JP3580388B2 - 非特異反応の抑制方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、非特異反応の抑制方法に関するものである。具体的には、たとえば糞便懸濁液のようなろ過後の試料について免疫学的な分析を行うときに観察される、ろ過材に起因する非特異反応の抑制技術に関するものである。
糞便に含まれるヘモグロビンのような蛋白質の検出は、多くの疾患の診断に有用である。特に糞便中のヘモグロビン(便潜血)の検出は、大腸癌をはじめとする消化器系の疾患の診断における重要な情報である。近年は、古くから便中のヘモグロビンに利用されていた化学的な発色反応に基づく試験紙法に代わり、ヘモグロビンに対する抗体を利用した免疫学的手法による検出方法が普及し、手軽な検査方法として定着している。
糞便の他には、血清(あるいは血漿)が生体試料分析におけるもっとも一般的な試料として古くから利用されているものである。分析試料としての血清(あるいは血漿)を得る手法の一つとして、ろ過材を使って血液細胞を分離する技術が知られている。
【0002】
【従来技術の問題点】
糞便の分析には、糞便の懸濁とろ過を行うのが一般的である。糞便中の固形分が分析を妨害する可能性や、あるいはできるだけ臭気を低減するという作業上の理由によりろ過作業が行われている。糞便の採取、輸送、そしてろ過を簡単に行うために例えば実公平5−17652号公報等に記載された輸送容器が提案されている。この種の容器を利用することにより、糞便の定量的な採取が可能となり、また簡単に糞便懸濁液をろ過することができる。
【0003】
糞便懸濁液の他に、血液をろ過する技術が知られている。血液中に占める血液細胞の体積比率は大きく変動するため、全血のままで分析を行ったのでは得られる測定値(濃度)を正確に比較することができないことから一般には血清や血漿が分析用試料として用いられる。また赤血球を含む血液細胞は、自身が着色しており様々な分析技術において反応の観察を妨げるため、分析試料としては血液細胞を含まない血清(あるいは血漿)を利用することが多い。
【0004】
血清等の分離は遠心分離操作によるのが一般的である。しかしろ過操作による血清等の分離は多量の試料の処理には不向きな反面、特別な機材の無い環境でも簡単に行うことができるため操作が簡便な分析器具の提供には有用な技術である。たとえば最近になって商業化が進んだイムノクロマトグラフ法による分析器具と組み合わせた場合には、血液を滴下するだけで血清の分離と分析を行うことができる。
【0005】
糞便懸濁液にしろ、血液にしろ、ろ過材には多くの素材が提案されている。具体的には、ペーパーフィルタ、ガラス繊維ろ紙、あるいはプラスチックフィルタ等の素材が報告されている。これらの素材を更に詳細に例示すれば、次のような材料が利用されていることがわかる。
【0006】
[1]ペーパーフィルタ
ペーパーフィルタは、セルロース繊維で構成されたフィルタである。フィルタとしてはもっとも一般的な素材だが、ろ過サイズは比較的大きなものに限られるし、また厳密にコントロールしにくいという特徴を持つ。セルロース繊維は、様々な化合物を吸着しやすいため分析試料のろ過に用いるには吸着による測定の妨害に注意が必要である。
【0007】
[2]ガラス繊維ろ紙
ガラス繊維ろ紙(グラスフィルタとも呼ばれる)には、ガラス繊維のみで構成されるフィルタの他、強度を持たせるためにアクリル樹脂等で処理されたものがワットマン社、アドバンテック東洋社等から市販されている。ガラス繊維ろ紙は、一般的には幅広い薬品や生化学的な液体に対して不活性とされている。またガラス繊維のみで構成されているものは、オートクレーブや、あるいは更に高温の条件にも耐えうる。ただしガラス繊維の素材の一つであるホウケイ酸ガラス繊維は、条件によってはアルカリ物質の溶出の起きることも知られている(ADVANTEC濾紙・科学機器総合カタログ’93−’94、P37)。
【0008】
[3]プラスチックフィルタ
プラスチックフィルタには、ナイロン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリスルフォン、ポリエステル、セルロースエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン,ニトロセルロース等の多くの素材がろ過材に利用されている。これらの素材は、繊維状、膜状、あるいは多孔質素材で、用途に合わせて様々な形状に加工されている。
【0009】
[4]その他の素材
ガラス繊維やプラスチック製のろ過材の他にも、ステンレススチールやシリカ繊維で構成されたろ過材も市販されている。
【0010】
