JPH09188630A - 膵臓機能改善剤 - Google Patents

膵臓機能改善剤

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JPH09188630A
JPH09188630A JP8296201A JP29620196A JPH09188630A JP H09188630 A JPH09188630 A JP H09188630A JP 8296201 A JP8296201 A JP 8296201A JP 29620196 A JP29620196 A JP 29620196A JP H09188630 A JPH09188630 A JP H09188630A
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mutein
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた膵臓機能改善剤の提供。 【解決手段】ベータセルリン蛋白質またはそのムテイン
を含有してなる膵臓機能改善剤。 【効果】本発明の改善剤は、未分化膵臓幹細胞に作用し
て、インシュリンを産生する膵臓ベータ細胞への分化を
促進する作用を有する。また、未分化膵臓幹細胞を膵臓
の他の細胞、例えばパンクレアティックポリペプチドを
産生するF細胞へと分化誘導させる作用も有する。従っ
て、糖尿病(例えば、インシュリン依存性糖尿病)、糖
尿病における膵臓機能障害などの改善・治療を促進し、
膵臓の機能を改善することができる。さらに、本発明の
改善剤は、未分化型膵ガンの予防・治療剤としても有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベータセルリン蛋
白質またはそのムテインを含有する膵臓機能改善剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】ベータセルリン蛋白質(以下、BTC蛋
白質と略記する場合がある)は、トランスジェニックマ
ウス由来膵臓ベータ腫瘍細胞が産生する蛋白性因子で、
その全アミノ酸配列がcDNAの解析から明らかにされ
ている〔Shingら;サイエンス(Science),259:1604
(1993), Sasadaら;バイオケミカル・アンド・バイオ
フィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Bioche
m. Biophys. Res. Commun.),190:1173(1993)〕。
BTC蛋白質は、当初マウス3T3細胞に対する増殖促
進活性をもつ因子として見いだされたが、その後、血管
平滑筋細胞、網膜色素上皮細胞に対しても増殖促進活性
を有することが見いだされた〔Shingら;サイエンス(S
cience),259:1604(1993)〕。天然に存在するヒト
BTC蛋白質は極めて微量であり、また、これをヒトの
組織から得る試みは種々の制約によって極めて困難であ
った。しかし、最近、遺伝子工学的手法を駆使して、高
純度のヒトBTC蛋白質が多量に、かつ比較的安価に生
産されるようになった(特開平6−87894)。そし
て、BTC蛋白質が、創傷、潰瘍や血管奇形の治療、あ
るいは糖尿病において認められるアテローム性動脈硬化
症、糖尿病性網膜症のような平滑筋細胞増殖に起因する
病気の治療に使用できる競合剤(例、抗体、偽ペプチ
ド)の作成などに用いられることが報告されている(特
開平4−352800および特開平6−87894)。
さらに、BTC蛋白質のmRNAは、脳以外の各種臓
器、例えば肝臓、腎臓、膵臓などで検出されていること
から、これらの臓器においても何らかの機能を果たして
いると考えられるが、その機能の詳細はほとんど明らか
にされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】糖尿病は、高血糖が持
続することにより様々な合併症が引き起こされることを
特徴とする疾病である。この疾病は、インシュリン依存
型、インシュリン非依存型およびその他に分類され、多
様な成因によって起こると考えられているが、基本的に
はインシュリン作用の不足により発症する。特に、イン
シュリン依存型糖尿病では産生されるインシュリン量の
絶対的な不足がその原因となっている。このような状況
において、糖尿病などを予防・治療するため、膵臓機能
を改善する薬剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、公知のBTC蛋白質
が多分化能を有する膵外分泌腺由来細胞に作用して、こ
れをベータ細胞などへと分化させるという全く新規な活
性を有することを見いだし、この知見に基づいてさらに
研究を行なった結果、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、 (1)ベータセルリン蛋白質またはそのムテインを含有
してなる膵臓機能改善剤、 (2)ベータセルリン蛋白質が、配列番号:3、配列番
号:4、配列番号:5および配列番号:6からなる群か
ら選ばれる少なくとも1つの配列番号で表わされるアミ
ノ酸配列を有する蛋白質である第(1)項記載の改善
剤、 (3)ベータセルリン蛋白質が、配列番号:1で表わさ
れるアミノ酸配列を有する蛋白質または配列番号:2で
表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質である第(1)
項記載の改善剤、 (4)ベータセルリン蛋白質のムテインが、配列番
号:1もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列
の1〜40個程度のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
配列番号:1もしくは配列番号:2で表わされるアミ
ノ酸配列の1〜40個程度のアミノ酸が他のアミノ酸配
列に置換したアミノ酸配列、または配列番号:1もし
くは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列に1〜40
個程度のアミノ酸が付加したアミノ酸配列を有する蛋白
質である第(1)項記載の改善剤、
【0005】(5)ベータセルリン蛋白質のムテイン
が、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列のN末端か
ら12個または30個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配
列を有する蛋白質である第(1)項記載の改善剤、 (6)さらにアクチビンを含有する第(1)項〜第
(5)項記載の改善剤、 (7)ベータセルリン蛋白質またはそのムテインに対す
るアクチビンの含有割合が約1:10〜10:1である
第(6)項記載の改善剤、 (8)糖尿病の予防・治療剤である第(1)項〜第
(7)項記載の改善剤、 (9)糖尿病における膵臓機能障害または老人性のイン
シュリン分泌低下に伴う膵臓機能低下症の予防・治療剤
