JPH09208031A - 物品仕分け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 物品の搬送方向の長さのみに基づいてダイバ
ータ動作の開始タイミングを制御するので、同じ長さで
あっても横幅が大きく異なる物品については正確且つ確
実な払い出しができないことがあった。 【解決手段】 ダイバータ制御手段１５は、物品Ｗの長
さ及び横幅に応じて、各長さ及び横幅に対応付けてダイ
バータ動作の開始タイミングを格納する２つのテーブル
１５ａを有している。仕分けライン４の搬送速度は高速
・低速の２段階に調節可能であり、２つのテーブル１５
ａは仕分けライン４の２段階の搬送速度にそれぞれ対応
するものである。横幅検出手段９及び長さ検出手段１０
で検出された物品Ｗの横幅及び長さに基づいて、そのと
きの仕分けライン４の搬送速度に対応するテーブル１５
ａを参照してダイバータ動作の開始タイミングが特定さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ダイバータによっ
て仕分けライン上の物品を分岐路に払い出す物品仕分け
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、側縁部に複数のダイバータが配置
された仕分けラインと、仕分けラインの側方に各ダイバ
ータに対向するように配置された複数の分岐路とを有す
る物品仕分け装置が知られている。このような物品仕分
け装置においては、上流側のコンベアから多数の物品が
次々と仕分けラインに供給され、物品が仕分けライン上
で所定の位置に達するとダイバータを動作させて分岐路
に払い出す。通常、仕分けラインに供給される多数の物
品はさまざまな形状をなしている。そこで、各物品の搬
送方向の長さを検出し、検出した長さに基づいてダイバ
ータ動作の開始タイミング（ダイバータの動作を開始さ
せる時の物品の前端位置）を制御することが行われてい
る。仕分けラインに供給する物品間に付与すべき間隔は
仕分けラインの搬送速度及びダイバータの動作時間等に
よって決定され、仕分けラインの搬送速度を出来る限り
速くし、ダイバータの動作時間を出来る限り短くする
と、仕分けラインに供給する物品間の間隔を最小にする
ことができる。そこで、効率よく仕分け作業を行うため
に、仕分けラインの搬送速度は許容される（ダイバータ
による払い出し時に衝撃で物品が損傷しない等の要件を
満たす）最大速度に設定されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
物品仕分け装置では、物品の搬送方向の長さのみに基づ
いてダイバータ動作の開始タイミングを制御するので、
同じ長さであっても横幅が大きく異なる物品について
は、物品が大きく回転してしまう或いは分岐路の側壁に
強く衝突して物品が損傷してしまう等の問題が発生し、
正確且つ確実な払い出しができないことがあった。ま
た、仕分けラインの搬送速度は常に高速であるので、仕
分ける物品の搬送量が少ない時間帯等、仕分けラインの
搬送速度を高速に維持する必要性が低い（低速にしても
さほど効率が低下しない）場合には、仕分け効率との関
係から仕分けラインの駆動用モータに供給する電力が無
駄になることがあった。

【０００４】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、その目的は、仕分けライン上の物品の横幅及び長さ
に応じてダイバータ動作の開始タイミングを制御するこ
とにより、さまざまな形状の物品を仕分ける場合でも各
物品を正確且つ確実に分岐路に払い出すことができる物
品仕分け装置を提供することにある。また、仕分けライ
ンの搬送速度を複数の段階に調整可能とすることで、状
況に応じて仕分けラインの搬送速度を低速として消費す
る電力を節約することができ、さらに仕分けラインの搬
送速度を変化させた状態でも各物品を正確且つ確実に分
岐路に払い出すことができる物品仕分け装置を提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の発明は、ダイバータによって仕分け
ライン上の物品を分岐路に払い出す物品仕分け装置であ
って、ダイバータより上流位置で物品の横幅及び長さを
検出する横幅検出手段及び長さ検出手段と、物品の横幅
及び長さに応じたダイバータ動作の開始タイミング情報
を格納したテーブルを有し、検出した横幅及び長さによ
り特定される開始タイミングに基づいてダイバータ動作
を制御するダイバータ制御手段とを有する物品仕分け装
置である。

【０００６】請求項２記載の発明は、仕分けラインの搬
送速度が複数の段階に調整可能であるものである。

【０００７】請求項３記載の発明は、前記ダイバータ制
御手段は仕分けラインの複数の搬送速度毎にテーブルを
有し、そのときの仕分けラインの搬送速度に対応するテ
ーブルを参照して検出した横幅及び長さにより特定され
る開始タイミングに基づいてダイバータ動作を制御する
ものである。

