JPH09199792A - 半導体レーザ - Google Patents
半導体レーザInfo
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- JPH09199792A JPH09199792A JP30536296A JP30536296A JPH09199792A JP H09199792 A JPH09199792 A JP H09199792A JP 30536296 A JP30536296 A JP 30536296A JP 30536296 A JP30536296 A JP 30536296A JP H09199792 A JPH09199792 A JP H09199792A
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Abstract
提供する。 【解決手段】 n型GaAs基板101上に、活性層1
04と、活性層104を挟むn型クラッド層103、p
型クラッド層105a〜105cを備えた半導体レーザ
である。さらに、p型クラッド層105a〜105cの
間には、可飽和吸収層106とエッチングストッパ層1
00とが設けられている。端面の反射率は、約50%に
設定されている。これにより、端面での反射率を制御し
てミラー損失を最適化することで、しきい値電流を小さ
くすることができるとともに、安定な動作制御を実現で
きる自励発振レーザが得られる。
Description
ムの光源などに用いられる低雑音自励発振型半導体レー
ザに関する。
スクなどの分野で半導体レーザの需要が高まり、GaA
s系及びInP系を中心として、活発に研究開発が進め
られてきた。光情報処理分野においては、特に波長が7
80nmのAlGaAs系半導体レーザの光による情報
の記録・再生を行う方式が実用化され、コンパクトディ
スク等で広く普及するに至っている。
ク装置に益々記憶容量の増加が求められるようになり、
それに伴い、短波長レーザの実現に対する要望が強まっ
てきている。AlGaInP系半導体レーザは、波長が
630〜690nmでの赤色領域で発振が可能であり、
現在実用レベルにある半導体レーザの中で最も短波長の
光が得られるものである。従って、従来のAlGaAs
系半導体レーザに代わる次世代の大容量光情報記録用光
源として有望である。
再生時にディスク面からの反射光の帰還や温度の変化に
より強度雑音を発生し、信号の読取エラーを誘発する。
従って、光ディスクの光源用には、強度雑音の少ないレ
ーザが不可欠となる。
半導体レーザでは、リッジストライプの両側に意図的に
可飽和吸収体が形成されるような構造を採用することに
よって、低雑音化を図ってきた。これによって、縦モー
ドをマルチ化することができる。すなわち、レーザが縦
単一モードで発振しているときに光の帰還や温度変化等
の外乱が入ると、利得ピークの微少な変化によって近接
する縦モードが発振を開始し、元の発振モードとの間で
競合を起して、これが雑音の原因となる。縦モードをマ
ルチ化すると、各モードの強度変化が平均化され、しか
も外乱によって変化しないので、安定な低雑音特性を得
ることができる。
発振特性を得る方法が、特開昭63−202083号公
報に示されている。ここでは、出力光を吸収することの
できる層を設けることによって、自励発振型半導体レー
ザを実現している。
は、活性層のエネルギーギャップと吸収層のエネルギー
ギャップとをほぼ等しくすることによって特性を改善し
たとの報告がなされている。特に、歪量子井戸活性層の
エネルギーギャップと歪量子井戸可飽和吸収層のそれ
が、ほぼ等しくなっている。この構成によって、良好な
自励発振特性を得ようとしている。同様の構成が、特開
平7−22695号公報にも記載されている。
者らの検討によると、可飽和吸収層と活性層とのエネル
ギーギャップをほぼ等しくするだけでは、良好な自励発
振特性が得られないことが明らかとなった。
で同出力の自励発振しないレーザと比較して、若干、し
きい値電流が高いということが言える。
のエネルギーギャップ差、さらに、端面反射の条件等も
検討することにより、小さいしきい値電流で、低雑音特
性に有効な安定した自励発振特性をもつ半導体レーザを
提供することを目的とする。
は、少なくとも量子井戸層を有する活性層と、該活性層
を挟むクラッド構造と、を備えた半導体レーザであっ
て、該クラッド構造は、可飽和吸収層を含んでおり、該
可飽和吸収層のエネルギーギャップが、該活性層の該量
子井戸層の基底準位間のエネルギーギャップよりも、約
30meVから約200meVだけ小さく、それぞれの
端面の反射率が約40%〜約90%であって、そのこと
により上記目的が達成される。
子井戸層を有する活性層と、該活性層を挟むクラッド構
造と、を備えた半導体レーザにおいて、該クラッド構造
は、可飽和吸収層を含んでおり、該可飽和吸収層のエネ
ルギーギャップが、該活性層の該量子井戸層の基底準位
間のエネルギーギャップよりも、約30meVから約2
00meVだけ小さく、スロープ効率が約0.1mW/
mA〜約0.4mW/mAであって、そのことによって
上記目的が達成される。好ましくは、前記スロープ効率
が約0.15mW/mA〜約0.35mW/mAであ
る。なお、ここでいう「スロープ効率」とは、「自励発
振特性を有する半導体レーザの光出力−電流特性に見ら
れる光吸収領域(例えば、図13を参照のこと)を除く
部分での効率」を言う。
らに光ガイド層を含んでいる。
L≦約700μmである。
2.0μm≦W≦約6.0μmである。
xGayIn1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1)から構成
