JPH09208567A - 1,3−チアゾリジン−2−オン類の製造方法 - Google Patents

1,3−チアゾリジン−2−オン類の製造方法

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JPH09208567A
JPH09208567A JP2139896A JP2139896A JPH09208567A JP H09208567 A JPH09208567 A JP H09208567A JP 2139896 A JP2139896 A JP 2139896A JP 2139896 A JP2139896 A JP 2139896A JP H09208567 A JPH09208567 A JP H09208567A
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thiazolidine
urea
water
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thiazolidin
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Masao Kitano
正雄 北野
Seiichi Suzuki
清一 鈴木
Isao Sato
勲 佐藤
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1,3−チアゾリジン−2−オン類を工業的
に有利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 1,3−チアゾリジン類及び水を、温度
132℃〜200℃の溶融尿素に添加しながら反応させ
ることを特徴とする、1,3−チアゾリジン−2−オン
類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,3−チアゾリ
ジン−2−オン類の製造方法に関するものである。さら
に詳しく述べると、本発明は、殺菌剤や殺カビ剤等の医
農薬中間体、極圧剤や防腐剤や腐食防止剤等の潤滑油添
加剤、または現像安定剤や顕色剤等の写真薬添加剤とし
て有用である、1,3−チアゾリジン−2−オン類を工
業的に有利に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、1,3−チアゾリジン−2−オン
類の製造方法としては、下記方法を始めとして種々の方
法が知られている。
【0003】 システアミン塩酸塩と尿素を反応させ
る方法[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソ
サイエティー(Journal of American Chemical Societ
y)、78巻、頁5350(1956年)]。 2−アミノエチルサルフェート、2−クロロエチル
アミン塩酸塩、2−クロロ−1,1−ジメチルエチルア
ミン塩酸塩や2−クロロ−2−メチルエチルアミン塩酸
塩等の脂肪族アミノ化合物を脱酸剤の存在下で有機溶媒
中硫化カルボニルと反応させる方法(特開昭62−8
4,067号公報)。 1,3−オキサゾリジン−2−オン類と硫化水素を
加圧下で反応させる方法(特開昭61−30,580号
公報)。 システアミンをセレン及び3級アミンの存在下で一
酸化炭素と反応させる方法(特開昭50−117,77
2号公報)。
【0004】しかしながら、上記の方法は、原料とな
るシステアミン塩酸塩が安価に入手することができない
ので経済的に問題がある上、反応により大量に副生する
無機塩を処理しなければならず精製が煩雑である等、様
々な問題を有する。上記の方法は、上記の方法と同
様、副生する無機塩の処理上の問題を有すると共に、原
料となる硫化カルボニルを工業的に入手することが困難
であるという欠点をも有する。また、上記の方法は、
有毒な硫化水素を加圧下で反応させる点、および1,3
−オキサゾリジン−2−オンの原料としての入手困難性
等、様々な問題を有する。さらに、上記の方法は、原
料として使用するシステアミン及びセレンが工業的に使
用するには高価すぎるなどの欠点を有する。したがっ
て、いずれの方法も1,3−チアゾリジン−2−オン類
の工業的製法として有利な方法であるとはいえず、様々
な分野において有用である1,3−チアゾリジン−2−
オン類を工業的に有利に製造する方法の開発が待ち望ま
れていた。
【0005】かかる従来技術の問題に鑑みて、本発明者
らは、 1,3−チアゾリジン類を尿素と反応させる
方法(特開平2−235,875号公報)を提案した。
この方法は、原料である1,3−チアゾリジン及び尿
素、または1,3−チアゾリジン、尿素及び水を一括で
仕込んだ後、100℃から160℃まで昇温しながらア
セトン等のケトン類やアンモニアを除去しながら目的と
する1,3−チアゾリジン−2−オン類を合成し、さら
に必要であれば薄膜蒸留装置で蒸留精製する方法であ
る。この方法により、確かに1,3−チアゾリジン−2