これらのろ過材は、一般的なろ過素材を単に各種分析試料のろ過に応用したものにすぎない。ろ過素材の多くはもともと化学的な操作に用いることを目的に販売されているので、ろ過によって反応妨害成分や危険な成分が溶出しないように品質管理されているはずである。したがって多くのケースでは市販の一般用ろ過素材を分析に利用したからといって、問題を生じる可能性は低いはずである。
しかし、ろ過操作と分析結果の関係を調べてみると、ろ過操作そのものが分析結果を左右しているケースも少なからず存在する。たとえば分析試料である尿のろ過によって、分析対象である蛋白質がろ過材に吸着されてしまう現象が知られている。吸着の問題は、あらかじめ不活性蛋白でろ過材を処理しておくことによって解決された。
【0011】
このような背景の基で、本発明者等は糞便懸濁液についてもろ過操作が分析結果に与える影響について検討した。その結果、免疫学的分析方法においてある種の素材を利用してろ過を行ったときに非特異的な反応が観察されることを発見した。つまり、検出対象成分が存在しないために本来は起きないはずの反応が、見かけ上はあたかも検出対象成分が存在するかのように進行してしまうのである。たとえばラテックス凝集反応であれば、検出対象成分が存在しないのにもかかわらず、凝集反応が起きてしまうのである。
ろ過操作が原因となる非特異反応は、単なる緩衝液をろ過したものにおいてさえ観察された。また従来技術において非特異反応の原因となることが知られているCaイオンのような成分を反応系に添加しても、必ずしも非特異的な反応を引き起こすとは限らないことが確認された。これらの知見から、ろ過操作に伴う未知の非特異反応の存在が明らかとなった。
【0012】
ところで、EDTAのようなキレート剤が、カオリン粒子(特公昭38−8341)、赤血球担体(特公昭63−8426)、あるいはラテックス粒子担体(特開昭62−46262)を利用した免疫学的凝集反応において非特異反応の抑制作用を示すことは既に公知である。これらの先行技術においては、もともと反応系に存在するCa等の金属イオンのような特定の非特異反応因子に対してキレート剤が適用されている。しかし本発明者らが新たに経験したろ過操作に起因する非特異反応は、このような試料中に存在する非特異反応因子とは明らかに違う現象である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、従来の知見では説明することができない、ろ過操作によって発生する非特異反応を抑制する技術を提供することである。
本発明の第二の課題は、ろ過操作によって発生する非特異的な反応を効果的に抑制しうる、新たな分散媒を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、反応液を構成する液体がろ過材と接触する免疫学的反応において、反応液にキレート剤および/またはキレート剤と金属との金属キレートを共存させることを特徴とする非特異反応の抑制方法である。
【0015】
本発明で言う非特異反応とは、検出対象成分が存在しないのにもかかわらず、あたかも存在するかのように見える反応を言う。具体的には、たとえば抗体感作粒子を利用して凝集反応の有無によって抗原性物質を測定するとき、検出すべき抗原が存在しないのにもかかわらず粒子が凝集してしまうとき、これを非特異反応と呼ぶ。本発明が抑制する非特異反応は、反応液を構成する液体がろ過材と接触することによって生じるものである。ろ過材とは、ガラス繊維ろ紙、ペーパーフィルタ、プラスチックフィルタ等の素材で構成されている。ろ過材は、分析試料である糞便懸濁液や血液のろ過に利用される。あるいは、試薬や希釈液等の調製時に利用される。
【0016】
本発明の非特異反応の抑制方法は、特にガラス繊維ろ紙によって糞便懸濁液をろ過することに起因する非特異反応に有効である。ガラス繊維ろ紙は、糞便の懸濁などに用いられることの多いリン酸緩衝液のような一般的な水溶性溶媒と接触させておくだけで亜鉛や鉄などの金属イオンを溶出する場合が有る。そしてこれらの金属のうち、特に亜鉛イオンは、ラテックス粒子の非特異的な凝集を引き起こすことがあることを本発明者らは確認した。したがって、この反応の場に亜鉛イオンのマスキング剤を共存させれば、非特異的な反応を抑制する事が可能である。マスキング剤として有効な化合物の代表的なものが、以下に詳しく説明するキレート剤や、キレート剤と金属イオンとの金属キレートである。
【0017】
本発明における反応液とは、免疫学的反応に必要な試薬成分と、免疫学的反応によって分析を行うための試料とで構成される。試薬成分とは、希釈に用いられる緩衝液や免疫成分を含むものである。試薬としての免疫成分は抗原や抗体で構成され、一般的には免疫学的な反応を容易に検出することができるように標識されている。標識成分としては、ポリスチレンのような重合体からなる粒子、金コロイドのような金属コロイド粒子、ゼラチンのような素材で構成された粒子、そして血球や細菌菌体といった天然素材が知られている。この種の粒子標識を施した試薬では、免疫学的な反応を粒子の凝集を指標としてとらえることができる。粒子の凝集は肉眼で観察しても良いし、あるいは光学測定することで定量化することもできる。この他の標識技術には、発光標識、蛍光標識、酵素標識、あるいは放射標識といった標識技術が知られている。この種の標識は、それぞれの標識のレベルをその特性に応じた測定方法によって決定することができる。
