JPH09193227A - 熱可塑性樹脂発泡成形物、その製造方法及び熱可塑性樹脂発泡成形物の押出し成形装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡成形物、その製造方法及び熱可塑性樹脂発泡成形物の押出し成形装置

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JPH09193227A
JPH09193227A JP8007575A JP757596A JPH09193227A JP H09193227 A JPH09193227 A JP H09193227A JP 8007575 A JP8007575 A JP 8007575A JP 757596 A JP757596 A JP 757596A JP H09193227 A JPH09193227 A JP H09193227A
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JP
Japan
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foamed
thermoplastic resin
molded article
foam
foamed molded
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JP8007575A
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English (en)
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Daijin Ri
大任 李
Itaru Shirahata
至 白幡
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Tokai Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokai Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無発泡あるいは低発泡樹脂のコーティングに
よることなく、表面に無発泡あるいは低発泡樹脂層を有
する熱可塑性エラストマー発泡成形物を提供する。 【解決課題】 全体に同一の基材からなる前記発泡成形
物70の表面側において、その内側よりも発泡が抑制さ
れているか、あるいは発泡されていない。このため、発
泡成形物70の表面には、同一の基材からなるスキン層
72が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱可塑性樹脂発
泡成形物及びその製造方法等に関し、詳しくは、表面の
被覆コーティングをすることなく、表面に無発泡あるい
は低発泡の樹脂層を有する熱可塑性樹脂発泡成形物とそ
の製造方法ならびに押出し成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、発泡剤としての水を、溶融し
た熱可塑性樹脂と混練して、この混合物を口金から押出
し、樹脂が口金から出る瞬間、減圧され、発泡させる方
法がある。この方法によると、成形された熱可塑性樹脂
発泡成形物は、連続気泡の発泡体となるため、表面が荒
く外観が悪いとともに、吸水性を有するために水密性が
悪かった。したがって、防水性が要求される建材や自動
車のシール材のニーズには不向きであるために、用途が
制限されていた。そこで、かかる問題を解決するため
に、連続気泡の発泡体の表面に無発泡あるいは低発泡樹
脂層のコーティングを施すという技術がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、押出し
成形後の後工程で無発泡あるいは低発泡樹脂をコーティ
ングをするのは、工程数の増加によるコストアップや、
発泡成形物の断面形状のバラツキによりコーティングの
肉厚にバラツキが生じる等の問題がある。また、押出し
成形時に、共押出しで、発泡成形物の表面を無発泡の樹
脂でコーティングする方法があるが、発泡体の発泡圧に
より、無発泡樹脂層が破れたり、また、発泡体の収縮に
より、無発泡樹脂層にシワが生じることがある。
【0004】そこで、本発明は、無発泡あるいは低発泡
樹脂のコーティングによることなく、表面に無発泡ある
いは低発泡樹脂層を有する熱可塑性樹脂発泡成形物を提
供することを目的とする。また、本発明は、無発泡ある
いは低発泡樹脂のコーティングによることなく、熱可塑
性樹脂の発泡成形物の表面に無発泡あるいは低発泡樹脂
層を形成することができる熱可塑性樹脂発泡成形物の製
造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、
