JPH09191157A - 偏波変調半導体レーザとその作製方法 - Google Patents

偏波変調半導体レーザとその作製方法

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JPH09191157A
JPH09191157A JP8020529A JP2052996A JPH09191157A JP H09191157 A JPH09191157 A JP H09191157A JP 8020529 A JP8020529 A JP 8020529A JP 2052996 A JP2052996 A JP 2052996A JP H09191157 A JPH09191157 A JP H09191157A
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JP
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polarization
semiconductor laser
optical waveguide
optical
guide layer
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JP8020529A
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Natsuhiko Mizutani
夏彦 水谷
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホールバーニング効果による共振器内の屈折率
の空間的変動を打ち消す構造を有する偏波変調半導体レ
ーザである。 【解決手段】分布帰還型半導体レーザであって、独立に
電流注入可能な複数の光導波路部分111、112を直
列に結合した構造を有する。第1の光導波路部分111
と第2の光導波路部分112において、偏波面の異なる
2つの偏波モードに対する導波路の伝搬定数差が異なっ
ている。第1の光導波路部分111と第2の光導波路部
分112を全領域としてその中央部119、120と両
端部118、121の間で、上下の少なくとも一方の光
ガイド層厚がわずかに異なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発振偏波モードの
スイッチング可能な偏波変調半導体レーザ及びその作製
方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】偏波スイッチング可能な動的単一モード
(Dynamic Single Mode)半導体レ
ーザとして、分布帰還型半導体レーザを基本とした幾つ
かの構造が提案されている。
【0003】1つの例には、2つの分布帰還(DFB)
領域にλ/4シフト部を有し、TE/TMのゲインビー
ク波長をそれぞれの分布帰還(DFB)領域のブラッグ
波長に設定した偏波変調半導体レーザ構造について記載
されている。
【0004】また、別の例においては、TE/TMモー
ド間の伝播定数差の異なる2つの部分を有する偏波変調
半導体レーザ構造が記載されている。
【0005】上記第1の例における分布帰還型半導体レ
ーザは、半導体レーザの共振器方向に、異なる特性を有
する2つの分布帰還部を有し、該分布帰還部のそれぞれ
に位相シフト部が設けられ、該2つの分布帰還部におい
てそれぞれTEモードおよびTMモードのゲインスペク
トルのピークにTEモードおよびTMモードのブラッグ
波長が一致するように設定されているというものであ
る。例えば、量子井戸構造の活性層を有する分布帰還型
半導体レーザにおいて、TEモードのブラッグ波長を量
子井戸の重い正孔と電子の遷移波長である1.58μm
に設定し、TMモードのブラッグ波長を量子井戸の軽い
正孔と電子の遷移波長である1.56μmに設定した例
について記載されている。そして、TMモードのゲイン
ピークに対応するグレーティングの結合係数を大きくす
ることで、モード競合を実現する。結合係数を調整する
方法の例としては、グレーティングの凹凸深さを大きく
する方法などが示されている。この例では、例えば、両
分布帰還部を適当な電流でバイアスした状態で、一方の
分布帰還部に変調電流を加えることで発振モードをスイ
ッチングするものである。
【0006】また、上記別の例の分布帰還型半導体レー
ザは、偏波面の異なる2つの偏波モードでの発振を可能
にする光源であって、共振器方向に2つ以上の電極を有
し、該電極に独立な電流注入を可能とする構造を有し、
該電極の下の第1の光導波路部分と第2の光導波路部分
がレ―ザの共振器を構成する一部あるいは全部であっ
て、該第1の光導波路部分と第2の光導波路部分の間に
おいて、偏波面の異なる2つの偏波モードに対する導波
路の伝播定数差が異なっていることを特徴とするもので
ある。そして、異なる偏波モードに対する導波路の伝播
定数差を相互に異なるものにするために、基板面内の横
方向の光閉じ込めの幅等が両光導波路間で異なっている
というものである。この例では、例えば、両光導波路部
分に不均一な電流注入をすることで、両光導波路部分の
一方の偏波モードのブラッグ波長が一致する状態と他方
の偏波モードのブラッグ波長が一致する状態とを択一的
に選択して発振モードをスイッチングするものである。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、上記第1