される層であり得る。
られたエッチングストッパ層をさらに備えている。
と該可飽和吸収層に隣接する層の伝導帯の底との間のエ
ネルギーギャップ差が、約100meV〜約210me
Vである。
とも量子井戸層を有する活性層と、該活性層を挟むクラ
ッド構造と、を備えた半導体レーザにおいて、該クラッ
ド構造は、可飽和吸収層を含んでおり、それぞれの端面
の反射率が約40%〜約90%であり、自励発振特性を
示す半導体レーザが提供され、そのことによって上記目
的が達成される。
とも量子井戸層を有する活性層と、該活性層を挟むクラ
ッド構造と、を備えた半導体レーザにおいて、該クラッ
ド構造は、可飽和吸収層を含んでおり、スロープ効率が
約0.1mW/mA〜約0.4mW/mAである半導体
レーザが提供され、そのことによって上記目的が達成さ
れる。好ましくは、前記スロープ効率が約0.15mW
/mA〜約0.35mW/mAである。なお、ここでい
う「スロープ効率」とは、「自励発振特性を有する半導
体レーザの光出力−電流特性に見られる光吸収領域(例
えば、図13を参照のこと)を除く部分での効率」を言
う。
吸収層とのエネルギーギャップ差(△E)」と自励発振
との関係を検討した。本願明細書において、活性層と可
飽和吸収層とのエネルギーギャップ差(△E)とは、活
性層及び可飽和吸収層が量子井戸構造を有している場
合、「レーザ発振前における活性層の量子井戸層の基底
準位間のエネルギーギャップ(E’ga)から、可飽和
吸収層の基底準位間のエネルギーギャップ(E’gs)
を引いた値(E’ga−E’gs)」を意味する。これ
らのエネルギーギャップ(E’ga、E’gs)とバン
ドギャップ(Ega、Egs)との関係を、図1に模式
的に示す。一般に、量子井戸構造を持つ半導体層におい
て、基底準位間のエネルギーギャップは、伝導帯の底と
価電子帯の底との間ではなく、それぞれの量子準位間の
エネルギー差(E’g)であるので、通常のバンドギャ
ップ(Eg)よりも、約70meV程度、エネルギーギ
ャップは大きくなる。
和吸収層がバルク構造を有している場合は、活性層と可
飽和吸収層とのエネルギーギャップ差は、「レーザ発振
前における活性層の基底準位間のエネルギーギャップ
(E’ga)から、可飽和吸収層のバンドギャップ(E
gs)を引いた値」を意味することとする。
戸構造を持つこともあれば、バルク構造を持つこともあ
る。そのため、本願明細書では、便宜上、「可飽和吸収
層のエネルギーギャップ」を、次のように定義すること
とする。すなわち、可飽和吸収層が量子井戸構造を有す
る場合は、「基底準位間のエネルギーギャップ(E’g
s)」を意味し、可飽和吸収層がバルク構造を有する場
合は、その「バンドギャップ(Egs)」を意味するこ
とする。この「可飽和吸収層のエネルギーギャップ」と
いう言葉を用いれば、「活性層と可飽和吸収層とのエネ
ルギーギャップ差」は、「レーザ発振前における活性層
の量子井戸層の活性層の基底準位間のエネルギーギャッ
プから可飽和吸収層のエネルギーギャップを引いた値」
と表現される。
可飽和吸収層とのエネルギーギャップ差(△E)を約3
0meVから約200meVとすることで、可飽和吸収
層がレーザ光を効率よく吸収するとともに、光の吸収も
飽和するため、安定した自励発振が得られることが明ら
かとなった。活性層と可飽和吸収層とのエネルギーギャ
ップ差(△E)が約30meVより小さければ、自励発
振は得られない。これはエネルギーギャップ差が小さい
ため、可飽和吸収層があまりレーザ光を吸収しないため
であると考えられる。また、エネルギーギャップ差(△
E)が約200meVを越えると、可飽和吸収層での光
吸収が大きくなりすぎ、可飽和吸収層が飽和特性を示さ
なくなるので、自励発振が起こらない。従って、エネル
ギーギャップ差(△E)は、約30meV〜約200m
eVがよいことがわかった。
のエネルギーギャップ及びエネルギーギャップ差(△
E)は数meV以下の精度で制御できる。このため、形
成された活性層と可飽和吸収層とのエネルギーギャップ
差(△E)が約10meVもあれば、これらの活性層及
び可飽和吸収層は、エネルギーギャップ差(△E)を設
けることを意図して形成されたものと認められる。従っ
て、活性層と可飽和吸収層とのエネルギーギャップ差
(△E)が約10meV以上あれば、活性層の量子井戸
層の基底準位間のエネルギーギャップと可飽和吸収層の
エネルギーギャップとが「ほぼ同一である」とは言えな
い。
50meV〜約100meVの範囲では、可飽和吸収層
の飽和条件が最適となり、高い動作温度でも安定な自励
発振が達成される。エネルギーギャップ差(△E)が約
100meVを越えると、可飽和吸収層での光吸収がだ
んだん大きくなり、動作電流もやや大きくなる。よっ
て、エネルギーギャップ差は約100meV以下であれ
ば好ましいといえる。このように、エネルギーギャップ
差が約50meV〜約100meVの範囲内にあるとき
には、半導体レーザの動作電流が大きくならない上に、
極めて特性のよい自励発振特性が得られる。特に、自動
車に搭載する場合など比較的高温の環境で半導体レーザ
を動作させる可能性がある場合には、このようなエネル
ギーギャップ差に設定することが好ましい。
和吸収層でのキャリア密度を容易に上げられる。活性層
が放出したレーザ光を可飽和吸収層が吸収し、電子とホ
ールのペアを生じるが、可飽和吸収層の体積が小さい
と、単位体積あたりの光の吸収量が増加し、このキャリ
ア密度を容易に上げることができる。そして飽和状態に
なりやすく、可飽和吸収の効果が顕著となる。従って、
可飽和吸収層が薄いほど強くて安定な自励発振特性を得
