JPH09196858A - 航空機の窓のクレージング検査方法 - Google Patents

航空機の窓のクレージング検査方法

Info

Publication number
JPH09196858A
JPH09196858A JP8025796A JP2579696A JPH09196858A JP H09196858 A JPH09196858 A JP H09196858A JP 8025796 A JP8025796 A JP 8025796A JP 2579696 A JP2579696 A JP 2579696A JP H09196858 A JPH09196858 A JP H09196858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crazing
reference value
synthetic resin
light
resin plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8025796A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoo Hourai
泉雄 蓬莱
Kenji Aiko
健二 愛甲
Rei Teranishi
玲 寺西
Mewa Akiyama
芽和 秋山
Teruhiko Takusagawa
照彦 田草川
Mitsuru Tamai
充 玉井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Airlines Co Ltd
Musashi Co Ltd
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Japan Airlines Co Ltd
Musashi Co Ltd
Hitachi Electronics Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Airlines Co Ltd, Musashi Co Ltd, Hitachi Electronics Engineering Co Ltd filed Critical Japan Airlines Co Ltd
Priority to JP8025796A priority Critical patent/JPH09196858A/ja
Publication of JPH09196858A publication Critical patent/JPH09196858A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 航空機の窓のアクリル板に生じたクレージン
グを迅速に検査する。 【解決手段】 アクリル板1a の外表面に対して、4方
向より約10°の投射角で白色または赤色光束を投射
し、外表面に対してほぼ垂直の方向と、約30°の方向
とに設けた2個のCCDカメラ43,44 により、外表面に
存在するライン・クレージングとスター・クレージング
とをそれぞれ撮像し、両CCDカメラの画像信号を処理
して、散乱光を受光した画素の個数をカウントし、所定
の基準値に比較してアクリル板1a の良否を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、航空機の客室窓
あるいは操縦室窓のアクリル板,ポリカーボネート板な
どの透光性合成樹脂板に生じたクレージングを検査する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は航空機の窓を例示したもので、キ
ャビンの前面にはフロント窓WF が、客室の側面には客
室窓WR が設けてある。操縦席のフロント窓WF は主と
してガラス板により構成されるが、サイドウインドと言
われる操縦席の側面窓の外側面にアクリル板が使用され
ているものもある。客室窓WR はアクリル樹脂製のアク
リル板により構成されている。ここでは客室窓WR を中
心として説明するが、前記のように操縦席の窓にアクリ
ル板が使用されいる場合にも同様な問題がある。図7
(a) は客室窓(WR)1の断面を示し、胴体の側板2の客
席の位置に窓枠2a を固定し、これに対して僅かに湾曲
した2枚のアクリル板1a,1b と、1枚の平面のアクリ
ル板またはポリカーボネート板1c とが、外側より順次
に適当な間隔をなして装着されている。(b) は客室窓1
の外観を示し、アクリル板1a のサイズは、例えば縦長
は38cm、横幅は30cmとされており、搭乗客はこ
れらを通して外部の視界を眺めることができる。
【0003】上記のアクリル樹脂は強靱で化学的にもほ
ぼ安定しており、窓用のアクリル板1a 〜1c は、これ
を圧延して分子配列を揃えることにより、さらに強度を
増加して安全とし、また表面を研磨して良好な透明度と