−オン類を工業的に製造することが可能になったもの
の、原料を一括で仕込み、ケトンやアンモニアの脱離を
伴う縮合反応を進めるためには上記副生物を除去しなが
ら行う必要があった。
【0006】そのために、上記の方法は、反応系の温
度設定に問題を有する。より詳しく述べると、例えば、
2,2−ジメチル−1,3−チアゾリジン、水及び尿素
を一括に仕込み、1,3−チアゾリジン−2−オンを合
成した場合、沸点の低い2,2−ジメチル−1,3−チ
アゾリジン及び水の留出損失を防ぐためには、常圧下約
100℃以下の温度で反応を開始する必要があるが、反
応温度を低く設定したために反応速度は小さくなり、こ
れに伴い反応時間が長くなってしまう。また、反応時間
を短くするために反応温度を上げると、2,2−ジメチ
ル−1,3−チアゾリジン及び水の留出損失量が多くな
るため、過剰の2,2−ジメチル−1,3−チアゾリジ
ン及び水が必要となり、その結果、1,3−チアゾリジ
ン−2−オンの収率は減少してしまう。
【0007】さらに、上記の方法では原料一括仕込み
による縮合反応は回分式で行われるため、単位反応容量
当たりの1,3−チアゾリジン−2−オン類の取得量は
少なく、このため、大型の反応器が必要となる。例え
ば、理論量の2,2−ジメチル−1,3−チアゾリジ
ン、水及び尿素を一括で仕込んで副生するアセトンやア
ンモニアを除去しながら回分式で反応を行った場合、
1,3−チアゾリジン−2−オン類の取得重量は仕込み
原料総重量の30〜40%程度と低い値になってしま
う。
【0008】上述したように、工業的に効率的に1,3
−チアゾリジン−2−オン類を製造する方法の開発が、
依然として待ち望まれているのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、前記一般式(1)で表される1,3−チアゾリジ
ン、水及び尿素を反応させることを特徴とする1,3−
チアゾリジン−2−オン類の製造方法において、反応時
間や反応収率、単位反応容量当たりの反応収量等の問題
点を改善し、工業的により効率的に1,3−チアゾリジ
ン−2−オン類を製造する方法を提供することを目的と
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)
で表される1,3−チアゾリジン及び水を132〜20
0℃の温度で溶融された尿素中に添加し、同時に副生す
るケトンやアンモニアを除去しながら反応させる、また
は1,3−チアゾリジン、水及び尿素の一部を仕込み、
この混合物の温度を132〜200℃に上げ、残りの
1,3−チアゾリジン、水及び尿素を添加し、同時に副
生するケトンやアンモニアを除去しながら反応させるこ
とにより、
【0011】
【化3】
【0012】下記一般式(2)で表される1,3−チア
ゾリジン−2−オン類を工業的に効率よく製造できるこ
とを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0013】
【化4】
【0014】すなわち、上記目的は、下記一般式(1)
で表される1,3−チアゾリジン及び水を、
【0015】
【化5】
【0016】132〜200℃の温度で溶融された尿素
に添加しながら反応させることを特徴とする、下記一般
式(2)で表される1,3−チアゾリジン−2−オン類
の製造方法によって達成される。
【0017】
【化6】
【0018】上記目的はまた、前記一般式(1)で表さ
れる1,3−チアゾリジン、水及び尿素の一部をそれぞ
れ仕込み、この混合物を132〜200℃の温度にまで
加温し、残りの1,3−チアゾリジン、水及び尿素をさ
らに添加しながら反応させることを特徴とする、前記一
般式(2)で表される1,3−チアゾリジン−2−オン
類の製造方法によっても達成される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の1,3−チアゾリジン−
2−オン類の製造方法は、前記一般式(1)で表される
1,3−チアゾリジンと、水及び尿素を反応させて1,
3−チアゾリジン−2−オン類を製造する際に、これら
の原料を一括で仕込まずに、1,3−チアゾリジン及び
水を溶融尿素中に添加し、または1,3−チアゾリジ
ン、水及び尿素の一部を仕込み、混合物を昇温した後、
残りの1,3−チアゾリジン、水及び尿素を添加し、同
時に副生するケトンやアンモニアを除去しながら反応を
行うことを特徴とするものである。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明の方法において用いられる1,3−
チアゾリジン類は、下記一般式(1)で表される化合物
であれば特に制限されないが、具体的には、1,3−チ
アゾリジン、2−メチル−1,3−チアゾリジン、2,
2−ジメチル−1,3−チアゾリジン、2−メチル−2
−エチル−1,3−チアゾリジン、2−メチル−2−イ
ソブチル−1,3−チアゾリジン、2,2,4−トリメ
チル−1,3−チアゾリジン、2,2,4,5−テトラ
