JPH09208929A - シールリングおよびそれの成形用組成物 - Google Patents

シールリングおよびそれの成形用組成物

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JPH09208929A
JPH09208929A JP34039396A JP34039396A JPH09208929A JP H09208929 A JPH09208929 A JP H09208929A JP 34039396 A JP34039396 A JP 34039396A JP 34039396 A JP34039396 A JP 34039396A JP H09208929 A JPH09208929 A JP H09208929A
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JP
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seal
weight
composition
ring
copolymer
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JP34039396A
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English (en)
Inventor
L Farley Michael
マイケル・エル・ファーレイ
H Johnson George
ジヨージ・エイチ・ジヨンソン
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Parker Hannifin Corp
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Parker Hannifin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールリングおよびそれの成形用組成物。 【解決手段】 第一表面とこの第一表面から離れて位置
する第二表面との間を流体が加圧下で流れるのを防止す
るシール。このシールを、ポリテトラフルオロエチレン
とパーフルオロプロピレンビニルエーテルのコポリマー
が約79−87重量%でポリイミドが約10−14重量
%で炭素繊維が約3−7重量%であるブレンド物を含む
組成物から成形するか或は他の様式で作成する。このシ
ールは、該第一表面と第二表面の間を通って流体が流れ
るのを防止するに有効なようにそれらの間に挿入可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は、幅広い意味で、変形が制御さ
れていて伸びおよび耐摩耗特性を有するシールリング
(seal rings)などの成形で用いるに適した
複合体材料に関する。
【0002】自動車の製造業者は、消費者の要求および
規制基準により、燃料効率の高い車およびトラックを製
造することに向けた趨勢に追い立てられ続けている。こ
れに関して、可能な場合はいつでも、より重い材料、例
えば鋼などはより軽い材料、特にアルミニウムおよびア
ルミニウム合金などに置き換えられている。このような
置き換えの結果として車は益々軽くかつ燃料効率が高く
なってきてはいるが、より軽い材料を用いて製造を行う
場合、自動車産業にシステムを供給している業者は挫折
し続けている。特に、アルミニウムおよびアルミニウム
合金などの如き材料で作られた部品は鋼で作られた相対
物に比較して相対的に柔らかい。従って、軸受け表面そ
してピストンおよびバルブなどの如き部品のハウジング
が回転または線形運動を受ける場合、これらは過剰な摩
耗を受け易い。
【0003】例えば、車およびトラックのパワーステア
リングシステムの場合、流体圧力がバルブなどの口(こ
れは相当するハウジング内でスプール状になっている)
を通して種々のシステム構成要素に入り込む可能性があ
る。このようなバルブには典型的にピストンヘッドが備
わっており、このピストンヘッドは、バルブのハウジン
グ、即ち本体の内部穴内を軸方向に往復そして/または
半径方向に回転する。外側周囲表面を有するように作ら