されている。しかしながら、国際線の長距離旅客機にお
いては、アクリル板1a の外表面にはクレージングとよ
ばれる微細なスクラッチ傷の集団が発生することがあ
り、これが発生したアクリル板1a は白く曇つて視界の
観察を阻害するので、取り外して再研磨するかまたは新
品に交換されている。殊に最近では、火山の爆発噴煙な
どに起因してクレージングの発生が激増し、これに対応
してアクリル板1a の交換数もまた激増しており、これ
に対する対抗策としてアクリル板1a の外表面を適当な
材料によりコーティングして耐久テストがなされている
ことなどが、「航空技術:No.360,火山灰による
ウインド・クレージング」に報告されている。
【0004】ここで、図8によりクレージングの形状に
よる分類を一応説明する。図8の(a) は平面形状を示
し、直線状のスクラッチ傷がランダムな方向に多数存在
する場合は、ライン・クレージング(以下LCと略記)
とよび、一点を中心としてスクラッチ傷がランダムな方
向に放射状に伸びている場合は、スター・クレージング
(SCと略記)とよばれている。(b) は断面形状を示
し、LCの各スクラッチ傷の深さは非常に浅くて0.1
〜0.4mm程度である。SCの深さも同様に浅いもの
であり、LCとSCはともにアクリル板1a を破損する
までには至らず、その安全性には問題ない。
【0005】さて、クレージングが発生したアクリル板
1a を交換するには、まず、クレージングの程度を検査
する必要があり、従来の検査方法の概要を図9により説
明する。図9において、航空機は格納庫3に定期的また
は不定期に導入されて、左右の作業台3a,3b の中間に
停止し、格納庫3の照明灯により各アクリル1a を照明
して、その外表面を検査員が目視観察によりクレージン
グの有無またはその程度を調査し、再研磨または新品交
換が必要と判定されたアクリル板1a は取外される。な
お、この検査と同時に、客室の蛍光灯を点灯して内部が
点検整備されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】さて、上記した目視観
察においては、検査員に個人差があり、またクレージン
グは照明方向と目視方向のかね合いより変化して見え隠
れする性質があり、さらに客室窓1を内部から照明する
蛍光灯の影響もありうることなどにより、クレージング
の観察は案外難しくて非能率であるばかりでなく、その
程度の判定にバラツキが生ずる欠点がある。これに対し
て、クレージングを定量的に測定して客観的に妥当な基
準値に比較し、交換の必要性を迅速に判定する簡易な検
査方法が望まれている。この発明は以上に鑑みてなされ
たもので、クレージングを光学系により定量的に測定
し、これを妥当な基準値に比較して再研磨または新品交
換の必要性を迅速に判定できる、簡易な検査方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するクレージング検査方法であって、客室窓,操
縦席の窓などに使用されている透光性合成樹脂板を検査
対象とし、その外表面に対して、互いに直角な4方向よ
り約10°の投射角で白色などの光束を投射し、外表面
に対してほぼ垂直の方向と約15°〜45°の範囲のう
ちの所定の方向とに設けた2個の撮像装置、例えば、C
CDカメラにより、外表面に存在して散乱光を散乱す
る、直線状のライン・クレージングと放射状のスター・
クレージングとをそれぞれ撮像し、両CCDカメラの画
像信号を処理して散乱光を受光した画素の個数をカウン
トし、カウントされた画素数を所定の基準値に比較して
透光性合成樹脂板の良否を判定する。上記において、所
定の基準値を低および高の2段階とし、カウントされた
画素数が低基準値以下の透光性合成樹脂板、例えば、ア
クリル板(以下はアクリル板を代表として説明)は良好
とし、低基準値と高基準値の間のアクリル板は再研磨が
必要と判定し、高基準値を越えたアクリル板は新品交換
が必要と判定する。上記において、アクリル板の外側の
表面に対してLEDにより赤色光束を投射し、各CCD
カメラに赤色光束を透過する赤色フィルタを設ける。ま
た上記の両CCDカメラの画像信号の処理において、散
乱光を受光した画素の画素信号を微分して、その立上が
りと立下がりの微分パルスを作成する微分処理と、画素
信号の波高値を伸長して、この画素に隣接する4個の画
素の画素信号の極性を反転する伸長反転処理、および、
両微分パルスの波高値と伸長した画素信号の波高値とを
加算する加算処理とを、すべての画素信号について行
い、この加算処理により、アクリル板の表面反射光によ
るノイズに対する画素信号のS/N比を向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、撮像装置として、実施例で
は、CCDカメラを使用する。そして、上記のクレージ
