JPH0920604A - 排水口用除菌剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩素系のガスを発生することなく、又菌の増
殖を招くことなくストレ−ナ−内部のヌメリ防止とガス
効果による排水口の除菌を達成する流し台排水口用除菌
剤を提供することを目的とするものである。 【構成】 オルトフェニルフェノ−ル、ジフェニル、２
−イソプロピル−５−メチルフェノ−ル、ヒノキチオ−
ルの内、これらの一種または二種と安息香酸または安息
香酸と安息香酸ナトリウムなどの非塩素系水溶性除菌剤
を配合した流し台排水口用除菌剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、流し台排水口に設
置してストレ−ナ−に生ずるヌメリの発生防止と除菌を
目的として使用する排水口用除菌剤に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の流し台排水口用除菌剤としてはト
リクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナト
リウム、１−ブロモ−３−クロロ−５、５−ジメチルヒ
ダントイン等の塩素含有成分が配合されたものが使用さ
れている。

【０００３】これらの除菌剤は排水口に水を流すたびに
その成分が徐々に溶け出して配水管のヌメリ、汚れを取
り除きストレ−ナ−内に載置または吊り下げられた除菌
剤から発生するガスの殺菌効果によりストレ−ナ−、配
水管内の黒ズミ、ヌメリを取り除く効果がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来汎用されている上
記の成分を用いた排水口除菌剤は塩素臭が強く密閉室内
で使用した場合、塩素ガスにより気分をわるくする欠点
があった。また、上記成分を除いて殺菌剤を次亜塩素系
洗浄剤や酸性タイプの洗浄剤と併用すると多量の塩素ガ
スが発生するという欠点があった。

【０００５】このため、非塩素系製剤として過炭酸ナト
リウムを主成分とするものもあるが、これは排水管の洗
浄には適しているももの殺菌性がなく、逆に発生する酸
素ガスにより菌の増殖が見られ、黒ズミ、ヌメリの増殖
が指摘されており、現在においては非塩素系で、しかも
ストレ−ナ−内部の除菌を目的とするガス効果による排
水口用除菌剤が望まれている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、ガス効果によ
り除菌性のあるオルトフェニルフェノ−ル、ジフェニ
ル、２−イソプロピル−５−メチルフェノ−ル、ヒノキ
チオ−ルの内、これらの一種または二種に、水溶性除菌
剤として安息香酸を配合したもの又は安息香酸と安息香
酸ナトリウムなどを配合することにより、上記の目的を
達成した。

【０００７】尚、本発明に用いられる水溶性除菌剤は安
息香酸と安息香酸ナトリウム以外のものではデヒドロ酢
酸ナトリウム、オルトフェニ−ルフェノ−ルナトリウム
なども使用することができる。水溶性除菌剤に安息香酸
または安息香酸と安息香酸ナトリウムは、何れも非塩素
系除菌剤であることから塩素ガスを発生することがな
く、発生するガス効果によるストレ−ナ−のヌメリ防止
と排水口の除菌洗浄の両方を満たすことができるもので
ある。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する
と、オルトフェニルフェノ−ル１０と安息香酸９０を配
合したものを加圧成形して重量１０ｇ、形状は直径３０
ｍｍの円板状の錠剤とすることが好ましく、これを合成
樹脂製の穴あき容器に入れてストレ−ナ−の内部に吊り
下げ、排流水と接触させて非塩素系ガスを発生させなが
らヌメリを溶解する様にして使用する。

【０００９】本発明に使用するオルトフェニルフェノ−
ル、ジフェニル、２−イソプロピル−５−メチルフェノ
−ル、ヒノキチオ−ルの配合量は特に限定されないが、
その効果の期待度及び製剤の使用形態にもよるが一般に
は０．１〜９０重量％程度であり、実用性からいえば
０．５〜３０重量％が適当であるが、水溶性除菌剤は効
果発現濃度と製剤の溶解性を考慮して配合される。

【００１０】例えば水溶性の小さい安息香酸と水溶解性
の大きい安息香酸ナトリウムを併用することにより製剤
の溶解性を調整することができるものであり、特に本発
明の場合、効果発現上、約１ケ月程度の間、持続して溶
解することが望ましく、また製剤化のために必要に応じ
て、賦形剤、結合剤、滑択剤などを添加することができ
る。

