JPH09203735A - 非特異反応の抑制方法 - Google Patents

非特異反応の抑制方法

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JPH09203735A
JPH09203735A JP3140696A JP3140696A JPH09203735A JP H09203735 A JPH09203735 A JP H09203735A JP 3140696 A JP3140696 A JP 3140696A JP 3140696 A JP3140696 A JP 3140696A JP H09203735 A JPH09203735 A JP H09203735A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、免疫学的な反応を利用した分析にお
ける非特異反応抑制技術を提供する。特に糞便潜血の検
出のようにろ過操作が要求される分析技術において、こ
のろ過操作によって生じる非特異反応の抑制技術を提供
することが本発明の課題である。 【解決手段】本発明の課題は、キレート剤、あるいは金
属キレートのような金属イオンのマスキング剤の存在下
で免疫反応を行わせることによって達成される。 【効果】本発明によれば、従来の知見では説明すること
のできないろ過操作に起因する非特異反応を効果的に防
ぐことができる。特に非特異反応によって分析精度が影
響を受けやすい光学的な測定を利用した免疫学的ラテッ
クス凝集反応において、本発明は分析精度を大きく改善
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非特異反応の抑制方法
に関するものである。具体的には、たとえば糞便懸濁液
のようなろ過後の試料について免疫学的な分析を行うと
きに観察される、ろ過材に起因する非特異反応の抑制技
術に関するものである。糞便に含まれるヘモグロビンの
ような蛋白質の検出は、多くの疾患の診断に有用であ
る。特に糞便中のヘモグロビン(便潜血)の検出は、大
腸癌をはじめとする消化器系の疾患の診断における重要
な情報である。近年は、古くから便中のヘモグロビンに
利用されていた化学的な発色反応に基づく試験紙法に代
わり、ヘモグロビンに対する抗体を利用した免疫学的手
法による検出方法が普及し、手軽な検査方法として定着
している。糞便の他には、血清(あるいは血漿)が生体
試料分析におけるもっとも一般的な試料として古くから
利用されているものである。分析試料としての血清(あ
るいは血漿)を得る手法の一つとして、ろ過材を使って
血液細胞を分離する技術が知られている。
【0002】
【従来技術の問題点】糞便の分析には、糞便の懸濁とろ
過を行うのが一般的である。糞便中の固形分が分析を妨
害する可能性や、あるいはできるだけ臭気を低減すると
いう作業上の理由によりろ過作業が行われている。糞便
の採取、輸送、そしてろ過を簡単に行うために例えば実
公平5−17652号公報等に記載された輸送容器が提
案されている。この種の容器を利用することにより、糞
便の定量的な採取が可能となり、また簡単に糞便懸濁液
をろ過することができる。
【0003】糞便懸濁液の他に、血液をろ過する技術が
知られている。血液中に占める血液細胞の体積比率は大
きく変動するため、全血のままで分析を行ったのでは得
られる測定値(濃度)を正確に比較することができない
ことから一般には血清や血漿が分析用試料として用いら
れる。また赤血球を含む血液細胞は、自身が着色してお
り様々な分析技術において反応の観察を妨げるため、分
析試料としては血液細胞を含まない血清(あるいは血
漿)を利用することが多い。
【0004】血清等の分離は遠心分離操作によるのが一
般的である。しかしろ過操作による血清等の分離は多量
の試料の処理には不向きな反面、特別な機材の無い環境
でも簡単に行うことができるため操作が簡便な分析器具
の提供には有用な技術である。たとえば最近になって商
業化が進んだイムノクロマトグラフ法による分析器具と
組み合わせた場合には、血液を滴下するだけで血清の分
離と分析を行うことができる。
【0005】糞便懸濁液にしろ、血液にしろ、ろ過材に
は多くの素材が提案されている。具体的には、ペーパー
フィルタ、ガラス繊維ろ紙、あるいはプラスチックフィ
ルタ等の素材が報告されている。これらの素材を更に詳
細に例示すれば、次のような材料が利用されていること
がわかる。
【0006】[1]ペーパーフィルタ ペーパーフィルタは、セルロース繊維で構成されたフィ
ルタである。フィルタとしてはもっとも一般的な素材だ
が、ろ過サイズは比較的大きなものに限られるし、また
厳密にコントロールしにくいという特徴を持つ。セルロ
ース繊維は、様々な化合物を吸着しやすいため分析試料
のろ過に用いるには吸着による測定の妨害に注意が必要
である。
【0007】[2]ガラス繊維ろ紙 ガラス繊維ろ紙(グラスフィルタとも呼ばれる)には、
ガラス繊維のみで構成されるフィルタの他、強度を持た
せるためにアクリル樹脂等で処理されたものがワットマ
ン社、アドバンテック東洋社等から市販されている。ガ
ラス繊維ろ紙は、一般的には幅広い薬品や生化学的な液
体に対して不活性とされている。またガラス繊維のみで