の例の偏波変調レーザにおいては、λ/4シフトの導入
によってストップバンド両端でのモード競合を抑止でき
るものの、競合するTE/TMモード間の光強度分布が
おのおののモードに対応した2つのλ/4シフト部近傍
に集中しており、モードスイッチング時に光強度分布が
比較的大きく切り替わるという現象があった。このた
め、ホールバーニング効果に起因して高速変調時等に線
幅増大があり、偏波変調レーザの本来の性能である低チ
ャープ特性を極限まで引き出すことは困難である。
【0008】また、上記第2の例の偏波変調レーザにお
いては、λ/4シフトがなければ共振器内の光強度分布
は端面の位相によって規定され、TE/TMモード間で
光強度分布が一致するとは限らなかった。この場合は、
上記第1の例と同様、ホールバー二ング効果から線幅増
大が生じる。また、端面位相の素子ごとのばらつきが、
デバイス特性のばらつきに大きく影響していた。また、
2つの共振器部分の境界にλ/4シフトを導入した場合
も、シフト部に集中する光分布によって生じるホールバ
ーニング効果があり、変調バイアス電流や変調電流の増
大を招いていた。
【0009】従って、本出願に係る第1の発明の目的
は、ホールバーニング効果による共振器内の屈折率の空
間的変動を打ち消す構造を有する偏波変調半導体レーザ
装置を提供し、変調バイアス電流や変調電流を小さくす
ることである(請求項1、2に対応)。
【0010】また、本出願に係る第2の発明の目的は、
製造工程を簡略化できる上記偏波変調半導体レーザ装置
を提供することである(請求項3に対応)。
【0011】また、本出願に係る第3の発明の目的は、
さらに共振器内の光強度分布を規定する構造を有する偏
波変調半導体レーザ装置を提供することである(請求項
4に対応)。
【0012】また、本出願に係る第4の発明の目的は、
ホールバーニング効果による共振器内の屈折率の空間的
変動を効果的に抑止する構造を提供することである(請
求項5に対応)。
【0013】また、本出願に係る第5の発明の目的は、
製造工程をさらに簡略化できる上記偏波変調半導体レー
ザ装置を提供することである(請求項6、7に対応)。
【0014】また、本出願に係る第6の発明の目的は、
上記偏波変調半導体レーザ装置の製造工程を簡略化でき
る上記偏波変調半導体レーザ装置の作製方法を提供する
ことである(請求項8に対応)。
【0015】また、本出願に係る第7の発明の目的は、
上記偏波変調半導体レーザ装置の簡単な駆動方法を提供
することである(請求項9に対応)。
【0016】また、本出願に係る第8の発明の目的は、
上記構造の半導体レーザを有する光源装置を提供するこ
とである(請求項10に対応)。
【0017】また、本出願に係る第9の発明の目的は、
上記構造の半導体レーザを有する光通信システムを提供
することである(請求項11に対応)。
【0018】また、本出願に係る第10の発明の目的
は、上記構造の半導体レーザを用いた光通信方法を提供
することである(請求項12に対応)。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本出願に係る第1の発明は、分布帰還型半導体レーザで
あって独立に電流注入可能な複数の光導波路部分を直列
に結合した構造を有し、該第1の光導波路部分と第2の
光導波路部分において偏波面の異なる2つの偏波モード
に対する導波路の伝搬定数差が異なっていて、第1の光
導波路部分と第2の光導波路部分を全領域としてその中
央部と端部の間で、上下の少なくとも一方の光ガイド層
厚がわずかに異なっていることを特徴とする。また、第
1の導波路部分と第2の導波路部分はそれぞれがさらに
2つの部分からなっていて、2つの部分ではそれぞれ光
ガイド層厚がわずかに異なっていて、第1の光導波路部
分で光ガイド層が厚い部分、第1の光導波路部分で光ガ
イド層が薄い部分、第2の光導波路部分で光ガイド層が
薄い部分、第2の光導波路部分で光ガイド層が厚い部
分、をこの順に共振方向に配列していることを特徴とす
る。
【0020】より具体的には、光共振器内で光強度分布
が比較的強くなる共振器の中央部付近で光ガイド層の厚
さを薄くし、端面近くで光ガイド層厚を厚くしている。
また、上記第1の光導波路部分と第2の光導波路部分で
は、例えば、基板面内の横方向の光閉じ込めの幅が異な
っていることで異なる偏波モードに対する導波路の伝播
定数差を相互に異なるものとしている。
【0021】各電極に電流注入してDC駆動ないし変調
した状態で、光強度の強い共振器中央部ではホールバー
ニング効果によってキャリア密度が小さくなる。よっ
て、均一な共振器構造の場合には有効屈折率は共振器中
央部で大きめとなる。第1の発明において、光ガイド層
が薄いことは、共振器中央部での作りつけの屈折率を小
さめのものとしてホールバーニング効果による屈折率分
布を打ち消すものである。これにより、各偏波モード
で、より安定な単一軸モード発振が可能となる、変調バ
イアス電流や変調電流の低減を図れる等の効果が達成さ
れる。
【0022】また、本出願に係る第2の発明は、該第1
の光導波路部分と該第2の光導波路部分で回折格子のピ
ッチが均一に形成されていることを特徴としている。こ
れにより、素子作製時に干渉露光法によって回折格子と
する凹凸を形成する工程が1回でよく、余分な工程を追
加する必要がない。
【0023】また、本出願に係る第3の発明は、上記光
導波路部分の回折格子に1つまたは複数の位相シフト部
