JPH0920821A - 芳香族エステル含量の高いポリエーテルエステルの製造方法 - Google Patents

芳香族エステル含量の高いポリエーテルエステルの製造方法

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JPH0920821A
JPH0920821A JP8058269A JP5826996A JPH0920821A JP H0920821 A JPH0920821 A JP H0920821A JP 8058269 A JP8058269 A JP 8058269A JP 5826996 A JP5826996 A JP 5826996A JP H0920821 A JPH0920821 A JP H0920821A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエーテルエステル樹脂中の芳香族ジカル
ボン酸反復単位の含量を10重量%以上にすることを可
能とする、ポリエーテルエステル樹脂の二段階製造法を
提供する。 【解決手段】 第一段階で、低分子量のポリエーテルポ
リオールを芳香族ジカルボン酸と反応させてポリエステ
ル中間体を製造する。第二段階で、そのポリエステル中
間体を挿入触媒の存在下で酸無水物または脂肪族ジカル
ボン酸と反応させて、芳香族ジカルボン酸から誘導され
る反復単位を10重量%以上含むポリエーテルエステル
樹脂を製造する。 【効果】 得られたポリエーテルエステル樹脂はすぐれ
た機械的特性と耐薬品性を有する熱硬化性樹脂の製造に
用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエーテルエス
テルの製造方法に関するものである。特に、本発明は、
高含量の芳香族エステル反復単位を有するポリエーテル
エステルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、本発明者らは、ポリエーテルから
ポリエーテルエステル樹脂を製造するための新規な方法
を開示した(米国特許第5,319,006号を参照の
こと)。この方法は、ポリエーテルをルイス酸触媒の存
在下で環状酸無水物(例えば、無水マレイン酸)と反応
させるものである。酸無水物がポリエーテルの炭素−酸
素結合の中にランダムに入り込んで、得られるポリエー
テルエステル樹脂中にエステル結合を生成する。その
後、このポリエーテルエステル樹脂をビニルモノマー
(好ましくは、スチレン)と組み合わせて硬化させる
と、ポリエーテルエステル熱硬化性樹脂が製造される。
【0003】その後、本発明者らは、ルイス酸のほか
に、約0より小さいpKaを有するプロトン酸およびそ
の金属塩がポリエーテルへの酸無水物の挿入を触媒して
ポリエーテルエステルをもたらすことを見いだした(1
994年3月30日付けの継続中の米国特許出願第08
/220,149号を参照のこと)。さらに、このよう
な強プロトン酸とそれらの金属塩はポリエーテルへのカ
ルボン酸の挿入も触媒することが判明した(1994年
4月18日付けの継続中の米国特許出願第08/22
8,845号を参照のこと)。
【0004】ポリエーテルへの酸無水物およびカルボン
酸のランダム挿入によりポリエーテルエステルを製造し
得ることは、多くのユニークなポリエーテルエステルの
価値ある製造方法を提供するものである。これらのポリ
エーテルエステル類は、しばしば、従来のエステル化法
により製造されたポリエステル類と比べて有利な性能特
性をもっている。残念ながら、この挿入法は高融点の芳
香族ジカルボン酸(例:イソフタル酸、テレフタル酸)
の場合にはあまりうまくいかない。芳香族ジカルボン酸
は、通常の不飽和ポリエステル樹脂から製造される熱硬
化性樹脂に良好な機械的特性ならびに耐薬品性を付与す
るために、この種の樹脂に普通に組み込まれている。
【0005】継続中の米国特許出願第08/228,8
45号に記述されるように、芳香族ジカルボン酸を含め
たカルボン酸類は、触媒として強プロトン酸またはその
金属塩を用いてポリエーテル中に一段階で挿入すること
が可能である。上記出願の実施例2および5には、20
重量%のイソフタル酸を用いる挿入法が例示されてい
る。これらの実施例からは、一段階挿入法によって芳香
族エステル含量の高いポリエーテルエステルを製造し得
ることが分かる。
【0006】上記の実施例により示された一段階法は、
高レベルの芳香族ジカルボン酸を用いる場合、本発明の
方法と比べていくつかの欠点を抱えている。まず第一
に、一段階挿入法を満足のゆく反応速度で進行させるに
は比較的高い触媒レベル(一般には1重量%以上)を必
要とする。第二に、得られるポリエーテルエステル樹脂
の収量が希望の収量よりもやや低くなる。第三に、樹脂
の一致性(ばらつきのないこと)を一段階法で達成する
ことが困難である。本明細書中の比較例(C12〜C1
4参照)に示すように、約0.5重量%より少ない望ま
しい触媒レベルでは、一段階挿入法は遅すぎるだろう。
この反応は高温で数日間加熱した後でさえも不完全であ