である第(1)項〜第(7)項記載の改善剤、 (10)ベータセルリン蛋白質またはそのムテインを含
有してなる未分化膵臓幹細胞から膵臓ベータ細胞への分
化促進剤、 (11)ベータセルリン蛋白質またはそのムテインを含
有してなる未分化型膵ガンの予防・治療剤、および (12)膵臓機能改善剤を製造するためのベータセルリ
ン蛋白質またはそのムテインの使用を提供する。
【0006】さらに、本発明は、 (13)ベータセルリン蛋白質またはそのムテインをコ
ードするDNAを含有してなる膵臓機能改善剤、 (14)ベータセルリン蛋白質またはそのムテインをコ
ードするDNAを含有してなる未分化膵臓幹細胞から膵
臓ベータ細胞への分化促進剤、 (15)ベータセルリン蛋白質またはそのムテインをコ
ードするDNAを含有してなる未分化型膵ガンの予防・
治療剤、および (16)膵臓機能改善剤を製造するためのベータセルリ
ン蛋白質またはそのムテインをコードするDNAの使用
を提供する。
【0007】本発明のBTC蛋白質またはそのムテイン
を含有する膵臓機能改善剤(以下、改善剤と略記する場
合がある)、未分化膵臓幹細胞から膵臓ベータ細胞への
分化促進剤(以下、分化促進剤と略記する場合がある)
または未分化型膵ガンの予防・治療剤に用いられるBT
C蛋白質としては、BTC様活性、すなわち線維芽細
胞、血管平滑筋細胞、網膜色素上皮細胞などの細胞増殖
促進作用を有する蛋白質であれば何れのものであっても
よい。また、蛋白質以外の物質、例えば、発酵生産物、
合成化合物、合成ペプチドなども用いることができる。
また、BTC蛋白質としては、天然由来のものでもよ
く、遺伝子工学的手法によって製造された組換え型蛋白
質であってもよい。天然由来のBTC蛋白質としては、
例えば、ヒト、サル、マントヒヒ、チンパンジー、ブ
タ、ウシ、ヒツジ、ウマ、マウス、ラットなどあらゆる
哺乳動物由来のBTC蛋白質が用いられ、なかでも、ヒ
ト、マウス由来のものなどが好ましく、特にヒト由来の
ものが好適である。また、本発明の改善剤、分化促進剤
または予防・治療剤を適用する対象動物と同じ動物由来
のBTC蛋白質を用いるのが好ましい。すなわち、本発
明の改善剤等をヒトに適用する場合は、ヒト由来のBT
C蛋白質を用いるのが好ましい。
【0008】具体的には、配列番号:3、配列番号:
4、配列番号:5および配列番号:6からなる群から選
ばれる少なくとも1つの配列番号で表わされるアミノ酸
配列を有する蛋白質などが用いられ、より具体的には、
ヒト由来BTC蛋白質としては、例えば、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質(特開平6−
87894)などが用いられる。マウス由来BTC蛋白
質としては、例えば、配列番号:2で表わされるアミノ
酸配列を有する蛋白質〔Shingら;サイエンス(Scienc
e),259:1604(1993)〕などが用いられる。また、こ
れらBTC蛋白質は、アミノ酸のみで構成される単純蛋
白質であってもよく、糖蛋白質,リポ蛋白質,ヘム蛋白
質,金属蛋白質,フラビン蛋白質,リン蛋白質などの複
合蛋白質であってもよい。糖蛋白質である場合、糖鎖と
しては、例えば、D−マンノース,D−ガラクトース,
L−フルクトースなどの中性糖、D−グルコサミン,D
−ガラクトサミンなどのアミノ糖、およびシアル酸など
が挙げられる。
【0009】BTC蛋白質のムテインとしては、例え
ば、上記のBTC蛋白質の少なくとも1個の構成アミノ
酸が欠失している欠失型ムテイン、BTC蛋白質の少な
くとも1個の構成アミノ酸が他のアミノ酸に置換してい
る置換型ムテイン、BTC蛋白質に少なくとも1個のア
ミノ酸が付加している付加型ムテインなどが用いられ
る。アミノ酸の欠失、置換または付加の数は、BTC蛋
白質が本来有する作用を失わない限り何個でもよい。具
体的には、配列番号:1もしくは配列番号:2で表わ
されるアミノ酸配列の1〜40個程度のアミノ酸が欠失
したアミノ酸配列、配列番号:1もしくは配列番号:
2で表わされるアミノ酸配列の1〜40個、好ましくは
1〜9個程度のアミノ酸が他のアミノ酸配列に置換した
アミノ酸配列、または配列番号:1もしくは配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列に1〜40個、好まし
くは1〜9個程度のアミノ酸が付加したアミノ酸配列を
有する蛋白質などが用いられ、なかでも、次の部分アミ
ノ酸配列、 His Phe Ser Arg Cys Pro Lys Gln Tyr Lys His Tyr
Cys Ile(配列番号:3)、 Gly Arg Cys Arg Phe Val Val(配列番号:4)、 Glu Gln Thr Pro Ser Cys(配列番号:5)、および Gly Ala Arg Cys Glu Arg Val Asp Leu Phe Tyr(配
列番号:6)からなる群から選ばれる少なくとも1つの
アミノ酸配列を有する蛋白質などが好ましい。これらの
ムテインの中でも、欠失型ムテインなどが好ましく、例
えば、配列番号:1もしくは配列番号:2で表わされる
アミノ酸配列のN末端から1〜40個程度のアミノ酸が
欠失したアミノ酸配列を有する蛋白質などが好ましい。
【0010】より具体的には、BTC蛋白質の欠失型ム
テインとしては、例えば、配列番号:1もしくは配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列のN末端から12個ま
たは30個のアミノ酸を欠失したアミノ酸配列を有する
ヒトBTC蛋白質の欠失型ムテインなどが用いられる
〔Watanabeら; ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(Journal of Biochemistry),269:9966 (1994)〕。
特に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列のN末端
から12個または30個のアミノ酸を欠失したアミノ酸
配列を有するヒトBTC蛋白質の欠失型ムテインが好適
である。その他のBTC蛋白質のムテインとしては、B
TC蛋白質のN末端がアシル化されたもの、グリコシル
化されたもの、ポリエチレングリコール誘導体などの化
学修飾されたものなど、BTC蛋白質の有する作用を失
わない限り何れのものでもよい。また、上記のBTC蛋
白質またはそのムテインは、C末端のカルボキシル基が
アミド化またはエステル化されていてもよい。上記のB
TC蛋白質またはそのムテインの塩としては、とりわけ
薬理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩
としては、例えば、無機酸(例、塩酸、リン酸、臭化水
素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例、酢酸、ギ
酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、
酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いら
れる。
