JP2000018049A - ガスタービン燃焼用空気の冷却システムおよび冷却方法 - Google Patents

ガスタービン燃焼用空気の冷却システムおよび冷却方法

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JP2000018049A
JP2000018049A JP10189020A JP18902098A JP2000018049A JP 2000018049 A JP2000018049 A JP 2000018049A JP 10189020 A JP10189020 A JP 10189020A JP 18902098 A JP18902098 A JP 18902098A JP 2000018049 A JP2000018049 A JP 2000018049A
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temperature
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air
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Yukihiro Yamamoto
幸弘 山本
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Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な設備で気温の高い電力需要のピーク時
にガスタービンの効率を上げ、軸出力を増加させること
ができて経済性に優れるとともに、燃焼用空気の過冷却
に基づいて着氷を生じる虞が無く、しかも既存のガスタ
ービンの燃焼設備に対しても容易に増設することが可能
となるガスタービン燃焼用空気の冷却システムおよびそ
の冷却方法を提供する。 【解決手段】 熱媒となる海水を供給する供給管2と熱
交換後の海水を排出する放水ライン6とが設けられ、低
温液化ガスを気化させる気化器1と、この気化器に海水
の供給管と切替可能に設けられて熱媒となる水を供給す
る供給ライン14と、気化器における熱交換によって冷
却された水を蓄える貯槽10と、この貯槽内の水をガス
タービンの燃焼用空気を冷却するための空気冷却器12
に冷媒として送る移送ライン13とを有する水の循環ラ
インと、この循環ラインにおける水の温度を制御する制
御手段とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンの燃
料用低温液化ガスを気化させることによって冷却された
水を利用して、ガスタービンの燃焼用空気を冷却するた
めの冷却システムおよび冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特に高効率と低公害性に優れるこ
とから、低温液化ガスの一種である液化天然ガス(以
下、LNGと略称する。)を燃料として使用するガスタ
ービンと、蒸気タービンとを組合わせたコンバインドサ
イクルを設置した発電所が数多く建設されている。この
ような発電用ガスタービンにおいて燃料として用いられ
るLNGは、メタンを主成分とする天然ガス(以下、N
Gと略称する。)を、搬送および貯蔵の便宜上、常圧下
で−162℃以下に冷却することにより液化したもので
あり、上記発電所において、海水を熱媒とするオープン
ラック式気化器等によって再びガス化したうえで上記ガ
スタービンの燃料として使用している。
【0003】ところで、上記ガスタービンにあっては、
出力は主として燃料流量、燃焼ガス温度および燃焼圧力
によって決定される。一方、燃焼用の空気は、ガスター
ビンおよび発電機と同軸の空気圧縮機で燃焼圧力以上ま
で昇圧される。この空気圧縮機は、上記発電機と同じ回
転数、すなわち一定回転で運転されるので、気温が低く
空気の密度が大きい時には、その特性上、当該空気圧縮
機における処理空気量を増加させることができ、この結
果発電サイクル処理量が増加して発電出力が向上するこ
とになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、従来の上記
発電用のガスタービンにあっては、発電所として最も需
要の大きい真夏の日中に、気温の上昇によって当該空気
圧縮機の軸動力が増加してしまい、この結果ガスタービ
ンの軸出力が低下してしまうという問題点があった。
【0005】このような問題点を解決するための一方策
