JPH0920712A - 2−置換シクロペンタノンの製造法 - Google Patents

2−置換シクロペンタノンの製造法

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JPH0920712A
JPH0920712A JP8179835A JP17983596A JPH0920712A JP H0920712 A JPH0920712 A JP H0920712A JP 8179835 A JP8179835 A JP 8179835A JP 17983596 A JP17983596 A JP 17983596A JP H0920712 A JPH0920712 A JP H0920712A
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cyclopentanone
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halogen
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Nikolaus Mueller
ニコラウス・ミユラー
Thomas Essert
トマス・エツセルト
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Bayer AG
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2-置換-シクロペンタノンの効率のよい製造
法の提供。 【解決手段】 2-置換-シクロペンタノンを、不活性溶
媒中でアジピン酸エステルをアルコキシドと反応させて
シクロペンタノン-2-カルボン酸エステルの塩を得、こ
れを単離することなくアルキル化し、これにより2-アル
キル-シクロペンタノン-2-カルボン酸エステルを得、そ
してこれを単離することなく酸および加熱処理により加
水分解および脱炭酸することにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2-置換シクロペンタ
ノン、特に2-メチルシクロペンタノンをアジピン酸ジア
ルキルから製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2-置換シクロペンタノンを、シクロペン
タノン-2-カルボン酸エステルのアルキル化、そして続
いて加水分解および脱炭酸により製造することはすでに
知られている。この方法には幾つかの欠点がある。アジ
ピン酸ジアルキルから出発して、この方法は3つの工程
を有し、そしてさらに文献に記載された最高の方法で
も、理論値の40−45%を生成するだけである。すなわ
ち、エチルエステルの場合の環化では、70−78%の単離
収量を導き、そしてメチルエステルの場合には68−74%
の単離収量を導く(J.prakt.Chem.4th series,Volume
9,page 43(1959)を参照にされたい)。続いてメチル 2-
メチルシクロペンタノン-2-カルボキシレートを得るた
めに、例えば臭化メチルを用いたアルキル化は、理論値
の約70%の収量で進行し、そして続いて理論値の約80%
の加水分解および脱炭酸で、使用したアジピン酸ジアル
キルに基づき、理論値の最大42%の収量となる(Chem B
er.80,202(1974)を参照にされたい)。
【0003】低収量の理由は、第一段階の環化の可逆
性、およびアルキル化段階でのカルバニオン形成におい
て、助剤の塩基アルコキシドのために同じ理由で起こる
開裂である。α-アルキルアジピン酸エステルは可逆的
な開裂により形成され、この化合物自体が環化して望ま
しくない5-アルキル-シクロペンタノン-2-カルボン酸エ
ステルを生じる(J.Org.Chem.29,2782(1964)を参照にさ
れたい)。
【0004】さらに収量の減少は、メソメリックなエノ
ラートイオンのO-アルキル化によっても生じ、その程度
はアルカリ金属対イオン、溶媒およびアルキル化剤の性
質に大きく依存する。したがって、廉価で、頻繁に使用
される塩化アルキルおよびアルキルスルホネートは、正
確にO-アルキル誘導体の生成を導き、これは激しい酸性
での加水分解および続いて脱炭酸により、シクロペンタ
ノンを生成し、通常は蒸留により行われる単離で分離を
行う努力が必要となる。それゆえに、アルキル化反応に
おいては、高価な臭化アルキルおよびヨウ化アルキル
