JPH09205961A - アリ駆除方法及びアリ駆除用器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アリ駆除用薬液が充填された収納体内に確実
にアリを誘導かつ収納体外へ脱出させることができるア
リ駆除方法及びアリ駆除用器具を提供すること。 【解決手段】 一方が円筒形かつ他方が方形の側面部４
を備え、有底部５の対面にアリ駆除用薬液を注入するた
めの注入口６が形成された中空の収納体（壜）２を、ア
リが好む成分を含有した駆除用薬液を所定量充填した状
態で側面部４の方形を底にして設置して成るアリ駆除用
器具１であって、収納体（壜）２の注入口６に挿入さ
れ、挿入部３ｃが収納体（壜）２の内部に延在して前記
薬液に接触し、首部３ｂが折曲され、突出部３ａが収納
体（壜）２の外部に延在して収納体２（壜）が設置され
る設置面に接触する片３を具備したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、アリが生息してい
る巣を駆除するためのアリ駆除方法及びアリ駆除用器具
に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、アリは地中に巣を作って
集団生活を営んでいる。この巣を撲滅するための手段と
しては、従来より、地表に現れたアリの体に薬剤を付着
させるか、又は薬剤を口から体内に取り込ませて保持さ
せて巣内に運ばせ、巣内で薬剤の効力を発揮するように
している。アリと薬剤とを接触させるには、薬液を充填
した壜の蓋を開放して地上に横たえ、壜の内部にアリが
入りやすいようにを誘導している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アリが
壜の口から壜内に入り薬液に接した後に、アリが脱出し
ようとしても内部に滑り落ちて溺れるようになるため、
アリが脱出することは困難となる。従って、アリは薬剤
を巣に持ち帰ることができなくなり、よって、アリの巣
を効果的に駆除することはできなかった。

【０００４】本発明は、上記の実情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、アリ駆除用薬液が充填
された壜などの収納体内に確実にアリを誘導かつ収納体
外へ脱出させることができるアリ駆除方法及びアリ駆除
用器具を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のアリ駆除方法は、有底の対面にアリ駆除用
薬液を注入するための注入口が形成された収納体を、ア
リが好む成分を含有した駆除用薬液を所定量充填した状
態で設置し、一方を前記収納体の内部に延在して前記薬
液に接触させ、他方を前記収納体の注入口に接触させる
片を備えるものである。

【０００６】さらに、前記片の他方を前記収納体の外部
に延在させて前記収納体が設置される設置面に接触させ
るものである。

【０００７】また、本発明のアリ駆除用器具は、一方が
円筒形かつ他方が方形の側面を備え、有底の対面にアリ
駆除用薬液を注入するための注入口が形成された中空の
収納体を、アリが好む成分を含有した駆除用薬液を所定
量充填した状態で前記側面の方形を底にして設置して成
るアリ駆除用器具であって、前記収納体の注入口に挿入
され、一方が前記収納体の内部に延在して前記薬液に接
触し、中央付近が折曲され、他方が前記収納体の外部に
延在して前記収納体が設置される設置面に接触する片を
具備したものである。

【０００８】さらに、前記片は、その中央付近が、前記
収納体の注入口の径より小なる幅を有する首部を有し、
前記収納体の内部に延在する前記片の一方の幅方向の中
心に、前記注入口位置に達するスリット部が形成された
ものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
１ないし図４を参照して詳細に説明する。図１はアリ駆
除用器具の斜視図である。図２は片の平面図、図３は収
納体の１例である壜の分解斜視図、図４はアリ駆除用器
具を用いた実験装置の斜視図である。図１において、ア
リ駆除用器具１は薬液を収納する壜２と、壜２内に挿入
される片３とより構成されている。

【００１０】図３に示すように、壜２は一方の側面が円
筒形で他方が方形の側面部４をなした中空状で、有底部
５の対面には円筒状に形成された注入口６が設けてあっ
て、この注入口６の中心は側面部４の円筒形の中心と同
一中心に構成され、注入口６の外周と側面部４の外周
（円筒形状の）とは同心円に形成されている。この円筒
形の側面部４には方形状の側面部が一体的に形成されて
おり、この方形状の側面部側は前記注入口６の中心より
離れて設けられている。これは壜２を横にした時に壜内
の薬液を一方側に溜めるための貯蔵を行なえるように設
けたもので偏心形状をなしている。