として、電力需要のオフピーク時に冷凍機を使って冷熱
を氷蓄熱槽に蓄熱し、電力需要のピーク時に上記氷蓄熱
槽からの冷熱によってガスタービンの取入れ空気を冷却
する方法も提案されているが、当該方法にあっては、冷
凍機等の付帯装置が必要となって設備費の高騰化を招来
するという問題点がある。
【0006】また、他の方策として、LNG貯蔵設備の
LNGの冷熱を直接利用してガスタービンに取入れられ
る燃焼用空気を冷却することにより、上記ガスタービン
の出力を増大させる試みもあるが、LNGの気化温度が
−162℃と極めて低温であるために、直接冷熱源とし
て用いると、温度が低過ぎて空気中の水分が熱交換器の
伝熱面で凍結する等の問題が生じて取り扱いが難しいう
えに、さらに空気冷却器に高価な極低温材を使用しなけ
ればならないという問題点がある。加えて、LNG貯蔵
設備と発電設備とが遠く離れている場合には、ガスター
ビン冷却用のLNG冷熱を移送するための配管設備に多
大の費用を要するといった問題点がある。
【0007】そこで、これらの諸問題を解決し得るシス
テムとして、特願平8−37174号に見られるよう
な、高温側蓄冷槽に満たされた常温(約25℃)のエチ
レングリコール水溶液等を用いた不凍液を熱交換部に送
り、ガスタービンの燃料用LNGによって約−40℃に
まで冷却して低温側蓄冷槽に蓄えておき、大気温度が高
く電力需要が増大した時間帯に、上記低温側蓄冷槽内の
不凍液を空気冷却器に送ることにより、上記ガスタービ
ンの燃焼用空気を、上記空気冷却器において不凍液によ
って常温から10℃以下まで冷却するとともに、熱交換
部において不凍液と熱交換して気化されたNGを、ガス
タービンの燃料としてそのまま使用するガスタービン燃
焼用空気の冷却システムが提案されている。
【0008】このような空気冷却システムによれば、予
めガスタービンの燃料用LNGによって冷却して低温側
蓄冷槽に蓄えておいた不凍液を、大気温度が高く、かつ
電力需要がピークとなる時間帯に空気冷却器に送ってガ
スタービンの取入れ空気を冷却することができるため、
ガスタービンの出力を増大させるために充分な冷熱を確
保することができ、よって電力需要のピーク時にガスタ
ービンの軸出力を増加させることができる結果、上述し
た種々の問題点を解決することができる。
【0009】ところが、上記空気冷却システムにあって
は、熱交換部においてLNGによって約−40℃に冷却
した不凍液を、そのまま空気冷却器に送ってガスタービ
ンの燃焼用空気を常温から10℃以下まで冷却している
ため、空気冷却器において上記燃焼用空気が水蒸気の凝
固点(0℃)以下の温度で冷却されることになり、この
結果、当該空気冷却器の表面に着氷が生じて空気冷却性
能の低下が生じるという虞があった。
【0010】また、燃焼用空気の冷却に比較的高価な不
凍液を使用する必要があるうえ、システムの大型化に伴
って当該不凍液の使用料量も多くなるとともに、−40
℃程度まで冷却された不凍液を循環させるための配管に
高価な低温材を使用する必要も有り、このため設備費が
増大するという問題点もあった。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、簡易な設備で気温の高い電力需要のピーク時
にガスタービンの効率を上げ、軸出力を増加させること
ができて経済性に優れるとともに、燃焼用空気の過冷却
に基づいて着氷を生じる虞が無く、しかも既存のガスタ
ービンの燃焼設備に対しても容易に適用させることが可
能となるガスタービン燃焼用空気の冷却システムおよび
その冷却方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係るガスタービン燃焼用空気冷却システムは、ガスタ
ービンの燃料用低温液化ガスを気化させることによって
冷却された水を利用して、上記ガスタービンの燃焼用空
気を冷却するための冷却システムであって、熱媒となる
海水を供給する供給管と熱交換後の海水を排出する放水
ラインとが設けられ、低温液化ガスを気化させる気化器
と、この気化器に海水の供給管と切替可能に設けられ
た、熱媒となる水を供給する供給ラインと、気化器にお
ける熱交換によって冷却された水を蓄える貯槽と、この
貯槽内の水をガスタービンの燃焼用空気を冷却するため
の空気冷却器に冷媒として送る移送ラインとを有する水
の循環ラインと、この循環ラインにおける水の温度を制
御する制御手段とを備えてなることを特徴とするもので
ある。