(これらには複雑な作業上の安全措置が必要である)が
一般的に使用されている。
【0005】これらの工程における別の不利益は、最終
生成物の特記すべき水溶性であり、これは2-メチルシク
ロペンタノンの場合には特に顕著である。これは生成物
が多数の抽出により水性反応混合物から苦労して単離さ
れなければならず、かつ有機抽出物が乾燥および蒸留さ
れなければならないことを意味している。残りの水性相
は有機物質が混入し、そして特別な処理および廃棄が必
要である。
【0006】2-カルボアルコキシ-シクロペンタノンを
対応するアルキルハライドを用いてアルキル化するため
に、ジメチルスルホキシド(J.Org.Chem.32,4067 (196
7))およびアセトン(SYNTHESIS 1973,316)のような双極
性の非プロトン性溶媒が、文献には有利であると記載さ
れている。なぜならば別のベンゼンまたはトルエンのよ
うな非極性溶媒中では、イオン対の高分子凝集物が存在
し、これはかなりの遊離エノラートイオンを含むのであ
まり望ましくなく反応をする(J.Am.Chem.Soc.82,2895
(1960)を参照にされたい)からである。
【0007】ここでもまた、ヨウ化アルキルまたは臭化
アルキルが使用されなければならず、臭化物の場合はO-
アルキル化の比率はかなり高い。塩化アルキルを使用す
るとき、より高いO-アルキル化が予想され、これは工程
をさらに一層不経済的にする。さらに、単回−工程の変
更法にとどまるためには、シクロペンタノン−カルボン
酸エステルのカリウム塩を用いる特別な反応が記載さ
れ、これはより一層高価なカリウムアルコキシドを用い
て行わなければならないということになる。さもなけれ
ば必要な溶媒変化により、さらに一層不経済な2工程法
となる。双極性の非プロトン性溶媒の使用は一般的に、
以下の処理の変更が必要である:反応が完了した後、ア
ルキル化のバッチを水で希釈し、そして生成物をエーテ
ルまたは炭化水素のような非極性溶媒で抽出する。上記
にすでに考察したように、生成物の極性により多くの抽
出が必要となり、使用した溶媒の回収は、水との完全な
混和性、および高度に有機的に汚染された排水が一般的
に生成するので、大変複雑である。
【0008】2-アルキルシクロペンタノン-2-カルボン
酸エステルの加水分解は、アルカリ条件下では酸開裂
(開環)の副反応が顕著すぎるので、酸性条件下でのみ
進行することができる。合理的な反応時間を達成するた
めには、酸加水分解で強酸が使用されなければならな
い。すなわち、例えば希釈した過塩素酸(Ber,80,202(1
974)を参照にされたい)または濃塩酸(Bl.Soc.chim.Bel
g.35,315を参照にされたい)が使用され、両方とも高価
であること、およびさらに高い腐食性という理由から、
希釈した硫酸よりも都合が悪い。
【0009】上記の最も一般的な方法に加えて、2-アル
キルシクロペンタノン、特に2-メチルシクロペンタノン
の製造には、さらに多くの方法がある。
【0010】例えば、α-メチルアジピン酸を環化して
無水物を生成し、続いてその熱分解(C.r.144,1357を参
照にされたい)、この酸のカルシウム塩の蒸留、そして
シクロペンタノンの直接的アルキル化は、しかし、モノ
−、ジ−およびトリメチルシクロペンタノンのほとんど
分離不可能な混合物を生じ、そして例えばナトリウムア
ミドのような強力な助剤塩基を用いて進行するだけであ
る。
【0011】1-メチルシクロペンテンオキシドから、例
えばグリニャール化合物(Soc.Chim.Belg.37,151)、過
ギ酸/硫酸(Am.Soc.70,4139(1948)を参照にされたい)
を用いて処理することにより、または300℃で酸化アル
ミニウム上に蒸気を通すことにより、2-アルキルシクロ
ペンタノンを得ることができる。
【0012】2-クロロ-1-メチル-シクロペンタン-1-オ
ールも、グリニャール化合物(C.r.209,499(1939)を参照
にされたい)と反応させるか、あるいはアルカリ(Am.So
c.96,2783 (1934)を参照にされたい)を用いて処理する
ことができる。
【0013】様々な2-アルキリデン-シクロペンタノン
は、還元することもできる。
【0014】これらの全ての方法は、入手し難い出発物
質から始まり、工業的には取り扱いが困難であるだけの
試薬を使用し、そして多くの場合で非選択的かつ低収量
である。選択的な方法として、さらに1-ピロリジノシク
ロペンテンのアルキル化があるが(J.Heterocycl.Chem.
