JPH09206601A - ゼオライト触媒の再生方法 - Google Patents

ゼオライト触媒の再生方法

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JPH09206601A
JPH09206601A JP8021513A JP2151396A JPH09206601A JP H09206601 A JPH09206601 A JP H09206601A JP 8021513 A JP8021513 A JP 8021513A JP 2151396 A JP2151396 A JP 2151396A JP H09206601 A JPH09206601 A JP H09206601A
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JP
Japan
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catalyst
acid
zeolite
treatment
reaction
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JP8021513A
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Inventor
Hiroshi Mori
寛 森
Tsutomu Yonemori
勉 米盛
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒再生能力に優れ活性の高い触媒を得るこ
とができるゼオライト触媒再生方法。 【解決手段】 液相で環状オレフィンを水和して、対応
する環状アルコールを得るためのゼオライト触媒の際性
方法において、平均一次粒子径が0.5μm以下、かつ
平均二次粒子径の範囲が0.05〜10μmであるゼオ
ライトを、温度0〜150℃、圧力0.05〜2MP
a、処理時間0.1〜100hr、攪拌動力0.001
〜3W/リットルで酸性の水溶液中に分散せしめて処理
する酸処理工程を有するゼオライト触媒の再生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼオライト触媒を
用いて液相でオレフィンを接触水和して、対応するアル
コールを製造する工業的方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液相でオレフィンを水和してアル
コールを製造する方法として、鉱酸、芳香族スルフォン
酸、ヘテロポリ酸等を用いた均一系触媒、あるいは強酸
性イオン交換樹脂、結晶性アルミノシリケート等のゼオ
ライト類等の固体酸触媒を用いる方法が数多く知られて
いる(特公昭47−45323、特公昭53−1548
5、特開昭57−70828、特開昭58−12472
3、特開昭58−194828、特開昭60−1040
28、特開昭61−180735、特公昭63−476
95等)。ゼオライト触媒を用いたオレフィンの水和反
応では、通常、触媒、水相、油相の3相系で反応を行
い、また触媒であるゼオライトは水相のみに分配される
ため、生成したアルコールを含有する油相を水相から分
離することにより、同時に生成アルコールの触媒からの
分離も達成されるので、工業的に好ましい方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ゼオライト触媒を用い
て工業的にオレフィンの液相水和によりアルコールを製
造する場合には、固体酸触媒であるために、反応中に生
成する高沸有機物や、原料のオレフィン、水、その他の
有機溶媒等の原料から持ち込まれる金属イオン等による
酸点の被毒が原因で、触媒活性が経時的に低下する。こ
れを解決するために、触媒を再生することが知られてい
る。例えば、高温気相酸化法、液相で酸化剤や無機アル