ング検査方法においては、検査対象のアクリル板の外表
面に対して、互いに直角な4方向より約10°の投射角
で白色などの光束が投射される。これに対して、外表面
に存在する直線状のライン・クレージングの散乱光は、
表面に対して垂直方向に強い指向性があり、また放射状
のスター・クレージングは、表面に対して約30°の方
向に強い指向性があることが、この発明の発明者による
実験により判明している。そこで、ほぼ垂直方向と約3
0°の方向にCCDカメラを設けて、ライン・クレージ
ングとスター・クレージングとをそれぞれ撮像し、両C
CDカメラの画像信号の処理により、散乱光を受光した
画素の個数をカウントし、これを所定の基準値に比較す
ることによりアクリル板の良否が判定される。上記にお
いて、所定の基準値を低および高の2段階とし、カウン
トされた画素数が低基準値以下のアクリル板は良好、低
基準値と高基準値の間のアクリル板は再研磨が必要、高
基準値を越えたアクリル板は新品交換が必要とそれぞれ
判定される。ただし低および高の基準値は、別途、程度
の異なる多数のクレージングをサンプルとして、それぞ
れの受光画素数のデータをとり、これらと、アクリル板
の透明度の相関関係を調べて、両者に対する妥当な値を
決定するものとする。上記において、アクリル板の外側
の表面に対してLEDにより赤色光束を投射し、両CC
Dカメラに赤色光束を透過する赤色フィルタを設けるこ
とにより、客室の蛍光灯の照明光が赤色フィルタにより
除去されるので、クレージングの撮像に支障しない。ま
た上記の両CCDカメラの画像信号の処理においては、
微分処理により、散乱光を受光した画素の画素信号の立
上がりと立下がりの微分パルスが作成され、また伸長反
転処理により、画素信号の波高値は伸長し、この画素に
隣接する4個の画素の画素信号の極性は反転して両者の
比が拡大され、さらに加算処理により、両微分パルスの
波高値と伸長した画素信号の波高値とが加算される。こ
のような、3つの処理がすべて画素信号についてなさ
れ、加算された各波高値は、アクリル板の表面の反射光
によるノイズに対してS/N比が向上するので、これを
所定の閾値に比較して画素信号が確実に検出される。以
上により、各客室窓のアクリル板はクレージングが定量
的に測定され、再研磨と新品交換の必要性が迅速かつ妥
当に判定される。
【0009】
【実施例】まず図1と図2により、この発明の発明者に
よるクレージングの検出に関する実験とその結果を説明
する。実験においては、図1に示すように、アクリル板
1a の外表面に対して、光軸が約10°の投射角θT
なす4個のハロゲンランプS1 〜S4 を、互いに直角方
向に配置して4方向より白色の光束LT を投射する。こ
れに対してCCDカメラを設け、これを外表面に対して
約15°〜90°の受光角θR の範囲に角度移動して、
数点でクレージングの散乱光LR を撮像し、その画像信
号を画像処理して、散乱光LR を受光した画素eの画素
信号を適当な閾値で検出し、その個数をカウントする
と、受光角θR に対する受光画素数のデータがえられ
る。なおCCDカメラの画素eの総数は、図1に付記し
たように(512)2 ≒260×103 個である。図2
は、上記の実験によりえられたスター・クレージング
(SC)とライン・クレージング(LC)の、受光角θ
R に対する受光画素数の変化特性の一例を示し、それぞ
れの最大値は、(SC)は30°で200×103 個、
(LC)は90°で190×103 個であり、このデー
タにより、(SC)には30°が、(LC)には90°
が、それぞれ最適であることが判明した。また、この図
に示す特性から理解できるように、2つのCCDカメラ
のうち外表面に対してほぼ垂直の方向に配置されない、
他方のCCDカメラは、約15°〜45°の範囲に設定
可能であり、さらに、最適な範囲としては、約20°〜
35°の範囲を採ることができる。
【0010】上記の実験データは実験用の光学系によ
る、主として散乱光LR の指向特性に関するものであ
り、実際には以下に述べる各点を考慮することが必要で
ある。その1点は、実際の検査においては、従来と同様
に格納庫3に導入された航空機に対して、作業台3a ま
たは3b の上で、検査員が操作して各アクリル板1aを
検査することが前提とされており、このためには光学系
は小型軽量なことが望ましい。これに対して、上記の実
験に使用したハロゲンランプはサイズと所要パワーがや
や大きいので、これに比べてサイズと所要パワーが小さ
い発光ダイオード(LED)が適切である。ただし、L
EDは所要パワーが小さい分、光強度が低下し、一方、
客室の蛍光灯の照明光によりS/N比が劣化する。そこ
でこの発明においては、蛍光灯の照明光には赤色光が含
まれていないことに着目し、赤色光を発光するLEDを
使用し、CCDカメラに対して赤色光を透過し、蛍光灯
の照明光を遮断する赤色フィルタを設けるものである。
