JPH09208847A - メラニン/無機酸化物複合体 - Google Patents

メラニン/無機酸化物複合体

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JPH09208847A
JPH09208847A JP1488296A JP1488296A JPH09208847A JP H09208847 A JPH09208847 A JP H09208847A JP 1488296 A JP1488296 A JP 1488296A JP 1488296 A JP1488296 A JP 1488296A JP H09208847 A JPH09208847 A JP H09208847A
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melanin
inorganic oxide
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oxide composite
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JP1488296A
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Yoichiro Arai
陽一郎 新井
Yoichiro Takekoshi
与一郎 竹越
Kenji Torii
研志 鳥居
Hiroshi Kato
寛 加藤
Noboru Ishibashi
昇 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性が高く,優れた紫外線吸収能や抗酸化
能を持つメラニン含有化粧料を提供する。 【解決手段】 メラニンが分散された無機酸化物の相と
その表面を被覆するメラニンが分散されていない相とを
有するメラニン/無機酸化物複合体および該メラニン/
無機酸化物複合体を含有する化粧料に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収能およ
び抗酸化能を有するメラニン/無機酸化物複合体に関す
る。さらに詳しくは、無機酸化物の屈折率の調節が可能
で、皮膚に極めて類似した色調を有し、色むらを起こさ
ないなどの特徴を有する化粧料に好適なメラニン/無機
酸化物複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線遮断剤は、人間の皮膚にとって有
害な紫外線を吸収、散乱させる目的で化粧料に配合され
る。化粧料用の紫外線遮断剤としては、一般にチタニ
ア、酸化亜鉛などの無機顔料、あるいはパラアミノ安息
香酸誘導体、ケイ皮酸誘導体などの有機系紫外線吸収剤
が用いられている。無機顔料を配合した化粧料は、安全
性の点で優れているが、屈折率が他の化粧料成分と異な
るため透明感がなく自然の肌の色からかけ離れたものと
なることが多い。このため、色を調整するために有機顔
料が併用されている。有機系紫外線吸収剤を配合した化
粧料は、透明感に優れているが、皮膚に対する安全性お
よび肌触りなどに問題がある。
【0003】メラニンは、褐色または黒色の色素である
が、安全性が高く、紫外線吸収能があり、色が人間の肌
色に近く、さらに肌荒れ防止効果のあると言われる抗酸
化能を有することから、化粧料用の黒色顔料として用い
られている。メラニンとしては、イカの墨袋から採取さ
れるセピアメラニンが、黒酸化鉄、カーボンブラックな
どの黒色顔料と同様に化粧料中に分散させて用いられて
いる(特公昭56−54289号公報)。しかし、セピ
アメラニンは、酸およびアルカリに不溶で各種溶媒にほ
とんど溶けないために単離精製が困難であり、化粧料と
して取り扱いにくい。
【0004】また、アルカリ可溶性メラニンで担体を被
覆して得られる顔料を配合した化粧料が知られている
(WO93−20150)。しかし、該顔料はアルカリ
可溶性メラニンを担体の表面に吸着させているだけなの
で、担体表面より該メラニンがアルカリ溶媒中で溶出し
やすく、色むらが発生するという問題がある。一方、免
疫診断用試薬に適した特定の粒子形状と特定の構造より
なる無機化合物/染料複合体粒子が知られている(特公
平6−11870号公報)が、紫外線吸収能や抗酸化能
を有する機能性顔料については知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】紫外線吸収能や抗酸化
能などの機能を有し、人体に対する安全性が高いメラニ
ンを無機酸化物中に分散させることにより、メラニンが
最も溶解しやすいアルカリ性水溶液中において溶出しに
くいメラニン/無機酸化物複合体を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、メラニンが分
散された無機酸化物の相とその表面を被覆するメラニン
が分散されていない相とを有するメラニン/無機酸化物
複合体に関する。さらに、本発明は、該メラニン/無機
酸化物複合体を含有する化粧料に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる無機酸化物と
しては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、ハ
フニウム、錫、鉛、コバルト、ニッケル等の周期律表第
III 、第IV族もしくは第VIII族の金属の酸化物またはホ
ウ素、珪素、ゲルマニウム等の周期律表第III 族もしく
は第IV族の半金属の酸化物があげられ、好ましくはシリ
カまたはチタニアが例示される。該無機酸化物(以下、
マトリックス酸化物ともいう)は、単一成分よりなるも
