JPH09202838A - ブラダー用ゴム組成物 - Google Patents

ブラダー用ゴム組成物

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JPH09202838A
JPH09202838A JP8309789A JP30978996A JPH09202838A JP H09202838 A JPH09202838 A JP H09202838A JP 8309789 A JP8309789 A JP 8309789A JP 30978996 A JP30978996 A JP 30978996A JP H09202838 A JPH09202838 A JP H09202838A
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JP
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weight
bladder
parts
carbon black
rubber composition
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JP8309789A
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Inventor
Masato Kawase
正人 川瀬
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラダーの耐熱性と耐酸化性、およびブラダ
ー中に含まれるカーボンブラックの分散性を上げて、ブ
ラダーの寿命を向上させることである。 【解決手段】 ブラダー用ゴム組成物は、イソブチレン
−パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物100重
量部に対して、下記の特性を有するカーボンブラック3
0〜80重量部と、下記の特性を有するアルキルフェノ
−ルホルムアルデヒド樹脂1.5〜5.0重量部と、架
橋触媒0.2〜2.0重量部とを配合してなる。 カーボンブラック:造粒粒子の硬さが造粒粒子径2mm
に対して15×10-2N未満であり、造粒粒子径分布
が、造粒粒子径0.15mm以下のものが全体の3重量
%以下、造粒粒子径1.00mm以上のものが全体の2
0重量%以下であるもの アルキルフェノ−ルホルムアルデヒド樹脂:ムーニー・
スコーチ時間が135±0.1℃において26.0〜2
8.5分であるもの

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラダー用ゴム組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タイヤ製造において、成型工程で
得られたグリーンタイヤは加硫工程で弾性を有する加硫
ゴム構造体に変わる。加硫工程において、グリーンタイ
ヤの外面からは、モールドをジャケットタイプの熱盤に
取り付けたりして加熱される。また、グリーンタイヤの
内面からは、袋状の形状をしているブラダーをタイヤの
内部に挿入し、蒸気等を圧入して加熱するのが一般的で
ある。
【0003】ブラダーは、加硫工程において加圧および
加熱条件下で繰り返し使用される事情から、ブラダ−の
寿命を長くし、その耐久性を高める必要がある。このよ
うな課題を解決するために、特開平5−31724号公
報には、最内層がブチルゴム、最外層がシリコーンゴム
からなる多層構造のブラダーが開示されている。特公平
6−24731号公報には、ブラダーがポリオルガノシ
ロキサンおよびカーボンブラックを含む例が開示されて
いる。特開昭62−68838号公報には、ブチルゴ
ム、ハロゲン化エチレンプロピレン三元共重合体ゴムお
よびメチロール化フェノール樹脂を配合した例が開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
先行技術では、ブラダーを構成するゴムとして、一般に
耐老化性が良好であるブチルゴム等が用いられてはいる
が、ブチルゴム、クロロプレンゴム等は分子内に2重結
合のあるゴムであるため、熱劣化、酸化劣化等によって
分子鎖が切断され、亀裂の生じることがある。ある場合
には切断された分子鎖は再結合するが、ゴム物性の低下
は避けられない。また、ブラダーゴム中のカーボンブラ
ックの分散性が悪いため、ブラダー中に凝集塊が残るよ
うになり、このカーボンブラックの凝集塊が核となって
亀裂が発生することもある。したがって、上述の先行技
術では、ブラダ−の寿命を長くし、その耐久性を高める
ことは十分に達成されていないのが現状である。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、ブラダ
ーの耐熱性と耐酸化性、およびブラダー中に含まれるカ
ーボンブラックの分散性を上げて、ブラダーの寿命を向
上させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ブラダーの
寿命を向上させるために、ブラダーの耐熱性と耐酸化
