JPH0920677A - 創傷治癒剤 - Google Patents

創傷治癒剤

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JPH0920677A
JPH0920677A JP7188543A JP18854395A JPH0920677A JP H0920677 A JPH0920677 A JP H0920677A JP 7188543 A JP7188543 A JP 7188543A JP 18854395 A JP18854395 A JP 18854395A JP H0920677 A JPH0920677 A JP H0920677A
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睦美 風間
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の創傷に対し、本質的治療薬となりうる
新しい細胞成長因子を有効成分として含有する、治療効
果や安全性の高い創傷治癒剤ならびに細胞増殖および/
または細胞成長促進剤を提供する。 【構成】 創傷治癒剤ならびに細胞増殖および/または
細胞成長促進剤に、有効成分としてトロンボモジュリン
様蛋白質を含有させる。あるいはトロンボモジュリン様
蛋白質に加えてヒト細胞成長因子を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトロンボモジュリン(以
下、TMと略す)様蛋白質を含有することを特徴とする
創傷治癒剤ならびに細胞増殖および/または細胞成長促
進剤、およびTM様蛋白質とヒト成長因子とを含有する
ことを特徴とする創傷治癒剤ならびに細胞増殖および/
または細胞成長促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】創傷治癒機構は皮膚、結合組織および支
持組織において類似している。ここでの組織とは、皮
膚、骨、軟骨のみならず、筋肉および器官を包み込むコ
ラーゲン基質からなる支持筋膜をも含むものである。
【0003】創傷部位における治癒プロセスは、普通い
くつかのグループの特殊な細胞あるいは蛋白質が関与し
ている複雑な生物学的機構によって起こるが、成長因子
が必須であることは良く知られている。成長因子は創傷
領域内に放出され、創傷内に移動し、そこで因子は角質
細胞および線維芽細胞の増殖あるいは成長を刺激し、脈
管形成を開始し、基質形成および創傷領域の再造形を行
う[テンダイクら:バイオ/テクノロジー(Bio/T
echnol.)7,793−798,1989]。
【0004】なお、この際、線維芽細胞は新たなコラー
ゲンを合成し、放出する細胞としても重要である。線維
芽細胞によって生成される他の蛋白質は基質に寄与す
る。このような蛋白質の一つであるフィブロネクチンは
主要な細胞を基盤となる基質に結合することを促進する
重要な物質であり、創傷修復中にその合成が強化され
る。
【0005】このように、生体の損傷部では成長因子が
タイムリーに放出され、単独でまたは共同して細胞の遊
走・増殖・分化を進めていく。創傷治癒に関与する成長
因子として、上皮細胞成長因子(以下、EGFと略
す)、線維芽細胞成長因子(以下、FGFと略す)、イ
ンスリン様成長因子(以下、IGFと略す)、インスリ
ン、血小板由来成長因子(以下、PDGFと略す)など
が良く知られている。EGFは線維芽細胞、血管内皮細
胞、上皮細胞の増殖あるいは成長を促すほか、上皮細胞
の遊走を促進し、組織修復過程においては上皮の再生に
中心的な役割を果たしている。FGFは線維芽細胞、血
管平滑筋細胞、血管内皮細胞の増殖あるいは成長を促す
ほか、血管内皮細胞の遊走を促進し、血管再生に中心的
な役割を果たしている。IGFとしては、IGF−1お
よびIGF−2の2種の分子種が存在することが知られ
ている。IGFはPDGFと共同して作用し、線維芽細
胞の増殖あるいは成長や上皮細胞の正常な分化増殖を促
進する。現在、これらの因子について、それぞれ臨床応
用研究が進められているが、創傷治癒剤としての効果は
必ずしも十分とは言えず、より効果的な成長因子あるい
は創傷治癒剤が切望されているのが現状である。
【0006】一方、TMは1981年にエスモンらによ
り血管内皮細胞表面上に存在する抗凝固物質として発見
され[プロシーデイングス オブ ザ ナショナル ア
カデミー オブ サイエンシーズ オブ ザ ユーエス
エー(Pro.Natl.Acad.Sci.US
A.)78,2249−2254,1981]、その後
1987年に鈴木らによりその全一次構造が明らかにさ
れた[エンボ ジャーナル(EMBO J.)6,18
91−1897、1987;Biochem.,26,
4350−4357,1987]糖蛋白質である。TM
は、トロンビンと1:1で結合し、トロンビンの凝固促
進作用を抑制するとともにトロンビンによるプロテイン
C活性化を著しく促進させることにより効率よく凝固系
を抑制することから、播種性血管内凝固症候群(DI
C)、各種血栓症等の予防や治療に有用であることが示
唆されており、近年では、遺伝子組み替え技術を利用し
て、TMのアミノ酸配列の部分構造を有する様々なヒト
TM様蛋白質[特開平1−6219、Biochim.
Biophys.Acta.,1205巻,p162−
170,1994]を用いて、DIC治療薬としての臨
床応用が試みられつつある。
【0007】このようにTMは広く凝固線溶系に作用す
る分子であると考えられているが、他方、細胞機能に及
ぼす影響についてはほとんど知られていない。
【0008】今田らは、マウステトラカルシノーマF9
細胞をレチノイン酸あるいはサイクリックAMP(cA
MP)で内胚葉系細胞に分化させると、マウスTMと同
じ機能を有し、また、遺伝子クローニングの結果マウス
TMとまったく同一であることが明らかとなったフェト
モジュリン(以下、FMと略す)が内胚葉系細胞に発現
されること、さらに、TM/FMが血管内のみならず、
組織液と直接接することのない組織、あるいはまた、細
胞間の相互作用の場、例えば、肺胞、神経上皮、心房、
洞結節、および胚発生の中期から後期にかけて心臓のペ
ースメーカーなどに一時的に発現されることを報告した
[デベロップメンタル バイオロジー(Dev.Bio
l.)140、113−122、1990]。
【0009】以上のような報告が見られるが、TMが細
胞に対して直接増殖および/または成長促進作用を有す
ることを記載した報告は知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】創傷に対し、その本質
的治療薬となりうる新しい細胞成長因子を有効成分とし
て含有する、より有効で安全性の高い創傷治癒剤ならび
に細胞増殖および/または細胞成長促進剤を提供するこ
とが本発明の課題である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、TMの各種
細胞に対する増殖あるいは成長促進効果に関する研究を
行っている途上、TMが抗凝固作用を示す濃度に比し、
はるかに低濃度において、スイス3T3細胞に直接作用
しその成長および増殖を促進することを見いだし、さら
には他の成長因子とともに用いると一層高い活性を示す
という事実を見いだし、さらに鋭意研究を重ねて本発明
を完成した。
【0012】本発明の第1の態様は、TM様蛋白質を有
効成分として含有することを特徴とする創傷治癒剤であ
る。TM様蛋白質は、以下のアミノ酸配列1あるいは以