カリ水溶液を用いる方法(告平3−2014、開平3−
224632、開平3−224633)等がある。
【0004】これらの再生に当たっては、ゼオライトを
酸水溶液で処理する等の酸処理が行われることが多い。
例えば、反応への使用によって構造が変化したH型ゼオ
ライトを元の活性の高い構造に戻すために、アルカリ処
理が行われることがあるが、この際アルカリ金属によっ
てゼオライトがイオン交換されてしまうので、これを元
のH型に戻して固体酸性を引き出すために酸処理が行わ
れる。また、反応中に壁から溶出した金属や反応の原
料、添加剤等によってイオン交換されてしまったゼオラ
イトをH型に戻して固体酸性を引き出すためにも酸処理
が行われる。さらに、ゼオライト上に付着した有機物を
分解、除去するために酸処理が行われることもある。従
来、これらの方法を用いて再生を行っても、再生が繰り
返されると触媒活性が十分に回復しないために、触媒活
性が低下してしまうという問題があった。また、目的の
アルコールを連続的に生産する際に、油相のみが抜き出
せるというゼオライト触媒を用いた時の特徴が損なわ
れ、反応中に油相と供に水触媒スラリーが抜け出てしま
うという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の問題点を解決すべ
く、精力的に鋭意検討を重ねた結果、触媒再生における
酸処理時のゼオライトの粒子径と処理条件との間に関係
があり、この条件を選択することにより、まったく驚く
べきことに、活性低下を著しく抑えることができ、ま
た、触媒再生を繰り返して長期間触媒を使用し続ける条
件下においても、油水分離性の悪化がなく安定して目的
のアルコールを製造することができることを見いだし、
本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、液相で
環状オレフィンを水和して、対応する環状アルコールを
得るためのゼオライト触媒の再生方法において、平均一
次粒子径が0.5μm以下、かつ平均二次粒子径の範囲
が0.05〜10μmであるゼオライトを、温度0〜1
50℃、圧力0.05〜2MPa、処理時間0.1〜1
00hr、攪拌動力0.001〜3W/リットルで酸性
の水溶液中に分散せしめて処理する酸処理工程を有する
ゼオライト触媒の再生方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で、なぜ、触媒再生で行わ
れるイオン交換時のゼオライトの粒子径分布とイオン交
換反応における条件が、触媒活性の再生と油水分離性に
対して、多大の影響を及ぼすかは明らかではないが、お
よそ次のように推定される。通常、酸処理に供されるゼ
オライトは、一次粒子が凝集して二次粒子を形成する
が、酸処理によって、その程度はともかく、二次粒子や
一次粒子が破砕されると考えられる。破砕された粒子
は、その粒子径が余りに小さかったり、あるいはその数
が余りに多いと、油水分離性を悪化させる原因となる。
例えば、二次粒子が破砕されると、一次粒子等が分割さ
れた粒子として発生するが、一次粒子上には反応中に付
着した有機物が存在しこの粒子が界面活性作用を示す結
果油水分離性を悪化させるものと考えられる。また、一
次粒子がさらに破砕されると、結晶破壊によって界面活
性をもつ高分子量の非結晶体(アモルファス)の成分が
生じると考えられる。アモルファス成分はゼオライトが
加水分解された構造のため、高分子量体のなかに親水部
と疎水部を有し、界面活性作用を示し、このため油水分
離性を悪化させると考えられる。
【0007】また、酸処理によって、固体酸性を示すた
めに必要な構成金属である、アルミニウム、ガリウム、
ホウ素、鉄等が、ゼオライトの結晶格子から脱離する現
象(脱アルミ現象と呼ぶことにする)が起こると考えら
れるが、酸処理の条件如何ではこの脱アルミ現象が起こ
りやすいと考えられる。特に、上述の粒子の破砕によっ