更に、最近になって広く実用化されたイムノクロマトグラフ法において、本発明を応用することができる。イムノクロマトグラフ法では毛細管現象によって試料である液体を展開させながら、この試料によって乾燥状態で担体中に保持された試薬(免疫成分を感作した着色ラテックスや金コロイド粒子で構成される)を溶解させるのが一般的である。この過程で金属イオンのマスキング剤を共存させておくことができる。
一方試料とは、尿、糞便懸濁液、血液等の生体試料の他、食品や土壌や水系のような環境から得られた試料を示すことができる。これらの反応液を構成する液体のいずれかに対してろ過操作を行った場合に問題となる非特異反応をキレート剤および/またはキレート剤と金属との金属キレートを利用して抑制するのが本発明の非特異反応抑制方法である。
【0018】
このキレート剤、あるいはキレート剤と金属との金属キレートは、最終的な反応液の中に存在していれば非特異反応を抑制することが可能である。したがって、試料や試薬の希釈に利用する緩衝液や試薬成分の中に他の成分とともに加えておくことによって非特異反応の抑制効果を期待することができる。また反応を行う容器や器具に乾燥状態で保持させておき、これに試料や試薬を加えて溶解することも可能である。
あるいはまた、非特異反応の原因となるろ過材を予めマスキング剤で処理しておくことによって非特異反応の抑制を期待することも可能である。この場合には、非特異反応の抑制に有効な濃度のマスキング剤を含む溶液中にろ過材を浸漬しておくか、あるいはマスキング剤を含む溶液でろ過材を十分に洗浄することによって非特異反応の原因を取り除くことになる。
【0019】
たとえば糞便懸濁液を試料とする時には、糞便を懸濁しろ過するときの分散媒にキレート剤および/またはキレート剤と金属との金属キレートを加えておくと良い。このような構成とする事によって、試薬や希釈液の組成を変更すること無く簡単に非特異反応を抑制することができる。したがって糞便を懸濁するための分散媒がもしもろ過材と長い時間にわたって接触するのであれば、この分散媒にキレート剤や金属キレートを添加しておくのが有利である。
【0020】
本発明におけるキレート剤や金属キレートは、最終的な反応液において0.01mM以上の濃度で利用する。好ましい利用濃度範囲は個々のキレート剤や、あるいは糞便の懸濁用の分散媒に添加するのか最終的な反応液に供給するのかによっても変動する面も有るが、たとえばEDTA−2Naを例にとると免疫学的な反応を行う最終的な反応液中で0.02−10mM、特に好ましくは0.1mM以上の範囲において非常に有効な非特異反応の抑制作用を期待することができる。同じEDTA−2Naを、反応の場に供給するのではなく非特異反応の原因となるろ過材と接触する分散媒にあらかじめ添加しておくのであれば、0.5−10mMで充分な非特異反応抑制効果を期待できる。もちろん反応液を構成する全ての溶液に本発明によるキレート剤や金属キレートを添加してもかまわない。すなわち、必要なキレート剤や金属キレートを分散媒に添加するのと同時に希釈溶液や試薬に加えておくこともできる。
本発明におけるキレート剤や金属キレートは、非特異反応の防止効果に大きな違いはみられず、いずれも同程度の濃度で利用すれば良い。
【0021】
本発明におけるキレート剤は、分析を行うpHにおいてある程度の水溶性を持つものであれば特に限定されない。一般にキレート剤は金属イオンとの配位構造に基づいて、N,O−配位型、O,O−配位型、N,S−配位型、およびS,S−配位型に分類することができるが、本発明においてはこれらのキレート剤のいずれも利用することができる。中でもN,O−配位型のキレート剤には良好な非特異反応抑制作用を持つものが多く、好ましい例として挙げることができる。N,O−配位型のキレート剤には、コンプレクサン類、フタレインコンプレクソン類、オキシン類が知られている。本発明においてはN,O−配位型の中でもコンプレクサン類が好ましいキレート剤として利用できる。以下にコンプレクサン類に該当するキレート剤を具体的に示す。なおキレート剤は、適当な塩の形で用いても良い。
【0022】
エチレンジアミン4酢酸(Ethylenediamine−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、EDTAと省略する)
1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸(1.2−Cyclohexanediamine−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、CyDTAと省略する)