のであってもよいし、他の無機酸化物と複合化されたも
の(以下、複合酸化物ともいう)であってもよい。
【0008】マトリックス酸化物が、例えばシリカを主
成分とする場合には、該マトリックス酸化物は、シリカ
単独であってもよいし、少なくとも50モル%以上のシ
リカを含み、屈折率調節を目的としてチタニア、ジルコ
ニア、アルミナ、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化亜
鉛、酸化鉛、酸化スズ等のシリカに比べて屈折率が高い
無機酸化物とからなる複合酸化物を形成していてもよ
い。
【0009】マトリックス酸化物が、例えばチタニアを
主成分とする場合には、該マトリックス酸化物は、チタ
ニア単独であってもよいし、少なくとも50モル%以上
のチタニアを含み、屈折率調節を目的としてチタニアと
シリカ、アルミナ、酸化ホウ素等のチタニアに比べて屈
折率の低い無機酸化物とからなる複合酸化物を形成して
いてもよい。
【0010】マトリックス酸化物が複合酸化物である場
合、該複合酸化物中における各成分の存在状態について
は特に限定されない。マトリックス酸化物の結晶学的形
態は、非晶質あるいは結晶質のいずれであってもよい
が、メラニン/無機酸化物複合体を化粧料の添加剤のよ
うに可視領域において透明性を求められる用途に使う場
合には、マトリックス酸化物は光学的に均一な非晶質が
好ましい。
【0011】本発明で用いられるメラニンは、フェノー
ル類が酵素的または非酵素的に酸化、脱炭酸またはカッ
プリング反応などされることによって生合成されるイン
ドール系またはカテコール系の黒色または褐色の色素で
あればよい。メラニンとしては、動物の皮膚、眼、体
毛、羽毛、頭足類の墨の主成分であるユーメラニン、動
物の毛および羽毛の赤色成分であるフェオメラニン、植
物、微生物が産生するアロメラニン、または人工合成に
より得られるメラニンなどが例示されるが、好ましくは
メラニンのうちアルカリ溶媒に可溶のもの(以下、アル
カリ可溶性メラニンという)が用いられる。
【0012】アルカリ可溶性メラニンとしては、アルカ
リ溶媒、例えばアンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムまたは水酸化カルシウムなどのアルカリ水溶
液、もしくはトリエチルアミン、トリエタノールアミ
ン、アンモニアなどを含有するメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、
1,3-ブチレングリコールまたはグリセリンなどの有機溶
媒に可溶なメラニン、例えばストレプトマイセス・オウ
レオファシエンス(Streptomyces aureofaciens)AT
CC10762株、FERM BP−4383株、FE
RMBP−4466株が生産するアルカリ可溶性メラニ
ンがあげられる。
【0013】本発明のメラニン/無機酸化物複合体は、
メラニンがマトリックス酸化物中に分散された相を有し
ている。分散とは、メラニン/無機酸化物複合体からメ
ラニンが可溶化する溶液、例えば該メラニンがアルカリ
可溶性メラニンの場合は、アルカリ溶媒に浸漬しても、
該メラニンが実質溶出しないで、マトリックス酸化物中
にメラニンが包含されている状態をいう。この場合、メ
ラニンはマトリックス酸化物と化学的に結合していても
よいし、マトリックス酸化物中に物理的に閉じ込められ
ているものでもよい。
【0014】メラニン/無機酸化物複合体におけるメラ
ニンの含有率は、0.001〜10重量%、好ましくは
0.01〜2重量%、更に好ましくは0.01〜0.5
重量%である。メラニン/無機酸化物複合体の形状は特
に限定されず、例えば球状粒子、針状粒子、鱗片状粒
子、板状粒子、不定形粒子、薄膜、繊維、バルク体など
いかなる形状であってもよく、用途により適宜選択され
る。メラニン/無機酸化物複合体が粒子である場合、そ
の粒子径や粒度分布は制限されるものではなく、用途に
応じて適宜選択できる。
【0015】メラニン/無機酸化物複合体の粒子は、メ
ラニンが分散された無機酸化物の相とその表面にメラニ
ンが分散されていない無機酸化物の相とを有する。この
ような粒子構造にすることによって、粒子表面にメラニ
ンが露出しないために、本発明のメラニン/無機酸化物
複合体を使用する際に、メラニンの溶出を防止すること
ができる。
【0016】本発明のメラニン/無機酸化物複合体とし
ては、例えばメラニンが分散された無機酸化物の相を核
とし、メラニンが分散されていない無機酸化物の相を該
核の周囲に表皮相として有する2層構造のもの、また、
メラニンが分散されていない無機酸化物の相を核とし、
メラニンが分散された無機酸化物の相を第2層とし、メ
ラニンを分散されていない無機酸化物の相を表皮層とし
て有する3層構造のものがあげられる。
【0017】本発明のメラニン/無機酸化物複合体にお
いて、メラニンが分散されている無機酸化物の相および
メラニンが分散されていない無機酸化物の相の厚みは特
に制限されない。しかし、メラニンの溶出を低く抑える
ためには、表皮層となるメラニンが分散されていない無
機酸化物の相の厚みは通常0.5nm以上であることが
好ましい。厚みの上限は特に制限されないが、通常はメ
ラニン/無機酸化物複合体の粒子半径の1/4以下であ
ることが好ましい。特に本発明においては、0.5nm
以上、粒子半径の1/2以下の範囲であることが好まし
い。メラニンが分散されていないマトリックス酸化物相
の厚みが上記の範囲内にあるとメラニンの溶出が少なく
かつ抗酸化能に優れるメラニン/無機酸化物複合体が得
られる。
【0018】メラニン/無機酸化物複合体が粒子である
場合、粒子の分散性や安定性を高めるために、該粒子に