【００１１】

【実施例】以下に配合量（重量％）を示した各実施例１
乃至実施例１６を示し、これらについて溶解性試験を実
施して溶解持続日数を確認した。各実施例は錠剤重量１
０ｇで形状は直径３０ｍｍの円板状としたものである。

【００１２】［溶解性試験］ 溶解性試験は一日当たり
２０〜２５度摂氏の水を４８０リットル（５リットル×
４回／ｈ）流し、目視で錠剤がなくなる溶解持続日数を
もって試験結果とした。結果は以下の通りである。

【００１３】 実施例１ 実施例２ 実施例３ 実施例４ オルトフェニルフェノ−ル １０ ５ ５ ５ ヒノキチオ−ル − ５ − − ジフェニル − − ５ − ２−イソプロピル−５ − − − ５ −メチルフェノ−ル 安息香酸 ９０ ９０ ９０ ９０ 溶解持続日数 ３７ ４０ ４０ ３８ 実施例５ 実施例６ 実施例７ 実施例８ オルトフェニルフェノ−ル − − − − ヒノキチオ−ル １０ − − ５ ジフェニル − １０ − ５ ２−イソプロピル−５ − − １０ − −メチルフェノ−ル 安息香酸 ９０ ９０ ９０ ９０ 溶解持続日数 ３５ ４０ ３８ ３７ 実施例９ 実施例１０ 実施例１１ 実施例１２ オルトフェニルフェノ−ル １０ ５ ５ ５ ヒノキチオ−ル − ５ − − ジフェニル − − ５ − ２−イソプロピル−５ − − − ５ −メチルフェノ−ル 安息香酸 ８５ ８５ ８５ ８５ 安息香酸ナトリユム ５ ５ ５ ５ 溶解持続日数 ３１ ３５ ３３ ３３ 実施例１３ 実施例１４ 実施例１５ 実施例１６ オルトフェニルフェノ−ル − − − − ヒノキチオ−ル １０ − − ５ ジフェニル − １０ − ５ ２−イソプロピル−５ − − １０ − −メチルフェノ−ル 安息香酸 ８５ ８５ ８５ ８５ 安息香酸ナトリユム ５ ５ ５ ５ 溶解持続日数 ３３ ３１ ２９ ３５

【００１４】

【比較例】

（比較例１）安息香酸９５と安息香酸ナトリウム５（重
量％）配合し重量は１０ｇ、形状は直径３０ｍｍ円板状
としたものである。 （比較例２） トリクロロイソシアヌル酸製剤、重量は
１０ｇ、形状は直径３０ｍｍの円板状としたものであ
る。 （比較例３） 過炭酸ナトリウム製剤（市販品）重量は
３０ｇ、形状は直径３０ｍｍの円板状としたものであ
る。 （比較例４） 無処理区（除菌剤を使用しない区）

【００１５】

【試験例１】 （非接触試験による効力検定方法）１０００ｍｌのビ−
カ−にイオン交換水１００ｍｌを入れビ−カ−内部に試
料を吊り下げ、伸長６ｍｍの青かび病菌を植えつけたシ
ャレ−の裏面側に割り箸をテ−プで固定し、このシャレ
−の菌を植えつけた面を下向きにしてビ−カ−上部にシ
ャレ−を静置し、これを摂氏２５度、湿度７５〜９５％
で６日間培養後、菌そう直径を測定し、それぞれの試料
における抑制率を数１の式により計算した。

【００１６】

【数１】 抑制率＝〔１−（処理区の伸長／無処理の伸
長）〕×１００ ただし、処理区の伸長＝菌そう直径−６ 無処理の伸長とはビ−カ−に除菌剤を入れないものをい
う。