性、およびブラダー中に含まれるカーボンブラックの分
散性について鋭意検討した結果、前者については2重結
合のないゴム成分を使用すること、後者についてはカー
ボンブラックの造粒粒子径および造粒粒子分布が重要で
ある知見を得た。本発明者は、特定の2重結合のないゴ
ム成分を加硫させるためには、加硫剤の種類が重要であ
る知見をさらに得て、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明のブラダー用ゴム組成物
は、イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体のハロ
ゲン化物100重量部に対して、下記の特性を有するカ
ーボンブラック30〜80重量部と、下記の特性を有す
るアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂1.5〜
5.0重量部と、架橋触媒0.2〜2.0重量部とを配
合してなる。
【0008】カーボンブラック:造粒粒子の硬さが造粒
粒子径2mmに対して15×10-2N未満であり、造粒
粒子径分布が、造粒粒子径0.15mm以下のものが全
体の3重量%以下、造粒粒子径1.00mm以上のもの
が全体の20重量%以下であるもの アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂:ムーニー・
スコーチ時間が135±0.1℃において26.0〜2
8.5分であるもの 本発明のブラダー用ゴム組成物は、より一層物性を向上
させるために、好ましくは、前記ハロゲン化物100重
量部に対してチアゾール系添加剤0.5〜1.5重量部
をさらに配合してなるもの、前記ハロゲン化物100重
量部に対してイオウ1.0重量部以下をさらに配合して
なるもの、または、前記ハロゲン化物100重量部に対
してシリカ1〜10重量部をさらに配合してなるもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、ブラダー用ゴム
組成物は、イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体
のハロゲン化物と、カーボンブラックと、アルキルフェ
ノールホルムアルデヒド樹脂と、架橋触媒とを必須成分
として配合してなる。ブラダー用ゴム組成物は、上記必
須成分とともに、チアゾール系添加剤、イオウおよびシ
リカから選ばれる少なくとも1種をさらに配合したもの
でもよい。
【0010】イソブチレン−パラメチルスチレン共重合
体のハロゲン化物(以下、「イソブチレン−パラメチル
スチレン共重合体のハロゲン化物」を単に「ハロゲン化
物」ということがある。)は、イソブチレン構造単位と
パラメチルスチレン構造単位とを含み、ハロゲン化され
た共重合体である。このハロゲン化物においては、共重
合体の主鎖に2重結合は存在していない。このため、こ
のハロゲン化物は、重合反応や酸化反応等を起こさず、
耐熱性および耐酸化性に優れる。なお、イソブチレン構
造単位とは、イソブチレンが共重合することによって得
られるイソブチレンに由来する構造単位であり、下記式
(1)で示される構造単位である。パラメチルスチレン
構造単位とは、パラメチルスチレンが共重合することに
よって得られるパラメチルスチレンに由来する構造単位
であり、下記式(2)で示される構造単位である。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】ハロゲン化はパラメチルスチレン構造単位
中のメチル基について行われる。ハロゲン化は、塩素
化、臭素化およびヨウ素化のいずれであってもよいが、
臭素化は、比較的反応性が高く、物性のよいロゲン化物
を得させるため、好ましい。パラメチルスチレン構造単
位中のメチル基がハロゲン化されると、下記式(3)に
示すハロゲン置換メチル基となる。
【0014】
【化3】
【0015】(但し、Xはハロゲン原子、nは1〜3の
整数。) ハロゲン化の程度については特に限定はないが、式
(3)において通常は、n=1である。ハロゲン化物の
重量平均分子量については特に限定はないが、重量平均
分子量が350,000〜450,000であると、ブ
ラダーの寿命を向上させるのに重要である補強性および
伸長性のバランスが良好になる。
【0016】ハロゲン化物のムーニー粘度については特
に限定はないが、JIS K6300を参考にして測定
した125℃におけるムーニー粘度(ML1+8 120
℃)が45±5であると、ブラダーの寿命を向上させる
のに重要である補強性および伸長性のバランスが良好と
なる。ハロゲン化物は、イソブチレン構造単位とハロゲ
ン化されたパラメチルスチレン構造単位とを含み、これ
らの比率については特に限定はないが、ハロゲン化する
前におけるイソブチレン構造単位:パラメチルスチレン
構造単位(重量比)が、97:3〜93:7であると、
補強性および伸長性等の加硫ゴム物性と、スコーチ時間
および加工性等の未加硫ゴム物性とのバランスを良好に
することができる。
【0017】ハロゲン化物中のハロゲン含有量について
は特に限定はないが、0.6〜1.0重量%であると、
