JP2004212202A - 透光体の外観検査方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】透過率の異なる複数の領域が混在する対象物を撮像して表面状態を検査する際、少なくとも透過率が最小の領域を確実に検査できるようにする。
【解決手段】透過率が異なる複数の領域が混在するワークWを、表面側に配置された撮像手段20により撮像し、得られる検査画像に基づいて検査する透光体の外観検査装置であって、
前記ワークWに裏面側から透過光を照射し、前記撮像手段20の受光レベルが、少なくとも透過率が最小の領域では飽和しない条件に調整可能な平面状の反射面を回転させる回転機構36Aを有する反射板36を備えた。
【選択図】 図2
【解決手段】透過率が異なる複数の領域が混在するワークWを、表面側に配置された撮像手段20により撮像し、得られる検査画像に基づいて検査する透光体の外観検査装置であって、
前記ワークWに裏面側から透過光を照射し、前記撮像手段20の受光レベルが、少なくとも透過率が最小の領域では飽和しない条件に調整可能な平面状の反射面を回転させる回転機構36Aを有する反射板36を備えた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、透光体の外観検査方法、特にプラズマ・ディスプレイ・パネル背面板等の透過率の異なる領域が混在している透光性を有する対象物の外観検査に適用して好適な、透光体の外観検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透過率の異なる領域が混在している透光性の対象物としては、例えば、プラズマ・ディスプレイ・パネル(以下、PDPとも記す)背面板がある。図10には蛍光体を塗布する前の製造途中段階にあるPDP背面板を、断面の一部を拡大して模式的に示す。このPDP背面板は、AC(交流)型の例であり、透明なガラス板10上に複数のアドレス電極12が紙面に垂直な方向に平行に配設され、該電極12を覆うように誘電体層14が積層され、更にその上に、リブ(隔壁)16が、電極12と同方向に所定の間隔で平行に配設されている。
【0003】
このようなPDP背面板を対象物として外観検査を行う場合、図9(A)に示すように、図中ワークWで示す対象物に対して垂直方向に配置したラインセンサカメラ20により、その光軸近傍に対向配置した2つのライン状光源(例えば、蛍光灯)22により撮像位置を照射する明視野照明下で、該ワークWを矢印方向に移動させながら画像入力を行う検査方法が知られている。
【0004】
又、同図(B)に示すように、1つの光源からの照明光がワークWの表面で正反射する方向に配置したラインセンサカメラ20により、同様に該ワークの画像入力を行う検査方法もある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
以上のような反射照明を基本とする一般的な外観検査の場合は、ワークWに対する照明(光源)22及びカメラ20の配置角度をそれぞれ最適にして該カメラ20により撮像することにより、ワーク表面における外観上の欠陥を周囲との明るさの違いとして画像化できることから、それを検査画像として画像処理することにより欠陥検査を行うことができる。
【0006】
このような反射照明下で行う外観検査の方法では、ワークの表面状態を画像化しているため、ワークWの表面を構成する材質(反射率、色、表面粗度等)の違いが、得られる画像の明るさや画質に影響を与えることになる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−230863号公報
【特許文献2】
特開2001−153807号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、透明なガラス板の上に、例えば厚さ(以下、膜厚ともいう)が異なるだけで、材質が実質上同一又は近い材料からなるために透過率が異なる2つの領域が形成されている対象物の場合には、前記のような反射照明下でラインセンサカメラ20により撮像したとしても、表面状態に大きな差がないために、その差は画像上に顕著に現われず、一様に近い画像が得られることになる。
【0009】
図11は、このような反射照明下で、2つの領域が形成されている対象物を撮像して得られたほぼ一様な検査画像のイメージを示したものである。但し、便宜上、2つを網掛の種類を変えて区別すると共に、欠陥が発生している場合の例を示してある。この図では、Aが透過率が小さい領域で、Bが透過率が大きい領域をそれぞれ撮像した画像領域に相当し、前記反射照明下で得られた実際の検査画像では画像領域A、Bは実質上区別できないことになる。
