JPH09189604A - 計数禁止時間の決定方法、及び光子計数装置 - Google Patents

計数禁止時間の決定方法、及び光子計数装置

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JPH09189604A
JPH09189604A JP321596A JP321596A JPH09189604A JP H09189604 A JPH09189604 A JP H09189604A JP 321596 A JP321596 A JP 321596A JP 321596 A JP321596 A JP 321596A JP H09189604 A JPH09189604 A JP H09189604A
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noise pulse
pulse
wave
counting
time
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JP321596A
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Shinji Osuga
慎二 大須賀
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 宇宙線等に起因して生起するノイズを光電子
増倍管の種類に応じて適切に除去しながら光子計数を行
う光子計数装置を提供する。 【解決手段】 本願に係る光子計数装置では、計測部
(12、14、18、20、22、24及び26)が、
光電子増倍管(1)から出力されるダークノイズパルス
のうち、第1しきい値を超え、第1しきい値よりも大き
な第2しきい値以下の低波高ノイズパルス、及び第2し
きい値を超える高波高ノイズパルスの生起時刻をそれぞ
れ求め、演算部(26)が、低波高ノイズパルス及び高
波高ノイズパルスの生起時刻、並びに所定の関数モデル
を用いて、低波高ノイズパルスの強度の時間関数を推定
し、低波高ノイズパルスの強度が所定の基準値以下とな
るまでの時間を求める。そして、計数制御部(17)
が、高波高ノイズパルスが生起したときに、計数部によ
る光子計数を、演算部が求めた時間だけ禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願に係る発明は、微弱光の
計測に利用される光子計数において、宇宙線等の入射に
起因して光電子増倍管から出力される所定のダークノイ
ズを除去する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】P.B.Coatesによる論文“Noise sources
in the C31000D photomultiplier”(J.Phys.E:Sci.Ins
trum.4,1971,p201)に記載されているように、光電子増
倍管を使った光子計数に関して、光電子増倍管を構成
するガラス材が宇宙線等により励起されて発する蛍光が
ダークノイズになること、及びこの蛍光による一連の
パルスに先行して宇宙線のチェレンコフ放射等による高
波高のパルスが出力されることが、従来から知られてい
る。また、上記の論文では、高波高のパルスを検出した
後に、0.1msから0.2msの不感時間(パルスの
計測が禁止される時間、すなわち計数禁止時間)をおく
ことにより、宇宙線等に起因したガラス蛍光による計数
を除けるであろうと指摘されている。
【0003】宇宙線によるダークノイズを除去する他の
方法としては、特願平3−296054号公報に記載さ
れているようなものが知られている。これは、光電子増
倍管の周囲に、プラスチックシンチレータ等の宇宙線検
出器を配置し、宇宙線検出器が宇宙線を検出した直後か
ら一定時間、光電子増倍管の出力パルスの計数を禁止す
る、いわゆる逆同時計数法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光電子増倍管を構成す