下の特徴1または特徴2を有することが好ましい。 (アミノ酸配列1) 1 10 Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro Gly 11 20 Ala Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly 21 30 Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro Gly 31 40 Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala 41 50 Ala Leu Gln Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr 51 60 Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu 61 70 Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp 71 80 Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys Met Cys Glu 81 90 Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His 91 100 Arg Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu 101 110 Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys Val 111 120 Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys 121 130 Tyr Pro Asn Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu 131 140 Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe Arg 141 150 Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu 151 160 Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala 161 170 Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro 171 180 His Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr 181 190 Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp Pro Asn Thr 191 200 Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr 201 210 Ile Leu Asp Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp 211 220 Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe Cys 221 230 Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr 231 240 Phe Glu Cys Ile Cys Gly Pro Asp Ser Ala 241 250 Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys Asp 251 253 Ser Gly Lys ただし、242番目の Val は Ala に置換されていても
よい。
【0013】(特徴1:以下の部分構造および性質を有
するトロンボモジュリン様蛋白質) イ)分子量 72,000±3,000[非還元状態で
のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法(PAGE)により測定] ロ)等電点 3.9±0.2 ハ)末端アミノ酸配列 N末端 :Ala−Pro−Ala−Glu−Pro
−Gln−Pro−Gly−Gly−Ser−Gln−
Cys−Val−Glu−His−Asp−Cys−P
he−Ala−Leu−Tyr−Pro−Gly−Pr
o−Ala−Thr−Phe−Leu− C末端 :−Leu−Ala−Arg、または−Leu
−Val−Arg ニ)糖含量(重量%) 中性糖 :5.5±1.0%[フェノール硫酸法で測
定] アミノ糖 :2.2±1.0%[Elson−Morg
an法(Blix変法)で測定] シアル酸 :2.8±1.5%[Warren法で測
定] ホ)アミノ酸組成:mol%で表示 アスパラギン酸 9.5±2.0 トレオニン 4.0±1.5 セリン 5.1±1.5 グルタミン酸 10.9±2.5 プロリン 9.3±1.5 グリシン 11.0±3.0 アラニン 11.7±3.0 システイン 8.0±4.0 バリン 5.9±1.5 メチオニン 1.1±0.5 イソロイシン 2.8±1.5 ロイシン 7.5±2.0 チロシン 1.6±1.5 フェニルアラニン 3.7±1.5 ヒスチジン 2.5±1.0 リジン 0.8±0.5 アルギニン 4.6±1.5 ヘ)安定性: pH安定性:pH2〜10の範囲で安定 熱安定性:60℃、300分処理で安定 変性剤安定性:1%(W/V)ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)、6M塩酸グアニジンおよび8M尿素溶液中
でそれぞれ安定 ト)紫外吸収:7.7±1.0[280nmにおける1
%水溶液の1cm光路長の吸光度] チ)由来:ヒト尿由来物質であることが好ましい。
【0014】(特徴2:以下の部分構造および性質を有
するトロンボモジュリン様蛋白質) イ)分子量 79,000±3,000[非還元状態で
のSDS−PAGEにより測定] ロ)等電点 3.8±0.2 ハ)末端アミノ酸配列 N末端 :Ala−Pro−Ala−Glu−Pro
−Gln−Pro−Gly−Gly−Ser−Gln−
Cys−Val−Glu−His−Asp−Cys−P
he−Ala−Leu−Tyr−Pro−Gly−Pr
o−Ala−Thr−Phe−Leu− C末端 :−Leu−Ala−Arg、または−Leu
−Val−Arg ニ)糖含量(重量%) 中性糖 :6.2±1.0%[フェノール硫酸法で測
定] アミノ糖 :3.1±1.0%[Elson−Morg
an法(Blix変法)で測定] シアル酸 :3.8±1.5%[Warren法で測
定] ホ)アミノ酸組成:mol%で表示 アスパラギン酸 9.5±2.0 トレオニン 4.0±1.5 セリン 5.1±1.5 グルタミン酸 10.9±2.5 プロリン 9.3±1.5 グリシン 11.0±3.0 アラニン 11.7±3.0 システイン 8.0±4.0 バリン 5.9±1.5 メチオニン 1.1±0.5 イソロイシン 2.8±1.5 ロイシン 7.5±2.0 チロシン 1.6±1.5 フェニルアラニン 3.7±1.5 ヒスチジン 2.5±1.0 リジン 0.8±0.5 アルギニン 4.6±1.5 ヘ)安定性: pH安定性:pH2〜10の範囲で安定 熱安定性:60℃、300分処理で安定 変性剤安定性:1%(W/V)ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)、6M塩酸グアニジンおよび8M尿素溶液中
でそれぞれ安定 ト)紫外吸収:6.7±1.0[280nmにおける1
%水溶液の1cm光路長の吸光度] チ)由来:ヒト尿由来物質であることが好ましい。
