JPH09195724A - タペットローラ軸受 - Google Patents
タペットローラ軸受Info
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- JPH09195724A JPH09195724A JP685396A JP685396A JPH09195724A JP H09195724 A JPH09195724 A JP H09195724A JP 685396 A JP685396 A JP 685396A JP 685396 A JP685396 A JP 685396A JP H09195724 A JPH09195724 A JP H09195724A
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Abstract
損傷が発生する事を防止する。 【構成】 互いに対向する軸5の外周面5aとローラ6
の内周面6aとの間の隙間8を、軸5の外径の0.04
〜1.0%の範囲に規制する。更に、上記両周面5a、
6aうちの何れかに、摩擦低減用の表面処理層を形成す
る。これらにより、エンジンの運転開始直後、未だエン
ジンオイルが供給されない間に、上記両周面5a、6a
に表面損傷が発生する事を防止する。
Description
受は、エンジンの動弁機構中に組み込み、動弁機構部分
の摩擦を少なくして、エンジン運転時に於ける燃料消費
率の低減を図るものである。
消費率を低減する事を目的として、クランクシャフトと
同期したカムシャフトの回転を給気弁及び排気弁の往復
運動に変換する部分に、タペットローラ軸受を組み込む
事が一般的に行なわれている。図1〜2は、実開平3−
108806号公報に記載されたタペットローラ軸受を
示している。
転するカムシャフト1に固定された(一般的には一体に
形成された)カム2に対向して、このカム2の動きを受
けるロッカーアーム3が設けられている。このロッカー
アーム3の端部(図1〜2の左端部)には1対の支持壁
部4、4が、互いに間隔をあけて設けられている。この
1対の支持壁部4、4の間には、鋼製で中空又は中実の
軸5を掛け渡している。この軸5の両端は焼き入れする
事なく、生のままとしており、軸5を固定する際には、
この未焼き入れ部分を、上記1対の支持壁部4、4に形
成した通孔7、7の内周面に向けてかしめ付ける。上述
の様にして、1対の支持壁部4、4の間に掛け渡された
軸5の周囲にはローラ6を、回転自在に支承しており、
このローラ6の外周面を、上記カム2の外周面に当接さ
せている。
によれば、ロッカーアーム3とカム2との間に働く摩擦
力を低減し、エンジン運転時に於ける燃料消費率の低減
を図れる。この様なタペットローラ軸受の設置部分には
エンジン運転時に、エンジンオイルが供給される。そし
て、このエンジンオイルによって、カム2の外周面とロ
ーラ6の外周面との間、及び軸5の外周面5aとローラ
6の内周面6aとの間が潤滑される。
質としては、カム2を含むカムシャフト1は鋳鉄若しく
は軸受鋼により、ローラ6及び軸5は高炭素クロム軸受
鋼により、それぞれ造る事が、必要な強度を確保しつつ
材料費、加工費を抑える面から、一般的に行なわれてい
る。そして、各部材の周面の表面粗さを工夫する事によ
り、エンジン運転時に於ける各部材同士の摺接部の潤滑
性を確保する様にしている。この様な潤滑性確保をより
確実に行なう為、軸5を燐青銅により、ローラ6を高炭
素クロム軸受鋼により、それぞれ造る事も、一部で行な
われている。又、ロッカーアーム3及び軸5にエンジン
オイル供給用の給油孔を開設する事も、例えば実開平4
−32210号公報に記載されている様に、従来から提
案されている。更に、ローラ6を窒化珪素等のセラミッ
クにより造る事も、例えば特開平4−15296号公
報、実開昭62−203911号公報、実開平3−10
8806号公報等に記載されている様に、従来から提案
されている。
従来から知られたタペットローラ軸受の場合には、次に
述べる様な解決すべき点がある。軸5及びローラ6を高
炭素クロム軸受鋼により造った場合には、運転条件によ
っては、軸5の外周面5aとローラ6の内周面6aとの
双方に、スミアと呼ばれる表面損傷が発生する。この様
な表面損傷は、組立作業に伴って、上記両部材5、6の
周面5a、6a同士の接触部が無潤滑状態となる事に起
因して発生する。即ち、これら両部材5、6の表面に
は、軸受加工時に付着する切削油等の加工用の油、更に
は搬送の間に腐食するのを防止する為の防錆油が付着し
ている。これらの油がそのまま残っていれば、エンジン
の運転開始直後から上記両周面5a、6a同士の潤滑が
或る程度図られる。ところが、近年に於けるエンジンの
組立工程では、これらの油は、軸受とロッカーアーム3