ることがあり、しかも生成物がしばしば変色してしま
う。
【0007】かくして、良好な機械的特性および耐薬品
性を付与するために、ポリエーテルエステルでは少なく
とも約10重量%の芳香族ジカルボン酸含量が望ましい
が、一段階挿入法はこうした生成物を製造するための完
全に満足のゆく方法とは言えない。
【0008】ポリエーテルエステルを製造するにあたっ
て、普通のエステル化法を採用することができる。例え
ば、一段階反応釜の中で低分子量のポリオール、グリコ
ール、無水マレイン酸およびイソフタル酸を反応させて
ポリエーテルエステルを製造することが可能である。困
ったことに、このタイプの生成物から製造された熱硬化
性樹脂は、挿入法によって製造されたポリエーテルエス
テルから得られる望ましい物理的および機械的特性を欠
くことがしばしばである。本発明者らは、普通のエステ
ル化法における無水マレイン酸の反応性と比べたときの
イソフタル酸の遅い反応性が生成物に悪影響を及ぼして
いると考えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】有用な方法は、挿入法
によって製造されたポリエーテルエステルから得られる
改良された性質を利用するものであるが、さらに、ポリ
エーテルエステル中の芳香族ジカルボン酸反復単位の含
量を約10重量%以上にし得るものであるだろう。理想
的には、その方法は低い触媒レベルで容易に実施でき、
ばらつきのない樹脂を提供し、しかも過度に長い反応時
間または高温を必要としない方法であるだろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明の概要 本発明は、ポリエーテルエステル樹脂の二段階製造法に
関するものである。第一段階で、低分子量のポリエーテ
ルポリオールを芳香族ジカルボン酸と反応させてポリエ
ステル中間体を製造する。第二段階で、そのポリエステ
ル中間体を酸無水物または脂肪族ジカルボン酸と、該ポ
リエステル中間体のポリエーテルセグメントへの該酸無
水物または脂肪族ジカルボン酸のランダム挿入を促進す
るのに効果的な触媒の存在下で反応させる。得られる生
成物は芳香族ジカルボン酸から誘導される反復単位を約
10重量%以上含むポリエーテルエステル樹脂である。
【0011】芳香族ジカルボン酸から誘導される反復単
位を少なくとも約10重量%有するポリエーテルエステ
ルは一段階挿入法で製造することが難しいのだが、本発
明者らは、驚いたことに、低触媒レベルでさえも、本発
明の二段階法でそれらを簡単に製造しうることを見いだ
した。芳香族ジカルボン酸から誘導される反復単位を約
25重量%まで含むポリエーテルエステルは、優れた機
械的特性ならびに耐薬品性を有する熱硬化性樹脂を製造
するのに有用である。本発明は本発明の方法により製造
されたポリエーテルエステルおよびグリコールでキャッ
プしたポリエーテルエステル樹脂を包含する。また、こ
のような樹脂から作られたポリエーテルエステル熱硬化
性樹脂も本発明に含まれる。
【0012】発明の詳細な記述 本発明の方法は二段階でポリエーテルエステル樹脂を製
造するのに用いられる。第一段階で、低分子量のポリエ
ーテルポリオールを芳香族ジカルボン酸と反応させてポ
リエステル中間体を製造する。
【0013】本明細書中において「低分子量のポリエー
テルポリオール」とは、約2〜8の平均ヒドロキシル官
能価および約2000より小さい数平均分子量を有する
ポリエーテルポリオールのことである。好ましい低分子
量ポリエーテルポリオールは、約2〜3の平均ヒドロキ
シル官能価と約200〜1000の範囲の数平均分子量
を有するものである。適当な低分子量ポリオールとして
は、例えば、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオ
キシエチレンポリオール、エチレンオキシド−プロピレ
ンオキシドコポリマー、ポリテトラメチレンエーテルグ
リコール、オキセタンポリオール、およびテトラヒドロ
フランとエポキシドとのコポリマーが挙げられる。適当
な低分子量ポリオールはトリプロピレングリコール、グ
リセリン、プロポキシル化グリセリン、トリメチロール
プロパンなどのポリアルコール類を含むものである。
【0014】特に好ましい低分子量ポリオールはポリ
(オキシプロピレン)ジオールおよびトリオールであ
る。これらは、公知の方法に従って、ポリアルコール
(例:グリセリン、トリメチロールプロパン、プロピレ
ングリコールなど)とプロピレンオキシドとを塩基性触
媒の存在下で反応させることにより簡単に製造しうる。
【0015】芳香族ジカルボン酸は低分子量のポリエー
テルポリオールと反応する。適当な芳香族ジカルボン酸
はポリエステル産業において普通に使用されているもの
である。芳香族ジカルボン酸は一般的には高融点の固体
である。例を挙げると、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、そしてこれらの酸のハロゲン化誘導体があ
る。特に好ましいものはイソフタル酸である。
【0016】芳香族ジカルボン酸と低分子量のポリエー