【0015】本発明の第2の態様は、TM様蛋白質とヒ
ト細胞成長因子とを含有することを特徴とする創傷治癒
剤である。ここで、TM様蛋白質としては、上述の第1
の態様と同様に、上述のアミノ酸配列1あるいは特徴1
または特徴2を有するものが好ましい。また、ヒト細胞
成長因子は、ヒトIGF−1、ヒトインスリン、ヒトE
GF又はヒト塩基性FGF(以下、b−FGFと略す)
であることが好ましい。
【0016】TM様蛋白質とヒト細胞成長因子との組み
合わせとしては、上述のアミノ酸配列1を有するTM様
蛋白質と、ヒトIGF−1、ヒトインスリン、ヒトEG
Fおよびヒトb−FGFの少なくとも一つとの組み合わ
せ、上述の特徴1を有するTM様蛋白質と、ヒトIGF
−1、ヒトインスリン、ヒトEGFおよびヒトb−FG
Fの少なくとも一つとの組み合わせ、あるいは、上述の
特徴2を有するTM様蛋白質と、ヒトIGF−1、ヒト
インスリン、ヒトEGFおよびヒトb−FGFの少なく
とも一つとの組み合わせが好ましい。
【0017】本発明の第3の態様は、TM様蛋白質を有
効成分として含有することを特徴とする細胞増殖および
/または細胞成長促進剤である。好ましくは、肉芽組織
形成促進剤である。本発明の第3の態様で使用するTM
様蛋白質は、上述の本発明の第1の態様で使用するTM
様蛋白質と同様のもの、即ち、以下のアミノ酸配列1あ
るいは特徴1または特徴2を有するものが好ましい。
【0018】(アミノ酸配列1) 1 10 Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro Gly 11 20 Ala Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly 21 30 Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro Gly 31 40 Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala 41 50 Ala Leu Gln Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr 51 60 Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu 61 70 Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp 71 80 Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys Met Cys Glu 81 90 Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His 91 100 Arg Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu 101 110 Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys Val 111 120 Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys 121 130 Tyr Pro Asn Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu 131 140 Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe Arg 141 150 Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu 151 160 Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala 161 170 Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro 171 180 His Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr 181 190 Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp Pro Asn Thr 191 200 Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr 201 210 Ile Leu Asp Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp 211 220 Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe Cys 221 230 Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr 231 240 Phe Glu Cys Ile Cys Gly Pro Asp Ser Ala 241 250 Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys Asp 251 253 Ser Gly Lys ただし、242番目の Val は Ala に置換されていても
よい。
【0019】(特徴1:以下の部分構造および性質を有
するトロンボモジュリン様蛋白質) イ)分子量 72,000±3,000[非還元状態で
のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法(PAGE)により測定] ロ)等電点 3.9±0.2 ハ)末端アミノ酸配列 N末端 :Ala−Pro−Ala−Glu−Pro
−Gln−Pro−Gly−Gly−Ser−Gln−
Cys−Val−Glu−His−Asp−Cys−P
he−Ala−Leu−Tyr−Pro−Gly−Pr
o−Ala−Thr−Phe−Leu− C末端 :−Leu−Ala−Arg、または−Leu
−Val−Arg ニ)糖含量(重量%) 中性糖 :5.5±1.0%[フェノール硫酸法で測
定] アミノ糖 :2.2±1.0%[Elson−Morg
an法(Blix変法)で測定] シアル酸 :2.8±1.5%[Warren法で測
定] ホ)アミノ酸組成:mol%で表示 アスパラギン酸 9.5±2.0 トレオニン 4.0±1.5 セリン 5.1±1.5 グルタミン酸 10.9±2.5 プロリン 9.3±1.5 グリシン 11.0±3.0 アラニン 11.7±3.0 システイン 8.0±4.0 バリン 5.9±1.5 メチオニン 1.1±0.5 イソロイシン 2.8±1.5 ロイシン 7.5±2.0 チロシン 1.6±1.5 フェニルアラニン 3.7±1.5 ヒスチジン 2.5±1.0 リジン 0.8±0.5 アルギニン 4.6±1.5 ヘ)安定性: pH安定性:pH2〜10の範囲で安定 熱安定性:60℃、300分処理で安定 変性剤安定性:1%(W/V)ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)、6M塩酸グアニジンおよび8M尿素溶液中
でそれぞれ安定 ト)紫外吸収:7.7±1.0[280nmにおける1
%水溶液の1cm光路長の吸光度] チ)由来:ヒト尿由来物質であることが好ましい。
【0020】(特徴2:以下の部分構造および性質を有
するトロンボモジュリン様蛋白質) イ)分子量 79,000±3,000[非還元状態で
のSDS−PAGEにより測定] ロ)等電点 3.8±0.2 ハ)末端アミノ酸配列 N末端 :Ala−Pro−Ala−Glu−Pro
