JPH09193222A - 射出低圧成形方法および装置 - Google Patents

射出低圧成形方法および装置

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JPH09193222A
JPH09193222A JP915496A JP915496A JPH09193222A JP H09193222 A JPH09193222 A JP H09193222A JP 915496 A JP915496 A JP 915496A JP 915496 A JP915496 A JP 915496A JP H09193222 A JPH09193222 A JP H09193222A
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timer
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 既存のコンパクトな成形機によって、簡単な
制御で高品質な成形品を安定して供給できる射出低圧成
形方法および射出低圧成形装置を提供する。 【解決手段】 可動盤と連結板との間に半割りナットが
装着され、かつ、タイバーには該半割りナットと嵌合す
るネジ部または溝部が配設され、固定盤には移動シリン
ダおよびタイバーと連接された型締シリンダが固設さ
れ、移動シリンダで可動盤を固定盤方向に進退動させる
とともに、型締シリンダで可動盤を固定盤側に押圧させ
て型締力を負荷させる型締機構を用いて射出低圧成形を
行なうに際して、射出充填動作を開始させるとともに、
型締位置および型締圧力を1段ないし多段に型締制御
し、射出充填動作中の射出圧力あるいは射出速度のうち
どちらか一方が設定値に達したことを検知すると型締圧
力と射出圧力を1段ないし多段に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、あらかじめ低圧型
締され閉鎖された金型内に溶融樹脂を射出充填し、その
後型締側で圧縮を行なう射出低圧成形方法(射出圧縮成
形という)や、あらかじめ未閉鎖状態に保持された両金
型間に溶融樹脂を射出充填し、その後型締側で圧縮を行
なう射出低圧成形方法(射出プレス成形という)や射出
低圧成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電、建材等に使用され
る樹脂成形部品は、外装材としての表面転写性の向上
や、装飾のための表皮材貼り合わせといった高付加価値
化と、薄肉化による材料費セーブや軽量化といったコス
トダウンの相反する性質が同時に要求される。これらを
満足する成形方法として、射出低圧成形方法が注目さ
れ、実用化への試行が検討されてきた。従来の射出低圧
成形は、以下に示すような方法が使用されていた。 (1)型締機構にストッパ等を設けて、金型を所定の型
開量位置でストッパにより機械的にロックさせる。また
は、射出充填による金型後退量をストッパにより規制す
る。射出充填後の圧縮工程は、ストッパによる機械的ロ
ックを解除して行なう。または、別途付設した圧縮専用
の型締シリンダ等で圧縮工程を行なう。 (2)型締機構の可動盤と固定盤の間に圧縮専用のユニ
ットを装着し、型開量保持および圧縮工程を装着したユ
ニットで行なう。
【0003】しかしながら、このような従来の方法で
は、下記に示すような問題があった。 (1)射出充填工程から圧縮工程へ移行する際は、一
旦、ストッパ等の機械的ロックを解除してから行なうた
めにタイムラグが生じ、その結果、金型内の樹脂流動挙
動が不連続となり、フローマーク等の欠陥を発生して高
品質の成形品を得ることは困難である。さらに、機械的
ロック機構、あるいは圧縮専用の型締シリンダ等の付設
により、成形機は複雑・大型化し、その結果、生産性は
著しく低下する。 (2)成形機本体は何ら大幅な改造は必要としないもの
の、ユニット装着により、金型取付有効寸法の減少を招
くうえに、重量増による成形機の変形、摺動部の異常摩
耗、駆動系への負担増など成形機へ与えるダメージは大
きい。さらに、ユニットの動作と成形機の動作のタイミ
ングを合わせるための制御信号の接続を必要とし、操作
性は極めて低い。そこで、上記欠点をカバーする方法と
して、以下に示す方法が採用されつつある。すなわち、
油圧制御を駆使して、比較的大きな型開量位置に金型を
保持させておき、あるいは、充填された樹脂圧によって
比較的大きく型開することを許容する型締圧力を負荷さ
せておき、射出充填中の任意の時点より、射出シリンダ
ストローク基準で型締開始のタイミング制御を行ない、
射出充填工程と型締側による圧縮工程を同時動作させる
とともに、圧縮工程中の型締圧力等を多段で制御させ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では、まだ下記に示すような問題が残っ
ていた。射出シリンダストローク基準で型締開始および
圧縮工程中の型締圧力等の多段切替のタイミング制御を
行なっているため、すなわち、チェックリングの作動の
バラツキ、計量時の背圧設定の影響、樹脂温度の変動等
による射出側に起因する充填樹脂量のバラツキによって
生じる制御誤差因子を含んだ状態であるため、制御精度
にバラツキが生じ、その結果として、安定して良品を供
給することは困難になる。また、型締開始および圧縮工
程中の型締圧力等の多段切替の型締動作は、タイミング
信号である射出シリンダストロークの任意の基準点を検
知することによって行なわれる。このことは、射出シリ
ンダストロークの任意の基準点を検知する際の応答遅
れ、検知してから型締側へ動作を開始させるための信号
応答遅れ、信号を受けてから型締側が動作を開始する際
のたとえば型締側が油圧シリンダ方式の場合の作動油の
圧縮性ならびに油圧圧損等による応答遅れ等、の多くの
制御応答遅れを含んでいる。実際の射出充填動作は極め
て高速で短時間であることから、上記制御応答遅れによ
り、射出充填動作と型締側における圧縮動作は、設定条
