JPH09194234A - 親水性物品およびその製造方法 - Google Patents

親水性物品およびその製造方法

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JPH09194234A
JPH09194234A JP597296A JP597296A JPH09194234A JP H09194234 A JPH09194234 A JP H09194234A JP 597296 A JP597296 A JP 597296A JP 597296 A JP597296 A JP 597296A JP H09194234 A JPH09194234 A JP H09194234A
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silicate
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Toru Kuramoto
透 倉本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた高硬度かつ透明度の高い親水
性膜を有する物品を提供する。 【解決手段】 物品表面に、リン酸と溶解性のアルミニ
ウム化合物と水溶性珪酸塩と溶媒からなる表面処理剤を
塗布し、その後200〜600℃で熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、親水性表面を有する物
品とその製造方法に関し、より詳しくは、ガラス、金
属、プラスチックスなどの表面に高硬度で持続性、耐久
性に優れた親水性被膜を形成した物品とその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】物品の表面に親水性を付与することによ
り、水や極性物質と物品との親和性を向上させることが
でき、もともと困難であった接触、接着、付着などを可
能にすることから、親水性物質の物品表面への付着、水
溶液系における表面反応などの新たな応用分野への展開
が期待されている。
【0003】一方、透明な物品の表面を親水性にするこ
とにより、曇り防止、結露防止、汚れ防止などを図るこ
とも従来から行われている。親水性を付与する方法に
は、表面を物理的または化学的に処理し表面の分子構造
を変化させ親水性基を形成させる方法や表面のミクロな
形状を変化させる方法と、表面に親水性を有する被膜を
形成する方法が知られている。
【0004】物理的方法には、プラズマ処理、レーザー
照射処理などの親水化処理が実用化されているが、一般
に処理後短期間では効果はあるものの持続性に問題点が
あるとされている。化学的方法には、表面にラジカルを
発生させ親水性の残基を有する重合性化合物をグラフト
重合させる方法、酸、塩基性物質などにより表面の結合
を切断し親水性の残基に変化させる方法などが行われて
いる。
【0005】また、親水性膜としては、親水性の化学結
合または残基を分子鎖または側鎖に有するポリマー膜が
広く研究されており、中でも、水酸基により親水性を発
現させるポリビニルアルコール(PVA)膜がその優れ
た親水性と経済的理由から実用化され広範囲の用途に実
用化されている。
【0006】また、一般に水溶性の無機物質または無機
ポリマーも被膜が親水性を呈することは知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た物理的な処理による親水性は短期的にしか効果を維持
することができず、また、有機ポリマー膜は、一般に耐
水性および耐久性が十分ではなく、膜の硬度も比較的低
いものであり、用途によっては実用上十分なものとはい
えない。
【0008】無機物質からなる被膜は硬度は比較的高い
が、親水性を示す物質は水に対する溶解性も高く従って
被膜は容易に消失するので、実用上その用途は限られた
ものとなる。
【0009】そこで、本発明の目的は、耐久性に優れた
高硬度かつ透明度の高い親水性膜を有する物品を提供し
ようとすることにある。
【0010】
【課題を解決するための具体的手段】本発明者は、上記
課題を解決するために鋭意検討したところ、物品の表面
に特定の成分からなる表面処理剤を塗布し、焼成するこ
とで耐久性に優れた高硬度の親水性膜を形成することが
できることを見いだし本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明は、物品表面に、リン酸
と溶解性のアルミニウム化合物と水溶性珪酸塩と溶媒か
