調整することにより、空気中の水分が吸気冷却器の伝熱面で凍結して空気冷却性能が低下する等の問題が生じることを未然に防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る液化低温ガスの2次基地を、蒸気・ガスタービン複合サイクルによる発電システムを有する発電所又は熱電併給のコージェネレーションシステムに燃料ガスを供給するためのLNGの2次基地に適用した一実施形態を示すものである。
この2次基地においても、ローリー2によって搬送されてきたLNG(低温液化ガス)を、受入管3を介して内部に貯蔵するための貯槽10と、この貯槽10から払出管11を介して抜き出されたLNGを気化させる複数基(図では2基)の気化器12a、12bと、この気化器12a、12bにおいて気化されたガスを燃料とするガスタービン13とが設置されている。ちなみに、上記貯槽10も、図2に示したものと同様の構成のもので、図では複数基設けられているもののうちの1基を示している。
【0020】
そして、この2次基地においては、気化器の前段の払出管11に、上記ガスタービン13の燃焼器14の入口における天然ガスの圧力が、充分な供給圧力となるようにLNGを昇圧する払出ポンプ15が設けられている。
また、気化器12a、12bにおいて気化された天然ガスは、それぞれの出口側配管16a、16bが合流接続された天然ガス供給管17から、上記燃焼器14の入口に導かれている。ここで、天然ガス供給管17には、ガスタービン13の負荷変動に対応するためのバッファタンク17aが介装されており、このバッファタンク17a内には、活性炭が充填されている。
【0021】
他方、これら気化器12a、12bにおいてLNGと熱交換する熱交換媒体は、2次基地に隣接する工場の冷凍設備(図示を略す。)における冷媒として循環供給されるようになっている。すなわち、上記冷凍設備からの戻りライン18に循環ポンプ19が設けられ、この循環ポンプ19の吐出側が一方の気化器12aに接続されている。さらにこの気化器12aの出口側配管20が、他方の気化器12bに接続され、当該気化器12bにおいてLNGとの熱交換により冷却された冷媒が冷媒供給管21から上記冷凍設備へと供給されるようになっている。
【0022】
ちなみに、上述した循環供給される上記冷媒としては、例えば上記冷凍設備において必要な冷媒温度が−20℃〜−30℃である場合にはメタノール等が、−10℃程度である場合にはエチレングリコール等が、さらに上記工場に数℃の冷水として供給する場合には水が好適に使用される。
そして、これら冷媒の熱源として、ガスタービン13の排気ガスを利用して排熱ボイラ22において発生し、供給管23から図示されない蒸気タービン又は工場の蒸気ヘッダーへと送られる蒸気の一部が使用されている。
【0023】
すなわち、冷媒の戻りライン18には、冷媒加熱器(熱交換器)24が介装され、この冷媒加熱器24に、蒸気の供給管23から枝配管された蒸気管25が導入されている。また、この蒸気管25は、気化器12bの出口側配管16bに介装された天然ガス昇温器26にも導入されている。そして、これら冷媒加熱器24および天然ガス昇温器26において熱交換することにより液化した蒸気は、給水管27から図示されないボイラ給水ラインへと戻されるようになっている。
【0024】
また、この2次基地においては、ガスタービン13の燃焼用空気を冷却するための吸気冷却器30が設けられている。そして、この吸気冷却器30への冷却熱源として、気化器12aを経た冷媒の出口側配管20からの枝配管31が導入されており、吸気冷却器30を経た冷媒は上記戻りライン18へと戻されるようになっている。他方、吸気冷却器30において冷却された燃焼用空気は、その供給管32からコンプレッサ33へと導かれている。なお、図中符合34は、発電機である。
【0025】
以上の構成からなるLNGの2次基地の構成は、コンバインドサイクルの発電所におけるガスタービン13への燃料供給用のものであるが、当該2次基地のLNG貯槽10から別途都市ガスを供給する場合には、図中点線で示す構成を増設することにより対応することができる。
この構成について説明すると、図中符合12cは、上記気化器12a、12bと同様の気化器であり、その熱源としては、冷媒加熱器24において蒸気により昇温された後の冷媒を、戻りライン18から枝配管することにより使用可能である。
【0026】
そして、この気化器12cにおいて気化された天然ガスは、BOGミキシングタンク40に導入され、貯槽10内で発生して適宜抜き出された蒸発ガス(BOG)とミキシングされ、さらに付臭設備41に送られて臭気が付与された後に、送ガスミキシングタンク42から都市ガス供給ライン43へと供給される。なお、図中符合44は、必要に応じてミキシングされるLPGガスの供給ラインであり、符合45はこれらのガスを混合するためのミキサである。
【0027】
