JPH0920623A

JPH0920623A - 育毛剤

Info

Publication number: JPH0920623A
Application number: JP7173098A
Authority: JP
Inventors: Fumio Urushizaki; 文男漆崎; Kenichi Suzuki; 建一鈴木; Koji Imamura; 康二今村
Original assignee: Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1995-07-10
Filing date: 1995-07-10
Publication date: 1997-01-21

Abstract

(57)【要約】【目的】男性型脱毛に優れた効果を示し、副作用の少
ない育毛剤を提供する。【構成】コウボクの抽出物を有効成分とする育毛剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コウボクの抽出物を有
効成分とする育毛剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ヒトの頭髪の成長を促進または維
持させることに用いられる育毛剤に関しては、種々の技
術が提案され利用されてきた。これまで男性型脱毛に用
いる目的に開発されてきた薬物の代表として、抗男性ホ
ルモン剤をあげることができる。しかし、抗男性ホルモ
ン剤はステロイド骨格を有しているものが多く、他のホ
ルモン作用を有していたり、全身的副作用を発現するな
ど、一般的に安全性の面で問題があった。また、その他
の育毛剤に関しても、それらはいずれも育毛効果が十分
でなかったり、皮膚刺激や副作用が見られるなどの問題
点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有効
性と安全性の両方を満足させる育毛剤を提供することに
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記事情
を鑑み鋭意検討を重ねた結果、コウボクの抽出物に優れ
た育毛効果があることを見いだし、本発明を完成した。

【０００５】すなわち、本発明はコウボクの抽出物を有
効成分とする育毛剤である。

【０００６】コウボクは一般的にはモクレン科のホウノ
キ（ＭａｇｎｏｌｉａｏｂｏｖａｔａＴｈｕｎｂ）
の樹皮を指すことが多いが、本発明ではこの他に同属植
物であるカラホウ（Ｍ．ｏｆｆｉｃｉｎａｌｉｓＲ
ｅｈｄ．ｅｔＷｉｌｓ）またはヤハズホオノキ
（Ｍ．ｏｆｆｉｃｉｎａｌｉｓｖａｒ．ｂｉｌｏ
ｂａＲｅｈｄ．ｅｔＷｉｌｓ）の樹皮も使用する
ことができる。

【０００７】コウボクは主として健胃消化薬や鎮咳・去
痰の目的で漢方製剤に内服で使用される生薬である。ま
た、「第１２改正日本薬局方解説書（廣川書店）」に
は、コウボク抽出液の殺線虫作用、中枢抑制作用、カル
シウム流入阻害作用、抗胃潰瘍作用、抗菌作用などが記
載されている。しかしコウボク抽出液に育毛効果がある
ことはこれまで知られていなかった。

【０００８】本発明で使用するコウボクは樹皮を通常は
適当な大きさに切断し、乾燥させたものであり、その抽
出液は下記の方法にて得られる。

【０００９】コウボクを好ましくは乾燥、粉砕した後、
常温または加温下において水溶性溶剤中に浸漬する。十
分抽出された後、不溶物を濾過して抽出液を得る。また
必要に応じて、抽出溶媒を留去してその残分を使用する
こともできる。ここで、水溶性溶剤とはメタノール、エ
タノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセ
トンなどのケトン類、精製水、アルコール類と精製水の
混液などであり、好ましいものとしてアルコール類また
はアルコール類と精製水の混合液をあげることができ
る。また、抽出溶媒の量はコウボクの乾燥重量に対して
２〜５倍が好ましい。

【００１０】本発明の育毛剤を男性型脱毛の治療及び予
防のために使用するには、通常の外用製剤、例えば、ロ
ーション剤、トニック剤、クリーム剤、軟膏剤、エアゾ
ール剤などとして用いる。これらの外用製剤は通常用い
る基剤を使用して、常法に従って製造することができ
る。コウボク抽出物の配合量は、抽出溶媒を留去したエ
キスの量が好ましくは製剤全体の０．０１〜５重量％で
あり、さらに好ましくは０．１〜１重量％である。

