JPH09201653A - 建材及び器物用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

建材及び器物用アルミニウム合金板の製造方法

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JPH09201653A
JPH09201653A JP930596A JP930596A JPH09201653A JP H09201653 A JPH09201653 A JP H09201653A JP 930596 A JP930596 A JP 930596A JP 930596 A JP930596 A JP 930596A JP H09201653 A JPH09201653 A JP H09201653A
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Yoshiro Togami
義朗 戸上
Yasushi Ooyama
耕史 大山
Hidemiki Matsumoto
英幹 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建材及び器物用アルミニウム合金板を連続鋳
造圧延法で製造する場合、建材及び器物として使用可能
な製造方法を見出すこと。 【解決手段】 建材及び器物用アルミニウム合金板の連
続鋳造圧延法による製造方法であり、アルミニウム合金
溶湯を厚さ30mm以下の鋳造板に鋳造し、これを冷間
圧延し、必要に応じて中間焼鈍し、さらに最終冷間圧延
や最終焼鈍を行う製造方法において、前記鋳造板に連続
鋳造する際、鋳造ノズルで前記アルミニウム合金溶湯を
可動鋳型間に、水平方向から若しくは水平方向に対し下
方から上方に傾斜して又は真下から供給し、かつその供
給溶湯のノズル先端での噴出圧力を0.6kPa以下で
供給することを特徴とする建材及び器物用アルミニウム
合金板の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材及び器物用ア
ルミニウム合金板の製造方法であり、より詳しくはこの
板を連続鋳造圧延法によって製造する場合、この連続鋳
造条件の改良により、最終的に陽極酸化処理が施される
建材及び器物用アルミニウム合金板としての使用を可能
とする製造方法に関するものである。なお、本明細書に
おいて「アルミニウム合金」なる語は、純アルミニウム
及びアルミニウム合金いずれも含むものとする。
【0002】
【従来技術】一般に建材及び器物用アルミニウム合金板
の製造方法としては、アルミニウム合金溶湯を半連続鋳
造法により鋳造したスラブを均質化熱処理後、熱間圧延
及び冷間圧延(必要に応じて焼鈍)を施すか若しくは先
の溶湯を可動鋳型(図2に示す水冷したドラム4、5又
は図5に示す水冷したベルト8、9)間に連続的に供給
して、板厚30mm以下の鋳造板とし、その後これを冷
間圧延(必要に応じその前、中、後に焼鈍を行う場合も
ある)して、所定の寸法の板材(例えば板厚1〜3m
m)とした後、建材の場合は防食、表面硬化、着色等を
目的として陽極酸化処理(皮膜厚20μm前後)を施
し、又器物の場合は成形加工(深絞り、張出加工等)
し、さらに陽極酸化処理(皮膜厚20μm前後)を施し
て製品とするのが一般的である。
【0003】しかしながら、建材及び器物用アルミニウ
ム合金板は、上記工程により板にした後,前記のごとく
最終的に陽極酸化処理が施されるため、板の金属組織の
均一性が表面品質に大きく影響を及ぼす。すなわち金属
組織にばらつきがあると陽極酸化処理後の外観が帯状あ
るいは斑状に不均一となり不良となる。
【0004】この金属組織のばらつきを引き起こす原因
の一つとして、鋳造組織の不均一が挙げられる。例えば
半連続鋳造法により鋳造されたスラブの鋳造組織は、一
般に鋳肌から内部に移るに従いチル層、粗大セル層、微
細セル層と組織が変化する。ここでチル層と粗大セル層
を併せた部分は一般に「額縁」と呼ばれ不安定な金属組
織となり表面品質に悪影響を及ぼすため、面削により削
り落とすことが通常となっている。この方法によるアル