構成されているものは、オートクレーブや、あるいは更
に高温の条件にも耐えうる。ただしガラス繊維の素材の
一つであるホウケイ酸ガラス繊維は、条件によってはア
ルカリ物質の溶出の起きることも知られている(ADV
ANTEC濾紙・科学機器総合カタログ'93-'94、P3
7)。
【0008】[3]プラスチックフィルタ プラスチックフィルタには、ナイロン、ポリアミド、ポ
リプロピレン、ポリスルフォン、ポリエステル、セルロ
ースエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン,ニト
ロセルロース等の多くの素材がろ過材に利用されてい
る。これらの素材は、繊維状、膜状、あるいは多孔質素
材で、用途に合わせて様々な形状に加工されている。
【0009】[4]その他の素材 ガラス繊維やプラスチック製のろ過材の他にも、ステン
レススチールやシリカ繊維で構成されたろ過材も市販さ
れている。
【0010】これらのろ過材は、一般的なろ過素材を単
に各種分析試料のろ過に応用したものにすぎない。ろ過
素材の多くはもともと化学的な操作に用いることを目的
に販売されているので、ろ過によって反応妨害成分や危
険な成分が溶出しないように品質管理されているはずで
ある。したがって多くのケースでは市販の一般用ろ過素
材を分析に利用したからといって、問題を生じる可能性
は低いはずである。しかし、ろ過操作と分析結果の関係
を調べてみると、ろ過操作そのものが分析結果を左右し
ているケースも少なからず存在する。たとえば分析試料
である尿のろ過によって、分析対象である蛋白質がろ過
材に吸着されてしまう現象が知られている。吸着の問題
は、あらかじめ不活性蛋白でろ過材を処理しておくこと
によって解決された。
【0011】このような背景の基で、本発明者等は糞便
懸濁液についてもろ過操作が分析結果に与える影響につ
いて検討した。その結果、免疫学的分析方法においてあ
る種の素材を利用してろ過を行ったときに非特異的な反
応が観察されることを発見した。つまり、検出対象成分
が存在しないために本来は起きないはずの反応が、見か
け上はあたかも検出対象成分が存在するかのように進行
してしまうのである。たとえばラテックス凝集反応であ
れば、検出対象成分が存在しないのにもかかわらず、凝
集反応が起きてしまうのである。ろ過操作が原因となる
非特異反応は、単なる緩衝液をろ過したものにおいてさ
え観察された。また従来技術において非特異反応の原因
となることが知られているCaイオンのような成分を反
応系に添加しても、必ずしも非特異的な反応を引き起こ
すとは限らないことが確認された。これらの知見から、
ろ過操作に伴う未知の非特異反応の存在が明らかとなっ
た。
【0012】ところで、EDTAのようなキレート剤
が、カオリン粒子(特公昭38−8341)、赤血球担
体(特公昭63−8426)、あるいはラテックス粒子
担体(特開昭62−46262)を利用した免疫学的凝
集反応において非特異反応の抑制作用を示すことは既に
公知である。これらの先行技術においては、もともと反
応系に存在するCa等の金属イオンのような特定の非特
異反応因子に対してキレート剤が適用されている。しか
し本発明者らが新たに経験したろ過操作に起因する非特
異反応は、このような試料中に存在する非特異反応因子
とは明らかに違う現象である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
の知見では説明することができない、ろ過操作によって
発生する非特異反応を抑制する技術を提供することであ
る。本発明の第二の課題は、ろ過操作によって発生する
非特異的な反応を効果的に抑制しうる、新たな分散媒を
提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、反応液を構成
する液体がろ過材と接触する免疫学的反応において、反
応液にキレート剤および/またはキレート剤と金属との
金属キレートを共存させることを特徴とする非特異反応
の抑制方法である。
【0015】本発明で言う非特異反応とは、検出対象成
分が存在しないのにもかかわらず、あたかも存在するか
のように見える反応を言う。具体的には、たとえば抗体
感作粒子を利用して凝集反応の有無によって抗原性物質
を測定するとき、検出すべき抗原が存在しないのにもか
かわらず粒子が凝集してしまうとき、これを非特異反応
と呼ぶ。本発明が抑制する非特異反応は、反応液を構成
する液体がろ過材と接触することによって生じるもので
ある。ろ過材とは、ガラス繊維ろ紙、ペーパーフィル
タ、プラスチックフィルタ等の素材で構成されている。
ろ過材は、分析試料である糞便懸濁液や血液のろ過に利
用される。あるいは、試薬や希釈液等の調製時に利用さ
れる。
【0016】本発明の非特異反応の抑制方法は、特にガ
ラス繊維ろ紙によって糞便懸濁液をろ過することに起因
する非特異反応に有効である。ガラス繊維ろ紙は、糞便
の懸濁などに用いられることの多いリン酸緩衝液のよう
な一般的な水溶性溶媒と接触させておくだけで亜鉛や鉄
などの金属イオンを溶出する場合が有る。そしてこれら
の金属のうち、特に亜鉛イオンは、ラテックス粒子の非
特異的な凝集を引き起こすことがあることを本発明者ら
は確認した。したがって、この反応の場に亜鉛イオンの