【0010】
このようなほぼ一様な検査画像から、画像処理によりA、Bの両領域に発生している欠陥を検査し、欠陥サイズが所定の基準値を越えたものを不良品とする場合を考える。このような検査方法では、A、B2つの領域間で検出すべき最小欠陥サイズが異なる、即ち不良と判定する基準値が異なる場合は、一方の領域に判定条件を合わせると、他方では欠陥の見逃し又は過剰検出が発生することになる。
【0011】
特に、上記図11に併記したように、A領域のみを、例えば50μm以上の欠陥を不良として検出する対象とし、他方のB領域は検査の対象から外してもよい、即ち検査の不感帯にしてもよいという場合、この領域で検出された欠陥候補は全て(但し、この図には1つ(黒い長丸)のみ示す)が過剰検出ということになる。
【0012】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、透過率の異なる2以上の領域が混在する対象物を、反射照射下で撮像して表面状態を検査する際、表面状態が実質的に差がない場合でも、少なくとも透過率が一番小さい領域については確実に欠陥を検査することができる透光体の外観検査方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透過率が異なる複数の領域が混在する対象物を、表面側に配置された撮像手段により撮像し、得られる検査画像に基づいて検査する透光体の外観検査方法であって、前記対象物に裏面側から透過光を照射し、前記撮像手段の受光レベルが、少なくとも透過率が最小の領域では飽和しない条件に設定し、前記検査画像を撮像することにより、前記課題を解決したものである。
【0014】
本発明は、又、透過率が異なる複数の領域が混在する対象物を、表面側に配置された撮像手段により撮像し、得られる検査画像に基づいて検査する透光体の外観検査装置であって、前記対象物に裏面側から透過光を照射し、前記撮像手段の受光レベルが、少なくとも透過率が最小の領域では飽和しない条件に調整可能な透過照明手段を備えたことにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0015】
即ち、本発明においては、対象物の表面側に配置した撮像手段により、少なくとも透過率が最小の領域以外は受光レベルが飽和した条件下で、該対象物の表面を撮像することができるようにしたので、少なくとも透過率が最小の領域については1回の撮像操作により検査画像を入力することができるため、該領域の外観を確実に検査することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る第1実施形態の外観検査装置の全体構成を示す概略斜視図、図2はその要部を示す拡大部分側面図、図3は該検査装置の制御系の概要を示すブロック図である。
【0018】
本実施形態の外観検査装置は、検査対象物であるワークWを搬送する搬送ステージ30と、該ステージ30に付設され、該ワークWを矢印方向に移動させる搬送コンベア32と、該ワークWの上方(表面側)に設置された画像入力部であるラインセンサカメラ(撮像手段)20と、該カメラ20をワークWの搬送方向に直交する両矢印方向に移動させるカメラ移動ステージ34と、該カメラ20と一体的に移動する反射照明部(光源)22と、ワークWの裏面側に配設され、反射照明部22の照明光をカメラ方向に反射する平面状の反射面を有する反射板(透過照明手段)36とを備えている。これら各機能部は、図3にも示したように、コンピュータからなる制御部(画像処理部)38により、以下に詳述する動作制御が行われるようになっている。
【0019】
又、上記検査装置では、前記図2に搬送コンベア32で搬送されつつある透光性を有するワークWを、ほぼ垂直上方に設置されたラインセンサカメラ20により撮像し、その外観を検査している状態を拡大して示したように、反射照明部22からワークWに照射された照明光の一部は、裏面側に透過した後、長尺状の反射板36で反射されてカメラ20のライン状の受光部全体に照射されるようになっている。即ち、この反射板36による反射光は、ラインセンサカメラ20により対象物Wを反射照明下で撮像する際に、同時使用する該Wの裏面側からの透過光(透過照明)となる。又、この反射板36には、ラインセンサカメラ20の受光部に平行な方向に配設された回転軸を有する回転機構36Aが付設されている。
【0020】
以下、本実施形態の作用を、透過率が異なる複数の領域が混在するワークWとして、前記図10に示したようなPDP背面板を検査する場合を例に具体的に説明する。
【0021】