以上の構成からなるLNGの2次基地においては、図示されないLNGの1次基地等から抜き出されたLNGが、ローリー2によって上記2次基地まで搬送され、受入管3から貯槽10内に取り入れられる。そして、貯槽10内のLNGをガスタービン13の燃料として使用する場合には、払出ポンプ15によってLNGをガスタービン13の燃焼器14入口における圧力が、供給圧力として充分な圧力となるように昇圧した上で、気化器12a、12bへと送る。そして、これら気化器12a、12bにおいて、循環供給される冷媒によって気化させ、一定量をバッファタンク17a内の活性炭に吸着保持させたうえで、使用量に応じて天然ガス供給管17から燃焼器14へと供給する。
【0028】
次いで、この燃焼器14において、上記天然ガスと、供給管32から導入されてコンプレッサ33により圧縮された空気とが混合・燃焼され、その燃焼ガスによってガスタービン13が回転駆動されることにより発電機34による発電が行われる。この際に、発電機34に負荷変動が生じて、短時間に天然ガスの使用量が増加した場合には、バッファタンク17a内の天然ガスが使用されることにより、上記負荷変動に追従する。また、当該燃焼によって生じた高温の排ガスは、後段の排熱ボイラ22に送られる。そして、この排熱ボイラ22において発生した蒸気が、供給管33から図示されない蒸気タービン又は工場の蒸気ヘッダーへと送られることにより、別途発電又は蒸気利用の工程に使用される。
【0029】
他方、排熱ボイラ22において発生した蒸気の一部は、供給管23に枝配管された蒸気管25から冷媒加熱器24へと送られ、戻り管18から戻された冷媒と熱交換する。そして、冷媒加熱器24において所定温度まで昇温された冷媒は、循環ポンプ19によって一方の気化器12aに送られ、上述したLNGの気化に使用される。次いで、上記気化器12aを経た冷媒は、その出口側配管20から他方の気化器12bへと送られて、同様にLNGの気化に使用される。このようにして、気化器12a、12bにおいてLNGと熱交換することにより低温となった冷媒は、冷媒供給管21から、上記2次基地に隣接する図示されない工場の冷凍設備における冷媒として供給され、再び戻りライン18から冷媒加熱器24へと循環される。
【0030】
この際に、気化器12bに供給される冷媒は、一方の気化器12aを経ることにより温度が低下しているために、当該気化器12bによって気化した後の天然ガスの温度も、一方の気化器12aを経た後の天然ガスの温度より低くなる。そこで、気化器12bを経た天然ガスについては、天然ガス昇温器26において、蒸気管25から供給される蒸気の一部により、気化器12aを経た天然ガスの温度とほぼ等しい温度まで昇温される。
以上のように冷媒や天然ガスと熱交換した後の蒸気あるいは水は、給水管27から別途排熱ボイラ22の給水ラインへと戻されて行く。
【0031】
また、夏季や特にその日中のような大気温度が高い時期には、気化器12aを経た冷媒の一部を、枝配管31から吸気冷却器30へ送り、ガスタービン13の燃焼用空気を冷却した後に、コンプレッサ33へと送る。これにより、ガスタービン13の効率化を図ることができる。ちなみに、空気冷却を必要としない季節や時間帯においては、枝配管31への冷媒の供給を止めたり、あるいは吸気冷却器30への冷媒配管にバイパスを設けて、当該冷媒を、吸気冷却器30を迂回させて戻りライン18へと戻す等により対応することが可能である。
【0032】
このように、上記構成からなるLNGの2次基地によれば、気化器12a、12bにおいてLNGを気化させる冷媒の昇温用熱源および後段の気化器12bを経た天然ガスの昇温用熱源として、発電用ガスタービン13の排ガスによって排熱ボイラ22で生成された蒸気を用いているので、空気を熱源として用いている従来のものと比較して、気化器12a、12bの小型化を図ることができるとともに、安価な熱源による効率的なLNGの気化を行うことができる。
また、図中点線で示したように、将来都市ガスを供給する基地として使用する場合にも、増設する気化器12cとして、上記気化器12a、12bと同様の小型のものを使用することができるため、小コスト化を図ることが可能となる。
【0033】
加えて、気化器12a、12bの前段に、ガスタービン13の入口における燃料ガスの圧力が供給圧力として充分な圧力となるように、貯槽10から抜き出したLNGを昇圧する払出ポンプ15を設けているので、従来のような高価なガスコンプレッサが不要になる。しかも、気化した天然ガスを圧縮するガスコンプレッサの消費動力よりも、LNGの状態で昇圧する払出ポンプ15の方が、消費動力が大幅に少なくなるために、上述した設備コストの低減化のみならず、発電効率の上場および運転コストの低減化も併せて達成することが可能になる。
【0034】
さらに、気化器12aの後段に、この気化器12aを経た冷媒によってガスタービン13への燃焼用空気を冷却する吸気冷却器30を設けているので、大気温度が高い時期に吸気冷却器30を作動させることにより、発電用ガスタービン13の効率化を図ることができる。この際に、冷媒を冷媒加熱器24において蒸気によって昇温させているので、吸気冷却器30へ送られる冷媒の温度を過度に低温にならないように調整することにより、吸気冷却器30の伝熱面で空気中の水分が凍結することにより空気冷却性能が低下する等の問題が生じることを未然に防止することができる。
【0035】