て、脱離したアルミ等が触媒外に拡散しやすくなった
り、触媒内に残留している脱離したアルミニウム等によ
る緩衝作用が低下することにより脱アルミ現象が促進さ
れたり、さらには、一次粒子の破砕においては反応に活
性な結晶状態が損なわれて酸量が減少したりするため、
活性低下が特に著しくなると考えられる。本発明は、酸
処理条件を選ぶことによって、ゼオライトの破砕を油水
分離性に影響のない程度とし、また、脱アルミ等の反応
活性を低下させる減少を抑制し得るものと考えられる。
【0008】本発明の再生処理方法が適用されるゼオラ
イト触媒としては触媒として使用可能なゼオライトであ
れば特に限定されず、例えば、モルデナイト、エリオナ
イト、フェリエライト、モービル社発表のZSM−5、
ZSM−4、ZSM−8、ZSM−11、ZSM−1
2、ZSM−20、ZSM−35、ZSM−40、ZS
M−48系ゼオライト等の結晶性アルミノシリケート、
およびボロシリケート、ガロシリケート、フェロアルミ
ノシリケート等の異元素含有ゼオライト等の公知のゼオ
ライトが例示できる。これらのゼオライトは、通常、反
応に供する場合プロトン交換型が用いられるが、その一
部がNa、K、Li等のアルカリ金属元素、Mg、C
a、Sr等のアルカリ土類金属元素、La、Ce等の希
土類元素、Fe、Co、Ni、Ru、Rd、Pt等のVI
II属元素から選ばれた少なくとも1種のカチオン種で交
換されていてもよい。あるいはTi、Zr、Hf、C
r、Mo、W、Thなどを含有していてもよい。
【0009】ゼオライト触媒の形態はいかなるものでも
よく、粉末状、顆粒状、特定形態を有する成形体、液体
中に高度に分散されたスラリー状等が使用できる。ま
た、担体あるいはバインダーとしてアルミナ、シリカ、
チタニア等を使用することもできる。しかし液相で水和
反応を行う本発明の方法において、スラリーの安定性が
保たれ、かつ反応効率を低下させない、すなわち、触媒
活性が高い状態で反応を行うためには、触媒を微粒子化
することが有効でありゼオライト触媒の平均一次粒子径
は0.5μmとすることにより転化率と選択率を高める
ことができる。
【0010】本発明では、酸処理に供するゼオライトと
して、平均一次粒子径が0.5μm以下、好ましくは
0.01〜0.5μm、かつ平均二次粒子径の範囲が
0.05〜10μmであるものを用いる。二次粒子径が
小さすぎると、酸処理によって破砕される粒子の粒径が
極めて小さくなるため、それがたとえ少量であっても分
離性の悪化をもたらす。また、一次粒子径や二次粒子径
が大きすぎると、酸処理によって破砕が起こりやすくな
るので、これもまた分離性の悪化をもたらす。このよう
なゼオライトを、温度0〜150℃、圧力0.05〜2
MPa、処理時間0.1〜100hr、攪拌動力0.0
001〜3W/リットルで酸性の水溶液中に分散して酸
処理を行なう。攪拌動力が大きすぎると、ゼオライトの
破砕が起こりやすくなり、その結果油水分離性や触媒活
性が低下する。また、脱アルミ現象も起こりやすくなる
ので、触媒活性の更なる低下をもたらす。また、動力が
小さすぎると、イオン交換効率が落ちるため十分な活性
回復率で再生することができないだけでなく、ゼオライ
ト粒子が凝集しやすくなる。
【0011】本発明において、二次粒子の粒子径とは、
等面積円径を意味し、ゼオライトを液体媒体、例えば
水、アセトン、アルコール等に懸濁させ、これを超音波
処理して十分に分散させたものを、走査型電子顕微鏡で
観察して得た画像につき、各二次粒子ごとにその面積を
測定してその等面積円径を算出する。測定は少なくとも
1000個の二次粒子について行い、このようにして算
出された等面積円径からその平均値(数平均値)を算出
する。電子顕微鏡の画像からの個々の二次粒子を単離し
てその等面積円径を算出するのは、コンピューターを用
いた画像処理システムを用いることによって容易に行う
ことができる。本発明における平均二次粒子径は、0.