表面処理を行ってもよい。表面処理方法としては、メラ
ニン/無機酸化物複合体を、例えばメタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコー
ル中で加熱して還流する方法、シリコーンオイルあるい
は変性シリコーンオイルを溶解した溶媒中に懸濁させた
後、加熱して乾燥する方法、メチルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリ
メトキシシラン、クロルプロピルトリエトキシシラン等
のシランカップリング剤を該粒子表面の水酸基に結合さ
せる方法等があげられる。
【0019】本発明のメラニン/無機酸化物複合体は、
公知の方法、例えばゾル・ゲル法による球状粒子合成
法、ゾル・ゲル法によるバルク体合成法、多孔質無機酸
化物を用いた含浸法等を用いて製造することができる。
いずれの方法を用いて製造しても、得られるメラニン/
無機酸化物複合体は、メラニンがマトリックス酸化物中
に分散された相の表面にメラニンを分散して含まない無
機酸化物を被覆層とする構造を有する。
【0020】ゾル・ゲル法による球状粒子合成法とし
て、以下の方法が例示される。加水分解されて無機酸化
物となりえる有機金属化合物を、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、イソブタノール等の溶媒に溶解
し、有機金属化合物溶液を調製する。ここで、加水分解
されて無機酸化物となりえる有機金属化合物としては、
例えばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケー
ト等の有機珪素化合物、テトライソプロポキシチタネー
ト、テトラ−n−ブトキシチタネート等の有機チタン化
合物、その他、アルミニウムトリ−sec−ブトキシ
ド、ナトリウムメトキシド、マグネシウムジメトキシ
ド、コバルトジイソプロポキシド、鉛ジイソプロポキシ
ド等の有機金属化合物があげられる。上記調製した溶液
を、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソ
ブタノール等のアルコールとアンモニア水、水酸化ナト
リウム水溶液等とを混合して得られるアルカリ性含水ア
ルコール中に滴下し、該有機金属化合物を加水分解する
ことにより、マトリックス酸化物からなる核粒子を調製
する。核粒子を含んだアルカリ性含水アルコール中に、
メラニンを水、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液
またはアルコール等に溶解して得られるメラニン溶液と
有機金属化合物溶液とを、それぞれ同時に滴下すること
によって該核粒子の表面上にメラニンを分散させたマト
リックス酸化物からなる第2層を形成させる。第2層を
形成後、メラニン溶液の滴下を止めて、有機金属化合物
溶液のみを滴下することによってメラニンを分散して含
まない無機酸化物からなる第3層を形成させる。有機金
属化合物溶液およびメラニン溶液の滴下速度には何等制
限はないが、全液を4時間以上かけて滴下すると、凝集
の少ない好適な球状粒子が得られる。
【0021】生成した粒子の回収は、遠心分離等で分離
したのち、粒子表面に付着したメラニン等を洗浄、除去
し、さらに遠心分離、乾燥等をすることにより行われ
る。以上の製造方法により、3層構造を有するメラニン
/無機酸化物複合体の球状粒子が得られる。上記工程
で、核粒子としては市販の無機酸化物粒子を用いること
ができる。また、核粒子を合成する工程を省略すれば、
内部構造の異なる球状粒子を得ることができる。
【0022】ゾル・ゲル法によるバルク体合成法とし
て、以下の方法が例示される。マトリックス酸化物を生
成する前駆体物質、例えば前記した金属アルコキシド等
の有機金属化合物および、前記した金属の塩酸塩、硝酸
塩、酢酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩等をメラニンとともに
水、アルコール等の溶媒に溶解し、該溶液を加水分解反
応あるいは中和反応によってゲル化させる。該ゲル中に
含まれる溶媒を乾燥、除去することにより、塊状あるい
は板状のメラニンが分散された無機酸化物が得られる。
また、これを粉砕することによって、メラニンが分散さ
れた無機酸化物の不定形粒子を得ることができる。これ
らのメラニンが分散された無機酸化物の塊状体、板状体
または不定形粒子の表面をマトリックス酸化物で被覆す
ることにより、メラニン/無機酸化物複合体のバルク体
が得られる。
【0023】多孔質無機酸化物を用いた含浸法は、多孔
質のマトリックス酸化物を調製し、該多孔質の細孔中に
メラニンを含浸した後に、その表面をマトリックス酸化
物で被覆し、これを乾燥することによりメラニン/無機
酸化物複合体を製造する方法であり、以下の方法が例示
される。多孔質無機酸化物粒子、例えば合成非晶質シリ
カであるトクシール(トクヤマ社製)、特殊ケイ酸カル
シウムであるフローライト(トクヤマ社製)等をメラニ
ンを含む溶液に懸濁した後、乾燥させる。これをアンモ
ニア水を溶解したアルコール中に分散し、撹拌しながら
前記した有機金属化合物溶液を徐々に滴下することによ
り、粒子の表面にコーティング層を有するメラニン/無
機酸化物複合体の粒子が得られる。
【0024】生成した粒子の回収は、前記したゾル・ゲ
ル法による球状粒子合成法と同様にして行われる。かく
して得られるメラニン/無機酸化物複合体は、肌色ある
いは灰色の着色用顔料として塗料、インキ、化粧料等に
利用できる。特に化粧料に利用することによって紫外線
吸収の効果および肌あれ防止の効果もあわせて期待でき
る。
【0025】本発明のメラニン/無機酸化物複合体を利