件とは全く異なっているものと考えられる。すなわち、
フローマーク等の品質欠陥を排除して、より高品質かつ
高付加価値化へ対応させるために考案された方法である
が、実際には成形条件の設定をより複雑化させていると
ともに、制御応答遅れにより良品の安定供給を維持する
ことは困難である。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
して、不必要な成形機の大型化による生産性の低下を避
け、簡単な制御で高品質な成形品を安定して供給するた
めに、本発明においては、第1の発明では、固定盤と可
動盤および連結板がタイバーの軸線方向に配置され、可
動盤と連結板との間に半割りナットが装着され、かつ、
タイバーには該半割りナットと嵌合するネジ部または溝
部が配設され、固定盤には移動シリンダおよびタイバー
と連接された型締シリンダが固設され、移動シリンダで
可動盤を固定盤方向に進退動させるとともに、型締シリ
ンダで可動盤を固定盤側に押圧させて型締力を負荷させ
る型締機構を用いて射出低圧成形を行なうに際して、あ
らかじめ設定した初期型締状態に達すると同時に起動す
る第1のタイマの複数のタイムアウト信号に基づいて、
射出充填動作を開始させるとともに、型締位置および型
締圧力を1段ないし多段に型締制御し、射出充填動作中
の射出圧力あるいは射出速度のうちどちらか一方が設定
値に達したことを検知すると同時に起動する第2のタイ
マの複数のタイムアウト信号に基づいて、型締圧力と射
出圧力を1段ないし多段に制御することとした。また、
第2の発明では、第1の発明において、閉鎖された金型
内に溶融樹脂を射出充填し、その後型締側で圧縮を行な
う射出低圧成形方法であって、あらかじめ充填された樹
脂圧によって閉鎖された両金型が開くことを許容する型
締圧力を設定した後、移動シリンダで可動盤を前進させ
て両金型をタッチさせ、半割りナットをタイバーのネジ
部または溝部へ嵌合させて固定させ、型締シリンダで該
設定型締圧力まで型締を行なった後、第1のタイマを起
動させるとともに、該設定型締圧力を保持するように前
記型締シリンダの作動油圧を制御することとした。さら
に、第3の発明では、第1の発明において、未閉鎖状態
に保持された両金型内に溶融樹脂を射出充填し、その後
型締側で圧縮を行なう射出低圧成形方法であって、あら
かじめ移動シリンダで可動盤を前進させて両金型がタッ
チした状態で可動盤の位置を原点設定し、該移動シリン
ダで該可動盤を後退させることにより所定の型開量位置
を該原点設定位置からの該可動盤の後退量により設定し
た後、半割りナットをタイバーのネジ部または溝部に噛
合・固定させてから型締シリンダで該半割りナットと該
可動盤が当接するまで型締を行なった後、該半割りナッ
トと該可動盤が当接したことを検知して第1のタイマを
起動させるとともに、設定した後退位置に該可動盤を保
持するように該型締シリンダの油圧を制御するようにし
た。そして、第4の発明においては、第1ないし第3の
発明において、射出充填動作中の射出圧力あるいは射出
速度の検知は、射出シリンダストロークの前進限と該前
進限に至るまでの射出充填完了近傍の領域中の任意の射
出シリンダストローク位置で行なうとともに、あらかじ
め設定された1段ないし多段の射出速度設定値に基づい
て射出充填制御を行なう場合には、該ストローク位置範
囲における検出信号は射出圧力とし、あらかじめ設定さ
れた金型キャビティ内に充填可能な射出圧力設定値に基
づいて射出充填制御を行なう場合には、該ストローク位
置範囲における検出信号は射出速度とすることとした。
さらに、第5の発明の射出低圧成形装置では、型締位置
を多段に設定する型締位置設定部と、型締圧力を多段に
設定する型締圧力設定部と、型締位置を検出する型締位
置センサと、型締圧力を検出する型締圧力センサと、半
割りナットと可動盤の当接を検知する当接検知センサ
と、初期型締状態に達すると同時に起動する第1のタイ
マと、射出充填動作中の射出圧力あるいは射出速度が設
定値に達すると同時に起動する第2のタイマと、前記型
締位置設定部の設定値および型締圧力設定部の設定値と
前記型締位置センサの検出信号と前記型締圧力センサの
検出信号と前記当接検知センサの検出信号と前記第1タ
イマおよび前記第2タイマの複数のタイムアウト信号に
基づいて型締動作を制御する型締制御部とを備え、射出
充填動作を制御する射出制御部を具備するとともに、射
出充填動作中の射出圧力あるいは射出速度をそれぞれ検
出する射出圧力検出部あるいは射出速度検出部と、射出
圧力および射出速度の検出範囲を設定する位置設定部
と、該射出圧力検出部および射出速度検出部の検出信号
に基づいて前記第2タイマを起動させるとともに前記射
出制御部へ圧力制御開始信号を発信させる比較制御部と
を備えてなる構成とした。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、成形機の改造をほとん
ど必要とすることなく、極めて簡単な制御システムで高
精度な型締位置および型締圧力を射出充填動作と連動さ
せて多段に制御を行ない、高品質な成形品を低コストで
安定供給する。すなわち、本発明においては、あらかじ
め設定した初期型締状態に達すると同時に起動する第1
のタイマの複数のタイムアウト信号に基づいて射出充填
動作を開始させるとともに、型締位置および型締圧力を
1段ないし多段に型締制御させて、射出と型締の同時動
作を行なう。この場合の初期型締状態は、射出圧縮成形
においては、充填された樹脂圧によって金型が開くこと
を許容する型締圧力を型締シリンダで型締を行なった時
であり、射出プレス成形においては、所定の型開量位置
に金型を開いた状態で型締シリンダで半割りナットと可
動盤が当接するまで型締を行なった時である。射出充填
動作中の射出圧力または射出速度が設定値に達したこと
を検知すると同時に起動する第2のタイマの複数のタイ
ムアウト信号に基づいて、型締圧力と射出圧力を1段な
いしは多段に制御させて、圧縮工程を行なう。このよう
に型締側信号基準で、射出と型締の同時動作および型締