ることができることが、本発明者らの実験により明らか
となった。このような強くて安定な自励発振を引き起こ
すためには、可飽和吸収層の厚さを、約10オングスト
ローム〜約100オングストロームの範囲内にすること
が好ましい。ただし、可飽和吸収層の厚さが約100オ
ングストロームを越えてバルク構造を持つような厚さで
あっても、エネルギーギャップ差を好ましい範囲内に設
定すれば、問題ない。また可飽和吸収層は、複数に分離
されて設けられても良い。
うな体積の小さい可飽和吸収層と光ガイド層とを組み合
わせた構成を有するようにすることもできる。本発明の
半導体レーザで、クラッド構造中に光ガイド層を設けれ
ば、可飽和吸収層の体積を小さくするために可飽和吸収
層の厚さを量子井戸層のように薄くした場合であって
も、可飽和吸収層での光の閉じ込め率が極端に減少する
結果として安定な自励発振が得られなくなることを、防
止することができる。光ガイド層を用いれば、例えば、
活性層への光閉じ込め率を約5.0%以上に維持したま
まで可飽和吸収層への閉じ込め率を少なくとも1.2%
程度以上にして、安定な自励発振を生じさせることが可
能となる。
は、可飽和吸収層の光閉じ込め率を高めるためのもので
あり、活性層から離れた位置に配置される。この点で、
活性層の光閉じ込め率を高めるために活性層に隣接する
位置に配置された従来の光ガイド層とは、大きく異な
る。
関係は、可飽和吸収層の体積及び光閉じ込めを考慮し
て、最適に決定される。可飽和吸収層は、光ガイド層中
に形成してもよいし、また光ガイド層近傍のp型クラッ
ド層の中に形成してもよい。
ッチングストッパ層を設けることにより、リッジストラ
イプ形成のためのエッチング工程においても、可飽和吸
収層がエッチングされることがなくなる。これより、製
造時のウエハ内でのばらつきが抑制できて、ウエハ内
で、特性のばらつきの少ない半導体レーザを大量に製造
することができるようになる。
面反射率が小さいと、光出力−電流特性における吸収領
域が大きくなり、電流による光出力の制御が困難とな
る。一方、端面反射率が大きすぎると、スロープ効率が
小さくなって駆動電流が大きくなり、その結果として、
キンクの低下による最高光出力の低下が起こる。そこ
で、端面の反射率を制御することで、光吸収領域を小さ
くしてしきい値電流を小さくできるとともに、光吸収領
域の次に現れる安定した光出力領域でレーザの光出力を
制御できる。これにより、安定した制御性を有する自励
発振型の半導体レーザが実現される。
幅の制御により、安定した制御性を有する自励発振型の
レーザとすることができる。
ーザでは、光出力−電流特性において、レーザ発振の直
前に「とび」が生じることが知られている。
めのしきい値電流を小さくすることが望ましい。ここ
で、半導体レーザのしきい値電流は、レーザの損失と関
係がある。すなわち、しきい値利得をgth、光の伝搬損
失をαp、レーザ内部でのフリーキャリア損失をαf、
端面でのミラー損失をαMとすると、gth=αp+αf
+αMと表すことができる。この式から、しきい値電流
を小さくするためには、損失を少なくすればよいことが
わかる。
キャリア損失αfは、活性層などへのキャリアの注入な
どによって生じるものであって、その制御は困難であ
る。従って、しきい値電流の低減のためには、残る伝搬
損失αp及びミラー損失αMの制御をすることが考えられ
る。そこで、発明者らは、上記のうちで特にミラー損失
αMに着目し、しきい値電流の低減との関連性について
検討した。
記で述べたような点に関する検討結果を含めて、本発明
の様々な実施の形態における具体的な構成を説明する。
半導体レーザの実施形態の断面図である。
01と、GaAs基板101上に形成された半導体積層
構造を備えている。この半導体積層構造は、n型GaA
sバッファ層102、n型AlGaInPクラッド層1
03、AlGaInP及びGaInPからなる多重量子
井戸活性層104、第1のp型AlGaInPクラッド
層105a、p型GaInPからなる可飽和吸収層10
6、第2のp型AlGaInPクラッド層105bを含
んでいる。
5bの上には、第3のp型クラッド層105cにより、
共振器長方向に延びるストライプ状リッジ部分(幅:約
2.0μm〜約6.0μm)が形成されている。第3の
p型クラッド層105cのリッジ上面に相当する箇所に
は、コンタクト層110が形成されている。また、第3
のp型クラッド層105c及びコンタクト層110の両
側には、n型GaAs層電流ブロック層111が形成さ
れている。n型GaAs層電流ブロック層111は、リ
ッジ側面からさらに横方向に延長されて形成されてい
る。
1との上には、p型GaAsキャップ層112が形成さ
れている。キャップ層112の上面にはp電極113が
形成され、基板101の裏面にはn電極114が形成さ
れている。
壁層とからなる多重量子井戸構造となっている。
第3のp型クラッド層105cのリッジストライプ及び
電流ブロック層111の下には、エッチングストッパ層
100が設けられている。このエッチングストッパ層1
00の組成比はGa0.51In0.49Pであり、第3のp型
クラッド層105cのAlGaInPとの間で、エッチ
ング工程での選択比がとることができる。
ッファ層、活性層、エッチングストッパ層、コンタクト
層、キャップ層、及び電流ブロック層を除いた残りの部
分を、全体として「クラッド構造」と呼ぶことにする。
本実施形態の場合は、n型AlGaInPクラッド層1
03、第1のp型AlGaInPクラッド層105a、
可飽和吸収層106、第2のp型AlGaInPクラッ
ド層105b、及び第3のp型AlGaInPクラッド