用するに際しては、マトリックス酸化物の種類、分散さ
せるメラニンの量、粒子の製造方法等を変化させること
により、目的の色彩および機能を有する顔料を得ること
ができる。本発明のメラニン/無機酸化物複合体を利用
できる化粧料としては、任意の剤型、例えば溶液、溶
剤、乳剤、粉末、ゼリー、固形剤等の化粧料があげら
る。具体例としては、化粧水、乳液、クリーム、石鹸、
パック等の皮膚用化粧料、口紅、ファンデーション、ア
イシャドウ、アイライナー等の仕上用化粧料、シャンプ
ー、リンス等の頭髪用化粧料などがあげられる。
【0026】本発明の化粧料は、メラニン/無機酸化物
複合体の他に、化粧料一般に用いられる各種成分、例え
ば油脂類、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、合成エステ
ル類、アルコール類、界面活性剤、増粘剤、保湿剤、防
腐剤、香料、顔料、紫外線吸収剤、薬剤、精製水等を配
合してもよい。油脂類としては、ホホバ油、ヒマシ油、
オリーブ油、大豆油、パーム油、カカオ脂、ミンク油、
タートル油、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等があげ
られる。
【0027】炭水化物類としては、流動パラフィン、ワ
セリン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等
があげられる。ロウ類としては、ミツロウ、ラノリン、
カルバナロウ、キャンデリラロウ等があげられる。脂肪
酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、イソステアリン酸等があげられる。
【0028】合成エステル類としては、ミリスチン酸イ
ソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブ
チル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチル
デシル、モノステアリン酸プロピレングリコール、乳酸
ミリスチル、リンゴ酸イソステアリル、モノステアリン
酸グリセリン、塩化ジステアリルジメチルアンモニウ
ム、クエン酸アセチルトリブチル等があげられる。
【0029】油脂類、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸、合
成エステル等は、あわせて0.01〜70重量%の割合
になるように配合される。アルコール類としては、エタ
ノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリ
コール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリル
アルコール、オレイルアルコール、変性アルコール等が
あげられ、0.01〜60重量%の割合で配合される。
【0030】界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
(60)硬化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウム、ピロ
グルタミン酸イソステアリン酸ポリオキシエチレングリ
セリル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレン(10)ステアリルエーテル、ジアルキ
ルスルホコハク酸、セチルピリジニウムブロマイド、n
−オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、モ
ノアルキルリン酸、N−アシルグルタミン酸、ショ糖脂
肪酸エステル、グリセリルイソステアレート、ポリオキ
シエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポレ
オキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエ
チレン還元ラノリン等があげられ、0.01〜40重量
%の割合で配合される。
【0031】増粘剤としては、カルボキシビニルポリマ
ー、メチルポリシロキサン、デキストラン、カルボキシ
メチルセルロース、カラギーナン、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース等があげられ、0. 01〜0.5重量
%の割合で配合される。保湿剤としては、グリセリン、
プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
ピロリドンカルボン酸、乳酸、ヒアルロン酸、コラーゲ
ン、N−アセチル−L−グルタミン、トリエタノールア
ミン、クエン酸、クエン酸ナトリウム等があげられ、
0.01〜60重量%の割合で配合される。
【0032】防腐剤としては、安息香酸、サリチル酸、
デヒドロ酢酸あるいはそれらの塩類、パラオキシ安息香
酸エステル等のフェノール類、トリクロサンハロカルバ
ン等があげられ、0.01〜1重量%の割合で配合され
る。香料は、通常化粧品に使うものならどのような香料
を用いてもよい。顔料としては酸化鉄、二酸化チタン、
酸化亜鉛、カオリン、タルク、マイカ、雲母チタン、モ
ンモリロナイト、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化セ
シウム、シリカ、白雲母、硫酸バリウム、ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸ナト
リウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化鉄、炭酸
カルシウム、軽石粉末、群青、ナイロン、ナイロン6.