グリコールエーテルジアミン4酢酸(Glycoletherdiamine−N,N,N’N’−tetraacetic acid、GEDTAと省略する)
ヘキサメチレンジアミン4酢酸(Hexamethylenediamine−N,N,N’,N’−tetraacetic
acid、HDTAと省略する)
イミノ2酢酸(Iminodiacetic acid、IDAと省略する)
ヒドロキシエチルイミノ2酢酸(Hydroxyethyliminodiacetic acid、HIDAと省略する)
1、3−ジアミノプロパン−2−オール4酢酸(1,3−Diaminopropane−2−ol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、DPTA−OHと省略する)
ジエチレントリアミン5酢酸(Diethylenetriamine−N,N,−N’,N’’,N’’−pentaacetic acid、DTPAと省略する)
エチレンジアミン2酢酸(Ethylenediamine−N,N’−diacetic acid、EDDAと省略する)
エチレンジアミン2酢酸2プロピオン酸(Ethylenediamine−N,N’−dipropionic acid dihydrochloride、EDDPと省略する)
エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)4酢酸(O,O’−bis(2−aminoethyl)ethyleneglycol−N,N,N’,N’−tetraacetic acid、EGTAと省略する、グリコールエーテルジアミン4酢酸;Glycoletherdiamine−N,N,N’N’−tetraacetic acidとも呼ばれる)
エチレンジアミン−テトラキス(メチレンホスホン酸)(Ethylenediamine−N,N,N’,N’−tetrakis(methylenphospholic acid)、EDTPOと省略する)
エチレンジアミン2プロピオン酸(Ethylenediamine−N,N’−dipropionic acid、EDDPと省略する)
ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸(N−Hydroxyethylethylenediamine−N,N’,N’−triacetic acid、EDTA−OHと省略する)
N−(2−ヒドロキシルエチル)エチレンジアミン3酢酸(N−(2−Hydroxyethyl)ethylenediamine−N,N’,N’−triacetic acid、HEEDTAと省略する)
ニトリロ3酢酸(Nitrilotriacetic acid、NTAと省略する)
ニトリロ3プロピオン酸(Nitrilotripropionic acid、NTPと省略する)
ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(Nitrilotris(methylenephosphonic acid))
2(ヒドロキシエチル)グリシン(N,N,−2(hydroxyethyl)glycine、NTPOと省略する)
1,2−ジアミノプロパン4酢酸(1,2−Diaminopropane−N,N,N’,N’−tetraacetic
acid、Methyl−EDTAと省略する)
【0023】
これらのキレート剤の中でも、EDTAやCyDTA、あるいはこれらの塩が特に好ましい。これらのキレート剤は、免疫学的反応を行う一般的な反応条件のもとで良好な溶解性を示し、また各種金属イオンに対するキレートの安定度常数も大きく、そして免疫反応に影響を与えることもない。中でもEDTAのナトリウム塩は溶解性に優れた扱いやすいキレート剤である。またきわめて一般的なキレート剤であるため入手が容易で、経済的にも大きな負担にならない。
【0024】
本発明では、キレート剤のみならずこれらキレート剤と金属とで構成される金属キレートも非特異反応の抑制に有効である。本発明において有効な金属キレートを構成する金属イオンとしては、マグネシウム(II)、カルシウム(II)、マンガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、モリブデン(V)、バリウム(II)、およびランタン(III)等を示すことができる。
本発明の水溶性の金属キレートは、市販されているものを利用しても良いし、あるいは公知の方法によって製造することもできる。具体的には、金属イオンと前に述べたようなキレート剤を溶液中で混合し必要に応じてpHを調整した後に利用する。なお金属やキレート剤は、最終的なpHを考慮して極端な酸性やアルカリ性とならないように選択すると良い。たとえば金属としてカルシウムを、キレート剤としてEDTAを利用する場合、カルシウム塩としては塩化カルシウムをEDTAとしては4Na塩を利用するとほぼ中性のpHを維持することができる。