メチル−1,3−チアゾリジン、2,2−ジメチル−4
−エチル−1,3−チアゾリジン、2,2−ジメチル−
5−エチル−1,3−チアゾリジン、2,4−ジメチル
−2−エチル−1,3−チアゾリジン、2,5−ジメチ
ル−2−エチル−1,3−チアゾリジン、2,4−ジメ
チル−2−イソブチル−1,3−チアゾリジン、2,5
−ジメチル−2−イソブチル−1,3−チアゾリジン、
及び2,4,5−トリメチル−2−イソブチル−1,3
−チアゾリジン等が挙げられる。
【0022】
【化7】
【0023】これらのうち、2,2−ジメチル−1,3
−チアゾリジン及び2−メチル−2−エチル−1,3−
チアゾリジンが好ましい。
【0024】本発明による1,3−チアゾリジン−2−
オン類は、下記反応式により製造される。
【0025】
【化8】
【0026】したがって、本発明で使用される原料の理
論上の使用モル比は尿素に対して1,3−チアゾリジン
及び水が等モルであるが、実際の使用モル比は特に制限
されるものではなく、例えば、尿素に対する1,3−チ
アゾリジンの使用量を等モル以下とし、1,3−チアゾ
リジンの留出損失量をさらに減少させることも可能であ
る。また、留出損失量に見合う1,3−チアゾリジンを
過剰に用いることで反応収量を挙げることもできる。一
般的には、1,3−チアゾリジンの尿素に対するモル比
は、0.8〜1.5、好ましくは1.0〜1.2であ
り、水の尿素に対するモル比は、1.0〜5.0、好ま
しくは2.0〜4.0である。
【0027】また、本発明において、原料としての1,
3−チアゾリジン、尿素及び水の一部を加え、加熱した
後に、残りの1,3−チアゾリジン、尿素及び水を添加
する際の、仕込み原料総重量に対する初めの仕込み原料
総重量の割合は、20〜40%である。また、初めの仕
込み原料の留出損失を抑えながら速やかに反応温度を上
げるために、尿素の比率を高めておくことが好ましく、
1,3−チアゾリジン及び水の各原料成分に関する仕込
み重量に対する初めの仕込み重量の重量比を、それぞ
れ、20〜25%とし、さらに、尿素に関する仕込み重
量に対する初めの仕込み重量の重量比を、25〜40%
とするのが好ましい。仕込み原料総重量に対する初めの
仕込み原料総重量の割合が20%未満であると、使用す
る装置によっては反応液の攪拌が不十分になり、また、
40%を超えると、前記従来技術において説明した方法
で記載したのと同様の一括仕込みによる問題が生じ
る。
【0028】本発明の製法における反応温度は、132
〜200℃、好ましくは135〜170℃である。この
際、反応温度が132℃未満であると、尿素の融点が1
32℃であるため尿素が溶融せず、1,3−チアゾリジ
ンや水を尿素と均一に混合しにくくなり反応収率が低く
なる、及び1,3−チアゾリジンや水の留出損失量が多
くなるなどの問題が生じるので好ましくない。これに対
して、反応温度が200℃を超えると、尿素の分解反応
や副反応が促進されるなどの問題が生じる。
【0029】また、反応時間は、反応温度、使用する原
料の種類及び原料の添加時間等により異なるが、通常、
全体で、5〜20時間程度である。
【0030】本発明において、1,3−チアゾリジン、
尿素及び水の反応は、溶剤を用いずに行われても、また
は必要に応じて、炭化水素系、エーテル系、アルコール
系、またはグリコール系の反応溶媒を用いて行われても
よい。
【0031】反応終了後は反応液を蒸留することによ
り、容易に高純度の1,3−チアゾリジン−2−オン類
が得られる。また、必要であれば、反応終了後使用した
溶媒を留去した後、アルコール、またはヘキサンと酢酸
エチルとの混合溶剤により再結晶化することにより、よ
り高純度の1,3−チアゾリジン−2−オン類の結晶を
得ることができる。
【0032】本発明の製法では、原料の1,3−チアゾ
リジン類は、反応系内への添加後、速やかに水及び尿素
と反応する。このため、1,3−チアゾリジン類の留出
損失量は減少し、結果として1,3−チアゾリジン−2
−オン類の反応収率が向上する。また、本発明による製
法を用いることにより、1,3−チアゾリジン類の留出
損失量の減少により反応温度を高く設定することができ
るので、反応速度が大きくなり、反応時間は短縮され
る。さらに、反応原料を必要量だけ少量ずつ添加し、か
つ反応副生物を速やかに反応系外に除去しながら反応を
進めることができるので、反応容量の有効利用が計れ、
これにより単位反応容量当たりの1,3−チアゾリジン
−2−オン類の取得量が多くなると共に、装置能力を最
大限に活用することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明による実施例及び従来技術にお
いて説明した方法による比較例を参照しながら本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明の方法はこれらに
限定されるものではない。
【0034】この際、各例における2,2−ジメチル−
1,3−チアゾリジン及び水の使用モル比は、尿素1.