を有することを特徴としているものである。この位相シ
フトは、ブラッグ波長の光に対して位相整合条件を満た
し、共振器内でブラッグ波長光を位相シフト部近傍に閉
じ込めるものである。よって、共振器内の光強度分布を
規定することができる。
【0024】また、本出願に係る第4の発明は、上記位
相シフトが該第1または第2の光導波路部分の光ガイド
層厚の薄い部分に形成されていることを特徴とする。こ
れにより、共振器内の光強度分布の強い部分と作りつけ
の屈折率の小さい部分とを、より良くー致させ、ホール
バーニング効果のデバイス特性への影響を、より良好に
抑止するものである。
【0025】また、本出願に係る第5の発明は、上記位
相シフトが該第1または第2の光導波路部分の光ガイド
層厚の異なる段差部分に形成されていることを特徴とす
る。共振器内の光強度分布の強い部分と作りつけの屈折
率の小さい部分とを、よりー致させ、ホールバーニング
効果のデバイス特性への影警を抑止するものである。
【0026】また、特に、位相シフトの形成法として、
以下の方法を用いたときに位相シフトと段差の形成が同
時に行なえる。すなわち、均一に作製された回折格子の
一部領域をレジストで覆い、アッシングしてレジストを
回折格子の凹部にのみ残し、全体をエッチングすること
によって、凹部にレジストの残った領域は凹凸が反転す
るというものである。このとき同時に位相シフト部を介
して段差が形成されるので、この段差によって、光ガイ
ド層厚さを異ならせるというものである。
【0027】全体をエッチングする工程で、回折格子部
の凹凸を反転させない領域をレジストで保護しない場合
には、この領域では回折格子の凹凸形状を維持して光ガ
イド層をエッチングするので、光ガイド層厚が薄い領域
となる。また、全体をエッチングする工程で回折格子部
の凹凸を反転させない領域を異種のレジスト等で保護す
る場合には、この領域では光ガイド層はエッチングされ
ない。従って、凹凸を反転させる領域がガイド層厚の薄
い領域となる。本出願に係る第6の発明は、この様な偏
波変調半導体レーザ装置の製造工程を簡略化できる上記
偏波変調半導体レーザ装置の作製方法に関わるものであ
る。
【0028】また、本出願に係る第7の発明は、上記偏
波変調半導体レーザ装置の簡単な駆動方法に関わり、独
立な電極の少なくとも一方に対する微小変調電流信号に
よって、偏波面の異なる2つの偏波モードの一方に対し
て、少なくとも第1と第2の光導波路部分の間でブラッ
グ波長が実質的に一致する状態と、偏波面の異なる2つ
の偏波モードの他方に対して、少なくとも第1と第2の
導波路部分の間でブラッグ波長が実質的に一致する状態
との間でスイッチングさせることを特徴とする。
【0029】また、本出願に係る第8の発明は、上記偏
波変調半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光
の内、前記2つの偏波モードの一方の発振による光のみ
を取り出す偏光子とから成る光源装置であることを特徴
とする。
【0030】また、本出願に係る第9の発明は、上記光
源装置を備えた光送信機、前記偏光板によって取り出さ
れた光を伝送する伝送手段、及び前記伝送手段によって
伝送された光を受信する光受信機から成る光通信システ
ムであることを特徴とする。
【0031】また、本出願に係る第10の発明は、上記
光源装置を用い、所定のバイアス電流に送信信号に応じ
て変調された電流を重畳して前記半導体レーザに供給す
ることによって、前記偏光板から送信信号に応じて強度
変調された信号光を取り出し、この信号光を光受信機に
向けて送信する光通信方法であることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】第1の実施例 本発明による第1の実施例を図1のレーザ構造の斜視図
によって説明する。図1において、111、112は独
立して電流注入可能な2つの光導波路部分を示し、それ
ぞれに対応した電極113、114が形成されている。
横方向の光閉じ込めおよぴキャリアの閉じ込めのため
に、活性層123部での幅をlμmおよび2.5μmと
するリッジ115、116を形成し、これを高抵抗In
P層117によって埋め込んでいる。光ガイド層11
8、119は、第1の光導波路部分111の上側光ガイ
ド層であり、光ガイド層120、121は、第2の光導
波路部分の上側光ガイド層である。光ガイド層の厚さ
は、119が118より薄く、120が121より薄
い。122は、下側クラッド層と下側光ガイド層の界面
で周期的凹凸が形成され、回折格子として機能する。
【0033】回折格子122の形成された上側光ガイド
層の厚さ以外の点では、光導波路部分111、112と
も共通の層構成となっている。デバイスの層構成を図2
に従って説明する。
【0034】図2において、n−InP基板131上
に、深さ0.05μm・ピッチ0.24μmの回折格子
122を形成し、これを概略0.2μm厚さのn−In
GaAsP層133(バンドギャップ波長1.15μ
m)で埋め込み、平坦化している。この上に厚さ0.1
5μmのi−InGaAsPの活性層123がある。さ
らに上部光ガイド層としてp−InGaAsP層(バン
ドギャップ波長1.15μm)135、1.5μm厚さ
のp−InPからなるクラッド層136、0.3μm厚
さのp−InGaAsのコンタクト層137を成膜して
いる。上部光ガイド層135のInGaAsP層は厚い