るガラス材としては、合成石英ガラスやホウ珪酸ガラス
等、種々の材料が用いられており、これらのガラス材か
ら発する蛍光の強度が光子計数に影響を与えない程度に
減衰する時間は、ガラス材の種類によって異なる。従っ
て、測定に使用する光電子増倍管の種類に応じて、出力
パルスの計数を禁止する時間、すなわち計数禁止時間を
変える必要があるが、P.B.Coatesの論文には、計数禁止
時間の具体的な決め方は記述されておらず、光電子増倍
管の種類にかかわらず、一律に計数禁止時間を定めるも
のと思われる。しかし、この場合、全ての光電子増倍管
をカバーするように長めの計数禁止時間を決定せざるを
得ず、このため、測定時間に対する計数禁止時間の比率
が必要以上に大きくなりやすかった。
【0005】また、特願平3−296054号公報の逆
同時計数法では、光電子増倍管自身ではなく、光電子増
倍管に取り付けた宇宙線検出器に宇宙線が入射して所定
の波高値よりも高波高のパルスが検出されたときに計数
を禁止するため、光電子増倍管に宇宙線が入射せず、計
数を禁止する必要のないときに計数を禁止する可能性が
あり、測定時間に対する計数禁止時間の比率が大きくな
りやすかった。
【0006】更に、逆同時計数法は、宇宙線によってガ
ラスが励起される場合にのみ有効であり、環境放射線や
光電子増倍管に含まれる放射性不純物からの放射線によ
ってガラスが励起された場合に生じる蛍光ノイズに対し
ては無力である。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、光電子増倍管の種類に応じて適切に計数
禁止時間を決定する方法、及び宇宙線や環境放射線等の
入射に起因して生起するノイズを光電子増倍管の種類に
応じて適切に除去しながら光子計数を行う光子計数装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願に係る計数禁止時間の決定方法は、光電子増
倍管を用いた光子計数に関して、光電子増倍管から出力
される所定のダークノイズを除去するために計数を禁止
する時間を決定する方法であって、宇宙線の入射に起因
して光電子増倍管から出力されるダークノイズパルス
を、(a)所定の第1しきい値、及びこの第1しきい値
よりも大きな第2しきい値と比較し、第1しきい値を超
え、かつ、第2しきい値以下の低波高ノイズパルス、及
び第2しきい値を超える高波高ノイズパルスの生起時刻
をそれぞれ求める第1のステップと、(b)低波高ノイ
ズパルス及び高波高ノイズパルスの生起時刻、並びに所
定の関数モデルを用いて、高波高ノイズパルスに引き続
いて生起する低波高ノイズパルスの強度の時間関数を推
定する第2のステップと、(c)この時間関数に基づい
て、高波高ノイズパルスが生起してから低波高ノイズパ
ルスの強度が所定の基準値以下となるまでの時間を求
め、この時間をもって計数を禁止する時間とする第3の
ステップと、を備えている。
【0009】本願に係る計数禁止時間の決定方法では、
実際に光子計数に用いる光電子増倍管について、宇宙線
や環境放射線等の入射に起因する低波高ノイズパルスの
強度関数を推定し、この強度関数に基づいて計数禁止時
間を決定するので、光電子増倍管の種類によらず一律に
計数禁止時間を決定する従来の方法と異なり、光電子増
倍管の種類に応じた適切な計数禁止時間が決定される。
これにより、全ての光電子増倍管をカバーしうるように
長めの計数禁止時間を決定する必要もなくなるので、測
定時間に対する計数禁止時間の比率を、従来よりも小さ
くすることができる。
【0010】次に、本願に係る光子計数装置は、(a)
入射光子を電子に変換し、この電子を増倍して出力する
光電子増倍管と、(b)光電子増倍管の出力パルスのう
ち、所定の第1しきい値を超えるパルスを計数すること
により、入射光子を計数する計数部と、(c)光電子増
倍管から出力されるダークノイズパルスのうち、第1し
きい値を超え、かつ、第1しきい値よりも大きな第2し
きい値以下の低波高ノイズパルス、及び第2しきい値を