熱可塑性樹脂の発泡成形物の表面に無発泡あるいは低発
樹脂層を、簡易に形成することのできる熱可塑性樹脂発
泡成形物の押出し成形装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ための手段として、本発明者らは、発泡成形物の発泡程
度を部分的に調整し、表層側で発泡を抑制することによ
り、発泡成形物自体で、表層側にスキン層を形成するこ
とに着目し、以下の発明を完成した。
【0006】すなわち、第1の発明は、熱可塑性樹脂の
発泡成形物であって、全体に同一の基材からなる前記発
泡成形物の表面側において、その内側よりも発泡が抑制
されているか、あるいは発泡されていないことを特徴と
する熱可塑性樹脂発泡成形物である。この発明によれ
ば、表面側には、発泡成形物自体による無発泡あるいは
低発泡樹脂層が形成される。したがって、発泡成形物の
表面に別個の工程であるいは別個の基材で、無発泡ある
いは低発泡樹脂層を形成する必要がない。
【0007】この発明において、前記発泡成形物は、連
続気泡状の熱可塑性エラストマー発泡成形物であること
が好ましい。発泡成形物が連続気泡状の熱可塑性エラス
トマーの場合に、表面に低発泡あるいは無発泡樹脂層が
形成されると、従来、表面が凹凸状であって、水密性の
なかった発泡成形物に、表面の平滑性や水密性が付与さ
れる。また、熱可塑性エラストマーは、発泡率が高く、
別の基材による樹脂層のコーティングでは、ヤブレやシ
ワを発生しやすいが、本態様によれば、かかるヤブレや
シワが発生することがない。
【0008】第2の発明は、熱可塑性樹脂発泡成形物の
製造方法であって、発泡成形時に、発泡成形物の表面側
において、その内側よりも発泡を抑制することを特徴と
する熱可塑性樹脂発泡成形物の製造方法である。この発
明によると、発泡成形と同時に、発泡成形物の表面側に
は、無発泡あるいは低発泡樹脂層が形成される。したが
って、発泡成形物の表面に、別個の工程であるいは別個
の基材で、無発泡あるいは低発泡樹脂層を形成する必要
がなく、工程が簡略化される。
【0009】また、第2の発明は、熱可塑性樹脂発泡成
形物の押出し成形による製造方法であって、この発泡成
形物の押出し口の近傍において、溶融状態の発泡性材料
の表面側に消泡剤を付与することによって構成すること
もできる。この発明によると、押出し成形時に、溶融状
態の発泡性材料の表面側に消泡剤が付与されるため、発
泡成形物の表面側での発泡成形が抑制される。この結
果、押出し成形と同時に、熱可塑性樹脂発泡成形物の表
面側に、無発泡あるいは低発泡樹脂層が形成される。し
たがって、発泡成形物の表面に別個の工程で無発泡ある
いは低発泡樹脂層を形成する必要がない。また、表面側
樹脂層により、外観が向上されるとともに、水密性も向
上される。また、かかる樹脂層は、発泡成形体と同一基
材からなるため、シワやヤブレが発生しないとともに、
均一な肉厚に形成される。
【0010】特に、第2の発明においては、前記熱可塑
性樹脂発泡成形物は、連続気泡状の熱可塑性エラストマ
ーであることが好ましい態様である。発泡成形物が連続
気泡状の熱可塑性エラストマー場合に、熱可塑性エラス
トマーは、発泡率が高く、別の基材による樹脂層のコー
ティングでは、ヤブレやシワを発生しやすいが、本態様
によれば、かかるヤブレやシワが発生することがない。
また、表面に低発泡あるいは無発泡樹脂層が形成される
と、従来、表面が凹凸状であって、水密性のなかったか
かる発泡成形物に、表面の平滑性や水密性が付与され
る。
【0011】また、第3の発明は、熱可塑樹脂の押出し
成形装置であって、押出し口の近傍の成形材料通路内に
形成された開口と、この開口に消泡剤を供給する消泡剤
の流路、とを備え、前記成形材料の表面に前記消泡剤を
付与した後に成形材料を押出し可能に設けたことを特徴
とする熱可塑性樹脂発泡成形物の押出し成形装置であ
る。この発明によれば、押出し成形時に、発泡と同時
に、成形材料の表面側では、発泡が抑制される。したが
って、成形と同時に、しかも簡易に、発泡成形物の表面
側に、発泡成形物と同一基材の低発泡あるいは無発泡樹
脂層が形成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
詳細に説明する。第1、第2、第3の発明の熱可塑性樹
脂発泡成形物とは、基材中に気泡が形成された熱可塑性
樹脂の発泡体である。気泡は独立気泡と連続気泡とがあ
る。製法としては、加圧下で、ガスやガス化可能な液体
を混入、加熱したり、常圧に戻したりして発泡させた
り、分解型の発泡剤を混入しておき、加熱分解させ発泡
させる方法、水溶性の塩類を混入しておき、混入物を溶
出して多孔化する方法等、様々な方法があり、本発明に
おいては、これらの各種の方法が適用される。