マスキング剤を共存させれば、非特異的な反応を抑制す
る事が可能である。マスキング剤として有効な化合物の
代表的なものが、以下に詳しく説明するキレート剤や、
キレート剤と金属イオンとの金属キレートである。
【0017】本発明における反応液とは、免疫学的反応
に必要な試薬成分と、免疫学的反応によって分析を行う
ための試料とで構成される。試薬成分とは、希釈に用い
られる緩衝液や免疫成分を含むものである。試薬として
の免疫成分は抗原や抗体で構成され、一般的には免疫学
的な反応を容易に検出することができるように標識され
ている。標識成分としては、ポリスチレンのような重合
体からなる粒子、金コロイドのような金属コロイド粒
子、ゼラチンのような素材で構成された粒子、そして血
球や細菌菌体といった天然素材が知られている。この種
の粒子標識を施した試薬では、免疫学的な反応を粒子の
凝集を指標としてとらえることができる。粒子の凝集は
肉眼で観察しても良いし、あるいは光学測定することで
定量化することもできる。この他の標識技術には、発光
標識、蛍光標識、酵素標識、あるいは放射標識といった
標識技術が知られている。この種の標識は、それぞれの
標識のレベルをその特性に応じた測定方法によって決定
することができる。更に、最近になって広く実用化され
たイムノクロマトグラフ法において、本発明を応用する
ことができる。イムノクロマトグラフ法では毛細管現象
によって試料である液体を展開させながら、この試料に
よって乾燥状態で担体中に保持された試薬(免疫成分を
感作した着色ラテックスや金コロイド粒子で構成され
る)を溶解させるのが一般的である。この過程で金属イ
オンのマスキング剤を共存させておくことができる。一
方試料とは、尿、糞便懸濁液、血液等の生体試料の他、
食品や土壌や水系のような環境から得られた試料を示す
ことができる。これらの反応液を構成する液体のいずれ
かに対してろ過操作を行った場合に問題となる非特異反
応をキレート剤および/またはキレート剤と金属との金
属キレートを利用して抑制するのが本発明の非特異反応
抑制方法である。
【0018】このキレート剤、あるいはキレート剤と金
属との金属キレートは、最終的な反応液の中に存在して
いれば非特異反応を抑制することが可能である。したが
って、試料や試薬の希釈に利用する緩衝液や試薬成分の
中に他の成分とともに加えておくことによって非特異反
応の抑制効果を期待することができる。また反応を行う
容器や器具に乾燥状態で保持させておき、これに試料や
試薬を加えて溶解することも可能である。あるいはま
た、非特異反応の原因となるろ過材を予めマスキング剤
で処理しておくことによって非特異反応の抑制を期待す
ることも可能である。この場合には、非特異反応の抑制
に有効な濃度のマスキング剤を含む溶液中にろ過材を浸
漬しておくか、あるいはマスキング剤を含む溶液でろ過
材を十分に洗浄することによって非特異反応の原因を取
り除くことになる。
【0019】たとえば糞便懸濁液を試料とする時には、
糞便を懸濁しろ過するときの分散媒にキレート剤および
/またはキレート剤と金属との金属キレートを加えてお
くと良い。このような構成とする事によって、試薬や希
釈液の組成を変更すること無く簡単に非特異反応を抑制
することができる。したがって糞便を懸濁するための分
散媒がもしもろ過材と長い時間にわたって接触するので
あれば、この分散媒にキレート剤や金属キレートを添加
しておくのが有利である。
【0020】本発明におけるキレート剤や金属キレート
は、最終的な反応液において0.01mM以上の濃度で利
用する。好ましい利用濃度範囲は個々のキレート剤や、
あるいは糞便の懸濁用の分散媒に添加するのか最終的な
反応液に供給するのかによっても変動する面も有るが、
たとえばEDTA−2Naを例にとると免疫学的な反応
を行う最終的な反応液中で0.02−10mM、特に好ま
しくは0.1mM以上の範囲において非常に有効な非特異
反応の抑制作用を期待することができる。同じEDTA
−2Naを、反応の場に供給するのではなく非特異反応
の原因となるろ過材と接触する分散媒にあらかじめ添加
しておくのであれば、0.5−10mMで充分な非特異反
応抑制効果を期待できる。もちろん反応液を構成する全
ての溶液に本発明によるキレート剤や金属キレートを添
加してもかまわない。すなわち、必要なキレート剤や金
属キレートを分散媒に添加するのと同時に希釈溶液や試
薬に加えておくこともできる。本発明におけるキレート
剤や金属キレートは、非特異反応の防止効果に大きな違
いはみられず、いずれも同程度の濃度で利用すれば良
い。
【0021】本発明におけるキレート剤は、分析を行う
pHにおいてある程度の水溶性を持つものであれば特に
限定されない。一般にキレート剤は金属イオンとの配位
構造に基づいて、N,O−配位型、O,O−配位型、
N,S−配位型、およびS,S−配位型に分類すること
ができるが、本発明においてはこれらのキレート剤のい
ずれも利用することができる。中でもN,O−配位型の
キレート剤には良好な非特異反応抑制作用を持つものが
多く、好ましい例として挙げることができる。N,O−
配位型のキレート剤には、コンプレクサン類、フタレイ
ンコンプレクソン類、オキシン類が知られている。本発
明においてはN,O−配位型の中でもコンプレクサン類