本実施形態では、ラインセンサカメラ20によりワークWの検査画像を入力する前に、準備操作として図2に示した検査時と同じ状態(但し、ワークWは停止した状態でもよい)で、該カメラ20のCCD等の受光素子による受光レベルを調整する。具体的には、ラインセンサカメラ20を適切な受光感度に設定した後、反射照明部22の照明強度を調整すると共に、回転機構36Aにより反射板36の傾斜角度を調整して該カメラ20の方向への透過光強度を調整することにより、透過率の大きい誘電体層14に対応する画像領域の受光レベルが飽和するように設定する。即ち、透過率の小さいリブ16に対応する画像領域のみは受光レベルが飽和しないように光学条件を調整する。
【0022】
以上のように光学条件を調整できたところで、通常の反射照明の場合と同様の操作により、検査画像の入力(撮像)を実行する。
【0023】
図4(A)は、本実施形態により撮像した、前記図11に相当する検査画像のイメージを示したもので、同図(B)はラインL上におけるラインセンサカメラ20の受光レベル(濃度プロファイル)を対応させて示したものである。
【0024】
図5(A)は、同一の対象物を通常の反射照明の下で撮像して得られた従来法による同一の検査画像であり、同図(B)は上記ラインLと実質的に同一のラインL´上の濃度プロファイルである。
【0025】
この図5に示されるように、従来法では検出すべきA領域の欠陥が検出できているが、B領域が不感帯(検査不要)であるにも拘わらず、小さい欠陥(黒い長丸)をも検出してしまっている。
【0026】
これに対して、本実施形態によれば、B領域が飽和レベルにあるために上記不感帯の欠陥は検出されず、検出すべきA領域の欠陥のみを明瞭に検出できていることが分かる。
【0027】
以上詳述したように、本実施形態によれば、検出すべき透過率の小さいA領域についてのみ確実に欠陥を検出することができる。従って、PDP背面板の誘電体層14の領域の欠陥は検出せず、リブ16のみの外観検査を確実に行うことができる。
【0028】
本実施形態では、B領域を不感帯としてA領域のみを検査する場合に限らず、図示は省略するが、前記検査画像の受光レベルを飽和させたB領域と、通常の反射照明下で得られる従来の検査画像との間でAND処理を行い、該従来の検査画像の中からB領域に相当する範囲を抽出することにより、B領域についてのみの検査を行うことができる。この場合は、A領域とB領域とをそれぞれ個別に外観検査することが可能となるため、両領域で欠陥サイズの判定基準が異なる場合でも、確実に検査することが可能となる。
【0029】
図6には、本発明に係る第2実施形態の検査装置の画像入力部の特徴を示す。この例では、反射照明は前記図9(B)の場合と同様の正反射照明であり、ワークWの裏面側からの透過光は、同側に配設した透過照明(光源)38により同時に照明している以外は、前記第1実施形態と同様である。なお、透過光の光源38としては、蛍光灯、ハロゲンランプ等と先端がライン状に配列された光ファイバーとを組合せたものが使用できる。
【0030】
図7は、第3実施形態の画像入力部である。これは、専用の光源を使用せず、図6の透過照明部38の代わりに長尺状の反射板36を設けたものである。この反射板36としては、金属、鏡又はアクリル板等を利用できる。この反射板36も、前記図2に示した装置と同様に、反射光を効率良く透過照明とするために、回転機構を設けてもよく、更に平行移動機構及び上下移動機構を設けることにより、照明範囲を変更できるようにしてもよい。又、この反射板36を金属で形成する場合には、反射光を拡散させるために表面に拡散面を形成する処理を施してもよい。
【0031】
図8は、更に第4実施形態の画像入力部の例である。これは、図7の反射板36の代りに、長尺状の凹面状の反射面を有する反射板36としたものに相当する。このように、反射板の形状を凹面状にすることにより、ワーク透過後に拡散する反射照明22からの照射光の透過成分が、反射板のどこにあたったとしてもカメラ20の視野へ反射するようにできる。
【0032】
以上詳述した実施形態によれば、反射照明光に加えて、裏面側からの透過照明光を入れるようにしたことにより、透過率の高い誘電体層14の領域は、透過光の影響により検査画像上で受光レベルが飽和してしまい、表面の凹凸が識別できなくなる。従って、これにより、透過率の高い領域14の表面は検査不感帯とすることができるようになり、透過率の低いリブ16の領域だけを必要な精度で確実に検査できるようになる。
【0033】
又、透過照明を反射板36で代用した場合には、ランプ交換に伴う作業が必要なくなるため、メンテナンスや、ランニングコストの点で有利になる。
【0034】