位置および型締圧力の1段ないしは多段制御を行なうこ
とにより、制御応答遅れによる射出と型締の動作の不整
合および射出側に起因する充填樹脂量のバラツキによっ
て生じる制御誤差因子が排除できるため、高品質な成形
品を安定して得ることができる。さらに、射出充填動作
中の射出圧力または射出速度が設定値に達した時、すな
わち、射出充填挙動から金型キャビティ内へ溶融樹脂が
ほぼ満充填(ジャストパック)された充満挙動に変化し
た時点で、起動する第2のタイマの複数のタイムアウト
信号に基づいて型締圧力と射出圧力を同期制御させてい
ることにより、金型キャビティ内溶融樹脂(この場合、
樹脂は固化が進行しつつある状態)に必要以上の圧力負
荷が避けられ、また、金型キャビティから射出側への樹
脂の逆流が防止でき、さらに、樹脂の冷却固化収縮に伴
なう溶融樹脂の補給が同時に行なわれているので、変
形、反り、引け等の外観的欠陥および内部残留応力の無
い、極めて高品質な成形品が得られる。
【0007】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図4は本発明に係り、図1は射
出低圧成形装置の全体構成図、図2は射出圧縮成形の作
業工程手順を示すフローチャート、図3は圧縮工程開始
タイミングの設定手順を示す説明図、図4は射出プレス
成形の作業工程手順を示すフローチャートである。
【0008】図1に示すように、本発明における射出低
圧成形装置100は、型締装置1と射出装置40と制御
装置60とから構成される。型締装置1は移動シリンダ
2、型締シリンダ3、タイバー7、固定盤10、ねじ噛
合調整装置11、可動盤20、半割りナット22、タイ
バー係止装置(半割りナット開閉シリンダ)26、固定
金型30a、可動金型30bおよび連結板50等から構
成される。固定金型30aは図示しないマシンベースの
一端部上面に固着された固定盤10へ取付けられてお
り、一方、マシンベースの他端部側上面には、前記固定
盤10と対向して可動金型30bが可動盤20へ取付け
られている。この固定金型30aと可動金型30bの対
向面は凹凸に係合した構成をなし、前記固定金型30a
と可動金型30b間にキャビティ28を画成している。
固定盤10の両側面部にそれぞれ固設された移動シリン
ダ2のピストンロッド6の先端は可動盤20に取付けら
れ、可動盤20は固定盤10に対してマシンベース上を
摺動し進退することができる。
【0009】前記可動盤20を貫通するタイバー7は、
全長同一径に製作されたものが複数個(本発明では4
個)設けられており、その一端は型締シリンダ3の内部
ピストン5に固着され、他端は連結板50と略直角方向
に貫通した後、ナットまたはエンドプレートにて締付け
て固定されると同時に、タイバー7と連結板50とはキ
ー等を用いてタイバー7の廻り止め防止がされている。
【0010】タイバー7の略中位部には、型閉動作時に
可動金型30bと固定金型30aが接触した時に後述す
る半割りナット22と噛合して可動盤20をタイバー7
に係止するためのネジ部または溝部が形成されている。
【0011】次に、射出装置40について述べる。本実
施例における射出装置40はバレル41内にスクリュ4
2が配設され、ホッパ43内の樹脂原料が供給ゾーン、
圧縮ゾーンにおいて加熱圧縮され、計量ゾーンにおいて
溶融計量され、そして射出ゾーンを経てノズル44内へ
射出されるように構成されている。
【0012】そして、バレル41の外周面には樹脂原料
を外部加熱するためのヒータが設けられており、樹脂原
料がスクリュ42の回転によって前方へ送られるように
なっている。符号46は射出シリンダ、47は正逆転用
モータであってスクリュ42に直結されており、スクリ
ュ42を正逆回転するようになっている。
【0013】次に、制御装置60について述べる。制御
装置60は、図1に示すように、射出制御部61、第1
タイマ62、第2タイマ63、位置設定部64、比較制
御部65、射出圧力検出部66、射出速度検出部67、
油圧制御弁68、油圧供給源68a、68b、型締制御
部70、油圧制御弁71、型締圧力設定部72、型締圧
力センサ73、型締位置設定部74、型締位置センサ7
5、当接検知センサ76等から構成されている。
【0014】射出制御部61は、型締制御部70と2つ
のタイマ(第1タイマ62と第2タイマ63)で接続さ
れるとともに、射出シリンダ46の動作を制御する油圧
制御弁68と正逆転用モータ47の動作を制御する図示
しない制御装置にそれぞれ接続されている。
【0015】一方、第2タイマ63は、位置設定部64
と接続された比較制御部65に接続されるとともに、射
出シリンダ46に連結された射出圧力検出部66と射出
速度検出部67とも間接的に接続される。
【0016】一方、型締制御部70は、型締シリンダ3
の油圧を制御する油圧制御弁71に接続されるととも
に、型締圧力設定部72を介して型締圧力センサ73と
繋がれ、さらに型締位置設定部74を介して型締位置セ
ンサ75と繋がれ、当接検知センサ76とも接続されて
いる。
【0017】以上のように構成された射出低圧成形装置
100の作動について説明する。図2は、射出圧縮成形
の作業工程手順を示したもので、下記の手順により作業
を行なう。 (1)移動シリンダ2を用いて可動盤20等を固定盤1
0側へ移動前進させる。両金型30a、30bがタッチ
した後、移動シリンダ2の駆動を停止させる。 (2)半割りナット開閉シリンダ26を駆動させて、半
割りナット22とタイバー7上のネジ部または溝部8を
完全に噛合・固定させる。ここで前もって、両金型30
a、30bの金型厚さ(ダイハイト値:H)とネジ部ま
たは溝部のピッチ(Pi)から、半割りナット22とタ
イバー7上のネジ部または溝部8が完全に噛合するよう
に、あらかじめチェーン等によって連結された半割りナ
ット位置調整用のモータを回転させることでスプロケッ
トを回転させて半割りナット22の位置を固定する調整
軸の前後進移動量を調整しておく。
【0018】(3)あらかじめ型締圧力設定部72で設