超える高波高ノイズパルスの生起時刻をそれぞれ求める
計測部と、(d)低波高ノイズパルス及び高波高ノイズ
パルスの生起時刻、並びに所定の関数モデルを用いて、
高波高ノイズパルスに引き続いて生起する低波高ノイズ
パルスの強度の時間関数を推定し、この時間関数に基づ
いて、高波高ノイズパルスが生起してから低波高ノイズ
パルスの強度が所定の基準値以下となるまでの時間を求
める演算部と、(e)高波高ノイズパルスが生起したと
きに、計数部による光子計数を、演算部が求めた上記の
時間だけ禁止する計数制御部と、を備えている。
【0011】本願に係る光子計数装置では、実際の光子
計数に先立って行う予備測定において、計測部が低波高
ノイズパルス及び高波高ノイズパルスの生起時刻を計測
し、演算部が、本願に係る計数禁止時間の決定方法によ
って計数禁止時間を決定する。そして、光子計数時に
は、計数制御部が、高波高ノイズパルスが生起した時刻
からこの計数禁止時間だけ計数部による光子計数を禁止
するので、宇宙線や環境放射線等に起因して高波高ノイ
ズパルスに引き続いて生起する低波高ノイズパルスを、
光電子増倍管の種類に応じて適切に除去しながら、光子
計数を行うことができる。また、本願に係る光子計数装
置は、宇宙線検出器により所定の波高値よりも高波高の
パルスが検出されたときに計数を禁止する特願平3−2
96054号公報の光子計数装置と異なり、光電子増倍
管により高波高パルスが検出されたときに計数を禁止す
るので、光電子増倍管に宇宙線が入射せず、ノイズを除
去する必要のないときに計数を禁止するようなことがな
く、測定時間に対する計数禁止時間の比率を従来よりも
小さくすることができる。また、本願に係る光子計数装
置では、宇宙線検出器に頼らず、光電子増倍管により高
波高パルスが検出されたときに計数を禁止することか
ら、宇宙線以外に起因して生起したノイズも適切に除去
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明に
おいて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明
を省略する。
【0013】図1は、本実施形態の光子計数装置の構成
を示す図である。本実施形態の光子計数装置は、光検出
器である光電子増倍管1と、光電子増倍管1の出力に対
して種々の処理を行う信号処理装置2とから構成されて
いる。
【0014】光電子増倍管1は、被測定光以外の光が入
射しないように、暗箱内に設置されている。光電子増倍
管1には、光電子増倍管1に駆動電圧を印加するための
高圧電源3が接続されている。
【0015】光電子増倍管1の出力端子には、信号処理
装置2に内蔵される増幅器10の入力端子が接続されて
おり、光電子増倍管1の出力を増幅するようになってい
る。増幅器10の出力端子は、第1の波高弁別器12及
び第2の波高弁別器14の入力端子に接続されており、
増幅した光電子増倍管1の出力が波高弁別器12、14
に送出されるようになっている。
【0016】波高弁別器12は、ダークノイズの内のダ
イノードからの熱電子放出や増幅器のノイズによるパル
スを除くためのものであり、所定のしきい値電圧Vth
1よりも大きな波高のパルスが入力されたときに、正の
論理パルスを出力する。また、波高弁別器14は、しき
い値電圧Vth2よりも大きな波高のパルスが入力され
たときに、正の論理パルスを出力する。このしきい値電
圧Vth2は、波高弁別器12のしきい値電圧Vth1
よりも大きな値に設定されている。これらのしきい値
は、CPU26からDA変換器30、32を介して設定
される。これらの波高弁別器12、14は、いずれもコ
ンパレータを用いて構成することができる。
【0017】波高弁別器12の出力端子には、ゲート制
御回路17の入力端子が接続されている。ゲート制御回
路17の出力端子には、カウンタ16の入力端子が接続
されており、ゲート制御回路17を通過した波高弁別器
12の出力パルスが計数されるようになっている。従っ
て、本装置を用いて光子計数を行う場合は、カウンタ1
