JPH09194436A - 炭酸フェニルメチルの連続的製造方法 - Google Patents

炭酸フェニルメチルの連続的製造方法

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JPH09194436A
JPH09194436A JP9005838A JP583897A JPH09194436A JP H09194436 A JPH09194436 A JP H09194436A JP 9005838 A JP9005838 A JP 9005838A JP 583897 A JP583897 A JP 583897A JP H09194436 A JPH09194436 A JP H09194436A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高い転化率および生産性で、および最小限のエ
ネルギー消費で、炭酸フェニルメチルを連続的に製造す
る方法を提供する。 【解決手段】フェノール、炭酸ジメチルおよびエステル
交換反応触媒から出発して炭酸フェニルメチルを連続的
に製造する。具体的には、下側反応区域および上側精留
区域からなる第一蒸留塔および第二精留塔の中で、第一
蒸留塔の反応区域が、反応に最適な温度で実質的に一定
した温度プロファイルを有し、第二蒸留塔の使用により
第一蒸留塔の上部および底部の間で炭酸ジメチルが循環
し、それによって第一蒸留塔の底部に有利な過剰量の炭
酸ジメチルが供給される様な条件下で行なう必要があ
る。この炭酸ジメチルは、試薬として作用するだけでは
なく、ストリッピング剤としても作用し、塔の底部にお
けるメタノールの濃度を下げ、それによって転化を促進
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、炭酸フェニルメチルを高生産率
で連続的に製造する方法に関する。炭酸の脂肪族エステ
ルおよびフェノールから出発して芳香族炭酸エステルを
製造する方法は、この分野では公知である。特に、炭酸
フェニルメチルおよび炭酸ジフェニルの製造は公知であ
る。炭酸の芳香族エステルは、化学工業における中間体
として有用である。例えば、これらの物質は芳香族ポリ
カーボネート、イソシアネート、ウレタンおよび尿素の
製造に使用される。したがって、炭酸の芳香族エステル
は工業的および商業的に非常に重要である。
【0002】フェノールおよび炭酸ジアルキルの間の、
対応する炭酸アリールアルキルおよび炭酸ジアリールを
形成するエステル交換反応は、平衡反応であり、触媒の
存在下で行なわれる。この分野で使用されている様々な
触媒の中で、独国特許第2528412号に記載されて
いるチタン系触媒が特に有効であることが立証されてい
る。この先行技術は、平衡を生成物の形成に向けて移行
させるために、上に蒸留塔を備えた反応器または反応性
蒸留塔の中で平衡反応を効率的に実行できることも記載
している。事実、ほとんどの平衡反応の場合、本発明の
場合もそうである様に、生成物の1種は反応系の他の成
分よりも揮発性が高いので、容易に除去できる。芳香族
炭酸エステル製造の場合におけるこの種の製法は、例え
ば独国特許第3445552号および特許EP 897
09およびEP 461274に記載されている。しか
し、上記の場合、発明を工業的に利用することは、反応
の平衡定数が極めて低く、反応が脂肪族炭酸エステルの
方向にほとんど完全に移行するので困難である。この問
題は、下記の式 2ArOCOR−−−→(ArO)2 CO+(RO)2 CO にしたがって、炭酸アルキルアリールの不均化反応によ
り炭酸ジアリールを製造することにより解決できる。し
かし、非常に高い転化率および生産性を得ることができ
る炭酸アルキルアリールを、工業的規模で、最小限のエ
ネルギー消費で、脂肪族炭酸エステルから出発して製造
する方法が必要である。
【0003】ここで、本発明で開示する条件にしたがっ
て操作することにより、工業的観点から特に高い転化率
および生産性で、および最小限のエネルギー消費で、炭
酸アルキルアリールを製造できることが分かった。実