れているピストンヘッドと穴は、このピストンヘッドの
動きを受け入れる前以て決めた間隙をそれらの間に与え
るような寸法になっている。そのピストンヘッドとハウ
ジングの間を通って流体が漏れないようにする目的で通
常そのピストンヘッドの外側表面は周囲に溝を含むよう
に装備されており、その溝の中に一般に環状のシールが
取り付けられる。このようなシールリング(これは通常
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料で作られ
ている)は、ピストンヘッドの外側表面とシリンダー穴
の内側表面の間で半径方向に圧縮されて、それらの間に
流体密封かみ合い(fluid sealingeng
agement)が生じる。
【0004】しかしながら、本明細書に関係する種類の
シールリングは軸方向の力および他の力を受け、それが
原因で、環が変形してピストンの外側表面とシリンダー
穴の内側表面の間に存在する空間の中にはみ出す可能性
があることを観察した。このような変形が生じると最終
的にシールの流体保全が影響を受けることから、満足さ
れる長期性能を達成するにはそのような変形を起こさせ
てはならない。上記PTFEマトリックスに補強材、例
えばガラス繊維、炭素繊維およびグラファイトなどを加
えることでそのような変形を制御しようとする試みが成
されたが、しばしば、ガスケットをピストンヘッドなど
の上に破壊なしに取り付けるに必要な破壊パーセント伸
びが犠牲になっていた。更に、特に自動車用途で現在好
まれている、より軽くてより柔らかいアルミニウムおよ
びアルミニウム合金材料に関して、本技術分野で今まで
知られていたPTFEを基とするシール材料および複合
体を用いると、軸受け表面に過剰な摩耗が生じることを
観察した。再び、そのような摩耗が起こるとシールの流
体保全が危うくなり、そして最終的にバルブまたは他の
部品からの漏れが起こる。
【0005】日本特許第1,658,636号には、シ
ールおよび軸受け部分の成形で用いるための複合体材料
が記述されており、それは、PTFE樹脂粉末を55−
89重量%、耐熱性ポリオキシベンゾイルポリエステル
樹脂粉末を10−35重量%および炭素繊維粉末を1−
10重量%組み合わせたものから作られている。日本特
許第5,262,976号には、30−78重量%量の
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、
ポリエーテルケトンまたは全芳香族熱可塑性ポリイミド
樹脂、10−45重量%量の炭素繊維および2−25重
量%量の四塩化エチレンの中に粉末状のタルク、炭酸カ
ルシウムまたは硫酸カルシウムが10−40重量%の量
で分散している樹脂組成物で作られている油用シリンダ
ーが記述されている。米国特許第5,168,895号
には改質PTFE材料で作られたシーリングリングが開
示されている。米国特許第5,173,188号には、
炭素で補強されていてPTFE粉末が内部滑剤として入
っている耐温性(temperature resis
tant)熱硬化性ポリイミド樹脂(E.I.duPo
nt de Nemours & Co.,Inc.、
Wilmington、DEのVespel(商標)タ
イプSP−211)で作られた半硬質のステムシールが
開示されている。日本特許第6,129,538号に
は、ポリイミド樹脂を添加したPTFE樹脂と固体状滑
剤のマトリックスで作られたシーリングデバイスが記述
されている。米国特許第3,808,130号には自己
潤滑性の軸受けが記述されており、それは、限定された
固体状無機潤滑剤とエポキシ樹脂とパーフルオロアルキ
レンポリマー、例えばPTFEなどを混合した後に冷成
形技術および加熱サイクルを受けさせることで製造され
ている。カナダ特許第1,322,747号には、金属
ベース層とこのベース層に直接付着しているパーフルオ
ロアルキルビニルエーテルとPTFEのコポリマーの層
を有する多層のスライディングベアリングが開示されて
いる。
【0006】上述した引用はシールおよびそれの組成物
に関して今までは最新技術を構成していたが、重量が比
較的軽い材料、例えばアルミニウムおよびアルミニウム
合金などを伴う用途で用いるに適するように継続して改