らなる表面処理剤が塗布され、その後200〜600℃
で熱処理されたことを特徴とする親水性表面を有する物
品およびその製造方法である。
【0012】以下、詳細に本発明を説明する。本発明に
係るリン酸は、無水リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、
オルトリン酸、三リン酸、四リン酸、ハロゲノリン酸
(ハロゲンは塩素またはフッ素)などである。また、こ
れらのリン酸に代えてまたはその一部として溶媒に可溶
なリン酸塩誘導体であってもよく、各種の縮合リン酸
塩、部分的にハロゲン(塩素またはフッ素)もしくは有
機基により置換されたリン酸の塩またはリン酸エステル
であることもできる。これらのリン酸の塩としては、ナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などであり、
また、リン酸エステルとしては上記したリン酸のメチル
エステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブ
チルエステルなどが挙げられる。これらのリン酸塩誘導
体の代表例を具体的に例示すればオルトリン酸ナトリウ
ム、三リン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リ
ン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸
二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素
アンモニウム、リン酸水素カリウム、リン酸エチル、リ
ン酸トリエチル、リン酸トリブチルなどの各種リン酸塩
であるが、これらに限定されるものではない。
【0013】本発明に係る水溶性のアルミニウム化合物
は、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミ
ニウムなどのアルミニウム塩、その含水塩またはアルミ
ニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシ
ド、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレ
ートなどのアルミニウムアルコキシドなど、さらにアル
ミニウムキレート、アルミニウムアシレート(O=Al
−OOCR:Rはアルキル基を表す)などが挙げられ
る。これらのうち、硝酸アルミニウム9水塩が特に好ま
しいものとして挙げられる。
【0014】本発明に係る水溶性珪酸塩は、珪酸のリチ
ウム、ナトリウムまたはカリウム塩である。これらはオ
ルト珪酸塩、メタ珪酸塩などの各種の形態の塩を形成す
るが、例えば珪酸リチウムでは、オルト珪酸リチウム、
メタ珪酸リチウム、オルト二珪酸六リチウムなど、珪酸
ナトリウムでは、メタ珪酸ナトリウム、オルト珪酸ナト
リウム、二珪酸ナトリウム、四珪酸ナトリウムなど、メ
タ珪酸カリウム、四珪酸カリウムなどまたはその種々の
水和物を挙げることができる。また、工業的にはこれら
の珪酸塩は水溶液の形態で入手できるがそれを用いるこ
ともできる。各種の珪酸塩のうち、珪酸リチウムまたは
その水和物が特に好適に用いられる。
【0015】本発明に係る表面処理剤は、溶剤として水
及び/またはアルコールからなる溶剤が使用される。リ
ン酸と溶解性のアルミニウム化合物と水溶性珪酸塩は、
逐次的にそれぞれを混合することもでき、同時に溶剤に
投入して一度に調製することもでき、予め一方を溶解し
ておいた溶液に他方を投入して調製することもでき、さ
らに、それぞれ別個に水および/またはアルコールに溶
解して、それらを混合して調製することもできる。アル
コールとしては、特に限定されないが、低級アルコー
ル、アルコキシアルコール、多価アルコールなどの極性
溶媒が好ましく、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレ
ングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリ
ンなどを好ましいものとして例示できる。またこれらは
2種類以上を混合使用することもできる。溶剤の選定
は、沸点、溶解性、貯蔵安定性、塗布条件、製造コスト
などで決定されるが、作業性および取り扱いやすさ等の
点から、最も好ましいものとしてエタノールと水の混合
溶媒があげられる。水とアルコールの混合比率は使用す
るアルミニウム化合物と珪酸塩の種類および表面処理剤
の濃度に依存するが、アルコール/水が0.1〜10