05〜10μmの範囲のものが対象となる。0.1〜5
μmの範囲ではさらに本発明の効果が顕著となる。本発
明で用いる攪拌の形態は、特に限定されないが、例えば
以下のものを用いることができる。
【0012】攪拌軸の数は、酸処理を行なう槽に対して
1本でも2本でもそれ以上でも構わない。攪拌軸は地盤
面に対して垂直でも水平でも傾いていても構わなく、液
に対する攪拌軸の挿入は上部でも横でも下部でもそれぞ
れの中間的な角度でもよい。例えば、中心攪拌、攪拌軸
を槽底から挿入する中心攪拌、偏心攪拌、側面攪拌、等
が挙げられる。もちろん、これらの方法に限定されな
い。攪拌翼は、いかなるタイプのものも使用できる。例
えば、プロペラ翼、角度付平羽根、ピッチ付き平羽根、
平羽根ディスクタービン、平羽根(タービン)、パド
ル、湾曲羽根、ファウドラー型、ブルマージン型、等の
低粘度液用の攪拌翼の他、ヘリカル翼、アンカー翼、適
当な穴の開いたパドル翼、等の高粘度液用の攪拌翼が挙
げられる。また、上記の改良された攪拌翼も使用でき
る。
【0013】攪拌翼の羽根の枚数は特に限定されない
が、1、2、3、4、5、6、8枚等のものが使用でき
る。攪拌槽には混合状態の改善のために一般的に用いら
れている、邪魔板、バッフルプレート、ドラフトチュー
ブ、等がついていてもよいし、ついていなくてもよい。
本発明で好ましい攪拌力の範囲は、ゼオライト触媒を含
む処理液容積当り、0.0001〜3W/リットルであ
り、好ましくは0.0005〜2W/リットル、更に好
ましくは0.001〜1W/リットル、最も好ましくは
0.01〜1W/リットルである。
【0014】酸処理操作は、槽のなかに連続的に触媒と
酸性水溶液を供給し、連続的に槽より抜き出すような連
続方式でも、回分方式でもかまわない。酸処理を行う槽
は、その形態において、縦長でも横長でも構わないし、
円筒型、角型、内面がなめらかな曲面となるように加工
されたもの、等いかなるものでも用いることができる。
また、槽の内面が研磨され鏡面となっているものもよ
い。槽、攪拌翼、攪拌軸、邪魔板等の材質はいかなるも
のも用いることができる。たとえば、ガラス、ステンレ
ス等の金属、テフロンやガラス等でコーティングされた
金属、等を用いることができる。
【0015】本発明の酸処理で用いられる酸性の水溶液
としては、系が酸性になれば特に制限はない。具体的に
は数多くの酸が挙げられ、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、
リン酸、ヘテロポリ酸等の無機酸、硝酸アンモニウム、
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム等の無機アンモニウム塩、チタン酸等のチタン化合
物、硝酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物、硫酸ハ
フニウム等のハフニウム化合物、硝酸トリウム等のトリ
ウム化合物、塩化クロム(III)等のクロム化合物、モリ
ブデン酸等のモリブデン化合物、タングステン酸等のタ
ングステン化合物、塩化銅等の銅化合物、硝酸銀等の銀
化合物等の金属塩又はこれ等の2種以上の混合物、の各
水溶液が挙げられる。好ましくは、硝酸、硫酸、塩酸、
硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ムである。特に本発明の傾向が顕著にあらわれるのは硝
酸、硫酸、塩酸等の強酸を用いる場合である。
【0016】本発明における酸の量は、系が酸性になれ
ば特に制限はないが、通常、触媒1kg当たり0.1〜
100グラム当量の範囲あり、好ましいのは0.5〜5
0グラム当量の範囲であり、さらに好ましいのは1〜3
0グラム当量の範囲である。本発明で使用される酸は、
通常水溶液として使用される。酸の濃度は、通常、0.
1〜5規定の範囲であり、好ましくは0.5〜3規定の
範囲である。酸水溶液との接触の際の温度は、通常、0
〜150℃、好ましくは10〜120℃、さらに好まし
くは20〜100℃である。接触時間は通常0.1〜1
00時間が用いられる。好ましくは0.2〜50時間の
範囲で行われる。圧力は特に制限されないが、イオン交
換液が液相を保つ範囲であることが好ましく、通常0.