6のカウント数が、光子計数のデータとなる。ゲート制
御回路17は、カウンタ16のゲートを制御する。この
ゲート制御回路17の制御端子には、波高弁別器14の
出力端子が接続されており、波高弁別器14の出力パル
スの有無に応じてゲートの開閉、すなわち計数の実行・
停止が制御されるようになっている。具体的に言えば、
ゲート制御回路17は、波高弁別器14から正の論理パ
ルスが出力された場合に、予め設定された一定時間だけ
ゲートを閉じ、カウンタ16による計数を停止させる。
この計数停止時間(計数禁止時間ともいう)は、CPU
26により設定される。
【0018】波高弁別器12の出力端子には、ゲート制
御回路17のほかに、同期回路18の入力端子も接続さ
れている。この同期回路18は、波高弁別器12の出力
パルスを、クロック発生回路20から出力される20M
Hzのクロックパルスに同期させる回路であり、複数の
Dフリップフロップから構成されている。
【0019】クロック発生回路20には、同期回路18
のほか、カウンタ22も接続されており、クロック発生
回路20からのクロックパルスが継続的に計数されるよ
うになっている。このカウンタ22は、CPU26によ
って制御されており、適当なタイミングで計数を開始す
る。これと同時に測定が開始されるので、カウンタ22
のデータは、測定開始時点からの経過時間を、クロック
パルスの周期を単位として表すことになる。
【0020】同期回路18の出力端子は、FIFOメモ
リ24に接続されており、同期回路18によりクロック
パルスに同期された波高弁別器12の出力パルスが、WR
ITEENABLEパルスとして、FIFOメモリ24に送出さ
れるようになっている。また、FIFOメモリ24に
は、波高弁別器14の出力端子も接続されており、波高
弁別器14の出力パルスが、FIFOメモリ24に送ら
れるようになっている。
【0021】このFIFOメモリ24は、同期回路18
からのWRITE ENABLEパルスが入力されたときに、カウン
タ22のデータを取り込み、一時的に蓄えておくメモリ
である。WRITE ENABLEパルスは、波高弁別器12の出力
がクロックパルスに同期されたものであり、カウンタ2
2のデータは、測定開始時点からの経過時間を表すの
で、FIFOメモリ24には、しきい値電圧Vth1を
超えるパルスが光電子増倍管1で生起した時刻が、測定
開始時点を起算時刻(時刻0)として記憶されることに
なる。
【0022】波高弁別器14から正の論理パルスが出力
されたときには、FIFOメモリ24のHIGH EVENT識別
子に1が書き込まれ、カウンタ22のデータとともに記
憶される。従って、しきい値電圧Vth1を超えるが、
しきい値電圧Vth2以下の低波高パルスが生起したと
きは、HIGH EVENT識別子は0であり、しきい値電圧Vt
h1を超え、更にしきい値電圧Vth2をも超える高波
高のパルスが生起したときには、HIGH EVENT識別子は1
となる。
【0023】FIFOメモリ24の出力端子は、制御・
演算用のCPU26に接続されており、CPU26から
FIFOメモリ24に READ ENABLEパルスが送られるこ
とにより、FIFOメモリ24の記憶内容がCPU26
に読み込まれるようになっている。また、CPU26に
は、カウンタ1の出力端子も接続されており、カウンタ
1の計数データがCPU26に送られるようになってい
る。さらに、CPU26には、RAM28が接続されて
おり、CPU26の演算結果を必要に応じて保存するよ
うになっている。
【0024】次に、本実施形態の光子計数装置の動作を
説明する。本実施形態の光子計数装置により光子計数を
行うときは、入射光子を計数する本測定に先立って予備
の測定を行い、宇宙線や環境放射線等に起因するダーク
ノイズを除去するための計数禁止時間を決定する。
【0025】この予備測定では、まず、波高弁別器12
及び14のしきい値電圧Vth1、Vth2を設定す
る。具体的には、高圧電源3から光電子増倍管1に駆動
電圧を印加しつつ、光子計数が可能な範囲で適当な強さ