28,1293(1991)を参照にされたい)、これもまた全体で3-
工程の合成で、シクロペンタノンに基づき理論値のわず
か49%の収量しか得られず、これ自体再度、アジピン酸
エステルから製造されなければならない。
【0015】
【発明の構成】今回、式
【0016】
【化5】
【0017】式中、R1は直鎖または分枝C1−C6-アル
キル、C3−C7-シクロアルキル、あるいは非置換また
はハロゲン-置換C7−C12-アラルキルを表す の2-置換シクロペンタノンの製造法が見いだされ、これ
は式
【0018】
【化6】
【0019】式中、2つのR2は同一または異なり、そ
して各々がハロゲンおよびC1−C6-アルキル、C1−C
6-アルコキシおよびニトロ基から成る群から選択される
同一の、または異なる最高3個の置換基で場合によって
は置換されてもよい直鎖または分枝C1−C10-アルキ
ル、C7−C12-アラルキルを表すか、あるいはハロゲン
およびC1−C6-アルキル、C1−C6-アルコキシおよび
ニトロ基から成る群から選択される同一の、または異な
る最高3個の置換基で場合によっては置換されてもよい
6−C10-アリールを表す、 のアジピン酸エステルを、不活性溶媒の存在下で式(II
I) M(OR3)n (III) 式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表
し、R3はC1−C10-アルキル、C3−C10-シクロアル
キルまたはC7−C12-アラルキルを表し、そしてnはM
の原子価に応じて、1または2を表す のアルコキシドを用いて反応させ、このようにして式
(IV)
【0020】
【化7】
【0021】式中、R2は式(II)に与えられた意味を
有し、そしてMはアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の1価を表す、 のシクロペンタノン-2-カルボン酸エステルの塩を得、
これを単離することなく式(V) R1−X (V) 式中、R1は式(I)に与えられた意味を有し、Xはハロ
ゲン、C1−C6-アルキルスルホネート、または最高2つ
のC1−C4-アルキル基で場合によっては置換されても
よいC6−C10-アリールスルホネートを表す、 のアルキル化剤でアルキル化し、このようにして式(V
I)
【0022】
【化8】
【0023】式中、R2は式(II)に与えられた意味を
有し、そしてR1は式(I)に与えられた意味を有する、 の2-アルキル-シクロペンタノン-2-カルボン酸エステル
を得、そしてこれを単離することなく酸および加熱処理
することにより加水分解および脱炭酸することを特徴と
する。
【0024】ハロゲンは好ましくは塩素または臭素、特
に塩素を表す。
【0025】式(II)の好適なアジピン酸エステルは、
式中2つのR2基が同一であり、そしてハロゲン原子お
よびC1−C4-アルキル基から成る群から選択される最
高2個の置換基により場合によっては置換されてもよい
直鎖または分枝C1−C6-アルキル、ベンジル、あるい
はC1−C4-アルキル基およびニトロ基から成る群から
選択される最高2個の置換基により場合によっては置換
されてもよいフェニルを表すものである。
【0026】特に好適なのは、式中2つのR2基が同一
であり、そして直鎖C1−C4-アルキルを表す式(II)
のアジピン酸エステルである。特に好適なのはアジピン
酸ジメチルおよびアジピン酸ジエチルである。
【0027】好適な式(III)のアルコキシドは、式
中、Mがナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム
またはマグネシウムを表し、そしてR3が直鎖または分
枝C1−C6-アルキル、C3−C7-シクロアルキルまたは
ベンジルを表す。特に好適なのは、ナトリウムメトキシ
ド、カリウムメトキシド、カルシウムメトキシドおよび
マグネシウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリ
ウムエトキシド、カルシウムエトキシド、およびマグネ
シウムエトキシド、ナトリウムn-プロポキシド、カリウ
ムn-プロポキシド、カルシウムn-プロポキシド、および
マグネシウムn-プロポキシド、ナトリウムi-プロポキ
シド、カリウムi-プロポキシド、カルシウムi-プロポ
キシド、およびマグネシウムi-プロポキシド、ナトリ
ウムn-ブトキシド、カリウムn-ブトキシド、カルシウ
ムn-ブトキシド、およびマグネシウムn-ブトキシド、
ナトリウムi-ブトキシド、カリウムi-ブトキシド、カ
