JPH09196567A - アーク式電気炉の天井の冷却方法 - Google Patents

アーク式電気炉の天井の冷却方法

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JPH09196567A
JPH09196567A JP2307996A JP2307996A JPH09196567A JP H09196567 A JPH09196567 A JP H09196567A JP 2307996 A JP2307996 A JP 2307996A JP 2307996 A JP2307996 A JP 2307996A JP H09196567 A JPH09196567 A JP H09196567A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーク式電気炉の天井を冷却し、天井の寿命
延長および耐用性向上をはかる。 【解決手段】 天井2を通して炉1内に挿入した電極1
3から電流を流すことにより炉1内に装入されている原
料を抵抗熱で溶解させるアーク式電気炉1の天井2を冷
却する方法において、電極13を通している天井2部分
を耐火物からなる小天井部11に構成し、この小天井部
11の電極13近傍に冷却水および/またはエアーを供
給して冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉内に装入されて
いる原料に電流を流すことにより抵抗熱で原料を溶解さ
せるアーク式電気炉の天井を冷却する方法に関する。本
発明方法は、特にアーク式電気炉の天井の耐用性向上に
有効である。
【0002】
【従来の技術】近年、電気炉による粗鋼の生産量の増加
が図られており、主原料であるスクラップの増加に伴
い、溶解能力を向上するために炉容の大形化ならびに大
電力化が進められている。一方で、このような大形化や
大電力化すると、炉体の耐火物の損耗が大きくなるの
で、炉体の冷却が不可欠となる。そして、炉体を冷却す
ることにより、耐火物の使用量を大幅に減少させること
ができて耐用性が増すので、例えば天井の交換作業など
のような補修時間を大幅に低減でき、生産性の向上を図
ることができる。
【0003】ところが、電極に近接する天井部分などに
配管を行って電極周辺の天井部分を水冷するような構造
とすると、変圧器から電極に印荷した二次電圧が、炉体
内に装入されている原料のスクラップに負荷されずに、
近くに存在している水冷パイプに短絡してスパークを発
生してしまう。かようなスパークは、水冷パイプからの
水漏れを引き起こし、また、炉内に水が侵入すると水蒸
気爆発等発生の問題が生じる。更に、電極の近傍はアー
クによる熱負荷が大きく、水冷パイプが耐用できないな
どの理由から、現実には電極近傍の天井部分は水冷を行
わず、電極が通されている天井部分を耐火物からなる小
天井部に構成することによって耐用性の向上をはかって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、小天井部の中
でも取り分け電極近傍の耐火物は、電極から発生するア
ークの熱負荷の影響を直接受けるため、消耗量が非常に
大きい。このため、小天井部の寿命は、電極近傍の耐火
物の損耗量が律速となり、電極近傍以外の部分の耐火物
はほとんど消耗していない状態でも、電極近傍の耐火物
の消耗量が激しい場合は小天井部を交換せざるを得な
い。この小天井部の交換は、コストアップにつながるだ
けでなく、交換に非常に長時間の時間を要するため、生
産能力の低下につながるなどの問題もある。
【0005】一方、電極原単位を低減する目的で電極に
冷却水を供給して冷却する方法が行われている。この方
法を実施した場合、その副次効果として、電極に吹きか
けた冷却水が跳ね返って小天井部にもかかることにより
小天井部を冷却し、その結果として小天井部の耐用性が
向上することが知られている。しかしこの場合、電極に
吹きかけた冷却水が炉内に侵入する心配があり、鉱石等
の粒状原料を使用するステンレス製造の電気炉では水蒸
気爆発等の発生が問題となるのでこの方法は使用できな
い。また、炉内に侵入した冷却水は炉内雰囲気や溶解原
料を冷却し、電力原単位の悪化につながる。
【0006】本発明の目的は、冷却水を炉内に侵入させ
ることなくアーク式電気炉の小天井部を冷却でき、小天
井部の寿命延長を図ることによりその耐用性を向上させ
ることが可能な方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、天井
を通して炉内に挿入した電極から電流を流すことにより
炉内に装入されている原料を抵抗熱で溶解させるアーク