良したシールが自動車産業に充分に受け入れられるであ
ろうことは理解されるであろう。好適なシールおよび組
成物は伸びパーセントと耐摩耗性と被制御変形特性の輻
合(convergence)を表すであろう。更に、
好適なシールは、流体の温度および圧力が高い厳しい運
転環境内で長期間に渡って炭化水素への接触に耐える能
力を有していなければならない。
【0007】
【発明の幅広い説明】本発明は、変形が制御されていて
伸びおよび耐摩耗特性を示す複合体材料およびそれから
成形したか或は他の様式で作成したリング、パッキング
および他のシールなどに向けたものである。本発明のシ
ールは、このような特性の輻合から、軸受け表面が比較
的柔らかいことを伴う用途(他の組成物から作られたシ
ールを用いると過剰な摩耗を受け易い)で用いるに特に
適合している。
【0008】従って、本発明の特徴は、第一表面とこの
第一表面から離れて位置する第二表面との間を流体が加
圧下で流れるのを防止するシールを提供することにあ
る。このシールは、該第一表面と第二表面の間に挿入可
能であり、そしてこれは、ポリテトラフルオロエチレン
とパーフルオロプロピレンビニルエーテルのコポリマー
が約79−87重量%でポリイミドが約13−17重量
%で炭素繊維が約3−7重量%であるブレンド物を含む
組成物から成形したものである。
【0009】本発明のさらなる特徴は、第一表面とこの
第一表面から離れて位置する第二表面との間を流体が加
圧下で流れるのを防止する方法を提供することにある。
ポリテトラフルオロエチレンとパーフルオロプロピレン
ビニルエーテルのコポリマーが約79−87重量%でポ
リイミドが約13−17重量%で炭素繊維が約3−7重
量%であるブレンド物を含む組成物からシール部材を成
形するか或は他の様式で作成する。次に、このシール部
材を、該第一表面と第二表面の間を通って該流体が流れ
るのを防止するに有効なようにそれらの間に挿入する。
【0010】本発明のさらなる特徴は成形可能組成物を
提供することにある。この組成物は、ポリテトラフルオ
ロエチレンとパーフルオロプロピレンビニルエーテルの
コポリマーが約79−87重量%でポリイミドが約10
−14重量%で炭素繊維が約3−7重量%であるブレン
ド物である。
【0011】本発明の利点は、はみ出しおよび他の変形
に耐えるがまた軸受け面または合わせ面が比較的柔らか
くてもそれらに過剰な摩耗を生じさせないシールリング
部材を提供することを包含する。本発明の追加的利点
は、ピストンヘッドなどの上に破壊なしに取り付けるこ
とを容易にする伸び特性を示しかつ流体の温度および圧
力が高い厳しい運転環境内で長期間に渡って炭化水素へ
の接触に耐える能力を有するシールを提供することを包
含する。上記および他の利点は本明細書に含める開示を
基にすることで本分野の技術者に容易に明らかになるで
あろう。
【0012】本発明の特徴および目的の理解をより深め
る目的で添付図に関連させて示す下記の詳細な記述を参
考にすべきである。
【0013】
【発明の詳細な記述】本図(ここでは、相当する参照符
号は相当する構成要素を表す)を参照して、従来技術に
従う代表的なシールリングアセンブリを図1に一般的に
10で示す。アセンブリ10には環状のシールリング1
2が含まれていてピストンヘッド16の周囲溝14内に
取り付けられており、これらは全部一般に円柱形で、1
7で示す中心軸線に関して対称的である。円柱形の外側
周囲表面18を持つように作られているピストンヘッド
16は、バルブのハウジング、即ち本体22の内部穴
(20で示される)内で軸方向に往復運動しそして/ま
たは半径方向に回転するに適した構造になっている。ピ
ストンヘッド16および穴20は、それぞれ、ピストン
ヘッド16の外側表面18とバルブハウジング22の穴
20の内側表面26との間に前以て決めた間隙、即ちギ
ャップ(24で示される)を与えるような大きさであ
る。本明細書で用いる如き言葉「ピストンヘッド」は、
外側周囲表面を有する如何なる部材も包含し、これに
は、これらに限定するものでないが、シリンダーまたは
バルブスプールなどが含まれる。
【0014】シールリング12(これは、従来、充填さ
れたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料など