一般に、光学系を小型化するとCCDカメラの視野が狭
くなり、アクリル板1a の全面を一挙に検査できない。
これに対して、アクリル板1a に発生するクレージング
は、通常では全面にほぼ一様に分布する場合が多いと認
められるので、この発明においては、CCDカメラの狭
い視野に対応した部分検査方式とし、状況に応じて数箇
所を検査するものとする。また、アクリル板1a は、メ
ーカによりアクリル樹脂の成分などに差異があり、前記
したようにコーティングされたものもあり、また長距離
飛行により外表面がなんらかにより汚染される場合があ
りうるので、それぞれの表面反射光によるノイズレベル
には差異が生じ、各画素eが出力する画素信号はこのノ
イズレベルに重畳して上下変動する。このように上下変
動する画素信号を確実に検出するために、この発明にお
いては、画素信号に対して以下に述べる処理方法を適用
する。これを図3と図4により説明する。
【0011】図3において、アクリル板1a の表面反射
光によるノイズレベルをLR'とし、これが前記したアク
リル板1a のメーカ別やコーティング、汚染の有無のい
ずれかにより、例えばLR1' とLR2' に変動し、両レベ
ルLR1' ,LR2' にクレージングに対する画素信号
e1,Se2がそれぞれ重畳しているとすると、この両画
素信号Se1,Se2を検出する閾値は一義的に決められな
いことは明らかである。これに対して図4に示す波形処
理を行う。図4(a) において、任意の画素信号をSe
その波高値をhe とする。画素信号Se を微分すると、
散乱光LR を受光した画素eの画素信号Se は波形が急
峻であるので、(b) に示すような、波形の立上がりと立
下がりに対する微分パルスSd1とSd2がえられ、これら
の波高値をhd1,hd2とする。これに対して受光しない
画素eには画素信号がなく、またノイズレベルLR'の変
動は緩慢であるので、これらに対する微分パルスはえら
れない。次に、(c) に示すように、任意の画素eを中心
画素e0 とし、その画素信号Se0の波高値he をn(例
えばn=5とする)倍してnhe に伸長し、これに隣接
する4個の画素ea 〜ed の画素信号Sea〜Sedを(−
1)倍、すなわち極性を反転する伸長反転処理を行う。
さらに(d) に示すように、伸長した波高値5heと両微
分パルスの波高値hd1,hd2を加算すると、加算データ
Dの値はノイズレベルLR'の変動範囲より十分に大き
く、すなわちS/N比が向上するので、適当な閾値VS
を一義的に設定することができ、この閾値VS により散
乱光LR に対する画素信号Se が実質的に確実に検出さ
れる。
【0012】図5は、この発明のクレージング検査方法
を具体化した検査機の一実施例を示し、検査機は光学系
ユニット4と処理ユニット5よりなる。光学系ユニット
4は、前面にアクリル板1a に対する切欠き部を有し、
片手持可能な大きさの筐体41と、その内部の図示の位置
にそれぞれ配置され、前面に接触したアクリル板1a に
対して、4方向より約10°の投射角で赤色光を投射す
る4個のLED42a 〜42d 、前面に赤色フィルタ431,44
1 が装着され、視野Aを例えば50mm角とする2個の
CCDカメラ43,44 、およびアクリル板1a に対して3
0°をなすミラー45とにより小型軽量に構成する。処理
ユニット5は画像処理部51、パーソナルコンピュータ
(P・COM)52、操作盤53、表示器54、およびバッテ
リ(BATT)55とにより携帯型に構成し、CCDカメ
ラ43,44 の接続ケーブル432,442 により光学系ユニット
4に接続する。
【0013】検査機を使用するときは、検査員により処
理ユニット5を格納庫3の作業台3a または3b に置
き、操作盤53を操作してBATT55より電流を供給して
光学系ユニット4と処理ユニット5の各部を動作させ、
光学系ユニット4の前面をアクリル板1a の適当な部分
に接触させる。4個のLED42a 〜42d よりの赤色光束
は視野Aの範囲に対して投射され、アクリル板1a にラ
イン・クレージングが存在すると、その散乱光LR は赤
色フィルタ431 により客室の蛍光灯の照明光が遮断され
てCCDカメラ43に撮像され、スター・クレージングが
存在すると、その散乱光LR はミラー45を経て同様に赤
色フィルタ441 により照明光が遮断されてCCDカメラ
44に撮像される。両CCDカメラ43,44 の画像信号は処
理ユニット5の画像処理部51に入力し、各画素信号Se
に対して前記した加算処理と伸長反転処理および加算処
理がそれぞれ行われて、ノイズに対するS/N比が向上
し、散乱光LR を受光した画素eの個数がカウントされ
る。カウントされた個数データはP・COM52に転送さ
れて、これに設定された低基準値と高基準値に比較さ
れ、個数データが低基準値以下のアクリル板1a は良好