−Gln−Pro−Gly−Gly−Ser−Gln−
Cys−Val−Glu−His−Asp−Cys−P
he−Ala−Leu−Tyr−Pro−Gly−Pr
o−Ala−Thr−Phe−Leu− C末端 :−Leu−Ala−Arg、または−Leu
−Val−Arg ニ)糖含量(重量%) 中性糖 :6.2±1.0%[フェノール硫酸法で測
定] アミノ糖 :3.1±1.0%[Elson−Morg
an法(Blix変法)で測定] シアル酸 :3.8±1.5%[Warren法で測
定] ホ)アミノ酸組成:mol%で表示 アスパラギン酸 9.5±2.0 トレオニン 4.0±1.5 セリン 5.1±1.5 グルタミン酸 10.9±2.5 プロリン 9.3±1.5 グリシン 11.0±3.0 アラニン 11.7±3.0 システイン 8.0±4.0 バリン 5.9±1.5 メチオニン 1.1±0.5 イソロイシン 2.8±1.5 ロイシン 7.5±2.0 チロシン 1.6±1.5 フェニルアラニン 3.7±1.5 ヒスチジン 2.5±1.0 リジン 0.8±0.5 アルギニン 4.6±1.5 ヘ)安定性: pH安定性:pH2〜10の範囲で安定 熱安定性:60℃、300分処理で安定 変性剤安定性:1%(W/V)ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)、6M塩酸グアニジンおよび8M尿素溶液中
でそれぞれ安定 ト)紫外吸収:6.7±1.0[280nmにおける1
%水溶液の1cm光路長の吸光度] チ)由来:ヒト尿由来物質であることが好ましい。
【0021】本発明の第4の態様は、TM様蛋白質とヒ
ト細胞成長因子とを含有することを特徴とする細胞増殖
および/または細胞成長促進剤である。好ましくは、肉
芽組織形成促進剤である。ここで、TM様蛋白質として
は、上述の第3の態様と同様に、上述のアミノ酸配列1
あるいは特徴1または特徴2を有するものが好ましい。
また、ヒト細胞成長因子は、ヒトIGF−1、ヒトイン
スリン、ヒトEGF又はヒトb−FGFであることが好
ましい。
【0022】TM様蛋白質とヒト細胞成長因子との組み
合わせとしては、上述のアミノ酸配列1を有するTM様
蛋白質と、ヒトIGF−1、ヒトインスリン、ヒトEG
Fおよびヒトb−FGFの少なくとも一つとの組み合わ
せ、上述の特徴1を有するTM様蛋白質と、ヒトIGF
−1、ヒトインスリン、ヒトEGFおよびヒトb−FG
Fの少なくとも一つとの組み合わせ、あるいは、上述の
特徴2を有するTM様蛋白質と、ヒトIGF−1、ヒト
インスリン、ヒトEGFおよびヒトb−FGFの少なく
とも一つとの組み合わせが好ましい。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】本明細書において、「TM様蛋白質」の語
は、TMおよびTMの生物学的もしくは免疫学的活性に
必要な一部分のアミノ酸配列を有するペプチド又はそれ
らの類似物を意味する。また、「創傷」の語は、外力に
よって生じた組織損傷を総括していうが、皮膚や粘膜面
の連続性が離断した解放性損傷を創、連続性が保持され
た閉鎖性損傷を傷として区別して用いられることがあ
り、「創傷治癒」は、炎症反応が起こり、毛細血管等の
透過性亢進や白血球等の遊走が起こって細菌や壊死物質
が貪食除去されると共にフィブリン沈着等が起こる滲出
破壊相、毛細血管の新生や線維芽細胞の増殖が始まり、
肉芽が出現し、フィブリンが吸収されてコラーゲンに置
き換わってゆく繊維増殖相および新生血管や滲出細胞が
減少し始め、コラーゲン量が増加して創の収縮が起きる
成熟期の機転をとる[南山堂医学大辞典、南山堂,11
56−1157頁,1990]とされ、本発明において
もこれらの意味を包含する。肉芽(組織)とは、盛んに
増殖している若い結合組織のことで、創傷の壊死性組織
を吸収し、欠損部を埋め、線維化をおこす創傷治癒に際
して形成される重要な組織である。線維芽細胞が肉芽組
織の基本的構成細胞である。また、「創傷治癒剤」の語
は、種々の創傷、例えば、角膜潰瘍、放射線角膜傷、角
膜移植その他の手術誘発眼内創傷のような眼創傷、およ
び切開、やけど、切り傷、破傷、深部術創、皮膚移植に
よるドナー部位創および潰瘍(皮膚、とこずれ、静脈う
っ血および糖尿病)のような皮膚創のごとき上皮損傷、
あるいは消化管の潰瘍、口腔・気道または尿路のごとき
粘膜の損傷など、さらに、乾せん、日焼け、皮膚発疹の
ような皮膚障害等、の治癒を促進するための治療剤を広
く包含する。
【0025】本発明に用いるTM様蛋白質は、天然型あ
るいは遺伝子工学的に生産されたもののいずれでも良
く、遺伝子工学的手法により得られる改変型あるいはキ
メラ型であっても良い。医薬品とする場合、好ましくは
ヒト由来のTMが望まれる。また、ヒト由来のTMは膜
結合性であり、完全長のアミノ酸配列を持つものは水に
対する溶解性が低い。このため、本発明においては完全
長のアミノ酸配列を持たず、溶解性の高いTM(以下、
可溶性TMと略する)がさらに好ましい。
【0026】このようなTMは、天然型については、例
えば、ヒト胎盤由来のTM[特開昭60−19981
9]があげられる。また、可溶性TMとしては、非還元
状態での分子量が55,000〜58,000および6
0,000〜65,000のヒト尿由来可溶性TM[特
開平3−86900]および非還元状態での分子量が7
2,000±3,000および79,000±3,00
0のヒト尿由来可溶性TM[特開平3−218399]
が挙げられる。これらの内、分子量が72,000±
3,000および79,000±3,000のヒト尿由
来可溶性TMが好ましい。これらヒト尿由来可溶性TM
は、特開平3−218399号公報に記載されているよ
うに、それぞれ、前述の本発明で好ましく使用すること
ができるTM様蛋白質の特徴1または特徴2を有してい
る。
【0027】また、本発明に用いるTM様蛋白質は、遺
伝子組み替え技術で生産することができる。ヒトの治療
剤に用いるためには、ヒトのアミノ酸配列を有するもの
が好ましい。具体的には、遺伝子工学的手法により製造
され、鈴木らにより示されたヒトTMの一次構造[EM
BO.J.6,1891−1897,1987;Bio
chem.26,4350−4357,1987]を有
するポリペプチドおよびその生物学的もしくは免疫学的
活性に必要な一部分のアミノ酸配列からなるフラグメン
トが挙げられる。
【0028】鈴木らによれば、完全長のヒトTMは55
7アミノ酸残基により構成され、それは、N末端より順
に、D1、D2、D3、D4およびD5の5つのドメイ
ン構造から構成される。また、その抗凝固活性は6つの
上皮細胞成長因子(EGF)様構造の繰り返しから成る
D2ドメインの、4番目から6番目のドメイン(E45
6)に限局することが報告されている。本発明の治癒剤
に使用し得るフラグメントの例としては、鈴木らにより
開示されたE456ペプチド構造を包含する種々のペプ
チドフラグメント[特開平1−6219]あるいは名和
らにより示された可溶性TM様蛋白質[バイオケミカル
アンド バイオフィジカル リサーチコミュニケーシ
ョンズ(Biochem.Biophys.Res.C
ommun.)171,729−737,1990]な
どが挙げられる。さらに具体的には、D2ドメインのE
GF様構造の1番目から6番目までのドメイン構造(以
下、E123456とする)を包含する、ヒトTMのN
末端より214−466番目のアミノ酸残基により構成
されるペプチド(以下、TME1-6 とする)、1−49
1番目のアミノ酸残基により構成されるペプチド(以
下、rsTMとする)、227−462番目のアミノ酸
残基により構成されるペプチド(D2)、1−497番