層105cが、クラッド構造を構成している。
層のドーピングレベル及び膜厚は、以下の表1に示す通
りである。
て、活性層104の付近からエッチングストッパ層10
0の付近までの(AlxGa1-x)0.5In0.5PのAl組
成xの分布を示す。上記に説明した本実施形態では、n
型クラッド層103、第1のp型クラッド105a、第
2のp型クラッド層105b、及び第3のp型クラッド
層105cのAl組成は、0.7である。活性層104
の内の量子井戸層、及び可飽和吸収層106は、それぞ
れGa0.45In0.55P及びGa0.40In0.60Pから形成
されているため、まわりの層よりも格子定数が大きく、
ともに圧縮歪が加えられている。
点は、活性層104の量子井戸層と可飽和吸収層とのエ
ネルギーギャップ差にある。第1の実施形態では、その
エネルギーギャップ差が約57meVとなっており、安
定した自励発振が得られた。
エネルギーギャップ差について検討してみた。その結果
を以下に説明する。
図4(a)からわかるように、注入電流が約40mAに
なるとレーザ発振(自励発振)が起こり、その後、注入
電流を更に大きくすると、図4(a)中のA点で自励発
振が停止し、通常のレーザ発振となる。自励発振によっ
て得られる最大の光出力をPmaxと呼ぶことにする。図
4(a)の例では、Pmaxは4.0mWである。Pmaxを
与える電流よりも小さな電流では、図4(c)のよう
に、時間の経過とともに光出力が大きく振動し、安定し
た振幅を持つ自励発振が得られる。しかし、Pmaxを与
える電流よりも大きな電流では、図4(b)に示すよう
に、時間の経過とともに光出力の振幅が徐々に減少し、
通常のレーザ発振になる。
ルを越えても、自励発振しなくなる傾向がある。ここ
で、自励発振が観測される最高の温度をTmaxとする。
Tmaxは、言い換えれば、自励発振が停止する温度とも
いえる。
(meV)、縦軸がTmax(自励発振が停止する温度)
及びPmax(室温での自励発振の最大光出力)であり、
それぞれの関係を示すグラフである。実験の結果、エネ
ルギーギャップ差が約10meVの場合及び約20me
Vの場合には自励発振は観測されず、約30meVで自
励発振が観測された。30meVでは、51℃まで自励
発振が観測でき、その時、光出力が5mWまで自励発振
した。
ャップ差が約30meV以上になると自励発振がおこり
はじめ、約200meVまで自励発振が確認できた。特
にエネルギーギャップ差が約50meV〜約100me
Vの範囲では、Tmaxが高く且つPmaxも大きく、実用的
に好ましい範囲である。
越えると、活性層と可飽和吸収層とのエネルギーギャッ
プの差から、可飽和吸収層でのレーザ光の吸収が大きく
なり、その結果、動作電流がやや大きくなる傾向にあ
る。これについて、図6を用いて説明する。
eV)、縦軸が動作電流(mA)のグラフである。これ
より、エネルギーギャップ差が約100meVを越える
と、動作電流が約130mAより大きくなる。
ーザの寿命との相関関係を示すグラフである。このグラ
フは、半導体レーザの光出力を約5mWに維持し、動作
温度が約60℃の状態で測定された結果に基づいてい
る。これより、寿命を約5000時間以上にするには、
動作電流を約130mA以下にすればよいことが図13
からわかる。
点からは、エネルギーギャップ差が約100meV以下
であることが望ましい。
特性を示すグラフである。グラフの横軸は、レーザへの
注入電流(mA)を、縦軸は光出力(mW)を示してい
る。閾値電流は、約50mAである。自励発振型半導体
レーザの特性が、通常の半導体レーザの特性と異なるの
は、図8にも表れているように、閾値電流近傍で光出力
の急激な立ち上がりが観測される点にある。これは、可
飽和吸収層が存在するために、ある程度のキャリアの注
入量に達するまでは、光出力が外部へ放出されないこと
による。注入電流がある値を越えるとレーザ発振が生じ
て、注入電流に比例して光出力が増加しはじめる。
のP点における出力波形を示す。図9に示されるよう
に、わずか2nsの間に光出力が大きく振動しており、
自励発振していることが確認できた。
のドーピングレベルを約2×1018(cm-3)として、
キャリアの寿命時間を低減している。その結果、キャリ
アの時間変化率に対する自然放出の寄与が増大し、自励
発振を容易に生じることができる。ドーピングは、ドー
パント濃度が約1×1018(cm-3)以上になるように
すれば、キャリアの寿命時間を低減する効果がある。
ロームの可飽和吸収層を用いているが、可飽和吸収層の
厚さは、これに限定されない。可飽和吸収層を多重量子
井戸構造を持つものとしても良く、また、バルク構造を
持つものとしてもよい。
(a)〜(g)を参照して説明する。
aAs基板101上に、n型GaAsからなるバッファ
層102、AlGaInPからなるn型クラッド層10
3、AlGaInP及びGaInPからなる多重量子井
戸構造の活性層104、p型AlGaInPからなる第
1のp型クラッド層105a、p型GaInPからなる
可飽和吸収(SA)層106、AlGaInPからなる
第2のp型クラッド層105b、エッチングストッパ
(ES)層100、及び第3のp型クラッド層105c
を、順次、形成する。各層の形成には、例えば、有機金
属気相成長法(MOVPE法)、分子線エピタキシー法
(MBE法)などの方法を用いることができるが、典型
的にはMOVPE法が使用される。
10(b)に示すようにストライプ状のSiO2膜をパ
ターニングする。そして、このSiO2膜をマスクにし
て、第3のp型クラッド層105cをエッチング液でウ
ェットエッチングし、図10(c)に示すようなリッジ