【0013】また、かかる熱可塑性樹脂としては、公知
の可発泡の熱可塑性樹脂を使用でき、また、可発泡の熱
可塑性エラストマーを使用できる。具体的には、オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマ
ー、エステル系エラストマー、塩素化ポリエチレン系エ
ラストマー、塩素化ビニル系エラストマー等を挙げるこ
とができる。
【0014】第1、第2、第3の発明において、発泡成
形物の表面側とは、発泡成形物の表面側の一部あるいは
全体を意味する。すなわち、発泡成形物の表面側に形成
する無発泡あるいは低発泡樹脂層は、発泡成形物の表面
の一部分あるいは全体に形成される。
【0015】第1、第2の発明における成形方法は、特
に、押出し成形に限定せず、他の成形方法、例えば、型
内成形、射出成形、溶出成形、焼結成形等による発泡成
形にも適用することができる。押出し成形による場合に
は、連続状に無発泡あるいは低発泡樹脂層を形成できる
ため、効率的であり、また、溶融状態の発泡性材料の表
面に消泡剤を付与するのが、他の成形法に比して簡易に
行えるので、好ましい。
【0016】また、第2の発明及び第3の発明における
消泡剤としては、泡を消したり(破泡作用)、あるいは
起泡を抑制したりする作用(抑泡作用)を有するもので
あればよい。具体的には、シリコーンエマルジョンオイ
ル(シリコーンオイルと無機分散剤との混合物)、アル
キル変成シリコンオイル、ポリグリコール系消泡剤、ポ
リエーテル系界面活性剤、ノニオン系活性界面活性剤等
を挙げることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明について、実施例を挙げて具体
的に説明する。 (実施例1)本実施例は、熱可塑性エラストマー発泡成
形物に本発明を適用した例である。本実施例では、溶融
したこの発泡成形物材料に対し、発泡剤として水を混
合、混練し、この混合物を常圧に戻して発泡させる方法
により発泡させるようになっている。図1には、本実施
例で用いる押出し装置2の概略構造が示されている。こ
の押出し装置2には、溶融樹脂組成物を混練して押し出
しするシリンダー4と、口金6とが形成されている。
【0018】シリンダー4の上流部分には、発泡性材料
を投入するホッパ8が形成されるとともに、シリンダー
4の内部には、溶融状態の発泡性材料を口金4方向に押
し出すためのスクリュー10が配設されている。さら
に、シリンダー4の長さ方向のほぼ中央部分には、シリ
ンダー4内に発泡剤としての水を注入するノズル12が
形成されている。
【0019】このノズル12には、押出し装置2と別体
に設けた水タンク14から、水注入用ポンプ16と水注
入用パイプ18を介して、水が導入されるようになって
いる。また、水タンク14から水注入用ポンプ16との
間には、注入水量を計量する装置20が配設されてい
る。さらに、このシリンダー4の下流側には、口金6が
一体に形成されている。
【0020】口金6の内部には、図2(a)に拡大して
示すように、シリンダー4の内部の材料流路に連通しつ
つ、テーパ状に絞られたテーパ流路22が形成されてい
る。また、口金6は、口金6の外周に配設されたヒータ
24により、所要の温度に加熱可能となっており、テー
パ流路22内に露出された温度・圧力センサ26によ
り、常時、テーパ流路22内の温度を検知して、テーパ
流路22内を所要の温度に設定可能となっている。
【0021】テーパ流路22の末端には、テーパ流路2
2の絞り端である押出し口28が形成されている。この
押出し口28は、略方形状に開口されている。この押出
し口28の近傍には、消泡剤の注入系が形成されてい
る。この注入系は、図1及び図2(a)に示すように、
消泡剤タンク32、消泡剤注入量計量計34、消泡剤注
入用ポンプ36、注入用パイプ38、消泡剤注入用ノズ
ル40、消泡剤用流路42、消泡剤分配用リング状流路
44、消泡剤流出用スリット46とから形成されてい
る。
【0022】消泡剤タンク32には、所定の消泡剤が充
填されている。消泡剤は、ポンプ36によりパイプ38
を介して注入用ノズル40へ送られるとともに、消泡剤
の注入量を計量計34で計測できるようになっている。
そして、消泡剤は、ノズル40から、口金6の内部を流
路42、44を介して塗布用スリット46にまで到達す
るようになっている。流路44は、押出し口28の外側
を一周する略リング状に形成されており、流路42から
供給された消泡剤を押出し口28の内周面に沿って供給
できるようになっている。このリング状流路44は、押
出し口28の外周に沿った近傍において、狭く形成され
(狭窄部44a)、押出し口28側に開口されることに
より、押出し口28の内周面を一巡する消泡剤塗布用ス
リット46を形成している。狭窄部44aが形成されて