【0025】
キレート剤や金属キレートの選択にあたっては、溶液のpHのみならず、最終的な分析の反応の場で阻害作用を持たない物質を選ぶべきである。またたとえ反応の阻害作用を持たない物質であっても、たとえば光学的な測定を妨害する着色物質の使用も避けた方が好ましい。ただし光学測定を行わないときは着色の影響は受けないので、着色物質であっても支障なく利用することができる。具体的には、たとえば抗ヘモグロビン抗体を感作したラテックス粒子の凝集を光学的に追跡してヘモグロビンを測定する時には、測定波長に吸収を持つ化合物を避けた方が好ましい。他方、同じラテックス粒子を利用する時でも単に凝集を肉眼的に追跡する場合や、あるいは抗ヘモグロビン抗体を固定した吸収性担体によるイムノクロマトグラフ法でヘモグロビンを検出する時には、肉眼判定を妨害しない限り多少の着色は問題とならない。またELISA法のように、B/F分離により分析試料溶液が反応系から除かれるような場合にも着色や反応系への影響を考慮する必要が無い。
【0026】
本発明の非特異反応抑制方法は、目的とする免疫反応に好適なpHのもとで行う。一般的な免疫学的反応は、pH5〜10の範囲で実施することが多い。したがってこのような必要なpHを与える緩衝剤の存在下で、本発明による非特異反応の抑制剤であるキレート剤および/または金属キレートを利用すると良い。緩衝剤としては、HEPESやPIPES等のGOOD緩衝剤が、免疫反応に好都合なpH(6〜8)を与え、もともと反応用緩衝液としてもよく利用されているので特に好ましい緩衝剤として挙げられる。
【0027】
本発明における非特異反応の抑制方法には、更に付加的に公知の非特異反応対策技術を組み合せることが可能である。具体的には、BSA、RSA、ゼラチン等の不活性蛋白、正常な動物血清、アミノ酸、ショ糖等の糖、およびイオン強度を調節する塩類等を加えることができる。
【0028】
本発明の非特異反応の抑制方法は、糞便潜血の検出を目的とする糞便試料中のヘモグロビンの免疫学的な測定において特に有用である。現在一般に行われている糞便潜血の免疫学的検出方法においては、多くの場合糞便懸濁液のろ過操作を要求される。そのため本発明のろ過操作に起因する非特異反応の抑制技術が特に有効なのである。
具体的には、未知の非特異反応の原因となるガラス繊維ろ紙によるろ過工程を含む免疫学的測定方法において、免疫反応の場にキレート剤および/または金属キレートのような金属イオンマスキング剤を共存させる。免疫学的測定方法としては、ラテックス凝集反応法、イムノクロマトグラフ法、あるいは酵素免疫測定法といった公知の測定技術を応用することができる。本発明に基づく非特異反応の抑制技術を応用した糞便の懸濁とろ過を行うための分散媒の組成の例を次に示す。
EDTA−2Na:0.1−10mM
HEPES緩衝液(pH7.4):10〜500mM
BSA:0.1〜5%
NaN3:0.5〜2%
【0029】
【作用】
本発明における金属イオンのマスキング剤は、従来の知見では説明することのできないろ過操作に起因する非特異反応を抑制する作用を有する。免疫学的な反応がラテックス凝集反応の場合には、亜鉛イオンのような金属イオンによるラテックス粒子の非特異的な凝集を、金属イオンをマスクすることによって抑制しているものと推定される。
従来の、試料中に混入している非特異反応の原因をマスクする作用とは異なり、ろ過操作に起因する非特異反応をキレート剤のようなマスキング剤で抑制できることは新規な知見である。
【0030】
非特異因子である溶出金属イオンをマスクするという作用から考えると、金属キレートによって非特異反応が抑制されるのは説明がしにくい。しかし以下に述べる実施例で確認しているように、一部の金属イオンとの金属キレートはキレート剤と同じような抑制効果を与える。
【0031】
【発明の効果】
本発明により、従来の知見では説明することのできないろ過操作に起因する非特異反応を効果的に防ぐことが可能となる。本発明の非特異反応の抑制効果は、糞便潜血の免疫学的ラテックス凝集反応のような試料のろ過が必要な分析技術において特に有効である。
【0032】
特に、ガラス繊維ろ紙によってろ過した糞便懸濁液を試料とし糞便中に含まれるヘモグロビンを免疫学的ラテックス凝集反応によって検出しようとするときには、ろ過操作による非特異反応が頻繁に観察される場合がある。ラテックスの凝集を光学測定によって定量的に測定するときには、非特異反応によって分析精度が大きな影響を受ける。本発明は、このような分析系における非特異反応を効果的に抑制し、光学測定による分析精度を改善する。
続いて実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