際、本発明の方法は、下側反応区域および上側精留区域
からなる第一蒸留塔および第二蒸留塔の中で、第一蒸留
塔の反応区域が、反応に最適な温度で実質的に一定した
温度プロファイルを有し、第二蒸留塔の使用により第一
蒸留塔の上部および底部の間で炭酸ジメチルが循環し、
それによって第一蒸留塔の底部に有利な過剰量の炭酸ジ
メチルが供給される様な条件下で行なう必要がある。こ
の炭酸ジメチルは、試薬として作用するだけではなく、
ストリッピング剤としても作用し、塔の底部におけるメ
タノールの濃度を下げ、それによって転化を促進する。
【0004】本発明は、その最も広い意味で、フェノー
ル、炭酸ジメチルおよびエステル交換反応触媒から出発
して炭酸フェニルメチルを連続的に製造する方法であっ
て、(a)製法を下側反応区域および上側精留区域から
なる第一蒸留塔および第二精留塔の中で実行すること、
(b)−第一塔の反応区域の上部に、フェノールおよび
所望により炭酸ジメチルを60/40以上の重量比で、
および触媒の全部を含む流れ(I) を供給し、 −同じ塔の反応区域の底部に、第二塔の底部から取り出
された流れ(III)またはその一部を含んで成る、炭酸ジ
メチルおよび所望によりフェノールを80/20以上の
重量比で含む流れ(II)を供給し、 −流れ(I) および(II)は、供給される炭酸ジメチルおよ
びフェノールの総モル数の比が2:1〜10:1、好ま
しくは3:1〜6:1になる様な量で供給し、 −第一塔の精留区域の上部に、該塔の還流からなり、該
塔自体の上部から取り出され、第二塔に供給される流れ
(V) の組成を有する流れ(IV)を、還流される液体と留出
物、すなわち流れ(IV)と流れ(V) の重量比が0.2〜
0.8になる様な量で供給すること、 (c)−第一塔の反応区域の底部から流れ(VI)(すべて
の未反応フェノール、炭酸フェニルメチルおよび場合に
より製造された炭酸ジフェニル、エステル交換反応触
媒、およびこの流れの炭酸ジメチルおよびフェノールの
モル比が0.5〜5、好ましくは1〜5になる様に供給
される炭酸ジメチルの画分を実質的に含む)を取り出
し、 −第一塔の精留区域の上部から、炭酸ジメチルおよび反
応により製造されたメタノールのすべて、またはほとん
どすべてを実質的に含む流れ(V) を取り出すこと、
(d)第二塔の中間区域に、第一塔の上部から取り出さ
れた流れ(V) を供給すること、(e)−第二塔の上部か
ら、第二塔に供給されたメタノールのすべて、または実
質的にすべてを含み、メタノールおよび炭酸ジメチルを
50重量%を超える比率で含む流れ(VII) を取り出し、 −第二塔の底部から、実質的に炭酸ジメチルの残りから
なる流れ(III) を取り出すこと、(f)該流れ(III) ま
たはその一部を第一塔の底部に供給することを含んで成
る方法に関する。
【0005】添付の図面の図1は、本発明の製法を具体
化するのに好適な装置を図式的に示す。特にC1は、反
応性蒸留が起こる下側区域Aおよび上側の精留区域Bか
らなる反応性蒸留塔である。この塔の反応性蒸留区域A
は、この分野で良く知られている蒸留プレートまたは充
填塔により行なわれる、少なくとも3つの理論的段階を
含んで成るが、通常は5〜25の理論的蒸留段階を含ん
で成る。精留区域Bは、この分野で良く知られている蒸
留プレートまたは充填塔により行なわれる、少なくとも
3つの理論的段階を含んで成るが、通常は5〜25の理
論的蒸留段階を含んで成る。流れ1は、主としてフェノ
ールおよび所望により炭酸ジメチルを、フェノールの方
を高濃度で含む、つまりフェノールおよびDMCを60
/40以上の比率で含む流れである。流れ1に含まれる
フェノールおよび炭酸ジメチルは、新しい試薬でも、設
備の下流区域から循環される試薬でもよい。蒸留塔C1
の反応区域には、その底部に、主として炭酸ジメチルお
よび所望によりフェノールを80/20以上の比率で含
む流れ2も供給される。この流れに含まれる炭酸ジメチ
ルおよびフェノールは、新しい試薬でも、設備の下流区
域から循環される試薬でもよい。特に、図1に関して、
炭酸ジメチルの少なくとも一部は塔C2の底部から来る
(流れ8)。