加硫ゴム物性と未加硫ゴム物性とのバランスを良好にす
ることができる。ハロゲン化物の製造方法については、
特に限定はないが、たとえば、(1)イソブチレンとパ
ラメチルスチレンとを共重合させて共重合体を得る共重
合工程と、(2)得られた共重合体をハロゲンと反応さ
せるハロゲン化工程と、を含む製造方法を挙げることが
できる。この製造方法は、ハロゲン化物を容易に、効率
良く製造することができるため、好ましい。
【0018】カーボンブラックは補強用に使用される。
カーボンブラックの種類については特に限定はない。カ
ーボンブラックの具体例としては、一般呼称がSAF、
ISAF、HAF、FEFおよびGPF等のカーボンブ
ラックを挙げることができる。これらのカーボンブラッ
クは1種または必要に応じて2種以上を使用することが
できる。その中でも、カーボンブラックがHAFである
と、補強性および分散性のバランスが良好となる。カー
ボンブラックは、通常、カーボンブラックの微粉末を造
粒したものである。カーボンブラックの微粉末を造粒し
たもののことを、カーボンブラックの造粒粒子という。
【0019】カーボンブラックの造粒粒子の硬さは、造
粒粒子径2mmのカーボンブラックについて15×10
-2N未満である。造粒粒子の硬さが高すぎると、ブラダ
ー中でのカーボンブラックの分散性を向上させることは
できない。なお、本発明における造粒粒子の硬さは、J
IS K−6221にある造粒粒子の硬さの試験方法に
よって測定した値である。
【0020】カーボンブラックの造粒粒子は、造粒粒子
径0.15mm以下のカーボンブラックが全体の3重量
%以下で、造粒粒子径1.00mm以上のカーボンブラ
ックが全体の20重量%以下である。このように、本発
明で用いるカーボンブラックの造粒粒子は極端に小さい
ものと極端に大きいものが除かれ、比較的大きさが揃っ
た粒子である。カーボンブラックの造粒粒子は、造粒粒
子径0.15mm以下のカーボンブラックが全体の1.
5重量%以下で、造粒粒子径1.00mm以上のカーボ
ンブラックが全体の10重量%以下であることが好まし
い。造粒粒子径0.15mm以下および1.00mm以
上のカーボンブラックが多すぎると、ブラダー中でカー
ボンブラックの凝集塊が残り、カーボンブラックの分散
性を向上させることが困難となるからである。
【0021】カーボンブラックの配合量は、ハロゲン化
物100重量部に対して30〜80重量部であり、好ま
しくは45〜65重量部である。カーボンブラックの配
合量が少なすぎると、補強性が劣り、耐久性が悪くなる
傾向がある。また、カーボンブラックの配合量が多すぎ
ると、ブラターの伸長性が小さくなり、耐久性が悪くな
る傾向がある。
【0022】アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂
は、補強性を付与するための加硫剤として使用されるの
であり、ムーニー・スコーチ時間が長く、早期加硫の生
起しにくいものが使用される。アルキルフェノールホル
ムアルデヒド樹脂の種類については特に限定はないが、
アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂中のメチロー
ル基の含有量は、通常、7〜10重量%である。
【0023】アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂
としては、そのムーニー・スコーチ時間が135±0.
1℃において26.0〜28.5分のものが使用され
る。なお、本発明でのムーニー・スコーチ時間とは、ア
ルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂12重量部、ブ
チルゴム100重量部、クロロプレンゴム15重量部、
ステアリン酸1重量部、亜鉛華5重量部、ひまし油5重
量部およびHAFカーボン50重量部からなる配合物に
ついて、ムーニービスコスメーター(SMV−201)
を用いて測定され、テスト開始からムーニービスコスメ
ーターが5ポイント上昇するまでの所要時間のことであ
る。アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂のムーニ
ー・スコーチ時間が上記より短時間過ぎると、加工作業
性が悪くなるとともに、ブラダーの耐久性を向上させる
ことができない。また、ムーニー・スコーチ時間が上記
より長時間過ぎると、架橋時間が長くなり、生産性が低
下する。
【0024】アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂
の配合量は、ハロゲン化物100重量部に対して1.5
〜5.0重量部であり、好ましくは2.5〜4.0重量
部である。アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂の
配合量が少なすぎると、補強性が劣り、耐久性が悪くな
る傾向がある。ブラダー用ゴム組成物中のハロゲン化物
は、主に、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂と