で作られていた可能性がある)は、表面18と26の間
に流体密封かみ合いが生じるように半径方向に圧縮され
る。このような構造配置の場合、シールリング12は、
ピストンヘッド16が穴20の中を動くことで生じる特
定の軸方向力を受ける。時間が経つと、このような力
は、リング12の一部(28で示される)がギャップ2
4の中にはみ出すような度合にまでリング12を変形さ
せることが観察される。このようなはみ出しの度合は、
シール12を形成している組成物が荷重下で示す変形お
よび他の材料特性に関係する。シール12の変形は、ま
た、図2の30で示す状態として明らかになり得る。両
方の場合とも最終的にそのシールの流体保全が危うくな
り得る。
【0015】従来技術で今まで知られていたPTFEシ
ールでは、それが荷重下で示す変形性能が比較的劣って
いることに応じて、典型的に、配合に入れる充填材(こ
れはガラスまたは炭素繊維であり得る)のレベルを高く
するか或は通常のPTFEより堅いマトリックス樹脂を
選択することが探求されてきた。しかしながら、今まで
のところ、荷重下の変形特性に関する改良はいずれも、
それらから作られたシールまたはガスケットを破壊なし
に取り付けるに必要な破壊伸びパーセントが犠牲になっ
ていた。更に、特により軽い構造材料、例えばアルミニ
ウムおよびアルミニウム合金などに関して、通常の組成
を有するPTFEシールを用いると、その合わせ面に過
剰な摩耗が起こることを観察した。このような摩耗を図
3に32で図式的に示しかつより詳細に図4に示し、こ
こでは、シール12の軸受け部に過剰な摩耗が起こった
ことを示す表面のでこぼこが生じたとしてシリンダーハ
ウジング22の内側表面26を示す。再び、時間が経つ
と最終的にシールの流体保全が危うなり得る。
【0016】従って、アルミニウムなどで出来ている柔
らかな軸受け表面を伴う用途では被制御変形と伸びと耐
摩耗性が輻合していることが好ましく、それにはPTF
Eを基とするシールが望ましいとされていたことから、
今までのところ、シールリング用組成物に関して他の配
合の追随を許さなかった。しかしながら、予想外に、P
TFEとパーフルオロプロピレンビニルエーテル(PP
VE)のコポリマーが約79−87重量%でポリイミド
が約10−14重量%で炭素繊維が約3−7重量%であ
るブレンド物が好ましい特性を示す成形用組成物を与え
ることを見い出した。このような組成物から成形したシ
ールリングは、その他の通常の組成物から作られたシー
ルを用いた場合には合わせ面が過剰な摩耗を受け易いア
センブリで用いるに特に適合することを見い出した。本
発明のシールリング成形用組成物の好適な配合にPPV
E改質PTFEを約83重量%、ポリイミドを約12重
量%および炭素繊維を約5重量%含める。
【0017】本発明のシールリング用組成物に含めるコ
ポリマーは、好適には、PTFE重合中にPPVEを約
0.1重量%添加することで改質を受けさせたPTFE
である。このPPVEコモノマーを添加すると上記コポ
リマーの分子量は小さくなるが結晶度はそれに相当して
高くならないことを観察した。このようにコポリマーの
分子量が低くなることから鎖が分枝するに伴って非晶質
領域の体積パーセントが大きくなり得る。このコポリマ
ーの非晶質相と鎖分枝が増加すると熱機械的性能が向上
することを観察した。好適な種類のコポリマー類は、H
oechstCelanese Corp.、Chat
ham、NJが商標HOSTAFLONR TFM 1
700の下で市販している。上記コポリマー類は例外的
な耐薬品性を示しかつ600%を越える破壊伸びを示す
ことが知られており、このことから、これらはシールお
よびガスケット用途で用いるに特に魅力的である。しか
しながら、それらの引張り強度、耐摩耗性および耐クリ
ープ性は、PTFEを基とする材料と同様に、他のエン
ジニアリング熱可塑材に比較して一般に劣る。
【0018】従って、上述したPPVE改質PTFEの
シールリング成形用組成物の場合、さらなる配合を行わ
ないと、シールおよびガスケットは典型的にさらされる
高温高圧の比較的厳しい環境内でそれらが示すクリープ
変形(creep deformation)は満足さ
れるほどでないであろうと予測された。従って、この改