が好ましいキレート剤として利用できる。以下にコンプ
レクサン類に該当するキレート剤を具体的に示す。なお
キレート剤は、適当な塩の形で用いても良い。
【0022】エチレンジアミン4酢酸(Ethylenediamin
e-N,N,N',N'-tetraacetic acid、EDTAと省略する) 1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸(1.2-Cyclohex
anediamine-N,N,N',N'-tetraacetic acid、CyDTA
と省略する) グリコールエーテルジアミン4酢酸(Glycoletherdiami
ne-N,N,N'N'-tetraacetic acid、GEDTAと省略す
る) ヘキサメチレンジアミン4酢酸(Hexamethylenediamine
-N,N,N',N'-tetraaceticacid、HDTAと省略する) イミノ2酢酸(Iminodiacetic acid、IDAと省略す
る) ヒドロキシエチルイミノ2酢酸(Hydroxyethyliminodia
cetic acid、HIDAと省略する) 1、3−ジアミノプロパン−2−オール4酢酸(1,3-Di
aminopropane-2-ol-N,N,N',N'-tetraacetic acid、DP
TA−OHと省略する) ジエチレントリアミン5酢酸(Diethylenetriamine-N,
N,-N',N'',N''-pentaacetic acid、DTPAと省略す
る) エチレンジアミン2酢酸(Ethylenediamine-N,N'-diace
tic acid、EDDAと省略する) エチレンジアミン2酢酸2プロピオン酸(Ethylenediam
ine-N,N'-dipropionic acid dihydrochloride、EDD
Pと省略する) エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)4酢酸(O,O'
-bis(2-aminoethyl)ethyleneglycol-N,N,N',N'-tetraac
etic acid、EGTAと省略する、グリコールエーテル
ジアミン4酢酸;Glycoletherdiamine-N,N,N'N'-tetraa
cetic acidとも呼ばれる) エチレンジアミン−テトラキス(メチレンホスホン酸)
(Ethylenediamine-N,N,N',N'-tetrakis(methylenphosp
holic acid)、EDTPOと省略する) エチレンジアミン2プロピオン酸(Ethylenediamine-N,
N'-dipropionic acid、EDDPと省略する) ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸(N-Hydroxye
thylethylenediamine-N,N',N'-triacetic acid、EDT
A−OHと省略する) N−(2−ヒドロキシルエチル)エチレンジアミン3酢
酸(N-(2-Hydroxyethyl)ethylenediamine-N,N',N'-tria
cetic acid、HEEDTAと省略する) ニトリロ3酢酸(Nitrilotriacetic acid、NTAと省
略する) ニトリロ3プロピオン酸(Nitrilotripropionic acid、
NTPと省略する) ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(Nitrilotris
(methylenephosphonic acid)) 2(ヒドロキシエチル)グリシン(N,N,-2(hydroxyethy
l)glycine、NTPOと省略する) 1,2−ジアミノプロパン4酢酸(1,2-Diaminopropane
-N,N,N',N'-tetraaceticacid、Methyl−EDTA
と省略する)
【0023】これらのキレート剤の中でも、EDTAや
CyDTA、あるいはこれらの塩が特に好ましい。これ
らのキレート剤は、免疫学的反応を行う一般的な反応条
件のもとで良好な溶解性を示し、また各種金属イオンに
対するキレートの安定度常数も大きく、そして免疫反応
に影響を与えることもない。中でもEDTAのナトリウ
ム塩は溶解性に優れた扱いやすいキレート剤である。ま
たきわめて一般的なキレート剤であるため入手が容易
で、経済的にも大きな負担にならない。
【0024】本発明では、キレート剤のみならずこれら
キレート剤と金属とで構成される金属キレートも非特異
反応の抑制に有効である。本発明において有効な金属キ
レートを構成する金属イオンとしては、マグネシウム(I
I)、カルシウム(II)、マンガン(II)、鉄(II)、鉄(II
I)、モリブデン(V)、バリウム(II)、およびランタン(II
I)等を示すことができる。本発明の水溶性の金属キレー
トは、市販されているものを利用しても良いし、あるい
は公知の方法によって製造することもできる。具体的に
は、金属イオンと前に述べたようなキレート剤を溶液中
で混合し必要に応じてpHを調整した後に利用する。な
お金属やキレート剤は、最終的なpHを考慮して極端な
酸性やアルカリ性とならないように選択すると良い。た