【0013】ここで、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の制御手段が、上記移送ラインにおける水の温
度を検出する温度検出器と、この温度検出器からの検出
信号によって、上記水を昇温させる熱交換器とを備えて
なることを特徴とするものである。
【0014】次いで、請求項3に記載の本発明に係るガ
スタービン燃焼用空気の冷却方法は、大気温度が高くな
った際に、ガスタービンの燃料用低温液化ガスを気化さ
せる熱媒として気化器に供給されていた海水を水に切り
替え、上記低温液化ガスを水と熱交換させることにより
気化させ、これによって降温した水を空気冷却器に送っ
てガスタービンの燃焼用空気を冷却した後に、当該水を
再び気化器に循環供給することを特徴とするものであ
る。この際に、循環ラインにおける空気冷却器入出口の
水の温度差と、気化器での熱交換前後における水の温度
差が、ほぼ等しくなることが好ましい。
【0015】上述したように、発電用ガスタービンにお
いて燃料として用いられるLNGは、発電所において、
例えば海水を熱媒とするオープンラック式気化器によっ
てガス化されたうえでガスタービンの燃料として使用さ
れている。この際に、LNGと熱交換される海水は、熱
交換器の設計条件にもよるが、熱交換の前後において概
ね3℃程度の温度降下が生じる。そして、通常このよう
にして冷却された多量の海水は、そのまま放水路から再
び海に戻されている。
【0016】そこで、請求項1または2に記載の冷却シ
ステムおよび請求項3に記載の冷却方法は、上記気化器
において熱媒として使用される多量の海水における温度
降下に着目し、ガスタービン燃焼用空気を冷却してその
出力を上げたい時に、気化器に送る熱媒を、それまでの
海水から循環ラインに通じて供給される水に切り替え、
気化器において冷却された上記水を上記ガスタービン燃
焼用空気の冷却に利用したものである。
【0017】すなわち、上記気化器がオープンラック式
気化器のような海水を熱媒とするものである場合に、大
気温度が比較的低く、よってガスタービンの燃焼用空気
を冷却する必要が無い時期には、当該気化器において、
通常の通り供給管から送られてくる海水を熱媒としてガ
スタービンの燃料用低温液化ガスを気化させて上記ガス
タービンの燃料として使用し、他方熱交換後の海水はそ
のまま海に放水する。
【0018】そして、夏季のように、特に大気温度が高
く電力需要が高い時期には、上記気化器における熱媒と
して工業用水等の水を使用し、これを循環ラインに沿っ
て供給ライン→気化器→貯槽→移送ライン→空気冷却器
→供給ラインと循環させることにより、気化器における
熱交換によって降温した水でガスタービンの燃焼用空気
を冷却し、これによって昇温した水を再び気化器に循環
供給することにより、燃料用の低温液化ガスを気化させ
る。
【0019】また、夏季において、正午前後以外の時間
帯のようにガスタービン負荷が低い時には、制御手段に
よって移送ラインにおける水の温度、例えば空気冷却器
出入口における上記水の温度を制御することにより、ガ
スタービンの燃焼用空気を所望の温度まで冷却する。例
えば、請求項2に記載の発明によれば、上述した移送ラ
インにおける水の温度に基づいて、例えば気化器を経た
水の一部を空気冷却器からバイパスさせることにより、
空気冷却器へ送る水の量を低減化させて上記燃焼用空気
を適宜温度まで冷却する。しかしながら、この場合に、
気化器における水の降温分の冷熱は循環ライン内におい
て完全に費やされることが無く、このため循環ライン全
体を流れる水の温度が徐々に低下して、最終的には気化
器付近における水の凍結が起こり得る。その結果、燃料
用低温液化ガスを気化させるために充分な熱量が得られ
なくなる。そこで、上記水を供給ラインに介装された熱
交換器に送って昇温させたうえで、これを気化器に送
る。ここで、上記熱交換器における熱媒としては、通常
上記気化器に熱媒として供給される海水を使用すること
が可能であり、当該海水を用いた場合には、一層経済的
であるとともに、既存の設備を本システムに改造する際
にも、極めて容易になる。
【0020】このように、請求項1または2に記載の冷
却システムおよび請求項3に記載の冷却方法によれば、
燃焼用空気の冷却が必要となる大気温度が高い時間帯
に、気化器の熱媒をそれまでの海水から工業用水等の水
に切り替え、当該水を循環ラインに通して気化器におけ
る燃料用低温液化ガスの気化用の熱媒として用いるとと
