JPH09208170A - エスカレータの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はハンドレール停止検出装置稼動時の
エスカレータの停止を乗客に無理な力を加えることなく
行うエスカレータの安全装置の提供。 【解決手段】 ハンドレール６が停止したことをハンド
レール停止時非常駆動装置１１が検出し、一定時間、今
までハンドレール６が動作していた方向に駆動する。こ
の時間とは、ハンドレール６が停止し、ハンドレール停
止検出ＳＷが稼動し、エスカレータ制御部１に信号を送
り、駆動減速機２が停止し、ステップ５が停止するまで
の間のことである。 【効果】 エスカレータのハンドレールが停止したこと
を検出しエスカレータのステップを停止させる安全装置
において、ステップが完全に停止するまでハンドレール
を動作させるため、乗客が安全に停止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エスカレータの安
全装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エスカレータの安全装置は、駆動用のチ
ェーンが切れた時、動力が切れた時、又は昇降口におけ
る床の間口部を覆う戸が閉じようとする時に、ステップ
を自動的に停止させることと建築基準法により決められ
ている。特にハンドレールが何らかの原因で駆動されず
停止した時、これを検出して、エスカレータの制御装置
に伝達し、ステップを停止するハンドレール停止検出装
置がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術ではハン
ドレールが何かの原因で停止したことを検出してエスカ
レータの制御装置に伝達し、ステップの駆動を停止す
る。このため今、乗客がエスカレータを利用中に前記の
ようにハンドレールが停止したとすると、ステップが止
まるまでに、ハンドレール検出装置−エスカレータ制御
部−駆動減速機停止−ステップ停止という時間がかか
る。このため、エスカレータにより下降中の乗客の場合
はハンドレールを強くつかんでいた場合、ハンドレール
は停止したがステップはしばらく先行して動作すること
になりあお向けに転倒する恐れがあった。

【０００４】本発明は上記の問題点に着目して、ハンド
レール停止検出装置動作時に乗客が安全に停止できるエ
スカレータの安全装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明は、無端状に配列されて回動するステップ、こ
のステップを駆動するターミナルスプロケット、前記ス
テップと同期して回動するハンドレール、このハンドレ
ールを駆動するハンドレール駆動車、前記ターミナルス
プロケット及びハンドレール駆動車を同時に駆動する駆
動減速機、前記駆動減速機を制御するエスカレータ制御
部、前記ハンドレールが何らかの原因で停止した時、安
全のため、前記ステップの駆動を停止させるハンドレー
ル停止検出装置を有したエスカレータの安全装置におい
て、前記ハンドレール停止検出装置が動作して前記ステ
ップを停止させるまで、前記ハンドレール駆動車と別な
駆動系により前記ハンドレールを駆動する構成としたも
のである。

【０００６】ハンドレール停止検出装置が動作した時、
ステップがエスカレータ制御部からの信号で停止するま
での時間、ハンドレール駆動車と別系統の駆動系により
今まで動作していた方向にハンドレールを駆動すること
により、乗客はハンドレールを持ちつづけていても、転
倒することなく停止できる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面により説明する。

【０００８】図１は本発明の一実施形態を示す説明図
で、１はエスカレータ制御装置、２は駆動減速機、３は
ハンドレール駆動車、４は上部ターミナルスプロケッ
ト、５はステップ、６はハンドレール、７はステップチ
ェーン、８は下部ターミナルスプロケット、９はフレー
ム、１０はハンドレール停止検出ＳＷ、１１はハンドレ
ール停止時非常駆動装置を示す。

【０００９】図２は、通常のハンドレール停止検出ＳＷ
動作時の乗客の状態を示したものである。１２は通常の
下降時の乗客、１３はハンドレール停止検出動作時の乗
客の状態を示す。

【００１０】図３は、本発明によるエスカレータの安全
装置のハンドレール停止時非常駆動装置が稼動した時の
乗客の状態を示したものである。１４は通常の下降時の
乗客、１５はハンドレール停止検出動作時にハンドレー
ル停止時非常駆動装置が稼動したときの乗客の状態を示
したものである。

【００１１】以下本発明の作用について説明する。

【００１２】今、乗客がエスカレータ上部から乗り込ん
で来たものとする。

【００１３】今エスカレータはエスカレータ制御装置１
によって駆動減速機２が稼動されている状態にあり、こ
れにより上部ターミナルスプロケット４及びハンドレー
ル駆動車３が駆動されている。