とえば金属としてカルシウムを、キレート剤としてED
TAを利用する場合、カルシウム塩としては塩化カルシ
ウムをEDTAとしては4Na塩を利用するとほぼ中性
のpHを維持することができる。
【0025】キレート剤や金属キレートの選択にあたっ
ては、溶液のpHのみならず、最終的な分析の反応の場
で阻害作用を持たない物質を選ぶべきである。またたと
え反応の阻害作用を持たない物質であっても、たとえば
光学的な測定を妨害する着色物質の使用も避けた方が好
ましい。ただし光学測定を行わないときは着色の影響は
受けないので、着色物質であっても支障なく利用するこ
とができる。具体的には、たとえば抗ヘモグロビン抗体
を感作したラテックス粒子の凝集を光学的に追跡してヘ
モグロビンを測定する時には、測定波長に吸収を持つ化
合物を避けた方が好ましい。他方、同じラテックス粒子
を利用する時でも単に凝集を肉眼的に追跡する場合や、
あるいは抗ヘモグロビン抗体を固定した吸収性担体によ
るイムノクロマトグラフ法でヘモグロビンを検出する時
には、肉眼判定を妨害しない限り多少の着色は問題とな
らない。またELISA法のように、B/F分離により
分析試料溶液が反応系から除かれるような場合にも着色
や反応系への影響を考慮する必要が無い。
【0026】本発明の非特異反応抑制方法は、目的とす
る免疫反応に好適なpHのもとで行う。一般的な免疫学
的反応は、pH5〜10の範囲で実施することが多い。
したがってこのような必要なpHを与える緩衝剤の存在
下で、本発明による非特異反応の抑制剤であるキレート
剤および/または金属キレートを利用すると良い。緩衝
剤としては、HEPESやPIPES等のGOOD緩衝
剤が、免疫反応に好都合なpH(6〜8)を与え、もと
もと反応用緩衝液としてもよく利用されているので特に
好ましい緩衝剤として挙げられる。
【0027】本発明における非特異反応の抑制方法に
は、更に付加的に公知の非特異反応対策技術を組み合せ
ることが可能である。具体的には、BSA、RSA、ゼ
ラチン等の不活性蛋白、正常な動物血清、アミノ酸、シ
ョ糖等の糖、およびイオン強度を調節する塩類等を加え
ることができる。
【0028】本発明の非特異反応の抑制方法は、糞便潜
血の検出を目的とする糞便試料中のヘモグロビンの免疫
学的な測定において特に有用である。現在一般に行われ
ている糞便潜血の免疫学的検出方法においては、多くの
場合糞便懸濁液のろ過操作を要求される。そのため本発
明のろ過操作に起因する非特異反応の抑制技術が特に有
効なのである。具体的には、未知の非特異反応の原因と
なるガラス繊維ろ紙によるろ過工程を含む免疫学的測定
方法において、免疫反応の場にキレート剤および/また
は金属キレートのような金属イオンマスキング剤を共存
させる。免疫学的測定方法としては、ラテックス凝集反
応法、イムノクロマトグラフ法、あるいは酵素免疫測定
法といった公知の測定技術を応用することができる。本
発明に基づく非特異反応の抑制技術を応用した糞便の懸
濁とろ過を行うための分散媒の組成の例を次に示す。 EDTA−2Na:0.1−10mM HEPES緩衝液(pH7.4):10〜500mM BSA:0.1〜5% NaN3:0.5〜2%
【0029】
【作用】本発明における金属イオンのマスキング剤は、
従来の知見では説明することのできないろ過操作に起因
する非特異反応を抑制する作用を有する。免疫学的な反
応がラテックス凝集反応の場合には、亜鉛イオンのよう
な金属イオンによるラテックス粒子の非特異的な凝集
を、金属イオンをマスクすることによって抑制している
ものと推定される。従来の、試料中に混入している非特
異反応の原因をマスクする作用とは異なり、ろ過操作に
起因する非特異反応をキレート剤のようなマスキング剤
で抑制できることは新規な知見である。
【0030】非特異因子である溶出金属イオンをマスク
するという作用から考えると、金属キレートによって非
特異反応が抑制されるのは説明がしにくい。しかし以下
に述べる実施例で確認しているように、一部の金属イオ
ンとの金属キレートはキレート剤と同じような抑制効果
を与える。
【0031】
【発明の効果】本発明により、従来の知見では説明する
ことのできないろ過操作に起因する非特異反応を効果的
に防ぐことが可能となる。本発明の非特異反応の抑制効
果は、糞便潜血の免疫学的ラテックス凝集反応のような
試料のろ過が必要な分析技術において特に有効である。
【0032】特に、ガラス繊維ろ紙によってろ過した糞
便懸濁液を試料とし糞便中に含まれるヘモグロビンを免
疫学的ラテックス凝集反応によって検出しようとすると
きには、ろ過操作による非特異反応が頻繁に観察される
場合がある。ラテックスの凝集を光学測定によって定量
的に測定するときには、非特異反応によって分析精度が
大きな影響を受ける。本発明は、このような分析系にお
ける非特異反応を効果的に抑制し、光学測定による分析
精度を改善する。続いて実施例に基づいて本発明を更に
詳細に説明する。
【0033】
【実施例】
実施例1.ろ過材との接触による非特異反応とキレート
剤 ろ過材付き糞便輸送用容器において、ろ過材と分散溶媒
との接触が非特異反応の原因となること、そしてこの非
特異反応がキレート剤の添加によって抑制できることを
確認した。ろ過材つきの糞便輸送用容器として、特開平