6、ナイロンパウダー、セルロース、結晶セルロース、
シルクパウダー等があげられ、0.01〜90重量%の
割合で配合される。
【0033】紫外線吸収剤としては、ジイソプロピルケ
イ皮酸エチル、ジイソプロピルケイ皮酸メチル、ジパラ
メトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキシル酸グリセリ
ル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、
4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイル
メタン、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキ
シル等があげられ、0.01〜10重量%の割合で配合
される。
【0034】薬剤としては、小麦胚芽油、ビタミンE、
ビタミンA、ビタミンB2 、アスコルビン酸−2−リン
酸マグネシウム、D−パントテニルアルコール、グリチ
ルリチン酸ジカリウム、グルタチオン等があげられ、
0.01〜5重量%の割合で化粧料に配合される。本発
明のメラニン/無機酸化物複合体は、単独または二種以
上を混合して、0.01〜20重量%、好ましくは0.
1〜10重量%の割合で配合される。
【0035】本発明のメラニン/無機酸化物複合体を化
粧料に配合する場合は、球状粒子が好ましい。しかし、
粒子径が0.01μm未満であると一般に凝集しやす
く、10μmを越えると肌への付着性や感触に劣るた
め、粒子径は0.01〜10μm、特に0.1〜1μm
であることが好ましい。本発明の化粧料は、公知の化粧
料製造において用いられる顔料の一部または全部をメラ
ニン/無機酸化物複合体に代える以外は公知の製造方法
を用いることにより製造することができる。
【0036】以下に実施例、試験例および比較例を示
す。
【0037】
【実施例】なお、以下の実施例、試験例で得られたメラ
ニン/無機酸化物複合体粒子の理化学的性質は、以下の
(1)〜(6)の方法により分析した。 (1)粒子の形状・平均粒子径 粒子の形状は走査型電子顕微鏡(以下、SEMという)
の撮影像により、また、平均粒子径はSEM写真中の任
意の100個の粒子の粒子径を測定することにより求め
た。 (2)メラニンの含有率 メラニン/無機酸化物複合体粒子0.1gを1M水酸化
ナトリウム水溶液10mlに分散、加熱して該粒子を溶
解させた溶液を一定量に希釈した。この溶液を波長55
5nmにて比色分析し、メラニン粒子無機酸化物中のメ
ラニンを定量した。メラニン含有率は、粒子の単位重量
(g)当りのメラニンの重量(g)を重量%で示す。 (3)メラニンの溶出量 メラニン/無機酸化物複合体粒子0.1gをアンモニア
水(アンモニア濃度;1重量%)10ml中に懸濁さ
せ、室温で1週間静置後、上清中の溶出メラニンを比色
分析した。メラニンの溶出量は、粒子単位重量(g)当
りの溶出メラニンの重量(mg)をmg/gで示す。 (4)粒子の屈折率 液浸法により測定した。すなわち、メラニン/無機酸化
物複合体粒子を屈折率が異なる種々の液にそれぞれ懸濁
させ、波長593nmの光に対して最も透過率が高くな
った懸濁液について、その液のナトリウムD線に対する
屈折率をアッペ屈折率計で測定した。 (5)粒子の抗酸化力 抗酸化力は、デタミナーLPOキット(協和メデックス
社製)を用い、10mgの粉体がヒドロペルオキシド
(50nmol/ml)1mlを還元する量を測定し、
下式より算出した。
【0038】
【数1】
【0039】(6)反射スペクトル メラニン/無機酸化物複合体粒子2gを直径30mmの
円盤に成形し、これを積分球付き可視・紫外分光光度計
に装着し、200〜800nmの範囲で反射スペクトル
の測定を行った。
【0040】実施例1 メラニン/無機酸化物複合体の
調製(1) ストレプトマイセス・オーレオファシエンス ATCC
10762株を2リットル容量の三角フラスコ中の種培
地(澱粉2.0%、ペプトン0.5%、コーンスティー
プリカー0.9%、炭酸カルシウム0.1%、pH5.