【0006】流れ1および2は、C1に供給される炭酸
ジメチルとフェノールの総モル数が2:1〜10:1、
通常は3:1〜6:1になる様な量で供給される。流れ
10も塔C1の精留区域Bの上部に供給され、塔自体の
還流を形成する。流れ10は、図1に示す様に、塔自体
から採取された、実質的に炭酸ジメチルおよびメタノー
ルを含む流れ7の組成を有する。流れ10は、得られる
還流比、すなわち流れ10および流れ7の重量比、が
0.2〜0.8になる様な量で塔C1に供給される。塔
C1の上部から採取される流れ7は、実質的に炭酸ジメ
チルおよび反応中に形成されたメタノールのすべて、ま
たは事実上すべてからなる。この流れはフェノールも含
むが、フェノールの含有量は非常に低く、例えば1また
は2重量%未満である。この流れ中のメタノールの濃度
は一般的に1〜5重量%である。流れ7は塔C2に供給
される。すべての未反応フェノール、炭酸フェニルメチ
ルおよび場合により形成された炭酸ジフェニル、エステ
ル交換反応触媒および供給された炭酸ジメチルの画分を
実質的に含む流れ11は、塔C1の反応区域の底部か
ら、この流れ中の炭酸ジメチルとフェノールのモル比が
0.5〜5、通常は1.0〜5.0になる様に取り出さ
れる。この画分は、一般的に塔C1に供給された炭酸ジ
メチル全体の約10〜約60%である。
【0007】本発明の別の実施態様を図2の配置に示
す。この場合、塔C1の上部から取り出された流れ13
は塔C2の中間区域に供給され、塔C2の底部から取り
出された流れ8から分離した流れ12は、実質的に炭酸
ジメチルを含み、塔C1に還流として供給される。流れ
12は、得られる還流比、すなわち流れ12、および差
(13−12)の重量比が0.2〜0.8になる様な量
で塔C1に供給される。塔C1の運転圧は、その塔の上
部で測定して一般的に3〜10絶対バール、通常は4〜
8絶対バールである。塔C1の反応区域の底部における
温度は一般的に250〜150℃、通常は220〜18
0℃に維持される。本発明により運転して、塔C1の反
応区域Aは、底部における温度と流れ1の供給区域の温
度の差が20℃以下であるという意味で、実質的に等温
である。塔C1の上部で測定した温度は、一般的に11
0〜210℃、通常は140〜180℃である。
【0008】塔C2は、この分野で良く知られている蒸
留プレートまたは充填塔を使用して行なわれる、少なく
とも10の理論的蒸留段階、通常は20〜50の理論的
蒸留段階を含む精留塔である。精留塔の中間区域に、供
給位置の上および下に存在する理論的段階が一般的に1
/3〜3/1、通常は1/1〜1/3の比になる様に選
択された高さで、塔C1の上部から来る流れを供給す
る。塔2は、その上部から、供給されたメタノールのす
べて、または実質的にすべて、および炭酸ジメチルを含
み、メタノールおよび炭酸ジメチルを1/1を超える重
量比で含むという意味でメタノールを高濃度で含む流れ
9を分離する。この流れ9は、炭酸ジメチルを製造する
ために設備に循環するのが有利である。塔C2は、その
底部から、実質的に残留炭酸ジメチル、すなわち上部か
ら取り出されなかった炭酸ジメチル、ならびに場合によ
り流れ7中に存在する少量の、フェノールからなる流れ
8を分離する。この流れ8、またはその一部、はC1の
底部に循環される。塔C2の運転条件は特に重要ではな
く、その上部で測定した圧力1〜10絶対バール、およ
び上部および底部における温度それぞれ65〜135℃
および90〜180℃で運転するのが有利である。
【0009】本発明の方法は、この分野で公知の触媒、
好ましくは均質な、すなわち反応媒体に可溶で、基本的
に不揮発性である触媒から選択された触媒の存在下で行
なうのが有利である。すでに上に記載した独国特許第2
528412号に記載の触媒が特に効果的であることが
立証されており、これらの中でチタンのアルコキシドお
よびアリールオキシド、特にチタンテトラフェネート
を、供給されたフェノール全体に対して0.1〜10モ
ル%、通常は0.2〜2モル%の濃度で使用するのが有
利である。これらの触媒の存在下で、上記の条件下で操