テルポリオールの相対割合は、存在する−OH基1モル
につき約2モルまでの−COOH基となるように調整さ
れる。好ましい範囲は存在する−OH基1モルにつき−
COOH基約0.5〜2モルの範囲である。
【0017】低分子量のポリエーテルポリオールと芳香
族ジカルボン酸は、場合によりエステル化触媒の存在下
で、ポリオールのヒドロキシル末端基のエステル化を促
進するのに効果的な条件下で、それらを一緒に加熱する
ことにより反応させる。反応温度は約150〜250℃
の範囲とすることが好ましい。より好ましい範囲は約1
80〜220℃である。この反応は通常、より好ましい
範囲内の温度において約6〜8時間で完了する。反応が
進行するにつれて、芳香族ジカルボン酸が溶融または溶
解してポリエーテルポリオールと反応するので、通常、
反応混合物は不透明から透明へと変化する。
【0018】所望により、エステル化触媒を加えてもよ
い。適当なエステル化触媒は、ポリオールのヒドロキシ
ル末端基と芳香族ジカルボン酸との反応を促進して、芳
香族ジカルボン酸でキャップされたポリオールを生成す
るものである。適当なエステル化触媒としては、例え
ば、p−トルエンスルホン酸のごとき有機スルホン酸が
ある。しばしば、エステル化触媒は省かれる。
【0019】第一段階から得られる生成物はポリエステ
ル中間体である。ポリエステル中間体は一般に、主とし
て芳香族酸の末端基を有する。通常、この反応の進行
は、ただ単に不透明から透明な反応混合物への変化を観
察することによって追跡される。しかし、所望により、
反応混合物の酸価を監視して、酸価が目標値に達したと
きに第二段階へと進行させることができる。
【0020】第二段階では、ポリエステル中間体と酸無
水物または脂肪族ジカルボン酸とを、該ポリエステル中
間体のポリエーテルセグメントへの該酸無水物または脂
肪族ジカルボン酸のランダム挿入を促進するのに効果的
な触媒(「挿入触媒」)の存在下で反応させる。得られ
る生成物は芳香族ジカルボン酸から誘導される反復単位
を約10重量%以上含むポリエーテルエステル樹脂であ
る。
【0021】使用するのに適した酸無水物は環状酸無水
物である。飽和酸無水物、不飽和酸無水物またはこれら
の混合物を使用できる。樹脂を熱硬化性ポリエーテルエ
ステル樹脂の製造に使用しようとする場合は、酸無水物
の少なくとも一部、好ましくは大半、が不飽和でなけれ
ばならない。不飽和酸無水物はエチレン性不飽和を含ん
でいる。適当な不飽和酸無水物として、例えば、無水マ
レイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、ハロゲ
ン化不飽和酸無水物など、それにこれらの混合物が挙げ
られる。無水マレイン酸が特に好ましいものである。適
当な飽和酸無水物(反応性のエチレン性不飽和を含まな
い)としては、例えば、無水コハク酸、無水アルキル置
換コハク酸、無水フタル酸など、それにこれらの混合物
が挙げられる。飽和酸無水物だけを用いて製造されたポ
リエーテルエステルはポリウレタン製造用のポリエステ
ルポリオール中間体として特に有用である。
【0022】本発明において使用しうる脂肪族ジカルボ
ン酸には、2個の−COOH基を含む直鎖状、分枝鎖
状、脂環式の飽和および不飽和化合物が含まれる。好ま
しいジカルボン酸はC3 −C40脂肪族ジカルボン酸であ
る。適当なジカルボン酸として、例えば、アジピン酸、
スベリン酸、マロン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マ
レイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタル酸、コハ
ク酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、そし
てこれらの混合物が挙げられる。飽和C4 −C20脂肪族
ジカルボン酸が特に好ましいものである。
【0023】ポリエステル中間体と酸無水物または脂肪
族ジカルボン酸とは、ポリエステル中間体のポリエーテ
ルセグメントへの該酸無水物またはジカルボン酸のラン
ダム挿入を促進する触媒(「挿入触媒」)の存在下で反
応させる。適当な挿入触媒には、ルイス酸、約0より小
さいpKaを有するプロトン酸および該プロトン酸の金
属塩が含まれる。挿入触媒はポリエステル中間体のポリ
エーテル炭素−酸素結合への酸無水物または脂肪族ジカ
ルボン酸のランダム挿入を促進するのに有効な量で用い
られる。
【0024】好ましいルイス酸は式MXn の金属ハロゲ
ン化物であり、ここでMは2〜4の酸化数を有する金属
であり、Xはハロゲンであり、そしてnは2〜4の整数
である。適当なルイス酸の例としては、塩化亜鉛、臭化
亜鉛、塩化第一スズ、臭化第一スズ、塩化アルミニウ
ム、塩化第二鉄、三フッ化ホウ素など、それにこれらの
混合物がある。最も好ましいものは塩化亜鉛と臭化亜鉛
である。ルイス酸触媒を用いる場合は、ポリエステル中
間体の量に基づいて約0.01〜5重量%の範囲内の量
を用いることが有利である。適当なルイス酸のその他の