【0011】本発明の改善剤、分化促進剤または未分化
型膵ガンの予防・治療剤に用いられるBTC蛋白質また
はそのムテインのうち、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列を有するヒトBTC蛋白質、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列のN末端から12個または30個
のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列を有する欠失型ヒト
BTCムテイン、および配列番号:2で表わされるアミ
ノ酸配列を有するマウスBTC蛋白質は公知であるが、
それら以外のBTC蛋白質およびそのムテインは、自体
公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造する
ことができる。例えば、上記BTC蛋白質は、自体公知
のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明のペプチ
ドまたは前駆体を適当なペプチダーゼで切断することに
よって製造することができる。ペプチドの合成法として
は、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによって
も良い。すなわち、本発明のペプチドまたは前駆体を構
成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを
縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離
することにより目的のペプチドを製造することができ
る。公知の縮合方法や保護基の脱離としてはたとえば、
以下の〜に記載された方法が挙げられる。
【0012】M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペ
プチド シンセシス (Peptide Synthesis), Interscienc
e Publishers, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 ペプ
チドまたは前駆体の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明のペプチドまたは
前駆体を精製単離することができる。上記方法で得られ
るペプチドまたは前駆体が遊離体である場合は、公知の
方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に
塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換
することができる。
【0013】本発明の改善剤、分化促進剤または未分化
型膵ガンの予防・治療剤には、上記したBTC蛋白質ま
たはそのムテインの他に、アクチビンを配合することが
できる。アクチビンは、卵胞刺激ホルモンの分泌を促進
するホルモンとして知られており(実験医学,Vol.10,
No.15,1992)、例えば、アクチビンA、アクチビン
B、アクチビンABなどが用いられ、なかでも、アクチ
ビンAが好ましい。これらのアクチビンは市販のもの
(オーストラル、バイオロジカル社製)を用いることが
できる。アクチビン自体はBTC様活性を有していない
が、BTC蛋白質の作用を増強する作用を有しているの
で、BTC蛋白質と併用するのが好ましい。また、アク
チビンは本発明の改善剤等に配合して用いるのが好まし
いが、BTC蛋白質とは別個に製剤化して、BTC蛋白
質を含有する製剤とアクチビンを含有する製剤とを併用
することによって、BTC蛋白質の作用を増強させるこ
ともできる。
【0014】本発明のBTC蛋白質またはそのムテイン
をコードするDNAを含有する膵臓機能改善剤(以下、
DNA含有改善剤と略記する場合がある)、未分化膵臓
幹細胞から膵臓ベータ細胞への分化促進剤(以下、DN
A含有分化促進剤と略記する場合がある)または未分化
型膵ガンの予防・治療剤(以下、DNA含有未分化型膵
ガンの予防・治療剤と略記する場合がある)に用いられ
るBTC蛋白質またはそのムテインをコードするDNA
としては、前述したBTC蛋白質またはそのムテインを
コードする塩基配列を含有するDNAであればいかなる
ものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDN
Aライブラリー、前記した動物の細胞・組織由来のcD
NA、前記した動物の細胞・組織由来のcDNAライブ
ラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに
使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミ
ド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよ
い。また、前記した動物の細胞・組織よりmRNA画分
を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Po
lymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称
する)によって増幅することもできる。具体的には、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有するヒト由来
BTC蛋白質をコードするDNAとしては、例えば、配
列番号:7で表わされる塩基配列を有するDNA(特開
平6−87894)などが用いられ、配列番号:2で表
わされるアミノ酸配列を有するマウス由来BTC蛋白質
をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:8で
表わされる塩基配列を有するDNA〔シング(Shing)
等;サイエンス(Science),259:1604(1993)〕など
が用いられる。
【0015】BTC蛋白質またはそのムテインをコード
するDNAのクローニングの手段としては、BTC蛋白
質またはそのムテインをコードするDNAの部分塩基配
列を有する合成DNAプライマーを用いて、PCR法に
よって前記DNAライブラリー等から目的とするDNA
を増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDN
AをBTC蛋白質またはそのムテインの一部あるいは全
領域を有するDNA断片もしくは合成DNAを用いて標
識したものとのハイブリダイゼーションによって選別す
ることができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例
えば MolecularCloning 2nd(ジェー・サムブロック
(J. Sambrook)等、Cold Spring HarborLab. Press, 1
989年)に記載の方法などに従って行なわれる。また、
市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書