また、このLNGの2次基地においては、天然ガス供給管17に、ガスタービン13の負荷変動に応じた天然ガスの供給量の変動を吸収するバッファタンク17aを設け、かつこのバッファタンク17a内に、活性炭を充填しているので、上記活性炭による天然ガスの吸着作用によって、当該バッファタンク17aの容量を従来のものと比較して1/3程度に小型化することができる。
【0036】
さらに、冷媒を工場の冷凍設備の冷媒としても循環供給しているので、上記工場の冷凍設備において冷凍能力が不足する夏場においても、確実に所要の冷媒を確保することができ、よって当該工場における生産量の増加や冷凍機動力の低減化も併せて図ることができる。この際、特に上記2次基地においては、冷媒の流れ方向に沿って、気化器12a、12bを直列的に配置しているので、後段の気化器12bの出口においては低温の冷媒を得ることができる。このため、上記冷凍設備が−30℃といった低温の冷媒を必要とする場合においいても、容易にこれに対応することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3のいずれかに記載の低温液化ガスの2次基地によれば、低温液化ガスの気化器の熱源としてガスタービンの排ガスによって発生させた蒸気を使用することにより、上記気化器の小型化を図ることができるとともに、安価な熱源による効率的な低温液化ガスの気化を行うことが可能となる。
【0038】
また、請求項2に記載の発明によれば、気化器の前段に設けた払出ポンプによって、予め低温液化ガスを昇圧し、直接ガスタービンへと供給しているので、従来のような高価なガスコンプレッサが不要になって経済性に優れるとともに、気化したガスを圧縮するガスコンプレッサの消費動力よりも、液体の状態で昇圧する上記払出ポンプの消費動力の方が大幅に少なくて済むために、ガスタービン補機設備が省エネ型になり、発電効率も高くなるとともに、運転コストの低減化も図ることが可能になる。
【0039】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、上記気化器を経た冷媒によってガスタービンへの燃焼用空気を冷却する吸気冷却器を設けているので、大気温度が高い時期に上記吸気冷却器を作動させることにより、発電用ガスタービンの効率化を図ることができるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低温液化ガスの2次基地の一実施形態を示す構成図である。
【図2】従来の2次基地を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 貯槽
11 払出管
12a、12b、12c 気化器
13 ガスタービン
14 燃焼器
15 払出ポンプ
18 冷媒の戻りライン
21 冷媒供給管
22 排熱ボイラ
24 冷媒加熱器(熱交換器)
25 蒸気管
30 吸気冷却器
33 コンプレッサ
34 発電機
Claims (3)
- 低温液化ガスの貯槽と、この貯槽から抜き出された上記低温液化ガスを気化させる気化器と、この気化器において気化されたガスを燃料とするガスタービンとを備えた低 温液化ガスの2次基地において、
上記気化器において上記低温液化ガスを気化させる熱交換媒体の熱源として、上記ガスタービンの排ガスによって生成された蒸気を用いたことを特徴とする低温液化ガスの2次基地。 - 上記気化器の前段に、上記ガスタービンの入口における上記燃料ガスの圧力が当該ガスタービンへの供給に充分な圧力となるように、上記貯槽から抜き出した上記低温液化ガスを昇圧する払出ポンプを設けたことを特徴とする請求項1に記載の低温液化ガスの2次基地。
- 上記熱交換媒体は、上記気化器に循環供給される冷媒であり、かつ上記気化器の前段に、当該冷媒を上記蒸気によって昇温させる熱交換器を設けるとともに、上記気化器の後段に、当該気化器を経た上記冷媒によって上記ガスタービンへの燃焼用空気を冷却する吸気冷却器を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の低温液化ガスの2次基地。
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Cited By (3)
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JP2008232047A (ja) * | 2007-03-22 | 2008-10-02 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ガスタービン燃焼用空気の冷却システム |
JP2012063000A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | Lng気化設備 |
CN114876641A (zh) * | 2022-06-14 | 2022-08-09 | 西安热工研究院有限公司 | 一种利用lng气化冷能的燃气轮机进气冷却系统及其工作方法 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003094078A patent/JP2004301000A/ja active Pending
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