例は米国特許第5,319,006号(その教示内容を
参考としてここに組み入れる)に見いだせる。
【0025】約0より小さいpKaを有するプロトン酸
(有機および無機)もまた挿入触媒として有用である。
一般的に、こうした酸は有機カルボン酸よりも強酸であ
るだろう。適当な酸として、アリールスルホン酸、アル
キルスルホン酸、ハロゲン化アルキル−およびアリール
スルホン酸が挙げられる。ハロゲン化水素、ハロスルホ
ン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘテロポリ酸および硫酸
も適している。異なる酸の混合物を使用してもよい。例
を挙げると、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸〔トリフル酸(triflic aci
d)〕、トリクロロメタンスルホン酸、塩酸、リンタン
グステン酸などがある。好ましいプロトン酸は硫酸、p
−トルエンスルホン酸およびリンタングステン酸であ
る。プロトン酸を触媒として用いる場合は、一般的に、
ポリエステル中間体の量に基づいて約0.01〜1重量
%の範囲内の量を用いることが有利である。より好まし
い範囲は約0.01〜0.3重量%である。適当なプロ
トン酸のその他の例は、1994年3月30日に出願さ
れて今回認可された米国特許出願第08/220,14
9号(その教示内容を参考としてここに組み入れる)に
見いだせる。
【0026】約0より小さいpKaを有するプロトン酸
から誘導される金属塩もまた有効な挿入触媒である。好
ましい塩はアリールスルホン酸、アルキルスルホン酸、
ハロゲン化アリール−およびアルキルスルホン酸、テト
ラフルオロホウ酸、硫酸、ヘテロポリ酸およびハロスル
ホン酸の金属塩である。スルホン酸塩、とりわけトリフ
レート(triflate)塩が特に好ましいものであ
る。好ましくは、金属は第IA、IIA、IIB、I
B、IIIA、IVA、VAおよびVIII族から選ば
れる。かくして、金属は例えばリチウム、カリウム、マ
グネシウム、亜鉛、銅、アルミニウム、スズ、アンチモ
ン、鉄、ニッケルでありうる。適当な金属塩の例として
は、リチウムトリフレート、ナトリウムトリフレート、
マグネシウムトリフレート、亜鉛トリフレート、銅(I
I)トリフレート、亜鉛テトラフルオロボレート、亜鉛
p−トルエンスルホネート、アルミニウムトリフレー
ト、鉄(II)テトラフルオロボレート、スズ(II)
トリフレートなど、そしてこれらの混合物がある。金属
塩を触媒として用いる場合、好ましくは、ポリエステル
中間体の量に基づいて約1ppm(10-4重量%)〜約
1重量%の範囲内の量で用いられる。より好ましい範囲
は約0.01〜0.3重量%である。プロトン酸の適当
な金属塩のその他の例は、1994年3月30日に出願
されて今回認可された米国特許出願第08/220,1
49号(その教示内容を参考としてここに組み入れる)
に見いだせる。
【0027】ポリエステル中間体と酸無水物または脂肪
族ジカルボン酸とは、ポリエステル中間体のポリエーテ
ルセグメントへの酸無水物または脂肪族ジカルボン酸の
挿入を促進するのに効果的な条件下に挿入触媒の存在下
で、それらを一緒に加熱することにより反応させる。反
応温度は約80〜250℃の範囲内とすることが好まし
く、より好ましい範囲は約100〜220℃である。通
常、この反応はより好ましい範囲内の温度において大体
8時間以内に完了する。
【0028】得られる生成物は芳香族ジカルボン酸から
誘導される反復単位を約10重量%以上含むポリエーテ
ルエステル樹脂である。ポリエーテルエステル樹脂は芳
香族ジカルボン酸から誘導される反復単位を約10〜2
5重量%含むことが好ましく、約15〜25重量%の範
囲が最適である。
【0029】加熱を続けて、好ましくは約75〜200
mgKOH/gの範囲、より好ましくは約90〜150
mgKOH/gの範囲、最も好ましくは約110〜13
0mgKOH/gの範囲、の酸価を有するポリエーテル
エステル樹脂を製造する。
【0030】上記のごとく製造されたポリエーテルエス
テル樹脂は、通常、かなりの割合のカルボン酸末端基を
有している。この樹脂はポリエーテルエステル熱硬化性
樹脂を製造するために「そのままで」使用することがで
きる。好ましくは、この樹脂をポリエーテルエステルま
たはポリウレタンの製造に用いる前に、それを2通りの
方法のいずれかで改質する。この樹脂の1つの改質法
は、それを加熱し続けて該ポリマーをさらに反応させ、
その酸価を好ましくは約60mgKOH/g以下に低下
させることである。この方法は一般的に2つの方法のう
ちのあまり望ましくない方法である。なんとなれば、樹
脂の酸価を十分に低くするのに過度の加熱と長期にわた
る反応時間が必要となるからである。2番目の、より好
ましい方法は以下に詳述されるが、ポリエーテルエステ
ル樹脂をグリコールの存在下で加熱してその酸価を低下
させる方法である。
【0031】低下した酸価を有するグリコールでキャッ
プしたポリエーテルエステル樹脂を製造するには、約7
5〜200mgKOH/gの範囲内の酸価を有するポリ