ストライプを形成する。
5a、105b及び105cの中に形成したエッチング
ストッパ層100で行なう。エッチングストッパ層10
0はGaInPから構成されており、AlGaInPで
できているp型クラッド層との間で、エッチング液に対
して選択比を有する。従って、このエッチングストッパ
層100で、エッチングは停止する。
ジストライプの両側にn型GaAs電流ブロック層11
1を形成する。そして、図10(e)に示すようにSi
O2膜を除去した後に、図10(f)に示すように、p
型GaInPキャップ層112による埋め込み成長を行
なう。最後に、図10(g)に示すように、キャップ層
112の上にp型電極113、及びn型GaAs基板1
01の裏面にn型電極114を形成し、半導体レーザが
完成する。
層106の上のp型クラッド層105b及び105cの
中に、エッチングストッパ層100を設けている。これ
により、エッチング工程による可飽和吸収層106への
影響はない。これに対して、本実施形態のようなエッチ
ングストッパ層100を形成しない場合には、図11
(a)〜(c)を参照して説明するような不具合が生じ
得る。
ングはウェットエッチングであり、エッチング深さなど
の制御性に優れていて、所望の形状を精度良く形成する
には最適である。しかし、ウェットエッチングであるた
めに、エッチング量がウエハ面内でばらつく可能性があ
る。この結果、具体的には、リッジストライプの形状が
ウエハ面内で異なることになる。
ングが可飽和吸収層できっちり停止したときの断面図で
ある。この場合には、可飽和吸収層の厚みは、リッジス
トライプの内部でも外部でも均一になっており、膜厚が
かわらない。しかし、ウエハ面内には、図11(a)の
ように良好なエッチング加工が実現されたものだけでは
なく、図11(b)のように、エッチングが進行しすぎ
て、ストライプ外部の可飽和吸収層の膜厚が薄くなって
いるものも存在し得る。エッチングがさらに過度に進行
すると、図11(c)に示すように、ストライプ外部の
可飽和吸収層が完全に失われるケースもあり得る。この
ように、ウエハ面内の個々の半導体レーザチップ毎にエ
ッチングによる加工形状にばらつきがあると、各レーザ
チップの動作特性がばらつくことになる。特に、自励発
振型レーザでは、可飽和吸収層により自励発振特性が決
定するため、個々の半導体レーザチップの内部で可飽和
吸収層の膜厚が一定であり、且つ、異なったチップ間で
可飽和吸収層の膜厚のばらつきが抑制されていること
が、良好な動作特性を有するレーザを大量生産できるポ
イントとなる。
ハ面内に製造された複数の半導体レーザチップ間におけ
る光出力のばらつきの様子を、図12(a)及び(b)
を参照して説明する。
従ってエッチングストッパ層を用いている構造では、異
なったサンプル毎にしきい値電流を測定しても、その測
定値は約60mAでほぼ一定である。しかし、エッチン
グストッパ層を有さない従来技術の構成では、図12
(b)のように、サンプル間でしきい値電流にばらつき
がある。これは、あるサンプルでは、リッジストライプ
を形成するためのエッチングが進行しすぎて、リッジス
トライプ外部の可飽和吸収層が薄くなったためである。
条件ではなく、エッチングの進行状態を厳密に制御でき
る場合には、エッチングストッパ層の形成は省略でき
る。また、可飽和吸収層に、エッチングストッパ層の機
能を兼ねさせることも可能である。
収層とは別個の層としてエッチングストッパ層を設ける
場合には、可飽和吸収層でのキャリアが、可飽和吸収層
に隣接する層(具体的には、可飽和吸収層を挟み込むp
型クラッド層)に拡散するのを抑制する必要がある。こ
れは、可飽和吸収層から隣接層にキャリアがあふれる
と、半導体レーザの可飽和特性が変化してしまうからで
ある。その点を、再び図2を参照して説明する。
飽和吸収層にキャリアが生成する。このキャリアが拡散
により可飽和吸収層からあふれると、半導体レーザの動
作に悪影響を及ぼすので、そのようなキャリアの拡散が
生じないようにする必要がある。ここでは、可飽和吸収
層とそれに隣接する層(p型クラッド層)との間におけ
る、伝導帯の底のエネルギーギャップ差について検討し
た。
ので、離散化した準位の底(基底準位)をエネルギーレ
ベルの原点とした。この結果、半導体レーザが良好な動
作特性を示すエネルギー差は、約100meV〜約21
0meVであることがわかった。エネルギー差が約10
0meVより小さければ、可飽和吸収層での光吸収によ
り生じたキャリアが隣接層へ拡散してしまう。また、エ
ネルギー差が約210meVより大きければ、p型クラ
ッド層での電気抵抗の増加や結晶性の劣化などの問題が
生じる。すなわち、可飽和吸収層の基底準位を原点とし
たエネルギー差を大きくするためには、pクラッド層
(AlxGa1-y)yIn1-yPのyを大きくする必要があ
る。しかし、yを大きくすると、p型クラッド層のドー
ピングが難しくなって、電気抵抗が高くなる。さらに、
yの増加に伴って格子定数がGaAs基板よりも小さく
なるので、格子不整合の増大に伴うp型クラッド層内部
の歪が増えて、欠陥が生じる。従って、可飽和吸収層の
基底準位と隣接するp型クラッド層とのエネルギー差
は、約100meV〜約210meVとするのがよい。
Pの組成において、GaAs基板に整合させるために
は、yは約0.51であればよい。yの増加に伴ってG
aAs基板よりも格子定数は小さくなり、クラッド層の
内部に引張り歪がかかるが、y>0.51であれば、必
要なエネルギーギャップが確保できる。一方、Al組成
xは、0.5以上(xとyとの積が0.5より大き
い)、より好ましくは0.6以上(xとyとの積が0.