05〜2MPa、好ましくは0.1〜1MPa、さらに
好ましくは0.15〜0.3MPaである。酸処理の温
度、圧力、時間が高すぎたり長すぎたりすると、ゼオラ
イトの破砕を招くため、油水分離性や触媒活性を悪化さ
せる。
【0017】本発明では、また、必要に応じて酸処理を
繰り返し行ってもよい。本発明での酸処理は、触媒の再
生工程のどの部分で行ってもよいが、例えば、反応へ
の使用によって構造が変化したゼオライトを元の活性の
高い構造に戻すためのアルカリ処理によってイオン交換
されたゼオライトを元のH型等の活性なカチオン交換型
に戻して固体酸性を引き出すイオン交換工程として、あ
るいはゼオライト上に付着した有機物を分解、除去す
るための酸化工程としてあるいは他の酸化工程に引続い
て行なわれる。ゼオライト触媒をH型にするためのイオ
ン交換方法即ち酸処理としては、無機酸と接触させる方
法や、強酸のアンモニウム塩によりアンモニウム型とし
た後に高温処理によってアンモニアを触媒上から脱離さ
せる方法が挙げられる。
【0018】イオン交換を、強酸のアンモニウム塩で行
った場合、アンモニウムイオン交換型となったゼオライ
トを、気相加熱処理でアンモニアを脱離させることによ
って、プロトン交換型にする場合には、以下のような方
法・条件で行うことができる。加熱装置としては、一般
的な管状炉、マッフル炉等の任意の形式のものでよく、
ガス流通法により、固定床もしくは流動床形式でガスと
の接触が行えるものが好ましい。流通させるガスは、分
子状酸素を含有するものでも窒素等の不活性ガスでもよ
く、特に制限されない。分子状酸素を含有するガスの酸
素濃度は、通常0.01〜90モル%、好ましくは1〜
30モル%である。分子状酸素を含有するガスの分子状
酸素以外のガス成分は、通常、窒素、ヘリウム、アルゴ
ン、二酸化炭素等が用いられ、ガス中の水分は除かれて
いることが望ましい。また、ガス流通法の場合、ガス流
量はゼオライト触媒に対する重量時間空間速度(WHS
V)であらわして、通常、0.25〜50hr-1で行わ
れる。気相加熱処理の条件は、接触温度が、通常、20
0〜600℃、接触時間が、通常、1〜100時間、好
ましくは2〜20時間である。気相加熱処理は、定温処
理、温度可変処理のいずれでもよいが、温度可変処理が
好ましい。特に、低温処理と高温処理に分けて行う温度
可変処理が好ましい。
【0019】本発明酸処理を適用したゼオライト再生処
理は次の方法で行なうことができる。再生処理全体の工
程は、例えば、次のようなものが挙げられる。 反応に供したゼオライト触媒を水等による洗浄後、乾
燥する。これを焼成に供し、焼成したゼオライトの少な
くとも一部をアルカリ処理に付す。アルカリ処理された
ゼオライトを酸処理した後、水等で洗浄し、これをその
まま或いは乾燥後反応に再使用する。 反応に供したゼオライト触媒を水等による洗浄後、乾
燥する。これを酸化性の酸あるいは酸と酸化剤による酸
化処理(酸処理)をしたのち、水等で洗浄し、これをそ
のまま或いは乾燥後反応に供する。
【0020】本発明によって再生されたゼオライト触媒
を反応に供する方法は、特に制限されるものでなく、一
般の手法を用いて反応を行なうことができるが、その概
略を示せば次の通りである。本発明は、通常、ゼオライ
ト触媒、オレフィン、水の存在下に実施される。本発明
で用いる環状オレフィン種としては、好ましくは炭素数
5〜12の環状オレフィンであり、該オレフィンの例と
しては、シクロブテン、シクロペンテン、メチルシクロ
ペンテン類、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン
類、シクロオクテン、シクロドデセン等である。特に一
般的に水和反応速度が遅く、平衡アルコール濃度の低い
環状オレフィンの水和に有効である。原料組成として
は、オレフィン純度の高いものが好ましいが、不純物と
して炭化水素化合物、たとえばベンゼン、トルエン等の
芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン、メ
チルシクロペンタン等の環状脂肪族炭化水素、ペンタ
ン、ヘキサン等の鎖状飽和炭化水素類を含有してもよ
い。
【0021】反応器内のオレフィンに対する触媒の重量