エーテルエステル樹脂をグリコールとともに加熱するこ
とが好ましい。適当なグリコールは約200以下の分子
量を有するものである。適当なグリコールとして、例え
ば、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−
プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、ネオペンチルグリコールなど、それにこれらの混
合物が挙げられる。特に好ましいものはプロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコールおよび2−メチル−
1,3−プロパンジオールである。
【0032】グリコールの使用量は、好ましくは、各残
留カルボン酸末端基につき少なくとも約1当量のグリコ
ールとする。一般的に、これはポリエーテルエステル樹
脂を少なくとも約5〜20重量%のグリコールと加熱す
ることに相当する。グリコールとポリエーテルエステル
樹脂とは、グリコールでキャップしたポリエーテルエス
テル樹脂の酸価が希望するレベルに降下するまで、挿入
反応に用いた温度と同じ温度で加熱される。過剰のグリ
コールはすべてストリッピングにより除去される。
【0033】好ましくは、ポリエーテルエステル樹脂を
グリコールの存在下で加熱して、約30〜90mgKO
H/gの範囲内の酸価を有するグリコールでキャップし
たポリエーテルエステル樹脂を製造するようにする。酸
価のより好ましい範囲は約40〜60mgKOH/gで
ある。
【0034】本発明のポリエーテルエステル樹脂および
グリコールでキャップしたポリエーテルエステル樹脂は
ポリエーテルエステル熱硬化性樹脂を製造するのに有用
である。この熱硬化性樹脂は、本発明の樹脂とビニルモ
ノマーとを遊離基開始剤の存在下に、ポリエーテルエス
テル熱硬化性樹脂を製造するのに効果的な条件下で反応
させることにより製造される。この技法は、不飽和ポリ
エステル樹脂から不飽和ポリエステル熱硬化性樹脂を製
造するためにポリエステル業界で使用されている方法と
本質的に同じである。
【0035】本発明のポリエーテルエステル熱硬化性樹
脂を製造するにあたって、ビニルモノマーが用いられ
る。好ましいビニルモノマーはビニル芳香族モノマー、
アクリレート、メタクリレートおよびアリルエステルで
ある。適当なビニルモノマーとして、例えば、スチレ
ン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ジア
リルフタレート、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレ
ンなど、それにこれらの混合物が挙げられる。スチレン
が特に好ましいものである。
【0036】ポリエーテルエステル樹脂は、しばしば、
ビニルモノマー(一般にはスチレン)および反応抑制剤
(例えば、ヒドロキノン、t−ブチルカテコールなど、
またはこれらの混合物)とともにブレンドされ、必要と
なるまでこの溶液が保存される。
【0037】ポリエーテルエステル樹脂の溶液を用いて
透明な注型品を作るためには、それを遊離基開始剤(好
ましくは、過酸化ベンゾイル、過安息香酸t−ブチルな
ど)と混合し、この混合物をモールドに注入し、それを
加熱して硬化を達成させる。所望により、熱硬化性樹脂
中に他の添加剤(例えば、充填剤、顔料、チョップトグ
ラス、グラスマット、低プロファイル添加剤、難燃剤な
ど)を配合することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下の実施例は本発明を単に例示
するものである。当業者は本発明の精神および請求の範
囲に含まれる多くの変更を認識するであろう。
【0039】実施例1 エステル化/挿入によるポリエーテルエステル樹脂の製
造および該樹脂からのポリエーテルエステル熱硬化性樹
脂の製造 2リットルの重合がまに分子量400のポリ(オキシプ
ロピレン)ジオール(900g)、イソフタル酸(30
0g,20%)およびp−トルエンスルホン酸触媒
(1.5g)を入れた。この混合物を195℃に加熱
し、この温度で6時間つまり混合物が透明になるまで維
持した。無水マレイン酸(300g,20%)を加え、
この混合物を185℃で加熱した。酸価が120mgK
OH/gに下がるまで加熱を続けた。プロピレングリコ
ール(180g)を加えて、加熱を続けた。グリコール
添加の約4時間後、樹脂の酸価が55mgKOH/gに
低下した。この生成物を約120℃にまで下げて100
ppmのヒドロキノンを加えた。その後、この樹脂(6
0重量%)を、メチルヒドロキノン(100ppm)と
t−ブチルカテコール(50ppm)の反応抑制剤を含
有するスチレン(40重量%)とブレンドした。
【0040】このポリエーテルエステル樹脂の溶液を用
いて、透明な注型品を次のようにして作った。過酸化ベ
ンゾイル(1.3重量%)と過安息香酸t−ブチル
(0.3重量%)を樹脂/スチレン溶液と合わせた。こ
の混合物をモールドに注入し、55℃で一夜、次に75
℃で2時間、105℃で2時間、最後に135℃で2時