に記載の方法に従って行なうことができる。具体的に
は、特開平4−352800、特開平6−87894、
サイエンス(Science),259:1604(1993)などに記載
の方法あるいはそれに準ずる方法に従って、BTC蛋白
質またはそのムテインをコードするDNAのクローニン
グすることができる。クローン化されたBTC蛋白質ま
たはそのムテインをコードするDNAは、目的によりそ
のまま、または所望により制限酵素で消化したり、リン
カーを付加したりして使用することができる。該DNA
はその5'末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有
し、また3'末端側には翻訳終止コドンとしてのTA
A、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの
翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNA
アダプターを用いて付加することもできる。BTC蛋白
質またはそのムテインをコードするDNAの発現ベクタ
ーは、例えば、(イ)BTC蛋白質またはそのムテイン
をコードするDNAから目的とするDNA断片を切り出
し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロ
モーターの下流に連結することにより製造することがで
きる。具体的には、特開平4−352800、特開平6
−87894、サイエンス(Science),259:1604(19
93)などに記載の方法あるいはそれに準ずる方法に従っ
て、BTC蛋白質またはそのムテインをコードするDN
Aの発現ベクターを製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のBTC蛋白質またはその
ムテインを含有する膵臓機能改善剤、分化促進剤または
未分化型膵ガンの予防・治療剤は、公知の製剤学的製造
法に準じ、所望により製剤学的に許容される担体(希釈
剤、賦形剤を含む)などを用いて製造することができ
る。本発明の改善剤、分化促進剤または未分化型膵ガン
の予防・治療剤を、例えば、注射用水溶液とする場合に
は、水溶性剤(例、蒸留水)、水溶性溶剤(例、生理食
塩水、リンゲル液)、油性溶剤(例、ゴマ油、オリーブ
油)などの溶剤、または所望により溶解補助剤(例、サ
リチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム)、緩衝剤(例、
ブドウ糖、転化糖)、安定剤(例、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコール)、保存剤(例、ベンジル
アルコール、フェノール)、無痛化剤(例、塩化ベンザ
ルコニウム、塩酸プロカイン)などの添加剤を用いて、
通常の手段により製造することができる。該注射用水溶
液の液性は、pH約3〜8に、好ましくはpH約5〜7
に調整する。上記pH範囲に液性を調整するためには、
例えば、希塩酸や希アルカリ(例、希水酸化ナトリウ
ム、希炭酸水素ナトリウム)などを添加してもよい。本
発明の改善剤、分化促進剤または未分化型膵ガンの予防
・治療剤におけるBTC蛋白質の含有量は、製剤全体に
対して通常約1〜95重量%、好ましくは約10〜80
重量%、さらに好ましくは約20〜70重量%である。
本発明の改善剤、分化促進剤または未分化型膵ガンの予
防・治療剤におけるアクチビンの含有量は、製剤全体に
対して通常約90重量%以下、好ましくは約80重量%
以下である。BTC蛋白質とアクチビンの配合割合は、
通常約1:10〜10:1、好ましくは約1:5〜5:
1、さらに好ましくは約1:2〜2:1であるが、特
に、約1:2の割合で使用するのが好ましい。その他の
成分(担体など)の含有量は、BTC蛋白質の作用を阻
害しない限り、適宜選択することができるが、製剤全体
に対して、通常約0.01〜90重量%、好ましくは約
0.1〜80重量%である。
【0017】製剤化にあたっては、BTC蛋白質を含有
する水溶液に、さらにヒト血清アルブミン(HSA)を
配合し、液性をpH約3〜8になるように調整すると、
保存中のBTC蛋白質の活性の低下が少なく好都合であ
る。HSAとしては、いかなるものでもよいが、本発明
の改善剤等を臨床に適用するためには、非経口投与に用
いられる程度の品質のものが好ましい。例えば、健康人
血漿を材料としてCohnのエタノール分画第6法によって
分画精製したものなどが用いられる。また、安定化剤と
して、アセチルトリプトファン・ナトリウム、カプリル
酸ナトリウムを含有するものであってもよい。HSA
は、水溶液とした場合、水溶液1ml当たり約0.1m
g〜50mg、とりわけ約0.5mg〜20mg含有さ
せることが好ましい。本発明の改善剤、分化促進剤また
は未分化型膵ガンの予防・治療剤の製剤化にあたって
は、上記HSAに加えるに、さらにグリシン,グルタミ
ン酸,アスパラギン酸,アラニン,プロリンなどのアミ
ノ酸、モノアミノ脂肪族アミノ酸、環状アミノ酸、ブド
ウ糖,マンノースなどの単糖類、ソルビット,マンニッ
トなどの糖アルコール類、およびこれらの生理学的に許
容される配合できる塩もしくは誘導体の1種または2種
以上を配合してもよい。上記配合剤は、各成分を水溶液
とする場合、水溶液1ml当たり、単糖類または糖アル
コール類に関しては約10〜100mg、アミノ酸に関
しては約5〜50mg配合することが好ましい。本発明
の改善剤、分化促進剤または未分化型膵ガンの予防・治
療剤を製剤化したもの(HSAを配合したもの)を溶液
状態でpH約5〜7になるように調整するために、グル
タミン酸などの酸性アミノ酸を配合する場合には、該物
質を上記所定量加えることにより所定の液性に調整で
き、また、所望により、上記酸性アミノ酸を配合しない
場合には、塩酸、リン酸などの鉱酸、もしくはコハク
酸、酒石酸、クエン酸などの緩衝剤で所定の液性に調整
する。
【0018】本発明の改善剤は低毒性であるので、膵臓
機能障害や膵臓機能低下に対して安全な膵臓機能改善剤
として使用することができる。具体的には、本発明の改
善剤は、細胞分化促進因子として膵臓ベータ細胞の分化
を促進する作用を有する。すなわち、本発明の改善剤
は、未分化膵臓幹細胞に作用して、これを膵臓ベータ細
胞へと分化させることができ、このようにして分化誘導
されて生じた膵臓ベータ細胞は、インシュリンを分泌・
産生することができる。また、本発明の改善剤は、未分
化膵臓幹細胞を膵臓の他の細胞、例えばF細胞へと分化
させることができ、このようにして分化誘導されて生じ
たF細胞は、パンクレアティックペプチド(以下、PP
と略称する場合がある)を産生することができる。さら
には、本発明の改善剤はin vivoにおける耐糖能改善作
用を有する。従って、本発明の改善剤は、糖尿病(例え
ば、インシュリン依存性糖尿病)、糖尿病における膵臓
機能障害、老人性のインシュリン分泌低下に伴う膵臓機
能低下症などの改善剤(予防・治療剤)としても有用で
ある。本発明の分化促進剤は低毒性であるので、未分化