比は、少ない場合には反応速度が遅く反応器が大きくな
り、また、多い場合には触媒コストが大きくなる。従っ
て、オレフィンに対する触媒の重量比は0.001〜2
00の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.05〜2
0である。また、原料オレフィンと水のモル比は広範囲
から選択可能であり、反応形式が連続式、あるいは回分
式のいずれで実施されるかによっても異なる。しかし、
原料オレフィンあるいは水が他の原料に比べて大過剰に
なる場合は、反応速度が低下して実際的ではない。従っ
て原料オレフィンに対する水のモル比は、0.1〜30
0の範囲が好ましく、さらに好ましくは1〜200であ
る。
【0022】本反応で対象となり得る水和反応条件とし
ては、触媒が水相またはオイル相または両者の混合相か
らなる液相に存在している範囲であればよく、反応温
度、反応圧力を特に限定する必要はない。しかし、一般
的にオレフィンの水和反応温度は、水和反応の平衡面お
よび副反応等の増大の意味から低温が有利であるが、反
応速度の面からは高温が有利なため、通常50〜300
℃、好ましくは70〜200℃、より好ましくは80〜
160℃である。反応圧力は特に制限はないが、オレフ
ィン及び水を液相に保ち得る圧力が好ましく、通常5M
Pa以下、好ましくは0.2〜2MPaである。さら
に、反応時間あるいは滞留時間は、通常1分〜10時
間、好ましくは5分〜5時間である。また、反応系は窒
素、ヘリウム、水素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性
ガス雰囲気下に保つことが好ましい。この場合、不活性
ガス中の酸素の含有量は少ない方が好ましく、酸素含有
量が通常100ppm以下、好ましくは20ppm以下
のものが使用される。
【0023】反応系に有機溶媒を共存させてもよい。有
機溶媒としては、例えばヘキサン、オクタン、デカン、
ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオ
クタン、デカリン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、テトラリン等の芳香族炭化水素類、
t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、ネオペ
ンチルアルコール、メチルシクロペンタノール、シクロ
ペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノー
ル等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、アニソール、ジシクロヘキシルエーテル等
のエーテル類、シクロペンタノン、メチルシクロペンタ
ノン、シクロヘキサノン等のケトン類、γ−ブチロラク
トン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、リン酸ア
ルキルエステル、特定の置換基を有する安息香酸のシク
ロヘキシルエステル、メチルシクロペンチルエステル等
のエステル類、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合
物、クロロベンゼン等の含ハロゲン化合物が挙げられ
る。
【0024】有機溶媒の使用量は溶媒の種類によっても
異なるが、原料のオレフィンに対して重量比で、通常
0.001〜200、好ましくは0.01〜20であ
る。これら有機溶媒類を添加することにより水和反応の
収率を高めることができる。また、反応系中に安息香
酸、トルイル酸、3−フェノキシ安息香酸等の安息香酸
誘導体や、サリチル酸、サリチル酸メチル等のサリチル
酸誘導体や、フェノール、クレゾール、キシレノール等
のフェノール類を共存させても構わない。本発明によれ
ば、水和反応により生成したアルコールを含有した有機
相は触媒を含有した水相と相分離により容易に分離回収
できる。水相は水和反応に再利用することができ。ま
た、有機相からは蒸留等の常法によりアルコールを分離
できる。本発明で対象となる再生工程とは、触媒活性を
回復させる方法で、酸性液処理操作が含まれるものであ