質PTFEマトリックスに熱可塑性ポリイミドを約10
−14%添加する。好適なポリイミドは、芳香族二無水
物と芳香族ジアミンの重縮合反応で生じるポリイミドで
あり、Lenzing USA Corp.、ダラス、
テキサス州が商標P84で市販している。本明細書に伴
う種類のポリイミド類は卓越した高温耐性、高いじん
性、および高温荷重下の変形に対して高い抵抗力を示す
ことが知られている。しかしながら、このような材料が
示す伸びは約7−10%のみであるが、本発明の改質P
TFEと一緒にブレンドすると、有利に、少なくとも約
50%の伸びを示す組成物がもたらされ、このような伸
びは大部分のシールリング用途で満足される値である。
【0019】更に、この改質PTFEマトリックスに充
填材または補強材である炭素繊維を約3−7重量%添加
する。この炭素繊維充填材を添加すると、軸受け表面の
過剰な摩耗が促進されることなくかつ該組成物がシール
リング用途で示す性能が影響を受ける度合にまで引張り
強度および伸びパーセントが低下することなく、該組成
物の変形および耐摩耗性が改良される。この炭素繊維充
填材はピッチを基とするか或はポリアクリロニトリル
(PAN)を基とする炭素繊維であってもよく、これ
は、直径が約0.013mmで長さが約1mm未満にな
るように細断したか或は製粉した炭素またはグラファイ
トグレードの繊維として供給可能である。しかしなが
ら、長さが約0.10−0.70mmの繊維が好適であ
ると考える。好適な種類のピッチを基とする充填材は、
Donac Co.,Ltd.、日本が商標DONAC
ARBOR SG 241の下で市販している。
【0020】従って、記述した如く配合した本発明の成
形用組成物は物性、例えば伸びパーセント、被制御変形
および耐摩耗性などの相乗的輻合性(これは今までの従
来技術では得られなかった)を示すことが理解されるで
あろう。本発明の組成物に含める成分をブレンドして均
一な混合物にしてもよい。また、乾式もしくは湿式混合
技術を用いて上記成分を凝集させて粒状にしてもよい。
例えば、タンブルミキサーを用いて上記成分を予めブレ
ンドした後、これをミルにかける(milled)こと
ができる。自動成形加工などで、自由流れする材料が望
まれている場合、そのブレンドした成分を湿潤用溶液に
分散させ、その溶液を約300℃(575度F)の温度
で蒸発させてその材料をペレット状にし、約18メッシ
ュのふるいを通過し得る粒子にしてもよい。
【0021】一般に環状の構造を有するシールリングに
加工する場合、そのブレンドした組成物の成形を行っ
て、選択した内径と外径を有する一般に管状のスリーブ
プレフォーム(sleeve pre−form)にし
てもよい。これに関して、通常の自動圧縮成形技術また
は他の技術を用いて上記材料の圧密化を約6,000−
24,000psiの圧力下で行ってもよい。上記スリ
ーブプレフォームの中を通る圧力伝達が均一に起こるの
を確保する目的で、上記圧力を約6−12秒間のドエル
時間保持してもよい。圧縮後に生じる「生」プレフォー
ムの焼結を約370℃(700度F)の温度のコンベヤ
またはバッチ式オーブン内で約90分間行ってもよい。
この熱処理条件を選択することにより、該材料のヒステ
リシス、即ち「スナップバック(snap−bac
k)」特性が充分になるようにこの材料の結晶度を調節
する。
【0022】このようにして成形した焼結スリーブを旋
盤で切断してシールリング(これの代表例を図5に50
で示す)にした後、精密な厚み、即ち軸幅が得られるよ
うに、それをダブルディスク研磨(double−di
sk ground)してもよい。例えば、約1.5m
mの半径方向断面、約36mmの外径および約1.9m
mの厚み、即ち軸幅を持たせるように、シール50の成
形を行ってもよい。図6に52で示すように(ここでは
シール50を断面図で示す)、好適にはシール50の縁
を丸くして(radiused)、その地点に応力が集
中する度合を低くする。これに関して、シール50にス
ラリータンブルを受けさせる(slurry tumb
led)ことで、所望の半径を持たせるようにその縁を
丸くしてもよい。この上に記述した「スリーブアンドス
ライス(sleeve andslice)」成形操作