膵臓幹細胞から膵臓ベータ細胞への安全な分化促進剤、
インシュリン分泌促進剤などとして使用することができ
る。本発明の未分化型膵ガンの予防・治療剤は低毒性で
あるので、未分化型膵ガンの安全な予防・治療剤として
使用することができる。
【0019】本発明の改善剤、分化促進剤または未分化
型膵ガンの予防・治療剤の対象動物としては、例えば、
ヒトまたは哺乳動物が挙げられ、具体的にはヒト、サ
ル、マントヒヒ、チンパンジー、ブタ、ウシ、ヒツジ、
ウマ、マウス、ラットなどが挙げられる。本発明の改善
剤、分化促進剤または未分化型膵ガンの予防・治療剤の
投与方法としては、経口的、非経口的の何れであっても
よいが、非経口的に行なうのが好ましい。例えば、静脈
内注射または皮下注射することによって非経口的に行な
うことができる。本発明の改善剤または分化促進剤の使
用量は投与対象、年齢、体重、健康状態、性別、投与時
間、投与方法、膵臓機能障害の程度などによって異なる
が、例えば、注射投与として用いる場合には、成人に対
して、BTC蛋白質量として、一日量約0.02μg〜
10mg/kg、好ましくは約2μg〜2mg/kgと
なるように投与する。本発明の未分化型膵ガンの予防・
治療剤の使用量は、投与対象、年齢、体重、健康状態、
性別、投与時間、投与方法、未分化型膵ガンの程度など
によって異なるが、例えば、注射投与として用いる場合
には、成人に対して、BTC蛋白質量として、一日量約
0.02μg〜10mg/kg、好ましくは約2μg〜
2mg/kgとなるように投与する。
【0020】本発明のDNA含有改善剤、DNA含有分
化促進剤またはDNA含有未分化型膵ガンの予防・治療
剤は、例えば、該DNAを単独あるいはレトロウイルス
ベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスア
ソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクター
に挿入した後、上記したBTC蛋白質またはそのムテイ
ンを含有する改善剤、分化促進剤または未分化型膵ガン
の予防・治療剤と同様にして製造することができる。本
発明のDNA含有改善剤は低毒性であるので、膵臓機能
障害や膵臓機能低下に対して安全な膵臓機能改善剤とし
て使用することができる。具体的には、本発明の改善剤
は、細胞分化促進因子として膵臓ベータ細胞の分化を促
進する作用を有する。すなわち、本発明のDNA含有改
善剤は、未分化膵臓幹細胞に作用して、これを膵臓ベー
タ細胞へと分化させることができ、このようにして分化
誘導されて生じた膵臓ベータ細胞は、インシュリンを分
泌・産生することができる。また、本発明のDNA含有
改善剤は、未分化膵臓幹細胞を膵臓の他の細胞、例えば
PPを産生するF細胞へと分化誘導させる作用も有す
る。さらには、本発明のDNA含有改善剤はin vivoに
おける耐糖能改善作用を有する。従って、本発明のDN
A含有改善剤は、糖尿病(例えば、インシュリン依存性
糖尿病)、糖尿病における膵臓機能障害、老人性のイン
シュリン分泌低下に伴う膵臓機能低下症などの改善剤
(予防・治療剤)としても有用である。本発明のDNA
含有分化促進剤は低毒性であるので、未分化膵臓幹細胞
から膵臓ベータ細胞への安全な分化促進剤、インシュリ
ン分泌促進剤などとして使用することができる。本発明
のDNA含有未分化型膵ガンの予防・治療剤は低毒性で
あるので、未分化型膵ガンの安全な予防・治療剤として
使用することができる。
【0021】本発明のDNA含有改善剤、DNA含有分
化促進剤またはDNA含有未分化型膵ガンの予防・治療
剤の対象動物としては、例えば、ヒトまたは哺乳動物が
挙げられ、具体的にはヒト、サル、マントヒヒ、チンパ
ンジー、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、マウス、ラットな
どが挙げられる。本発明のDNA含有改善剤、DNA含
有分化促進剤またはDNA含有未分化型膵ガンの予防・
治療剤の投与方法としては、経口的、非経口的の何れで
あってもよいが、非経口的に行なうのが好ましい。例え
ば、静脈内注射または皮下注射することによって非経口
的に行なうことができる。本発明のDNA含有改善剤、
DNA含有分化促進剤またはDNA含有未分化型膵ガン
の予防・治療剤の投与量は、投与対象、年齢、体重、健
康状態、性別、投与時間、投与方法、症状などにより差
異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人(体重60
kgとして)においては、一日につき約0.1mg〜1
00mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好まし
くは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場
合は、その1回投与量は投与対象、対象組織、症状、投
与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形で
は通常成人(体重60kgとして)においては、一日に
つき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜
20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度
を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物
の場合も、60kg当たりに換算した量を投与すること
ができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を実施例および試験例を示し
てさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限
定されるものではない。
【0023】
【実施例1】ヒトBTC蛋白質を含有する注射剤 ヒトBTC蛋白質2.5gを蒸留水1リットルに溶か
し、これにヒト血清アルブミン(HSA)1.1gを加
えて溶かし、滅菌濾過してアンプル(容量5ミリリット
ル)に4ミリリットルずつ分注する。これを凍結乾燥機
に入れて乾燥後、封をすると使用時溶解用のアンプルが
得られる。使用に際しては、該アンプルを開封し、2ミ
リリットルの生理食塩水に溶解し、皮下、静脈または筋
肉内投与用注射剤とする。これを膵臓機能改善剤、未分
化膵臓幹細胞から膵臓ベータ細胞への分化促進剤、また
は未分化型膵ガンの予防・治療剤として使用する。
【0024】
【実施例2】ヒトBTC蛋白質およびアクチビンAを含
有する注射剤 ヒトBTC蛋白質2.5gおよびアクチビンA12.5g
を蒸留水1リットルに溶かし、これにヒト血清アルブミ
ン(HSA)1.0gを加えて溶かし、滅菌濾過してア
ンプル(容量5ミリリットル)に4ミリリットルずつ分
注する。これを凍結乾燥機に入れて乾燥後、封をすると
使用時溶解用のアンプルが得られる。使用に際しては、
該アンプルを開封し、2ミリリットルの生理食塩水に溶
解し、皮下、静脈または筋肉内投与用注射剤とする。こ
れを膵臓機能改善剤、未分化膵臓幹細胞から膵臓ベータ