0モルに対して、それぞれ、1.0及び3.0モルに統
一した。また、製法上の特徴として、前記の方法では
反応時間の経過につれて反応液量が徐々に減少していく
のに対し、本発明による方法では反応時間の経過につれ
て反応液量が徐々に増加していった。そこで、各々の方
法において反応容量を最大限に利用した場合を想定し
て、本発明による実施例では最終反応液量を500.0
g、前記方法による比較例では原料総仕込量を50
0.0gとした。これにより、単位反応容量当たりの
1,3−チアゾリジン−2−オン類の取得量が容易に比
較でき、反応時間及び反応収率と合わせて、本発明の優
位性を明確にすることができる。
【0035】実施例1 攪拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの3つ口
フラスコに尿素294.0gを仕込み、140℃に加温
して溶融させた。攪拌下、この溶融尿素に、2,2−ジ
メチル−1,3−チアゾリジン573.3gと水26
3.7gとの混合液を2時間かけて添加しながら反応さ
せ、添加終了後もさらに1時間反応を続けた。この間に
副生するアセトンは、2,2−ジメチル−1,3−チア
ゾリジン及び水の留出損失分と共に、留出液として反応
系外に除去した。また、副生するアンモニアガスは、硫
酸水溶液に吸収させた。次いで、反応温度を160℃に
まで上げ、50mmHgに減圧して3時間熟成した。こ
の結果、反応を完結するのに、6時間を要した。留出液
をガスクロマトグラフィーで分析したところ、2,2−
ジメチル−1,3−チアゾリジンは29.1g含まれて
おり、仕込み量に対する2,2−ジメチル−1,3−チ
アゾリジンの留出損失分は5.1%であった。また、反
応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1,
3−チアゾリジン−2−オンは432.0g含まれてお
り、2,2−ジメチル−1,3−チアゾリジンに対する
1,3−チアゾリジン−2−オンの収率は85.6%で
あった。さらに、得られた反応液を2mmHg、160
℃の条件下で薄膜蒸留することにより、精製1,3−チ
アゾリジン−2−オンが得られた。このようにして得ら
れた精製1,3−チアゾリジン−2−オンの液体クロマ
トグラフィー分析による純度は96.3%であった。
【0036】実施例2 攪拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの3つ口
フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−チアゾリジン
172.0g、水79.1g、及び尿素88.2gを仕
込み、攪拌して反応させながら温度を140℃に上げ
た。さらに、この混合液に、2,2−ジメチル−1,3
−チアゾリジン401.3g、水184.6g、及び尿
素205.8gを2時間かけて添加しながら反応させ、
添加終了後もさらに1時間反応を続けた。この間に副生
するアセトンは、2,2−ジメチル−1,3−チアゾリ
ジン及び水の留出損失分と共に、留出液として反応系外
に受けた。また、副生するアンモニアガスは、硫酸水溶
液に吸収させた。次いで、反応温度を160℃にまで上
げ、50mmHgに減圧して3時間熟成した。この結
果、反応を完結するのに、6時間を要した。留出液をガ
スクロマトグラフィーで分析したところ、2,2−ジメ
チル−1,3−チアゾリジンは33.9g含まれてお
り、仕込み量に対する2,2−ジメチル−1,3−チア
ゾリジンの留出損失分は5.9%であった。また、反応
液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1,3
−チアゾリジン−2−オンは427.0g含まれてお
り、2,2−ジメチル−1,3−チアゾリジンに対する
1,3−チアゾリジン−2−オンの収率は84.6%で
あった。さらに、得られた反応液を2mmHg、160
℃の条件下で薄膜蒸留することにより、精製1,3−チ
アゾリジン−2−オンが得られた。このようにして得ら
れた精製1,3−チアゾリジン−2−オンの液体クロマ
トグラフィー分析による純度は96.0%であった。
【0037】比較例1 攪拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの3つ口
フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−チアゾリジン
253.4g、水116.7g、及び尿素129.9g
を仕込み、100〜120℃で6時間反応させた。次い
で、反応温度を160℃にまで上げ、さらに2時間反応
させた。この間に副生するアセトンは、2,2−ジメチ
ル−1,3−チアゾリジン及び水の留出損失分と共に、
留出液として反応系外に受けた。また、副生するアンモ
ニアガスは、硫酸水溶液に吸収させた。次に、反応温度