ルシウムi-ブトキシド、およびマグネシウムi-ブトキ
シド、ナトリウムsec-ブトキシド、カリウムsec-
ブトキシド、カルシウムsec-ブトキシド、およびマ
グネシウムsec-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシ
ド、カリウムt-ブトキシド、カルシウムt-ブトキシ
ド、およびマグネシウムt-ブトキシド、ならびにナト
リウムペントキシドおよびカリウムペントキシド、ナト
リウムヘキソキシドおよびカリウムヘキソキシド、ナト
リウムシクロペントキシドおよびカリウムシクロペント
キシド、ナトリウムシクロヘキソキシドおよびカリウム
シクロヘキソキシド、ならびにナトリウムベンゾキシド
およびカリウムベンゾキシドである。特に好適なのは、
ナトリウムメトキシドおよびカリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシドおよびカリウムエトキシド、ナトリウ
ムi-プロポキシドおよびカリウムi-プロポキシドなら
びにナトリウムt-ブトキシドおよびカリウムt-ブトキ
シドである。
【0028】アルコキシドを用いたアジピン酸エステル
の反応に適する不活性溶媒は、例えば少なくとも80℃の
沸点(大気圧で)を持つ脂肪族および芳香族炭化水素で
ある。例として挙げることができるのは、ヘプタン、オ
クタン、ノナン、デカン、イソドデカン、ベンゼン、ト
ルエン、クメン、キシレン、ジ−およびトリイソプロピ
ルベンゼンおよびハロゲン、ならびに/またはクロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、アニ
ソール、フェネトールおよびフェニルイソプロピルエー
テルのようなC1−C4-アルコキシ-置換芳香族炭化水素
である。これら溶媒の任意の混合物も使用できる。
【0029】上記記載の溶媒に、双極性非プロトン性溶
媒、例えばジメチルスルホキシド、テトラメチレンスル
ホン、ジ-C1−C6-(シクロ)-アルキルホルムアミド、
N-C1−C6-アルキルピロリドン、-ピペリドンおよび
/または-カプロラクトン、テトラ-C1−C6-アルキル
ウレアおよびN,N'-ジメチルエチレンおよびN,N'-ジメチ
ルプロピレンウレアを、場合によっては添加できる。使
用する全溶媒中の双極性非プロトン性溶媒の比率は、例
えば0-50重量%である。好ましくはこの比率は0-20重量
%、特に好ましくは双極性非プロトン性溶媒は存在しな
いか、あるいはその比率が0.01-10重量%である。
【0030】式(II)のアジピン酸エステル1モルに基
づき、例えば500−5000mlの溶媒を使用できる。好まし
くはこの量は800−3000ml、特に1000−2000mlである。
【0031】式(II)のアジピン酸エステルとの反応に
おいて、式(III)のアルコキシドを、例えば乾燥し
た、好ましくは微粉末の固体として、またはそれぞれの
アルコキシドが存在するアルコール溶液として使用する
ことができる。好ましくはこの方法は、アルコキシドs
l各々のアルコキシドが存在するアルコール溶液中で使
用され、そしてアルコールは式(II)のアジピン酸エス
テルとの反応が有意に始まる前に留去されるような様式
で行われる。この様式では、反応混合物中に細かく分散
したアルコキシドの分散懸濁物が形成し、これは特に良
い結果を生む。したがって粉末−生成および吸湿性の固
体アルコキシドの取り扱いには、このような理由および
その腐食作用から、特別な作業上の安全措置が必要にな
るので、回避される。
【0032】式(II)のアジピン酸エステル1モルに基
づき、例えば0.1-10当量の式(III)のアルコキシドを
使用できる。これと関連して、M=アルカリ金属である
式(III)のアルコキシド1モルは1当量に相当し、そ
してM=アルカリ土類金属である式(III)のアルコキ
シド1モルは2当量に相当する。好ましくは0.5-2当量
のアルコキシドを、1モルのアジピン酸エステルあたり
使用し、特に0.95-1.05当量のアルコラートを1モルの
アジピン酸エステルあたり使用する。
【0033】アジピン酸エステルを、例えば80-200℃の
温度範囲で反応させることができる。好ましくは100-15
0℃の温度範囲である。特に好ましくは使用する特定の
不活性溶媒の沸点が使用される。アジピン酸エステルと
アルコキシドとの反応で生成するアルコールを、連続的
に留去することが有利である。
【0034】反応の全工程中、良好な撹拌性を確実にす
るために、適当ならば反応中にさらに上記に記載の種類