圧縮成形技術の代替として、シール50を正味の成形部
品として製造することも可能である。また、別法とし
て、シール50では他の断面構造、例えば円形またはO
リング、U字型、V字型または他の如何なる所望形状も
考えられ得る。
【0023】第一表面とこの第一表面から離れて位置す
る第二表面との間を流体が加圧下で流れるのを防止する
目的でシール50を用いることができる。これに関し
て、図1のピストンヘッド16の如き構成要素の上にシ
ール50を取り付けることができる。取り付け部を先が
細くなっている円錐形にするとピストンヘッド16の如
き構成要素の回りにシール50を取り付けるのが容易に
なることを確認した。本明細書の上に詳述したのと実質
的に同様にして加工したシールは例えばピストンヘッド
16の溝14などの中に保持され得るに充分なヒステリ
シス、即ち「スナップバック」を示すことを観察した。
それとは対照的に、PTFEを基とする他のシール組成
物は本発明の組成物が有する物性輻合を有さないことか
ら、取り付け中に非弾性変形を示すことを観察した。こ
のような変形が起こると、その部分の組み立てが妨害さ
れることに加えてまたその組み立て物の流体保全が危う
くなる。
【0024】以下に示す実施例は本発明の教示を例示す
るものであり、制限の意味で解釈されるべきでない。
【0025】
【実施例】実施例1 本発明の教示を実証する目的で本発明に従うシールリン
グ成形用組成物を調製した。これに関して、予めPTF
E/PPVEコポリマー(PPVEを約0.1重量%用
いて改質を受けさせたPTFE、HOUSTAFLON
(商標)TFM1700、Hoechst Celan
ese Corp.、Chatham、NJ)を約83
重量%、ポリイミド(芳香族二無水物と芳香族ジアミン
を重縮合させたもの、Lenzing USA Cor
p.、ダラス、TX)を約12重量%、およびピッチを
基とする炭素繊維(繊維の長さが約1mm未満になるよ
うに製粉したもの、DONACARBO(商標)SG
241、Donac Co.,Ltd.、日本)を約5
重量%ブレンドすることで、本発明の組成物のマスター
バッチを調製した。この材料をタンブラーにかけ(tu
mbled)て製粉することで均一な混合物を生じさせ
た後、圧縮成形および焼結を行って、シートストック
(sheet stock)を生じさせた。このシート
ストックから調製したサンプルクーポン(sample
coupons)に物性試験を受けさせ、その結果を
表1に要約する。
【0026】
【表1】
【0027】1 Koyo Seiko Co.Eng
r.Spec. 本発明の複合体材料は被制御変形、伸びおよび耐摩耗性
を含む物性の有利な輻合を有することを、上記結果は実
証している。
【0028】実施例2 実施例1に関連して記述した如く配合した本発明の組成
物から代表的なシールを成形して物性試験を行った。こ
の組成物を一般に管状のプレフォームに圧縮成形した
後、焼結を受けさせ、そして軸幅が約1.9mmで内径
が約34mmのOリングに切断した。このOリングを伸
び引張り試験機にかけて50mm/分の荷重率で引っ張
った。荷重および破壊伸びの両方を測定し、下記の結果
を記録した。
【0029】
【表2】
【0030】この上の表に示した結果は、本発明のOリ
ングシールはこれを例えばピストンヘッドの周囲溝内な
どに取り付けることを可能にするに充分なヒステリシス
を示すことを実証している。
【0031】実施例3 実施例2に関連して記述した如く加工したOリングシー
ルを炭化水素流体、即ちパワーステアリング流体/オイ
ルにさらすことで運転環境試験を行った。このシールを
代表的なオイル2種に浸漬した後、選択した物性の変化
を浸漬時間の関数として測定した。その結果を表3に要
約する。
【0032】
【表3】
【0033】本発明のシールは炭化水素暴露に長期間耐
え得ることを上記結果は実証している。
【0034】本発明では本明細書に伴う教示から逸脱し
ない限り特定の変更を成し得ると考えられ、この上に示
した記述が包含する事項は全部例示であり制限の意味で
ないと解釈されるであろうことを意図する。本明細書で
引用した文献は引用することによって本明細書に明らか
に組み入れられる。