式電気炉の天井を冷却する方法において、前記電極を通
している天井部分を耐火物からなる小天井部に構成し、
この小天井部の電極近傍に冷却水および/またはエアー
を供給して冷却することを特徴としている。
【0008】請求項2の発明は、天井を通して炉内に挿
入した電極から電流を流すことにより炉内に装入されて
いる原料を抵抗熱で溶解させるアーク式電気炉の天井を
冷却する方法において、前記電極を通している天井部分
を耐火物からなる小天井部に構成し、この小天井部の熱
によって完全に蒸発する量の冷却水を小天井部の電極近
傍に供給して冷却することを特徴としている。
【0009】請求項3の発明は、天井を通して炉内に挿
入した電極から電流を流すことにより炉内に装入されて
いる原料を抵抗熱で溶解させるアーク式電気炉の天井を
冷却する方法において、前記電極を通している天井部分
を耐火物からなる小天井部に構成し、前記原料が溶解を
開始した時から原料が溶け落ちる時までは、小天井部の
電極近傍にエアーを吹き付けて冷却し、前記原料が溶け
落ちた以後は、小天井部の熱によって完全に蒸発する量
の冷却水を小天井部の電極近傍に供給して冷却すること
を特徴としている。
【0010】請求項4の発明は、天井を通して炉内に挿
入した電極から電流を流すことにより炉内に装入されて
いる原料を抵抗熱で溶解させるアーク式電気炉の天井を
冷却する方法において、前記電極を通している天井部分
を耐火物からなる小天井部に構成し、前記原料が溶解を
開始した時から原料が溶け落ちる時までは、小天井部の
電極近傍にエアーを吹き付けて冷却し、前記原料が溶け
落ちた時から前記天井を開放するまでは、小天井部の熱
によって完全に蒸発する量の冷却水を小天井部の電極近
傍に供給して冷却し、前記天井を開放した以後は、冷却
水の量を増加させることを特徴としている。
【0011】これら請求項1〜4に記載の方法におい
て、請求項5に記載したように、前記小天井部において
前記電極を同心円上に複数配置し、該同心円上で複数の
電極の間において小天井部に冷却水および/またはエア
ーを供給するように構成することができる。また、前記
小天井部の熱によって完全に蒸発する冷却水の量Wは、
請求項6に記載したように、例えば次式(1)の範囲内
とすることができる。 W ≦ A×(tO−t)×η/Q ・・・ (1) 但し、η:耐火物の熱伝達係数 tO:冷却開始前の耐火物表面温度 t:冷却後の耐火物表面温度 A:冷却表面積 Q:単位量当たりの冷却水の蒸発に必要な熱量 である。
【0012】また、前記小天井を構成する耐火物は、請
求項7に記載したように、例えばMgO−Cなどの比較
的熱伝導度の高い材質とすることが好ましい。また、請
求項8に記載したように、前記小天井部以外の天井部分
を水冷するようにしても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施の
形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明方法を実
施するための電気炉1の縦断面図であり、図2は、同じ
電気炉1の天井2の平面図である。
【0014】この電気炉1は、外側がそれぞれ鉄皮3、
4で囲まれた炉壁5および炉床6より構成される炉体7
の上方を天井2で開放自在に塞ぐことにより構成されて
いる。略円筒形状に形成される炉壁5の内部には水冷パ
イプ10が埋設されており、この水冷パイプ10に冷却
水を流通させることによって炉壁5の温度上昇を防ぐよ
うになっている。
【0015】図示の電気炉1の天井2は図2に示される
ように中心がOの円形状をなしている。天井2のほぼ中
央には、天井2と同心で半径Rの円形をなす小天井部1
1が形成されており、この小天井部11の周りにドーナ
ツ形状の大天井部12を配置した構成になっている。小
天井部11は、MgO−Cなどの比較的熱伝導度の高い
耐火物からなっている。図示の例では、小天井部11に
は全部で三本の電極13が通っており、これら電極13
の下端が電気炉1の内部に挿入されている。また、これ
ら三本の電極13は何れも天井2の中心O(小天井部1
1の中心でもある)の周りに形成される半径r(r<
R)の円上に配置されている。
【0016】大天井部12は、鉄皮15の内側(下側)
に内壁16を取り付けた構成になっている。内壁16の
内部には水冷パイプ17が埋設されており、この水冷パ
イプ17に冷却水を流通させることによって大天井部1
2全体の温度上昇を防ぐようになっている。
【0017】以上のように構成された電気炉1の内部
に、スクラップ屑などの金属を含む主原料、および脈石
などのスラグ分などを装入し、その状態で、電極13に
図示しない変圧器からの二次電圧を引加する。こうし