【００１７】 （試験結果） 菌そう直径（ｍｍ） 伸長（ｍｍ） 抑制率（％） 実施例 １ １０．１ ４．１ ９０．９ 実施例 ２ １０．０ ４．０ ９１．１ 実施例 ３ ８．０ ２．０ ９５．６ 実施例 ４ ８．１ ２．１ ９５．３ 実施例 ５ １０．５ ４．５ ９０．０ 実施例 ６ ９．５ ３．５ ９２．２ 実施例 ７ ９．４ ３．４ ９２．４ 実施例 ８ ８．６ ２．６ ９４．２ 実施例 ９ ７．５ １．５ ９６．７ 実施例１０ ６．５ ０．５ ９８．９ 実施例１１ ８．０ ２．０ ９５．６ 実施例１２ ８．６ ２．６ ９４．２ 実施例１３ ６．９ ０．９ ９８．０ 実施例１４ ６．９ ０．９ ９８．０ 実施例１５ ７．０ １．０ ９７．８ 実施例１６ ６．９ ０．９ ９８．０ 比較例 １ ６１．３ ５５．３ ０ 比較例 ２ ６．０ ０ １００ 比較例 ３ ５２．３ ４６．３ ０ 無処理区 ５１．０ ４５．０ −

【００１８】上記の結果、オルトフェニルフェノ−ル、
ヒノキチオ−ル、ジフェニル、２−イソプロピル−５−
メチルフェノ−ルの内、これらの１種または２種と水溶
性除菌剤を配合することにより非塩素系のガス効果によ
りストレ−ナ−のヌメリ防止と排水管の除菌の両方を満
たし、実施例１乃至１６は約９０％以上の抑制率を有す
ることが判明した。

【００１９】

【試験例２】 （一般家庭における使用試験方法） 一般家庭の排水口ストレ−ナ−に重量１０ｇ、直径３０
ｍｍの円板状の除菌剤を合成樹脂製の穴あき容器（直径
３５ｍｍ、厚さ１８ｍｍ）に入れて紐でストレ−ナ−の
把手にル−プ掛けして、穴あき容器がストレ−ナ−の垂
直壁内面に位置する紐の長さとして吊り下げ、ストレ−
ナ−内のヌメリの発生状況及び錠剤の効力持続日数につ
き調査を行った結果は下記の通りである。

【００２０】 家族の人数 ヌメリ発生状況 錠剤の持続日数 実施例 １ ５ な し ２８ 実施例 ２ ３ な し ３５ 実施例 ３ ３ な し ２９ 実施例 ４ ３ な し ３０ 実施例 ５ ３ な し ３５ 実施例 ６ ４ な し ３０ 実施例 ７ ４ な し ３７ 実施例 ８ ６ な し ３２ 実施例 ９ ３ な し ３０ 実施例１０ ３ な し ２６ 実施例１１ ４ な し ３０ 実施例１２ ３ な し ２９ 実施例１３ ４ な し ２８ 実施例１４ ４ な し ２８ 実施例１５ ３ な し ２７ 実施例１６ ２ な し ２８ 比較例 １ ５ 少し有り ２９ 比較例 ２ ５ な し ４０ 比較例 ３ ４ 少し有り ２１ 無処理区 ３ 少し有り −

【００２１】上記の各試験例１、２の結果から明らかな
様に、オルトフェニルフェノ−ル、ヒノキチオ−ル、ジ
フェニル、２−イソプロピル−５−メチルフェノ−ルの
内、これらの１種または２種と非塩素系除菌剤を配合す
ることにより非塩素系のガス効果によりストレ−ナ−の
ヌメリ抑制と長い溶解持続性が得られた。

【００２２】

【発明の効果】本発明の除菌錠剤は湿潤状態において約
１か月程度の安定した溶解性を保持し、水溶性の小さい
安息香酸に水溶性の大きい安息香酸ナトリユムを配合す
ることにより製剤の溶解性を調整することができ、また
ガス効果により除菌性のあるオルトフェニルフェノ−
ル、ジフェニル、２−イソプロピル−５−メチルフェノ
−ル、ヒノキチオ−ルの内、これらの一種または二種に
水溶性除菌剤として安息香酸を配合したもの又は安息香
酸と安息香酸ナトリウムなどを配合することにより、非
塩素系ガス効果によるストレ−ナ−のヌメリ防止と排水
口の除菌の両方が満たすことができた。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オルトフェニルフェノ−ル、ヒノキチオ
   −ル、ジフェニル、２−イソプロピル−５−メチルフェ
   ノ−ルの内、これらの１種または２種と水溶性除菌剤を
   配合することを特徴とする排水口用除菌剤。
2. 【請求項２】 水溶性除菌剤として安息香酸を用いた請
   求項１記載の排水口用除菌剤。
3. 【請求項３】 水溶性除菌剤として安息香酸と安息香酸
   ナトリウムを併用した請求項１記載の排水口用除菌剤。