目のアミノ酸残基により構成されるペプチド(以下、D
123とする)、1−462番目のアミノ酸残基により
構成されるペプチド(D12)、227−497番目の
アミノ酸残基により構成されるペプチド(D23)、1
−557番目のアミノ酸残基により構成されるペプチド
(D12345)、345−462番目のアミノ酸残基
により構成されるペプチド(E456)などが好まし
い。そして、これらのフラグメントの内、TMの第2番
目のドメイン、すなわちEGF様構造ドメインの1番目
から6番目までの構造を包含する、214−466番目
のアミノ酸残基により構成されるフラグメント(TME
1-6 )、即ち、前述のアミノ酸配列1を有するもの、r
sTMあるいはD123が最も好ましい。
【0029】なお、上記フラグメントは遺伝子組み替え
技術を用いて、TM又は上記ペプチドの構造の一部を欠
失させたり、アミノ酸を他のアミノ酸で置換あるいは修
飾した改変体およびO−グリコシド結合糖鎖あるいはN
−グリコシド結合糖鎖などの糖鎖を修飾あるいは欠失さ
せた類似物などでも良い。具体的には、上記ポリペプチ
ドの構成アミノ酸が一部欠如している[WO92/00
325、特開平2−255699、EP0474273
A2]か、他のアミノ酸に置換されたもの[WO91/
15514、WO93/155755、平5−3107
87]が挙げられる。また、メチオニンを他のアミノ酸
に置換することによって酸化を防止したもの[WO91
/15514]、あるいはアミノ酸配列を修飾すること
によって蛋白分解酵素による分解を防止したもの[WO
93/15755]が挙げられる。また、コンドロイチ
ン及び/又はコンドロイチン硫酸を含む糖鎖を有するも
の[WO91/04276、WO91/05803、E
P0412841A1]、ウシトロンボモジュリン由来
の酸性アミノ酸配列を含むO−グリコシド糖鎖結合部位
を付加し、コンドロイチン硫酸糖鎖を結合させたもの
[EP0488317A2]、あるいは、O−グリコシ
ル化部位領域の糖鎖を修飾あるいはO−グリコシル化部
位領域を欠失させたもの[WO92/03149]、コ
ンドロイチン及び/又はコンドロイチン硫酸を含まない
もの[特開平4−210700]などが挙げられる。
【0030】本発明第2の態様ならびに第4の態様は、
以上のようなTM様蛋白質の他にヒト細胞成長因子も有
効成分として含有するものである。これにより、TM様
蛋白質又はヒト細胞成長因子単独から創傷治癒剤ならび
に細胞増殖および/または細胞成長促進剤を構成した場
合に対して、大きな治癒効果ならびに促進効果を得るこ
とが可能となる。
【0031】本発明において、ヒト細胞成長因子として
は、ヒトIGF−1、ヒトインスリン、ヒトEGF、ヒ
トb−FGFの中から選ばれる1種を使用するか、ある
いは複数種を併用することが好ましい。
【0032】また、本発明においては、細胞成長因子と
して上述のようにヒトIGF−1、ヒトインスリン、ヒ
トEGF、ヒトb−FGFを含有することができるが、
これらに限定されない。それぞれ、IGF、インスリ
ン、EGF、FGF様活性を有する物質であればいずれ
でも良い(蛋白質核酸酵素,36巻,7号,1078−
1087頁,1237−1246頁,1991、臨床免
疫,27巻,Suppl.16,307−316頁,1
995)。例えば、動物の体内や動物細胞で産生される
天然由来の物質、遺伝子組み替え技術で生産される物
質、また遺伝子組み替え技術で、これらの構造の一部を
欠失させたり、アミノ酸を他のアミノ酸で置換あるいは
修飾した改変体および糖鎖を修飾あるいは欠失させた類
似物などが挙げられる。好ましくは、ヒト由来かヒト由
来と同等構造を有するものがよい。これらのいくつかは
市販品として入手することができる。また、このような
ヒト細胞成長因子としては、公知のいかなる製剤学的製
造法により得られたものでも使用することができる。
【0033】本発明の第1の態様及び第2の態様のいず
れの治癒剤ならびに本発明の第3の態様及び第4の態様
のいずれの細胞増殖および/または細胞成長促進剤も種
々の剤型にすることができ、その場合に種々の添加剤等
の成分を配合することができる。例えば、TM様蛋白質
は、薬剤として一般的に用いられる適当な担体または、
媒体、例えば滅菌水や生理食塩水、植物油(例、ゴマ
油、オリーブ油)、鉱油(例、ワセリン、パラフィ
ン)、高級アルコール(例、セタノール、ステアリルア
ルコール)、高級脂肪酸(例、ステアリン酸、パルミチ
ン酸)、無害性有機溶媒(例、エタノール)等、さらに
は必要に応じて賦形剤(例、マンニトール、カルボキシ
メチルセルロース)、着色剤、乳化剤(例、コレステロ
ール)、懸濁剤(例、アラビアゴム)、界面活性剤
(例、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系界面活性剤、
ポリエチレングリコール系界面活性剤)、溶解補助剤
(例、界面活性剤、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム)、吸着防止剤(例、非イオン性界面活性剤、ゼラチ
ン)、安定化剤(例、アミノ酸、糖、糖アルコール、ア
ルブミン)または保存剤(例、ベンジルアルコール、パ
ラベン)、保湿剤(例、尿素、コレステロール)、酸化
防止剤(例、トコフェロール)等と適宜組み合わせて、
生体に効果的に投与するのに適した注射剤、経皮吸収
剤、点眼剤、経鼻吸収剤、経口剤等の医薬用製剤、好ま
しくは注射剤もしくは経皮吸収剤に調製することが出来
る。例えば、注射剤の製剤としては、凍結乾燥品や、注
射用水剤、あるいは浸透圧ポンプに封入した形等で提供
できる。また、経皮吸収剤としては、液剤、軟膏剤、ク
リーム剤、ゲル剤、バップ剤、人工皮膚類等で提供でき
る。
【0034】本発明の創傷治癒剤の投与方法としては、
例えば、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、経口投与
等の方法によって、TM様蛋白質量として一日約0.0
1〜1000μg/kg、さらに好ましくは、0.1〜
100μg/kgとなる量を投与したり、浸透圧ポンプ
等に封入し生体に留置することにより連続的に投与する
ことができる。なお、TM様蛋白質に加えてヒトIGF
−1またはヒトインスリンまたはヒトEGFまたはヒト
b−FGFを有効成分として含有させた製剤は、上記の
TM様蛋白質投与と同時に、各因子をそれぞれ、一日約
0.01〜1000μg/kg、さらに好ましくは、
0.1〜100μg/kgとなる量を投与することが好
ましい。
【0035】また、経皮吸収剤として、熱傷、創傷部位
に、液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、バップ剤等の
方法により局所適用することにより、例えば、TM様蛋
白質濃度を約0.001〜1000μg/ml、さらに
好ましくは、0.01〜100μg/mlの濃度で適用
することができる。なお、ヒトTM様蛋白質に加えてヒ
トIGF−1またはヒトインスリンまたはヒトEGFま
たはヒトb−FGFを有効成分として含有する製剤は、
上記のTM様蛋白質適用と同時に、各因子をそれぞれ、
一日約0.01〜1000μg/ml、さらに好ましく
は、0.1〜100μg/mlとなる量を適用する。
【0036】さらに、熱傷の時に用いる培養皮膚移植等
に際しては、細胞の培養液中に、例えば、ヒトTM様蛋
白質濃度を約0.001〜1000μg/ml、さらに
好ましくは、0.01〜100μg/mlの濃度で添加
することもできる。なお、TM様蛋白質に加えてヒトI
GF−1またはヒトインスリンまたはヒトEGFまたは
ヒトb−FGFをTM様蛋白質添加と同時に、各因子を