を160℃に維持しながら、50mmHg以下に減圧し
て3時間熟成した。この結果、反応を完結するのに、1
1時間を要した。留出液をガスクロマトグラフィーで分
析したところ、2,2−ジメチル−1,3−チアゾリジ
ンは33.4g含まれており、仕込み量に対する2,2
−ジメチル−1,3−チアゾリジンの留出損失分は1
3.2%であった。また、反応液をガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、1,3−チアゾリジン−2−オ
ンは174.2g含まれており、2,2−ジメチル−
1,3−チアゾリジンに対する1,3−チアゾリジン−
2−オンの収率は78.1%であった。さらに、得られ
た反応液を2mmHg、160℃の条件下で薄膜蒸留す
ることにより、精製1,3−チアゾリジン−2−オンが
得られた。このようにして得られた精製1,3−チアゾ
リジン−2−オンの液体クロマトグラフィー分析による
純度は95.8%であった。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、一般式
(1)で表される1,3−チアゾリジン及び水を132
〜200℃の温度で溶融された尿素中に添加し、同時に
副生するケトンやアンモニアを除去しながら反応させ
る、または1,3−チアゾリジン、水及び尿素の一部を
仕込み、この混合物を132〜200℃に昇温し、残り
の1,3−チアゾリジン、水及び尿素を添加し、同時に
副生するケトンやアンモニアを除去しながら反応させる
ことにより、一般式(2)で表される1,3−チアゾリ
ジン−2−オン類を製造する方法である。本発明の製法
では、原料の1,3−チアゾリジン類は、反応系内への
添加後、速やかに水及び尿素と反応するので、1,3−
チアゾリジン類の留出損失量を抑制することができ、そ
の結果、1,3−チアゾリジン−2−オン類の反応収率
を向上することができる。また、1,3−チアゾリジン
類の留出損失量の減少に伴い、反応温度を高く設定する
ことができるので、反応速度を増加させることができ、
反応時間を短縮できる。さらに、反応原料を必要量だけ
少量ずつ添加しかつ反応副生物を速やかに反応系外に除
去しながら反応を進めることができるので、反応容量の
有効利用が計れ、これにより単位反応容量当たりの1,
3−チアゾリジン−2−オン類の取得量が多くなると共
に、装置能力を最大限に活用することができる。
【0039】上記長所に加えて、本発明の方法により製
造された1,3−チアゾリジン−2−オン類は、反応液
を蒸留することにより、またはさらに再結晶化すること
により、容易に高純度の1,3−チアゾリジン−2−オ
ン類が得られる。
【0040】したがって、本発明の方法を用いることに
よって、殺菌剤や殺カビ剤等の医農薬中間体、極圧剤や
防腐剤や腐食防止剤等の潤滑油添加剤、または現像安定
剤や顕色剤等の写真薬添加剤として有用である、1,3
−チアゾリジン−2−オン類を安価な原料から工業的に
有利に製造することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される1,3−チ
    アゾリジン及び水を、 【化1】 132〜200℃の温度で溶融された尿素に添加しなが
    ら反応させることを特徴とする、下記一般式(2)で表
    される1,3−チアゾリジン−2−オン類の製造方法。 【化2】
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で表される1,3−チ
    アゾリジン、水及び尿素の一部をそれぞれ仕込み、この
    混合物を132〜200℃の温度にまで加温し、残りの
    1,3−チアゾリジン、水及び尿素をさらに添加しなが
    ら反応させることを特徴とする、前記一般式(2)で表
    される1,3−チアゾリジン−2−オン類の製造方法。
JP2139896A 1996-02-07 1996-02-07 1,3−チアゾリジン−2−オン類の製造方法 Withdrawn JPH09208567A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110563666A (zh) * 2019-09-26 2019-12-13 安徽工业大学 一种2-噻唑烷酮的制备方法

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CN110563666A (zh) * 2019-09-26 2019-12-13 安徽工业大学 一种2-噻唑烷酮的制备方法
CN110563666B (zh) * 2019-09-26 2022-04-19 安徽工业大学 一种2-噻唑烷酮的制备方法

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