作することにより、反応は高速度およびフェノールおよ
び炭酸ジメチルに対して一般的に99モル%を超える、
通常は99.5%を超える高い選択性で起こる。これら
の値は極めて高いが、少量の副生成物、主としてアニソ
ール、が反応中に形成され、プロセス流の中に蓄積する
ことがあるが、本方法の目的に対しては不活性成分とし
て作用するので、特に影響はない。例えば、アニソール
はプロセス流中に20〜30重量%の値にまで蓄積さ
せ、プロセス流を適宜流出させることにより、これらの
濃度に維持することができる。
【0010】一実施態様では、図3および図4に示す配
置を使用し、塔C1の底部から来る流れ11を、減圧に
より断熱フラッシュにかける。これらの図に関して、流
れ11を、塔C1の運転圧より低い圧力で、通常は大気
圧で運転するフラッシュ室V1中で断熱フラッシュにか
ける。V1を大気圧で運転する場合、フラッシュ温度は
一般的に120〜170℃である。この様にして、ヘッ
ドで、蒸気化された流れ5が、一般的にV1への供給の
20〜40%の重量画分に等しい量で得られる。この流
れ5は、フェノールおよび少量の生成物も含むが、炭酸
ジメチル濃度が高い、すなわち一般的に炭酸ジメチル/
フェノールの重量比が80/20以上である。この流れ
5は、塔C1の反応区域の底部に供給され、塔C2の底
部から来る上記の流れ8と共に、炭酸ジメチル濃度が高
い流れ2を形成する。フラッシュ室の底部から取り出し
た流れ14は、フェノール/炭酸ジメチルの比が供給さ
れる流れの中に存在する比よりも高いという意味で、フ
ェノール濃度が高い。この流れは、形成された生成物の
大部分および触媒のすべても含む。この流れは、流れ1
1と同様に、上記の米国特許第4045464号に記載
されている様に、不均化反応に送り、炭酸ジフェニルを
効果的に得ることができる。あるいは、良く知られた従
来の技術により、上記の流れ11または14から炭酸フ
ェニルメチルを分離し、続いて不均化にかけ、炭酸ジフ
ェニルを得ることもできる。流れ11または14は、製
造された炭酸フェニルメチルを一般的に10〜40%濃
度で含む。
【0011】そこで、本発明の別の目的は、上記の炭酸
フェニルメチルの連続的な製造方法であって、塔C1の
反応区域の底部から取り出された流れ11を、フラッシ
ュ室で減圧により断熱フラッシュにかけ、それによって
得られた蒸気化した流れをフラッシュ室の上部から取り
出し、塔C1の反応区域の底部に供給することを特徴と
する方法に関する。下記の実施例から分かる様に、以上
説明した本発明にしたがって操作することにより、有効
反応容積は塔C1の反応区域の底部およびプレートの
(または充填区域における自由空間の)ホールドアップ
体積の合計を意味し、炭酸ジフェニルの生産性は約50
0 g/l hr であり、フェノール1回通過あたりの転化率
は約25〜35%であり、フェノールおよび炭酸ジメチ
ルに関する選択性は約99.5%であり、エネルギー消
費は、製造された炭酸フェニルメチル1kgあたり約90
0Kcalになる。
【0012】実施例1 図1に関して、C1 は、直径120mm、高さ4mのステ
ンレス鋼製の蒸留塔であり、各板間の間隔100mmで配
置した40枚の多孔板を含み、それぞれの単一板のホー
ルドアップが液体約400cm3 である。熱は循環リボイ
ラーにより塔の底部に供給し、底部およびリボイラーの
ホールドアップは1000cm3 である。40枚の多孔板
は、その中の15枚が非反応区域Bにあり、25枚が反
応性区域Aにあり、全体的な効率が25理論的段階に相
当する。C2 は、直径120mm、高さ6mのステンレス
鋼製の塔であり、各板間の間隔100mmで配置した60
枚の多孔板を含み、全体的な効率が40理論的段階に相
当する。C2 の底部から40番目の板に供給する。塔C
1 は、底部温度205℃、上部温度162℃、塔の上部
および底部でそれぞれ測定した圧力7.8および8.8
絶対バール、および流れ10および7の毎時流量の比と
して測定した還流比0.65で運転する。塔C2 は、底
部温度130℃、上部温度95℃、塔の上部で測定した
圧力3絶対バール、および還流比(液体/留出物)4.