6−186227に開示された構造を持つものを用い、
これに分散溶媒(0.1%のウシ血清アルブミンを含む
HEPES緩衝液、pH7.4)を充填した。ろ過材と
しては、市販のガラス繊維ろ紙(ホウケイ酸ガラス製、
保留粒子径0.4−1.0μm、厚さ0.56mm)を装
着した。分散溶媒には、キレート剤としてあらかじめ1
mM(分散溶媒中の濃度)のEDTA−2Naを加えたも
のを用い無添加の場合と非特異反応の有無を比較した。
【0034】この糞便輸送用容器は、糞便試料の定量的
な採取、懸濁液の調製、そしてろ過という一連の操作を
全て行うことができるもので、糞便潜血の分析用試料の
輸送を主な目的として提案されたものである。分散溶媒
はろ過材であるガラス繊維ろ紙と常に接触している。両
者の比は分散溶媒の液量に対してガラス繊維ろ紙の重量
が約0.2%(w/v)となっている。
【0035】各種分散溶媒を充填した容器を、分散溶媒
とろ過材が接触した状態のまま45℃で保存した。2〜
4週間後に分散溶媒を滴下したもの(1滴:100μ
l)を試料とし、抗ヒト・ヘモグロビンA0特異抗体感
作ラテックス試薬(以下単に乳液と省略する)25μl
を加えてラテックス凝集反応を行い、3分後と6分後に
凝集像を肉眼で観察した。
【0036】乳液は以下の方法によって調製したものを
用いた。精製ヒトヘモグロビンA0を生理食塩水に溶解
し(100mg/ml)、等量のフロイントコンプリートア
ジュバントと混合して懸濁液とした。この懸濁液1mlで
ウサギを2週間間隔で免疫し、十分に抗体価が上昇した
ことを確認した後に採血して抗ヒトヘモグロビンA0抗
血清を得た。抗血清からヒトヘモグロビンA0をリガン
ドとするイムノアフィニティクロマトグラフ法によって
特異抗体を精製した。得られたヒトヘモグロビンA0特
異抗体(0.02mg/ml)を平均粒径0.119μmのポ
リスチレン製ラテックス粒子に37℃で1時間物理吸着
させた。吸着後のラテックス粒子を0.2Mのアンモニ
ウム緩衝液(pH8.2)で洗浄し、1%のウシ血清ア
ルブミンを添加した同じ緩衝液に最終的なラテックス濃
度が0.5%となるように分散させて乳液とした。なお
この乳液には金属イオンのマスキング剤は添加していな
い。滴下試料は1滴ごとに試薬と反応させた。この分散
溶媒には緩衝剤とウシ血清アルブミンしか入っていない
ので、ヘモグロビンを検出するための乳液では凝集反応
は起きないはずである。結果を表1に示した。表中の記
号は、凝集の強さの順に+↑、+、+↓、±、−↑、−
を示している。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示すように、2週間後の結果ではキ
レート剤が入っていない場合には反応時間を3分として
も凝集が観察され、明らかな非特異反応と考えられた。
対照として用意したろ過材を設置しない状態で保管した
ものではこのような反応が起きないこと、そして滴下量
の増加に伴って反応が弱まることから、この非特異反応
はろ過材との接触に起因しているものと判断した。一方
分散溶媒にキレート剤を添加したものでは、実験期間中
を通じて非特異反応は観察されず、ろ過材との接触によ
る非特異反応の抑制に有効であることが確認された。
【0039】実施例2.ガラス繊維ろ紙浸漬試験 更に厳しい条件で非特異反応の抑制効果を確認するため
に次のような実験を行った。1で用いたのと同じガラス
繊維ろ紙を直径7mmの円形に切り抜いたもの10枚を、
1と同じ分散溶媒4mlに浸漬し45℃で2週間〜3ヶ月
保管した。分散溶媒には本発明による非特異反応抑制化
合物として0−1mM(分散溶媒中の濃度)のEDTA−
Naを添加した。保管後の分散溶媒を試料として、1と
同じく乳液と反応させて凝集反像を観察した。結果は表
2に示した。表中の記号は表1と同じである。
【0040】
【表2】
【0041】キレート剤を添加しないときには実験期間
を通じて非特異反応が観察された。これに対してキレー
ト剤を添加したときには、いずれの濃度においても非特
異反応の抑制効果が観察された。特に0.2mMを越える
濃度では、ほぼ完全に非特異反応を抑制することができ
た。
【0042】実施例3.反応時のキレート剤添加効果 1、2ではキレート剤が存在している状態で分散溶媒が
ろ過材と接触していた。本発明による非特異反応の抑制
技術が、反応時に添加することによっても効果を示すこ
とを確認するために以下の実験を行った。キレート剤を
含まない分散溶媒に1と同じガラス繊維ろ紙を浸漬し、
37℃で8ヶ月保管した。この保管後の分散溶媒は、通
常の条件で乳液と反応させると非特異凝集反応を起こ
す。この分散溶媒を試料とし、分散溶媒と同じ組成の溶
液でキレート剤(EDTA−2Na)を希釈したものを
反応直前に添加してから乳液と反応させた。EDTA−
2Naの濃度は0−1.0mM(分散溶媒における最終濃
度)とした。結果は表3に示す。表中には反応液中にお
けるEDTA−2Naの濃度も示した。
【0043】
【表3】
【0044】表に示すように、キレート剤は必ずしもろ
過するときに存在していなくても、最終的な免疫反応の
場に共存させれば非特異反応を抑制しうることが確認さ
れた。
【0045】実施例4.各種キレート剤、金属キレート