細胞への分化促進剤、または未分化型膵ガンの予防・治
療剤として使用する。
【0025】
【実施例3】ヒトBTC蛋白質をコードするDNAを含
有する注射剤 ヒトBTC蛋白質をコードするDNA(配列番号:7)
2.5gを蒸留水1リットルに溶かし、これにヒト血清
アルブミン(HSA)1.1gを加えて溶かし、滅菌濾
過してアンプル(容量5ミリリットル)に4ミリリット
ルずつ分注する。これを凍結乾燥機に入れて乾燥後、封
をすると使用時溶解用のアンプルが得られる。使用に際
しては、該アンプルを開封し、2ミリリットルの生理食
塩水に溶解し、皮下、静脈または筋肉内投与用注射剤と
する。これを膵臓機能改善剤、未分化膵臓幹細胞から膵
臓ベータ細胞への分化促進剤、または未分化型膵ガンの
予防・治療剤として使用する。
【0026】
【実施例4】ヒトBTC蛋白質を含有する注射剤 ヒトBTC蛋白質0.5gを蒸留水1リットルに溶か
し、これにヒト血清アルブミン(HSA)2.0gを加
えて溶かし、滅菌濾過してアンプル(容量5ミリリット
ル)に4ミリリットルずつ分注する。これを凍結乾燥機
に入れて乾燥後、封をすると使用時溶解用のアンプルが
得られる。使用に際しては、該アンプルを開封し、2ミ
リリットルの生理食塩水に溶解し、皮下、静脈または筋
肉内投与用注射剤とする。これを膵臓機能改善剤、未分
化膵臓幹細胞から膵臓ベータ細胞への分化促進剤、また
は未分化型膵ガンの予防・治療剤として使用する。
【0027】
【実施例5】ヒトBTC蛋白質およびアクチビンAを含
有する注射剤 ヒトBTC蛋白質2.5gおよびアクチビンA5.0gを
蒸留水1リットルに溶かし、これにヒト血清アルブミン
(HSA)1.0gを加えて溶かし、滅菌濾過してアン
プル(容量5ミリリットル)に4ミリリットルずつ分注
する。これを凍結乾燥機に入れて乾燥後、封をすると使
用時溶解用のアンプルが得られる。使用に際しては、該
アンプルを開封し、2ミリリットルの生理食塩水に溶解
し、皮下、静脈または筋肉内投与用注射剤とする。これ
を膵臓機能改善剤、未分化膵臓幹細胞から膵臓ベータ細
胞への分化促進剤、または未分化型膵ガンの予防・治療
剤として使用する。
【0028】
【試験例1】インシュリン産生ベータ細胞への分化およ
びパンクレアチックポリペプチド産生F細胞への分化に
及ぼすBTC蛋白質の効果 化学発癌剤で誘発された膵臓癌由来細胞株AR42J
〔Christophe; アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジ
オロギー(Am. J. Physiol.),266:G963(1994)〕を
20mM ヘーペス/NaOH(pH7.4),5mM
NaHCO3,10% 牛胎児血清および種々の濃度のヒ
トBTC蛋白質(配列番号:1)を含むダルベッコ改変
イーグルMEM培地(フロー社,米国)を用いて、10
5細胞/mlの濃度になるようにガラスカバースリップ
上に播き、炭酸ガスインキュベーター内(5%炭酸ガ
ス、95%空気)において37℃で培養した。5日後に
細胞を3%パラホルムアルデヒドで固定し、0.1% ト
ライトンX-100(商品名)で5分間処理した後、ブ
ロッキングエース(森永乳業,日本)、一次抗体〔抗イ
ンシュリン抗体または抗パンクレアティックポリペプチ
ド抗体〕、次いで二次抗体〔インドカルボシアニン共役
(indocarbocyanine-conjugated)ろば抗ウサギIgG
抗体またはインドカルボシアニン共役(indocarbocyani
ne-conjugated)ろば抗ギニピッグIgG抗体〕をイン
キュベートした。次に、細胞をCarl Zeiss社(NY, US
A)製アキオフォート(Axiophoto)で検鏡した。その結
果、〔図1〕の○で示したように、蛍光染色された細
胞、すなわちインシュリンを産生するベータ細胞に分化
した細胞数は、BTC蛋白質の濃度に依存して増加し、
2×10 -9MのBTC蛋白質存在下では最大約4%の細
胞がインシュリンを産生するベータ細胞になることが分
かった。また、〔図1〕の●で示したように、この時、
約5%の細胞がパンクレアティックポリペプチド(P
P)を産生するF細胞に分化することも判明した。同様
の結果は、RT−PCRを用いたmRNAの解析からも
得られた。すなわちBTC蛋白質存在下で、AR42J
細胞は、インシュリン mRNA、PP mRNA、グル
コキナーゼ mRNA、グルコーストランスポーター2
mRNAを合成するように分化したが、グルカゴン m
RNAは検出されなかった。
【0029】
【試験例2】インシュリンを産生するベータ細胞への分
化に及ぼす種々の因子の効果 試験例1の場合と同一条件で、インシュリンを産生する
ベータ細胞への分化に及ぼす種々の因子の効果を調べ
た。結果の一部を〔図2〕に示したが、1×10-9Mの
濃度ではアクチビン(Activin)A、上皮成長因子(E
GF)、トランスフォーミング成長因子α(TGF−
α)、線維芽細胞成長因子(FGF)、インシュリン様
成長因子(IGF)、ガストリン、コレシストキニンお
よびTGF−βのいずれもAR42J細胞をインシュリ
ンを産生するベータ細胞へと分化誘導しなかったが、ヒ
トBTC蛋白質(配列番号:1)は約2.5%のAR4
2J細胞をインシュリンを産生するベータ細胞へと分化
誘導した。また、〔図2〕に示したように、2×10-9
MのアクチビンAおよび1×10-9MのEGF、あるい
は2×10-9MのアクチビンAおよび1×10-9MのT
GF−αの存在下では,AR42J細胞はインシュリン
を産生するベータ細胞に分化しなかったが、2×10-9
MのアクチビンAおよび1×10-9MのヒトBTC蛋白
質(Betacellulin)の存在下では約10%のAR42J
細胞がインシュリンを産生するベータ細胞に分化した。
このことから、アクチビンAがBTC蛋白質の分化誘導
作用を増強することが分かった。
【0030】
【試験例3】インシュリン産生ベータ細胞に分化したA
R42J細胞におけるインシュリンの分泌 試験例1と同一方法により1×105細胞/mlの濃度
で径6cmのディッシュにAR42J細胞を播種し、1
×10-9M ヒトBTC蛋白質(配列番号:1)および
2×10-9M アクチビンA存在下で5日間培養した。
次に、細胞をDMEMで洗い、10μM トルブタマイ
ド(tolbutamide)または40mM カリウムイオン(hi
gh K+)存在下に5.5mM グルコースを含むクレブス
−リンガーバイカーボネート緩衝液中で60分間インキ
ュベートした後、培養液を集め、培養液中のインシュリ
ン濃度をTR−IFMA(a time-resolved immunofluo
rometric assay system)〔ロップグリン(Lovgren)
等; 「Alternative Immunoassays」 ダブリュー・ピー・
コリンズ(W. P. Collins)著,John Whiley & SonsLt
d., 203頁、1985年〕を用いて測定した。〔図3〕に示
したように、分化したAR42J細胞は、培養液中に有
意のインシュリンを分泌しており、それは40mMの高