架橋することによってブラダーを構成する。ブラダー用
ゴム組成物の架橋は、大半が「樹脂架橋」と呼ばれてい
る架橋であり、ブラダー用ゴム組成物中の架橋触媒によ
って架橋する。この架橋機構は、重合体側鎖中の2重結
合とイオウとが反応する通常のイオウ架橋とは異なって
いる。ブラダー用ゴム組成物の樹脂架橋機構は、前述の
ハロゲン置換メチル基が架橋触媒によって解離すること
によってカルボカチオンが生成し、これがアルキルフェ
ノールホルムアルデヒド樹脂中の芳香環またはフェノー
ル性水酸基を攻撃するものであると考えられている。
【0025】架橋触媒としては特に限定はないが、架橋
触媒の具体例としては、酸化亜鉛(ZnO)、ステアリ
ン酸亜鉛(ZnSt)等を挙げることができる。これら
の架橋触媒は、1種または必要に応じて2種以上を使用
することができる。その中でも、架橋触媒がステアリン
酸亜鉛であると好ましい。架橋触媒の使用量については
特に限定はないが、ハロゲン化物100重量部に対し
て、架橋触媒0.2〜2.0重量部であると、架橋反応
が適正に行われる。なお、架橋触媒としてステアリン酸
亜鉛を用いる場合は、酸化亜鉛とステアリン酸とを、別
々または同時に混合することによって、生成したステア
リン酸亜鉛がブラダー用ゴム組成物中で架橋触媒として
作用するようになる。
【0026】架橋触媒は架橋直前に添加して、本発明の
ブラダー用ゴム組成物を完成するのが好ましい。ブラダ
ー用ゴム組成物中に架橋触媒を入れてそのまま長時間放
置すると樹脂架橋が進行してしまうことがあるからであ
る。架橋条件については、架橋温度が150〜190
℃、架橋時間が0.25〜1.5時間の条件であると、
架橋反応がさらに適正に行われる。
【0027】上記樹脂架橋において、ハロゲン置換メチ
ル基が架橋触媒によって解離することによりカルボカチ
オンが生成するが、樹脂架橋とは別に、これがハロゲン
化物中の芳香環を攻撃して架橋するという「ポリマー間
架橋」と呼ばれている架橋もおこる。ブラダー用ゴム組
成物は添加剤としてチアゾール系添加剤をさらに配合し
たものでもよい。チアゾール系添加剤はアルキルフェノ
ールホルムアルデヒド樹脂の架橋反応を抑制する作用が
ある。
【0028】チアゾール系添加剤としては特に限定はな
いが、チアゾール系添加剤の具体例としては、ジベンゾ
チアジルジスルフィド(MBTS)、メルカプトベンゾ
チアゾールのシクロヘキシルアミン塩(CMBT)、N
−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルホンアミド
(CBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾ
ールスルフェンアミド(OBS)、メルカプトベンゾチ
アゾール(MBT)、N−tert−ブチル−2−ベン
ゾチアゾイルスルフェンアミド(TBBS)、メルカプ
トベンゾチアゾールの亜鉛塩(ZnMBT)等を挙げる
ことができる。これらのチアゾール系添加剤は1種また
は必要に応じて2種以上を使用することができる。その
中でも、チアゾール系添加剤がジベンゾチアジルジスル
フィド(MBTS)であると、ムーニー・スコーチ時間
および加硫時間がより適正になる。
【0029】チアゾール系添加剤の配合量は、ハロゲン
化物100重量部に対し、チアゾール系添加剤0.5〜
1.5重量部であり、好ましくは0.75〜1.25重
量部である。チアゾール系添加剤の配合量が少なすぎる
と、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂の架橋反
応を十分に抑制できなくなり、架橋反応が進行しすぎ、
硬化によって伸長性が小さくなり、耐久性が悪くなる傾
向がある。また、ジベンゾチアジルジスルフィドの配合
量が多すぎると、架橋反応を過度に抑制してしまい、補
強性が低下し、耐久性が悪くなる傾向がある。
【0030】ブラダー用ゴム組成物はイオウをさらに配
合したものでもよい。イオウを添加することによって、
アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂の架橋反応を
抑制することができる。イオウの配合量は、ハロゲン化
物100重量部に対し、イオウ1.0重量部以下であ
り、好ましくは0.7重量部以下である。イオウの配合
量が多すぎると、架橋反応を過度に抑制してしまい、補
強性が低下し、耐久性が悪くなる傾向がある。
【0031】ブラダー用ゴム組成物はシリカをさらに配
合したものでもよい。ブラダー用ゴム組成物のムーニー
・スコーチ時間が長くなれば、ブラダーの寿命を伸ばす
ことができる。そこで、本発明では、アルキルフェノー
ルホルムアルデヒド樹脂として、ムーニー・スコーチ時
間の長いもの、すなわち、135±0.1℃において2
6.0以上のものを用いることによって、ブラダー用ゴ
ム組成物のムーニー・スコーチ時間を長くしようとし
た。しかし、本発明者の知見によれば、アルキルフェノ
ールホルムアルデヒド樹脂のムーニー・スコーチ時間を
長くしてブラダーの寿命を伸ばすことには限界があっ
て、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂のムーニ
ー・スコーチ時間を長くしてもブラダー用ゴム組成物自
体のムーニー・スコーチ時間はそれほどには長くなら
ず、しかも、前述のように架橋時間が長くなり、生産性
を低下させるという問題が生じてくるのである。そこ
で、本発明者は、この問題を解決するために、種々工
夫、研究を重ねた結果、シリカの配合がブラダーゴム組
成物のムーニー・スコーチ時間を大幅に長くさせること
ができ、しかも、架橋時間をそれほど長くはさせないこ
とを見いだした。すなわち、ハロゲン化物、カーボンブ
ラックおよびアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂
が必須成分として配合され、チアゾール系添加剤および
/またはイオウが配合されることがある本発明のブラダ
ー用ゴム組成物は、シリカを配合することによって、ブ
ラダーの寿命を大いに向上させることができ、しかも、
ブラダーの寿命のばらつきをも小さくして、その品質を
安定させることができるのである。
【0032】シリカの配合量は、ハロゲン化物100重
量部に対し、シリカ1〜10重量部であり、好ましくは
3〜6重量部である。シリカの配合量が上記よりも少な
すぎると、ブラダーの寿命が期待するほど長くならず、
さらに寿命もばらついて品質が安定しないことがある。
また、シリカの配合量が上記よりも多すぎると、この場
合も、架橋時間が長くなり、ブラダーの生産性が低下す
るようになる。
【0033】ブラダー用ゴム組成物は、上記で説明した
成分以外に、ホワイトカーボン、無水ケイ酸、含水ケイ
酸、合成ケイ酸、活性化炭酸カルシウム、タルク、アル
ミナ等の無機補強剤;ハイスチレン樹脂、クマロンイン
デン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラミン樹
脂、石油樹脂等の有機補強剤;加硫剤;加硫促進剤;老
化防止剤;耐熱性向上剤;難燃剤;熱伝導付与剤等を添
加することができる。
【0034】ブラダー用ゴム組成物の製造方法として
は、公知の方法を適用することができる。上記各成分
を、たとえば、バンバリーミキサー等の混練機を用い
て、混練温度が110〜150℃、混練時間が5〜15
分間の条件で混練する方法等を適用することができる。
ブラダー用ゴム組成物は、前述のように架橋することに
よって、耐熱性と耐酸化性、およびブラダー中に含まれ
るカーボンブラックの分散性が高く、寿命の長いブラダ
ーとなる。
【0035】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例および比較例
を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。 (実施例1〜10および比較例1〜5)バンバリーミキ
サーを用いて、混練温度130℃、混練時間10分間の
条件で下記の表1および表2に示したそれぞれの配合の
成分1のみを混練し、さらにそれぞれの配合の成分2を
添加後混練してブラダー用ゴム組成物を製造した。な
お、実施例1〜10および比較例2〜5において、架橋
触媒であるステアリン酸亜鉛は、成分1中のステアリン
酸と成分2中の酸化亜鉛とから生成した。得られたブラ
ダー用ゴム組成物を加硫させる前にスコーチ時間を測定
し、その結果を表1および表2に併記した。
【0036】ブラダー用ゴム組成物を押出機を使用して
押出し、190℃、30分間加硫して、乗用車サイズの
ブラダーを製作した。ブラダーを加硫機に装着して加硫
機を繰り返し作動させ、ブラダーが破壊するまでの回数
(ブラダー寿命)をそれぞれについていずれも10回測
定した。その結果を表1および表2に併記した。なお、
表1および表2において、イソブチレン−パラメチルス
チレン共重合体の臭素化物として用いられるEXXPR
O93−5は、125℃におけるムーニー粘度(ML
1+8 120℃)が45±5℃で、イソブチレン構造単
位:パラメチルスチレン構造単位(重量比)が95:5
で、臭素含有量が0.8重量%で、重量平均分子量が4
00,000である。
【0037】また、アルキルフェノールホルムアルデヒ
ド樹脂として用いられるタッキロール201SRは、タ
ッキロール201SRを12重量部、ブチルゴム100
重量部、クロロプレンゴム15重量部、ステアリン酸1
重量部、亜鉛華5重量部、ひまし油5重量部およびHA
Fカーボン50重量部からなる配合物を、ムーニービス
コスメーター(SMV−201)を使用して、ムーニー
ビスコスメーターが135±0.1℃において5ポイン
ト上昇するまでの所要時間(ムーニー・スコーチ時間)
が27.0分であるものである。同様に測定すると、タ
ッキロール201のムーニー・スコーチ時間は23分で
ある。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1および表2に示す各成分の詳細は以下
のとおり。 *1 ブチル268(エクソン社製) *2 ネオプレンW(昭和電工・デュポン社製) *3 EXXPRO93−5(エクソン社製) *4 N330タイプ(キャボロト社製)、造粒粒子径
1mm以上のものが全体の85重量%、造粒粒子径0.