(容量比)程度が好ましい。
【0016】本発明に係る表面処理剤における、リン酸
またはアルミニウム化合物の濃度は、P25またはAl
23換算で0.02〜1モル/lであり、0.05〜
0.5モル/lがより好ましい。何れかが0.02モル
/l未満の濃度では1回の塗布では十分な膜厚の被膜を
形成することができず、操作が煩雑となり好ましくな
く、また、1モル/lを超える濃度では平滑かつ均一で
透明な被膜を形成することが困難であるので好ましくな
い。これらの溶液においては、P25またはAl23
算表示で、Al23/25のモル比は3/7〜7/3
であり、4/6〜6/4であるのが好ましい。該モル比
が3/7未満または7/3を超えると塗布または熱処理
の条件によっては、失透することがあるので好ましくな
い。
【0017】また、水溶性珪酸塩の濃度はSiO2換算
で0.05〜1モル/lの範囲が好ましく、より好まし
くは0.1〜0.6モル/lの範囲である。珪酸塩濃度
がSiO2換算で0.05モル/l未満では親水性発現
に充分な厚みを有する安定な膜を得ることは困難であ
る。また、該濃度が1モル/lを越えると調製された表
面処理剤が不安定になり、ゲル化し易くなるので好まし
くない。
【0018】本発明にかかる表面処理剤は、通常塗膜形
成において知られているように任意に増粘剤、レベリン
グ剤などの製膜条件を調節する目的で使用される添加剤
を適用することができる。
【0019】本発明の方法においては、物品の表面に表
面処理剤を塗布しついで熱処理するが、塗布および熱処
理の回数は2回以上であってもよい。塗布のみを複数回
繰り返した後一度で熱処理すること、塗布と熱処理の一
連の操作を複数回行うことなどどの様な手順で被膜を形
成することも本発明の実施態様の例である。
【0020】本発明の方法において、表面処理剤を物品
表面に塗布する方法としては、公知の方法から適宜選択
すればよくスピンコーティング法、ディッピング法、ロ
ールコーター法、刷毛塗り法、スプレー法などがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。物品表面に
塗布された表面処理剤は、単に溶媒を揮散・乾燥させた
のみでは長期間にわたる安定性に欠ける場合があるの
で、熱処理を施すことが好ましい。熱処理による安定性
向上の理由は明確ではないが、耐水性に大きく寄与する
フォスフォアルミナシリケートの三次元架橋構造の形成
が促進されるためと推定される。
【0021】本発明における熱処理温度は、熱処理時間
によりことなるので一義的には決まらないが、通常20
0〜600℃が好ましく、300〜500℃がより好ま
しい。200℃未満の温度では形成された被膜の親水性
が低く、しかも耐水性が低く実用上問題になる場合があ
り、600℃を超えると被膜が失透したり、通常多く適
用されるガラス、プラスチックなどの基材の変形、化学
変化などが生じるので好ましくない。
【0022】本発明の物品において、膜厚は10nm〜
100μmであり、50nm〜10μmが好ましく、1
00nm〜5μmがより好ましい。膜厚が10nm未満
では膜の耐久性が低下し長期間の親水性を維持すること
ができず、100μmを超えると失透したり平滑性が不
良となることがあり好ましくない。
【0023】本発明にかかる物品は、加熱処理に耐える
素材からなるものであればとくに限定されず、どの様な
形状のものであっても良い。適用できる素材としては、
鉄、ステンレス綱、アルミニウムなどの金属、ポリエー
テル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂などのプ
ラスチック、アルミナ、チタニア、石英、溶融石英、チ
ッ化ケイ素、炭化珪素などのセラミックス、ソーダライ
ムガラス、ホウ珪酸ガラス、各種光学ガラスなどのガラ
ス類を例示することができるが、透明なセラミックスま
たはガラス類において最も有効である。
【0024】本発明の物品においては、素材は予め他の
素材で被覆された物であってもよいが、表面に親水性が
付与されることが必要であるので何れの物品においても
最外層に本発明にかかる被膜を形成することが好まし
い。
【0025】本発明の親水性物品の具体的な例として
は、通常のガラス板、自動車用ガラス、航空機用ガラ
ス、温室用ガラス、鏡、水中眼鏡、カメラ、眼鏡のレン
ズ、表面に1層以上の屈折率の異なる被膜を形成した低
反射ガラス板、表面に導電性を付与したガラス板、表面
に金属酸化物、金属窒化物、金属珪化物または金属など
を被覆した機能化ガラス板などを挙げることができるが