6で運転する。触媒のチタンテトラフェネートをフェノ
ールと共に流れ1中に、0.2Kg/hr(供給するフェノ
ールの0.5モル%)の量で供給し、流れ11と共に取
り出す。表1は、定常状態の流れにおける主成分および
毎時の流量を示す。達成されるフェノールの転化%、生
産性および塔C1 のリボイラーで測定した比エネルギー
消費(Kcal/Kg 製造されたPMC)も示す。
【0013】実施例2 図3に関して、C1 およびC2 は、実施例1で説明した
蒸留塔である。V1は、直径150mm、高さ400mmの
ステンレス鋼製の断熱フラッシュ室である。塔C1 は、
底部温度205℃、上部温度170℃、塔の上部および
底部でそれぞれ測定した圧力7.8および8.8絶対バ
ール、および流れ10および7の毎時流量の比として測
定した還流比0.56で運転する。塔C2 は実施例1と
同様に運転する。V1は、断熱フラッシュを大気圧およ
び温度125℃で行なう。触媒のチタンテトラフェネー
トをフェノールと共に流れ1中に、0.2Kg/hr(供給
するフェノールの0.5モル%)の量で供給し、流れ1
4と共に取り出す。表2は、定常状態の単一流における
主成分および毎時の流量を示す。達成されるフェノール
の転化%、生産性および塔C1 のリボイラーで測定した
比エネルギー消費(Kcal/Kg 製造されたPMC)も示
す。
【0014】実施例3 図3に関して、C1 、C2 およびV1は、実施例2で説
明した蒸留塔および断熱フラッシュ室である。塔C
1 は、底部温度205℃、上部温度163℃、塔の上部
および底部でそれぞれ測定した圧力7.8および8.8
絶対バール、および流れ10および7の毎時流量の比と
して測定した還流比0.42で運転する。塔C2 は実施
例1と同様に運転する。V1は、断熱フラッシュを大気
圧および温度125℃で行なう。触媒のチタンテトラフ
ェネートをフェノールと共に流れ1中に、0.2Kg/hr
(供給するフェノールの0.5モル%)の量で供給し、
流れ14と共に取り出す。表3は、定常状態の単一流に
おける主成分および毎時の流量を示す。達成されるフェ
ノールの転化%、生産性および塔C1 のリボイラーで測
定した比エネルギー消費(Kcal/Kg 製造されたPMC)
も示す。
【0015】実施例4(比較) 図3に関して、C1 、C2 およびV1は、実施例2で説
明した蒸留塔および断熱フラッシュ室である。塔C
1 は、底部温度205℃、上部温度165℃、塔の上部
および底部でそれぞれ測定した圧力7.8および8.8
絶対バール、および流れ10および7の毎時流量の比と
して測定した還流比0.41で運転する。塔C2 は実施
例1と同様に運転する。V1は、供給された流れ11の
断熱フラッシュを大気圧および温度125℃で行なう。
触媒のチタンテトラフェネートをフェノールと共に流れ
1中に、0.2Kg/hr(供給するフェノールの0.5モ
ル%)の量で供給し、流れ14と共に取り出す。表4
は、定常状態の単一流における主成分および毎時の流量
を示す。達成されるフェノールの転化%、生産性および
塔C1 のリボイラーで測定した比エネルギー消費(Kcal
/Kg 製造されたPMC)も示す。この実施例は、実施例
2および3と比較して、流れ1の組成に関して本発明の
範囲外で操作した場合、フェノールの転化率が著しく低
下し、エネルギー消費が増加することを示している。
【0016】実施例5(比較) 図3に関して、C1 、C2 およびV1は、実施例2で説
明した蒸留塔および断熱フラッシュ室である。塔C
1 は、底部温度205℃、上部温度192℃、塔の上部
および底部でそれぞれ測定した圧力7.8および8.8
絶対バール、および流れ10および7の毎時流量の比と
して測定した還流比0.13で運転する。塔C2 は実施
例1と同様に運転する。V1は、供給された流れ11の
断熱フラッシュを大気圧および温度125℃で行なう。
触媒のチタンテトラフェネートをフェノールと共に流れ
1中に、0.2Kg/hr(供給するフェノールの0.5モ
ル%)の量で供給し、流れ14と共に取り出す。表5
は、定常状態の単一流における主成分および毎時の流量
を示す。達成されるフェノールの転化%、生産性および
塔C1 のリボイラーで測定した比エネルギー消費(Kcal
/Kg 製造されたPMC)も示す。この実施例は、実施例
2および3と比較して、還流比に関して本発明の範囲外
で操作した場合、フェノールの転化率が著しく低下し、
エネルギー消費が増加することを示している。
【0017】実施例6(比較) 図3に関して、C1 、C2 およびV1は、実施例2で説
明した蒸留塔および断熱フラッシュ室である。塔C
1 は、底部温度205℃、上部温度163℃、塔の上部
および底部でそれぞれ測定した圧力7.8および8.8
絶対バール、および流れ10および7の毎時流量の比と
して測定した還流比1.25で運転する。塔C2 は実施
例1と同様に運転する。V1は、供給された流れ11の
断熱フラッシュを大気圧および温度125℃で行なう。
触媒のチタンテトラフェネートをフェノールと共に流れ
1中に、0.2Kg/hr(供給するフェノールの0.5モ
ル%)の量で供給し、流れ14と共に取り出す。表6
は、定常状態の単一流における主成分および毎時の流量
を示す。達成されるフェノールの転化%、生産性および
塔C1 のリボイラーで測定した比エネルギー消費(Kcal
/Kg 製造されたPMC)も示す。この実施例は、実施例
2および3と比較して、塔C1 の上部における還流比に
関して本発明の範囲外で操作した場合、フェノールの転
化率が著しく低下し、エネルギー消費が増加することを
示している。
【0018】実施例7 図4に関して、C1 、C2 およびV1は、実施例2で説
明した蒸留塔および断熱フラッシュ室である。塔C
1 は、底部温度205℃、上部温度163℃、塔の上部
および底部でそれぞれ測定した圧力7.8および8.8
絶対バール、および流れ12の毎時流量と、流れ13お
よび12の毎時流量の差(すなわち正味の留出物)の比
として測定した還流比0.50で運転する。塔C2 は実
施例1と同様に運転する。V1は、供給された流れ11
の断熱フラッシュを大気圧および温度125℃で行な
う。触媒のチタンテトラフェネートをフェノールと共に
流れ1中に、0.2Kg/hr(供給するフェノールの0.