ミニウム合金板の製造は、このように面削したスラブを
均質化熱処理及び熱間圧延し、続いて冷間圧延(必要に
より焼鈍)して、所定の板としている。
【0005】また連続鋳造圧延法は、鋳塊の均質化熱処
理および熱間圧延工程が省略され、歩留りおよびエネル
ギー効率の向上等において非常に有効な方法であるとと
もに、溶湯の冷却速度を速くすることができるため合金
成分が強制固溶され易く、かつ、第2相粒子が微細にな
り易いので、一般に強度に優れた箔が得られるメリット
がある。
【0006】しかしながら、この連続鋳造圧延法は、そ
の製造の基本原理から供給される溶湯に対し鋳型が連続
的に移動するため、鋳造時の溶湯と可動鋳型の接触が不
安定である。このために溶湯の凝固速度にばらつきを生
じ易くこれが原因で鋳造組織が不均一となるという問題
がある。この代表的な例として一般に「リップルマー
ク」もしくは「レベルライン」と呼ばれるものがあり、
これは鋳造コイルの長手方向において数mmピッチで周
期的に鋳造組織が変動する不具合のことで、この不具合
のために最終製品の箔においても組織が不均一となり、
エッチングむらが発生して静電容量の低下を招く。この
鋳造組織の不均一な部分を半連続鋳造法同様面削により
落とすことは、板厚が30mm以下程度と薄く工程的に
も困難であり、また通常この組織変動は板厚内部数mm
の深さ若しくは場合によっては板厚中心部まで影響して
いるため、歩留まりを考えると現実的な方法ではない。
【0007】前述のように連続鋳造圧延法は、半連続鋳
造法に比べ生産効率および特性の面からは魅力ある方法
であるが、鋳造組織の不均一が生じこの部分を除去する
ことも困難であるため、陽極酸化処理を施す建材及び器
物用アルミニウム合金板への適用ができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の問題点を解決することであり、具体的には建
材及び器物用アルミニウム合金板の連続鋳造圧延法によ
る製造において、この合金板の製造に適した均一で微細
な鋳造組織を有する鋳造板を得るための鋳造条件を見出
し、陽極酸化処理を施す建材及び器物用アルミニウム合
金板として使用可能な製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、建材及び器物用アルミニウム合金板の連続
鋳造圧延法による製造方法であり、アルミニウム合金溶
湯を厚さ30mm以下の鋳造板に連続鋳造し、これを冷
間圧延し、必要に応じて中間焼鈍し、さらに最終冷間圧
延や最終焼鈍を行う製造方法において、前記鋳造板に連
続鋳造する際、鋳造ノズルで前記アルミニウム合金溶湯
を可動鋳型間に、水平方向から若しくは水平方向に対し
下方から上方に傾斜して又は真下から供給し、かつその
供給溶湯のノズル先端での噴出圧力を0.6kPa以下
で供給することを特徴とする建材及び器物用アルミニウ
ム合金板の製造方法である。本発明において、前記アル
ミニウム合金溶湯の可動鋳型間への供給は、水平方向に
対し下方から上方に傾斜して又は真下から供給すること
が更に望ましい。また、本発明において、前記供給溶湯
のノズル先端での噴出圧力は0.4kPa以下で供給す
ることが更に望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明について、詳細に説明
する。本発明の各構成要件のうち、まず建材及び器物用
アルミニウム合金について説明する。本発明における建
材用アルミニウム合金としては、純Al系のJIS10
50合金(Al分が99.50wt%以上で、Fe0.
40wt%以下、Si0.25wt%以下、Cu0.0
5wt%以下)、JIS1100合金(Al分が99.
00wt%以上で,Fe+Si0.95wt%以下、C
u0.1wt%)、JIS1200合金(Al分が9
9.00wt%以上で,Fe+Si1.00wt%以
下、Cu0.05wt%以下)等、Al合金系のJIS
5005合金(Al−0.8wt%Mg合金)等であ
る。また、器物用アルミニウム合金としては、前記の純
Al系のJIS1050合金、1100合金、1200
合金等、Al合金系のJIS3003合金(Al−1.