もに、これによって冷却された上記水を空気冷却器に送
ることにより、ガスタービンの取入れ空気を冷却するこ
とができる。この結果、気温の高い電力需要のピーク時
に上記ガスタービンの効率を上げ、処理能力を向上させ
て軸出力を増加させることができる。
【0021】この際に、上記気化器において冷却された
水は、0℃以上であるために、空気冷却器表面において
着氷が発生して空気冷却性能が低下するといった虞がな
い。また、移送ラインの配管としても、高価な低温材を
使用する必要が無く、しかも不凍液も不要となるために
経済性に優れる。加えて、本発明においては、空気冷却
のための上記循環ラインに工業用水等の水が通されるた
めに、配管系に高価なライニング等を施す必要が無く、
経済的であるとともに、海水を熱媒とする気化器を有す
る既設の発電設備に対しても、簡易な設備の増設によっ
て、容易に本冷却システムに改造することが可能にな
る。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るガスタービ
ン用空気冷却システムを、発電用ガスタービンの燃料用
LNGの冷熱を利用して、上記ガスタービンの燃焼用空
気を冷却するためのシステムに適用した一実施形態を示
すものである。図1において、符号1は、ガスタービン
の燃料用LNGを気化させるためのオープンラック式気
化器(ORV)であり、符号2は、この気化器1に海水
ポンプ3によって汲み上げられた海水を熱媒として供給
する海水の供給管である。この気化器1は、多数のフィ
ン付電熱管からなるパネル内にLNGを流し、このパネ
ルの外面に供給管2から送られてくる海水を樋状のトラ
フ4から落下液膜として流すことにより、海水によって
LNGを気化させてNGにするもので、底部5には開閉
弁7を介して熱交換後の海水を再び海に放水するための
放水ライン6が接続されている。
【0023】また、気化器1の底部5には、別途開閉弁
8を介して戻り管9が配管されており、この戻り管9
は、工業用水(水)の貯槽10に導入されている。この
貯槽10には、工業用水の循環ポンプ11が設けられ、
この循環ポンプ11の吐出側に、上記貯槽10内の工業
用水を空気冷却器12に送る移送ライン13が接続され
ている。そして、空気冷却器12の出口側に、熱交換を
経た工業用水を再び気化器1に熱媒として供給するため
の供給ライン14の一端部が接続されており、当該供給
ライン14の他端部は、切替弁15を経て海水の供給管
2に接続されている。また、海水の供給管2の、供給ラ
イン14との接続部よりも上流側には、切替弁16が介
装されている。さらに、供給ライン14または戻り管9
に、循環水の戻り温度を検出するための温度検出器(図
示を略す。)が設けられている。
【0024】他方、上記移送ライン13および供給ライ
ン14には、空気冷却器12の出入口における工業用水
の温度を検出する温度検出器(図示を略す。)が設けら
れている。そして、移送ライン13には、この温度検出
器からの検出信号に基づいて、工業用水の一部をバイパ
スさせるための三方流量調整弁17およびバイパスライ
ン18が設けられている。なお、工業用水の流量が大き
く、上記三方流量調整弁17が得られない場合には、当
該三方流量調整弁17に代えて、移送ライン13および
バイパスライン18の双方に流量調整弁を設けてもよ
い。
【0025】また、上記供給ライン14には、空気冷却
器12における熱交換を経た循環水の一部をバイパスさ
せるための三方流量調整弁19およびバイパスライン2
0が設けられ、このバイパスライン20に工業用水を昇
温させるための熱交換器21が介装されている。なお、
上記三方流量調整弁19についても同様に、これに代え
て供給ライン14およびバイパスライン20の双方に二
方の流量調整弁を介装することにより、代替することが
可能である。そして、この熱交換器21に、熱媒として
海水の供給ライン2から開閉弁22を介して枝配管され
た海水ライン23が導入されている。
【0026】次に、以上の構成からなるガスタービン燃
焼用空気の冷却システムを用いた本発明に係る冷却方法
の一実施形態について説明する。先ず、夏季以外の大気
温度が比較的低く、このためガスタービンの燃焼用空気
を冷却する必要がない時期には、切替弁15および開閉
弁8,22を閉じるとともに切替弁16および開閉弁7
を開いて、オープンラック式気化器1に熱媒として海水
ポンプ3によって汲み上げられた海水を供給管2から供
給し、LNGを気化させる。そして、熱交換を行った後