【００１１】本発明の育毛剤はその使用目的により、血
管拡張剤（塩化カルプロニウム、ニコチン酸ベンジル、
センブリ抽出物、ミノキシジル、オタネニンジンエキ
ス、ビタミンＥアセテート、トウガラシチンキなど）、
副腎皮質ホルモン（酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピ
オン酸ヒドロコルチゾンなど）、抗男性ホルモン剤（シ
プロテロンアセテート、フィナステライド、オキセンド
ロン、スピロノラクトンなど）、抗ヒスタミン剤（塩酸
ジフェンヒドラミン、塩酸イソチペンジルなど）、抗炎
症剤（グリチルレチン酸、グアイアズレンなど）、角質
溶解剤（尿素、サリチル酸など）、殺菌剤（グルコン酸
クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、第
４級アンモニウム塩、ヒノキチオール、ピロクトンオラ
ミンなど）、保湿剤（ヒアルロン酸ナトリウム、グリセ
リン、コンドロイチン硫酸、冬虫夏草抽出物、サフラン
抽出物など）、油分（ミリスチン酸イソプロピル、レシ
チン、スクワランなど）、界面活性剤（ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル
など）、生薬抽出物（セイモッコウ抽出物、イチイ抽出
物、ガラナ抽出物など）、多価アルコール（プロピレン
グリコール、グリセリン、マクロゴールなど）、抗酸化
剤（ジブチルヒドロキシトルエン、イソプロピルガレー
トなど）、金属イオン封鎖剤（エチレンジアミンテトラ
アセテートまたはその塩など）、清涼化剤（メントー
ル、カンフルなど）、色素、香料などを本発明の効果を
損なわない限り配合することができる。

【００１２】本発明の育毛剤を男性型脱毛症の治療また
は予防に用いるためには、外用製剤として通常１日に１
回〜数回、適量を頭皮に塗布することにより使用する。

【００１３】

【発明の効果】後記試験例から明らかなように、本発明
により、育毛効果の優れた育毛剤を提供することが可能
となった。

【００１４】

【実施例】以下、実施例及び試験例に基づいて本発明を
さらに詳細に説明する。

【００１５】乳鉢で粉砕したホウノキの樹皮に溶媒を加
え、ときどき振り混ぜながら室温で７日間抽出し、得ら
れた液を濾紙で濾過して生薬抽出液を得た。

【００１６】使用したホウノキの樹皮の量、使用した溶
媒の種類及びその量を表１に示した。

【００１７】

【表１】

【００１８】実施例６実施例１で得た生薬抽出液を２０重量部、プロピレング
リコール５重量部、エタノール６０重量部、精製水１５
重量部を混合してローション剤を調製した。

【００１９】実施例７実施例１で得た生薬抽出液を５重量部、プロピレングリ
コール５重量部、エタノール７５重量部、精製水１５重
量部を混合してローション剤を調製した。

【００２０】実施例８実施例１で得た生薬抽出液を１重量部、プロピレングリ
コール５重量部、エタノール８９重量部、精製水５重量
部を混合してローション剤を調製した。

【００２１】実施例９実施例５で得た生薬抽出液を２０重量部、グリセリン５
重量部、エタノール７５重量部を混合してローション剤
を調製した。

【００２２】対照例１プロピレングリコール５重量部、エタノール８０重量
部、精製水１５重量部を混合してローション剤を調製し
た。

【００２３】対照例２グリセリン５重量部、エタノール８０重量部、精製水１
５重量部を混合してローション剤を調製した。

【００２４】試験例［育毛効果試験］Ｃ３Ｈ系マウス（雄性、７週齢）１０匹を１群とし、各
群の動物について、その背部の２ｃｍ×３ｃｍの範囲を
バリカンで除毛し、試験に供した。

【００２５】試料１〜８及び対照試料１の各々につい
て、それぞれ別個の群の供試動物を割り当て、その除毛
部に１日１回、０．２ｍｌ塗布した。供試動物の毛の色
は黒色で、除毛部の皮膚の色は灰色であり、その毛の成
長と共に灰色から黒色に色調が変化することから、毛の
色の黒さの程度を下記のように測定し、毛の成長を評価
した。すなわち、分光色差計（高速分光色差計ＣＭＳ−
１２００型、村上色彩技術研究所社製）を使用し、Ｌ^*
ａ^*ｂ^*表色系に基づく除毛直後の被験部のＬ^*値ａ^*値ｂ
^*値と試料塗布１０日後及び２０日後の被験部のΔＬ^*、
Δａ^*、Δｂ^*を算出し、以下の式から色差ΔＥ^*ａｂを
求め、その１群の平均値で毛の色の黒さを示した。

【００２６】

【数１】ΔＥ^*ａｂ＝｛（ΔＬ^*）²＋（Δａ^*）²＋（Δ
ｂ^*）²｝^1/2 また、試料塗布１０日後及び２０日後の被験部の毛の成
長の程度を肉眼により後記の６段階で評価した。その結
果を表２に示す。

【００２７】※肉眼評価における判断基準０：育毛が全く認められない１：育毛している２：硬毛が生えそろっている３：硬毛が正常の約５０％生えている４：硬毛が正常の約７５％生えている５：硬毛が正常の約１００％生えている

【００２８】

【表２】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】コウボクの抽出物を有効成分とする育毛
剤。