これらに限定されない。
【0026】以下に、さらに詳細に実施例に基づいて説
明する。
【0027】
【実施例】
実施例1 試薬特級のリン酸0.02モル、試薬特級の硝酸アルミ
ニウム9水塩0.02モルを200mlのビーカーに採
り、20gの純水を添加して均一な水溶液とした後、攪
拌しながらSiO2成分換算が0.02モルとなる様に
珪酸リチウム(日産化学(株)製LS−35)を徐々に
加えた。さらにエチルアルコールを添加して最終的に全
液量を100mlとした。この溶液を親水性表面処理剤
として、10cm角の市販のソーダライムガラス板(板
厚2mm)にスピンコート(400rpm)し、次い
で、このガラス板を乾燥器中で60℃30分間予備乾燥
した後、500℃で30分間の熱処理を行った。得られ
た表面処理ガラス板について親水性をゴニオメーター式
接触角測定器で評価した結果を表1に示した。このガラ
ス板の水滴接触角は0度であり、膜の外観は平滑かつ無
色透明で良好であった。また、このガラス板を水道水の
流水中に1時間浸漬した後乾燥させて同様に水滴接触角
を測定し結果を表1に示した。
【0028】被膜を形成したガラス板の表面硬度をJI
S−K5400に従って測定したところ9H以上の鉛筆
硬度であった。また、実施例2〜13、参考例2、3に
おいても同様に無色透明の膜であり、9H以上の鉛筆硬
度であった。
【0029】
【表1】
【0030】実施例2 リン酸を0.012モル、硝酸アルミニウム9水塩を
0.028モルとして実施例1と同様の操作で表1に示
す表面処理剤の調製と、被膜形成、水滴接触角の測定を
行った。被膜の形成条件、評価結果などを表1に示し
た。
【0031】実施例3 リン酸を0.024モル、硝酸アルミニウム9水塩を
0.016モルとして実施例1と同様の操作で表1に示
す表面処理剤の調製と、被膜形成、水滴接触角の測定を
行った。被膜の形成条件、評価結果などを表1に示し
た。
【0032】実施例4 リン酸を0.04モル、硝酸アルミニウム9水塩を0.
04モル、珪酸リチウム0.04モルとして実施例1と
同様の操作で表1に示す表面処理剤の調製と、被膜形
成、水滴接触角の測定を行った。被膜の形成条件、評価
結果などを表1に示した。
【0033】実施例5 リン酸を0.01モル、硝酸アルミニウム9水塩を0.
01モル、SiO2成分換算が0.01モルとなる様に
珪酸リチウムを使用して実施例1と同様の操作で表1に
示す表面処理剤の調製と、被膜形成、水滴接触角の測定
を行った。被膜の形成条件、評価結果などを表1に示し
た。
【0034】実施例6 リン酸の代わりに五酸化リン0.02モルを使用し、純
水の代わりにエタノール/水の容量比1/1の混合溶媒
を使用して実施例1と同様の操作で表1に示す表面処理
剤の調製と、被膜形成、水滴接触角の測定を行った。被
膜の形成条件、評価結果などを表1に示した。
【0035】実施例7、8、9 焼成温度を350℃、250℃、600℃として実施例
1と同様の操作で表1に示す表面処理剤の調製と、被膜
形成、水滴接触角の測定を行った。被膜の形成条件、評
価結果などを表1に示した。
【0036】実施例10 硝酸アルミニウム9水塩の代わりに塩化アルミニウム6
水塩0.02モルを使用して実施例1と同様の操作で表
1に示す表面処理剤の調製と、被膜形成、水滴接触角の
測定を行った。被膜の形成条件、評価結果などを表1に
示した。
【0037】実施例11 硝酸アルミニウム9水塩の代わりに硫酸アルミニウム
0.02モルを使用し、エタノールの代わりにエタノー
ル/水の容量比4/6の混合溶媒を使用して実施例1と
同様の操作で表1に示す表面処理剤の調製と、被膜形
成、水滴接触角の測定を行った。被膜の形成条件、評価
結果などを表1に示した。
【0038】実施例12 エタノールの代わりにイソプロパノールを使用して実施
例1と同様の操作で表1に示す表面処理剤の調製と、被
膜形成、水滴接触角の測定を行った。被膜の形成条件、
評価結果などを表1に示した。
【0039】実施例13 エタノールの代わりにメタノールを使用して実施例1と
同様の操作で表1に示す表面処理剤の調製と、被膜形
成、水滴接触角の測定を行った。被膜の形成条件、評価
結果などを表1に示した。
【0040】実施例14 珪酸リチウムの代わりに珪酸ナトリウム0.02モルを
使用して実施例1と同様の操作で表1に示す表面処理剤
の調製と、被膜形成、水滴接触角の測定を行った。被膜
の形成条件、評価結果などを表1に示した。
【0041】参考例1 リン酸を0.08モル、硝酸アルミニウム9水塩を0.