の光を、光電子増倍管1に入射させる。光電子増倍管1
からは単一光電子に相当するパルス信号が順次出力され
るが、この出力パルスは、波高弁別器12において、初
期設定のしきい値電圧Vth1と比較され、出力パルス
の波高がVth1を超える場合に、波高弁別器12から
正の論理パルスが出力される。カウンタ1は、この出力
パルスを計数し、その計数データは、CPU26に送ら
れる。CPU26は、波高弁別器12のしきい値電圧V
th1を所定の電圧値間隔で変化させながら計数データ
を収集し、この計数データをRAM28に書き込む。こ
の後、CPU26は、隣接するしきい値電圧の間で計数
値の差分を求め、図2に示すような、単一光電子パルス
の波高分布を得る。この波高分布は、隣接するしきい値
電圧間の波高を有する単一光電子パルスの計数値を示し
たものである。CPU26は、図2の波高分布のピーク
を示す電圧(Vp)、すなわち最も頻度の高い電圧範囲
の中央の電圧を求め、波高弁別器12のしきい値電圧V
th1を、Vp/3に設定する。また、CPU26は、
波高弁別器14のしきい値電圧Vth2を、5・Vpに
設定する。
【0026】なお、しきい値電圧Vth1をVpの1/
3と設定したり、しきい値電圧Vth2をVpの5倍と
設定するのは、宇宙線等に起因するガラスの蛍光による
低波高ノイズパルスの波高や、宇宙線のチェレンコフ放
射等に起因し、低波高ノイズパルスを伴う高波高ノイズ
パルスの波高を考慮した経験的なものであり、必ずしも
Vp/3や5Vpに限定されるものではない。
【0027】次に、光電子増倍管1に駆動電圧を印加し
たまま、光電子増倍管1に光を入射させるのをやめて、
光電子増倍管1からダークノイズを出力させ、このダー
クノイズのうち、光電面からの電子放出に起因するノイ
ズパルスの生起時刻を計測する。このノイズパルスに
は、宇宙線のチェレンコフ放射による高波高のノイズパ
ルスと、宇宙線や環境放射線等が光電子増倍管1を構成
するガラス材に入射して生ずる蛍光による低波高のノイ
ズパルスとが含まれるが、その両者について生起時刻を
計測する。
【0028】以下、図1を参照しながら、この計測方法
を説明するが、必要に応じて、図3及び図4のタイミン
グチャートも参照することにする。なお、図3は、しき
い値電圧Vth1を超え、かつ、しきい値電圧Vth2
以下の低波高パルスが増幅器10から出力された場合に
おける、増幅器10、波高弁別器12及び同期回路18
の出力、並びにクロックパルスのタイミングを示すタイ
ミングチャートである。また、図4は、しきい値電圧V
th2を超える高波高パルスが増幅器10から出力され
た場合における、増幅器10、波高弁別器12、14及
び同期回路18の出力、及びクロックパルスのタイミン
グを示すタイミングチャートである。図4に示されるよ
うに、しきい値電圧Vth2を超える高波高ノイズパル
スは、これに引き続いて生起する低波高ノイズパルスを
伴っており、本願の発明は、このような低波高ノイズを
除去することを目的としている。
【0029】光電子増倍管1から出力されたダークノイ
ズパルスは、増幅器10で増幅された後、波高弁別器1
2及び14に送出される。増幅されたノイズパルスが、
しきい値電圧Vth1を超える場合(図3(a)、図4
(a))は、波高弁別器12から正の論理パルスが出力
される(図3(b)、図4(b))。この出力パルス
は、同期回路18によりクロックパルス(図3(c)、
図4(c))に同期され、FIFOメモリ24のWRITE
ENABLEパルスとなる(図3(d)、図4(d))。ま
た、増幅器10で増幅されたノイズパルスが、しきい値
電圧Vth1を超え、更にしきい値電圧Vth2をも超
える場合は、波高弁別器14からも正の論理パルスが出
力される(図4(e))。
【0030】同期回路18からWRITE ENABLEパルスがF
IFOメモリ24に送られると、クロックパルスを積算
しているカウンタ22のデータ(図3(e)、図4
(f))、つまり、クロックの周期を単位とするダーク
ノイズパルスの生起時刻と、HIGHEVENT識別子の1ビッ