ところ119、121で0.14μm、薄いところ11
8、120で0.lμmとなっている。
【0035】更に、p側電極であるCr/AuZnNi
/Au層138、基板側のn電極のAuGeNi/Au
層139を形成、合金化している。p側電極138とコ
ンタクト層137までを除去して電極分離領域140と
し、レーザの片端面にはSiO2膜141を形成して反
射防止膜としている。
【0036】図3に光ガイド層厚の違いによる、波長
1.55μm光のTEおよびTMモードの有効屈折率の
リッジ幅依存性の計算例を示す。上記層構成に対して等
価屈折率法を適用した計算であり、キャリアの効果は考
慮していない。光ガイド層の厚さの違いが、各TE、T
Mモードの有効屈折率neffに影響する量(変化量1)
と、TEおよびTMモード間の有効屈折率差△neff
影響する量(変化量2)を比較する。尚、変化量3は、
リッジ幅の違い(lμmと2.5μm)によるTEおよ
びTMモード間の有効屈折率差△neffの差を示す。
【0037】本実施例で用いたリッジ幅lμmと2.5
μmにおいて、光ガイド層135の厚さを0.lμmと
0.14μmとしたとき、変化量1は0.008程度で
あり、変化量2はほぼ0であり、変化量3は0.000
5程度である。光ガイド層135の層厚を変える構成
が、TEおよびTMモードの有効屈折率差△neffを維
持しつつ、リッジ幅の異なる夫々の部分で層厚を薄くし
た部分でのTEおよびTMモードの有効屈折率neff
小さくする構成となっていることがわかる。
【0038】本デバイスの動作を説明する。電極11
3、114への不均一注入によってTMないしTEモー
ドでレーザ発振した状態において、光強度分布は共振器
の中央部付近で強く、端面付近で弱い。このため、ホー
ルバーニング効果によって、キャリア密度は共振器中央
部で小さくなる。すなわち、有効屈折率に対する注入キ
ャリアの寄与は端面付近で大きくて、有効屈折率が小さ
くなり、中央部で小さくて、有効屈折率が余り小さくな
らない。従って、本実施例によって光ガイド層厚を変え
たことで共振器内に与えた屈折率分布(光ガイド層厚が
薄い中央部で屈折率は小さく、光ガイド層厚が厚い端面
付近で屈折率は大きい)が、上記キャリア分布による屈
折率の効果を打ち消す方向に働く。よって、線幅が向上
した安定な単一軸モード発振を保ちつつ偏波変調ができ
る。
【0039】このデバイスの動作の原理について、図4
によって従来例と比較しながら更に説明する。図4
(b)に、従来例のデバイス(図4(a)に図示)の均
一注入の状態を示す。ブラッグ波長λとその波長での
伝搬定数βは、グレーティングピッチΛと次の式で結
びついている。 β=2πneqi/λ=π/Λ ここでneqiは導波光の感じる等価屈折率である。埋
込み導波路の形状に依存してTEモードとTMモードの
伝搬定数に差があり、同じグレーティングに対してTE
モードの感じるブラッグ波長λTE とTMモードの感
じるブラッグ波長λTM は異なっている。しかし、図
4(a)に示すフロント部21、リア部22(2つの電
極とその下の光導波路部を夫々こう呼ぶことにする)の
間で、両モード間のブラッグ波長の差はほとんど変わら
ない。即ち、 λTE bf≒λTE br λTM bf≒λTM br λTE bf−λTE br≒λTM bf−λTM br ここでフロント部21、リア部22に対するブラッグ波
長を、それぞれλ bf,λ brとし、添え字TE,TM
が偏波のモードを表す。レーザは、TE,TMモード各
々のブラッグ波長近傍で、位相条件を満たす波長の内で
しきい値利得が最小となる波長で発振する。
【0040】図4(c)に従来例のデバイスの不均一注
入の状態を示す。不均一注入に起因して、フロント部2
1、リア部22ではTEモードに対するブラッグ波長λ
TE bf,λTE brが一致しないが、TMモードに対
しても、フロント部21、リア部22の間でブラッグ波
長λTM bf,λTM brが一致しない。図4(c)に
示すように、フロント部21とリア部22でのブラッグ
波長のデチューン量はTEモードに対するものとTMモ
ードに対するものがほぼ等しい。即ち、 λTE bf≠λTE br λTM bf≠λTM br λTE bf−λTE br≒λTM bf−λTM br TEモードとTMモードのどちらが発振するかは、端面
位相、回折格子の微細な不均一性等の非対称性によって
いた。
【0041】図5(a)に示す本実施例のデバイス(こ
こでは2つの光導波路部で幅のみが異なり光ガイド層の
厚さは同じとして説明する。上で述べたように、層厚が
異なっても、TEおよびTMモードの有効屈折率差△n
effを維持しつつ、リッジ幅の異なる夫々の部分で層厚
を薄くした部分でのTEおよびTMモードの有効屈折率
effを小さくするのみであるので、以下の説明はその
まま図1に示す本実施例の動作にも適用できる)に対す
る均一注入の状態(図5(b))では、フロント部1
1、リア部12の間でのリッジ幅の違いに依存してTE
モードとTMモードの伝搬定数に差があるだけではな
く、同じグレーティング14に対するTEモードとTM
モードのブラッグ波長の差λTE −λTM が、フロ
ント部11とリア部12とで異なっている。即ち、偏波
面の異なる2つの偏波モードに対するブラッグ波長の差
が異なっていて、2つの光導波路部分での差の違いの量
がいずれか一方の偏波モードに対するストップバンド幅
より大きくなる様に構成されている。この状態でTEモ