【００１１】前記注入口６は円筒形の口で、円形状の側
面部４に続く肩部４ａは略々鋭角的に形成され、方形状
の側面部４に続く肩部４ｂは軟勾配の傾斜面で形成され
ている。そして、この壜２の肉厚は略々均質であること
から内周面も上記と同一の形態をなし、方形状の側面部
４の内側は軟勾配にて形成されている。前記注入口６の
外周には螺旋状のネジ部６ａが設けてあって、このネジ
部６ａには別に設けられたキャップ７が螺着されるよう
になっている。

【００１２】上述した壜２はガラスもしくは合成樹脂、
特殊紙などの成型品であるが、後述する薬液によって破
損、変質、変形および包材の内容物により汚染されない
素材が望ましい。

【００１３】一方、片３は図２に示すように、上部に一
角形状の突出部３ａを有し、前記壜２の注入口６の内径
より僅かに小さな幅を有し、注入口６の長さに略々等し
い長さを有する首部３ｂと、壜２内に挿入される拡幅さ
れた挿入部３ｃからなる平板部材で形成されている。挿
入部３ｃの幅方向は注入口６の内径より僅かに大きく、
かつ壜の内径より僅かに小さい。また、この幅方向の中
心にはスリット部８が設けてある。拡幅された挿入部３
ｃは挿入された片３が注入口から抜けないようにし、ま
たスリット部８は挿入部３ｃを前記壜２内に挿入する
際、その挿入を容易にするためと、壜２内に挿入したと
き少くとも上面側に僅かな凹面を形成させるためのもの
で、この上面も歩行するアリの進行を容易にすべく構成
されている。

【００１４】また、前記突出部３ａと首部３ｂとの境に
は圧接によるケイ線９が設けてある。このケイ線９は突
出部３ａが壜２の注入口６より突出したときに折曲し易
いように設けたものである。

【００１５】上述した片３を壜２内に挿入し、図１に示
したように、壜２の方形状の側面部４を底側として置く
と、片３の突出部３ａの下端面は側面部４と略々同一面
となり、突出部３ａの下端面は側面部４との設置面であ
る地上に接触する。この時、挿入部３ｃは壜２の下側に
下がり、内側に収納された薬液に接触する。したがって
突出部３ａを介して壜２内に入ったアリは、少なくとも
手足等の体の一部に薬液を付着した状態で、または体内
に蓄えた状態で再び注入口６内の首部３ｂを介して外部
に出ることになる。

【００１６】なお、壜２の側面部４に地上に設置するた
めの方形状の側面部を形成しない場合は、円筒形の一部
を埋設することにより壜２を地面に設置することができ
る。

【００１７】このアリ駆除用器具１内に収納される薬液
は、ピレスロイド系薬剤、カーバメイト系薬剤、有機リ
ン系薬剤、昆虫幼若ホルモン系薬剤等、公知の薬剤を有
効成分として用いることができる。ピレスロイド系薬剤
としては、アレスリン、ベーパスリン、フェノトリン、
ペルメトリン、プラレトリン等が、またカーバメイト系
薬剤としては、ベンフラカルブ、アラニカルブ、カルボ
スルファン、カルバリル、プロポクサー、フェノブカル
ブ、フェノキシカルブ等が、また有機リン系薬剤として
は、フェニトロチオン、ダイアジノン、アセフェート、
ピリミホスメチル、クロルピリホス、ピリダフェンチオ
ン、フェンチオン、ジメチルビンホス、テトラクロルビ
ンホス等が、また昆虫幼若ホルモン系薬剤等としては、
メトプレン、ハイドロプレン、ジクルベンズロン、ピリ
プロキシフェン等が挙げられる。これらは有効成分とし
て、０．０１〜２．０重量％程度配合することができ
る。この他に、イミダクロプリド、カルタップ、アバメ
クチン、シラフルオフェン、エトフェンプロックス、ヒ
ドラメチルノン、ホウ酸、ホウ砂等を用いることができ
る。

【００１８】これらの薬剤の中で、製剤に際して難溶性
の化合物はアセトン等に溶解させ、適宜、水、溶剤等で
希釈して調整すれば良く、ツウィーン系等の界面活性剤
を用いても良い。さらに、マイクロカプセル剤、乳剤、
フロアブル剤等として調整することもできる。さらに必
要に応じて、誘引剤、香料、色素等を本発明の効果が損
なわれない程度に添加することができる。