との組み立て工程で発生する切粉等が付着し、運転時に
異物として悪影響を及ぼす事を防止する為、洗浄作業に
より必要最小限のオイルを残し、洗い流している。この
為、組立直後のエンジンでは、上記両周面5a、6a同
士の接触部は無潤滑に近い状態となる。この状態からエ
ンジンを始動すると、エンジンオイルが供給されるまで
の短時間の間、上記両周面5a、6a同士が、一時的に
無潤滑状態のまま強く擦れ合う。この結果これら両周面
5a、6aに、上記表面損傷が発生する。
合には、カム2の外周面とローラ6の外周面との接触部
が焼き付く可能性がある。又、表面損傷が軽微である場
合にも、上記両周面5a、6aに微小な突起が形成さ
れ、この突起により、エンジンオイルの供給が行なわれ
る様になった後でも、これら各周面5a、6a同士の摺
動部の潤滑状態が完全な流体潤滑になりにくくなる。こ
の結果、経時的に各周面5a、6a部分の表面疲労が増
加した場合や、エンジンの急加減速時等、急激な速度変
動に油膜形成が追従できない場合に、局部的に著しい表
面損傷が発生する可能性がある。又、両部材5、6の各
周面5a、6aの表面粗さを工夫する事自体、供給され
たエンジンオイルの有効利用を意図したもので、無潤滑
状態での表面損傷防止には役立たない。
クロム軸受鋼製のローラ6の内周面6aとを接触させれ
ば、異種金属同士の接触になる為、接触部の摩擦が或る
程度低減するが、無潤滑状態での表面損傷防止効果は不
十分である。
により造ると、ローラ6の材料費及び加工費が嵩む。
又、セラミック製のローラ6は金属製のものに比べて割
れ易いだけでなく、金属製のカム2に対する攻撃性が強
く、このカム2の外周面を著しく摩耗させ易い。更に、
セラミック製のローラ6は金属製の軸5に比べて熱膨張
量が少ない為、エンジンの運転、停止に伴う、軸5の外
周面5aとローラ6の内周面6aとの間の隙間寸法変化
が大きくなる。この為、エンジンの温度が低い場合に、
ローラ6の支持部で振動が発生する等の問題を発生し易
い。
との間にニードルを設ければ、組立後のエンジンを始動
してからタペットローラ軸受部分にエンジンオイルが供
給されるまでの短時間の間に焼き付き等の損傷が発生す
る事を防止する事は可能である。但し、ニードルを組み
込んだ転がり軸受の場合、経時的なエンジンオイルの劣
化に伴う清浄剤の減少によりスラッジが増加すると、ニ
ードルを構成する金属表面の摩耗が進み、上記タペット
ローラ軸受部分の耐久性が損なわれる。
る事なく(滑り軸受により)ローラ6を回転自在に支承
する構造で、上記短時間の間に焼き付き等の損傷の発生
を防止できる構造の実現が望まれている。本発明のタペ
ットローラ軸受は、この様な事情に鑑みて発明したもの
である。
軸受は、前述した従来のタペットローラ軸受と同様、例
えば図1〜2に示す様に、エンジンのクランクシャフト
と同期して回転するカムシャフト1に固定されたカム2
と、このカム2に対向して設けられ、このカム2の動き
を受ける部材(ロッカーアーム3)に間隔をあけて形成
した1対の支持壁部4、4と、この1対の支持壁部4、
4の間に掛け渡された軸5と、この軸5の周囲に回転自
在に支承されたローラ6とから成る。
ては、上記軸5の外周面5aと上記ローラ6の内周面6
aとの間に、この軸5の外径に対する割合が0.04〜
1.0%である隙間8を介在させる事により、上記ロー
ラ6を上記軸5の周囲に、上記外周面5aと上記内周面
6aとの滑り接触に基づく回転自在に支持している。
尚、上記隙間8の大きさを上述の様に限定する理由は、
次の(1) 〜(2) の通りである。 (1) それぞれがSUJ2等の鋼により造られた軸5とロ
ーラ6とを組み合わせる場合。 上記両周面5a、6aの表面損傷を防止すべく、次述す
る様な表面処理層を形成する為、並びにオイルスターブ
ド(潤滑油枯渇状態)になっても上記両周面5a、6a
にスミアを起こしにくい接触状態を保つ為に限定する。 (2) 黄銅或は燐青銅の様な銅系合金製の軸5とSUJ2
等の鋼製のローラ6とを組み合わせる場合。 軸5とローラ6との材料の相違に基づいて、初期(常温
時)の隙間量に比べて稼働時(温度上昇時)の隙間量が
変化(減少)する。そこで、稼働時に隙間量を確保して
かじり等の損傷を防止する為に限定する。
外周面5aとのうちの少なくとも一方の周面5a(又は
6a)に、摩擦を低減する表面処理層を形成する。そし
て、この表面処理層の厚さを、上記隙間8の5〜95%
とする。尚、この様な摩擦を低減する表面処理層として
は、例えば次の〜に属するものが使用可能である。 硫黄と鉄との化合物の反応層。 窒素を含有した、硫黄と鉄との化合物の反応層。 燐と鉄との燐酸塩化合物の反応層。 二硫化モリブデン(MoS2 )とポリ四弗化エチレ