トとが、FIFOメモリ24に書き込まれる。光電子増
倍管1からのダークノイズパルスがしきい値電圧Vth
2をも超える高波高パルスである場合には、HIGH EVENT
識別子は1となる。一方、光電子増倍管1からのダーク
ノイズパルスがしきい値電圧Vth1を超えるが、しき
い値電圧Vth2以下の低波高パルスである場合には、
HIGH EVENT識別子は0である。従って、HIGHEVENT識別
子を参照すれば、FIFOメモリ24に記憶されている
生起時刻のデータが低波高ノイズパルスのものか、高波
高ノイズパルスのものかを識別することができる。
【0031】このようにして所定時間にわたり低波高及
び高波高のノイズパルスの生起時刻を計測すると、CP
U26から READ ENABLE信号が送られるので、これに応
じて、FIFOメモリ24のデータがCPU26に送ら
れる。CPU26は、上記のようにして計測した低波高
ノイズパルス及び高波高ノイズパルスの生起時刻のデー
タを用いて、以下のように計数禁止時間を決定する。
【0032】時刻tにおける低波高ノイズパルスの強度
λは、時刻t以前に生起した低波高ノイズパルスと高波
高ノイズパルスの履歴に依存するため、λ(t|Ht )と
表記されるが、これは、次のように表される。
【0033】
【数1】 ここで、右辺第1項のμは、光電子増倍管1のダークノ
イズのうち熱電子などのポアソン過程に従う成分であ
り、右辺第2項は、所定の低波高パルスに引き続いて生
起する、いわゆるアフターパルスによる成分である。そ
して、右辺第3項が、所定の高波高ノイズパルスに引き
続いて生起する、宇宙線等の入射によるガラスの蛍光等
のノイズ成分であり、本実施形態の光子計数装置が除去
しようとしているものである。なお、上式において、t
i は低波高ノイズパルス(HIGH EVENT識別子=0)の生
起時刻を、τm は高波高ノイズパルス(HIGH EVENT識別
子=1)の生起時刻を表す。また、g(t)は、時刻0
に一つの低波高ノイズパルスが生起した場合において、
そのt秒後(時刻t)に生起するアフターパルスの強度
(頻度)を表し、h(t)は、時刻0に一つの高波高ノ
イズパルスが生起した場合において、そのt秒後(時刻
t)に生起する低波高ノイズパルスの強度(頻度)を表
している。また、右辺第2項のΣは、時刻tより前に生
起した低波高ノイズパルスの全てについてg(t−t
i )を加算することを意味し、右辺第3項のΣは、時刻
tより前に生起した高波高ノイズパルスの全てについて
h(t- τm )を加算することを意味する。
【0034】アフターパルスや宇宙線等による低波高ノ
イズパルスの強度は、時間の経過とともに減衰すること
から、本実施形態では、g(t) 及びh(t) は、次式のよ
うに複数個の指数関数の和で与えられると仮定する。
【0035】
【数2】 このうち、本願の発明に直接関連するのは(3)式であ
る。CPU26は、h(t) の関数形を決定するために、
低波高ノイズパルス及び高波高ノイズパルスの生起時刻
i とτm を用いて、関数モデルの選択、つまり、上式
のK及びPの選択と、パラメータθ(μ、a1 …aK
1 …cK 、b1 …bP 、d1 …dP )の推定を行う。
【0036】本実施形態では、パラメータの推定は最尤
法で、またモデルの選択は赤池情報量規準(AIC)に
基づいて行う。なお、赤池情報量規準(AIC)につい
ては、尾形による論文「事象発生の因果解析」(数理科
学 NO.213,MARCH 1981)に記載されている。また、最尤
法で用いる対数尤度は、次の(4)式で与えられ、赤池
情報量規準(AIC)は、(5)式で与えられる。
【0037】
【数3】 なお、(4)式において、tj は、ti と同様に低波高
ノイズパルスの生起時刻を表す。
【0038】CPU26は、まず、任意にK、Pの組み
合わせを選択し、各(K、P)について、(4)式の対
数尤度が最大となるようなパラメータθを選択する。次
に、このようにして求めた最大の対数尤度と、K及びP