5モル%)の量で供給し、流れ14と共に取り出す。表
7は、定常状態の単一流における主成分および毎時の流
量を示す。達成されるフェノールの転化%、生産性およ
び塔C1 のリボイラーで測定した比エネルギー消費(Kc
al/Kg 製造されたPMC)も示す。
【0019】実施例8(比較) 図4に関して、C1 、C2 およびV1は、実施例2で説
明した蒸留塔および断熱フラッシュ室である。塔C
1 は、底部温度205℃、上部温度163℃、塔の上部
および底部でそれぞれ測定した圧力7.8および8.8
絶対バール、および流れ12の毎時流量と、流れ13お
よび12の毎時流量の差(すなわち正味の留出物)の比
として測定した還流比3.0で運転する。塔C2 は実施
例1と同様に運転する。V1は、供給された流れ11の
断熱フラッシュを大気圧および温度125℃で行なう。
触媒のチタンテトラフェネートをフェノールと共に流れ
1中に、0.2Kg/hr(供給するフェノールの0.5モ
ル%)の量で供給し、流れ14と共に取り出す。表8
は、定常状態の単一流における主成分および毎時の流量
を示す。達成されるフェノールの転化%、生産性および
塔C1 のリボイラーで測定した比エネルギー消費(Kcal
/Kg 製造されたPMC)も示す。この実施例は、実施例
7と比較して、還流比に関して本発明の範囲外で操作し
た場合、フェノールの転化率に改良が無く、エネルギー
消費が著しく増加することを示している。
【0020】 表1 流れ番号 1 2 3 7 8 9 10 11 kg/hr 8.8 43.3 25.9 19.0 17.4 1.6 12.3 33.2 重量% CH3 OH 5.5 64.5 5.5 DMC 100 100 94.5 100 35.5 94.5 67.6 フェノール 100 17.3PMC 15.1 フェノールの転化率=35% (流れ1.11) PMC生産性=5.0 kg/hr 比エネルギー消費=890Kcal/Kg 生成物 表2 流れ番号 1 2 3 5 7 8 9 10 11 14 kg/hr 8.8 44.4 15.1 13.5 17.4 15.8 1.6 9.8 35.8 22.4 重量% CH3 OH 5.9 64.5 5.9 DMC 97.5 100 93.3 92.8 98.6 35.5 92.8 67.6 52.1 フェノール 100 1.8 4.3 1.3 1.4 1.3 17.9 26.1PMC 0.7 2.3 14.5 21.8 フェノールの転化率=34% (流れ1.14) PMC生産性=4.9 kg/hr 比エネルギー消費=870Kcal/Kg 生成物 表3 流れ番号 1 2 3 5 7 8 9 10 11 14 kg/hr 13.5 39.5 9.9 13.3 17.7 16.3 1.4 7.4 35.3 22.0 重量% CH3 OH 64.5 DMC 34.6 97.7 100 93.3 5.1 100 35.5 5.1 67.8 52.4 フェノール 65.4 1.6 4.6 94.9 94.9 19.3 28.2PMC 0.7 2.0 12.8 19.4 フェノールの転化率=30% (流れ1.14) PMC生産性=4.3 kg/hr 比エネルギー消費=900Kcal/Kg 生成物 表4 流れ番号 1 2 3 5 7 8 9 10 11 14 kg/hr 21.6 31.5 1.0 13.1 18.5 17.3 1.1 7.6 34.6 21.5 重量% CH3 OH 3.9 64.5 3.9 DMC 59.0 97.1 100 93.1 96.1 100 35.5 96.1 68.0 52.8 フェノール 41.0 2.1 5.0 21.4 31.3PMC 0.7 1.7 10.5 15.9 フェノールの転化率=24% (流れ1.14) PMC生産性=3.4 kg/hr 比エネルギー消費=1110Kcal/Kg 生成物 表5 流れ番号 1 2 3 5 7 8 9 10 11 14 kg/hr 13.5 40.8 9.5 13.2 19.4 18.1 1.3 2.5 35.0 21.8 重量% CH3 OH 4.2 64.5 4.2 DMC 34.6 94.6 100 93.2 89.1 92.8 35.5 89.1 67.9 52.6 フェノール 65.4 4.7 4.8 6.7 7.2 6.7 20.3 29.7PMC 0.6 1.8 11.7 17.7 フェノールの転化率=27% (流れ1.14) PMC生産性=3.8 kg/hr 比エネルギー消費=970Kcal/Kg PMC 表6 流れ番号 1 2 3 5 7 8 9 10 11 14 kg/hr 13.5 39.5 9.6 13.3 17.9 16.6 1.3 22.4 35.2 21.9 重量% CH3 OH 4.6 64.5 4.6 DMC 34.6 97.7 100 93.2 95.4 100 35.4 95.4 68.0 