間加熱した。表1に示した性質を有するポリエーテルエ
ステル熱硬化性樹脂が得られた。
【0041】
【表1】 IPA=イソフタル酸; MA=無水マレイン酸 透明な注型品を製造するにあたって、ポリエーテルエス
テル樹脂/スチレン溶液を過酸化ベンゾイル(1.3重
量%)および過安息香酸t−ブチル(0.3重量%)と
混合した。この混合物をモールドに注入し、55℃で一
夜、次に75℃で2時間、105℃で2時間、最後に1
35℃で2時間加熱した。引張および曲げ特性は標準A
STM法D−638およびD−790を用いて測定し
た。
【0042】実施例2〜4 エステル化/挿入によるポリエーテルエステル樹脂の製
造および該樹脂からのポリエーテルエステル熱硬化性樹
脂の製造 実施例1の手順にしたがって、本発明の二段階エステル
化/挿入法により別のポリエーテルエステル樹脂を製造
した。該樹脂の製造に用いた無水マレイン酸とイソフタ
ル酸の量を表1に示すように変えた。該樹脂をスチレン
とともに硬化させてポリエーテルエステル熱硬化性樹脂
を製造した。これらのポリエーテルエステル熱硬化性樹
脂の性質を表1に示す。
【0043】比較例5 おおむね実施例1の手順にしたがったが、配合物からイ
ソフタル酸を除いた。ポリエーテルジオールを無水マレ
イン酸(300g,20%)とともに185℃で加熱し
ただけだった。この樹脂を実施例1に記載したようにス
チレンとともに硬化させた。このポリエーテルエステル
熱硬化性樹脂の性質を表1に示す。
【0044】この実施例は、一層高い引張強さおよび曲
げ強さを有する熱硬化性樹脂がポリエーテルエステル樹
脂中にイソフタル酸反復単位を含めることによって得ら
れることを示している。
【0045】エステル化のみによるポリエーテルエステ
ル樹脂の製造(比較例6〜8) 比較例6 2リットルの重合がまに分子量約400のポリオキシプ
ロピレンジオール(649g)、イソフタル酸(320
g)、無水マレイン酸(320g)およびプロピレング
リコール(311g)を入れた。この混合物を195℃
に加熱し、95%以上の反応水が回収されるまで、また
は酸価が60mgKOH/g以下に低下するまで(24
〜35時間)、上記の温度に保った。酸価が40mgK
OH/g以下に低下するまで減圧下(20〜50mmH
g)で195℃に加熱した。生成物を約120℃まで下
げてヒドロキノン(100ppm)を加えた。次に、こ
の樹脂を、反応抑制剤としてメチルヒドロキノン(10
0ppm)とt−ブチルカテコール(50ppm)を含
むスチレンと60/40(重量/重量)の割合でブレン
ドした。この樹脂溶液を用いて、実施例1に記載したご
とく透明な熱硬化した注型品を製造した。注型品の物理
的性質を表1に示す。
【0046】比較例7 比較例6の手順を用いてエステル化のみにより、15%
のイソフタル酸反復単位と20%の無水マレイン酸反復
単位を含むポリエーテルエステル樹脂を製造した。反応
物の量を次のように調整した:すなわち、分子量約40
0のポリオキシプロピレンジオール(797g)、イソ
フタル酸(240g)、無水マレイン酸(320g)お
よびプロピレングリコール(243g)。この樹脂溶液
を用いて、実施例1に記載したごとく透明な熱硬化した
注型品を製造した。注型品の物理的性質を表1に示す。
【0047】比較例8 比較例6の手順を用いてエステル化のみにより、10%
のイソフタル酸反復単位と20%の無水マレイン酸反復
単位を含むポリエーテルエステル樹脂を製造した。反応
物の量を次のように調整した:すなわち、分子量約40
0のポリオキシプロピレンジオール(946g)、イソ
フタル酸(160g)、無水マレイン酸(320g)お
よびプロピレングリコール(174g)。この樹脂溶液
を用いて、実施例1に記載したごとく透明な熱硬化した
注型品を製造した。注型品の物理的性質を表1に示す。
【0048】実施例9〜11 エステル化/挿入によるポリエーテルエステル樹脂の製
造および該樹脂からのポリエーテルエステル熱硬化性樹
脂の製造 実施例1の手順にしたがって、15〜25重量%のイソ
フタル酸からポリエーテルエステル樹脂を製造した(表
2参照)。次に、この樹脂を、メチルヒドロキノン(1
00ppm)およびt−ブチルカテコール(50pp
m)抑制剤を含むスチレン(40重量%)とブレンドし
た。
【0049】それぞれのポリエーテルエステル樹脂溶液
を用いて、次のごとく透明な注型品を製造した。樹脂溶
液をナフテン酸コバルト(0.2〜0.5重量%)およ
びメチルエチルケトンペルオキシド(1〜1.5重量
%)と混合した。この溶液をモールドに注入し、室温で
一夜硬化させた。この生成物を100℃で5時間さらに
加熱して後硬化させた。表2に示した性質を有するポリ
エーテルエステル熱硬化性樹脂が得られた。
【0050】比較例12 挿入法のみによる20%イソフタル酸/20%無水マレ
イン酸ポリエーテルエステル樹脂の製造の試み 分子量3000のポリ(オキシプロピレン)トリオール
(900g)、無水マレイン酸(300g)、イソフタ
ル酸(300g)およびp−トルエンスルホン酸(3.