ン(PTFE)との単体若しくは混合物を熱硬化性合成
樹脂と共に焼成する事により得られる処理層。 上記〜の何れかの反応層の表面に、MoS2 と
PTFEとの単体若しくは混合物を熱硬化性合成樹脂と
共に焼成する事により得られる処理層を重ねたもの。
軸受の場合には、軸5の外周面5aとローラ6の内周面
6aとの間の隙間8を規制する事により、これら両周面
5a、6a同士の接触部分に加わる面圧を適正値にでき
る。この為、エンジンの運転開始直後、タペットローラ
軸受部分にエンジンオイルが行き渡るまでの間の短時
間、無潤滑に近い状態で運転されても、上記両周面5
a、6aが重大な損傷を受ける事がなくなり、耐焼き付
き性及び耐久性が向上する。
方に摩擦を低減する表面処理層を形成している為、この
表面処理層により、上記両周面5a、6a同士の間の潤
滑を確保できる。この為、これら両周面5a、6aに表
面損傷が発生する事をより有効に防止できる。この結
果、これら両周面5a、6aに有害な凹凸が形成される
事がなく、上記軸5の外周面5a及びローラ6の内周面
6aの潤滑状態を良好にできて、これら軸5及びローラ
6の耐久性向上を図れる。
就いて説明する。実験は、実際の使用条件を想定した台
上表面損傷再現試験として、図3に示す様な表面損傷試
験機を使用して行なった。プーリ9により回転駆動され
るシャフト10の中間部にはリング11を圧入してい
る。このリング11がカム2(図1〜2)に相当する。
このリング11の外周面に押圧するローラ6を、軸5の
周囲に回転自在に支承した。ローラ6としては、内径が
8.002〜8.160mmの範囲ものを6種類、20.
004〜20.400mmのものを6種類、合計12種類
用意した。又、内径が8.002〜8.160mmである
ローラ6に対応する軸5として、外径が8.000mmの
ものを、内径が20.004〜20.400mmのローラ
6に対応する軸5として、外径が20.000mmのもの
を、それぞれ用意した。この様な軸5とローラ6とを組
み合わせて、軸5の外周面5aとローラ6の内周面6a
との間の隙間8(図1〜2)が軸5の外径に占める割合
を、それぞれ0.02%、0.04%、0.5%、1.
0%、1.2%、2.0%の6段階に変化させた。これ
ら寸法及び割合(%)は、何れも常温での値である。
尚、ローラ6の材質はSUJ2で表面硬度はHRc61
とし、軸5の材質としては、SUJ2で表面硬度がHR
c61のものと、燐青銅との2種類を使用した。
m で回転させつつ上記ローラ6を、負荷用レバー12に
より上記リング11の外周面に、鋼球13を介して、1
25kgf の荷重で押圧した。又、ローラ6の内周面6a
と軸5の外周面5aとの間に潤滑油(エンジンオイル)
を供給し、ローラ6の外周面5aに潤滑油を滴下した状
態で上記シャフト10を起動させ、回転が定常状態に達
した状態で潤滑油の供給を停止して、上記シャフト10
の運転を継続した。そして、上記シャフト10を駆動す
る為の電動モータの電流値が過電流値になるまでの時間
を耐久時間として求めた。その結果を次の表1、2及び
図4に示す。尚、表1及び図4の○印は、軸5及びロー
ラ6の両方をSUJ2により造った場合の実験結果を、
表2及び図4の△印は、ローラ6をSUJ2により造
り、軸5を燐青銅により造った場合の実験結果を、それ
ぞれ表している。
り、軸5の内周面5aとローラ6の内周面6aとの間の
隙間8の寸法は、これら両周面5a、6aにより構成さ
れる滑り軸受部分の耐久性に大きな影響を及ぼす。即
ち、これら両周面5a、6a同士の摺接面には潤滑油の
膜が形成されてこれら両周面5a、6a同士の接触部分
で金属接触が発生する事を防止しているが、潤滑油が極
端に不足した場合には、上記隙間8の寸法は上記耐久性
に大きな影響を及ぼす。
0.04%未満の場合には、上記両周面5a、6a同士
の接触面積が大きくなり過ぎて、これら両周面5a、6
aの接触部分に潤滑油の油膜が保持されにくくなり、こ
の接触部分で金属接触が発生し易くなって、上記耐久性
が低下する。逆に、上記隙間8の寸法が軸5の外径の
1.0%を越えた場合には、上記接触面積が小さくなり
過ぎて、上記接触部分の面圧が過大となり、やはり上記
耐久性が低下する。更に、上記軸5の材質とローラ6の
材質とが異なった場合には、運転に伴う温度上昇により
上記隙間8の寸法が変化する為、常温時に於けるこの隙
間8の寸法が、上記耐久性に影響を及ぼすものと考えら
れる。これに対して、表1、2の比較及び図4の○印と
△印との比較から明らかな通り、軸5の材質とローラ6
の材質とが同じ場合でも異なった場合でも、上記隙間8
の寸法と耐久性との関係には、ほぼ同様の傾向が見られ
た。即ち、上記軸5の外周面5aと上記ローラ6の内周
面6aとの間の隙間8の寸法を、この軸5の外径の0.