とし、低基準値と高基準値の間のときは再研磨が必要と
判定し、高基準値を越えたときは新品交換が必要と判定
し、これらの判定データは表示器54にランプ表示され
る。なお上記の低および高基準値は、この検査機によ
り、各種のアクリル板1a をサンプルとして、それぞれ
のクレージングに対する受光画素数を求め、これらとア
クリル板1a の透明度との相関関係を調べ、再研磨と新
品交換に必要な客観的に妥当な画素数をそれぞれ求める
ことにより、決定することができる。また、この検査機
による検査時間として、1箇所当たり10秒以内の実績
がえられており、従来の目視観察による検査方法に比べ
て検査時間が大幅に短縮される。
【0014】
【発明の効果】以上の説明のとおり、この発明によるク
レージング検査方法によれば、各アクリル板の外表面に
生じたラインおよびスターの両クレージングは、客室の
蛍光灯の照明光の影響が排除されて2個のCCDカメラ
により安定して撮像され、その画素信号の適切な処理に
よりノイズに対するS/Nが向上して、クレージングの
散乱光を受光した画素の個数が正確にカウントされ、そ
の画素数を所定の基準値に比較して、アクリル板の再研
磨または新品交換の必要性が迅速かつ妥当に判定される
もので、簡易で取り扱いが容易な検査機の構成が可能で
ある。例えば、1回研磨したとしてもクレージングが消
えないものがあるが、そのようなものも再検査で容易に
分かり、再研磨でもクレージングが消えないものなどを
交換対象にできるので交換対象を明確に把握できる。し
かも、窓の数が数十から200以上と非常に多い航空機
にあっては、このような検査により航空機の操縦室や各
客室窓のクレージング検査がその窓の数から予測できる
ように非常に大きな効率化になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の基礎となるクレージングの
検出方法に関する実験方法の説明図である。
【図2】図2は、図1の実験によりえられたデータの一
例を示す曲線図である。
【図3】図3は、アクリル板の表面反射光によるノイズ
レベルの変動と、これに重畳したクレージングの散乱光
の説明図である。
【図4】図4は、この発明における画素信号に対する微
分処理と伸長反転処理および加算処理の説明図であっ
て、(a)はその画素信号の説明図、(b)は画素信号
の微分波形の説明図、(c)は画素信号の伸張反転処理
の説明図、そして(d)はその加算処理の説明図であ
る。
【図5】図5は、この発明のクレージング検査方法を具
体化した検査機の一実施例の概略構成図である。
【図6】図6は、航空機の窓の概略の説明図である。
【図7】図7は、客室窓の断面と外観を示す構造図であ
って、(a)はその各室窓の断面図、(b)はその斜視
図である。
【図8】図8は、ライン・クレージングとスター・クレ
ージングの説明図であって、(a)はその平面図、
(b)はその部分断面図である。
【図9】図9は、従来のクレージングの検査方法の説明
図である。
【符号の説明】
1…客室窓、1a …検査対象のアクリル板、2…航空機
の胴体の側板、2a …窓枠、3…格納庫、3a,3b …作
業台、4…光学系ユニット、41…筐体、42a 〜42d …L
ED、43,44 …CCDカメラ 431,432 …赤色フィルタ、432,442 …接続ケーブル、45
…ミラー、5…処理ユニット、51…画像処理部、52…パ
ーソナルコンピュータ(P・COM)、53…操作盤、54
…表示器、55…バッテリ(BATT)、WF …フロント
窓、WR …客室窓、LT …投射光束、S1 〜S4 …ハロ
ゲンランプ、LR …クレージングの散乱光、LR'…ノイ
ズレベル、LC…ライン・クレージング、SC…スター
・クレージング、e…CCDカメラの画素、Se …画素
信号、he …画素信号の波高値、Sd1,Sd2…微分パル
ス、hd1, hd2…微分パルスの波高値、D…加算デー
タ、VS …閾値、n…倍数。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 愛甲 健二 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 寺西 玲 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 秋山 芽和 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 田草川 照彦 東京都大田区羽田空港1丁目6番3号 機 装ビル 日本航空株式会社内 (72)発明者 玉井 充 東京都大田区羽田空港1丁目6番3号 機 装ビル 日本航空株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】航空機の窓を構成する透光性合成樹脂板を
    検査対象とし、該透光性合成樹脂板の外表面に対して、