0g)を2リットルの重合がまに入れ、この混合物を1
95℃で6時間加熱した。追加のp−トルエンスルホン
酸(3.0g)を加え、この混合物を195℃で16時
間以上加熱した。反応混合物は薄黒くなり、イソフタル
酸の多くが反応していなかったのでまだ濁っていた。こ
の反応は中途でやめた。
【0051】比較例13 挿入法のみによる20%イソフタル酸ポリエーテルエス
テル樹脂の製造の試み 2リットルの重合がまにポリオキシプロピレンジオール
(分子量2000,1400g)、イソフタル酸(35
1g)およびp−トルエンスルホン酸(8.9g)を入
れた。この混合物を激しく攪拌しながら185℃に加熱
した。約18時間の加熱後、反応混合物は白色の固体と
して存在している未反応イソフタル酸をまだ多量に含ん
でいた。この時点で、混合物は著しく黒ずんでいた。
2,3時間以内にそれは暗褐色となり、廃棄された。
【0052】比較例14 挿入法のみによる15%イソフタル酸ポリエーテルエス
テル樹脂の製造の試み
【0053】3リットルの重合がまに分子量3000の
ポリオキシプロピレントリオール(1934g)、イソ
フタル酸(342g)およびp−トルエンスルホン酸
(6.8g)を入れた。この混合物を激しく攪拌しなが
ら185℃に加熱した。約18時間半の加熱後、まだ濁
っている混合物の酸価が45mgKOH/gに低下し
た。プロピレングリコール(70g)を加え、加熱をさ
らに5時間続けた。反応混合物が変色したので加熱をや
めたが、固体がまだ存在していた。プロトンNMR分析
により、その固体は未反応のイソフタル酸であることが
判明した。
【0054】
【表2】 IPA=イソフタル酸; MA=無水マレイン酸 透明な注型品を製造するにあたって、ポリエーテルエス
テル樹脂/スチレン溶液をナフテン酸コバルト(0.2
〜0.5重量%)およびメチルエチルケトンペルオキシ
ド(1〜1.5重量%)と混合した。この溶液をモール
ドに注入し、室温で一夜硬化させた。生成物をさらに1
00℃で5時間加熱して後硬化させた。引張および曲げ
特性は標準ASTM法D−638およびD−790を用
いて測定した。
【0055】比較例12〜14から、イソフタル酸から
誘導される反復単位を約15〜20重量%含むポリエー
テルエステル樹脂は、0.1〜0.5重量%の望ましい
触媒レベルでは、ポリエーテルポリオールへのイソフタ
ル酸の一段階挿入によって簡単には製造できないことが
分かる。一方、これらの生成物は本発明の二段階エステ
ル化/挿入法により簡単に製造することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明の方法は注目に値する利点を提供
する。芳香族ジカルボン酸から誘導される反復単位を少
なくとも約10重量%有するポリエーテルエステルを一
段階挿入法で製造することは難しいのに、本発明の二段
階法ではそれらを簡単に製造することができる。本発明
の方法は低触媒レベルを用いて数時間で完全な反応をも
たらすが、一段階挿入法は数日後でもしばしば不完全で
ある。その上、本発明の方法は一定の品質のポリエーテ
ルエステル樹脂を提供する。
【0057】本発明の方法により製造されたポリエーテ
ルエステル製品は、イソフタレートポリエステルに予期
されるように、良好な機械的性質と耐薬品性を示す(実
施例1〜4を比較例5と比較されたい)。しかし、驚い
たことに、本発明のポリエーテルエステルから製造され
た熱硬化性樹脂は、エステル化法のみを用いて製造した
ポリエーテルエステルから製造されたものより性能がす
ぐれている(実施例1〜3を比較例6〜8と比較された
い)。とりわけ、本発明のポリエーテルエステル樹脂か
ら製造された熱硬化性樹脂の引張強さは、特に15〜2
0重量%のイソフタル酸範囲において、一段階エステル
化法で製造したポリエーテルエステルから製造された熱
硬化性樹脂の引張強さをはるかに越えている。これらの
結果は、挿入法によって少なくとも部分的に製造された
ポリエーテルエステル樹脂を使用することの利点をまさ
に示すものである。
【0058】しかしながら、比較例12〜14から明ら
かなように、挿入法だけでは満足のゆくものではない。
0.3〜0.5重量%のp−トルエンスルホン酸触媒と
15〜20重量%のイソフタル酸を用いて挿入法のみで
ポリエーテルエステル樹脂を製造する試みはうまくいか
なかった。185〜195℃で約20時間反応させた後
でさえ、多量のイソフタル酸が未反応のままである。一
方、本発明の二段階法を使用すると、イソフタル酸から
誘導される反復単位を20重量%またはそれ以上含む生
成物が容易に得られる(実施例1、10、11を参照の
こと)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラウ エス ヤン アメリカ合衆国 デラウエア 19810 ウ イルミントン ノース ゲート ロード 2604 (72)発明者 ジェフリー エイ クラング アメリカ合衆国 ペンシルベニア 19341 エクストン ボールダーストン ドライ ブ 410

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の工程: (a)低分子量のポリエーテルポリオールを芳香族ジカ
    ルボン酸と反応させてポリエステル中間体を製造するこ
    と;および(b)該ポリエステル中間体と酸無水物また
    は脂肪族ジカルボン酸とを、該ポリエステル中間体のポ
    リエーテルセグメントへの該酸無水物または脂肪族ジカ
    ルボン酸のランダム挿入を促進するのに効果的な触媒の
    存在下で反応させて、芳香族ジカルボン酸から誘導され
    る反復単位を10重量%以上含むポリエーテルエステル
    樹脂を製造すること;を含んでなる方法。
  2. 【請求項2】 芳香族ジカルボン酸がイソフタル酸、フ
    タル酸およびテレフタル酸よりなる群から選ばれる、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 低分子量のポリエーテルポリオールが2
    〜3の平均ヒドロキシル官能価、および200〜100
    0の範囲の数平均分子量を有する、請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 ポリエーテルエステル樹脂が75〜20
    0mgKOH/gの範囲の酸価を有する、請求項1に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 ポリエーテルエステル樹脂をグリコール
    とさらに反応させてグリコールでキャップしたポリエー
    テルエステル樹脂を製造する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 グリコールでキャップしたポリエーテル
    エステル樹脂が30〜90mgKOH/gの範囲の酸価