【0033】
【実施例】
実施例1.ろ過材との接触による非特異反応とキレート剤
ろ過材付き糞便輸送用容器において、ろ過材と分散溶媒との接触が非特異反応の原因となること、そしてこの非特異反応がキレート剤の添加によって抑制できることを確認した。ろ過材つきの糞便輸送用容器として、特開平6−186227に開示された構造を持つものを用い、これに分散溶媒(0.1%のウシ血清アルブミンを含むHEPES緩衝液、pH7.4)を充填した。ろ過材としては、市販のガラス繊維ろ紙(ホウケイ酸ガラス製、保留粒子径0.4−1.0μm、厚さ0.56mm)を装着した。分散溶媒には、キレート剤としてあらかじめ1mM(分散溶媒中の濃度)のEDTA−2Naを加えたものを用い無添加の場合と非特異反応の有無を比較した。
【0034】
この糞便輸送用容器は、糞便試料の定量的な採取、懸濁液の調製、そしてろ過という一連の操作を全て行うことができるもので、糞便潜血の分析用試料の輸送を主な目的として提案されたものである。分散溶媒はろ過材であるガラス繊維ろ紙と常に接触している。両者の比は分散溶媒の液量に対してガラス繊維ろ紙の重量が約0.2%(w/v)となっている。
【0035】
各種分散溶媒を充填した容器を、分散溶媒とろ過材が接触した状態のまま45℃で保存した。2〜4週間後に分散溶媒を滴下したもの(1滴:100μl)を試料とし、抗ヒト・ヘモグロビンA0特異抗体感作ラテックス試薬(以下単に乳液と省略する)25μlを加えてラテックス凝集反応を行い、3分後と6分後に凝集像を肉眼で観察した。
【0036】
乳液は以下の方法によって調製したものを用いた。精製ヒトヘモグロビンA0を生理食塩水に溶解し(100mg/ml)、等量のフロイントコンプリートアジュバントと混合して懸濁液とした。この懸濁液1mlでウサギを2週間間隔で免疫し、十分に抗体価が上昇したことを確認した後に採血して抗ヒトヘモグロビンA0抗血清を得た。抗血清からヒトヘモグロビンA0をリガンドとするイムノアフィニティクロマトグラフ法によって特異抗体を精製した。得られたヒトヘモグロビンA0特異抗体(0.02mg/ml)を平均粒径0.119μmのポリスチレン製ラテックス粒子に37℃で1時間物理吸着させた。吸着後のラテックス粒子を0.2Mのアンモニウム緩衝液(pH8.2)で洗浄し、1%のウシ血清アルブミンを添加した同じ緩衝液に最終的なラテックス濃度が0.5%となるように分散させて乳液とした。なおこの乳液には金属イオンのマスキング剤は添加していない。滴下試料は1滴ごとに試薬と反応させた。この分散溶媒には緩衝剤とウシ血清アルブミンしか入っていないので、ヘモグロビンを検出するための乳液では凝集反応は起きないはずである。結果を表1に示した。表中の記号は、凝集の強さの順に+↑、+、+↓、±、−↑、−を示している。
【0037】
【表1】
【0038】
表1に示すように、2週間後の結果ではキレート剤が入っていない場合には反応時間を3分としても凝集が観察され、明らかな非特異反応と考えられた。対照として用意したろ過材を設置しない状態で保管したものではこのような反応が起きないこと、そして滴下量の増加に伴って反応が弱まることから、この非特異反応はろ過材との接触に起因しているものと判断した。
一方分散溶媒にキレート剤を添加したものでは、実験期間中を通じて非特異反応は観察されず、ろ過材との接触による非特異反応の抑制に有効であることが確認された。
【0039】
実施例2.ガラス繊維ろ紙浸漬試験
更に厳しい条件で非特異反応の抑制効果を確認するために次のような実験を行った。1で用いたのと同じガラス繊維ろ紙を直径7mmの円形に切り抜いたもの10枚を、1と同じ分散溶媒4mlに浸漬し45℃で2週間〜3ヶ月保管した。分散溶媒には本発明による非特異反応抑制化合物として0−1mM(分散溶媒中の濃度)のEDTA−Naを添加した。保管後の分散溶媒を試料として、1と同じく乳液と反応させて凝集反像を観察した。結果は表2に示した。表中の記号は表1と同じである。
【0040】
【表2】
【0041】
キレート剤を添加しないときには実験期間を通じて非特異反応が観察された。これに対してキレート剤を添加したときには、いずれの濃度においても非特異反応の抑制効果が観察された。特に0.2mMを越える濃度では、ほぼ完全に非特異反応を抑制することができた。
【0042】
実施例3.反応時のキレート剤添加効果
1、2ではキレート剤が存在している状態で分散溶媒がろ過材と接触していた。本発明による非特異反応の抑制技術が、反応時に添加することによっても効果を示すことを確認するために以下の実験を行った。キレート剤を含まない分散溶媒に1と同じガラス繊維ろ紙を浸漬し、37℃で8ヶ月保管した。この保管後の分散溶媒は、通常の条件で乳液と反応させると非特異凝集反応を起こす。この分散溶媒を試料とし、分散溶媒と同じ組成の溶液でキレート剤(EDTA−2Na)を希釈したものを反応直前に添加してから乳液と反応させた。EDTA−2Naの濃度は0−1.0mM(分散溶媒における最終濃度)とした。結果は表3に示す。表中には反応液中におけるEDTA−2Naの濃度も示した。