    互いに直角な4方向より約10°の投射角で白色などの
    光束を投射し、該外表面に対してほぼ垂直の方向と約1
    5°〜45°の範囲のうちの所定の方向とに設けた2個
    の撮像装置により、該外表面に存在して散乱光を散乱す
    る、直線状のライン・クレージングと放射状のスター・
    クレージングとをそれぞれ撮像し、該両撮像装置の画像
    信号を処理して該散乱光を受光した画素の個数をカウン
    トし、該カウントされた画素数を所定の基準値に比較し
    て、該透光性合成樹脂板の良否を判定することを特徴と
    する、航空機の窓のクレージング検査方法。
  2. 【請求項2】前記撮像装置はCCDカメラであり、所定
    の方向に設けられるCCDカメラの受光角度が20°〜
    35°の範囲にある請求項1記載の航空機の窓のクレー
    ジング検査方法。
  3. 【請求項3】前記撮像装置はCCDカメラであり、所定
    の方向に設けられるCCDカメラの受光角度が約30°
    である請求項1記載の航空機の窓のクレージング検査方
    法。
  4. 【請求項4】前記撮像装置はCCDカメラであり、前記
    所定の基準値を低および高の2段階とし、前記カウント
    された画素数が低基準値以下の透光性合成樹脂板は良好
    とし、低基準値と高基準値の間の透光性合成樹脂板は再
    研磨が必要と判定し、高基準値を越えた透光性合成樹脂
    板は新品交換が必要と判定することを特徴とする、請求
    項1記載の航空機の窓のクレージング検査方法。
  5. 【請求項5】前記撮像装置はCCDカメラであり、前記
    透光性合成樹脂板の外側の表面に対して光束を投射し、
    前記各CCDカメラに該赤色光束を透過する赤色フィル
    タを設けたことを特徴とする、請求項1記載の航空機の
    窓のクレージング検査方法。
  6. 【請求項6】前記撮像装置はCCDカメラであり、前記
    両CCDカメラの画像信号の処理において、前記散乱光
    を受光した画素の画素信号を微分して、その立上がりと
    立下がりの微分パルスを作成する微分処理と、該画素信
    号の波高値を伸長して、該画素に隣接する4個の画素の
    画素信号の極性を反転する伸長反転処理、および、該両
    微分パルスの波高値と該伸長した画素信号の波高値とを
    加算する加算処理とを、すべての画素信号について行
    い、該加算処理により、前記透光性合成樹脂板の表面反
    射光によるノイズに対する前記画素信号のS/N比を向
    上することを特徴とする、請求項1記載の航空機の窓の
    クレージング検査方法。
JP8025796A 1996-01-19 1996-01-19 航空機の窓のクレージング検査方法 Pending JPH09196858A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8025796A JPH09196858A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 航空機の窓のクレージング検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8025796A JPH09196858A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 航空機の窓のクレージング検査方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09196858A true JPH09196858A (ja) 1997-07-31

Family

ID=12175815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8025796A Pending JPH09196858A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 航空機の窓のクレージング検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09196858A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000050304A1 (en) * 1999-02-24 2000-08-31 Pinotage, Llc Inspection device for aircraft
DE102007045323A1 (de) * 2007-09-21 2009-04-09 Siemens Ag Anordnung und Verfahren zur optischen Detektion von Unebenheiten einer Glasscheibe