3より大きい)が良い。キャリアの拡散を防ぐには伝導
帯の底のエネルギー差を大きくとることが必要となる
が、エネルギー差を大きくすることにより、これが実現
できる。
てしきい値電流を下げることについて、検討した。その
結果を、以下に説明する。
og(1/(Rf*Rr))と表すことができる。ここ
で、Lは共振器長、Rfはレーザ出射端面の反射率、及
びRrはレーザ出射しない端面の反射率である。
て測定した光電流出力特性を示すグラフである。ここ
で、共振器長L=500μmである。縦軸に光出力(m
W)、横軸に注入電流(mA)をとっている。なお、端
面反射率を変化してミラー損失を制御するために、端面
には、SiO2/TiO2の絶縁膜の多層構造をコーティ
ングした。
ば、しきい値電流を小さくすることができる。但し、し
きい値電流が小さくなるにつれてスロープ効率も下がる
ために、端面反射率を大きくしすぎると、高光出力領域
でキンクが発生する注入電流値が次第に低下し、高光出
力領域での半導体レーザの使用可能範囲が狭くなって、
実用に耐えなくなる。一方、反射率を小さくすると、キ
ンクが発生する注入電流値が大きくなる。このため、高
光出力領域での半導体レーザの使用可能範囲が大きくな
る(より高出力なレベルまで使用できる)が、しきい値
電流が増加して光吸収領域が大きくなり、この領域では
注入電流による光出力の制御が困難になる。
(縦軸)との関係において、キンクレベルが5mW以上
であることを示すライン及び光吸収領域が5mW以下で
あることを示すラインを、それぞれ付記したものであ
る。これより、半導体レーザのそれぞれの端面の反射率
を、約40%以上且つ約90%以下にすれば、キンクレ
ベル及び光吸収領域を考慮しても、実用的な半導体レー
ザが実現できることになる。なお、上記の測定では、温
度を約25℃に設定して行っているが、温度が高くなる
と、しきい値電流が大きくなる(温度特性)。半導体レ
ーザの実用的な使用温度範囲が約0℃〜約80℃である
ことを考慮すれば、端面反射率は、好ましくは約50%
〜約70%に設定するのがよい。
らに検討する。
−電流特性における直線部分の傾きを言う。但し、半導
体レーザが自励発振特性を有すると、上記特性には、光
吸収領域に相当する「とび」が存在する。そこで、半導
体レーザが自励発振特性を有する場合の「スロープ効
率」とは、光出力−電流特性を示すグラフにおいて、こ
の「とび(光吸収領域)」を含まない部分の傾きとす
る。
度雑音(RIN)との関係を示すグラフである。具体的
には、(a)は、スロープ効率(Se)が0.42mW
/mAの場合の測定データであり、(b)は、スロープ
効率(Se)が0.15mW/mAの場合の測定データ
である。これより、スロープ効率が小さい(b)のグラ
フでは、−10℃から70℃の温度範囲で、良好なRI
N特性が示されているが、スロープ特性が大きい(a)
のグラフでは、約30℃以下の温度範囲でRIN特性が
急激に悪化している。このように、発明者らの検討によ
れば、特に低温領域でのRIN特性に、スロープ効率の
値が関係していることが明らかになった。
対するスロープ効率の影響を検討するため、さらに以下
の実験を行った。すなわち、様々なスロープ特性を有す
るサンプルに対して、図15に示すような温度−RIN
特性データを測定し、さらにそのデータにおいて雑音強
度レベルがベースラインから3dB増加する温度(臨界
温度)を求めて、図16のようなグラフを作成した。図
16は、横軸がスロープ効率であり、縦軸が、上記によ
って求めた臨界温度である。
劣化が許容範囲内の良品(OKサンプル)であり、黒丸
プロットは、RIN特性の劣化が顕著に生じた不良品
(NGサンプル)である。これより、スロープ効率Se
が約0.4mW/mAよりも大きいサンプルでは、臨界
温度が約30℃或いはそれ以上である。これは、約30
℃以下の温度範囲での雑音発生量が大きく、実用には向
かないことを意味している。一方、スロープ効率が約
0.4mW/mAであれば、臨界温度は約20℃であ
る。さらに、スロープ効率が約0.35mW/mAであ
れば、グラフ上の臨界温度は、10℃或いはそれ以下に
なっている(臨界温度が10℃以下のデータは図16で
は省略している)。これより、スロープ効率を小さくす
ることで、広い温度に渡って優れたRIN特性を有する
半導体レーザが得られることが確認された。
範囲の上限は、低温での雑音の低減という観点から決定
される。
下限は、動作電流の観点から決定される。すなわち、ス
ロープ効率が約0.1mW/mAよりも大きければ、環
境温度が約60℃まで増加しても、動作電流の増加が認
められない。さらに、スロープ効率が約0.15mW/
mAよりも大きければ、環境温度が約80℃まで増加し
ても、動作電流の増加は認められない。一般に、動作電
流が増加するとレーザ寿命が短くなるので、実用的に
は、できるだけ広い温度範囲で動作電流の増加が認めら
れないほうが好ましく、従って、この点がスロープ効率
の好ましい設定範囲の下限値の決定に影響する。
た、半導体レーザのスロープ効率と使用可能温度範囲と
の関係を示すグラフである。動作電流の安定という観点
からは、スロープ効率と動作電流の変動に関連した環境
温度との間の上述の関係に基づいて引かれている、図1