2wt%Mn−0.15wt%Cu合金)等であるが、
本発明は建材及び器物用のいわゆる純Al系、Al合金
系のいずれにも適用でき、これらに限定されるものでは
ない。
【0011】次に、鋳造以降の製造条件について説明す
る。本発明ではアルミニウム合金を鋳造するにあたり、
溶湯から直接板厚30mm以下の鋳造板に鋳造する連続
鋳造圧延法を用いる。ここで板厚を30mm以下とした
理由として、前にも述べたように連続鋳造圧延法では溶
湯の冷却速度を高くすることができるため合金成分が強
制固溶され易く、かつ、金属間化合物粒子が微細になり
易いためこれにより材料特性として各種メリットが得ら
れるが、板厚が30mm以上になると強制固溶に十分な
冷却速度が得られず、金属間化合物が粗大化するので好
ましくない。また、板厚があまり厚いと下工程での圧延
工数が多くなり経済的でない。したがって 板厚は薄け
れば薄いほど良いが、好ましくは15mm以下、さらに
好ましくは10mm以下が良い。
【0012】なお、ここで対象としている連続鋳造圧延
法における連続鋳造は、図2に示す双ドラム4、5を用
いたハンター法、3C法、図5に示す双ベルト8、9を
用いたヘズレー法等が挙げられるが、本発明ではこれら
のうちの特定の方法に何ら限定されるものではない。
【0013】本発明の連続鋳造圧延法について、図1〜
図5を用いて説明する。図1は、双ドラム4、5による
可動鋳型装置で、連続鋳造板6を製造する一例を示す平
面図である。図2は、図1の矢視A−Aにおける断面図
であり、鋳造ノズル2で溶湯を水平方向から可動鋳型
4、5に供給する説明図である。図3は、双ドラム4、
5による可動鋳型装置で、鋳造ノズル2で溶湯を、水平
方向に対し下方から上方に傾斜して可動鋳型4、5に供
給する説明図である。図4は、双ドラム4、5による可
動鋳型装置で、鋳造ノズル2で溶湯を、真下から可動鋳
型4、5に供給する説明図である。図5は、ローラ10
〜13によって駆動される双ベルト8、9による可動鋳
型装置で、連続鋳造板6を製造する一例を示す説明図で
ある。
【0014】まず所定の合金成分に調整されたアルミニ
ウム合金溶湯3は、図示しない溶解保持炉からトラフを
通じて一旦湯溜まり(通常ヘッドボックスなどと呼ばれ
ている)1に溜められ、その後鋳造ノズル2を通って水
冷された可動鋳型(ドラム)4、5又は可動鋳型(ベル
ト)8、9へと導かれる。なお、21はノズルの溶湯導
管であり、22はノズルの先端であり、6は鋳造板であ
る。溶湯を一旦湯溜まり1に溜める大きな目的として次
の二つがある。すなわち溶湯3を所定の鋳造温度に管
理し鋳造時の溶湯温度を一定にする、鋳造ノズル先端
22のレベルに対する湯溜まり1の湯面高さ(以後「溶
湯ヘッド」と呼ぶ、図2〜図5において7で示す)を調
整することにより鋳造ノズル先端22からの溶湯の噴出
圧力を調整するためである。
【0015】ここでに関して湯溜まり1での溶湯温度
は、高すぎると溶湯が鋳型に接触し脱離するまでに十分
な凝固が達成されないため完全な形の鋳造板6が得られ
ず、逆に低すぎると溶湯が可動鋳型4、5に達する前に
鋳造ノズル内部で凝固してしまい鋳造不可能となるた
め、適当な温度に保持することが望まれる。通常、この
温度を一定にするということは鋳造ノズル先端22での
溶湯温度を一定にすることであり、溶湯3が湯溜まり1
から鋳造ノズル先端22に達する間の放熱状況等により
設定しなければならないが、一般的には680〜760
℃、好ましくは685〜720℃の範囲とする。
【0016】また、前述のに関連して本発明では、鋳
造ノズル2の先端22からの溶湯噴出圧力が0.6kP
a以下になるように溶湯ヘッド7を調整する。連続鋳造
圧延法では溶湯を鋳型に供給する場合、鋳型に対し溶湯