JP2013524167A (ja) * 2010-03-26 2013-06-17 ザ・ボーイング・カンパニー 透明部材内の光学的欠陥の検出
CN104819985A (zh) * 2015-03-30 2015-08-05 智机科技(深圳)有限公司 用于检测可透光材质表面图像的方法及检测设备
JP2019060664A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 有限会社仁木ガラス 自動車のフロントガラス内の割れ検出方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000050304A1 (en) * 1999-02-24 2000-08-31 Pinotage, Llc Inspection device for aircraft
DE102007045323A1 (de) * 2007-09-21 2009-04-09 Siemens Ag Anordnung und Verfahren zur optischen Detektion von Unebenheiten einer Glasscheibe
JP2013524167A (ja) * 2010-03-26 2013-06-17 ザ・ボーイング・カンパニー 透明部材内の光学的欠陥の検出
CN104819985A (zh) * 2015-03-30 2015-08-05 智机科技(深圳)有限公司 用于检测可透光材质表面图像的方法及检测设备
JP2019060664A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 有限会社仁木ガラス 自動車のフロントガラス内の割れ検出方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5610710A (en) Dual mode illumination system for optical inspection
US4555635A (en) Surface flaw inspection apparatus for a convex body
US6930772B2 (en) Method and device for inspecting defect of sheet-shaped transparent body
US6175645B1 (en) Optical inspection method and apparatus
US7453563B2 (en) Device and method for detecting scratches
US20010030744A1 (en) Method of simultaneously applying multiple illumination schemes for simultaneous image acquisition in an imaging system
CN105259189A (zh) 玻璃的缺陷成像系统和方法
US5982493A (en) Apparatus and method for acquiring multiple images
JP2009512839A (ja) ガラス板光学検査システム及び方法
JP2008519257A (ja) 板ガラスの表面及び内部の欠陥を識別するための検査装置及び方法
CA2842544A1 (en) Apparatus and method for inspecting matter and use thereof for sorting recyclable matter
KR20190014483A (ko) 자동 광학 검사 방법
CN112945988A (zh) 镜片缺陷检测系统及检测方法
JP2000149781A5 (ja)
US6618136B1 (en) Method and apparatus for visually inspecting transparent body and translucent body
JP3677133B2 (ja) 透明体検査装置
JPH09196858A (ja) 航空機の窓のクレージング検査方法
TW201341785A (zh) 用以檢查物品缺陷之系統及方法
JP2001124702A (ja) 帯状シート検査装置
JP2000161937A (ja) 円柱状物体の表面検査装置
KR20190001789A (ko) 멀티 광학 디스플레이 검사 장치
CN110596114B (zh) 一种检测装置和硅片分选设备
KR20160032576A (ko) 고속 카메라 및 적외선 광학계를 이용한 이미지 분석 시스템 및 방법
JPH08122266A (ja) 表面検査装置
JP2004212202A (ja) 透光体の外観検査方法及び装置