て、電気炉1内に装入した主原料と電極13との間にア
ークを発生させて、原料を溶解および溶融することがで
きる。この時、アークの抵抗熱によって電気炉1の内部
雰囲気は、たとえば約1000℃程度の高温となる。そ
して、特に小天井部11において電極13近傍の耐火物
は、アークの輻射熱による熱負荷と、前記アークの抵抗
熱によって加熱された電気炉1内の雰囲気にて熱せられ
て、1500〜2000℃の高温となるため、消耗が非
常に激しい。
【0018】このようなアークの発生に伴う従来の小天
井部11の消耗速度比をグラフで示すと、図3のように
なる。図3において、横軸は天井2の中心O(小天井部
11の中心と同じ)からの距離を示しており、先に説明
した電極13は距離rの位置に同心円上に配置されてい
る。図3において、縦軸は小天井部11の各位置におけ
る耐火物の消耗速度比を示している。図示の如く、従来
の小天井部11は、距離r付近に位置する電極13近傍
の耐火物は、電極13から発生するアークの熱負荷を直
接受けるため消耗速度が非常に大きい。一方、小天井部
11の中央や周縁は熱負荷が比較的少なく、耐火物の消
耗速度は相対的に小さい。特に小天井部11の周縁は、
水冷パイプ17によって水冷されている大天井部12の
影響を受けるため、耐火物の消耗速度が電極13近傍に
比べてほぼ十分の一程度である。このため、従来の小天
井部11の寿命は電極13近傍の耐火物の損耗量が律速
となり、電極13近傍以外の部分はほとんど消耗してい
ない状態でも、電極13近傍の耐火物の消耗量が激しい
場合は、小天井部11全部を交換せざるを得ないことと
なっていた。
【0019】そこで本発明では、以上のような電気炉1
において電極13に電流を流すことによりアークを発生
させるに際し、小天井部11の電極13近傍に冷却水や
エアーを供給することによって冷却し、小天井部11全
体の延命化をはからんとするものである。図1は、本発
明方法を実施するための一例として天井2の上方にエア
ーと冷却水の両方を供給可能な配管20を設けた例を示
している。この配管20の基端20’からは、図示しな
い適当な供給源からのエアーや冷却水が選択的に供給さ
れるようになっている。配管20の先端20”には、図
2に示すように、分岐管21が取り付けられており、こ
れら配管20の先端20”と分岐管21に合計で三箇所
にノズル22が装着されている。これら各ノズル22
も、電極13と同様に、天井2の中心O(小天井部11
の中心でもある)の周りに形成される半径r(r<R)
の円上に配置されている。そして、これら各ノズル22
は三本の電極13の間にそれぞれ配置されていて、半径
rの円上で電極13の間において小天井部11に冷却水
やエアーをそれぞれ供給することができるようになって
いる。
【0020】次に、以上のような構成を備える電気炉1
(90T電気炉)について、小天井部11を冷却しなが
ら原料を溶解させる本発明方法の実施例と、小天井部1
1を冷却しないで原料を溶解させる比較例を実際に行っ
た。以下、その実施例に基づいて本発明方法を説明す
る。なお、溶解させた原料は、表1に示す如き配合を有
するSUS304系ステンレス鋼である。
【0021】
【表1】
【0022】また、原料の溶解は、図4に示すタイミン
グチャートに従って行った。図4中、上段は、電極13
に通電した電力量の経時的変化を示すタイミングチャー
トである。中段は、本発明方法の実施例1、2と、比較
例における小天井部11の冷却切換の経時的変化を示す
タイミングチャートである。下段は、電気炉1内部の状
況変化である炉況シーケンスを経時的に示すタイミング
チャートである。本発明方法の実施例1では、小天井部
11の電極13近傍にノズル22を介して、小天井部1
1の熱によって完全に蒸発する量の冷却水を供給し、水
冷のみを行った。また、本発明方法の実施例2では、原
料が溶解を開始した時から原料が溶け落ちる時までは、
ノズル22を介して小天井部11の電極13近傍にエア
ーを吹き付けて冷却し、原料が溶け落ちた以後は、ノズ
ル22を介して小天井部11の電極13近傍に小天井部
11の熱によって完全に蒸発する量の冷却水を供給して
冷却し、更に、天井を開放して出銑を行った以後は、冷
却水の量を増加させて更に小天井部11の電極13近傍
を冷却した。一方、比較例では、小天井部11を冷却し
ていない。
【0023】小天井部11の電極13近傍に冷却水を供
給する場合、供給した水が完全に蒸発しきらないと、残
った水が炉内に侵入して炉内雰囲気や溶解原料を冷却す
ると共に、炉内に侵入した水分は水蒸気爆発を起こす心
配を生る。そこで、本発明方法の実施例1、2における
冷却水の量は、小天井部11の熱によって完全に蒸発で
きる量となるように制御した。即ち、小天井部11に供