15mm以下のものが全体の0.5重量%、造粒粒子径
2mmのものの造粒粒子の硬さが26×10-2Nであ
る。
【0041】*5 N330タイプの改良品(キャボロ
ト社製)、造粒粒子径1mm以上のものが全体の19重
量%、造粒粒子径0.15mm以下のものが全体の2重
量%、造粒粒子径2mmのものの造粒粒子の硬さが14
×10-2Nである。 *6 タッキロール201(田岡化学社製) *7 タッキロール201SR(田岡化学社製) *8 ウルトラシールVN3(デグサ製)
【0042】
【発明の効果】本発明のブラダー用ゴム組成物を用いる
と、ブラダーの耐熱性と耐酸化性、およびブラダー中に
含まれるカーボンブラックの分散性が上がるため、ブラ
ダーの寿命を向上させることができる。前記ハロゲン化
物100重量部に対してチアゾール系添加剤0.5〜
1.5重量部をさらに配合してなると、アルキルフェノ
ールホルムアルデヒド樹脂の架橋反応を抑制することが
でき、伸長性および補強性の低下はなく、耐久性がよく
なる。
【0043】前記ハロゲン化物100重量部に対してイ
オウ1.0重量部以下をさらに配合してなると、アルキ
ルフェノールホルムアルデヒド樹脂の架橋反応を抑制す
ることができ、補強性の低下はなく、耐久性がよくな
る。前記ハロゲン化物100重量部に対してシリカ1〜
10重量部をさらに配合してなると、ブラダーの寿命を
大いに向上させることができ、しかも、ブラダーの寿命
のばらつきをも小さくして、その品質を安定させること
ができる。さらに、シリカを配合したブラダー用ゴム組
成物では、生産性を実質的に低下させることなく、加工
作業性を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 23/28 61:10)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソブチレン−パラメチルスチレン共重合
    体のハロゲン化物100重量部に対して、下記の特性を
    有するカーボンブラック30〜80重量部と、下記の特
    性を有するアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂
    1.5〜5.0重量部と、架橋触媒0.2〜2.0重量
    部とを配合してなるブラダー用ゴム組成物。 カーボンブラック:造粒粒子の硬さが造粒粒子径2mm
    に対して15×10-2N未満であり、造粒粒子径分布
    が、造粒粒子径0.15mm以下のものが全体の3重量
    %以下、造粒粒子径1.00mm以上のものが全体の2
    0重量%以下であるもの アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂:ムーニー・
    スコーチ時間が135±0.1℃において26.0〜2
    8.5分であるもの
  2. 【請求項2】前記ハロゲン化物100重量部に対してチ
    アゾール系添加剤0.5〜1.5重量部をさらに配合し
    てなる請求項1に記載のブラダー用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】前記ハロゲン化物100重量部に対してイ
    オウ1.0重量部以下をさらに配合してなる請求項1ま
    たは2に記載のブラダー用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】前記ハロゲン化物100重量部に対してシ
    リカ1〜10重量部をさらに配合してなる請求項1〜3
    のいずれかに記載のブラダー用ゴム組成物。
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