れば、いかなるものでもよい。例えば、高温気相酸化
法、液相で酸化剤や無機アルカリ水溶液を用いる方法、
気相加熱処理と無機アルカリ水溶液処理による方法等と
組合せて実施することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に述べる。 実施例1 (シクロヘキセンの連続流通水和反応)図−1に示すよ
うな反応器外に油水分離槽を有する連続流通反応装置を
用いてシクロヘキセンの水和反応を行った。すなわち、
内容積2000mlの攪拌装置付きステンレス製オート
クレーブ反応器に、水和触媒としてH型Ga−シリケー
ト(SiO2 /Ga2 3 モル比=50)100gと水
250gを仕込み、系内を窒素ガス置換した。回転数5
00rpmで攪拌しつつ反応器内温度を昇温して反応温
度を120℃とした後、供給管1よりシクロヘキセン
(試薬:アルドリッチ製)を120g/hの速度で供給
した。反応液は反応器内部に設置した内容積30mlの
液分離器内で油相と水触媒スラリー相に分離された後、
反応生成物抜出し管より油相のみが流出される。また、
供給管からは、水和反応で消費される水と反応生成物抜
出し管から油相への溶解成分として流出する水の合計量
の水を供給することにより、反応器内の水量を一定に保
った。原料シクロヘキセン供給開始5時間後における流
出オイル中のシクロヘキサノール濃度は10.1重量%
であった。また、200時間経過後の流出オイル中のシ
クロヘキサノール濃度は4.5重量%であった。
【0026】(気相加熱処理による触媒の有機物除去)
反応後の触媒を濾過、水洗、乾燥後、石英ガラス製反応
管に充填し、4モル%の酸素と残部窒素からなる乾燥混
合ガスを150Nl/minの流量で常圧で流しつつ、
500℃で5時間高温処理を行ない、冷却し、触媒を取
り出した。処理後の触媒は純白でCHN分析装置によっ
て分析しても炭素成分の残存は認められなかった。
【0027】(有機物除去と連続水和反応の繰り返し)
上記とまったく同じ水和反応条件、気相加熱処理条件で
連続水和反応と有機物除去を同一の触媒を使用してさら
に2回繰り返した。第2〜3回目有機物除去後の触媒は
すべて純白であり、CHN分析装置によって分析しても
炭素成分の残存は認められなかった。第3回目有機除去
後の触媒を用いた連続流通水和反応5時間目における流
出オイル中のシクロヘキサノール濃度は、8.5重量%
であった。
【0028】(気相加熱処理触媒のアルカリ水溶液処
理)気相加熱処理と連続流通水和反応の3回繰り返しに
よって、触媒活性が低下したため、活性回復のためにア
ルカリ水溶液処理を行った。第3回目の有機物除去の触
媒を触媒乾燥重量の10倍量の0.3N−水酸化ナトリ
ウム水溶液中で、1時間80℃に保ちながら攪拌した。
【0029】(酸処理)その後、触媒を濾過、水洗後、
触媒乾燥重量の10倍量の1N−硝酸水溶液中で1時間
70℃に保ちながら常圧で攪拌した。攪拌動力は0.0
26W/リットルであった。同じ条件で酸処理操作を繰
り返した。なお、酸処理に供したゼオライトの平均1次
粒子径は0.05μm、平均2次粒子径は0.40μm
であった。
【0030】(有機物除去、アルカリ水溶液処理、連続
水和反応の繰り返し)同じ水和反応条件、気相加熱条件
で連続流通水和反応と気相加熱処理を3回繰り返し、触
媒活性が低下した触媒を、上記の条件でアルカリ水溶液
処理と酸処理を行うことをさらに2回繰り返した。な
お、3回目の酸処理に供したゼオライトの平均1次粒子
径は0.05μm、平均2次径は0.39μmであっ
た。第3回目の酸処理後の触媒を用いた連続流通水和反
応5時間目における流出オイル中のシクロヘキサノール
濃度は、10.0重量%であった。また、反応開始20
0時間後においても、流出オイル中に水/触媒スラリー
の混入は見られなかった。
【0031】実施例2 酸処理の条件のうち攪拌動力を0.4W/リットルとし
た以外は実施例1と同様に行った。この時、3回目の酸
処理に供したゼオライトの平均1次粒子径は0.05μ
m、平均2次粒子径は0.37μmであった。第3回目
の酸処理後の触媒を用いた連続流通水和反応5時間目に
おける流出オイル中のシクロヘキサノール濃度は、9.