52.7 フェノール 65.4 1.6 4.8 20.1 29.4PMC 0.6 1.9 11.8 17.9 フェノールの転化率=27.3% (流れ1.14) PMC生産性=3.9 kg/hr 比エネルギー消費=1350Kcal/Kg PMC 表7 流れ番号 1 2 3 5 13 8 9 12 11 14 kg/hr 13.5 39.5 9.8 13.3 26.8 16.4 1.4 9.0 35.3 22.0 重量% CH3 OH 3.3 64.5 DMC 34.6 97.7 100 93.2 96.7 100 35.5 100 67.8 52.5 フェノール 65.4 1.6 4.6 19.5 28.5PMC 0.7 2.0 12.6 19.0 フェノールの転化率=29% (流れ1.14) PMC生産性=4.2 kg/hr 比エネルギー消費=950Kcal/Kg 生成物 表8 流れ番号 1 2 3 5 13 8 9 12 11 14 kg/hr 13.5 39.5 9.9 13.4 71.6 16.2 1.4 54.0 35.5 22.1 重量% CH3 OH 1.2 64.5 DMC 34.5 97.7 100 93.3 98.8 100 35.5 100 68.0 52.7 フェノール 65.4 1.6 4.6 19.4 28.4PMC 0.7 2.0 12.5 18.9 フェノールの転化率=29% (流れ1.14) PMC生産性=4.2 kg/hr 比エネルギー消費=1940Kcal/Kg 生成物
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法に好適な装置を図式的に示す図で
ある。
【図2】本発明の別の実施態様を示す図である。
【図3】本発明の、断熱フラッシュ室を含む別の実施態
様を示す図である。
【図4】本発明の、断熱フラッシュ室を含む別の実施態
様を示す図である。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール、炭酸ジメチルおよびエステル
    交換反応触媒から出発して炭酸フェニルメチルを連続的
    に製造する方法であって、(a)製法を、下側反応区域
    および上側精留区域からなる第一蒸留塔および第二精留
    塔の中で実行すること、(b)−第一塔の反応区域の上
    部に、フェノールおよび所望により炭酸ジメチルを60
    /40以上の重量比で、および触媒の全部を含む流れ
    (I) を供給し、 −同じ塔の反応区域の底部に、第二塔の底部から取り出
    された流れ(III)またはその一部を含んで成る、炭酸ジ
    メチルおよび所望によりフェノールを80/20以上の
    重量比で含む流れ(II)を供給し、 −流れ(I) および(II)は、供給される炭酸ジメチルおよ
    びフェノールの総モル数の比が2:1〜10:1、好ま
    しくは3:1〜6:1になる様な量で供給し、 −第一塔の精留区域の上部に、該塔の還流からなり、該
    塔自体の上部から取り出され、第二塔に供給される流れ
    (V) の組成を有する流れ(IV)を、還流される液体と留出
    物、すなわち流れ(IV)と流れ(V) の重量比が0.2〜
    0.8になる様な量で供給すること、(c)−第一塔の
    反応区域の底部から流れ(VI)(すべての未反応フェノー
    ル、炭酸フェニルメチルおよび場合により製造された炭
    酸ジフェニル、エステル交換反応触媒、およびこの流れ
    の炭酸ジメチルおよびフェノールのモル比が0.5〜
    5、好ましくは1〜5になる様に供給される炭酸ジメチ
    ルの画分を実質的に含む)を取り出し、 −第一塔の精留区域の上部から、炭酸ジメチルおよび反
    応により製造されたメタノールのすべて、またはほとん
    どすべてを実質的に含む流れ(V) を取り出すこと、
    (d)第二塔の中間区域に、第一塔の上部から取り出さ
    れた流れ(V) を供給すること、(e)−第二塔の上部か
    ら、第二塔に供給されたメタノールのすべて、または実
    質的にすべて、および炭酸ジメチルを50重量%を超え
    る比率で含む流れ(VII)を取り出し、 −第二塔の底部から、実質的に炭酸ジメチルの残りから
    なる流れ(III) を取り出すこと、(f)前記流れ(III)
    またはその一部を第一塔の底部に供給することを含んで
    成ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】第一塔の上部から取り出された流れ(IX)を
    第二塔の中間区域に供給し、塔の還流を形成し、流れ(I
    II) から分離された流れ(VIII)を第一塔の精留区域の上
    部に供給し、流れ(VIII)および(IX)を、還流される液体