濃度カリウムイオン(high K+)またはトルブタマイド
(tolbuamide)で促進されることが分かった。
【0031】
【試験例4】糖尿病マウスにおけるBTC蛋白質の耐糖
能改善作用 8週齢の雄ICRマウスにアロキサン膵部分潅流(10
0mg/kg体重、上腸間膜動脈をクランプし、静脈
(i.v.)投与して、膵頭部ベータ細胞を温存し、膵尾
部ベータ細胞のみを破壊する)を行ない、糖尿病モデル
マウスを作成した〔ダイアベット・フロンティア(Diab
etes Frontier)7:285-286,(1966)および同誌7:287-28
8,(1966))。この糖尿病マウスにアロキサン処置後、1
日目よりヒトBTC蛋白質(配列番号:1)を1mg/
kg体重/日で8週間連日皮下投与し、処置前と処置後
2,4または8週後に腹腔内糖負荷試験(ipGTT)(2
g グルコース/kg体重)を行ない、負荷前および負
荷後1および2時間の血糖値を測定するとともに、体重
変化を経時的に測定した。その結果、アロキサン処置前
0週後〔図4〕、アロキサン処置後4週後〔図5〕に腹
腔内糖負荷試験を行なった場合では、BTC蛋白質投与
群と非投与群の間に差がなかった。しかし、〔図6〕に
示したように、アロキサン処置後8週目に腹腔内糖負荷
試験を行なった場合、BTC蛋白質投与群(▲)におけ
る糖負荷1時間後の血糖値が、BTC蛋白質非投与群
(●)に比べて明らかに低下することが観察された。こ
の結果から、ヒトBTC蛋白質が耐糖能改善作用を有す
ることが明らかになった。なお、投与群、非投与群間の
マウスの体重には有意差がなかった。
【0032】
【試験例5】BTC蛋白質の膵臓癌細胞の増殖抑制作用 AR42Jのクローン71細胞 約3×103個を2nM
のヒトBTC蛋白質(配列番号:1)および1%ウシ胎
仔血清を含むダルベッコ改変イーグルMEM培地を用い
て径3cmのファルコンシャーレ(ベクトンディッキン
ソン、米国)に藩種した後、37℃、5%炭酸ガス存在
下で培養し、経時的に細胞数の増加をコールターカウン
ターにより計測した。ヒトBTC蛋白質を含まない場合
を対照とした。得られた結果を〔図7〕に示した。〔図
7〕に示されているように、ヒトBTC蛋白質を含む培
地(○)では、ヒトBTC蛋白質を含まない培地(●)
に比べて、明らかにクローン71細胞の増殖が抑えられ
ていることが判明した。
【0033】
【発明の効果】本発明のBTC蛋白質またはそれをコー
ドするDNAを含有する膵臓機能改善剤は、未分化膵臓
幹細胞に作用して、インシュリンを産生する膵臓ベータ
細胞への分化を促進する作用を有する。また、未分化幹
細胞を膵臓の他の細胞、例えば、パンクレアティックポ
リペプチドを産生するF細胞へと分化誘導させる作用も
有する。本発明の膵臓機能改善剤は、糖尿病(例えば、
インシュリン依存性糖尿病)、糖尿病における膵臓機能
障害などの予防・治療剤として有用である。さらに、本
発明の膵臓機能改善剤は、未分化型膵ガンの予防・治療
剤としても有用である。
【0034】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:80 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Asp Gly Asn Ser Thr Arg Ser Pro Glu Thr Asn Gly Leu Leu Cys Gly 1 5 10 15 Asp Pro Glu Glu Asn Cys Ala Ala Thr Thr Thr Gln Ser Lys Arg Lys 20 25 30 Gly His Phe Ser Arg Cys Pro Lys Gln Tyr Lys His Tyr Cys Ile Lys 35 40 45 Gly Arg Cys Arg Phe Val Val Ala Glu Gln Thr Pro Ser Cys Val Cys 50 55 60 Asp Glu Gly Tyr Ile Gly Ala Arg Cys Glu Arg Val Asp Leu Phe Tyr 65 70 75 80
【0035】
【配列番号:2】 配列の長さ:80 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Asp Gly Asn Thr Thr Arg Thr Pro Glu
Thr Asn Gly Ser Leu Cys Gly 1 5
10 15 Ala Pro Gly Glu Asn Cys Thr Gly Thr
Thr Pro Arg Gln Lys Val Lys 20 25
30 Thr His Phe Ser Arg Cys Pro Lys Gln
Tyr Lys His Tyr Cys Ile His 35 40
45 Gly Arg Cys Arg Phe Val Val Asp Glu
Gln Thr Pro Ser Cys Ile Cys 50 55
60 Glu Lys Gly Tyr Phe Gly Ala Arg Cys
Glu Arg Val Asp Leu Phe Tyr 65 70
75 80
【0036】
【配列番号:3】 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 His Phe Ser Arg Cys Pro Lys Gln Tyr
Lys His Tyr Cys Ile 1 5
10
【0037】
【配列番号:4】 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0038】
【配列番号:5】 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0039】
【配列番号:6】 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0040】
【配列番号:7】 配列の長さ:240 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GATGGGAATT CCACCAGAAG TCCTGAAACT AATGGCCTCC TCTGTGGAGA CCCTGAGGAA 60 AACTGTGCAG CTACCACCAC ACAATCAAAG CGGAAAGGCC ACTTCTCTAG GTGCCCCAAG 120 CAATACAAGC ATTACTGCAT CAAAGGGAGA TGCCGCTTCG TGGTGGCCGA GCAGACGCCC 180 TCCTGTGTCT GTGATGAAGG CTACATTGGA GCAAGGTGTG AGAGAGTTGA CTTGTTTTAC 240
【0041】
【配列番号:8】 配列の長さ:240 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GATGGGAACA CAACCAGAAC ACCAGAAACC AATGGCTCTC TTTGTGGAGC TCCTGGGGAA 60 AACTGCACAG GTACCACCCC TAGACAGAAA GTGAAAACCC ACTTCTCTCG GTGCCCCAAG 120 CAGTACAAGC ATTACTGCAT CCATGGGAGA TGCCGCTTCG TGGTGGACGA GCAAACTCCC 180 TCCTGCATCT GTGAGAAAGG CTACTTTGGG GCTCGGTGTG AGCGAGTGGA CCTGTTTTAC 240