による非特異反応抑制効果(反応時に添加) 1−3ではキレート剤としてEDTA−2Naを用いて
効果を確認した。本実施例ではその他のキレート剤や金
属キレートによって、本発明の非特異反応抑制方法が可
能であることを確認した。金属キレートとしてEDTA
−CaおよびEDTA−Mgを、またキレート剤として
EDTA−2NaおよびCyDTAを0−1.0mM(乳
液を加える前の最終濃度、最終的な反応液中における濃
度も表中に別に記載した)用い、3と同じ条件(つまり
反応時に添加)で非特異反応抑制効果を観察した。結果
は表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】表に示すように、いずれのキレート剤、あ
るいは金属キレートにおいてもEDTA−2Naと同様
の非特異反応抑制効果を期待できることが明らかであ
る。作用濃度についてみても、化合物の間で大きな違い
は見出せず、いずれの化合物も同じ程度の非特異反応抑
制効果を持つことが確認された。
【0048】実施例5.各種金属キレート、キレート剤
による非特異反応抑制効果(共存下で保管) 2と同じように金属キレートやキレート剤共存下でフィ
ルタと分散溶媒を接触させた状態のまま保管し非特異反
応の抑制効果を確認した。1で用いたのと同じガラス繊
維ろ紙を直径7mmの円形に切り抜いたもの20枚を、1
と同じ分散溶媒4mlに浸漬し45℃で2週間〜3ヶ月保
管した。分散溶媒には本発明による非特異反応抑制化合
物として4と同じ金属キレート、あるいはキレート剤を
0−1mM(分散溶媒中の濃度)で添加した。保管後の分
散溶媒を試料として、1と同じく乳液と反応させて凝集
像を観察した。結果は表5に示すとおりである。表中の
記号は表1と同じである。
【0049】
【表5】
【0050】表から明らかなように、いずれの金属キレ
ート、あるいはキレート剤も、EDTA−2Naと同様
の非特異反応の抑制作用を持つことが確認された。また
4と同じく作用濃度についてみても、化合物の間で大き
な違いは見出せなかった。
【0051】実施例6.ガラス繊維ろ紙から溶出する金
属イオンの確認 前記実施例2において明らかな非特異反応を起こしてい
るガラス繊維ろ紙を浸漬した分散溶媒(キレート剤ある
いは金属キレート無添加)について、金属イオンの溶出
を確認した。金属イオンの分析には原子吸光光度計を用
い、亜鉛、鉄、銅、および鉛の各イオンを測定した。ガ
ラス繊維ろ紙を浸漬する前後で、各金属イオンの濃度(p
pb)を比較したのが表6である。特に亜鉛の溶出が著し
いことが確認できた。更に乳液に高濃度の亜鉛イオン、
銅イオン、あるいは鉛イオンを添加するだけでも凝集が
観察されることがあった。また前記乳液の他に、ゼラチ
ン粒子や金コロイドを担体とする試薬においても、亜鉛
の添加による凝集が観察されることがあった。これらの
結果から、少なくとも亜鉛イオンは非特異的な反応に関
与している可能性が強いと考えられた。
【0052】
【表6】

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応液を構成する液体がろ過材と接触する
    免疫学的反応において、反応液に金属イオンのマスキン
    グ剤を共存させることを特徴とする非特異反応の抑制方
  2. 【請求項2】金属イオンのマスキング剤がキレート剤、
    およびキレート剤と金属との金属キレートから選択され
    る請求項1の非特異反応の抑制方法
  3. 【請求項3】最終的な反応液におけるキレート剤および
    /またはキレート剤と金属との金属キレートの濃度が、
    0.01〜10mMである請求項2の非特異反応の抑制方
  4. 【請求項4】キレート剤が、コンプレクサン類、フタレ
    インコンプレクソン類、およびオキシン類から選択され
    たものである請求項2の非特異反応の抑制方法
  5. 【請求項5】キレート剤がコンプレクサン類であり、か
    つ次の群から選択される少なくとも1つの化合物または
    その塩である請求項4の非特異反応の抑制方法 エチレンジアミン4酢酸(Ethylenediamine-N,N,N',N'-
    tetraacetic acid) 1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸(1.2-Cyclohex
    anediamine-N,N,N',N'-tetraacetic acid) ヘキサメチレンジアミン4酢酸(Hexamethylenediamine
    -N,N,N',N'-tetraaceticacid) イミノ2酢酸(Iminodiacetic acid) ヒドロキシエチルイミノ2酢酸(Hydroxyethyliminodia
    cetic acid) 1,3−ジアミノプロパン−2−オール4酢酸(1,3-Di
    aminopropane-2-ol-N,N,N',N'-tetraacetic acid) ジエチレントリアミン5酢酸(Diethylenetriamine-N,
    N,-N',N'',N''-pentaacetic acid) エチレンジアミン2酢酸(Ethylenediamine-N,N'-diace
    tic acid) エチレンジアミン2酢酸2プロピオン酸(Ethylenediam