の不活性溶媒および/または双極性非プロトン性溶媒を
加えることができる。
【0035】アジピン酸エステルとアルコキシドとの反
応で生成するアルコールが、反応中で未だに蒸留除去さ
れていないならば、これを反応が完了した後に留去す
る。式(IV)の生成したシクロペンタノン-2-カルボン
酸エステルの塩を含む、ほとんどアルコールが存在しな
い反応混合物を、次に式(V)のアルキル化剤と反応さ
せる。
【0036】式(V)の好適なアルキル化剤は、R1がメ
チル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、ベンジル、
4-クロロベンジルまたは4-フルオロベンジルを表し、そ
してXが塩素、臭素またはp-トリルスルホネートを表
すものである。好ましくはR1がメチル、エチル、i−
プロピルまたは4−クロロベンジルを表し、そしてXが
塩素を表す。特に塩化メチルが使用される。
【0037】アルキル化は、アジピン酸エステルがアル
コキシドと反応する同じ反応槽中で行うことができる。
もし揮発性の式(V)のアルキル化剤を使用するなら
ば、圧力下または密閉槽中で処理することが有利であ
る。式(IV)のシクロペンタノン-2-カルボン酸エステ
ルを含む混合物を、次に適当であるならば、圧力下で処
理するために適する反応槽へ移すことができる。
【0038】始めに使用する式(II)のアジピン酸エス
テル1モルに基づき、例えば1-20モルの式(V)のアル
キル化剤を使用すこることができる。好ましくはこの量
は1−10モル、特に1−5モルである。
【0039】アルキル化の反応温度は、例えば0−250℃
の範囲であることができる。好ましくは20−200℃の範
囲、特に50−160℃の範囲である。特定のアルキル化剤
に最適な特定の温度は、所望により日常的な一連の試験
により容易に決定できる。
【0040】存在する溶媒(1種または多種)および過
剰なアルキル化剤を、反応混合物から、例えばアルキル
化後に留去することが有利である。
【0041】生成した式(VI)の2-アルキル-シクロペン
タノン-2-カルボン酸エステルの単離は、必要ではな
い。
【0042】例えば強い有機および無機酸は、式(VI)
の2-アルキル-シクロペンタノン-2-カルボン酸エステル
を酸で処理するために適する。好適であるのは臭化水素
酸、硫酸、アルキルスルホン酸およびアリールスルホン
酸である。特に好適であるのは硫酸である。
【0043】酸は都合良く水溶液の状態、例えば5-99重
量%の水溶液として使用される。好ましくは酸の濃度は
10から80重量%の間、特に20から50重量%の間である。
【0044】始めに使用する式(II)のアジピン酸エス
テル1モルに基づき、例えば1−10、好ましくは1−5
当量の酸を使用できる。
【0045】加水分解および脱炭酸は、例えば50−150
℃の温度範囲で行うことができる。好ましくは水性反応
混合物の沸点を使用する。
【0046】製造された式(I)の2-置換-2-シクロペン
タノンを、例えば共沸混合蒸留により反応混合物から単
離することができる。
【0047】本発明の方法の好適な態様は次のように行
われる:不活性溶媒およびアルコール性アルコキシド溶
液を導入する。アジピン酸エステルを次に加え、そして
アルコキシドとの反応中に過剰のアルコールおよび生成
したアルコールを留去する。反応が完了した後、アルキ
ル化剤を加え、そしてアルキル化が完了した後、不活性
溶媒を留去する。強酸を残渣に加え、そして混合物を還
流する。次に2-置換シクロペンタノンを反応混合物から
共沸混合蒸留により単離する。本発明の方法は、式
(I)の2-置換シクロペンタノンを式(II)のアジピン
酸エステルから、中間体の単離無く、乾燥工程無く、多
段階の溶媒除去無く、溶媒変更無く、そして複雑な分離
操作無く製造することを可能にする。この場合の収量は
大変高く、一般的に理論値の80%より高い。それゆえに
本発明の方法はエネルギー節約、そして特に経済的であ
る。
【0048】式(I)の2-置換シクロペンタノンは殺虫
剤、特に殺菌剤製造のための価値ある中間体である(欧
州特許出願公開第329 397号,同A-378 953号および同A-
537909号明細書を参照にされたい)。それらはまた、そ
れ自体で、あるいはさらに転換された後、香水または芳
香剤としても使用できる。
【0049】
【実施例】実施例1 348.4gのアジピン酸ジメチル、381mlの30重量%ナトリ
ウムメトキシド溶液(メタノール中)および2884mlのト