9重量%であった。また、反応開始200時間後におい
ても、流出オイル中に水/触媒スラリーの混入は見られ
なかった。
【0032】比較例1 酸処理の条件のうち攪拌しなかった以外は実施例1と同
様に行った。第3回目の酸処理後の触媒を用いた連続流
通水和反応5時間目における流出オイル中のシクロヘキ
サノール濃度は、7.1重量%であった。
【0033】比較例2 酸処理の条件のうち攪拌動力を0.000003W/リ
ットルとした以外は実施例1と同様に行った。この時、
3回目の酸処理に供にしたゼオライトの平均1次粒子径
は0.05μm、平均2次粒子径は0.40μmであっ
た。第3回目の酸処理後の触媒を用いた連続流通水和反
応5時間目における流出オイル中のシクロヘキサノール
濃度は、7.4重量%であった。また、反応開始200
時間後においても、流出オイル中に水/触媒スラリーの
混入は見られなかった。
【0034】比較例3 酸処理の条件のうち攪拌動力を5W/リットルとした以
外は実施例1と同様に行った。この時、3回目の酸処理
に供したゼオライトの平均1次粒子径は0.05μm、
平均2次粒子径は0.30μmであった。また、SEM
による観察の結果、1次粒子のままで存在するものや不
定形固体が存在していたことが分かった。第2回目の酸
処理後の触媒を用いた連続流通水和反応5時間目におけ
る流出オイル中のシクロヘキサノール濃度は、9.8重
量%であった。しかしながら、70時間後に流出オイル
中にエマルジョン状の水触媒スラリーが混入したため、
反応が継続できなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法、すなわち、ゼオライト触
媒を用いて液相でオレフィンを水和して、対応するアル
コールを得る方法において、そのゼオライト触媒の一次
粒子径が0.5μm以下、かつ二次粒子径の範囲が0.
05〜10μmであるものを用い、触媒再生工程の中
で、ゼオライト触媒を酸性の水溶液中に分散させ、スラ
リー状態で行う酸処理操作を、温度0〜150℃、圧力
0.05〜2MPa、処理時間0.1〜100hr、攪
拌動力0.0001〜1W/リットルの範囲とすること
により、触媒活性の低下を低く抑えることができ、反応
中に起きる油水分離性の伴う油相への水触媒スラリーの
混入を抑えることができ、工業的に極めて有利となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相で環状オレフィンを水和して、対応
    する環状アルコールを得るためのゼオライト触媒の再生
    方法において、 平均一次粒子径が0.5μm以下、かつ平均二次粒子径
    の範囲が0.05〜10μmであるゼオライトを、温度
    0〜150℃、圧力0.05〜2MPa、処理時間0.
    1〜100hr、攪拌動力0.001〜3W/リットル
    で酸性の水溶液中に分散せしめて処理する酸処理工程を
    有することを特徴とするゼオライト触媒の再生方法。
  2. 【請求項2】 酸性の水溶液が硝酸、塩酸、硫酸の単独
    又は混合された水溶液である請求項1記載のゼオライト
    触媒の再生方法。
  3. 【請求項3】 酸性の水溶液が硝酸アンモニウム、塩化
    アンモニウム、硫酸アンモニウムの単独又は混合された
    水溶液である請求項1記載のゼオライト触媒の再生方
    法。
  4. 【請求項4】 硝酸、硫酸または塩酸の使用量が触媒1
    kg当たり0.5〜30グラム当量である請求項2記載
    のゼオライト触媒の再生方法。
  5. 【請求項5】 硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムま
    たは塩化アンモニウムの使用量が触媒1kg当たり0.
    5〜30グラム当量である請求項3の方法。
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