ードとTMモードのどちらが発振するかは、回折格子1
4による結合効率、端面位相、回折格子の微細な不均一
性等の個々のデバイスの状態によっている。尚、図5
(a)では、図4(a)の構造に合わせてグレーティン
グ14は活性層15の上にある様に描いてあるが、図1
の構造のものと動作は変わらない。
【0042】本実施例のデバイスに対しては、図5
(c)、図5(d)に示すように、不均一に注入した時
に2つの動作点が考えられる。図5(c)に示す第1の
不均一注入の状態では、TEモードに対するブラッグ波
長λTE bf,λTE brがフロント部11とリア部1
2でほぼ一致しているが、TMモードに対するブラッグ
波長λTM bf,λTM brは異なっている。即ち、 λTE bf≒λTE br λTM bf≠λTM br この場合、ブラッグ波長の一致しているTEモードのブ
ラッグ波長近傍の光は反射損失が小さく、レーザ発振の
利得条件を満たす利得が小さいのに対して、TMモード
のフロント部11でのブラッグ波長近傍の光は、リア部
12でブラッグ波長から離れているので反射損失が生
じ、レーザ発振の利得条件が上昇する。こうして、TE
モードのブラッグ波長の一致した状態では、TEモード
での発振となる。
【0043】発振波長はTEモードのブラッグ波長近傍
で位相条件を満たす波長になっている。本実施例におい
て、TEモードのブラッグ波長λTE bf,λTE br
を一致させたときに、TMモードのブラッグ波長は、フ
ロント部11とリア部12で若干異なっている。
【0044】図5(d)に示す第2の不均一注入の状態
ではTMモードに対するブラッグ波長λTM bf,λ
TM brがフロント部11とリア部12で一致している
が、TEモードに対するブラッグ波長λTE bf,λ
TE brは異なっている。即ち、 λTE bf≠λTE br λTM bf≒λTM br 図5(c)の状態と比べて、TEモードでの反射損失が
大きくなり、TMモードでの反射損失が小さくなるの
で、TMモードでの利得も大きく与えている構成にして
おけば、TMモードでの発振となる。ただし、TMモー
ドでの発振波長も、TMモードのブラッグ波長近傍で位
相条件を満たす波長になっている。
【0045】第2の実施例 図6の斜視図に従って、本発明による第2の実施例を説
明する。図6において、411、412は独立して電流
注入可能な2つの導波路部分を示し、それぞれに対応し
た電極413、414が形成されている。横方向の光閉
じ込めおよびキャリアの閉じ込めのために、活性層部で
の幅をlμmおよび2.5μmとするリッジ415、4
16を形成し、高抵抗InP層417によって埋め込ん
でいる。光ガイド層418、419は、第1の導波路部
分の光ガイド層であり、光ガイド層420、421は、
第2の導波路部分のの光ガイド層であり、それぞれ厚さ
が異なっている。422は、下側クラッド層と下側光ガ
イド層の境界面で、深さ0.05μm・ピッチ240n
mの周期的凹凸が形成され、回折格子として機能する。
423は位相シフト部である。
【0046】その他の層構成は、n−InP基板43
1、n−InGaAsP層432(バンドギャップ波長
1.15μm)、活性層の量子井戸層433(井戸層が
InP基板431に格子整合したi−InGaAs(厚
さ6nm)、バリア層がバンドギャップ波長1.15μ
mのi−InGaAsP(厚さ10nm)の5重量子井
戸)、上部光ガイド層として働くp−InGaAsP層
(バンドギャップ波長1.15μm)418〜421、
p−InP(厚さ1.5μm)からなるクラッド層43
4、p−InGaAs(厚さ0.3μm)のコンタクト
層435からなっている。上部光ガイド層のInGaA
sP層は厚いところ418、421で0.14μm、薄
いところ419、420で0.lμmとなっている。
【0047】p側電極413、414はCr/AuZn
Ni/Au層、基板側のn電極436はAuGeNi/
Au層139を形成、合金化している。p側電極とコン
タクト層435までを除去して電極分離領域437と
し、レーザの片端面にはSiO2膜438を形成して反
射防止膜としている。
【0048】特に本実施例においてはλ/4シフトの効
果によって、光強度の分布が位相シフト部を中心とした
拡がりになるので、素子間のばらつきを抑えることがで
きる。動作等は第1実施例と同じである。
【0049】第3の実施例 図7の斜視図に従って、本発明による第3の実施例を説
明する。図7において、511、512は独立して電流
注入可能な2つの導波路部分を示す。横方向の光閉じ込
めおよびキャリアの閉じ込めのために、活性層部での幅
をlμmおよび2.5μmとするリッジ513、514
を形成し、高抵抗InP層515によって埋め込んでい
る。深さ0.05μm・ピッチ240nmの回折格子と
してはたらく周期的凹凸の形成された光ガイド層51
6、517は、第1の導波路部分の光ガイド層であり、
同様に回折格子の形成された光ガイド層518、519
は、第2の導波路部分の光ガイド層である。おのおのの
段差部520、521で、凹凸の周期が半周期ずれたλ
/4位相シフト部になっている。その他の層構成は第1
の実施例と同様である。
【0050】本実施例に特有の位相シフトの作製法につ
いて説明する。図8を用いて作製工程を説明する。
【0051】(1)まず基板1(図7の例で言えば、上
部ガイド層)上に均一な凹凸の位相をもつ回折格子g1