【０００８】本発明は以下のような作用をなすものであ
る。請求項１記載の発明では、検出した物品の横幅及び
長さにより特定される開始タイミングに基づいてダイバ
ータ動作を制御するダイバータ制御手段を有するので、
予めテーブルに最適なタイミングを格納しておくこと
で、各物品に対して最適なタイミングでダイバータの動
作を開始させることができる。

【０００９】

【実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面を用い
て説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら本実
施の形態に限定されるものではない。尚、本明細書にお
いて、前とは図１の右側、後とは同図の左側をいい、右
とは図１の上側、左とは同図の下側をいい、上とは図１
の紙面表側、下とは同図の紙面裏側をいう。

【００１０】図１に示すように、物品仕分け装置は、上
流側から順に物品Ｗが連続して搬送されるように設けら
れた、供給コンベア１，第１の切り出しコンベア２（上
流側），第２の切り出しコンベア３（下流側）及び仕分
けライン４を有している。仕分けライン４は搬送面の摩
擦係数の小さいスチール製のベルトコンベアであり、そ
の他の各コンベア１〜３は通常の弾性体等からなるベル
トコンベアである。

【００１１】仕分けライン４の側縁部には前後に間隔を
おいて複数のダイバータ５が配置されていると共に、各
ダイバータ５に対向するようにして仕分けライン４の側
方には分岐路６が接続されている。各ダイバータ５は前
端部の垂直軸回りに揺動自在であり、後述するダイバー
タ制御手段１５からの起動信号によりダイバータ動作用
モータ７で揺動させられる。ダイバータ５が揺動して仕
分けライン４の搬送面上に突出することにより（図１の
２点鎖線で示す状態）、対向する分岐路６に物品Ｗを払
い出すことができる。

【００１２】仕分けライン４の搬送速度は高速・低速の
２段階に調節可能となっており、通常は高速で搬送され
ている。図示しない設定手段からの入力により、仕分け
ライン制御手段１６は仕分けライン駆動用モータ８を介
して搬送速度を適宜切り換えることができる。例えば、
作業者は単位時間当たりの搬送量が少ない時間帯は低速
となるように設定することにより、仕分け効率をさほど
低下させることなく仕分けライン駆動用モータ８が消費
する電力を節約することができる。尚、光電センサ等で
単位時間当たりの物品Ｗの搬送量を検出し、その検出結
果に基づいて搬送速度が自動的に切り換わるようにして
もよい。

【００１３】次に仕分けライン４より上流部分について
説明する。供給コンベア１と第１の切り出しコンベア２
（上流側）との搬送面間において、光軸がその搬送面高
さを上下方向に通過するような複数の光電センサが左右
方向に沿って配置されている（図２参照）。この光電セ
ンサ群は物品Ｗの左右方向の幅（横幅）を検出するため
の横幅検出手段９であり、各光電センサからのＯＮ・Ｏ
ＦＦ信号がダイバータ制御手段１５に取り込まれて横幅
が検出される。即ち、ダイバータ制御手段１５は物品Ｗ
によって光軸が遮蔽された光電センサの数から横幅を検
出することができる。

【００１４】横幅検出手段９より下流側において、光軸
が第１の切り出しコンベア２の搬送面のやや上方を左右
方向に通過する一対の光電センサが配置されている。こ
の光電センサは物品Ｗの前後方向の長さを検出するため
の長さ検出手段１０であり、光電センサのＯＮ・ＯＦＦ
信号がダイバータ制御手段１５に取り込まれて長さが検
出される。即ち、ダイバータ制御手段１５は物品Ｗによ
って光軸が遮蔽された時間から長さを検出することがで
きる。

【００１５】第１及び第２の切り出しコンベア２，３は
図示しない駆動用モータにより駆動され、第２の切り出
しコンベア３はその搬送速度が調節可能となっている。
長さ検出手段１０である光電センサのＯＮ・ＯＦＦの時
間から物品Ｗの長さだけでなく物品間の間隔を検出し、
仕分けライン４に供給される物品間に適切な間隔が付与
されるように第２の切り出しコンベア３の搬送速度が調
節される。

【００１６】次にダイバータ５の起動タイミングについ
て説明する。仕分けライン４の入口付近において、光軸
が仕分けライン４の搬送面のやや上方を左右方向に通過
するように一対の光電センサ１１が配置されている。ダ
イバータ制御手段１５は、光電センサ１１により物品Ｗ
の通過を検出した後、仕分けライン駆動用モータ８の回
転数を検出するエンコーダ８ａの値が所定値に達する
と、所定のダイバータ駆動用モータ８に駆動指令を送
る。