以上本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0035】
例えば、前記実施形態では、検査対象物がPDP背面板である場合を示したが、これに限定されず、透過率が異なる複数の領域が混在するものであれば任意である。
【0036】
又、透過率の異なる領域は2つの場合に限らず、3つ以上であってもよい。この場合は、1回の画像入力により透過率が最小の領域のみを第1の検査画像として入力することができる。
【0037】
又、本発明は、透過率の異なる領域が、表面状態も異なっている対象物に対しても適用してもよい。
【0038】
又、この場合、次に透過率が小さい領域も飽和しない条件で第2の検査画像を入力し、第1と第2の検査画像や従来の検査画像を使用し、各画像間で論理演算を行うことにより、希望する領域について確実に検査できるようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、透過率の異なる複数の領域が混在する対象物を、反射照明下で撮像して表面状態を検査する際、表面状態が実質的に差がない場合でも、少なくとも透過率が最小の領域については1回の操作で確実に欠陥を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の外観検査装置の全体を示す概略斜視図
【図2】上記外観検査装置の要部を拡大して示す概略側面図
【図3】上記外観検査装置の制御系の概要を示すブロック図
【図4】本発明による検査画像の特徴を示す説明図
【図5】従来法による検査画像の特徴を示す説明図
【図6】本発明に係る第2実施形態の画像入力部を模式的に示す概略側面図
【図7】本発明に係る第3実施形態の画像入力部を模式的に示す概略側面図
【図8】本発明に係る第4実施形態の画像入力部を模式的に示す概略側面図
【図9】従来の反射照明を使用する検査装置の画像入力部を模式的に示す概略側面図
【図10】PDP背面板の要部を模式的に示す拡大部分断面図
【図11】従来の問題点を示す説明図
【符号の説明】
W…ワーク(検査対象物)
10…ガラス板
12…電極
14…誘電体層
16…リブ
20…ラインセンサカメラ
22…光源(反射照明部)
36…反射板
38…透過照明部
【発明が属する技術分野】
本発明は、透光体の外観検査方法、特にプラズマ・ディスプレイ・パネル背面板等の透過率の異なる領域が混在している透光性を有する対象物の外観検査に適用して好適な、透光体の外観検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透過率の異なる領域が混在している透光性の対象物としては、例えば、プラズマ・ディスプレイ・パネル(以下、PDPとも記す)背面板がある。図10には蛍光体を塗布する前の製造途中段階にあるPDP背面板を、断面の一部を拡大して模式的に示す。このPDP背面板は、AC(交流)型の例であり、透明なガラス板10上に複数のアドレス電極12が紙面に垂直な方向に平行に配設され、該電極12を覆うように誘電体層14が積層され、更にその上に、リブ(隔壁)16が、電極12と同方向に所定の間隔で平行に配設されている。
【0003】
このようなPDP背面板を対象物として外観検査を行う場合、図9(A)に示すように、図中ワークWで示す対象物に対して垂直方向に配置したラインセンサカメラ20により、その光軸近傍に対向配置した2つのライン状光源(例えば、蛍光灯)22により撮像位置を照射する明視野照明下で、該ワークWを矢印方向に移動させながら画像入力を行う検査方法が知られている。
【0004】
又、同図(B)に示すように、1つの光源からの照明光がワークWの表面で正反射する方向に配置したラインセンサカメラ20により、同様に該ワークの画像入力を行う検査方法もある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
以上のような反射照明を基本とする一般的な外観検査の場合は、ワークWに対する照明(光源)22及びカメラ20の配置角度をそれぞれ最適にして該カメラ20により撮像することにより、ワーク表面における外観上の欠陥を周囲との明るさの違いとして画像化できることから、それを検査画像として画像処理することにより欠陥検査を行うことができる。
【0006】
このような反射照明下で行う外観検査の方法では、ワークの表面状態を画像化しているため、ワークWの表面を構成する材質(反射率、色、表面粗度等)の違いが、得られる画像の明るさや画質に影響を与えることになる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−230863号公報