の海水を、底部5から放水ライン6を介して、そのまま
海に放水する。
【0027】そして、夏季のような、大気温度が高く電
力需要が増大した時期には、気化器1における熱媒とし
て貯槽10に蓄えられている工業用水を使用し、この工
業用水によってLNGの気化と燃焼用空気の冷却とを行
う。すなわち、切替弁16および開閉弁7,22を閉じ
るとともに切替弁15および開閉弁8を開いて、循環ポ
ンプ11を運転することにより、貯槽10内の工業用水
を、循環ラインに沿って移送ライン13→空気冷却器1
2→供給ライン14→気化器1→貯槽10と循環させ
る。これにより、気化器1における熱交換によって降温
した工業用水の全量を空気冷却器12に送ってガスター
ビンの燃焼用空気を冷却し、これによって昇温した工業
用水を再び気化器1に循環供給することにより、燃料用
の低温液化ガスを気化させる。
【0028】また、夏季において、正午前後以外の時間
帯においては、気化器において冷却された工業用水の全
量を空気冷却器に送る必要が無いため、制御手段によっ
て移送ライン13および供給ライン14における工業用
水の温度を制御することにより、ガスタービンの燃焼用
空気を適宜温度に冷却する。本実施形態においては、温
度検出器によって検出された移送ライン13および供給
ライン14における工業用水の温度に基づいて、三方流
量調整弁17を制御し、気化器1を経た工業用水の一部
をバイパスライン18に流すことにより、空気冷却器1
2へ送る工業用水の量を低減化させて燃焼用空気を適宜
温度まで冷却する。
【0029】すると、上記バイパスライン18によって
空気冷却器12をバイパスした工業用水によって供給ラ
イン14を流れる工業用水の温度が徐々に下がって行
き、このような運用を連続して行った結果、気化器1付
近における凍結が起こり、その結果燃料用低温液化ガス
を気化させるために充分な熱量が得られなくなる。そこ
で、気化器1入口または出口における工業用水の温度に
基づいて、三方流量調整弁19を制御し、上記工業用水
の一部をバイパスライン20に流して熱交換器21に送
るとともに、開閉弁22を開いて、熱媒としての海水を
海水ライン23から上記熱交換器21に送ることによ
り、上記工業用水を昇温させる。そして、熱交換器21
によって昇温された工業用水と供給ライン14から送ら
れてくる工業用水とを気化器1に送ることにより、LN
Gを気化させ、この熱交換によって冷却された工業用水
を、戻り管9から再び貯槽10に送る。
【0030】このように、上記ガスタービン燃焼用空気
の冷却システムおよび冷却方法によれば、燃焼用空気の
冷却が必要となる大気温度が高い時間帯に、気化器1の
熱媒をそれまでの海水から工業用水に切り替え、この工
業用水を循環ラインに通して気化器1における燃料用低
温液化ガスの気化用の熱媒として用いるとともに、これ
によって冷却された工業用水を空気冷却器12に送るこ
とにより、ガスタービンの取入れ空気を冷却することが
できる。この結果、気温の高い電力需要のピーク時に上
記ガスタービンの軸出力を増加させることができる。
【0031】この際に、気化器1において冷却された工
業用水は、0℃以上であるために、空気冷却器12の表
面において着氷が発生して空気冷却性能が低下するとい
った虞がない。また、移送ライン12や供給ライン14
等の配管としても、高価な低温材を使用する必要が無
く、しかも不凍液も不要となるために経済性に優れる。
加えて、空気冷却のための循環ラインに工業用水を用い
ているので、配管系に高価な耐腐食性のライニング等を
施す必要が無く、経済的であるとともに、オープンラッ
ク式の気化器を有する既設の発電設備に対しても、簡易
な設備の増設によって、容易に本冷却システムに改造す
ることができる。
【0032】なお、上記実施の形態の説明においては、
全ての工業用水を循環ラインに通さない場合に、バイパ
スライン18,20を使用することによって、当該工業
用水の温度を制御する構成に付いてのみ説明したが、こ
れに限るものではなく、循環ラインの工業用水の温度が
低下して、気化器1付近での凍結のおそれが生じた際
に、別途気化器1に導入するLNGの量を制御するよう
にしても良い。
【0033】また、上記実施の形態においては、工業用
水の循環ラインに別途貯槽10を設け、気化器1の底部
5に流下した工業用水を、戻り管9を介して貯槽10に
送るようにしたが、これに限るものではなく、例えば図
2に示すように、気化器1の底部に一定の深さを有する