定した、充填された樹脂圧によって金型が開くことを許
容する型締圧力設定値(P1 )に基づいて、型締制御部
70は油圧制御弁71を制御して型締を行なう。型締圧
力センサ73の検出信号(P)が設定値に達すると(P
=P1 )、設定値(P1 )の型締圧力保持制御を行なう
とともに、第1タイマ62を起動させて射出充填動作と
型締動作を制御する。なお、あらかじめ第1タイマ62
には、射出充填開始タイミング時間(T1 )と射出充填
動作中の型締圧力設定部72で設定した多段の型締圧力
設定値(P2、P3 ・・・)に対応した圧力切替タイミ
ング時間(T2 、T3 ・・・)が設定されている。
【0019】(4)第1タイマ62のタイムアウト信号
(T1 )に基づいて、射出制御部61は射出充填動作を
開始する。同様に第1タイマ62のタイムアウト信号
(T2 、T3 ・・・)に基づいて、たとえば、タイムア
ウト信号(T2 )を検知後、型締制御部70は油圧制御
弁71を制御して型締を行なう。型締圧力センサ73の
検出信号(P)が設定値に達すると(P=P2 )、設定
値(P2 )を保持するように、タイムアウト信号
(T3 )を検知するまで圧力保持制御を継続する。以後
は上記動作制御を繰り返して型締圧力の多段制御を行な
う。このように型締側信号基準で、射出充填動作の開始
タイミング制御と型締圧力の1段ないしは多段の圧力切
替タイミング制御を同時に行なっていることで、制御応
答遅れによる射出側と型締側の動作の不整合が皆無とな
るうえに、射出側に起因する充填樹脂量のバラツキによ
って生じていた制御誤差因子が完全に排除できるため、
極めて高精度な射出と型締の動作制御が実現される。
【0020】さらに、制御システムが最もシンプルなタ
イマのタイムアウト信号を用いることによって、高品質
な成形品を低コストで安定して得られる。なお、当然の
ことながら、第1タイマ62のタイムアウト信号T1
1 =0と設定すれば、初期型締完了後、直ちに射出充
填が行なわれ、成形サイクル短縮となる。また、タイム
アウト信号T1 をT1 =T2 と設定すれば、射出と型締
の同時スタートとなり、より一層の成形サイクル短縮が
可能となるうえに、射出充填による金型キャビティ28
内の樹脂流動状態と型締側の型締位置移動による金型キ
ャビティ28内の樹脂流動状態に連続性が得られるの
で、フローマーク等の欠陥防止効果も得られる。
【0021】(5)本発明の方法においては、射出充填
挙動に応じて型開挙動を示す。これによって、金型キャ
ビティ28内の樹脂流動が助長され、その結果、金型キ
ャビティ28内の樹脂圧の低圧化、偏圧の解消等の効果
が現われ、変形、反りの防止、成形品の薄肉化等の高品
質化が達成される。 (6)射出圧力検出部66または射出速度検出部67で
検出した射出充填動作中の射出圧力あるいは射出速度が
あらかじめ比較制御部65で設定した各々の設定値に達
したことを検知すると、射出充填動作から射出保圧動作
へ切替るとともに、第2タイマ63を起動させて型締側
での圧縮工程における射出圧力と型締圧力の制御を行な
う。
【0022】ここで各々の設定値の設定手順を図3を用
いて説明する。 (a)あらかじめ設定した射出充填量(樹脂の冷却固化
収縮量を加算した樹脂量)と射出速度(1段または多段
射出速度)の設定値に基づいて射出充填を行なう場合
(射出速度制御充填)は以下の手順となる。 圧縮工程開始のタイミング信号を検出する範囲を、射
出シリンダストロークの前進限(E点)と前進限(E
点)に至るまでの、射出充填完了近傍の領域の射出シリ
ンダストローク位置を位置設定値(モニタリング開始
点、M)として位置設定部64で設定する。こうするこ
とにより、射出機構側での充填挙動と金型キャビティ2
8内の充満挙動の相互関係を最も的確に検知することに
なり、その後の圧縮工程における金型キャビティ28内
の樹脂の冷却固化挙動と対応させた型締圧力および射出
圧力の圧力多段制御が実現できる。
【0023】同時に、圧縮工程開始のタイミング信号
を射出機構側の射出圧力による比較設定値(K値)とし
て比較制御部65で設定する。タイミング信号を射出圧
力で設定することにより、射出機構側から金型キャビテ
ィ28内の樹脂の充填挙動が総合的に把握できるため、
計量値、チェックリングの作動変動による充填量のバラ
ツキ、および成形中の樹脂温度の変動等の外乱因子に影
響されることなく、安定して高精度なタイミング信号の
検出ができる。 次に、前述した設定値(M点、K値)に基づいて圧縮
工程開始の制御を行なう。射出シリンダストロークがモ
ニタリング開始点(M)に達すると射出圧力検出部66
で射出圧力のモニタを開始する。金型キャビティ28内
の充填挙動に伴ない設定された射出速度を保持するため
に、射出圧力は増加を必要とし、射出圧力検出部66の
検出信号がK値に達すると(設定圧力到達点、P)射出
充填動作を射出速度制御から射出圧力制御へ切替えると
ともに(射出充填動作→射出保圧動作)第2タイマ63
を起動させて第2タイマ63のタイムアウト信号に基づ
いて型締圧力の多段制御(圧縮工程)と射出圧力の多段
制御(射出保圧工程)を行なう。
【0024】(b)あらかじめ設定した射出充填量(樹
脂の冷却固化収縮量を加算した樹脂量)と射出圧力(充
填可能な圧力値)の設定値に基づいて射出充填を行なう
場合(射出圧力制御充填)は以下の手順となる。なおこ
の充填方法では、充填初期は高速充填でき、充填の進行
に伴ない充填速度は自然減速されるバリ発生の原因とも
なるパック圧を抑えた理想的な充填制御方法(ナチュラ
ルフロー)が得られる。 圧縮工程開始のタイミング信号を検出する範囲(M)
およびタイミング信号(この場合は射出速度(K′)と
なる)の設定は、前述の(a)と同様である。 上記設定値(M点、K′値)に基づいて、型締開始の
制御を行なう。射出シリンダストロークがモニタリング
開始点(M点)に達すると射出速度検出部67で射出速
度のモニタを開始する。充填可能な射出圧力制御による
射出充填により、金型キャビティ28内の充満挙動に対
応して射出速度は自然減速される。射出速度検出部67