いるために、リング状流路44に供給された消泡剤は、
この狭窄路44aにおいて、均一に充填され、この結
果、塗布用スリット46から、均一に、消泡剤を流出さ
せることができるようになっている。
【0023】このように形成した押出し装置2によっ
て、熱可塑性エラストマー発泡成形物を製造する工程に
ついて説明する。本実施例の熱可塑性エラストマーとし
ては、可発泡性の塩化ビニル樹脂系熱可塑性エラストマ
ーを使用し、消泡剤としては、抑泡作用を奏するジメチ
ルシリコーンオイル(東芝シリコン(株)製、商品名T
SF451)を使用した。なお、本実施例では、消泡剤
としてジメチルシリコーンオイルを使用したが、これに
限らず、消泡作用のある液体化合物であれば使用するこ
とができる。例えば、工業用消泡エマルジョンであるS
M5511(トーレシリコン(株)製)を用いることを
確認している。
【0024】まず、ホッパ8から、熱可塑性エラストマ
ー材料を投入した。シリンダー4内の材料通路におい
て、熱可塑性エラストマー材料は加熱されて溶融され
た。この熱可塑性エラストマー材料に、水注入用ノズル
12から、所定の割合で発泡剤としての水を供給し、溶
融した熱可塑性エラストマーと混合、混練して、発泡性
の熱可塑性エラストマー材料60を形成した。このよう
に形成した熱可塑性エラストマー発泡性材料60を、ス
クリュー10で口金6の方向に押し出した。
【0025】次に、発泡性材料60の表面にジメチルシ
リコーンオイルを供給した。すなわち、口金6に到達
し、ヒータ24に所定温度に均一に加熱された状態の発
泡性材料60に対して、押出し口28の近傍に接近で、
タンク32から、消泡剤塗布用スリット46を介してジ
メチルシリコーンオイルを流出させ、ジメチルシリコー
ンオイルを、発泡性材料60の表面に塗布した。ジメチ
ルシリコーンオイルは、タンク32から、ポンプ36、
パイプ38及びノズル40を介して、口金6に到達され
る。さらに、ジメチルシリコーンオイルは流路42、リ
ング状流路44及び狭窄部44aを介して、スリット4
6から材料流路に安定して、しかも、供給量が調節され
て供給されるため、発泡性材料60の表面に薄く、均一
に塗布された。
【0026】なお、リング状流路44中のジメチルシリ
コーンオイルにかかる圧力は、消泡剤供給ポンプ32の
吐出圧を調整することによって調整される。また、リン
グ状流路44での消泡剤の圧力を調整することにより、
スリット46から供給される消泡剤の量も調整可能であ
る。
【0027】このように表面に消泡剤が塗布された状態
の発泡性材料60を、押出し口28から押し出すと、発
泡性材料60が、大気に触れることにより、混在された
水が蒸発し、気泡が発生し、樹脂が発泡する。しかし、
押出し口28の近傍の口金6の内部において、発泡性材
料60の表面に消泡剤が付与されているため、押し出さ
れた発泡性材料60の表面側においては、気泡の発生が
抑制され、表面側では、発泡が全く観察されないか、あ
るいは、発泡の程度が抑えられて、内側よりも、密度が
高くなっていた。
【0028】この結果、図2(b)に示すように、発泡
成形物70は、表面には、樹脂密度が内側に比較して高
くなっているスキン層72が形成されていた。本実施例
においては、略方形状の断面を有する発泡成形物70の
外周面の全体を覆ってほぼ均一な厚みを持ったスキン層
72と、その内側の発泡体部74からなる発泡成形物7
0として成形されていた。スキン層72は、発泡体部7
2と同一の基材で、発泡体部74との一体に形成され、
しかも、特別なコーティング工程を経ることなく形成さ
れた。したがって、後コーティングの工程を省略するこ
とができて、低コストでコーティングと同機能を付与す
ることができる。また、発泡体部74を同時に有してい
るため、従来通りのクッション性能、抗永久変形性能が
保持されていた。なお、スキン層72の厚さと硬さは、
発泡性材料60の表面に付与した消泡剤の量によって調
整することができる。
【0029】本実施例により得られた発泡成形物70
は、表面側にスキン層72が形成されているため、吸水
性が低下され、シール性が向上された発泡成形物となっ
ている。また、スキン層72により、成形物70の表面
から凹凸が低減あるいは消失され、平滑となり、外観が
向上された。さらに、表面の凹凸が抑制することができ
るために、細かいコーナ形状の断面を有する成形体や、
細い局部を有する成形体を、容易に成形できる。
【0030】なお、本実施例では、全体としての密度が
0.12g/cm3 の高発泡の発泡成形物を得ることが
できたが、本発明においては、発泡剤としての水の注入
量を調整することにより、発泡成形物の密度を0.07
〜0.8g/cm3 の範囲で、調整することができる。
ただし、正確な成形物断面状を得るには、予定の密度に
応じて口金6を修正する必要がある。