【００１９】上記薬液を用い上述したアリ駆除用器具１
による実験装置１０を図４に示す。該実験装置１０は無
蓋のガラス製容器１１内に土もしくは砂１２を底部に敷
設したもので、中央の２点鎖線上に仕切板を立て、一方
にアリ駆除用器具１を置き、他方にアリを放出して仕切
板を外して単位時間内の器具内への入り数をチェックし
た。

【００２０】表１は上記チェック結果を示している。表
１に於けるＡは片を用いたアリ駆除用器具の場合であ
り、Ｂは片を外して壜２を置いたものである。なお、ア
リはトビイロケアリを用いたものである。

【００２１】

【表１】

【００２２】なお、以上説明した実施の形態は、使用時
に、片を収納体内に挿入する形態について説明した。し
かし、片が予め収納体内に挿入され、注入口のキャップ
を外したときに、収納体内部から片が突出するような形
態でも良い。すなわち、図５に示されるように、片３の
挿入部３ｃに新たに屈曲片３ｄを形成し、屈曲片３ｄを
屈曲した状態で収納体内に収容する。そして、収納体の
注入口からキャップを外したときに、屈曲していた屈曲
片３ｄが復元する弾性力を利用して、収納体内に収容さ
れたいた片３が注入口に接触する。また、首部３ｂに突
出部３ａを設け、突出部３ａを地上に接触するようにし
ても良い。さらに、必要に応じて先の図２に示したスリ
ット８を形成するようにして良い。

【００２３】本発明の実施の形態で例示した片は、いず
れも、平板状部材を適宜屈曲して好ましい形状にしてい
たが、アリがほふく可能な形態であれば、元々凹凸形、
波形等の形状をした部材を適用することができる。また
材質も薬液に浮くもので構造的に沈まないものなどが好
ましい。

【００２４】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、アリの好む薬液を入れた収納体の口にアリの登
降を容易にする片を設けて、アリを確実に収納体内部へ
誘導することができるとともに、薬液を付着、取り込ん
だ状態のアリを確実に収納体外部へ脱出させることがで
きる。収納体から脱出したアリは巣へ戻ることができる
から、これにより、巣を確実に駆除することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示すアリ駆除用器具の外
観斜視図である。

【図２】図１のアリ駆除用器具に用いられる片の平面図
である。

【図３】図１のアリ駆除用器具に用いられる壜の分解斜
視図である。

【図４】図１のアリ駆除用器具を設置した実験装置の斜
視図である。

【図５】片の他の形状を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ アリ駆除用器具 ２ 壜 ３ 片 ４ 側面部 ６ 注入口 ８ スリット部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底の対面にアリ駆除用薬液を注入する
   ための注入口が形成された収納体を、アリが好む成分を
   含有した駆除用薬液を所定量充填した状態で設置し、一
   方を前記収納体の内部に延在して前記薬液に接触させ、
   他方を前記収納体の注入口に接触させる片を備えるよう
   にしたことを特徴とするアリ駆除方法。
2. 【請求項２】 前記片の他方を前記収納体の外部に延在
   させて前記収納体が設置される設置面に接触させること
   を特徴とする請求項１に記載のアリ駆除方法。
3. 【請求項３】 一方が円筒形かつ他方が方形の側面を備
   え、有底の対面にアリ駆除用薬液を注入するための注入
   口が形成された中空の収納体を、アリが好む成分を含有
   した駆除用薬液を所定量充填した状態で前記側面の方形
   を底にして設置して成るアリ駆除用器具であって、 前記収納体の注入口に挿入され、一方が前記収納体の内
   部に延在して前記薬液に接触し、中央付近が折曲され、
   他方が前記収納体の外部に延在して前記収納体が設置さ
   れる設置面に接触する片を具備したことを特徴とするア
   リ駆除用器具。
4. 【請求項４】 前記片は、その中央付近が、前記収納体
   の注入口の径より小なる幅を有する首部を有し、前記収
   納体の内部に延在する前記片の一方の幅方向の中心に、
   前記注入口位置に達するスリット部が形成されているこ
   とを特徴とする請求項３記載のアリ駆除用器具。