    を有する、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 酸無水物が無水マレイン酸である、請求
    項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 脂肪族ジカルボン酸がアジピン酸であ
    る、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 触媒がルイス酸、0より小さいpKaを
    有するプロトン酸および該プロトン酸の金属塩よりなる
    群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ポリエーテルエステル樹脂が芳香族ジ
    カルボン酸から誘導される反復単位を少なくとも20重
    量%含むものである、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ポリエーテルエステル樹脂とビニルモ
    ノマーとを遊離基開始剤の存在下で反応させてポリエー
    テルエステル熱硬化性樹脂を製造することをさらに含
    む、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 グリコールでキャップしたポリエーテ
    ルエステル樹脂とビニルモノマーとを遊離基開始剤の存
    在下で反応させてポリエーテルエステル熱硬化性樹脂を
    製造することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ビニルモノマーがスチレンである、請
    求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 請求項1の方法により製造されたポリ
    エーテルエステル樹脂。
  15. 【請求項15】 請求項5の方法により製造されたポリ
    エーテルエステル樹脂。
  16. 【請求項16】 請求項11の方法により製造されたポ
    リエーテルエステル熱硬化性樹脂。
  17. 【請求項17】 請求項12の方法により製造されたポ
    リエーテルエステル熱硬化性樹脂。
  18. 【請求項18】 次の工程: (a)2〜3の平均ヒドロキシル官能価および200〜
    1000の範囲の数平均分子量を有する低分子量のポリ
    エーテルポリオールをイソフタル酸、フタル酸およびテ
    レフタル酸よりなる群から選ばれる芳香族ジカルボン酸
    と反応させてポリエステル中間体を製造すること; (b)該ポリエステル中間体と酸無水物または脂肪族ジ
    カルボン酸とを、該ポリエステル中間体のポリエーテル
    セグメントへの該酸無水物または脂肪族ジカルボン酸の
    ランダム挿入を促進するのに効果的な、ルイス酸、0よ
    り小さいpKaを有するプロトン酸および該プロトン酸
    の金属塩よりなる群から選ばれる触媒の存在下で反応さ
    せて、芳香族ジカルボン酸から誘導される反復単位を1
    0重量%以上含むポリエーテルエステル樹脂を製造する
    こと;および (c)該ポリエーテルエステル樹脂をグリコールと反応
    させてグリコールでキャップしたポリエーテルエステル
    樹脂を製造すること;を含んでなる方法。
  19. 【請求項19】 グリコールでキャップしたポリエーテ
    ルエステル樹脂が30〜90mgKOH/gの範囲の酸
    価を有する、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 酸無水物が無水マレイン酸である、請
    求項18に記載の方法。
  21. 【請求項21】 グリコールでキャップしたポリエーテ
    ルエステル樹脂が芳香族ジカルボン酸から誘導される反
    復単位を少なくとも20重量%含むものである、請求項
    1に記載の方法。
  22. 【請求項22】 グリコールでキャップしたポリエーテ
    ルエステル樹脂とビニルモノマーとを遊離基開始剤の存
    在下で反応させてポリエーテルエステル熱硬化性樹脂を
    製造することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  23. 【請求項23】 ビニルモノマーがスチレンである、請
    求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 請求項18の方法により製造されたグ
    リコールでキャップしたポリエーテルエステル樹脂。
  25. 【請求項25】 請求項22の方法により製造されたポ
    リエーテルエステル熱硬化性樹脂。
  26. 【請求項26】 次の工程: (a)2〜3の平均ヒドロキシル官能価および200〜
    1000の範囲の数平均分子量を有する低分子量のポリ
    エーテルポリオールをイソフタル酸と反応させてポリエ
    ステル中間体を製造すること; (b)該ポリエステル中間体と酸無水物または脂肪族ジ
    カルボン酸とを、該ポリエステル中間体のポリエーテル
    セグメントへの該酸無水物または脂肪族ジカルボン酸の
    ランダム挿入を促進するのに効果的な、ルイス酸、0よ
    り小さいpKaを有するプロトン酸および該プロトン酸
    の金属塩よりなる群から選ばれる触媒の存在下で反応さ
    せて、イソフタル酸から誘導される反復単位を10重量
    %以上含むポリエーテルエステル樹脂を製造すること;
    および (c)該ポリエーテルエステル樹脂をグリコールと反応
    させて、30〜90mgKOH/gの範囲の酸価を有す
    るグリコールでキャップしたポリエーテルエステル樹脂
    を製造すること;を含んでなる方法。
  27. 【請求項27】 グリコールでキャップしたポリエーテ
    ルエステル樹脂がイソフタル酸から誘導される反復単位
    を少なくとも20重量%含むものである、請求項26に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 グリコールでキャップしたポリエーテ
    ルエステル樹脂とスチレンとを遊離基開始剤の存在下で
    反応させてポリエーテルエステル熱硬化性樹脂を製造す
    ることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 請求項26の方法により製造されたグ
    リコールでキャップしたポリエーテルエステル樹脂。
  30. 【請求項30】 請求項28の方法により製造されたポ
    リエーテルエステル熱硬化性樹脂。
JP8058269A 1995-03-28 1996-02-22 芳香族エステル含量の高いポリエーテルエステルの製造方法 Pending JPH0920821A (ja)

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