【0035】本発明の特徴および態様は以下のとうりで
ある。
【0036】1. 第一表面と上記第一表面から離れて
位置する第二表面との間を流体が加圧下で流れるのを防
止するシールであって、上記シールが上記第一表面と第
二表面の間に挿入可能でありそしてポリテトラフルオロ
エチレンとパーフルオロプロピレンビニルエーテルのコ
ポリマーが約79−87重量%でポリイミドが約10−
14重量%で炭素繊維が約3−7重量%であるブレンド
物を含む組成物で作られているシール。
【0037】2. 上記第一表面が一般に円柱形の穴を
限定しておりそして上記第二表面が上記穴内に受け入れ
られる一般に円柱形の部材を限定しており、ここで、上
記シールが一般に環状物として作られている第1項のシ
ール。
【0038】3. 上記円柱形部材が上記穴の中を動き
得る第2項のシール。
【0039】4. 上記組成物が本質的に上記コポリマ
ーを約83重量%、上記ポリイミドを約12重量%およ
び上記炭素繊維を約5重量%含む第1項のシール。
【0040】5. 少なくとも約50%の伸びパーセン
トを示す第1項のシール。
【0041】6. 上記第一表面がアルミニウムまたは
アルミニウム合金で作られている第1項のシール。
【0042】7. 上記コポリマーがパーフルオロプロ
ピレンビニルエーテルを約0.1重量%含む第1項のシ
ール。
【0043】8. 上記炭素繊維が約1mm以下の長さ
を有する第1項のシール。
【0044】9. 第一表面と上記第一表面から離れて
位置する第二表面との間を流体が加圧下で流れるのを防
止する方法であって、(a)ポリテトラフルオロエチレ
ンとパーフルオロプロピレンビニルエーテルのコポリマ
ーが約79−87重量%でポリイミドが約10−14重
量%で炭素繊維が約3−7重量%であるブレンド物を含
む組成物からシール部材を成形し、そして(b)上記第
一表面と第二表面の間を通って上記流体が流れるのを防
止するに有効なように上記シール部材をそれらの間に挿
入する、段階を含む方法。
【0045】10. 上記第一表面が一般に円柱形の穴
を限定しておりそして上記第二表面が上記穴内に受け入
れられる一般に円柱形の部材を限定しており、ここで、
上記シールを一般に環状部材として成形する第9項の方
法。
【0046】11. 上記円柱形部材が上記穴の中を動
き得る第10項の方法。
【0047】12. 上記段階(b)の組成物に本質的
に上記コポリマーを約83重量%、上記ポリイミドを約
12重量%および上記炭素繊維を約5重量%含める第9
項の方法。
【0048】13. 上記段階(b)で成形したシール
が少なくとも約50%の伸びパーセントを示す第9項の
方法。
【0049】14. 上記第一表面がアルミニウムまた
はアルミニウム合金で作られている第9項の方法。
【0050】15. 上記コポリマーにパーフルオロプ
ロピレンビニルエーテルを約0.1重量%含める第9項
の方法。
【0051】16. 上記炭素繊維に約1mm以下の長
さを持たせる第9項の方法。
【0052】17. 成形可能組成物であって、ポリテ
トラフルオロエチレンとパーフルオロプロピレンビニル
エーテルのコポリマーが約79−87重量%でポリイミ
ドが約10−14重量%で炭素繊維が約3−7重量%で
あるブレンド物を含む組成物。
【0053】18. 上記コポリマーを約83重量%、
上記ポリイミドを約12重量%および上記炭素繊維を約
5重量%含む第17項の組成物。
【0054】19. 成形時に少なくとも約50%の伸
びパーセントを示す第17項の組成物。
【0055】20. 上記コポリマーがパーフルオロプ
ロピレンビニルエーテルを約0.1重量%含む第17項
の組成物。
【0056】21. 上記炭素繊維が約1mm以下の長
さを有する第17項の組成物。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に従うバルブリングシールアセンブリ
の部分断面図であり、ここでは、上記アセンブリのピス
トンヘッドとシリンダー穴の間に作られるギャップの中
にそれのシールリングがはみ出しているとしてこれを示
す。
【図2】従来技術に従うバルブリングシールアセンブリ
の部分断面図であり、ここでは、上記アセンブリのピス
トンヘッドとシリンダー穴の間に作られるギャップ内で