を作製する。 (2)その一部領域をフォトレジスト2で覆う。このフ
ォトレジスト2で覆われた領域は、後に凹凸の位相が反
転する領域になる。この領域を第1の領域と呼び、これ
以外の領域を第2の領域と呼ぶことにする。両領域の境
は厳密に設定する必要はなく、回折格子g1の深さは5
0nm前後と浅い。フォトレジスト2の塗布膜厚もこれ
と同程度にする。必要ならばフォトレジストをシンナー
で希釈して塗布膜厚を調整する。フォトレジストの塗布
特性として、表面張力などにより、凹凸のある場所に塗
布すると平坦化することが言える。したがって、この場
合も図8(2)に示すように塗布膜の上面はほぼ平らに
なり、回折格子g1の凸部の上は薄く、凹部はそれより
厚くなる。
【0052】(3)フォトレジスト2を均一にエッチン
グし、凹部だけにフォトレジスト2を残す。酸素ガスを
用いた反応性イオンエッチング等を施すことにより、フ
ォトレジスト2は全体に上から均一にエッチングされ
る。基板1はエッチングされない。回折格子g1の凸部
上のフォトレジスト2は薄いため、凹部上のフォトレジ
スト2より先になくなる。したがって、適当な時間でエ
ッチングを終了することにより、凹部にのみフォトレジ
スト2を残すことができる。
【0053】(4)残ったフォトレジスト2をマスクと
して基板1をエッチングする。この工程のエッチング手
法としては、低圧での反応性イオンビームエッチングに
代表される異方性エッチングを使用する。なおかつ、フ
ォトレジスト2と基板1材料の選択性が大きいことも重
要である。たとえば基板1材料にInPを使用した場合
には、塩素ガスによる反応性イオンビームエッチングを
行うとよい。凹部にフォトレジスト2が残っている第1
の領域では、このフォトレジスト2がマスクとなり、基
板1の凸部がエッチングされる。凸部はだんだんと低く
なり、次の段階には凸部が元の凹部よりも低くなり、凹
凸は反転する。凹凸を完全に反転させるには元の凹凸の
高さの2倍の深さだけエッチングする。一方、それ以外
のフォトレジスト2のない第2の領域では、異方性エッ
チングのために凹凸の形を保ったまま全体の高さが低く
なる。結果として第1の領域(右側部分。図7の例で言
えば、厚いガイド層部分516、519)では凹凸の位
相が反転し、第2の領域(左側部分。図7の例で言え
ば、薄いガイド層部分517、518)では凹凸の位相
は元のままである。以上の工程で、これらの領域で構成
される位相シフト回折格子g2が得られた。
【0054】(5)最後にフォトレジストを除去する。
本実施例による位相シフト回折格子g2は、凹凸の位相
が反転する境界部(図7の例で言えば、段差部520、
521)におおよそ凹凸の高さに相当する段差が生じる
という特徴がある。
【0055】凹凸の高さとガイド層の厚さの差として設
定する量が同程度である為、位相シフトの形成と、ガイ
ド層516〜519の厚さを部分的に変える工程が同一
の工程となっているので、第2の実施例による位相シフ
トを導入した構造に比べて、工程を減らすことができ
る。また、位相シフト部によって光強度分布を規定し、
光ガイド層厚をかえたことで共振器内に与えた屈折率分
布によって、共振器内のキャリア分布による屈折率の分
布を打ち消させることは、第1、第2の実施例と同様で
ある。
【0056】また、全体をエッチングする(4)の工程
で回折格子部の凹凸を反転させない領域を異種のレジス
ト等で保護する場合には、この領域では光ガイド層はエ
ッチングされない。従って、凹凸を反転させる領域がガ
イド層厚の薄い領域となる。動作等は第1、第2実施例
と同じである。
【0057】上記の実施例において、偏波面の異なる偏
波モードに対する伝搬定数差を2つの光導波路部分の間
で相互に異なるものにする為に、基板面内の横方向の光
閉じ込めの幅を異ならせていたが、次の様な手段も用い
られる。共振器を構成する少なくとも第1と第2の光導
波路部分において、光導波路部分ごとに積層方向の層構
成を異ならせる。積層方向の層構成のうちで、活性層の
層厚と組成の少なくとも1つが光導波路部分ごとに異な
らせる。偏波面の異なる偏波モードに対する伝搬定数差
を大きく生じさせるために、活性層の一部あるいは全部
に量子井戸構造を用いる。偏波面の異なる偏波モードに
対する伝搬定数差を大きく生じさせるために、光導波路
部分の構造の活性層以外の部分に量子井戸構造を用い
る。2つの光導波路部分の間で、平均的なガイド層厚を
異ならせる。
【0058】第4の実施例 図10に、本発明による半導体レーザを波長多重光LA
Nシステムに応用する場合の各端末に接続される光−電
気変換部(ノード)の構成例を示し、図9にそのノード
81を用いた光LANシステムの構成例を示す。
【0059】外部に接続された光ファイバ80を媒体と
して光信号がノード81に取り込まれ、分岐部72によ
りその一部が波長可変光フィルタ等を備えた受信装置7
3に入射する。この受信装置73により所望の波長の光
信号だけ取り出して信号検波を行う。一方、ノード81
から光信号を送信する場合には、上記実施例の半導体レ
ーザ装置74を信号に従って適当な方法で駆動し、偏波
変調して、偏光板77(これにより偏波変調信号が振幅
強度変調信号に変換される)及びアイソレータ75を通
して出力光を分岐部76を介して光伝送路80に入射せ
しめる。また、半導体レーザ及び波長可変光フィルタを
2つ以上の複数設けて、波長可変範囲を広げることもで
きる。
【0060】光LANシステムのネットワークとして、