7の線(a)よりも下側が好ましい領域である。一方、
低温領域でのRIN特性という観点からは、図16のデ
ータに基づいて引かれている、図17の線(b)よりも
上側が好ましい領域である。
好ましくは約0.1mW/mA〜約0.4mW/mA、
さらに好ましくは約0.15mW/mA〜約0.35m
W/mAの範囲に設定する。
て検討した。図18に、共振器長と駆動電流との関係を
示す。
要になる駆動電流が大きくなりすぎる。一方、共振器長
が約300μm以下では、必要な駆動電流のレベルは小
さいが、活性領域の体積が小さくなるために動作に伴っ
て注入される電流の密度が上昇し、信頼性に悪影響を与
える。従って、これらの点を考慮すれば、共振器長L
は、約300μm≦L≦約700μmの範囲に設定する
ことが好ましい。
プの幅Wについて検討した。図19に、またストライプ
幅と駆動電流との関係を示す。
するためにしきい値電流が上昇して、高い駆動電流が必
要になる。一方、逆にストライプ幅が広いと、キンクレ
ベルが低下して最高光出力が低下する。図19に示した
ように、ストライプ幅Wを約2.0μm≦W≦約6.0
μmの範囲に設定すれば、低い駆動電流と高いキンクレ
ベルとを同時に実現できるので好ましい。
びストライプ幅を制御することにより、光吸収領域を小
さくして、しきい値電流を小さくすることができる。こ
れより、光吸収領域に続く領域で光出力を制御できるの
で、安定した制御性を有する半導体レーザとすることが
できる。
することで、安定した動作電流を確保しながら低温領域
での雑音レベルを抑制して、半導体レーザの良好な動作
特性を実現することができる。
ながら、本発明による半導体レーザの第2の実施形態を
説明する。
701と、GaAs基板701上に形成された半導体積
層構造を備えている。この半導体積層構造は、n型Ga
Asバッファ層702、n型AlGaInPクラッド層
703、AlGaInP及びGaInPからなる多重量
子井戸活性層704、第1のp型AlGaInPクラッ
ド層705a、光ガイド層707、第2のp型AlGa
InPクラッド層705b、p型のGaInPからなる
可飽和吸収層706、第3のp型AlGaInPクラッ
ド層705cを含んでいる。第3のp型AlGaInP
クラッド層705cの上面には、第4のp型AlGaI
nPクラッド層705dから構成される共振器長方向に
延びるストライプ状リッジ部分(幅:約2.0μm〜約
6.0μm)が形成されている。第4のp型クラッド層
705dのリッジ部分上面には、コンタクト層710が
形成されている。第4のp型クラッド層705d及びコ
ンタクト層710の両側には、n型GaAs電流ブロッ
ク層711が形成されている。n型GaAs層電流ブロ
ック層711は、リッジ側面からさらに横方向に延長さ
れて形成されている。
11の上には、p型GaAsキャップ層712が形成さ
れている。さらに、キャップ層712の上面にはp電極
713が形成され、基板701の裏面にはn電極714
が形成されている。
活性層704は、3層の井戸層と障壁層からなる多重量
子井戸構造となっている。
3のp型クラッド層705c)の上であって第4のp型
クラッド層705dのリッジストライプの下には、エッ
チングストッパ層700が設けられている。このエッチ
ングストッパ層700の組成比はGa0.51In0.49Pで
あり、第3のp型クラッド層705c及び第4のp型ク
ラッド層705dのAlGaInPとの間で、エッチン
グ工程での選択比がとることができる。
クラッド層703、第1のp型AlGaInPクラッド
層705a、光ガイド層707、第2のp型AlGaI
nPクラッド層705b、可飽和吸収層706、第3の
p型AlGaInPクラッド層705c、及び第4のp
型AlGaInPクラッド層705dが、クラッド構造
を構成している。前述の実施形態の構成と異なる点は、
クラッド構造の中に光ガイド層707を設けたことにあ
る。
す。この実施形態の場合も可飽和吸収層でのキャリア
が、可飽和吸収層に隣接する層に拡散するのを抑制する
必要もある。ここでもエネルギーギャップ差は、可飽和
吸収層の基底準位と、隣接するクラッド層の伝導帯の底
とのエネルギー差は、約100meV〜約210meV
に設定する。
さくするともに、光ガイド層をクラッド構造中に設けて
いる。可飽和吸収層の体積を小さくするほど、キャリア
密度を容易に上げることができる。キャリア密度が高い
ほど、光吸収は飽和状態になりやすくなるので、可飽和
吸収効果が顕著となる。このため、可飽和吸収層の体積
を小さくするほど、強い自励発振が得られることにな
る。しかしながら、可飽和吸収層の体積が小さくなるほ
ど、可飽和吸収層における光の閉じ込め率が小さくなっ
てしまうという問題がある。本実施形態では、活性層と
可飽和吸収層との間に光ガイド層を設けることによっ
て、活性層から可飽和吸収層の方向へレーザ光の分布を
広げ、それによって可飽和吸収層の光閉じ込め率を高
め、可飽和吸収層と光の相互作用の働きを強めている。
このように、本実施形態の光ガイド層は、可飽和吸収層
の光閉じ込め率を高めるものであり、活性層の光閉じ込
め率を高める従来の光ガイド層とは、機能が大きく異な
っている。
ガイド層を設けることによって変化せず、第1の実施形