【００１７】ダイバータ制御手段１５は物品Ｗの長さ及
び横幅に応じて、各長さ及び横幅に対応付けてダイバー
タ動作の開始タイミングを格納した２つのテーブル１５
ａを有しており、横幅検出手段９及び長さ検出手段１０
により検出した長さ及び横幅に基づいて、テーブル１５
ａを参照してダイバータ駆動用モータ８に駆動指令を送
る。各テーブル１５ａにはそれぞれ高速用及び低速用の
開始タイミングが格納されており、仕分けライン４の搬
送速度が高速の場合には高速用，低速の場合には低速用
のテーブル１５ａが参照される。

【００１８】各テーブル１５ａにおいて、物品Ｗの長さ
及び横幅はそれぞれ４段階（Ｓ，Ｍ，Ｌ，ＬＬ）に分割
されており、各組み合わせ毎（１６個）に開始タイミン
グが数値（−４〜０）として格納されている（図４参
照）。開始タイミングを示す数値は各ダイバータ５に対
する物品Ｗの前端位置の到達地点を示し、数値が小さい
程ダイバータの動作を開始させるタイミングは遅いこと
を意味する（図３参照）。尚、開始タイミングを示す数
値は、図示しない入力手段によって予め設定されたもの
である。

【００１９】以上のように本実施の形態では、物品Ｗの
長さが長い程或いは横幅が小さい程、更には仕分けライ
ン４の搬送速度が遅い程、ダイバータ動作の開始タイミ
ングは早く設定されているが、この設定は物品Ｗの種類
やその他の各種条件により異なった傾向となるように設
定されることもある。

【００２０】

【変形例等】 ダイバータ５より上流位置における搬送面の上方に
カメラを配置し、カメラで得た画像から長さ及び横幅を
検出するようにしてもよい。 仕分けライン４の搬送速度を３段階以上に切り換え
可能にしてもよい。 仕分けライン４の搬送速度に応じてダイバータ７の
動作速度や動作角度を変更するようにしてもよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されるので、
以下のような効果を奏する。 請求項１記載の発明によれば、予めテーブルに最適
なタイミングを格納しておくことで、各物品に対して最
適なタイミングでダイバータの動作を開始して、各物品
を正確且つ確実に分岐路に払い出すことができる。 請求項２記載の発明によれば、仕分けラインの搬送
速度が複数の段階に調整可能であるので、状況に応じて
仕分けラインの搬送速度を変更することにより、仕分け
効率をさほど低下させることなく消費電力を節約するこ
とができる。 請求項３記載の発明によれば、仕分けラインの搬送
速度を変化させたことにより、同じ横幅及び長さの物品
に対して同じタイミングでダイバータ動作を開始させた
にも関わらず、正確且つ確実に分岐路に払い出せないこ
とが生じるのを防止できる。即ち、仕分けラインの搬送
速度を変化させた状態でも各物品を正確且つ確実に分岐
路に払い出すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態に係る物品仕分け装置の概略を平
面的に示す説明図である。

【図２】横幅検出手段を示す側面図である。

【図３】ダイバータに対する物品前端の到達位置を示す
説明図である。

【図４】（イ）は高速用テーブル内の格納情報、（ロ）
は低速用テーブル内の格納情報である。

【符号の説明】

Ｗ 物品 １ 供給コンベア ２ 第１の切り出しコンベア（上流側） ３ 第２の切り出しコンベア（下流側） ４ 仕分けライン ５ ダイバータ ５ａ エンコーダ ６ 分岐路 ７ ダイバータ動作用モータ ８ 仕分けライン駆動用モータ ９ 横幅検出手段 １０ 長さ検出手段 １１ 光電センサ １５ ダイバータ制御手段 １５ａ テーブル １６ 仕分けライン制御手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダイバータによって仕分けライン上の物
   品を分岐路に払い出す物品仕分け装置であって、ダイバ
   ータより上流位置で物品の横幅及び長さを検出する横幅
   検出手段及び長さ検出手段と、物品の横幅及び長さに応
   じたダイバータ動作の開始タイミング情報を格納したテ
   ーブルを有し、検出した横幅及び長さにより特定される
   開始タイミングに基づいてダイバータ動作を制御するダ
   イバータ制御手段とを有する物品仕分け装置。
2. 【請求項２】 仕分けラインの搬送速度が複数の段階に
   調整可能である請求項１記載の物品仕分け装置。
3. 【請求項３】 前記ダイバータ制御手段は仕分けライン
   の複数の搬送速度毎にテーブルを有し、そのときの仕分
   けラインの搬送速度に対応するテーブルを参照して検出
   した横幅及び長さにより特定される開始タイミングに基
   づいてダイバータ動作を制御する請求項２記載の物品仕
   分け装置。