5)300mlに植菌し、30℃、200rpmで3日
間振盪培養を行った。得られた種培養液を30リットル
容量のジャーファーメンター中の生産培地(澱粉5.0
%、大豆粉6.0%、リジン塩酸塩0.75%、硫酸マ
グネシウム・7水和物50mg/リットル、硫酸銅・5
水和物50mg/リットル、硫酸亜鉛・7水和物50m
g/リットル、炭酸カルシウム0.1%、大豆油4.0
%)30リットルに植菌し、27℃、回転数425rp
m、通気量10リットル/分で、10日間通気攪拌培養
を行った。得られた培養液10リットルに水酸化ナトリ
ウム40gを加え、8000rpmで30分間遠心分離
を行い、上清を採取した。一方、得られた菌体に0.1
規定水酸化ナトリウム水溶液1リットルを加え、800
0rpmで30分間遠心分離を行い、上清を採取した。
得られた上清と先の上清とを合わせ、10規定塩酸15
0mlを加え、8000rpmで30分間遠心分離を行
った。得られた残さに1規定水酸化ナトリウム水溶液1
リットルを加えて攪拌後、濾過して濾液を得た。濾液に
10規定塩酸100mlを加え、8000rpmで30
分間遠心分離を行った。得られた残さに精製水1リット
ルを加え、8000rpmで30分間遠心分離を行い、
粗製微生物メラニン60gを得た。得られた粗製微生物
メラニン1.4gに6規定塩酸50mlを加え、110
℃で48時間加熱し、加水分解反応を行った。反応液を
6規定水酸化ナトリウム水溶液100mlに溶解し、ガ
ラス繊維濾紙で濾過し、濾液に6規定塩酸200mlを
加えた。析出物を沈降分離し、沈殿物に水1リットルを
加え、再度沈降分離した。沈殿物を凍結乾燥することに
より精製メラニン(以下、単にメラニンという)が1g
得られ、これを以下のメラニン/無機酸化物複合体の調
製に用いた。
【0041】テトラメチルシリケート(コルコート社
製、商品名;メチルシリケート39、以下、TMSとい
う)77.6gにメタノール34.6gと0.035重
量%塩酸4.8gとを加え、15分間混合した。これに
テトライソプロピルチタネート(日本曹達社製、商品
名;A−1、以下、TPTという)25.6gをイソプ
ロパノール(以下、IPAという)54.2gに溶かし
た溶液を加え、さらに15分間混合し、A液を調製し
た。一方、メラニン95mgをアンモニア水(アンモニ
ア濃度;25重量%)50gに溶解させ、B液を調製し
た。
【0042】撹拌羽根を取り付けた500mlの3つ口
セパラブルフラスコにIPA 80gとアンモニア水
(アンモニア濃度;25重量%)20gを仕込み、室温
下、100rpmで撹拌した。これにA液の1/20量
を約2時間かけて滴下し、第1層となる核粒子を合成し
た。続いて、A液の3/4量と、B液の全量をそれぞれ
独立に約4時間かけて滴下し、核粒子の表面にメラニン
を分散させた第2層を形成させた。さらに、B液を全て
滴下した後にA液の残りを全て滴下し、メラニンをほと
んど含まない第3層を形成させた。透過型電子顕微鏡で
粒子を観察した結果、第3層の厚みは14nmであっ
た。以上の操作により、マトリックス酸化物がシリカ−
チタニア複合酸化物である3層構造のメラニン/無機酸
化複合体粒子のスラリーを得た。該スラリーを5,00
0rpmで15分間遠心分離し、メラニン/無機酸化物
複合体粒子を回収した。回収した粒子をアンモニア水
(アンモニア濃度;1重量%)200g中に分散させた
後、再び遠心分離して粒子を回収することによって、粒
子の表面に付着したメラニンを洗浄、除去した。洗浄し
た粒子を120℃で16時間乾燥し、人の肌の色に似た
粒子を得た。
【0043】得られた粒子の平均粒子径は0.41μm
で、粒子径がよく揃った球状粒子であった。該粒子のメ
ラニン含有率は0.21重量%で、メラニンの溶出量
は、0.08mg/gで、ほとんど溶出のない安定なも
のであった。該粒子の抗酸化力は93%で、3−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシアニソールに相当するもの
であった。該粒子の屈折率は1.503であった。
【0044】該粒子の反射スペクトルは図1に示すとお
りであり、該粒子は300nm以下の強い吸収と580
nm付近を中心とした可視部に広がるブロードな吸収を
示した。
【0045】実施例2 メラニン/無機酸化物複合体の
調製(2) B液中のメラニン含量(以下、メラニン仕込量ともい
う)を47mgに代えた以外は、実施例1と同様にして
メラニン/無機酸化物複合体粒子を得た。
【0046】得られた粒子は、平均粒子径が0.38μ
m、第3層の厚みが13nm、メラニン含有率が0.0
9重量%、メラニンの溶出量が0.04mg/g、屈折
率が1.503、抗酸化力が50%であった。
【0047】実施例3 メラニン/無機酸化物複合体の
調製(3) B液へのメラニンの添加量(以下、メラニン仕込量とも
いう)を189mgに代えた以外は、実施例1と同様に
してメラニン/無機酸化物複合体粒子を得た。
【0048】得られた粒子は、平均粒子径が0.55μ
m、第3層の厚みが20nm、メラニン含有率が0.3
9重量%、メラニンの溶出量が0.12mg/g、屈折
率が1.503、抗酸化力が100%であった。
【0049】実施例4 メラニン/無機酸化物複合体の
調製(4) A液へのTMSの添加量(以下、TMS仕込量ともい
う)を86.6gに、TPTの添加量(以下、TPT仕
込量という)を8.5gに代えた以外は、実施例1と同
様にしてメラニン/無機酸化物複合体粒子を得た。