【特許文献2】
特開2001−153807号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、透明なガラス板の上に、例えば厚さ(以下、膜厚ともいう)が異なるだけで、材質が実質上同一又は近い材料からなるために透過率が異なる2つの領域が形成されている対象物の場合には、前記のような反射照明下でラインセンサカメラ20により撮像したとしても、表面状態に大きな差がないために、その差は画像上に顕著に現われず、一様に近い画像が得られることになる。
【0009】
図11は、このような反射照明下で、2つの領域が形成されている対象物を撮像して得られたほぼ一様な検査画像のイメージを示したものである。但し、便宜上、2つを網掛の種類を変えて区別すると共に、欠陥が発生している場合の例を示してある。この図では、Aが透過率が小さい領域で、Bが透過率が大きい領域をそれぞれ撮像した画像領域に相当し、前記反射照明下で得られた実際の検査画像では画像領域A、Bは実質上区別できないことになる。
【0010】
このようなほぼ一様な検査画像から、画像処理によりA、Bの両領域に発生している欠陥を検査し、欠陥サイズが所定の基準値を越えたものを不良品とする場合を考える。このような検査方法では、A、B2つの領域間で検出すべき最小欠陥サイズが異なる、即ち不良と判定する基準値が異なる場合は、一方の領域に判定条件を合わせると、他方では欠陥の見逃し又は過剰検出が発生することになる。
【0011】
特に、上記図11に併記したように、A領域のみを、例えば50μm以上の欠陥を不良として検出する対象とし、他方のB領域は検査の対象から外してもよい、即ち検査の不感帯にしてもよいという場合、この領域で検出された欠陥候補は全て(但し、この図には1つ(黒い長丸)のみ示す)が過剰検出ということになる。
【0012】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、透過率の異なる2以上の領域が混在する対象物を、反射照射下で撮像して表面状態を検査する際、表面状態が実質的に差がない場合でも、少なくとも透過率が一番小さい領域については確実に欠陥を検査することができる透光体の外観検査方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透過率が異なる複数の領域が混在する対象物を、表面側に配置された撮像手段により撮像し、得られる検査画像に基づいて検査する透光体の外観検査方法であって、前記対象物に裏面側から透過光を照射し、前記撮像手段の受光レベルが、少なくとも透過率が最小の領域では飽和しない条件に設定し、前記検査画像を撮像することにより、前記課題を解決したものである。
【0014】
本発明は、又、透過率が異なる複数の領域が混在する対象物を、表面側に配置された撮像手段により撮像し、得られる検査画像に基づいて検査する透光体の外観検査装置であって、前記対象物に裏面側から透過光を照射し、前記撮像手段の受光レベルが、少なくとも透過率が最小の領域では飽和しない条件に調整可能な透過照明手段を備えたことにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0015】
即ち、本発明においては、対象物の表面側に配置した撮像手段により、少なくとも透過率が最小の領域以外は受光レベルが飽和した条件下で、該対象物の表面を撮像することができるようにしたので、少なくとも透過率が最小の領域については1回の撮像操作により検査画像を入力することができるため、該領域の外観を確実に検査することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る第1実施形態の外観検査装置の全体構成を示す概略斜視図、図2はその要部を示す拡大部分側面図、図3は該検査装置の制御系の概要を示すブロック図である。
【0018】
本実施形態の外観検査装置は、検査対象物であるワークWを搬送する搬送ステージ30と、該ステージ30に付設され、該ワークWを矢印方向に移動させる搬送コンベア32と、該ワークWの上方(表面側)に設置された画像入力部であるラインセンサカメラ(撮像手段)20と、該カメラ20をワークWの搬送方向に直交する両矢印方向に移動させるカメラ移動ステージ34と、該カメラ20と一体的に移動する反射照明部(光源)22と、ワークWの裏面側に配設され、反射照明部22の照明光をカメラ方向に反射する平面状の反射面を有する反射板(透過照明手段)36とを備えている。これら各機能部は、図3にも示したように、コンピュータからなる制御部(画像処理部)38により、以下に詳述する動作制御が行われるようになっている。