それぞれ、約0.01〜1000μg/ml、さらに好
ましくは、0.1〜100μg/mlの濃度で添加する
こともできる。
【0037】
【作用】本発明の創傷治癒剤は、有効成分として、線維
芽細胞などの細胞の成長および増殖促進効果を発揮する
TM様蛋白質、あるいはTM様蛋白質とヒト細胞成長因
子の双方を含有するので、種々の創傷、例えば、角膜潰
瘍、放射線角膜傷、角膜移植その他の手術誘発眼内創傷
のような眼創傷および切開、やけど、切り傷、破傷、深
部術創、皮膚移植によるドナー部位創および潰瘍(皮
膚、とこずれ、静脈うっ血および糖尿病)のような皮膚
創のごとき上皮損傷、あるいは消化管の潰瘍、口腔・気
道または尿路のごとき粘膜の損傷などの治療に用いるこ
とができる。さらに、乾せん、日焼け、皮膚発疹のよう
な皮膚傷害にも用いることができる。
【0038】本発明の細胞増殖および/または細胞成長
促進剤は、特に線維芽細胞の増殖/成長を促進し、肉芽
組織形成促進に働く。また、細胞培養系に添加すること
により、細胞の増殖を促進することができる。移植に用
いるヒト細胞の培養液に添加してそのヒト細胞を培養す
ることもできる。
【0039】
【実施例】以下にTM様蛋白質の取得例及び本発明の実
施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発
明に用いるTM様蛋白質は、以下の取得例にあげたもの
に限定されることはなく、また、本発明は以下の実施例
に限定されるものでもない。
【0040】取得例1(ヒトTM様蛋白質の取得例:T
ME1-6 ) 名和らの方法[バイオケミカル アンド バイオフィジ
カル リサーチ コミュニケーションズ(Bioche
m.Biophys.Res.Commun.)17
1、729−737、1990]に準じて、pRS7T
Mを調製した。すなわち、ヒトcDNAライブラリーよ
り得たTM遺伝子のフラグメントをpUC119発現ベ
クターに挿入した後、制限酵素処理を行いpRS7TM
を調製した。さらに、pRS7TMのTMシグナルシー
ケンスをインターフェロンγシグナルシーケンスで置き
換え、さらにN末端シーケンスを欠失させた。すなわ
ち、Sal−BstN1制限酵素処理により80bpの
新しいシグナルシーケンスを含むフラグメントを、Ps
tI制限酵素処理により1番目のEGFドメインをコー
ドしているフラグメントを取得した後、リンカーと結合
させpTMP22を作製した。このpTMP22をHi
ndIII−MluI制限酵素処理し、生じたフラグメ
ントをpTMs07のHindIII−MluIフラグ
メントと置換しpP7TMを作製した。Ser/Thr
rich領域を欠失させるためにpTMs07をHi
n cII制限酵素処理してフラグメントを単離し、さ
らにHpaII制限酵素処理を行うことにより6番目の
EGFドメインをコードしている70bpのフラグメン
トを取得した。このフラグメントのLys−466の後
にストップコドンを含むリンカーを結合させた後、Ap
a I−Xba I制限酵素処理を行い、生じたフラグ
メントをpP7TMのApa I−Xba I部位に組
み込みpPG3TMを作製した。
【0041】このプラスミド(pPG3TM)を、常法
に従ってチャイニーズハムスター卵母細胞株(CHO−
K1細胞株)にトランスフェクトした。この細胞を選択
培地でさらに2〜3週間培養することにより安定した形
質転換細胞を選抜し、生じたコロニーをさらに培養し
た。この培養上清を抗TMモノクローナル抗体カラムと
ゲル濾過により精製し、TME1-6 を得た。
【0042】取得例2(可溶性TMの取得例:UTM
0) 特開平3−218399号公報に記載された方法に準じ
て調製した。すなわち、原尿100Lをアクリル繊維で
濾過して尿中のウロキナーゼを吸着除去し、通過尿を限
外濾過膜を使用して脱塩濃縮した。次いで、DEAEセ
ルロース(ワットマン社製)カラム、DIP−トロンビ
ン−アガロースクロマトグラフィーおよびセファクリル
S−300(ファルマシアファインケミカル社製)カラ
ムを用いて順次精製し、活性画分を採取した(以下、U
TM0とする)。この画分は一晩蒸留水に対して透析し
た後凍結乾燥した。
【0043】取得例3(可溶性TMの取得例:rsT
M) 名和らの方法[バイオケミカル アンド バイオフィジ
カル リサーチ コミュニケーションズ(Bioche
m.Biophys.Res.Commun.)17
1、729−737、1990]に準じて、pRS7T
Mを調製した。すなわち、ヒトcDNAライブラリーよ
り得たTM遺伝子のフラグメントをpUC119発現ベ
クターに挿入した後、制限酵素処理等を行い、rsTM
をコードするプラスミドpTMs07を調製した。さら
に、Neor 遺伝子を組み込み、発現プラスミドpTM
s07−neoを作製した。
【0044】このプラスミド(pTMs07−neo)
を、常法に従ってチャイニーズハムスター卵母細胞株
(CHO−K1細胞株)にトランスフェクトした。この
細胞を選択培地でさらに2〜3週間培養することにより
安定した形質転換細胞を選抜し、生じたコロニーをさら
に培養した。この培養上清を抗TMモノクローナル抗体
カラムとゲル濾過により精製し、rsTMを得た。
【0045】取得例4(可溶性TMの取得例:D12
3) WO92/00325号公報の方法に準じて製造した。
すなわち、ヒト胎盤cDNAライブラリーより釣り上げ
たDNAを利用してアミノ末端のアミノ酸配列がAla
−Pro−Ala−であるアミノ酸497残基よりなる
可溶性トロンボモジュリンを発現するベクターを調製
し、これをCHO細胞に組み込んだ後、遺伝子増幅を行
って高発現株を得た。この高発現株の培養液をDIP−
トロンビン−アガロースカラムとゲル濾過により精製
し、D123を得た。
【0046】実施例1(ヒトTMによる線維芽細胞に対
する効果1:増殖促進効果) スイス3T3細胞(Japanese Cancer
Research Bank)を10%牛胎児血清(以
下、CSと略す。:ギブコ社)を含むDMEM培地(ギ
ブコ社)に懸濁し、35mmの培養プレートに1ウェル
あたり1×104個の密度で播種し、37℃、5%CO
2 /95%Airの条件で培養した。24時間後に50
ng/mlのヒトTMを含む種々の濃度のCSを含むD
MEM培地(0.1〜10%CS)に培地交換し、その
後は2日間に一度(図1の矢印参照)培地交換した。細
胞は0.25%trypsin/0.02%EDTAで
処理し、細胞数を測定した。なお、ヒトTMは、取得例
1に記載した方法に従い、ヒトTMのE123456を
包含するペプチド(TME1-6 )をチャイニーズハムス
ター卵母細胞(CHO−K1細胞)で発現後、均一に精
製したものを使用した。
【0047】この結果を図1に示す。図1から明らかな
ように、TME1-6 は0.1%あるいは1%血清の存在
下で細胞増殖作用を示した。また、UTM0、rsTM
およびD123も同様の作用を示す。
【0048】一般に、in vitroでの増殖促進能
は、in vivoでの組織の成長を起こし得る細胞分
化と直接関連しており、強いin vitro増殖促進
能を有する物質がin vivoにおいても成長刺激効
果を有することは成長因子の研究においては良く知られ
ているところである。従って、ヒトTM様蛋白質は、生
体でも効果を有することがわかる。
【0049】実施例2(ヒトTMによる線維芽細胞に対
する効果2:DNA合成促進効果) スイス3T3細胞を10%CSを含むDMEM培地に懸
濁し、96ウェルのマイクロタイタープレートに播種
し、37℃、5%CO2 /95%Airの条件でコンフ
ルエントになるまで増殖させた。次いで、培養液を0.