【0050】得られた粒子は、平均粒子径が0.47μ
m、第3層の厚みが17nm、メラニン含有率が0.1
7重量%、メラニンの溶出量が0.08mg/g、屈折
率が1.423、抗酸化力が90%であった。
【0051】実施例5 メラニン/無機酸化物複合体の
調製(5) TMS仕込量を68.5gに、TPT仕込量を42.6
gに代えた以外は、実施例1と同様にしてメラニン/無
機酸化物複合体粒子を得た。
【0052】得られた粒子は、平均粒子径が0.20μ
m、第3層の厚みが7nm、メラニン含有率が0.22
重量%、メラニンの溶出量が0.10mg/g、屈折率
が1.583、抗酸化力が100%であった。
【0053】実施例6 メラニン/無機酸化物複合体の
調製(6) A液の代わりにテトラエチルシリケート(コルコート社
製、商品名;エチルシリケート28)200gとIPA
20gを混合した溶液を、B液の代わりにメラニン14
4mgをアンモニア水(アンモニア濃度;25重量%)
64gに溶かした溶液を、500mlの3つ口セパラブ
ルフラスコに最初に仕込むIPAの代わりにメタノール
を用いた以外は、実施例1と同様にして、マトリックス
酸化物がシリカのみからなるメラニン/無機酸化物複合
体粒子を得た。
【0054】得られた粒子は、平均粒子径が0.67μ
m、第3層の厚みが24nm、メラニン含有率が0.1
7重量%、メラニンの溶出量が0.07mg/g、抗酸
化力が80%であった。
【0055】実施例7 メラニン/無機酸化物複合体の
調製(7) A液の代わりにTPT 71.0gをIPA 150g
に溶かした溶液を、B液の代わりにメラニン50mgを
アンモニア水(アンモニア濃度;25重量%)50gに
溶かした溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、
マトリックス酸化物がチタニアのみからなるメラニン/
無機酸化物複合体粒子を得た。
【0056】得られた粒子は、平均粒子径が0.01μ
m、第3層の厚みが0.6nm、メラニン含有率が0.
22重量%、メラニンの溶出量が0.11mg/g、抗
酸化力が100%であった。
【0057】実施例8 メラニン/無機酸化物複合体の
調製(8) TMS仕込量を86.8g(0.57モル)とし、TP
Tの代わりに第1表に示す金属アルコキシドまたは金属
酸化物を0.03モル用いた以外は実施例1と同様にし
て、メラニン/無機酸化物複合体粒子を得た。
【0058】得られた粒子の物理化学的性質を第1表に
示す。
【0059】
【表1】
【0060】実施例9 メラニン/無機酸化物複合体の
調製(9) TPT仕込量を67.6g(0.238モル)とし、B
液にさらに第2表に示す金属アルコキシドを0.012
モル添加した以外は実施例5と同様にして、メラニン/
無機酸化物複合体粒子を得た。得られた粒子の物理化学
的性質を第2表に示す。
【0061】
【表2】
【0062】実施例10 メラニン/無機酸化物複合体
の調製(10) 500mlの3つ口セパラブルフラスコに最初に仕込む
IPAの代わりにメタノールを用いた以外は、実施例1
と同様にして、メラニン/無機酸化物複合体粒子を得
た。得られた粒子は、平均粒子径が0.12μm、第3
層の厚みが3nm、メラニン含有率が0.21重量%、
メラニンの溶出量が0.08mg/g、抗酸化力が10
0%であった。
【0063】実施例11 メラニン/無機酸化物複合体
の調製(11) TMS 50gに、メタノール10.5gおよび0.0
35重量%塩酸5.9gを加えて15分間撹拌し、C液
を調製した。また、メラニン50mgをアンモニア水
(アンモニア濃度;0.05重量%)17.7gに溶解
させ、D液を調製した。C液にD液を加えて数分間撹拌
した後、その溶液の一部を、ピンホールの開いた蓋付き
の耐熱容器に移して数時間静置し、溶液をゲル化させ
た。ゲル化した溶液を、蓋を付けたまま室温で3日間、
次いで80℃で1日間、更に蓋を開けて150℃で1日
間乾燥させ、5〜20mm程度の大きさのメラニンを分
散する無機酸化物の塊状のバルク体を得た。
【0064】該バルク体をボールミルで粉砕し、粒子径
0.5〜5μmの範囲のメラニン/無機酸化物複合体の
不定形粒子を得た。500mlの3つ口セパラブルフラ
スコにメタノール80g、アンモニア水20gおよび該
不定形粒子5gを加えて充分に分散した後、攪拌した。
これにテトラエチルシリケート2gをメタノール18g
に溶解した液を2g/分の速度で滴下し、滴下終了後、
さらに1時間攪拌した。固形物を回収し、洗浄した後
に、150℃で1日間乾燥した。以上の操作により、メ
ラニンとマトリックス酸化物からなる核の表面にメラニ
ンをほとんど含まないマトリックス酸化物からなる第2
層を有する2層構造のメラニン/無機酸化物複合体粒子
を得た。得られた粒子は、平均粒子径が0.5〜5μ
m、厚みが4〜85nm、メラニン含有率が0.21重
量%、メラニンの溶出量が0.09mg/g、抗酸化力
が55%であった。
【0065】実施例12 日焼け止めクリーム
【0066】
【表3】
【0067】第3表に示した処方に従い、a〜hを加熱
溶解し、これにi〜nを加熱溶解および分散した水溶液
を加え、撹拌混合した後、室温まで冷却してクリームと
した。
【0068】実施例13 日焼け止め乳液
【0069】
【表4】
【0070】第4表に示した処方に従い、a〜eを加熱
溶解し、これにf〜iを半量のlに加熱溶解および分散
した水溶液を加え、撹拌した後、さらにjと残量のlと