図9に示すものはバス型であり、AおよびBの方向にノ
ードを接続しネットワーク化された多数の端末及びセン
タ82を設置することができる。ただし、多数のノード
を接続するためには、光の減衰を補償するために光増幅
器を伝送路80上に直列に配することが必要となる。ま
た、各端末82にノード81を2つ接続し伝送路を2本
にすることでDQDB方式による双方向の伝送が可能と
なる。また、ネットワークの方式として、図9のAとB
をつなげたループ型やスター型あるいはそれらを複合し
た形態等のものでも良い。
【0061】第5の実施例 図11は、本発明の半導体レーザを用いた双方向光CA
TVシステムの構成例を示す模式図である。図11にお
いて、90はCATVセンタ、92は夫々光ファイバ9
1によってセンタ90と接続されたサブセンタ、93は
サブセンタに接続された、各加入者の受像機である。セ
ンタ90は、本発明の光源装置を備え、複数の画像信号
を夫々波長の異なる信号光に載せて、受像機93に送信
する。受像機93は、波長可変光フィルタ及び光検出器
を含み、入射した信号光の内、所望の波長の信号光だけ
を検出して、モニタに画像を再生する。加入者は、波長
可変光フィルタの透過波長を変化させることによって、
チャネルを選択し、所望の画像を得ることが出来る。従
来は、DFBレーザの動的波長変動の影響により、DF
Bフィルタをこのようなシステムに用いることが困難で
あったが、本発明により可能となった。
【0062】さらに、加入者に外部変調器を持たせ、加
入者からの信号をその変調器からの反射光で受け取り
(簡易型双方向光CATVの一形態、例えば、石川、古
田“光CATV加入者系における双方向伝送用LN外部
変調器”,OCS91−82,p.51)、図11のよ
うなスター型ネットワークを構築することで、双方向光
CATVが可能となり、サービスの高機能化が図れる。
【0063】
【発明の効果】以上説明してきたように、第1の発明に
よって、ホールバーニング効果を打ち消す構造を有する
偏波変調半導体レーザが得られ、変調バイアス電流や変
調電流の低減を図ることができる。
【0064】また、第2の発明によって、回折格子形成
の工程を1回の干渉露光で行うことができ、製造工程を
簡単なものにすることができる。
【0065】また、第3の発明によって、素子の端面位
相の光強度分布への影響を抑え、ホールバーニング効果
のデバイス特性への寄与の素子間でのばらつきを減らす
ことができる。
【0066】また、第4の発明によって、作りつけの有
効屈折率差を用いて、より効果的にホールバーニング効
果を抑止して、ばらつきを抑えた偏波変調半導体レーザ
が得られ、変調バイアス電流や変調電流の低減を図るこ
とができる。
【0067】また、第5、第6の発明によって、位相シ
フトの形成と光ガイド層厚の制御を同時に行うことので
きる偏波変調半導体レーザ構造とすることができ、製造
工程を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施例による半導体レー
ザの斜視図である。
【図2】図2は本発明の第1の実施例の半導体レーザの
層構造を示す図である。
【図3】図3は導波路幅および、光ガイド層厚にたいす
る有効屈折率の計算例である。
【図4】図4は従来例によって偏波面の異なった偏波モ
ードで発振する動作を説明する図である。
【図5】図5は本発明の例によって偏波面の異なった偏
波モードで発振する動作を説明する図である。
【図6】図6は本発明の第2の実施例による半導体レー
ザの斜視図である。
【図7】図7は本発明の第3の実施例による半導体レー
ザの斜視図である。
【図8】図8は本発明の第3の実施例における位相シフ
トの作製法を示す図である。
【図9】図9は本発明の半導体レーザを用いた光LAN
システムの構成例を示す模式図である。
【図10】図10は図9のシステムにおけるノードの構
成例を示す模式図である。
【図11】図11は本発明の半導体レーザを用いた双方
向光CATVシステムの構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1、131、431 基板 15、123、433 活性層 2 フォトレジスト 14、122、422 回折格子 72、76 光分岐部 73 受信装置 74 本発明の半導体レーザ 75 アイソレータ 77 偏光子 80、91 光伝送路 81 ノード 82 端末 90 センタ 92 サブセンタ 93 受像機 111、112、411、412、511、512
導波路部分 115、116、416、416、513、514
リッジ 117、417、515 高抵抗層 118、119、120、121、133、135、4
18、419、420、421、432、516、51
7、518、519 光ガイド層 113、114、139、413、414、436
電極 136、434 クラッド層 137、435 コンタクト層 140、437 電極分離領域 141、438 反射防止膜 423、520、521 位相シフト部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏波面の異なる2つの偏波モードでの発振
    を可能にする分布帰還型半導体レーザで、共振方向に少
    なくとも2つ以上の電極を有し、該電極に独立な電流注
    入構造を有し、該電極の下の第1の光導波路部分と第2
    の光導波路部分がレーザの共振器を構成する一部あるい