【0031】(実施例2)次に、実施例2について図3
に基づいて説明する。なお、実施例1と、共通する構成
部材については、同じ符号を用いて説明する。この押出
し装置102は、図3(b)示すように、基体部104
と中空部106とを一体に備えた発泡成形物108を押
出し成形するものであり、図3(a)に示すように、装
置102のシリンダー4の先端側には、実施例1と同様
に、口金110が形成されている。
【0032】この口金110の内部には、実施例1と同
様に、テーパ流路112が形成されるとともに、その末
端には、テーパ流路112の絞り端である押出し口11
4が形成されている。また、口金110の前側面には、
案内プレート116が形成されている。この案内プレー
ト116には、矯正案内路118が形成されており、そ
の入口120は押出し口114と略同じ大きさであり、
出口122は、発泡成形物108の押出し成形後の収縮
率を考慮して発泡成形物108の断面形状よりも大きく
形成されている。
【0033】この矯正案内路118の内側には、口金1
10の材料通路110aから、ノズル124が突出され
ている。このノズル124は、材料通路110aの内壁
面から下方に突出しつつ、材料通路110aの中心部を
貫通するようにして、矯正案内路118内に到達されて
いる。このノズル124は、発泡成形物108の中空部
106の内壁面を形成するものであり、矯正案内路11
8内に位置されるノズル124の先端側は、前記中空部
106の形状に対応する中空部用矯正部126となって
いる。
【0034】この中空部用矯正部126は、矯正案内路
118の入口(奥側)120から、出口(先端)122
にわたって、断面形状が次第に拡張されたようになって
おり、その先端部においては、発泡成形物108の収縮
を考慮して、中空部106の中空質106aよりも大き
な断面形状となっている。さらに、このノズル124の
中心部には、一端が口金110の側面に開口し、他端
が、中空部用矯正部126の先端面に開口する通気路1
28が形成されており、この通気路128により、押出
し成形時における中空部106の中空室106aが大気
圧に維持されるようになっている。
【0035】さらに、このように形成された口金110
の押出し口114の近傍においては、実施例1と同様
に、消泡剤の注入系が形成されている。すなわち、図示
しない消泡剤タンク32、消泡剤注入量計34、消泡剤
注入用ポンプ36、注入用パイプ38と、消泡剤注入用
ノズル40、消泡剤用流路42、消泡剤分配用リング状
流路44、消泡剤流出用スリット46が形成されてい
る。
【0036】なお、本実施例の熱可塑性エラストマーと
しては、可発泡性のオレフィン系エラストマーであるサ
ントプレーン(A.E.S社製)を使用し、消泡剤とし
ては、ポリグリコール系消泡剤(アンチフロスFシリー
ズ、第一工業製薬製)を使用した。このように形成した
装置102においては、発泡性材料60が口金110の
押出し口114近傍に到達された際、消泡剤塗布用スリ
ット46を介して、ポリグリコース系消泡剤が流出さ
れ、発泡性材料60の表面に塗布される。
【0037】表面にポリグリコール系消泡剤が塗布され
た発泡性材料60は、押出し口114を出たところで、
さらに、矯正案内路118に案内されながら、発泡膨張
される。この際、ポリグリコール系消泡剤が塗布された
発泡性材料60の表面側においては、気泡の発生が抑制
され、発泡成形物108の表面側では、発泡が全く観察
されないか、あるいは発泡の程度が抑えられて、内側よ
りも密度が高く形成された。すなわち、図3(b)の断
面図に示すように、表面には、樹脂密度が内側に比較し
て高くなっているスキン層130が形成されていた。本
実施例においては、発泡成形物108の密度は、全体
で、0.26g/cm3 であるが、実施例1と同様に、
密度の調整も可能である。
【0038】このように、中空部106を有する異形状
断面を有する発泡成形物108においても、表面にスキ
ン層130を形成することができた。特に、本実施例に
おいては、口金110の前側面に形成した案内プレート
116に形成した矯正案内路118により、一般の異形
状断面を有する発泡成形物108を容易に得ることがで
きる。このような異形状断面を有する発泡成形物108
においては、後コーティングにより皮膜を形成するのが
困難であるが、本実施例によれば、発泡成形と同時に、
表面にスキン層130が形成することができる。したが
って、本発明を異形状断面を有する発泡成形物に適用す
るのは好ましい実施態様である。
【0039】なお、本実施例においては、基体部104
と中空部106とを一体に備えた異形状断面を有する発
泡成形物108を形成する場合について説明したが、異
形状断面として、本実施例に記載したものに限定するも
のではない。発泡成形物の異形状断面は、矯正案内路の