08モル、珪酸リチウム0.08モルとして実施例1と
同様の操作で表1に示す表面処理剤の調製を行ったが、
一部ゲル化して均一な溶液とはならなかった。被膜の形
成は行わなかった。
【0042】参考例2 リン酸を0.032モル、硝酸アルミニウム9水塩を
0.008モルとして実施例1と同様の操作で表1に示
す表面処理剤の調製と、被膜形成、水滴接触角の測定を
行った。被膜は水接触角が12度とかなり親水性に劣っ
た。被膜の形成条件、評価結果などを表1に示した。
【0043】参考例3 リン酸を0.05モル、硝酸アルミニウム9水塩を0.
05モルとして珪酸リチウムを用いずに実施例1と同様
の操作で表1に示す表面処理剤の調製と、被膜形成、水
滴接触角の測定を行った。被膜は初期には水接触角が0
度であったが、耐水試験後では23度と耐久性に劣るも
のとなった。被膜の形成条件、評価結果などを表1に示
した。
【0044】
【発明の効果】本発明の親水性物品は、高い表面硬度と
透明性を有しかつ長期にわたって親水性を持続すること
ができるので、汚染防止、視界保持を要する建築用ガラ
ス、光学ガラス製品、自動車用ガラスまたは鏡などに好
適であるという顕著な効果を奏する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物品表面に、リン酸と溶解性のアルミニウ
    ム化合物と水溶性珪酸塩と溶媒からなる表面処理剤が塗
    布され、その後200〜600℃で熱処理されたことを
    特徴とする親水性表面を有する物品。
  2. 【請求項2】溶解性のアルミニウム化合物が硝酸アルミ
    ニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムまたはそ
    れらの水和物から選ばれた一種以上のアルミニウム化合
    物であることを特徴とする請求項1記載の親水性物品。
  3. 【請求項3】水溶性珪酸塩が、珪酸のリチウム、ナトリ
    ウムおよびカリウム塩から選ばれた一種以上の珪酸塩で
    あることを特徴とする請求項1〜2記載の親水性物品。
  4. 【請求項4】水溶性珪酸塩が、珪酸リチウムであること
    を特徴とする請求項1〜3記載の親水性物品。
  5. 【請求項5】溶媒が、水および/またはアルコールであ
    ることを特徴とする請求項1〜4記載の親水性物品。
  6. 【請求項6】溶媒が、水とエタノールの混合溶媒である
    ことを特徴とする請求項1〜5記載の親水性物品。
  7. 【請求項7】物品が、親水性を付与する被膜以外に被膜
    を有さないか、または1層以上の被膜を有するガラスで
    あることを特徴とする請求項1〜6記載の親水性物品。
  8. 【請求項8】物品表面に、リン酸と溶解性のアルミニウ
    ム化合物と水溶性珪酸塩と溶媒からなる表面処理剤が塗
    布され、その後200〜600℃で熱処理されることを
    特徴とする親水性表面を有する物品の製造方法。
  9. 【請求項9】物品が板ガラスである請求項1〜7記載の
    親水性物品。
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