の供給が上方からの場合は重力に従って落差で流せばよ
いが、本発明の対象としている溶湯3を可動鋳型4、5
に供給する場合は、水平方向から若しくは水平方向に対
し下方から上方に傾斜して又は真下から供給し、鋳造ノ
ズルから溶湯を噴出するための圧力を生じさせなければ
ならない。本発明において、可動鋳型4、5への溶湯3
の供給を、上方からではなく水平方向から若しくは水平
方向に対し下方から上方に傾斜して又は真下から供給す
るようにしたのは、溶湯噴出圧力を調整し易いからであ
る。なお、可動鋳型4、5への溶湯3の供給は、上記の
理由から水平方向に対し下方から上方に傾斜して又は真
下から供給するのが、より好ましい。通常この溶湯噴出
圧力は、溶湯ヘッド7をつけることで調整され溶湯の供
給を促す。この溶湯の噴出圧力は、溶湯が鋳造ノズル周
囲へ周り込む程度あるいは鋳造ノズルおよびその他の部
材を破損しない程度であれば、溶湯の供給不足を避ける
ために高めに設定するのが通例で、従来は1kPa程度
であった。
【0017】しかし本発明において、溶湯の噴出圧力が
高いことは溶湯の供給不足を防ぐ上では有効であるが、
必要以上に高すぎる圧力は、可動鋳型4、5と溶湯の接
触位置を変動させる原因となり、均一な鋳造組織を得る
ためにはむしろ逆効果であることがわかった。噴出圧力
が高い場合、鋳造ノズル先端22と可動鋳型4、5の間
に生じるエアーギャップへの溶湯のまくれ込みが周期的
に生じ、これにより可動鋳型と溶湯の接触位置が変化し
て鋳造組織変動が生じ、リップルマークとして出現す
る。しかし噴出圧力が低い場合は、可動鋳型4、5の移
動に順応して溶湯が移動するため鋳型と溶湯の接触位置
が常に一定に保たれ、結果としてリップルマークの出現
しない均一な鋳造組織となる。
【0018】図6に本発明を導くに至った鋳造ノズル先
端22での溶湯噴出圧力とリップルマーク出現の有無
(鋳造組織の均一性)との関係を示す。なお、Al合金
溶湯は1050合金を使用した。また、図7(a)
(b)は、溶湯噴出圧力の相違による鋳造板の外観写真
である。(a)はリップルマークが出現しない良好なも
の(溶湯噴出圧力0.25kPa)、(b)はリップル
マークが出現したもの(溶湯噴出圧力1.0kPa)で
ある。なお、外観写真(b)中の矢印は、リップルマー
ク出現の位置を示す。これらの理由により本発明では、
溶湯ヘッド7を低くし溶湯の噴出圧力をできるだけ小さ
くする。具体的には溶湯噴出圧力が0.6kPa以下、
好ましくは0.4kPa以下とすることが望ましい。
【0019】なお,鋳造速度、鋳型の冷却温度および鋳
型ギャップ等のその他の鋳造条件は、目的とする製品サ
イズ、特性および設備能力等を考慮して設定すればよ
く、本発明では何ら規定するものではない。
【0020】上記のように鋳造された鋳造板6は、必要
に応じてその直後で圧延が行われるか若しくはそのまま
コイルに巻取られる。さらにその後冷間圧延により所望
のサイズまで圧延(必要に応じてその前、中、後におい
て1 〜数回の焼鈍を行う)されて、建材及び器物用アル
ミニウム合金板とし、建材については更に陽極酸化処理
を施し、また器物については成形加工(深絞り、張出加
工等)を行った後、更に陽極酸化処理を施し製品とされ
る。
【0021】建材及び器物用アルミニウム合金板は、前
記のごとく最終的には陽極酸化処理されるが、その場合
に板表面に前記のリップルマーク(この部分は金属組織
が不均一である)が発生すると、前記表面処理で均一な
表面が得られないが、前述のごとく製造した本発明に係
る建材及び器物用アルミニウム合金板は、後に記す実施
例でも明らかなごとく、均一な表面が得られ建材および
器物として十分に使用できるものである。
【0022】
【実施例】