貯槽30を一体的に設け、海水使用時と工業用水使用時
に出口を切り替えることにより、気化器1をパネルに沿
って流下する工業用水をそのまま貯槽30に蓄えて、循
環ポンプ11によって移送ライン13に送るようにして
もよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1または2
に記載のガスタービン燃焼用空気の冷却システムおよび
請求項3に記載の冷却方法によれば、燃焼用空気の冷却
が必要となる大気温度が高い時間帯に、気化器の熱媒を
それまでの海水から工業用水等の水に切り替え、気化器
において冷却された水を循環ラインに通して空気冷却器
に送ることにより、ガスタービンの取入れ空気を冷却す
ることができるため、気温の高い電力需要のピーク時に
上記ガスタービンの軸出力を増加させることができる。
【0035】この際に、上記気化器において冷却された
水は、0℃以上であるために、空気冷却器表面において
着氷が発生して空気冷却性能が低下するといった虞がな
く、しかも空気冷却のための循環ラインに工業用水等の
水を使用しているために、配管系に高価なライニング等
を施す必要が無く、かつ不凍液も不要となるために経済
的であるとともに、海水を熱媒とする気化器を有する既
設の発電設備に対しても、簡易な設備の増設によって、
容易に本冷却システムに改造することができるといった
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービン用空気冷却システム
の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】図1のガスタービン用空気冷却システムの変形
例を示す要部の構成図である。
【符号の説明】
1 オープンラック式気化器 2 海水の供給管 6 海水の放水ライン 9 戻り管 10 工業用水の貯槽 11 工業用水の循環ポンプ 12 空気冷却器 13 移送ライン 14 供給ライン 15,16 切替弁 17,19 三方流量調整弁 18,20 バイパスライン 21 熱交換器 23 海水ライン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービンの燃料用低温液化ガスを気
    化させることによって冷却された水を利用して、上記ガ
    スタービンの燃焼用空気を冷却するための冷却システム
    であって、 熱媒となる海水を供給する供給管と熱交換後の上記海水
    を排出する放水ラインとが設けられ、上記低温液化ガス
    を気化させる気化器と、 この気化器に上記海水の供給管と切替可能に設けられ、
    熱媒となる水を供給する供給ラインと、上記気化器にお
    ける熱交換によって冷却された上記水を蓄える貯槽と、
    この貯槽内の上記水をガスタービンの燃焼用空気を冷却
    するための空気冷却器に冷媒として送る移送ラインとを
    有する水の循環ラインと、 この循環ラインにおける上記水の温度を制御する制御手
    段とを備えてなることを特徴とするガスタービン燃焼用
    空気の冷却システム。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記移送ラインにおけ
    る上記水の温度を検出する温度検出器と、この温度検出
    器からの検出信号によって、上記供給ラインに介装され
    て上記水を昇温させる熱交換器とを備えてなることを特
    徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼用空気の冷
    却システム。
  3. 【請求項3】 大気温度が高くなった際に、ガスタービ
    ンの燃料用低温液化ガスを気化させるための熱媒として
    上記気化器に供給されていた海水を水に切り替え、上記
    低温液化ガスを上記水と熱交換させることにより気化さ
    せ、これによって降温した上記水を空気冷却器に送って
    ガスタービンの燃焼用空気を冷却した後に、当該水を再
    び上記気化器に循環供給することを特徴とするガスター
    ビン燃焼用空気の冷却方法。
JP10189020A 1998-07-03 1998-07-03 ガスタービン燃焼用空気の冷却システムおよび冷却方法 Pending JP2000018049A (ja)

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