【0043】
【表3】
【0044】
表に示すように、キレート剤は必ずしもろ過するときに存在していなくても、最終的な免疫反応の場に共存させれば非特異反応を抑制しうることが確認された。
【0045】
実施例4.各種キレート剤、金属キレートによる非特異反応抑制効果(反応時に添加)
1−3ではキレート剤としてEDTA−2Naを用いて効果を確認した。本実施例ではその他のキレート剤や金属キレートによって、本発明の非特異反応抑制方法が可能であることを確認した。金属キレートとしてEDTA−CaおよびEDTA−Mgを、またキレート剤としてEDTA−2NaおよびCyDTAを0−1.0mM(乳液を加える前の最終濃度、最終的な反応液中における濃度も表中に別に記載した)用い、3と同じ条件(つまり反応時に添加)で非特異反応抑制効果を観察した。結果は表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
表に示すように、いずれのキレート剤、あるいは金属キレートにおいてもEDTA−2Naと同様の非特異反応抑制効果を期待できることが明らかである。作用濃度についてみても、化合物の間で大きな違いは見出せず、いずれの化合物も同じ程度の非特異反応抑制効果を持つことが確認された。
【0048】
実施例5.各種金属キレート、キレート剤による非特異反応抑制効果(共存下で保管)
2と同じように金属キレートやキレート剤共存下でフィルタと分散溶媒を接触させた状態のまま保管し非特異反応の抑制効果を確認した。1で用いたのと同じガラス繊維ろ紙を直径7mmの円形に切り抜いたもの20枚を、1と同じ分散溶媒4mlに浸漬し45℃で2週間〜3ヶ月保管した。分散溶媒には本発明による非特異反応抑制化合物として4と同じ金属キレート、あるいはキレート剤を0−1mM(分散溶媒中の濃度)で添加した。保管後の分散溶媒を試料として、1と同じく乳液と反応させて凝集像を観察した。結果は表5に示すとおりである。表中の記号は表1と同じである。
【0049】
【表5】
【0050】
表から明らかなように、いずれの金属キレート、あるいはキレート剤も、EDTA−2Naと同様の非特異反応の抑制作用を持つことが確認された。また4と同じく作用濃度についてみても、化合物の間で大きな違いは見出せなかった。
【0051】
実施例6.ガラス繊維ろ紙から溶出する金属イオンの確認
前記実施例2において明らかな非特異反応を起こしているガラス繊維ろ紙を浸漬した分散溶媒(キレート剤あるいは金属キレート無添加)について、金属イオンの溶出を確認した。金属イオンの分析には原子吸光光度計を用い、亜鉛、鉄、銅、および鉛の各イオンを測定した。ガラス繊維ろ紙を浸漬する前後で、各金属イオンの濃度(ppb)を比較したのが表6である。
特に亜鉛の溶出が著しいことが確認できた。更に乳液に高濃度の亜鉛イオン、銅イオン、あるいは鉛イオンを添加するだけでも凝集が観察されることがあった。また前記乳液の他に、ゼラチン粒子や金コロイドを担体とする試薬においても、亜鉛の添加による凝集が観察されることがあった。これらの結果から、少なくとも亜鉛イオンは非特異的な反応に関与している可能性が強いと考えられた。
【0052】
【表6】
Claims (19)
- 反応液を構成する液体がガラス繊維ろ紙と接触する免疫学的反応において、反応液に金属イオンのマスキング剤を共存させることを特徴とする非特異反応の抑制方法
- 金属イオンのマスキング剤がキレート剤、およびキレート剤と金属との金属キレートから選択される請求項1の非特異反応の抑制方法
- 最終的な反応液におけるキレート剤および/またはキレート剤と金属との金属キレートの濃度が、0.01〜10mMである請求項2の非特異反応の抑制方法
- キレート剤が、コンプレクサン類、フタレインコンプレクソン類、およびオキシン類から選択されたものである請求項2の非特異反応の抑制方法
- キレート剤がコンプレクサン類であり、かつ次の群から選択される少なくとも1つの化合物またはその塩である請求項4の非特異反応の抑制方法
エチレンジアミン4酢酸(Ethylenediamine-N、N、N'、N'-tetraacetic acid)
1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸(1.2-Cyclohexanediamine-N、N、N'、N'-tetraacetic acid)
ヘキサメチレンジアミン4酢酸(Hexamethylenediamine-N、N、N'、N'-tetraaceticacid)
イミノ2酢酸(Iminodiacetic acid)
ヒドロキシエチルイミノ2酢酸(Hydroxyethyliminodiacetic acid)