の検出信号がK′値に達すると(設定速度到達点:V)
射出充填動作から射出保圧動作へ切替るとともに、第2
タイマ63を起動させて第2タイマ63のタイムアウト
信号に基づいて、型締圧力の多段制御(圧縮工程)と射
出圧力の多段制御(射出保圧工程)を行なう。
【0025】(7)このように第1タイマ62のタイム
アウト信号基準と第2タイマ63のタイムアウト信号基
準の2段の検出信号基準で型締と射出の動作制御を行な
うことにより、すなわち、射出充填挙動中における型締
制御と射出充満挙動中における型締および射出の同期制
御を行なうことにより、圧縮工程においては、金型キャ
ビティ28内の溶融樹脂は冷却固化が進行しつつあるこ
とを考慮して、射出と型締の圧力制御が行なわれること
になる。したがって、金型キャビティ28内の樹脂(成
形品)へ必要以上の圧力負荷が防止できるとともに、金
型キャビティ28内から射出側への樹脂の逆流(成形品
の重量バラツキおよび残留応力の残存による変形、反り
の原因となる)も防止でき、さらに樹脂の冷却固化収縮
に応じた溶融樹脂の補給が型締側と射出側の両方から可
能となる。その結果、変形、反り、引け等の外観欠陥お
よび内部残留応力の無い、かつ、重量バラツキの極めて
小さい高品質な成形品を得ることができる。
【0026】なお、あらかじめ第2タイマ63には、射
出保圧工程における射出制御部61で設定した多段の射
出圧力設定値(p2 、p3 ・・・)に対応したタイミン
グ時間(t2 、t3 ・・・)と計量開始時間(tE )が
設定されている。また、型締圧縮工程における型締圧力
設定部72で設定した多段の型締圧力設定値(P2 ′、
3 ′・・・)に対応したタイミング時間(T2 ′、T
3 ′・・・)と型締完了時間(TE )が設定されてい
る。ここで計量開始時間(tE )は、ゲートシールの時
間を基準とし、シャットオフバルブ等が組込まれている
場合には、シャットオフバルブ閉動作の完了時間を基準
として設定する。また、型締完了時間(TE )は、樹脂
温度、金型冷却能力や成形品形状等から樹脂の冷却時間
を算出して設定する。
【0027】(8)第2タイマ63のタイムアウト信号
(t2 、t3 ・・・)に基づいて、射出制御部61は射
出保圧工程の射出圧力(保圧p2 、p3 ・・・)を多段
で制御するとともに、タイムアウト信号(tE )に基づ
いて計量動作を開始して、次成形の準備を行なう。同様
に第2タイマ63のタイムアウト信号(T2 ′、T3
・・・)に基づいて、たとえば、タイムアウト信号(T
2 ′)を検知した後、型締制御部70は油圧制御弁71
を制御して、圧縮工程を開始する。型締圧力センサ73
の検出信号(P)が設定値に達すると(P=P2 ′)、
設定値(P2 ′)を保持するように型締シリンダ3の油
圧を制御して、第2タイマ63のタイムアウト信号(T
3 ′)を検知するまで圧力保持制御を継続する。以後
は、上記動作制御を繰り返して圧縮工程における型締圧
力の多段制御を行なうとともに、タイムアウト信号(T
E )に基づいて型締シリンダ3の型締圧力を除去した
後、半割りナット22の固定を解除し、移動シリンダ2
を用いて型開動作を行なって製品を取出して、一連の成
形動作を終える。
【0028】このように、射出充填挙動から射出充満挙
動への変化を的確に検知して、圧縮工程の制御開始のタ
イミング位置が高精度に制御できることで、圧縮工程に
おける射出と型締の動作制御は、制御システムが最もシ
ンプルなタイマのタイムアウト信号を用いることが可能
となり、その結果、極めて高品質な成形品を低コストで
得ることが実現できる。
【0029】したがって、上記射出圧縮成形を用いれ
ば、射出充填中は型開挙動により、金型キャビティ28
内の樹脂圧の低圧化および偏圧防止と圧縮工程中は適切
な保圧力の射出側と型締側の両方からの作用により、材
料費節減によるコストダウンと軽量化を目的とした成形
品の薄肉化や成形品の表面装飾のために着色樹脂層を成
形品表面に積層させる、あるいは、補強のために補強材
入りの樹脂層を成形品裏面に積層させる工程省力化を同
時に付加した積層成形品等の複合成形品が容易に、か
つ、高品質に得られる。
【0030】次に、射出プレス成形の作業手順について
図4にしたがって説明する。 (1)あらかじめ型締位置設定を行なうための金型タッ
チ点(原点)設定を行なう。すなわち、移動シリンダ2
を用いて可動金型30bを固定金型30a側へ前進さ
せ、両金型がタッチしたことを検知した後金型タッチ点
として型締位置設定部74で原点設定(S0 )する。金
型タッチ点の検知は以下に示す方法で行なわれる。 移動シリンダでの前進動作が停止した時点とする。 移動シリンダの制御油圧値が上昇した時点とする。 両金型の金型厚さ(ダイハイト値)から算出する。 また、原点設定は以下に示す手段が用いられる。 (a)可動盤に組込まれた、たとえばエンコーダ、リニ
アスケール等の型締位置センサの検出信号 (b)移動シリンダのストローク値 本実施例では、制御のソフト、ハードともにシンプル
で、かつ、ダイハイト設定および次工程における型締位
置設定の際のセンサの共用性を考慮して1例として+
(a)の組合せについて示した。
【0031】(2)原点設定後、成形動作を行なう。本
実施例では、たとえば、高付加価値化とコストダウンを
目的としたコア材の成形と同時に、型内で表皮材の貼り
合わせ(表皮一体成形)を行なう場合を1例として示
す。移動シリンダ2で可動金型30bを固定金型30a
側へ前進させる。型締位置センサ75の検出信号(S)
があらかじめ型締位置設定部74で設定した型締位置設
定値(S1 、この場合は表皮材を金型にセットするため
の型開位置を示す)に達すると(S=S1 、ただしS1
>S0 )、移動シリンダ2の駆動を停止させて、表皮材
を金型にセットする。ここで表皮材がシート状(この場
合は、比較的フラット形状品の場合に用いられる)であ
れば、射出低圧成形装置100とは別途に付設される表
皮材搬送装置等を用いて、可動金型30bと固定金型3