を混合したものおよびkを加え撹拌混合した後、室温ま
で冷却し乳液とした。
【0071】実施例14 口紅
【0072】
【表5】
【0073】第5表に示した処方に従い、e、fおよび
gを混合練合し、これにa〜dおよびhを加え、加熱混
合し、容器に充填した後、室温まで冷却して口紅とし
た。
【0074】比較例1 B液にメラニンを添加しなかった以外は、実施例1と同
様の方法でマトリックス酸化物のみからなる粒子を得
た。
【0075】得られた粒子は、平均粒子径は0.40μ
mで、粒子径のよく揃った球状粒子であったが、該粒子
はメラニンを含まない白色の粒子であった。抗酸化能は
0%であった。該粒子の反射スペクトルは図2に示すと
おりであり、該粒子は300nm以下の強い吸収は示し
たものの、皮膚癌の要因になると言われる320〜40
0nmの紫外線はほとんど吸収しなかった。
【0076】以上の結果より、本粒子は、白色で人の肌
の色を持たないこと、および実施例1の粒子に比べて紫
外線吸収能、抗酸化能等において劣ることが示された。
【0077】比較例2 18mgのメラニンを溶解させたアンモニア水(アンモ
ニア濃度;1重量%)100gの溶液に、比較例で得ら
れたメラニンを含まない粒子10gを加えて1時間超音
波処理を行い、溶液中に粒子を分散させた。処理終了
後、ロータリーエバポレーターで溶液中のアンモニア水
を除去した後、120℃で16時間乾燥させてメラニン
で表面が被覆された粒子を得た。
【0078】得られた粒子は、メラニン含有率が0.1
8重量%であったが、該粒子のメラニン溶出量は、1.
75mg/gであり、ほとんどのメラニンが溶出してし
まうことが示された。
【0079】試験例1 熱安定性試験 実施例1で得られた粒子と比較例2で得られた粒子を、
それぞれ150℃,250℃,350℃で4時間加熱
し、各粒子の熱安定性を抗酸化力により測定し、下式よ
り算出した。
【0080】
【数2】
【0081】結果を第6表に示す。
【0082】
【表6】
【0083】本発明のメラニン/無機酸化物複合体は、
熱安定性に優れることが示された。
【0084】試験例2 官能検査 日焼け止め乳液をヒトに用いたときの化粧料の効果であ
る(イ)紅班防止、(ロ)黒化改善、および(ハ)日焼
けによる肌荒れの改善について、パネラー25人のパネ
ラーによる官能検査を以下の方法で行った。
【0085】実施例12で得られた日焼け止めクリーム
およびメラニン/無機酸化物複合体粒子を含有しない以
外は実施例12と同じ組成で得られた日焼け止めクリー
ムをそれぞれパネラーに塗布した後、ソーラーシュミレ
ーターにより紫外線を30分間照射した。その後も、1
日1回(朝)で1ヶ月間塗布し、処理終了後、効果を比
較した。
【0086】結果を第7表に示す。
【0087】
【表7】
【0088】本発明のメラニン/無機酸化物複合体は、
化粧料に配合することにより日焼け止め効果や肌あれ改
善効果を付与することが示された。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、紫外線吸収能および抗
酸化能を有するメラニン/無機酸化物複合体を提供する
ことができる。また、メラニン/無機酸化物複合体を用
いることにより、色むらを起こさず、皮膚に極めて類似
した色調を有し、日焼け止め効果および肌あれの改善効
果を有する化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メラニン/無機酸化物複合体粒子の反射スペク
トルを示す図である。
【図2】メラニンを含有しない粒子の反射スペクトルを
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 104 C09K 3/00 104B (72)発明者 加藤 寛 山口県徳山市御影町1−1 株式会社トク ヤマ内 (72)発明者 石橋 昇 山口県徳山市御影町1−1 株式会社トク ヤマ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メラニンが分散された無機酸化物の相と
    その表面を被覆するメラニンが分散されていない相とを
    有するメラニン/無機酸化物複合体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたメラニン/無機酸
    化物複合体を含有する化粧料。
JP1488296A 1996-01-31 1996-01-31 メラニン/無機酸化物複合体 Withdrawn JPH09208847A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106147276A (zh) * 2015-03-29 2016-11-23 西南林业大学 一种利用天然黑色素合成有机—无机复合材料的方法
JP2017014120A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 株式会社ファンケル 化粧料
CN113069372A (zh) * 2021-04-07 2021-07-06 广州慈康生物科技有限公司 一种基于黑色素包覆粒子的防晒组合物及制备方法
CN114712549A (zh) * 2022-05-06 2022-07-08 中南大学 一种蒙脱石-黑色素复合止血粉末及其制备方法和应用

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