【0019】
又、上記検査装置では、前記図2に搬送コンベア32で搬送されつつある透光性を有するワークWを、ほぼ垂直上方に設置されたラインセンサカメラ20により撮像し、その外観を検査している状態を拡大して示したように、反射照明部22からワークWに照射された照明光の一部は、裏面側に透過した後、長尺状の反射板36で反射されてカメラ20のライン状の受光部全体に照射されるようになっている。即ち、この反射板36による反射光は、ラインセンサカメラ20により対象物Wを反射照明下で撮像する際に、同時使用する該Wの裏面側からの透過光(透過照明)となる。又、この反射板36には、ラインセンサカメラ20の受光部に平行な方向に配設された回転軸を有する回転機構36Aが付設されている。
【0020】
以下、本実施形態の作用を、透過率が異なる複数の領域が混在するワークWとして、前記図10に示したようなPDP背面板を検査する場合を例に具体的に説明する。
【0021】
本実施形態では、ラインセンサカメラ20によりワークWの検査画像を入力する前に、準備操作として図2に示した検査時と同じ状態(但し、ワークWは停止した状態でもよい)で、該カメラ20のCCD等の受光素子による受光レベルを調整する。具体的には、ラインセンサカメラ20を適切な受光感度に設定した後、反射照明部22の照明強度を調整すると共に、回転機構36Aにより反射板36の傾斜角度を調整して該カメラ20の方向への透過光強度を調整することにより、透過率の大きい誘電体層14に対応する画像領域の受光レベルが飽和するように設定する。即ち、透過率の小さいリブ16に対応する画像領域のみは受光レベルが飽和しないように光学条件を調整する。
【0022】
以上のように光学条件を調整できたところで、通常の反射照明の場合と同様の操作により、検査画像の入力(撮像)を実行する。
【0023】
図4(A)は、本実施形態により撮像した、前記図11に相当する検査画像のイメージを示したもので、同図(B)はラインL上におけるラインセンサカメラ20の受光レベル(濃度プロファイル)を対応させて示したものである。
【0024】
図5(A)は、同一の対象物を通常の反射照明の下で撮像して得られた従来法による同一の検査画像であり、同図(B)は上記ラインLと実質的に同一のラインL´上の濃度プロファイルである。
【0025】
この図5に示されるように、従来法では検出すべきA領域の欠陥が検出できているが、B領域が不感帯(検査不要)であるにも拘わらず、小さい欠陥(黒い長丸)をも検出してしまっている。
【0026】
これに対して、本実施形態によれば、B領域が飽和レベルにあるために上記不感帯の欠陥は検出されず、検出すべきA領域の欠陥のみを明瞭に検出できていることが分かる。
【0027】
以上詳述したように、本実施形態によれば、検出すべき透過率の小さいA領域についてのみ確実に欠陥を検出することができる。従って、PDP背面板の誘電体層14の領域の欠陥は検出せず、リブ16のみの外観検査を確実に行うことができる。
【0028】
本実施形態では、B領域を不感帯としてA領域のみを検査する場合に限らず、図示は省略するが、前記検査画像の受光レベルを飽和させたB領域と、通常の反射照明下で得られる従来の検査画像との間でAND処理を行い、該従来の検査画像の中からB領域に相当する範囲を抽出することにより、B領域についてのみの検査を行うことができる。この場合は、A領域とB領域とをそれぞれ個別に外観検査することが可能となるため、両領域で欠陥サイズの判定基準が異なる場合でも、確実に検査することが可能となる。
【0029】
図6には、本発明に係る第2実施形態の検査装置の画像入力部の特徴を示す。この例では、反射照明は前記図9(B)の場合と同様の正反射照明であり、ワークWの裏面側からの透過光は、同側に配設した透過照明(光源)38により同時に照明している以外は、前記第1実施形態と同様である。なお、透過光の光源38としては、蛍光灯、ハロゲンランプ等と先端がライン状に配列された光ファイバーとを組合せたものが使用できる。
【0030】
図7は、第3実施形態の画像入力部である。これは、専用の光源を使用せず、図6の透過照明部38の代わりに長尺状の反射板36を設けたものである。この反射板36としては、金属、鏡又はアクリル板等を利用できる。この反射板36も、前記図2に示した装置と同様に、反射光を効率良く透過照明とするために、回転機構を設けてもよく、更に平行移動機構及び上下移動機構を設けることにより、照明範囲を変更できるようにしてもよい。又、この反射板36を金属で形成する場合には、反射光を拡散させるために表面に拡散面を形成する処理を施してもよい。
【0031】