の値とを用いてAICを求め、AICが最小となるよう
なK、Pの組み合わせを選択する。こうして選択された
K及びPと、これに対するパラメータθを上記(2)
(3)式に代入すれば、g(t) 及びh(t) の関数形が定
まる。
【0039】図4は、低波高ノイズパルス及び高波高ノ
イズパルスの生起時刻を実際に計測し、その計測結果か
ら推定されたh(t)を示す図である。CPU26は、
こうして求めた低波高ノイズパルスの強度関数h(t)
に基づいて、0時刻、すなわち高波高パルスの生起時刻
から、h(t)がμ(ポアソン過程に従うダークノイズ
成分)の1/1000(図4の水平な破線)以下となる
までの時間を求め、この時間をカウンタ16の計数禁止
時間とする。CPU26は、ゲート制御回路17に命令
を送り、波高弁別器14からゲート制御回路17にパル
スが送られた場合には、この計数禁止時間の間だけゲー
トを閉じ、カウンタ16の計数を禁止するようにゲート
制御回路17の状態を設定する。図4に示されるよう
に、h( t)は、 0時刻から0.41ms後にμの1/
1000になるので、CPU26は、0.41msを計
数禁止時間として設定することになる。
【0040】以上のようにして、予備測定は終了し、カ
ウンタ16の計数を禁止する時間が決定される。この
後、本測定、即ち、通常の光子計数を行うのであるが、
その測定中に高波高パルスが検出されると、その検出時
刻から上記の計数禁止時間だけ、カウンタ16による計
数が禁止される(図4(g))。これにより、カウンタ
16の計数から高波高ノイズパルスに引き続いて生起す
る低波高ノイズパルスのバックグラウンド計数が除かれ
た光子計数値を実時間で得ることができる。また、測定
終了後に、生起時刻のデータに基づいて解析を行うこと
も可能である。
【0041】使用する光電子増倍管を変更する場合に
は、再び上述の予備測定を行って、新たな光電子増倍管
に対応した計数禁止時間を決定するとよい。このよう
に、本実施形態の光子計数装置では、実際に使用する光
電子増倍管に適した計数禁止時間を決定することができ
る。このため、全ての光電子増倍管をカバーしうるよう
に長めの計数禁止時間を決定する必要もなく、測定時間
に対する計数禁止時間の比率を、従来よりも小さくする
ことができる。
【0042】また、本実施形態の光子計数装置では、宇
宙線検出器により高波高パルスが検出されたときに計数
を禁止する特願平3−296054号公報の光子計数装
置と異なり、光電子増倍管によって高波高パルスが検出
されたときに計数を禁止するので、必要のない場合に計
数を禁止することが少なく、この点からも、測定時間に
対する計数禁止時間の比率を小さくすることができる。
【0043】なお、本実施形態では、低波高パルスの強
度関数h(t)から計数禁止時間を決定する基準値とし
て、ポアソン過程に従うダークノイズ成分μの1/10
00という値を用いたが、必ずしもこれに限定されるも
のではない。この基準値は、被測定光の信号パルス強度
(または、頻度)と比較して光子計数に重大な影響を与
えない程度のノイズパルス強度(または、頻度)を示す
ものであるから、信号パルス強度(または、頻度)を考
慮して適切な値を設定すればよい。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本願に係る
計数禁止時間の決定方法によれば、実際に光子計数に用
いる光電子増倍管について、高波高ノイズパルスに引き
続いて生起する低波高ノイズパルスの強度関数を推定
し、この強度関数に基づいて計数禁止時間を決定するの
で、光電子増倍管の種類に応じた適切な計数禁止時間を
決定することができ、測定時間に対する計数禁止時間の
比率を小さくすることができる。
【0045】次に、本願に係る光子計数装置では、実際
の光子計数に先立って行う予備測定において、演算部
が、本願に係る計数禁止時間の決定方法によって計数禁
止時間を決定し、光子計数時に計数制御部が、この計数
禁止時間だけ光子計数を禁止するので、高波高ノイズパ
ルスに引き続いて生起する低波高ノイズパルスを、光電