0aの間に挿入される。また、比較的凹凸の激しい深物
形状品の場合には、一般には表皮材が製品形状に類似し
た形状に成形されることが多く、この場合には、可動金
型30bに嵌め込みセットした後、真空吸引等で固定す
る。なお、表皮材としては、装飾あるいは質感(ソフト
感)等、付加される要求特性に応じて、不繊布系、ラミ
ネート表皮系、フィルム系等を適宜選択する。
【0032】(3)表皮材セット後、再び移動シリンダ
2で可動金型30bを前進移動させる。型締位置センサ
75の検出信号(S)が、あらかじめ型締位置設定部7
4で設定した型締位置設定値(S2 、ただし、S1 >S
2 >S0 )に達すると(S=S 2 )、移動シリンダ2の
駆動を停止させて、半割りナット開閉シリンダ26を駆
動させて、半割りナット22とタイバー7上のネジ部ま
たは溝部8を完全に嵌合・固定させる。なお、半割りナ
ット22の位置は射出圧縮成形の場合と同様に調整して
おく。
【0033】(4)型締シリンダ3に圧油を供給して型
締動作を行なうとともに、半割りナット22と可動盤3
0bの当接検知のモニタを開始する。すなわち、半割り
ナット22とタイバー7上のネジ部または溝部8を噛合
・固定させた時点では、半割りナット22の駆動が容易
となるように、半割りナット22と可動盤20はダイハ
イト値とネジ部または溝部のピッチから算出される隙間
を有する状態である。したがって、この場合の型締動作
は主に可動盤20位置はそのままで、タイバー7とタイ
バー7に噛合・固定された半割りナット22を固定盤1
0側方向へ引き抜くようにスライド前進させることを示
す。
【0034】半割りナット22と可動盤20の当接検知
は以下に示す方法で行なわれる。 半割りナット22と可動盤20の隙間を直接検出す
る。 半割りナット22が当接したことによって生じる可動
盤20の位置変動を検出する。 半割りナット22が当接したことによる移動シリンダ
ストローク値の位置変動および移動シリンダ2内の作動
油の圧力変動を検出する。なお、、は間接的な検知
方法であり、本実施例では、最も信頼性の高いの方法
について、たとえば、可動盤20あるいは半割りナット
22に、リニアスケール、エンコーダ、近接SW等の当
接検知センサ76を組込んだ場合を1例として示す。
【0035】当接検知センサ76で半割りナット22と
可動盤20が当接したことを検知すると、型締位置設定
値(S2 )を保持するように型締シリンダ3の油圧を制
御するとともに、第1タイマ62を起動させて射出充填
動作と型締動作を制御する。
【0036】(5)ここで、あらかじめ第1タイマ62
には、射出充填開始タイミング時間(T1 )と、たとえ
ば射出充填動作中は多段の型締圧力設定値(P2 、P3
・・・)に対応した圧力切替タイミング時間(T2 、T
3 ・・・)が設定されていたとする。第1タイマ62の
タイムアウト信号(T1 )に基づいて、射出制御部61
は射出充填動作を開始する。同様に第1タイマ62のタ
イムアウト信号(T2 、T3・・・)に基づいて、たと
えば、タイムアウト信号(T2 )を検知後、型締制御部
70は油圧制御弁71を制御して型締を行なう。型締圧
力センサ73の検出信号(P)が設定値に達すると(P
=P2 )、設定値(P2 )を保持するようにタイムアウ
ト信号(T3 )を検知するまで、圧力保持制御を継続す
る。以後は上記動作制御を繰り返して型締圧力の多段制
御を行なう。
【0037】したがって、当然のことながら、同様な制
御手順により、たとえば射出充填中に型締位置を多段
(S3 、S4 ・・・)に制御させる場合、あるいは、多
段の型締位置(S2 、S3 ・・・)と多段の型締圧力
(P2 、P3 ・・・)を組合せた制御の場合において
も、タイミング時間を(T2 =S3 、T3 =S3 ・・
・)あるいは(T2 =S3 、T3 =S3 ・・・Tn =P
2 、Tn+1 =P3 ・・・)と設定すれば、射出充填動作
と同時に型締位置多段制御あるいは型締位置と型締圧力
の多段組合せ制御が可能となる。
【0038】このように型締側信号基準で射出充填動作
の開始タイミング制御と型締位置および型締圧力の多段
の切替タイミング制御を同時に行なっていることで、制
御応答遅れによる射出側と型締側の動作の不整合が皆無
となるうえに、射出側に起因する充填樹脂量のバラツキ
によって生じていた制御誤差因子が完全に排除できるた
め、極めて高精度な射出と型締の動作制御が実現され
る。さらに、制御システムが最もシンプルなタイマのタ
イムアウト信号を用いることによって、高品質な成形品
を低コストで安定して得られる。なお、当然のことなが
ら、第1タイマ62のタイムアウト信号T1 をT1 =0
と設定すれば、初期型締完了後、直ちに射出充填が行な
われ、成形サイクル短縮となる。また、タイムアウト信
号T2 をT1 =T2 と設定すれば、射出と型締の同時ス
タートとなり、より一層の成形サイクル短縮が可能とな
るうえに、射出充填による金型キャビティ28内の樹脂
流動状態と型締側の型締位置移動による金型キャビティ
28内の樹脂流動状態に連続性が得られるので、フロー
マーク等の欠陥防止効果も得られる。
【0039】(6)射出充填動作中の射出圧力検出部6
6または射出速度検出部67で検出した射出圧力または
射出速度があらかじめ比較制御部65で設定した各々の
設定値に達したことを検知すると、射出充填動作から射
出保圧動作へ切替るとともに、第2タイマ63を起動さ
せて、型締側での圧縮工程における射出圧力と型締圧力
の制御を行なう。なお、この場合の射出圧力および射出
充填速度の検出設定手順は、射出圧縮成形の場合と同じ
である。なお、第2タイマ63には、あらかじめ射出保
圧工程における射出制御部61で設定した射出圧力多段
設定値(p2 、p3 ・・・)に対応したタイミング時間
(t2 、t3 ・・・)と計量開始時間(tE )が設定さ
れている。また、型締圧縮工程における、あらかじめ型
締圧力設定部72で設定した型締圧力多段設定値
(P2 ′、P3 ′・・・)に対応したタイミング時間