(実施例1)表1に示した建材用アルミニウム合金(1
050、1100、1200、5005)溶湯を図2、
図3、図4に示す双ドラムを用いたハンター法により板
厚7mmおよび10mmの鋳造板6のコイルとした。こ
れらの鋳造を行うにあたり、鋳造ノズル2の先端22か
らの溶湯噴出圧力を湯溜まり(ヘッドボックス)1での
溶湯ヘッド7の高さを調整することにより変化させ、本
発明例および比較例、従来例とした。なお、溶湯3の噴
出圧力は、ノズルチップ先端22にセットした圧力セン
サによりモニタし、この値は溶湯ヘッド7に対応してい
る溶湯重量から計算により求めた圧力とほぼ相違ないこ
との確認も行った。また、鋳造ノズル2の傾きも種々変
えた。これらの条件を表1に記した。
【0023】
【表1】
【0024】上記以外の鋳造条件は以下のとおりであ
る。 ・鋳造板の板幅:1300mm ・溶湯温度 :700℃ ・鋳造速度 :1000mm/min. ・冷却速度 :300〜700℃/sec. これらの鋳造板6のコイルを表1に示した条件で、冷間
圧延および中間焼鈍を行い、さらに冷間圧延して厚さ2
mmの建材用アルミニウム合金板を製造した。
【0025】このようにして得られた板について、以下
に示す処理条件で陽極酸化処理し、厚さ20μmの酸化
皮膜を形成した。 〔陽極酸化処理条件〕 前処理 : 50℃の5%NaOH溶液中に1分間浸漬後、室温の30%H NO3 溶液中に1分間浸漬して水洗 ↓ 陽極酸化: 20℃の15%H2 SO4 溶液中で電流密度1.3A/dm2 で処理を行い、厚さ20μmの皮膜を形成 ↓ 水 洗 : 水道水で15分 ↓ 封 孔 : 沸騰した純水中に15分間浸漬 ↓ 乾 燥 : 熱風乾燥
【0026】このようにして出来たサンプルについて、
以下の方法で外観の均一性を評価した。 〔評価方法〕外観を目視により観察し、処理後の外観の
均一性が優れているもの◎、良好なもの〇、やや劣って
いるもの△、劣っているもの×として判定を行った。こ
れらの結果を、表1に併記した。
【0027】表1から明らかなように、本発明範囲の条
件で製造した建材用アルミニウム合金板は、表面の均一
性に優れており、建材用アルミニウム合金板して使用可
能であることが確認された。
【0028】(実施例2)表2に示した器物用アルミニ
ウム合金(1050、1100、3003)溶湯を図
2、図3、図4に示す双ドラムを用いたハンター法によ
り板厚7mmおよび10mmの鋳造板6のコイルとし
た。これらの鋳造は、実施例1と同様に溶湯噴出圧力と
鋳造ノズルの傾きを種々変えて本発明例および比較例、
従来例とした。これらの条件を表2に記した。
【0029】
【表2】
【0030】溶湯噴出圧力と鋳造ノズルの傾き以外の他
の鋳造条件(鋳造板の板幅、溶湯温度、鋳造速度、冷却
速度)は実施例1と同様である。これらの鋳造板6のコ
イルを表2に示した条件で、冷間圧延および一部中間焼
鈍を行い、さらに冷間圧延して厚さ3mmの器物用アル
ミニウム合金板を製造した。これらの板について、40
0℃で10時間の最終焼鈍を行った後、深絞り加工を行
って、深さ10mm、直径200mmの鍋状とし、更に
実施例1と同様の条件で陽極酸化処理を行い厚さ20μ
mの皮膜を形成した。このようにして得られた器物の外
観を実施例1と同様な基準で評価し、その結果を表2に
併記した。
【0031】表2から明らかなように、本発明範囲の条
件で製造した器物用アルミニウム合金板は、表面の均一
性に優れており、器物用アルミニウム合金板して使用可
能であることが確認された。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
よれば、建材及び器物用アルミニウム合金板を連続鋳造