【００１４】これによりステップ５及びハンドレール６
が回動して、エスカレータ本体は下階に向けて運転中と
なる。

【００１５】乗り込んだ客は図２の１２のようにステッ
プ５上に立ちハンドレール６を持ちながら下降する。

【００１６】今、ハンドレール６が何らかの原因で停止
したとする。この時ハンドレール停止検出ＳＷ１０が稼
動してエスカレータ制御装置１に信号を送る。これによ
り駆動減速機２を停止させ、上部ターミナルスプロケッ
ト４が停止し、これと同期して動いていたステップ５が
停止する。

【００１７】しかし、ハンドレール６が停止し、これを
検出してからステップが止まるまでの間、上記の行程が
過ぎる時間だけステップ５は下降し続けており、これに
よりハンドレールをしっかりつかんでいた乗客１２はス
テップ５が速度Ｓ１で動いていたとするとその速度で後
方に引張られることになり、１３のようにあお向けに転
倒する危険性がある。

【００１８】しかしここで本発明によるハンドレール停
止時非常駆動装置１１を設置すると、乗客が下降中にハ
ンドレール６が何らかの原因で停止した場合、ハンドレ
ール停止検出ＳＷ１０が稼動すると同時にハンドレール
停止時非常駆動装置１１も同時にハンドレール６の停止
を検出する。これによりハンドレール停止時非常駆動装
置１１はハンドレール６に接する駆動用のプーリーと、
これを駆動するモーターにより構成されており、今まで
ハンドレール６が動作していた方向に一定時間だけハン
ドレールを動作させる。

【００１９】この一定時間とは前記ハンドレール６が止
まってから前記ステップ５が停止するまでの時間であら
かじめ設定してある。

【００２０】これにより下階に移動しようとしていた乗
客１４は、ハンドレール６が一瞬停止するが、即、ハン
ドレール停止時非常駆動装置１１が稼動するため、ハン
ドレール６をしっかりつかんでいても、ステップ５の速
さＳ１とハンドレールの速度Ｓ２が同期しているため、
１５のように停止した時も安全な状態となる。

【００２１】又このような故障が起こった場合、乗客が
多人数の場合二次的な乗客同士によるぶつかり合いによ
る災害の発生も防止することができる。

【００２２】尚、以上の一実施形態ではハンドレール６
の駆動をハンドレール停止時非常駆動装置により、ステ
ップ５が停止するまでを、この内部のモーターにより一
定時間駆動させることによって、乗客の停止時のショッ
クをやわらげるものとしたが、これに限定されることな
く、何らかの方法で駆動減速機２と別系統の駆動系でハ
ンドレール６を動作させ、乗客の停止時のショックをや
わらげるものであれば、本発明と同様の効果を奏する。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、エスカレータのハンド
レールが停止したことを検出し、エスカレータのステッ
プを停止させる安全装置において、前記ステップが完全
に停止するまで前記ハンドレールを通常と別な駆動系に
よって駆動させるため乗客が安全に停止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す説明図である。

【図２】従来の技術で乗客がどうなるかを示す説明図で
ある。

【図３】本発明における乗客の説明図である。

【符号の説明】

１ エスカレータ制御装置 ２ 駆動減速機 ３ ハンドレール駆動車 ４ 上部ターミナルスプロケット ５ ステップ ６ ハンドレール ７ ステップチェーン ８ 下部ターミナルスプロケット ９ フレーム １０ ハンドレール停止検出ＳＷ １１ ハンドレール停止時非常駆動装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状に配列されて回動するステップ、
   このステップを駆動するターミナルスプロケット、前記
   ステップと同期して回動するハンドレール、このハンド
   レールを駆動するハンドレール駆動車、前記ターミナル
   スプロケット及びハンドレール駆動車を同時に駆動する
   駆動減速機、前記駆動減速機を制御するエスカレータ制
   御部、前記ハンドレールが何らかの原因で停止した時、
   安全のため、前記ステップの駆動を停止させるハンドレ
   ール停止検出装置を有したエスカレータの安全装置にお
   いて、前記ハンドレール停止検出装置が動作して前記ス
   テップを停止させるまで、前記ハンドレール駆動車と別
   な駆動系により前記ハンドレールを駆動することを特徴
   としたエスカレータの安全装置。