給する冷却水の量Wは、次式(1)の範囲内となるよう
に制御した。 W ≦ A×(tO−t)×η/Q ・・・ (1) 但し、η:耐火物の熱伝達係数 tO:冷却開始前の耐火物表面温度 t:冷却後の耐火物表面温度 A:冷却表面積 Q:単位量当たりの冷却水の蒸発に必要な熱量 である。
【0024】以上の実施例1、2及び比較例の結果を表
2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】本発明方法にかかる実施例1では、電極1
3近傍の耐火物の消耗量が減少し、小天井部11の耐用
時間が延び、寿命が比較例に比べて50CHも延長し
た。そして、実施例1において電極13近傍の耐火物の
消耗が進行した使用限界においては、電極13近傍以外
の小天井部11の中央や周縁においても耐火物が電極1
3近傍と同程度消耗していた。また、本発明方法にかか
る実施例2では、比較例に対して小天井部11の寿命が
80CHも延長した。
【0027】図5に、実施例1、2において行った各冷
却方法と、冷却温度の関係を示す。図中、横軸は各冷却
方法を示し、Aは、本発明方法の実施例2において原料
の溶解開始から原料の溶け落ち時の間に行ったエアーの
吹き付けによる冷却方法、Bは、本発明方法の実施例2
において出銑後に行った冷却水量の増加後における冷却
方法である。Cは、本発明方法の実施例1と、実施例2
において原料の溶け落ち時から出銑までの間に行った小
天井部11の熱で完全に蒸発する量の冷却水を供給して
冷却する方法である。Dは、冷却をしていない比較例を
示す。また、縦軸は各冷却方法によって小天井部11が
冷却された温度を比較例(冷却なし)の場合に比較して
示している。
【0028】図5に示すように、エアーの吹き付けによ
る冷却を行った場合(A)と冷却水による冷却を行った
場合(B、C)は、何れも冷却無しの比較例(D)に比
べて−200〜−400℃程度小天井部11を冷却でき
る。また、実施例2において行ったエアーの吹き付けに
よる冷却方法(A)は、冷却水の供給による冷却方法
(B、C)に比べて冷却効果は若干低いものの、電気炉
1の天井2に堆積するダストを除去できるといった副次
的な効果が得られた。通常、天井2表面にダストが堆積
すると、ダストが天井2の断熱作用をもたらし冷却作用
が低下する。エアーを吹き付ることによってダストが除
去され、冷却効果が向上し、水冷に近い冷却結果が得ら
れた。これは、ステンレス鋼を製造する電気炉のように
安全性を重視する操業においては、冷却水による冷却を
行うよりもむしろエアー冷却を行った方が安定した操業
を行うことができるといった可能性を示唆している。但
し、原料の溶け落ち以降は冷却水が炉内に侵入しても、
溶鋼表面に落下するので、原料内部に介在した水の体積
膨張によってメタルが飛散して生ずる水蒸気爆発等の発
生が回避される。従って、原料の溶け落ち以降は、実施
例1、2のような、冷却効果の高い冷却水による冷却を
行う方が好ましい。更に、天井を開放して出銑を行った
以後は、小天井部11に対する冷却は炉内へ全く影響を
与える心配がなくなるので、出銑後は冷却水量を増加さ
せて冷却効果をより一層高めることが好ましい。
【0029】図6に、この実施例1、2に使用した電気
炉1についての、原料の溶け落ち後における小天井部1
1への冷却水の供給流量と蒸発率の関係を示し、図7
に、同電気炉1についての原料の溶け落ち後における小
天井部11への冷却水の供給流量と小天井部11表面の
冷却温度の関係を示した。小天井部11表面の単位面積
当たり(1cm2当たり)約2リットル/min以下程
度であれば、小天井部11表面に供給した冷却水は完全
に蒸発する。しかし、冷却水の供給流量があまり少ない
と冷却効果はほとんど得られないことが分かる。
【0030】なお、実施例2のように炉況シーケンスに
対応させて途中で冷却方法を切り替える場合は、例えば
炉体溶解制御装置とエアーや冷却水の供給バルブなどと
を連携させ、シーケンス制御を行えば、人手を要せずに
冷却操作を行うことができるようになる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、電気炉の小天井部にお
ける電極近傍の耐火物の消耗を減少でき、電極近傍以外
の耐火物と消耗が同等量となるため、小天井部全体の寿
命を延長することができる。これにより、生産能力の向
上および製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための電気炉の縦断面図
である。
【図2】電気炉の天井の平面図である。
【図3】アークの発生に伴う従来の小天井部の消耗速度
比を示すグラフである。