圧延法で製造しても、これらの合金板の製造に適した均
一で微細な鋳造組織を有する鋳造板を得ることが出来、
従って陽極酸化処理を施しても均一な表面が得られ、建
材及び器物用アルミニウム合金板としての使用を可能と
するもので、工業上顕著な効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】双ドラムによる可動鋳型装置で、連続鋳造板を
製造する一例を示す平面図である。
【図2】図1の矢視A−Aにおける断面図であり、鋳造
ノズルで溶湯を水平方向から可動鋳型に供給する説明図
である。
【図3】鋳造ノズルで溶湯を、水平方向に対し下方から
上方に傾斜して可動鋳型に供給する説明図である。
【図4】鋳造ノズルで溶湯を、真下から可動鋳型に供給
する説明図である。
【図5】双ベルトによる可動鋳型装置で、連続鋳造板を
製造する一例を示す説明図である。
【図6】溶湯噴出圧力とリップルマークの出現の有無
(鋳造組織の均一性)との関係を示す説明図である。
【図7】鋳造板表面の外観を示す写真で、(a)は良好
なもの、(b)はリップルマークの発生したものであ
る。
【符号の説明】
1 湯溜まり(ヘッドボックス) 2 鋳造ノズル 21 ノズルの溶湯導管 22 ノズルの先端 3 溶湯 4、5 ドラム(可動鋳型) 6 鋳造板 7 溶湯ヘッド 8、9 ベルト(可動鋳型) 10〜13 ローラ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】図6に、本発明を導くに至った鋳造ノズル
先端22での溶湯噴出圧力とリップルマーク出現の有無
(鋳造組織の均一性)との関係を示す。なお、Al合金
溶湯は1050合金を使用した。また、図7(a)
(b)は、溶湯噴出圧力の相違による鋳造板表面の金属
表面組織を示す光学顕微鏡写真である。(a)はリップ
ルマークが出現しない良好なもの(溶湯噴出圧力0.2
5kPa)、(b)はリップルマークが出現したもの
(溶湯噴出圧力1.0kPa)である。なお、光学顕微
鏡写真(b)中の矢印は、リップルマークの出現の位置
を示す。これらの理由により本発明では、溶湯ヘッド7
を低くし溶湯の噴出圧力をできるだけ小さくする。具体
的には溶湯噴出圧力が0.6kPa以下、好ましくは
0.4kPa以下とすることが望ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】鋳造板の金属表面組織を示す光学顕微鏡写真
、(a)は良好なもの、(b)はリップルマークの発
生したものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22F 1/04 C22F 1/04 A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建材及び器物用アルミニウム合金板の連
    続鋳造圧延法による製造方法であり、アルミニウム合金
    溶湯を厚さ30mm以下の鋳造板に連続鋳造し、これを
    冷間圧延し、必要に応じて中間焼鈍し、さらに最終冷間
    圧延や最終焼鈍を行う製造方法において、前記鋳造板に
    連続鋳造する際、鋳造ノズルで前記アルミニウム合金溶
    湯を可動鋳型間に、水平方向から若しくは水平方向に対
    し下方から上方に傾斜して又は真下から供給し、かつそ
    の供給溶湯のノズル先端での噴出圧力を0.6kPa以
    下で供給することを特徴とする建材及び器物用アルミニ
    ウム合金板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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