図8は、更に第4実施形態の画像入力部の例である。これは、図7の反射板36の代りに、長尺状の凹面状の反射面を有する反射板36としたものに相当する。このように、反射板の形状を凹面状にすることにより、ワーク透過後に拡散する反射照明22からの照射光の透過成分が、反射板のどこにあたったとしてもカメラ20の視野へ反射するようにできる。
【0032】
以上詳述した実施形態によれば、反射照明光に加えて、裏面側からの透過照明光を入れるようにしたことにより、透過率の高い誘電体層14の領域は、透過光の影響により検査画像上で受光レベルが飽和してしまい、表面の凹凸が識別できなくなる。従って、これにより、透過率の高い領域14の表面は検査不感帯とすることができるようになり、透過率の低いリブ16の領域だけを必要な精度で確実に検査できるようになる。
【0033】
又、透過照明を反射板36で代用した場合には、ランプ交換に伴う作業が必要なくなるため、メンテナンスや、ランニングコストの点で有利になる。
【0034】
以上本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0035】
例えば、前記実施形態では、検査対象物がPDP背面板である場合を示したが、これに限定されず、透過率が異なる複数の領域が混在するものであれば任意である。
【0036】
又、透過率の異なる領域は2つの場合に限らず、3つ以上であってもよい。この場合は、1回の画像入力により透過率が最小の領域のみを第1の検査画像として入力することができる。
【0037】
又、本発明は、透過率の異なる領域が、表面状態も異なっている対象物に対しても適用してもよい。
【0038】
又、この場合、次に透過率が小さい領域も飽和しない条件で第2の検査画像を入力し、第1と第2の検査画像や従来の検査画像を使用し、各画像間で論理演算を行うことにより、希望する領域について確実に検査できるようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、透過率の異なる複数の領域が混在する対象物を、反射照明下で撮像して表面状態を検査する際、表面状態が実質的に差がない場合でも、少なくとも透過率が最小の領域については1回の操作で確実に欠陥を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の外観検査装置の全体を示す概略斜視図
【図2】上記外観検査装置の要部を拡大して示す概略側面図
【図3】上記外観検査装置の制御系の概要を示すブロック図
【図4】本発明による検査画像の特徴を示す説明図
【図5】従来法による検査画像の特徴を示す説明図
【図6】本発明に係る第2実施形態の画像入力部を模式的に示す概略側面図
【図7】本発明に係る第3実施形態の画像入力部を模式的に示す概略側面図
【図8】本発明に係る第4実施形態の画像入力部を模式的に示す概略側面図
【図9】従来の反射照明を使用する検査装置の画像入力部を模式的に示す概略側面図
【図10】PDP背面板の要部を模式的に示す拡大部分断面図
【図11】従来の問題点を示す説明図
【符号の説明】
W…ワーク(検査対象物)
10…ガラス板
12…電極
14…誘電体層
16…リブ
20…ラインセンサカメラ
22…光源(反射照明部)
36…反射板
38…透過照明部
Claims (4)
- 透過率が異なる複数の領域が混在する対象物を、表面側に配置された撮像手段により撮像し、得られる検査画像に基づいて検査する透光体の外観検査方法であって、
前記対象物に裏面側から透過光を照射し、前記撮像手段の受光レベルが、少なくとも透過率が最小の領域では飽和しない条件に設定し、前記検査画像を撮像することを特徴とする透光体の外観検査方法。 - 透過率が異なる複数の領域が混在する対象物を、表面側に配置された撮像手段により撮像し、得られる検査画像に基づいて検査する透光体の外観検査装置であって、
前記対象物に裏面側から透過光を照射し、前記撮像手段の受光レベルが、少なくとも透過率が最小の領域では飽和しない条件に調整可能な透過照明手段を備えたことを特徴とする透光体の外観検査装置。 - 前記透過照明手段が、前記裏面側に配設された平面状又は凹面状の反射面を有する反射板であることを特徴とする請求項2に記載の外観検査装置。
- 前記平面状の反射面を有する反射板が、反射面を回転させて反射光量を調整する回転機構を有していることを特徴とする請求項3に記載の外観検査装置。
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2002
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