【図4】本発明方法の実施例のタイミングチャートであ
る。
【図5】各冷却方法と冷却温度の関係を示すグラフであ
る。
【図6】小天井部への冷却水の供給流量と蒸発率の関係
を示すグラフである。
【図7】冷却水の供給流量と小天井部表面の冷却温度の
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電気炉 2 天井 11 小天井部 13 電極 20 配管 22 ノズル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井を通して炉内に挿入した電極から電
    流を流すことにより炉内に装入されている原料を抵抗熱
    で溶解させるアーク式電気炉の天井を冷却する方法にお
    いて、 前記電極を通している天井部分を耐火物からなる小天井
    部に構成し、この小天井部の電極近傍に冷却水および/
    またはエアーを供給して冷却することを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 天井を通して炉内に挿入した電極から電
    流を流すことにより炉内に装入されている原料を抵抗熱
    で溶解させるアーク式電気炉の天井を冷却する方法にお
    いて、 前記電極を通している天井部分を耐火物からなる小天井
    部に構成し、この小天井部の熱によって完全に蒸発する
    量の冷却水を小天井部の電極近傍に供給して冷却するこ
    とを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 天井を通して炉内に挿入した電極から電
    流を流すことにより炉内に装入されている原料を抵抗熱
    で溶解させるアーク式電気炉の天井を冷却する方法にお
    いて、 前記電極を通している天井部分を耐火物からなる小天井
    部に構成し、前記原料が溶解を開始した時から原料が溶
    け落ちる時までは、小天井部の電極近傍にエアーを吹き
    付けて冷却し、前記原料が溶け落ちた以後は、小天井部
    の熱によって完全に蒸発する量の冷却水を小天井部の電
    極近傍に供給して冷却することを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 天井を通して炉内に挿入した電極から電
    流を流すことにより炉内に装入されている原料を抵抗熱
    で溶解させるアーク式電気炉の天井を冷却する方法にお
    いて、 前記電極を通している天井部分を耐火物からなる小天井
    部に構成し、前記原料が溶解を開始した時から原料が溶
    け落ちる時までは、小天井部の電極近傍にエアーを吹き
    付けて冷却し、前記原料が溶け落ちた時から前記天井を
    開放するまでは、小天井部の熱により完全に蒸発する量
    の冷却水を小天井部の電極近傍に供給して冷却し、前記
    天井を開放した以後は、冷却水の量を増加させることを
    特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 前記小天井部において前記電極を同心円
    上に複数配置し、該同心円上で複数の電極の間において
    小天井部に冷却水および/またはエアーを供給する請求
    項1〜4の何れかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記小天井部の熱によって完全に蒸発す
    る冷却水の量Wが、次式(1)の範囲内である請求項2
    〜5の何れかに記載の方法。 W ≦ A×(tO−t)×η/Q ・・・ (1) 但し、η:耐火物の熱伝達係数 tO:冷却開始前の耐火物表面温度 t:冷却後の耐火物表面温度 A:冷却表面積 Q:単位量当たりの冷却水の蒸発に必要な熱量 である。
  7. 【請求項7】 前記小天井を構成する耐火物が、MgO
    −Cなどの比較的熱伝導度の高い材質である請求項1〜
    6の何れかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記小天井部以外の天井部分を水冷する
    請求項1〜7の何れかに記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101539367A (zh) * 2009-04-23 2009-09-23 宜兴市振球炉料有限公司 电炉小炉盖及制备方法
KR102077948B1 (ko) * 2018-12-20 2020-02-14 현대제철 주식회사 전기로용 루프 냉각장치

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