形状やノズルの有無やその形状により、所望の形状に変
更することができる。
【0040】
【発明の効果】第1の発明によれば、発泡成形物の表面
側には、発泡成形物自体による無発泡あるいは低発泡樹
脂層を有している。このため、別工程や別基材による被
覆コーティングによることなく、簡易に、表面の平滑性
や水密性が改善されている。また、かかる樹脂層は、発
泡成形物と同一基材で発泡成形物に連続して形成される
ため、一体性がよく、剥がれ等を生じることがない。第
2の発明によれば、発泡成形物の表面側に、発泡成形物
と同一基材からなる無発泡あるいは低発泡樹脂層が形成
することができる。このため、簡易に、表面の平滑性や
水密性を向上させることができるスキン層を形成するこ
とができる。また、かかる樹脂層は、発泡成形物と同一
基材で、発泡成形物に連続して形成されているために、
一体性のすぐれたスキン層を形成できる方法となってい
る。第3の発明によれば、発泡成形の前に、成形材料の
表面側に、消泡剤を付与することができるため、押出し
口からの発泡成形時に、発泡成形物の表面側に、発泡成
形物と同一基材で発泡の抑制された樹脂層を簡易に形成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の押出し成形装置の概略構造を示す図
である。
【図2】実施例1の口金の構造を拡大して示す図であ
る。
【図3】実施例2の押出し成形装置の口金の構造を拡大
して示す図である。
【符号の説明】
2、102 押出し成形装置 4 シリンダー 6、110 口金 70、108 発泡成形物

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂の発泡成形物であって、 全体に同一の基材からなる前記発泡成形物の表面側にお
    いて、その内側よりも発泡が抑制されているか、あるい
    は発泡されていないことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡
    成形物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性樹脂の発泡成形
    物において、 前記発泡成形物は、連続気泡状の熱可塑性エラストマー
    発泡成形物であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成
    形物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂発泡成形物の製造方法であ
    って、 発泡成形時に、発泡成形物の表面側において、その内側
    よりも発泡を抑制することを特徴とする熱可塑性樹脂発
    泡成形物の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂の発泡成形物の押出し成形
    による製造方法であって、 この発泡成形物の押出し口の近傍において、溶融状態の
    発泡性材料の表面側に消泡剤を付与することを特徴とす
    る熱可塑性樹脂発泡成形物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の熱可塑性樹脂発
    泡成形物の製造方法において、 前記熱可塑性樹脂発泡成形物は、連続気泡状の熱可塑性
    エラストマー発泡成形物であることを特徴とする熱可塑
    性樹脂発泡成形物の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂の押出し成形装置であっ
    て、 押出し口の近傍の成形材料通路内に形成された開口と、 この開口に消泡剤を供給する消泡剤の流路、とを備え、
    前記成形材料の表面に前記消泡剤を付与した後に成形材
    料を押出し可能に設けたことを特徴とする熱可塑性樹脂
    発泡成形物の押出し成形装置。
JP8007575A 1996-01-19 1996-01-19 熱可塑性樹脂発泡成形物、その製造方法及び熱可塑性樹脂発泡成形物の押出し成形装置 Pending JPH09193227A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11216764A (ja) * 1997-11-27 1999-08-10 Sekisui Chem Co Ltd 粘着剤及び粘着テープの製造方法
JP2008100452A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Yukio Tsuchiya パッキン付き製造蓋の製造方法及び製造装置

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