ルエンを、3リットルの4首フラスコに導入し、そして
メタノールを2.5時間で蒸留除去した。混合物を次に加
熱し、そしてメタノールおよびトルエンの混合物を100
℃の蒸留温度で1.5時間、蒸留除去した。残渣を3リッ
トルのステンレス製オートクレーブに移し、50gの塩化
メチルを注入し、そして混合物を140℃に加熱した。1
時間後、さらに50gの塩化メチルを注入し、そして2時
間後、52gの塩化メチルを注入した。混合物を次に150℃
で5時間、さらに撹拌した。
【0050】このバッチを冷却し、そして蒸留塔を装備
した3リットルの4首撹拌フラスコ装置に移した。トル
エンの大部分が大気圧で蒸留し、そして残りを33mbarで
90℃の最低温度で蒸留した。981gの20重量%硫酸を残り
の懸濁液に加え、そして混合物を7時間還流した。生成
物を水分離機を介して共沸混合的に留去した(大気圧で
の蒸留温度:92−100℃)。77.7重量%の2-メチルシクロ
ペンタノンおよび22重量%の水を含む、212.5gの水-清
澄生成物が得られた。収量は使用したアジピン酸ジメチ
ルに基づき84.2%であった。
【0051】所望により、水を得られた2-メチルシクロ
ペンタノンから抽出および/または蒸留により除去する
ことができる。
【0052】本発明の主な態様および特徴は次の通りで
ある。
【0053】1.式
【0054】
【化9】
【0055】式中、R1は直鎖または分枝C1−C6-アル
キル、C3−C7-シクロアルキル、あるいは非置換また
はハロゲン-置換C7−C12-アラルキルを表す の2-置換シクロペンタノンの製造法であって、式
【0056】
【化10】
【0057】式中、2つのR2は同一または異なり、そ
して各々がハロゲンおよびC1−C6-アルキル、C1−C
6-アルコキシおよびニトロ基から成る群から選択される
同一の、または異なる最高3個の置換基で場合によって
は置換されてもよい直鎖または分枝C1−C10-アルキ
ル、C7−C12-アラルキルを表すか、あるいはハロゲン
およびC1−C6-アルキル、C1−C6-アルコキシおよび
ニトロ基から成る群から選択される同一の、または異な
る最高3個の置換基で場合によっては置換されてもよい
6−C10-アリールを表す、 のアジピン酸エステルを、不活性溶媒の存在下で式(II
I) M(OR3)n (III) 式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表
し、R3はC1−C10-アルキル、C3−C10-シクロアル
キルまたはC7−C12-アラルキルを表し、そしてnはM
の原子価に応じて、1または2を表す のアルコキシドを用いて反応させ、このようにして式
(IV)
【0058】
【化11】
【0059】式中、R2は式(II)に与えられた意味を
有し、そしてMはアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の1価を表す、 のシクロペンタノン-2-カルボン酸エステルの塩を得、
これを単離することなく式(V) R1−X (V) 式中、R1は式(I)に与えられた意味を有し、Xはハロ
ゲン、C1−C6-アルキルスルホネート、または最高2つ
のC1−C4-アルキル基で場合によっては置換されても
よいC6−C10-アリールスルホネートを表す、 のアルキル化剤でアルキル化し、このようにして式(V
I)
【0060】
【化12】
【0061】式中、R2は式(II)に与えられた意味を
有し、そしてR1は式(I)に与えられた意味を有する、 の2-アルキル-シクロペンタノン-2-カルボン酸エステル
を得、そしてこれを単離することなく酸および加熱処理
することにより加水分解および脱炭酸することを特徴と
する、上記方法。
【0062】2.式(II)において、2つのR2基が同
一であり、そしてハロゲン原子およびC1−C4-アルキ
ル基から成る群から選択される最高2個の置換基により
場合によっては置換されてもよい直鎖または分枝C1
6-アルキル、ベンジル、あるいはC1−C4-アルキル
基およびニトロ基から成る群から選択される最高2個の
置換基により、場合によっては置換されてもよいフェニ
ルを表し、式(III)において、Mがナトリウム、カリ
ウム、リチウム、カルシウムまたはマグネシウムを表
し、そしてR3が直鎖または分枝C1−C6-アルキル、C
3−C7-シクロアルキルまたはベンジルを表し、溶媒と
して、沸点が少なくとも80℃(大気圧で)の脂肪族また
は芳香族炭化水素、あるいはハロゲンおよび/またはC
1−C4-アルコキシで置換された芳香族炭化水素、ある