(T2 ′、T3 ′・・・)と型締完了時間(TE )が設
定されている。なお、計量開始時間(tE )および型締
完了時間(TE )の設定は、射出圧縮成形の場合と同じ
である。
【0040】(7)第2タイマ63のタイムアウト信号
(t2 、t3 ・・・)に基づいて、射出制御部61は射
出保圧工程の射出圧力(保圧)を多段で制御する(t2
=p2、t3 =p3 ・・・)とともに、タイムアウト信
号(tE )に基づいて計量開始を行なって次成形の準備
に入る。同様に、タイムアウト信号(T2 ′、T3 ′・
・・)に基づいて、たとえば、タイムアウト信号
(T2 ′)を検知すると、型締制御部70は油圧制御弁
71を制御して、圧縮工程を開始する。型締圧力センサ
73の検出信号(P)が設定値に達すると(P=
2 ′)、設定値(P2 ′)を保持するように型締シリ
ンダ3の作動油圧を制御して、タイムアウト信号
(T3 ′)を検知するまで位置保持制御を継続する。以
後は、上記動作制御を繰り返して圧縮工程における型締
圧力多段制御を行なうとともに、タイムアウト信号(T
E )に基づいて、型締シリンダ3の型締圧力を除去した
後、半割りナット22の固定を解除して、移動シリンダ
2で型開動作を行なって、製品取出して一連の成形動作
を終える。
【0041】このように、射出充填動作中の型締位置お
よび型締圧力制御と射出充満挙動中(射出保圧動作中)
の型締圧力および射出圧力の同期制御を行なう2段構え
の制御手段により、冷却固化が進行しつつある金型キャ
ビティ内の樹脂は、必要以上の圧縮力を受けること無
く、射出側への樹脂の逆流も無く、適切な保圧力が作用
される。その結果、変形、反り、引け等の外観欠陥およ
び内部残留応力の無い、かつ、重量バラツキの極めて小
さい高品質な成形品を得ることができる。また、射出充
填挙動から射出充満挙動への変化を的確に検知して、圧
縮工程の制御開始タイミングが高精度に行なえること
で、制御システムが最もシンプルなタイマのタイムアウ
ト信号を用いることが可能となり、その結果、極めて高
品質な成形品を低コストに得ることが実現できる。
【0042】したがって、上記射出プレス成形を用い
て、たとえば表皮一体貼り合わせ成形を行なえば、あら
かじめ開いた状態で射出充填を行なうことにより、金型
キャビティ内の樹脂流動はスムーズに行なわれ、射出充
填時に表皮材の損傷が極力避けられ、質感、装飾性等を
保ったままコア材の成形が可能となるうえに、圧力制御
による圧縮工程で、コア材と表皮材の密着度のアップ、
表皮材の均一な貼り合わせ等が実現でき、その結果、高
付加価値化と工程省力化によるコストダウンを同時に付
加した複合成形品が容易かつ高品質に得られる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
下記の優れた効果を発揮することができる。 (1)型締側信号基準で射出と型締の同時動作および型
締位置あるいは型締圧力を多段で制御することにより、
制御応答遅れによる射出と型締の動作の不整合や射出側
信号基準の場合に生じていた射出側に起因する制御誤差
因子が完全に排除できるため、高品質な成形品を安定し
て供給できる。 (2)射出充填中の射出圧力または射出速度が設定値に
達した後、すなわち、射出充填挙動から射出充満挙動の
変化を的確に検知した後は、この検知信号基準で射出保
圧と型締圧縮工程の圧力多段制御とすることで、変形、
反り、引け等の外観欠陥および内部残留応力等の内部欠
陥の無い、極めて高品質な成形品の安定供給がよりアッ
プする。 (3)さらに、制御基準となる型締側信号および射出充
填中の射出側信号の検知は極めて高精度であることによ
り、上記制御は第1タイマおよび第2タイマの複数のタ
イムアウト信号を用いることが可能となり、その結果、
低コストで極めて高品質な成形品の安定供給が実現でき
る。 (4)上記(1)、(2)、(3)に示す射出充填動作
中および射出保圧工程中の型締位置あるいは型締圧力の
高精度な型締多段制御の達成により、これら型締側の動
作制御を必要とする表皮一体貼り合わせ成形や積層成形
等の複合成形への応用展開が極めて容易に達成でき、成
形品の高付加価値化と省工程によるコストダウンが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射出低圧成形装置の全体
構成図である。
【図2】本発明の実施例に係る射出圧縮成形の作業工程
手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る圧縮工程開始タイミング
の設定手順を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る射出プレス成形の作業工
程手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 型締装置 2a ベース 2 移動シリンダ 3 型締シリンダ 4、5 内部ピストン 6 ピストンロッド 7 タイバー 8 ネジ部または溝部 10 固定盤 11 ねじ噛合調整装置 20 可動盤 22 半割りナット 26 タイバー係止装置(半割りナット開閉シリンダ) 28 キャビティ(金型キャビティ) 30a 固定金型 30b 可動金型 40 射出装置 41 バレル 42 スクリュ 44 ノズル 46 射出シリンダ 47 正逆転用モータ 48 ピストン 50 連結板 60 制御装置 61 射出制御部 62 第1タイマ 63 第2タイマ 64 位置設定部 65 比較制御部 66 射出圧力検出部 67 射出速度検出部 68 油圧制御弁 68a、68b 油圧供給源 70 型締制御部 71 油圧制御弁 72 型締圧力設定部 73 型締圧力センサ 74 型締位置設定部 75 型締位置センサ 76 当接検知センサ 100 射出低圧成形装置 E 前進限 K 射出圧力比較設定値 K′ 射出速度比較設定値 M モニタリング開始点 P 設定圧力到達点(または型締圧力) P1 、P2 、P3 型締圧力設定値 P1 ′、P2 ′、P3 ′ 型締圧力設定値 S1 、S2 、S3 型締位置設定値 V 設定速度到達点