1%CSを含む(又は含まない)DMEM培地で置換し
48時間培養することにより、細胞は完全に非活動性と
なった。次に、表1及び図2に示すように、種々の濃度
のヒトTMおよび種々の濃度の成長因子を添加し、37
℃、20時間培養した。その後3H-チミジン(1μCi
/ウェル)を加え、さらに8時間培養した。ウェルを氷
冷リン酸緩衝液(以下、PBSと略す)で洗浄して、過
剰の3H-チミジンを除いた後、細胞を0.25%try
psin/0.02%EDTAで処理してプレートより
剥離させ、グラスファイバーフィルター上に集めた。細
胞を氷冷したトリクロル酢酸で洗浄後、フィルター上に
残存する放射能を液体シンチレーションカウンターによ
り測定した。なお、ヒトTMは、取得例1に従い、ヒト
TMのE123456を包含するペプチド(TME
1-6 )をチャイニーズハムスター卵母細胞(CHO−K
1細胞)で発現後、均一に精製したもの、取得例2に従
い精製したヒト尿由来可溶性TM(UTM0)および取
得例3に従い精製したrsTMを使用した。IGF−1
およびbFGFはインタージェン社、インスリンは和光
純薬、EGFはアップステートバイオテクノロジー社よ
りそれぞれ購入して使用した。
【0050】結果を図2、図3および表1に示す。
【0051】図2から明らかなように、TME1-6 は血
清の存在下あるいは非存在下においてDNA合成促進作
用を示した。また、図3から明らかなように、TME
1-6 、rsTMおよびUTM0いずれもDNA合成促進
作用を示し、UTM0が最も強い作用を示した。
【0052】
【表1】 添加サンフ゜ル 3H-チミシ゛ン取り込み(dpm/ウェル) 無添加 +TME1-6 (50ng/ml) 無添加(対照) 2775±230 4867±470** ヒト IGF-1(10ng/ml) 4013±695 8011±926** ヒト insulin(1μg/ml) 6924±925 15124±650** ヒト EGF(10ng/ml) 10608±686 12891±870 ヒト bFGF(1ng/ml) 8416±793 10665±391* 10%CS 145867±10101 N.D. *;p<0.05 mean±S.E.(n=5) **;p<0.01 mean±S.E.(n=5) 表1から明らかなように、TME1-6 は単独でDNA合
成促進作用を示すのみならず、細胞成長因子として知ら
れているEGFやb−FGFとは相加的な作用を示し、
インスリンあるいはIGF−1とは相乗的なDNA合成
促進作用を示した。また、UTM0、rsTMおよびD
123も同様の作用を示した。
【0053】実施例3(ヒトTMによる線維芽細胞に対
する効果3:グルコース輸送促進効果) 浜中らの方法[エクスペリメンタル セル リサーチ
(Exp.Cell Res.)186、83−89、
1990]に準じて実施した。すなわち、スイス3T3
細胞を10%CSを含むDMEM培地に懸濁し、24ウ
ェルのマルチプレートに播種し、37℃、5%CO2
95%Airの条件でコンフルエントになるまで増殖さ
せた。次いで、培養液を0.5%CSを含むDMEM培
地で置換し48時間培養した後、50ng/mlのヒト
TM、10ng/mlEGFあるいは10%CSを添加
し、37℃、6時間培養した。細胞をKRP緩衝液(1
40mM NaCl、2.7mM KCl、0.9mM
CaCl2 、1.47mMKH2PO4 、8.06m
M Na2HPO4 、0.49mM MgCl2 、0.
1%ウシ血清アルブミン、pH7.4)で一回洗浄した
後、0.5mlの同緩衝液で37℃、30分間プレイン
キュベートした。その後2−デオキシ−D−[1−
3H]グルコース(0.5μCi/ウェル、10μM)
を加え、10分間培養した。ウェルを25mMグルコー
スを含む氷冷PBSで3回洗浄して過剰の放射能を除い
た後、0.1%SDS処理して細胞破砕液を得、その放
射能を液体シンチレーションカウンターにより測定し
た。なお、ヒトTMは、実施例に従い、ヒトTMのE1
23456ドメインを包含するペプチド(TME1-6 )
をチャイニーズハムスター卵母細胞(CHO−K1細
胞)で発現後、均一に精製したものを使用した。EGF
はアップステートバイオテクノロジー社より購入して使
用した。結果を表2に示す。
【0054】
【表2】 *;p<0.05 mean±S.E.(n=5) **;p<0.01 mean±S.E.(n=5) 表2から明らかなように、TME1-6 は2−デオキシグ
ルコース取り込みの促進作用を示した。また、UTM
0、rsTMおよびD123も同様の作用を示した。
【0055】実施例4(製剤例1) 以下の成分を注射用蒸留水10mlに溶解し、無菌濾過
したあとに1.0mlずつ無菌バイアルに分注し、凍結
乾燥して注射用製剤を調製した。
【0056】 TME1-6 5 mg 精製ゼラチン 50 mg リン酸ナトリウム 34.8mg 塩化ナトリウム 81.8mg マンニトール 25 mg
【0057】実施例5(製剤例2) 以下の成分を注射用蒸留水10mlに溶解し、無菌濾過
したあとに1.0mlずつ無菌バイアルに分注し、凍結
乾燥して注射用製剤を調製した。
【0058】 UTM0 5 mg アルブミン 20 mg リン酸ナトリウム 34.8mg 塩化ナトリウム 81.8mg マンニトール 25 mg
【0059】実施例6(製剤例3) 以下の成分を注射用蒸留水10mlに溶解し、無菌濾過
したあとに1.0mlずつ無菌バイアルに分注し、凍結
乾燥して注射用製剤を調製した。
【0060】 rsTM 10 mg 精製ゼラチン 50 mg リン酸ナトリウム 34.8mg 塩化ナトリウム 81.8mg マンニトール 25 mg
【0061】実施例7(製剤例4) 以下の成分を注射用蒸留水10mlに溶解し、無菌濾過
したあとに1.0mlずつ無菌バイアルに分注し、凍結
乾燥して注射用製剤を調製した。
【0062】 D123 10 mg アルブミン 20 mg リン酸ナトリウム 34.8mg 塩化ナトリウム 81.8mg マンニトール 25 mg
【0063】実施例8(製剤例5) 以下の成分を混合、撹拌して均一な組成物(軟膏剤)を
調製した。
【0064】 TME1-6 0.01% 白色ワセリン 96.8% 流動パラフィン 3 % ジブチルヒドロキシトルエン 0.2%
【0065】実施例9(製剤例6) 以下の成分を混合、撹拌して均一な組成物(軟膏剤)を
調製した。
【0066】 UTM0 0.01% IGF−1 0.01% 白色ワセリン 96.8% 流動パラフィン 3 % ジブチルヒドロキシトルエン 0.2%
【0067】
【発明の効果】本発明の創傷治癒剤ならびに細胞増殖お
よび/または細胞成長促進剤は、組織損傷部位の細胞、
例えば線維芽細胞などの細胞の成長あるいは増殖を促進
する効果を発揮するヒトTM様蛋白質、あるいはヒトT
M様蛋白質に加えてさらにヒト細胞成長因子を含有する
ので、種々の創傷、例えば、角膜潰瘍、放射線角膜傷、
角膜移植、他の手術誘発眼内創傷のような眼創傷および
切開、やけど、切り傷、破傷、深部術創、皮膚移植によ
るドナー部位創および潰瘍(皮膚、とこずれ、静脈うっ
血および糖尿病)のような皮膚創のごとき上皮損傷、あ
るいは消化管の潰瘍、口腔・気道または尿路のごとき粘
膜の損傷などの治療に用いることができる。さらに、乾
せん、日焼け、皮膚発疹のような皮膚傷害にも用いるこ
とができる。
【0068】また、本発明の製剤は、上記の創傷に対
し、公知の製剤に比較して、より優れた作用を有してお
り、創傷治癒剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、TME1-6 のスイス3T3細胞の増殖
に及ぼす影響を示したグラフである。数値は、平均値±
標準誤差で表している。
【図2】図2は、TME1-6 のスイス3T3細胞のDN
A合成に及ぼす影響を示したグラフである。
【図3】図3は、TME1-6 、rsTMおよびUTM0
のスイス3T3細胞のDNA合成に及ぼす影響を示した
グラフである。数値は、平均値±標準偏差で表してい
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロンボモジュリン様蛋白質を有効成分
    として含有することを特徴とする創傷治癒剤。
  2. 【請求項2】 前記トロンボモジュリン様蛋白質が、以
    下のアミノ酸配列1を有する請求項1に記載の創傷治癒
    剤。 (アミノ酸配列1) 1 10 Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro Gly 11 20 Ala Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly 21 30 Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro Gly 31 40 Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala 41 50 Ala Leu Gln Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr 51 60 Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu 61 70 Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp 71 80 Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys Met Cys Glu 81 90 Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His 91 100 Arg Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu 101 110 Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys Val 111 120 Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys 121 130 Tyr Pro Asn Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu 131 140 Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe Arg 141 150 Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu 151 160 Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala 161 170 Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro 171 180 His Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr 181 190 Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp Pro Asn Thr 191 200 Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr 201 210 Ile Leu Asp Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp 211 220 Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe Cys 221 230 Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr 231 240 Phe Glu Cys Ile Cys Gly Pro Asp Ser Ala 241 250 Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys Asp 251 253 Ser Gly Lys