態の場合と同じ範囲でよい。共振器長Lやストライプ幅
W、さらにスロープ効率の適切な範囲についても、同様
である。
収層と活性層とのエネルギーギャップを制御し、かつ、
レーザ端面での反射率を制御することにより、光吸収領
域が小さく、しかもしきい値電流が小さく、光出力を安
定して制御することができる自励発振特性のレーザを実
現できる。或いは、スロープ効率を適切な範囲に設定す
ることによって、安定した動作電流を確保しながら低温
領域での雑音レベルを抑制して、半導体レーザの良好な
動作特性を実現することができる。
パ層を設けることで、特性のばらつきの少ない半導体レ
ーザを安定に大量生産することができる。
層とのエネルギーギャップ差を調整することにより、可
飽和吸収層から隣接する層へのキャリアの拡散が抑制さ
れ、特性のよい自励発振特性をもつレーザを実現するこ
とができる。
図である。
断面図である。
ー図である。
力特性を説明するための図である。
止する温度)及びPmax(室温での自励発振の最大光出
力)との関係を示す図である。
す図である。
製造工程を示す断面図である。
時のエッチングによる不具合を説明するための図であ
る。
されたサンプル間での光出力のばらつきを模式的に示す
図である。
対する光出力を示す図である。
である。
に対する温度−相対雑音強度特性図である。
ける臨界温度との関係を示す図である。
である。
る。
ある。
造断面図である。
ルギー図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 少なくとも量子井戸層を有する活性層
と、該活性層を挟むクラッド構造と、を備えた半導体レ
ーザであって、 該クラッド構造は、可飽和吸収層を含んでおり、 該可飽和吸収層のエネルギーギャップが、該活性層の該
量子井戸層の基底準位間のエネルギーギャップよりも、
約30meVから約200meVだけ小さく、 それぞれの端面の反射率が約40%〜約90%である、
半導体レーザ。 - 【請求項2】 少なくとも量子井戸層を有する活性層
と、該活性層を挟むクラッド構造と、を備えた半導体レ
ーザであって、 該クラッド構造は、可飽和吸収層を含んでおり、 該可飽和吸収層のエネルギーギャップが、該活性層の該
量子井戸層の基底準位間のエネルギーギャップよりも、
約30meVから約200meVだけ小さく、 スロープ効率が約0.1mW/mA〜約0.4mW/m
Aである、半導体レーザ。 - 【請求項3】 前記スロープ効率が約0.15mW/m
A〜約0.35mW/mAである、請求項2に記載の半
導体レーザ。 - 【請求項4】 前記クラッド構造がさらに光ガイド層を
含んでいる、請求項1から3のいずれかに記載の半導体
レーザ。 - 【請求項5】 共振器長Lが約350μm≦L≦約70
0μmである、請求項1から4のいずれかに記載の半導
体レーザ。 - 【請求項6】 ストライプ幅Wが約2.0μm≦W≦約
6.0μmである、請求項1から5のいずれかに記載の
半導体レーザ。 - 【請求項7】 前記活性層及び前記可飽和吸収層がAl
xGayIn1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1)から構成
される層である、請求項1から6のいずれかに記載の半
導体レーザ。 - 【請求項8】 前記可飽和吸収層の上に設けられたエッ
チングストッパ層をさらに備えている、請求項1から7
のいずれかに記載の半導体レーザ。 - 【請求項9】 前記可飽和吸収層の基底準位と該可飽和
吸収層に隣接する層の伝導帯の底との間のエネルギーギ
ャップ差が、約100meV〜約210meVである、
請求項8に記載の半導体レーザ。 - 【請求項10】 少なくとも量子井戸層を有する活性層
と、該活性層を挟むクラッド構造と、を備えた半導体レ
ーザであって、 該クラッド構造は、可飽和吸収層を含んでおり、 それぞれの端面の反射率が約40%〜約90%であり、
自励発振特性を示す、半導体レーザ。 - 【請求項11】 少なくとも量子井戸層を有する活性層
と、該活性層を挟むクラッド構造と、を備えた半導体レ
ーザであって、 該クラッド構造は、可飽和吸収層を含んでおり、 スロープ効率が約0.1mW/mA〜約0.4mW/m
Aであり、自励発振特性を示す、半導体レーザ。 - 【請求項12】 前記スロープ効率が約0.15mW/
mA〜約0.35mW/mAである、請求項11に記載
の半導体レーザ。
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JP2006148006A (ja) * | 2004-11-24 | 2006-06-08 | Sharp Corp | 半導体レーザ素子 |
JP2008021705A (ja) * | 2006-07-11 | 2008-01-31 | Nec Electronics Corp | 自励発振型半導体レーザとその製造方法 |
JP2008047692A (ja) * | 2006-08-16 | 2008-02-28 | Sony Corp | 自励発振型半導体レーザおよびその製造方法 |
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