04〜1.0%の範囲に規制すれば、軸5によるローラ
6の滑り支持部の耐久性を確保できる。尚、上記ローラ
6の内径を5〜30mmの範囲で変えて同様の実験を行な
ったが、この傾向は同じであった。
向上させるべく、上記外周面5a又は内周面6aに摩擦
を低減する表面処理層を形成する事の効果を確認する為
に行なった実験に就いて説明する。即ち、前述した通り
エンジンの運転開始初期には、上記外周面5aと内周面
6aとが、殆ど潤滑油を介在させない状態で摺接する。
そこで、この運転開始初期にこれら両周面5a、6aに
損傷が発生するのを防止する為には、これら両周面5
a、6aの一方又は双方に上記表面処理層を形成する事
が有効である。以下に述べる実験は、この表面処理層の
有効性を確認する為に行なったものである。
する事の有効性を確認する為に行なった実験と同様に、
図3に示す様な表面損傷試験機を使用して行なった。ロ
ーラ6及び軸5の材質は何れもSUJ2、表面硬度はH
Rc62とした。又、摩擦低減用の表面処理層は、ロー
ラ6の内周面6aに形成した。このローラ6の内径は
8.82mm、外径は20mm、幅は8mmである。又、軸5
の外周面5aとローラ6の内周面6aとの間の隙間8の
寸法は0.020mm(20μm)にした。この隙間8の
寸法は、上記軸5の外径8.80mmの0.23%に相当
する。尚、同様の実験を、燐青銅製の軸5を用い、隙間
8の寸法を0.050mm(50μm)又は0.160mm
(160μm)にし、この寸法を軸5の外径の0.58
%としたものでも行なった。
を形成した。即ち、先ず上記ローラ6の内周面6aに燐
酸亜鉛処理による下地を形成した後、更にこの下地の表
面に低摩擦材層を形成した。この低摩擦材層を形成する
為に、MoS2 とPTFEと熱硬化性合成樹脂とを有機
溶剤に分散させて皮膜液を調整した。そして、この皮膜
液を上記内周面6aに塗布した後、上記ローラ6を加熱
炉中で180℃で60分間加熱して、上記低摩擦材層を
焼成した。表面処理層の膜厚制御は、上記下地と低摩擦
材層との両方で行なった。下地の膜厚調整は、燐酸及び
亜鉛の濃度を調整する事により、0.3〜5μmの範囲
で行なった。又、上記低摩擦材層の膜厚調整は、上記皮
膜液の粘度を調整する事により行なった。
る方法としては、(1) スプレーによる噴霧方式、(2) 皮
膜液中にローラ6を浸漬する浸漬方式、(3) ローラ6を
動かしながら塗装する、所謂ガラ塗装方式等を、ローラ
6の形状及び大きさ、形成すべき表面処理層の厚さ等に
応じて選択採用する。例えば、軸5の外径が小さく、こ
の軸5の外周面5aとローラ6の内周面6aとの間の隙
間8の寸法が小さくなる場合には、上記表面処理層の厚
さを必要最小限に抑える必要がある。この様な場合に
は、上記(3) の方法が有効である。これに対して、軸5
の外径が10mm以上と大きく、上記隙間8の寸法が大き
い為、上記表面処理層の厚さを大きくできる場合には、
上記(1) の方法が有効である。何れにしても、表面処理
層の膜厚の制御は、予め厚めに形成した表面処理膜の表
面に、#1200のエメリー紙によるラッピング処理を
施し、更にヘキサン中で超音波洗浄を行なって、次述す
る表3に示す比率を有する膜厚に調整した。
性を測定する試験時には、ローラ6を3000r.p.m で
回転させつつ上記ローラ6を、負荷用レバー12により
上記リング11の外周面に、鋼球13を介して、100
kgf の荷重で押圧した。又、ローラ6の内周面6aと軸
5の外周面5aとの間は無潤滑とし、ローラ6の外周面
とリング11の外周面との間は、これら両外周面同士が
焼き付かない程度の最小限(0.1cc/min)の潤滑油
(劣化したエンジンオイル)を滴下した。そして、上記
シャフト10を駆動する為の電動モータの電流値が過電
流値になるまでの時間を耐久時間として求めた。尚、同
様の試験を、隙間が8μmの場合と160μmの場合と
に就いても、一部実施した。その結果を次の表3、4及
び図5に示す。尚、表3、4中で「−」を付した欄に就
いては、対応する組み合わせによる実験を行なわなかっ
た。
り、隙間8に対する表面処理層の膜厚比が5%未満の場
合には、この表面処理層による潤滑作用を十分に得られ
ない為に十分な耐久性を得られない。反対に、上記膜厚
比が95%を越えると、表面処理層と軸5の外周面5a
との間に潤滑油が入りづらくなって、やはり十分な耐久
性を得られなくなる。上記表面処理層をローラ6の内周
面6aに代えて軸5の外周面5aに形成した場合でも、