それのシールリングが変形しているとしてこれを示す。
【図3】従来技術に従うバルブリングシールアセンブリ
の部分断面図であり、ここでは、上記アセンブリのシリ
ンダー穴の内壁が過剰な摩耗を示すとしてこれを示す。
【図4】図3のシリンダー穴の内壁を拡大して詳細に示
す部分断面図である。
【図5】本発明の概念に従って加工した代表的バルブリ
ングシールの透視図である。
【図6】図5の線6−6(この線はシールの縦軸に垂直
である)を貫くように取った図5のバルブリングシール
の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16J 15/18 F16J 15/18 A //(C08L 27/18 79:08)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一表面と上記第一表面から離れて位置
    する第二表面との間を流体が加圧下で流れるのを防止す
    るシールであって、上記シールが上記第一表面と第二表
    面の間に挿入可能でありそしてポリテトラフルオロエチ
    レンとパーフルオロプロピレンビニルエーテルのコポリ
    マーが約79−87重量%でポリイミドが約10−14
    重量%で炭素繊維が約3−7重量%であるブレンド物を
    含む組成物で作られているシール。
  2. 【請求項2】 第一表面と上記第一表面から離れて位置
    する第二表面との間を流体が加圧下で流れるのを防止す
    る方法であって、(a)ポリテトラフルオロエチレンと
    パーフルオロプロピレンビニルエーテルのコポリマーが
    約79−87重量%でポリイミドが約10−14重量%
    で炭素繊維が約3−7重量%であるブレンド物を含む組
    成物からシール部材を成形し、そして(b)上記第一表
    面と第二表面の間を通って上記流体が流れるのを防止す
    るに有効なように上記シール部材をそれらの間に挿入す
    る、段階を含む方法。
  3. 【請求項3】 成形可能組成物であって、ポリテトラフ
    ルオロエチレンとパーフルオロプロピレンビニルエーテ
    ルのコポリマーが約79−87重量%でポリイミドが約
    10−14重量%で炭素繊維が約3−7重量%であるブ
    レンド物を含む組成物。
JP34039396A 1995-12-08 1996-12-06 シールリングおよびそれの成形用組成物 Pending JPH09208929A (ja)

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US60/008371 1995-12-08

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001031237A1 (fr) 1999-10-21 2001-05-03 Daikin Industries, Ltd. Bague d'etancheite
WO2002053446A1 (fr) 2000-12-28 2002-07-11 Daikin Industries, Ltd. Anneau d'etancheite et soupape de servodirection equipee de l'anneau d'etancheite
JP2006283898A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Ntn Corp シールリング用樹脂組成物および樹脂製シールリング
JP2017096617A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 宜諾工程股▲分▼有限公司 熱交換器
CN114933771A (zh) * 2022-05-25 2022-08-23 济南赛诺富隆新材料有限公司 一种高温耐磨材料及其制备方法与应用
CN115216098A (zh) * 2022-08-24 2022-10-21 宁波量子密封有限公司 一种耐干磨聚四氟乙烯材料及其制备方法、检测方法和检测装置

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