    は全部であって、該第1の光導波路部分と第2の光導波
    路部分の間において、偏波面の異なる2つの偏波モード
    に対する導波路の伝搬定数差が異なっていて、第1の光
    導波路部分と第2の光導波路部分を全領域としてその中
    央部と端部の間で、上下の少なくとも一方の光ガイド層
    厚がわずかに異なっていることを特徴とする偏波変調半
    導体レーザ。
  2. 【請求項2】前記第1の光導波路部分と第2の光導波路
    部分はそれぞれがさらに2つの部分からなっていて、該
    2つの部分で上下いずれかの光ガイド層厚がわずかに異
    なっていて、第1の光導波路部分で光ガイド層が厚い部
    分、第1の光導波路部分で光ガイド層が薄い部分、第2
    の光導波路部分で光ガイド層が薄い部分、第2の光導波
    路部分で光ガイド層が厚い部分が共振方向にこの順に並
    んでいることを特徴とする請求項1記載の偏波変調半導
    体レーザ。
  3. 【請求項3】前記第1の光導波路部分と第2の光導波路
    部分で回折格子のピッチが均一に形成されていることを
    特徴としている請求項1又は2記載の偏波変調半導体レ
    ーザ。
  4. 【請求項4】前記光導波路部分の回折格子が1つまたは
    複数の位相シフト部を有することを特徴としている請求
    項1又は2記載の偏波変調半導体レーザ。
  5. 【請求項5】前記位相シフト部が前記第1または第2の
    光導波路部分の光ガイド層厚の薄い部分に形成されてい
    ることを特徴とする請求項4記載の偏波変調半導体レー
    ザ。
  6. 【請求項6】前記位相シフト部が前記第1または第2の
    光導波路部分の光ガイド層厚の異なる段差部分に形成さ
    れていることを特徴とする請求項4記載の偏波変調半導
    体レーザ。
  7. 【請求項7】前記回折格子である周期的ストライプ溝の
    形成された光ガイド層の厚さが部分ごとに異なってお
    り、この光ガイド層の段差の上下で周期的ストライプ溝
    の凹凸の位相が反転して位相シフト部となっていること
    を特徴とする請求項4記載の偏波変調半導体レーザ。
  8. 【請求項8】請求項7記載の偏波変調半導体レーザの作
    製方法において、第1の半導体層である基板または半導
    体エピタキシャル成長膜上に、これと組成の異なる第2
    の半導体層をエピタキシャル成長する工程(1)、所定
    の周期の並列ストライプ溝を形成する工程(2)、該基
    板上の一部の領域をフォトレジストで覆う工程(3)、
    該フォトレジストを均一にエッチングして前記周期的ス
    トライプ溝部にのみ残す工程(4)、該フォトレジスト
    をマスクとして該第2の半導体層をエッチングする工程
    (5)、この上に該第2の半導体層より屈折率の小さな
    第3の半導体層をエピタキシャル成長する工程(6)を
    この順番で含んだ作製法で、前記光ガイド層に位相シフ
    ト部を持つ周期的ストライプ溝を形成することを特徴と
    する偏波変調半導体レーザの作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7の何れかに記載の偏波変
    調半導体レーザの駆動方法において、前記独立な電極の
    少なくとも一方に対する微小変調電流信号によって、偏
    波面の異なる2つの偏波モードの一方に対して、少なく
    とも第1と第2の光導波路部分の間でブラッグ波長が実
    質的に一致する状態と、偏波面の異なる2つの偏波モー
    ドの他方に対して、少なくとも第1と第2の導波路部分
    の間でブラッグ波長が実質的に一致する状態との間でス
    イッチングさせることを特徴とする半導体レーザの駆動
    方法。
  10. 【請求項10】請求項1乃至7の何れかに記載の偏波変
    調半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光の
    内、前記2つの偏波モードの一方の発振による光のみを
    取り出す偏光子とから成ることを特徴とする光源装置。
  11. 【請求項11】請求項1乃至7の何れかに記載の偏波変
    調半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光の
    内、前記2つの偏波モードの一方の発振による光のみを
    取り出す偏光子とから成る光源装置を備えた光送信機、
    前記偏光板によって取り出された光を伝送する伝送手
    段、及び前記伝送手段によって伝送された光を受信する
    光受信機から成ることを特徴とする光通信システム。
  12. 【請求項12】請求項1乃至7の何れかに記載の偏波変
    調半導体レーザと、該半導体レーザから出射する光の
    内、前記2つの偏波モードの一方の発振による光のみを
    取り出す偏光子とから成る光源装置を用い、所定のバイ
    アス電流に送信信号に応じて変調された電流を重畳して
    前記半導体レーザに供給することによって、前記偏光板
    から送信信号に応じて強度変調された信号光を取り出
    し、この信号光を光受信機に向けて送信することを特徴
    とする光通信方法。
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