    ine-N,N'-dipropionic acid dihydrochloride) エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)4酢酸(O,O'
    -bis(2-aminoethyl)ethyleneglycol-N,N,N',N'-tetraac
    etic acid) エチレンジアミン−テトラキス(メチレンホスホン酸)
    (Ethylenediamine-N,N,N',N'-tetrakis(methylenphosp
    holic acid)) エチレンジアミン2プロピオン酸(Ethylenediamine-N,
    N'-dipropionic acid) ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸(N-Hydroxye
    thylethylenediamine-N,N',N'-triacetic acid) N−(2−ヒドロキシルエチル)エチレンジアミン3酢
    酸(N-(2-Hydroxyethyl)ethylenediamine-N,N',N'-tria
    cetic acid) ニトリロ3酢酸(Nitrilotriacetic acid) ニトリロ3プロピオン酸(Nitrilotripropionic acid) ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(Nitrilotris
    (methylenephosphonic acid)) 2(ヒドロキシエチル)グリシン(N,N,-2(hydroxyethy
    l)glycine) および1,2−ジアミノプロパン4酢酸(1,2-Diaminop
    ropane-N,N,N',N'-tetraacetic acid)
  6. 【請求項6】キレート剤がエチレンジアミン4酢酸また
    はその塩である請求項5の非特異反応の抑制方法
  7. 【請求項7】キレート剤が1,2−シクロヘキサンジア
    ミン4酢酸またはその塩である請求項5の非特異反応の
    抑制方法
  8. 【請求項8】金属キレートを構成する金属イオンが、マ
    グネシウム(II)、カルシウム(II)、マンガン(II)、鉄(I
    I)、鉄(III)、モリブデン(V)、バリウム(II)、およびラ
    ンタン(III)から選択される請求項2の非特異反応の抑
    制方法
  9. 【請求項9】反応液のpHが5〜10である請求項1の
    非特異反応の抑制方法
  10. 【請求項10】反応液が糞便懸濁液と免疫学的分析用試
    薬とで構成されており、このうち糞便懸濁液がろ過され
    るときにろ過材に接触する請求項1の非特異反応の抑制
    方法
  11. 【請求項11】ろ過材が糞便を懸濁するための分散媒と
    接触している状態で保存されており、金属イオンのマス
    キング剤がこの分散媒に含まれている請求項10の非特
    異反応の抑制方法
  12. 【請求項12】糞便を懸濁させる分散媒におけるキレー
    ト剤および/またはキレート剤と金属との金属キレート
    の濃度が、0.01〜10mMである請求項11の非特異
    反応の抑制方法
  13. 【請求項13】ろ過材がガラス繊維ろ紙である請求項1
    0の非特異反応の抑制方法
  14. 【請求項14】免疫学的分析用試薬が血液中に存在する
    蛋白質を指標とする便潜血の検出を目的とするものであ
    る請求項10の非特異反応の抑制方法
  15. 【請求項15】血液中に存在する蛋白質が、ヘモグロビ
    ン、フェリチン、トランスフェリン、α1−アンチトリ
    プシン、CEA、およびα2−マクログロブリンからな
    る群から選択される請求項14の非特異反応の抑制方法
  16. 【請求項16】免疫学的分析用試薬が、免疫学的粒子凝
    集反応法、イムノクロマトグラフ法、および酵素免疫測
    定法からなる群から選択される手法のためのものである
    請求項10の非特異反応の抑制方法
  17. 【請求項17】反応液を構成する液体がろ過材と接触す
    る免疫学的反応において、反応液に亜鉛イオンのマスキ
    ング剤を共存させることを特徴とする非特異反応の抑制
    方法
  18. 【請求項18】ろ過材がガラス繊維ろ紙である請求項1
    7の非特異反応の抑制方法
  19. 【請求項19】キレート剤を含む糞便懸濁液のろ過用分
    散媒
  20. 【請求項20】キレート剤を含む糞便懸濁液のガラス繊
    維ろ紙によるろ過用分散媒
  21. 【請求項21】キレート剤および/またはキレート剤と
    金属との金属キレートの存在下で糞便懸濁液をろ過し、
    このろ過液を試料とする免疫学的分析方法
  22. 【請求項22】フィルタを金属イオンのマスキング剤で
    予め処理することによって、反応液を構成する液体がろ
    過材と接触する免疫学的反応における非特異反応を抑制
    する方法
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