1,3−ジアミノプロパン−2−オール4酢酸(1、3-Diaminopropane-2-ol-N、N、N'、N'-tetraacetic acid)
ジエチレントリアミン5酢酸(Diethylenetriamine-N、N、-N'、N''、N''-pentaacetic acid)
エチレンジアミン2酢酸(Ethylenediamine-N、N'-diacetic acid)
エチレンジアミン2酢酸2プロピオン酸(Ethylenediamine-N、N'-dipropionic acid dihydrochloride)
エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)4酢酸(O、O'-bis(2-aminoethyl)ethyleneglycol-N、N、N'、N'-tetraacetic acid)
エチレンジアミン−テトラキス(メチレンホスホン酸)(Ethylenediamine-N、N、N'、N'-tetrakis(methylenphospholic acid))
エチレンジアミン2プロピオン酸(Ethylenediamine-N、N'-dipropionic acid)
ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸(N-Hydroxyethylethylenediamine-N、N'、N'-triacetic acid)
N−(2−ヒドロキシルエチル)エチレンジアミン3酢酸(N-(2-Hydroxyethyl)ethylenediamine-N、N'、N'-triacetic acid)
ニトリロ3酢酸(Nitrilotriacetic acid)
ニトリロ3プロピオン酸(Nitrilotripropionic acid)
ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(Nitrilotris(methylenephosphonic acid))
2(ヒドロキシエチル)グリシン(N、N、-2(hydroxyethyl)glycine)
および1,2−ジアミノプロパン4酢酸(1、2-Diaminopropane-N、N、N'、N'-tetraacetic acid) - キレート剤がエチレンジアミン4酢酸またはその塩である請求項5の非特異反応の抑制方法
- キレート剤が1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸またはその塩である請求項5の非特異反応の抑制方法
- 金属キレートを構成する金属イオンが、マグネシウム(II)、カルシウム(II)、マンガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、モリブデン(V)、バリウム(II)、およびランタン(III)から選択される請求項2の非特異反応の抑制方法
- 反応液のpHが5〜10である請求項1の非特異反応の抑制方法
- 反応液が糞便懸濁液と免疫学的分析用試薬とで構成されており、このうち糞便懸濁液がろ過されるときにガラス繊維ろ紙に接触する請求項1の非特異反応の抑制方法
- ガラス繊維ろ紙が糞便を懸濁するための分散媒と接触している状態で保存されており、金属イオンのマスキング剤がこの分散媒に含まれている請求項10の非特異反応の抑制方法
- 糞便を懸濁させる分散媒におけるキレート剤および/またはキレート剤と金属との金属キレートの濃度が、0.01〜10mMである請求項11の非特異反応の抑制方法
- 免疫学的分析用試薬が血液中に存在する蛋白質を指標とする便潜血の検出を目的とするものである請求項10の非特異反応の抑制方法
- 血液中に存在する蛋白質が、ヘモグロビン、フェリチン、トランスフェリン、α1−アンチトリプシン、CEA、およびα2−マクログロブリンからなる群から選択される請求項13の非特異反応の抑制方法
- 免疫学的分析用試薬が、免疫学的粒子凝集反応法、イムノクロマトグラフ法、および酵素免疫測定法からなる群から選択される手法のためのものである請求項10の非特異反応の抑制方法
- 反応液を構成する液体がガラス繊維ろ紙と接触する免疫学的反応において、反応液に亜鉛イオンのマスキング剤を共存させることを特徴とする非特異反応の抑制方法
- キレート剤を含む糞便懸濁液のガラス繊維ろ紙によるろ過用分散媒
- キレート剤および/またはキレート剤と金属との金属キレートの存在下で糞便懸濁液をろ過し、このろ過液を試料とする免疫学的分析方法
- ガラス繊維ろ紙を金属イオンのマスキング剤で予め処理することを特徴とする、反応液を構成する液体がガラス繊維ろ紙と接触する免疫学的反応における非特異反応を抑制する方法
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