子増倍管の種類に応じて適切に除去しながら、光子計数
を行うことができる。また、本願に係る光子計数装置
は、光電子増倍管により高波高パルスが検出されたとき
に計数を禁止するので、測定時間に対する計数禁止時間
の比率を従来よりも小さくすることができ、なおかつ、
宇宙線以外に起因して生起したノイズも適切に除去する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の光子計数装置の構成を示す図であ
る。
【図2】単一光電子パルスの波高分布を示す図である。
【図3】増幅器10から低波高パルスが出力された場合
における、増幅器10、波高弁別器12及び同期回路1
8の出力、並びにクロックパルスのタイミングを示すタ
イミングチャートである。
【図4】増幅器10から高波高パルスが出力された場合
における、増幅器10、波高弁別器12、14及び同期
回路18の出力、及びクロックパルスのタイミング、並
びに計数禁止期間を示すタイミングチャートである。
【図5】低波高ノイズパルス及び高波高ノイズパルスの
生起時刻から推定されたh(t)を示す図である。
【符号の説明】
1…光電子増倍管、2…信号処理装置、3…高圧電源、
10…増幅器、12及び14…波高弁別器、16及び2
2…カウンタ、17…ゲート制御回路、18…同期回
路、20…クロック発生回路、24…FIFOメモリ、
26…制御・演算用CPU、28…RAM、30及び3
2…DA変換器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光電子増倍管を用いた光子計数に関し
    て、光電子増倍管から出力される所定のダークノイズを
    除去するために計数を禁止する時間を決定する方法であ
    って、 光電子増倍管から出力されるダークノイズパルスを、所
    定の第1しきい値、及びこの第1しきい値よりも大きな
    第2しきい値と比較し、前記第1しきい値を超え、か
    つ、前記第2しきい値以下の低波高ノイズパルス、及び
    前記第2しきい値を超える高波高ノイズパルスの生起時
    刻をそれぞれ求める第1のステップと、 前記低波高ノイズパルス及び高波高ノイズパルスの生起
    時刻、並びに所定の関数モデルを用いて、前記高波高ノ
    イズパルスに引き続いて生起する前記低波高ノイズパル
    スの強度の時間関数を推定する第2のステップと、 この時間関数に基づいて、前記高波高ノイズパルスが生
    起してから前記低波高ノイズパルスの強度が所定の基準
    値以下となるまでの時間を求め、この時間をもって計数
    を禁止する時間とする第3のステップと、 を備える計数禁止時間の決定方法。
  2. 【請求項2】 入射光子を電子に変換し、この電子を増
    倍して出力する光電子増倍管と、 前記光電子増倍管の出力パルスのうち、所定の第1しき
    い値を超えるパルスを計数することにより、入射光子を
    計数する計数部と、 前記光電子増倍管から出力されるダークノイズパルスの
    うち、前記第1しきい値を超え、かつ、前記第1しきい
    値よりも大きな第2しきい値以下の低波高ノイズパル
    ス、及び前記第2しきい値を超える高波高ノイズパルス
    の生起時刻をそれぞれ求める計測部と、 前記低波高ノイズパルス及び高波高ノイズパルスの生起
    時刻、並びに所定の関数モデルを用いて、前記高波高ノ
    イズパルスに引き続いて生起する前記低波高ノイズパル
    スの強度の時間関数を推定し、この時間関数に基づい
    て、前記高波高ノイズパルスが生起してから前記低波高
    ノイズパルスの強度が所定の基準値以下となるまでの時
    間を求める演算部と、 前記高波高ノイズパルスが生起したときに、前記計数部
    による光子計数を、前記演算部が求めた時間だけ禁止す
    る計数制御部と、 を備える光子計数装置。
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