    および留出物の重量比、すなわち流れ(VIII)および流れ
    (IX−VIII)の重量比が0.2〜0.8になる様な量で
    供給する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】第一塔の反応性蒸留区域が少なくとも3つ
    の理論的蒸留段階、好ましくは5〜25の理論的蒸留段
    階を含んで成り、精留区域が少なくとも3つの理論的蒸
    留段階、好ましくは5〜25の理論的蒸留段階を含んで
    成る、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】流れ(V) または流れ(IX)がフェノールを2
    重量%未満の濃度で含む、請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】流れ(V) または流れ(IX)の中のメタノール
    濃度が1〜5重量%である、請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の方法。
  6. 【請求項6】第一塔の運転圧が、塔の上部で測定して、
    3〜10絶対バール、好ましくは4〜8絶対バールであ
    る、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】第一塔の上部で測定した温度が、110〜
    210℃、好ましくは140〜180℃であり、反応区
    域の底部における温度が250〜150℃、好ましくは
    220〜180℃である、請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】底部の温度と流れ(I) の供給区域の温度の
    差が20℃以下である、請求項1〜7のいずれか1項に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】第二塔が、少なくとも10の理論的蒸留段
    階、好ましくは20〜50の理論的蒸留段階を含み、供
    給位置の上および下に存在する理論的段階が1/3〜3
    /1、好ましくは1/1〜1/3の比になる様に配置さ
    れる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】第二塔が、その上部で測定した圧力1〜
    10絶対バール、および上部および底部におけるそれぞ
    れの温度65〜135℃および90〜180℃で運転さ
    れる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】反応が、チタンのアルコキシドおよびア
    リールオキシド、好ましくはチタンテトラフェネート、
    の存在下で行なわれ、前記触媒が、供給されたフェノー
    ル全体に対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2
    〜2モル%の量で存在する、請求項1〜10のいずれか
    1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】第一塔の反応区域の底部から取り出され
    た流れ(VI)またはその一部を、フラッシュ室で減圧によ
    り断熱フラッシュにかけ、こうして得られた、フラッシ
    ュ室の上部から取り出された、蒸気化された流れが、第
    一塔の反応区域の底部に供給され、流れ(III) またはそ
    の一部および所望により新しい炭酸ジメチルと共に、流
    れ(II)を形成する、請求項1〜11のいずれか1項に記
    載の方法。
  13. 【請求項13】フラッシュ室が大気圧およびフラッシュ
    温度130〜170℃で運転される、請求項12に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】フラッシュ室の上部から取り出された、
    蒸気化された流れが、室自体の供給の20〜40%の重
    量画分に等しい、請求項12または13に記載の方法。
  15. 【請求項15】フラッシュ室の上部から取り出された流
    れが、炭酸ジメチルおよびフェノールを80/20以上
    の重量比で含む、請求項12〜14のいずれか1項に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】フラッシュ室の底部から取り出した流れ
    が、供給される流れの中に存在する比よりも高い比のフ
    ェノール/炭酸ジメチル、ならびに形成された生成物の
    大部分および触媒のすべても含む、請求項12〜15の
    いずれか1項に記載の方法。
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