  3. 【請求項3】 前記トロンボモジュリン様蛋白質が、以
    下の部分構造および性質を有する請求項1に記載の創傷
    治癒剤。 イ)分子量 72,000±3,000[非還元状態で
    のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルア
    ミドゲル電気泳動法(PAGE)により測定] ロ)等電点 3.9±0.2 ハ)末端アミノ酸配列 N末端 :Ala−Pro−Ala−Glu−Pro
    −Gln−Pro−Gly−Gly−Ser−Gln−
    Cys−Val−Glu−His−Asp−Cys−P
    he−Ala−Leu−Tyr−Pro−Gly−Pr
    o−Ala−Thr−Phe−Leu− C末端 :−Leu−Ala−Arg、または−Leu
    −Val−Arg ニ)糖含量(重量%) 中性糖 :5.5±1.0%[フェノール硫酸法で測
    定] アミノ糖 :2.2±1.0%[Elson−Morg
    an法(Blix変法)で測定] シアル酸 :2.8±1.5%[Warren法で測
    定]
  4. 【請求項4】 前記トロンボモジュリン様蛋白質が、以
    下の部分構造および性質を有する請求項1に記載の創傷
    治癒剤。 イ)分子量 79,000±3,000[非還元状態で
    のSDS−PAGEにより測定] ロ)等電点 3.8±0.2 ハ)末端アミノ酸配列 N末端 :Ala−Pro−Ala−Glu−Pro
    −Gln−Pro−Gly−Gly−Ser−Gln−
    Cys−Val−Glu−His−Asp−Cys−P
    he−Ala−Leu−Tyr−Pro−Gly−Pr
    o−Ala−Thr−Phe−Leu− C末端 :−Leu−Ala−Arg、または−Leu
    −Val−Arg ニ)糖含量(重量%) 中性糖 :6.2±1.0%[フェノール硫酸法で測
    定] アミノ糖 :3.1±1.0%[Elson−Morg
    an法(Blix変法)で測定] シアル酸 :3.8±1.5%[Warren法で測
    定]
  5. 【請求項5】 さらに、ヒト細胞成長因子を有効成分と
    して含有する請求項1〜4のいずれかに記載の創傷治癒
    剤。
  6. 【請求項6】 ヒト細胞成長因子として、ヒトインスリ
    ン様細胞成長因子−1、ヒトインスリン、ヒト上皮細胞
    成長因子および塩基性線維芽細胞成長因子の少なくとも
    一つを含有する請求項5に記載の創傷治癒剤。
  7. 【請求項7】 トロンボモジュリン様蛋白質を有効成分
    として含有することを特徴とする細胞増殖および/また
    は細胞成長促進剤。
  8. 【請求項8】 前記トロンボモジュリン様蛋白質が、以
    下のアミノ酸配列1を有する請求項7に記載の細胞増殖
    および/または細胞成長促進剤。 (アミノ酸配列1) 1 10 Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro Gly 11 20 Ala Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly 21 30 Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro Gly 31 40 Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala 41 50 Ala Leu Gln Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr 51 60 Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu 61 70 Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp 71 80 Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys Met Cys Glu 81 90 Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His 91 100 Arg Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu 101 110 Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys Val 111 120 Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys 121 130 Tyr Pro Asn Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu 131 140 Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe Arg 141 150 Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu 151 160 Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala 161 170 Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro 171 180 His Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr 181 190 Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp Pro Asn Thr 191 200 Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr 201 210 Ile Leu Asp Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp 211 220 Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe Cys 221 230 Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr 231 240 Phe Glu Cys Ile Cys Gly Pro Asp Ser Ala 241 250 Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys Asp 251 253 Ser Gly Lys
  9. 【請求項9】 前記トロンボモジュリン様蛋白質が、以
    下の部分構造および性質を有する請求項7に記載の細胞
    増殖および/または細胞成長促進剤。 イ)分子量 72,000±3,000[非還元状態で
    のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルア
    ミドゲル電気泳動法(PAGE)により測定] ロ)等電点 3.9±0.2 ハ)末端アミノ酸配列 N末端 :Ala−Pro−Ala−Glu−Pro
    −Gln−Pro−Gly−Gly−Ser−Gln−
    Cys−Val−Glu−His−Asp−Cys−P
    he−Ala−Leu−Tyr−Pro−Gly−Pr
    o−Ala−Thr−Phe−Leu− C末端 :−Leu−Ala−Arg、または−Leu
    −Val−Arg ニ)糖含量(重量%) 中性糖 :5.5±1.0%[フェノール硫酸法で測
    定] アミノ糖 :2.2±1.0%[Elson−Morg
    an法(Blix変法)で測定] シアル酸 :2.8±1.5%[Warren法で測
    定]
  10. 【請求項10】 前記トロンボモジュリン様蛋白質が、
    以下の部分構造および性質を有する請求項7に記載の細
    胞増殖および/または細胞成長促進剤。 イ)分子量 79,000±3,000[非還元状態で
    のSDS−PAGEにより測定] ロ)等電点 3.8±0.2 ハ)末端アミノ酸配列 N末端 :Ala−Pro−Ala−Glu−Pro
    −Gln−Pro−Gly−Gly−Ser−Gln−
    Cys−Val−Glu−His−Asp−Cys−P
    he−Ala−Leu−Tyr−Pro−Gly−Pr
    o−Ala−Thr−Phe−Leu− C末端 :−Leu−Ala−Arg、または−Leu
    −Val−Arg ニ)糖含量(重量%) 中性糖 :6.2±1.0%[フェノール硫酸法で測
    定] アミノ糖 :3.1±1.0%[Elson−Morg
    an法(Blix変法)で測定] シアル酸 :3.8±1.5%[Warren法で測
    定]
  11. 【請求項11】 さらにヒト細胞成長因子を有効成分と
    して含有する請求項7〜10のいずれかに記載の細胞増
    殖および/または細胞成長促進剤。
  12. 【請求項12】 ヒト細胞成長因子として、ヒトインス
    リン様細胞成長因子−1、ヒトインスリン、ヒト上皮細
    胞成長因子および塩基性線維芽細胞成長因子の少なくと
    も一つを含有する請求項11に記載の細胞増殖および/
    または細胞成長促進剤。
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