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定盤と可動盤および連結板がタイバー
    の軸線方向に配置され、可動盤と連結板との間に半割り
    ナットが装着され、かつ、タイバーには該半割りナット
    と嵌合するネジ部または溝部が配設され、固定盤には移
    動シリンダおよびタイバーと連接された型締シリンダが
    固設され、移動シリンダで可動盤を固定盤方向に進退動
    させるとともに、型締シリンダで可動盤を固定盤側に押
    圧させて型締力を負荷させる型締機構を用いて射出低圧
    成形を行なうに際して、 あらかじめ設定した初期型締状態に達すると同時に起動
    する第1のタイマの複数のタイムアウト信号に基づい
    て、射出充填動作を開始させるとともに、 型締位置および型締圧力を1段ないし多段に型締制御
    し、 射出充填動作中の射出圧力あるいは射出速度のうちどち
    らか一方が設定値に達したことを検知すると同時に起動
    する第2のタイマの複数のタイムアウト信号に基づい
    て、型締圧力と射出圧力を1段ないし多段に制御するこ
    とを特徴とする射出低圧成形方法。
  2. 【請求項2】 閉鎖された金型内に溶融樹脂を射出充填
    し、その後型締側で圧縮を行なう射出低圧成形方法であ
    って、 あらかじめ充填された樹脂圧によって閉鎖された両金型
    が開くことを許容する型締圧力を設定した後、移動シリ
    ンダで可動盤を前進させて両金型をタッチさせ、半割り
    ナットをタイバーのネジ部または溝部へ嵌合させて固定
    させ、 型締シリンダで該設定型締圧力まで型締を行なった後、
    第1のタイマを起動させるとともに、該設定型締圧力を
    保持するように前記型締シリンダの作動油圧を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の射出低圧成形方法。
  3. 【請求項3】 未閉鎖状態に保持された両金型内に溶融
    樹脂を射出充填し、その後型締側で圧縮を行なう射出低
    圧成形方法であって、 あらかじめ移動シリンダで可動盤を前進させて両金型が
    タッチした状態で可動盤の位置を原点設定し、該移動シ
    リンダで該可動盤を後退させることにより所定の型開量
    位置を該原点設定位置からの該可動盤の後退量により設
    定した後、半割りナットをタイバーのネジ部または溝部
    に噛合・固定させてから型締シリンダで該半割りナット
    と該可動盤が当接するまで型締を行なった後、該半割り
    ナットと該可動盤が当接したことを検知して第1のタイ
    マを起動させるとともに、設定した後退位置に該可動盤
    を保持するように該型締シリンダの油圧を制御すること
    を特徴とする請求項1記載の射出低圧成形方法。
  4. 【請求項4】 射出充填動作中の射出圧力あるいは射出
    速度の検知は、射出シリンダストロークの前進限と該前
    進限に至るまでの射出充填完了近傍の領域中の任意の射
    出シリンダストローク位置で行なうとともに、 あらかじめ設定された1段ないし多段の射出速度設定値
    に基づいて射出充填制御を行なう場合には、該ストロー
    ク位置範囲における検出信号は射出圧力とし、 あらかじめ設定された金型キャビティ内に充填可能な射
    出圧力設定値に基づいて射出充填制御を行なう場合に
    は、該ストローク位置範囲における検出信号は射出速度
    とすることを特徴とする請求項1記載ないし請求項3記
    載の射出低圧成形方法。
  5. 【請求項5】 型締位置を多段に設定する型締位置設定
    部と、 型締圧力を多段に設定する型締圧力設定部と、 型締位置を検出する型締位置センサと、 型締圧力を検出する型締圧力センサと、 半割りナットと可動盤の当接を検知する当接検知センサ
    と、 初期型締状態に達すると同時に起動する第1のタイマ
    と、 射出充填動作中の射出圧力あるいは射出速度が設定値に
    達すると同時に起動する第2のタイマと、 前記型締位置設定部の設定値および型締圧力設定部の設
    定値と前記型締位置センサの検出信号と前記型締圧力セ
    ンサの検出信号と前記当接検知センサの検出信号と前記
    第1タイマおよび前記第2タイマの複数のタイムアウト
    信号に基づいて型締動作を制御する型締制御部とを備
    え、 射出充填動作を制御する射出制御部を具備するととも
    に、 射出充填動作中の射出圧力あるいは射出速度をそれぞれ
    検出する射出圧力検出部あるいは射出速度検出部と、 射出圧力および射出速度の検出範囲を設定する位置設定
    部と、 該射出圧力検出部および射出速度検出部の検出信号に基
    づいて前記第2タイマを起動させるとともに、前記射出
    制御部へ圧力制御開始信号を発信させる比較制御部とを
    備えてなる射出低圧成形装置。
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JPH11235733A (ja) * 1998-02-20 1999-08-31 Ube Ind Ltd 樹脂の多層成形方法および装置
JP2001009887A (ja) * 1999-07-02 2001-01-16 Sumitomo Heavy Ind Ltd 射出成形機における駆動部の原点設定方法
JP2001287252A (ja) * 2000-04-07 2001-10-16 Nok Corp 射出成形装置および射出成形装置の制御方法
JP2019093576A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 株式会社放電精密加工研究所 複合型樹脂成形装置

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