いはこれら溶媒の混合物が使用され、そして式(III)
アルコキシドがそれぞれのアルコキシドが存在するアル
コール溶液として使用され、そしてアルコールが式(I
I)のアジピン酸エステルとの反応が有意な程度に開始
する前に留去されることを特徴とする、上記1に記載の
方法。
【0063】3.双極性非プロトン性溶媒がさらに溶媒
に加えられることを特徴とする、上記1または2に記載
の方法。
【0064】4.式(II)のアジピン酸エステル1モル
あたり、0.1-10当量の式(III)のアルコキシドが使用
され、そして反応が80-200℃の温度範囲で行われること
を特徴とする、上記1ないし3に記載の方法。
【0065】5.式(V)のアルキル化剤として、R1
メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、ベンジ
ル、4-クロロベンジルまたは4-フルオロべンジルを表
し、そしてXが塩素、臭素またはp-トリルスルホネー
トを表すものが使用されることを特徴とする、上記1な
いし4に記載の方法。
【0066】6.式(II)のアジピン酸エステル1モル
あたり、1-20モルの式(V)のアルキル化剤を使用し、
アルキル化が0−250℃の温度範囲で行われ、アルキル化
後に、存在する溶媒および過剰なアルキル化剤を除去す
ることを特徴とする、上記1ないし5に記載の方法。
【0067】7.酸処理が、臭化水素酸、硫酸、アルキ
ルスルホン酸またはアリールスルホン酸を用いて行わ
れ、そして酸が水溶液状態で使用されることを特徴とす
る、上記1ないし6に記載の方法。
【0068】8.式(II)のアジピン酸エステル1モル
あたり、1−10当量の酸を使用することを特徴とする、
上記1ないし7に記載の方法。
【0069】9.製造された式(I)の2-置換 2-シクロ
ペンタノンが、共沸混合蒸留により単離されることを特
徴とする、上記1ないし8に記載の方法

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 式中、 R1は直鎖または分枝C1−C6-アルキル、C3−C7-シ
    クロアルキル、あるいは非置換またはハロゲン-置換C7
    −C12-アラルキルを表す の2-置換シクロペンタノンの製造法であって、式 【化2】 式中、2つのR2は同一または異なり、そして各々がハ
    ロゲンおよびC1−C6-アルキル、C1−C6-アルコキシ
    およびニトロ基から成る群から選択される同一の、また
    は異なる最高3個の置換基で場合によっては置換されて
    もよい直鎖または分枝C1−C10-アルキル、C7−C12-
    アラルキルを表すか、あるいはハロゲンおよびC1−C6
    -アルキル、C1−C6-アルコキシおよびニトロ基から成
    る群から選択される同一の、または異なる最高3個の置
    換基で場合によっては置換されてもよいC6−C10-アリ
    ールを表す、 のアジピン酸エステルを、不活性溶媒の存在下で式(II
    I) M(OR3)n (III) 式中、 Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、 R3はC1−C10-アルキル、C3−C10-シクロアルキル
    またはC7−C12-アラルキルを表し、そしてnはMの原
    子価に応じて、1または2を表す のアルコキシドを用いて反応させ、こうして式(IV) 【化3】 式中、 R2は式(II)に与えられた意味を有し、そしてMはア
    ルカリ金属またはアルカリ土類金属の1価を表す、 のシクロペンタノン-2-カルボン酸エステルの塩を得、
    これを単離することなく式(V) R1−X (V) 式中、 R1は式(I)に与えられた意味を有し、 Xはハロゲン、C1−C6-アルキルスルホネート、また
    は最高2つのC1−C4-アルキル基で場合によっては置換
    されてもよいC6−C10-アリールスルホネートを表す、 のアルキル化剤でアルキル化し、こうして式(VI) 【化4】 式中、 R2は式(II)に与えられた意味を有し、そしてR1は式
    (I)に与えられた意味を有する、 の2-アルキル-シクロペンタノン-2-カルボン酸エステル
    を得、そしてこれを単離することなく酸および加熱処理
    することにより加水分解および脱炭酸することを特徴と
    する、上記方法。
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