当然に同様の結果を得られる。これらにより、軸5の外
周面5aとローラ6の内周面6aとの一方又は双方に摩
擦を低減する表面処理層を、上記隙間8に対して5〜9
5%の膜厚比で形成すれば、上記両周面5a、6a同士
の間の潤滑性を確保できる事が分る。特に、上記膜厚比
を10〜50%の範囲に規制すれば、上記潤滑性がより
良好になる。尚、上記ローラ6の内径を5〜30mmの範
囲で変えて同様の実験を行なったが、この傾向は同じで
あった。
述べた通り構成され作用するので、エンジンの運転開始
初期状態での表面損傷を防止して、焼き付き防止を図る
だけでなく、その後の潤滑状態を良好にして、十分な耐
久性確保を図れる。
図。
ぼす影響を示す線図。
Claims (1)
- 【請求項1】 エンジンのクランクシャフトと同期して
回転するカムシャフトに固定されたカムと、このカムに
対向して設けられ、このカムの動きを受ける部材に間隔
をあけて形成した1対の支持壁部と、この1対の支持壁
部の間に掛け渡された軸と、この軸の周囲に回転自在に
支承されたローラとから成るタペットローラ軸受に於い
て、上記軸の外周面と上記ローラの内周面との間に、こ
の軸の外径に対する割合が0.04〜1.0%である隙
間を介在させ、更に上記軸の外周面と上記ローラの内周
面との少なくとも一方の周面に摩擦を低減する表面処理
層を形成する事により、上記ローラを上記軸の周囲に、
上記外周面と上記内周面との滑り接触に基づく回転自在
に支持した事を特徴とするタペットローラ軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00685396A JP3414100B2 (ja) | 1996-01-18 | 1996-01-18 | タペットローラ軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00685396A JP3414100B2 (ja) | 1996-01-18 | 1996-01-18 | タペットローラ軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09195724A true JPH09195724A (ja) | 1997-07-29 |
JP3414100B2 JP3414100B2 (ja) | 2003-06-09 |
Family
ID=11649800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00685396A Expired - Lifetime JP3414100B2 (ja) | 1996-01-18 | 1996-01-18 | タペットローラ軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3414100B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6210503B1 (en) | 1997-11-13 | 2001-04-03 | Cummins Engine Company, Inc. | Roller pin materials for enhanced cam durability |
JP2008008182A (ja) * | 2006-06-28 | 2008-01-17 | Ntn Corp | タペットローラ軸受構造 |
US7836861B2 (en) | 2007-02-22 | 2010-11-23 | Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha | Variable valve mechanism for internal combustion engine |
CN106133280A (zh) * | 2014-04-07 | 2016-11-16 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 冲程传递组件 |
-
1996
- 1996-01-18 JP JP00685396A patent/JP3414100B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3414100B2 (ja) | 2003-06-09 |
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