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】インシュリンを産生するベータ細胞への分化お
よびパンクレアティックポリペプチド(PP)を産生す
るF細胞への分化に対するヒト・ベータセルリン蛋白質
の濃度依存性を示す。横軸の〔Betacellulin〕(M)は
ヒト・ベータセルリン蛋白質の濃度(M)を示し、縦軸
(Positive Cell)は全細胞に対する各ホルモンを産生
した細胞の割合(%)を示す。○はインシュリンを産生
するベータ細胞を、●はPPを産生する細胞を示す。
【図2】インシュリンを産生するベータ細胞への分化に
及ぼす各種因子の効果を示す。縦軸は因子の名称を示
し、横軸は全細胞に対するインシュリンを産生した細胞
(Insulin Positive Cell)の割合(%)を示す。Activ
inAはアクチビンAを、EGFは上皮成長因子を、TG
F-αはトランスフォーミング成長因子αを、Betacellu
linはヒト・ベータセルリン蛋白質を示し、各濃度は1
×10-19Mである。ActivinA+EGF、ActivinA+
TGF-αおよびActivinA+Betacellulinは、それぞれ
1×10-19MのEGF、TGF-αまたはBetacellulin
に2×10-19MのActivinAを添加した場合を示す。
【図3】カリウムイオンまたはトルブタミド存在下にお
けるインシュリン産生ベータ細胞へ分化したAR42J
細胞からのインシュリン分泌を示す。横軸のnone、high
+およびtolbutamideは、それぞれカリウムイオンなら
びにトルブタマイドの非存在下、40mMのカリウムイ
オン存在下、および10μMのトルブタマイド存在下を
示す。縦軸(Insulin)は分泌したインシュリンの濃度
(pg/mg・protein)を示す。
【図4】アロキサン処置前0週後に腹腔内糖負荷試験
(ipGTT)を行なった時の糖尿病マウスにおけるヒト・
ベータセルリン蛋白質の耐糖能改善作用を示す。横軸の
Time(hour)は腹腔内への糖投与後の時間を示す。縦軸の
Blood glucose(mg/ml)は血糖値を示す。○はアロキサン
非処理マウスの、●はアロキサン処理/ヒト・ベータセ
ルリン蛋白質非投与マウスの、▲はアロキサン処理/ヒ
ト・ベータセルリン蛋白質投与マウスの結果を示す。
【図5】アロキサン処置4週後に腹腔内糖負荷試験(ip
GTT)を行なった時の糖尿病マウスにおけるヒト・ベー
タセルリン蛋白質の耐糖能改善作用を示す。横軸のTime
(hour)は腹腔内への糖投与後の時間を示す。縦軸のBloo
d glucose(mg/ml)は血糖値を示す。○はアロキサン非処
理マウスの、●はアロキサン処理/ヒト・ベータセルリ
ン蛋白質非投与マウスの、▲はアロキサン処理/ヒト・
ベータセルリン蛋白質投与マウスの結果を示す。
【図6】アロキサン処置8週後に腹腔内糖負荷試験(ip
GTT)を行なった時の糖尿病マウスにおけるヒト・ベー
タセルリン蛋白質の耐糖能改善作用を示す。横軸のTime
(hour)は腹腔内への糖投与後の時間を示す。縦軸のBloo
d glucose(mg/ml)は血糖値を示す。○はアロキサン非処
理マウスの、●はアロキサン処理/ヒト・ベータセルリ
ン蛋白質非投与マウスの、▲はアロキサン処理/ヒト・
ベータセルリン蛋白質投与マウスの結果を示す。
【図7】ヒト・ベータセルリン蛋白質の膵臓癌細胞に対
する増殖抑制作用を示す。横軸のDayは培養日数を示
す。縦軸のCell numberは膵臓癌由来細胞株AR42J
・クローン71細胞の細胞数(×10-3)を示す。○は
ヒトBTC蛋白質を含む培地で、●はヒトBTC蛋白質
を含まない培地で培養した結果を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 7/08 A61K 37/36 14/47 37/43 ACJ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベータセルリン蛋白質またはそのムテイン
    を含有してなる膵臓機能改善剤。
  2. 【請求項2】ベータセルリン蛋白質が、配列番号:3、
    配列番号:4、配列番号:5および配列番号:6からな
    る群から選ばれる少なくとも1つの配列番号で表わされ
    るアミノ酸配列を有する蛋白質である請求項1記載の改
    善剤。
  3. 【請求項3】ベータセルリン蛋白質が、配列番号:1で
    表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質または配列番
    号:2で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質である
    請求項1記載の改善剤。
  4. 【請求項4】ベータセルリン蛋白質のムテインが、配
    列番号:1もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸
    配列の1〜40個程度のアミノ酸が欠失したアミノ酸配
    列、配列番号:1もしくは配列番号:2で表わされる
    アミノ酸配列の1〜40個程度のアミノ酸が他のアミノ
    酸配列に置換したアミノ酸配列、または配列番号:1
    もしくは配列番号:2で表わされるアミノ酸配列に1〜
    40個程度のアミノ酸が付加したアミノ酸配列を有する
    蛋白質である請求項1記載の改善剤。
  5. 【請求項5】ベータセルリン蛋白質のムテインが、配列
    番号:1で表わされるアミノ酸配列のN末端から12個
    または30個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列を有す
    る蛋白質である請求項1記載の改善剤。
  6. 【請求項6】さらにアクチビンを含有する請求項1〜5
    記載の改善剤。
  7. 【請求項7】ベータセルリン蛋白質またはそのムテイン
    に対するアクチビンの含有割合が約1:10〜10:1
    である請求項6記載の改善剤。
  8. 【請求項8】糖尿病の予防・治療剤である請求項1〜7
    記載の改善剤。
  9. 【請求項9】糖尿病における膵臓機能障害または老人性
    のインシュリン分泌低下に伴う膵臓機能低下症の予防・
    治療剤である請求項1〜7記載の改善剤。
  10. 【請求項10】ベータセルリン蛋白質またはそのムテイ
    ンを含有してなる未分化膵臓幹細胞から膵臓ベータ細胞
    への分化促進剤。
  11. 【請求項11】ベータセルリン蛋白質またはそのムテイ
    ンを含有してなる未分化型膵ガンの予防・治療剤。
  12. 【請求項12】膵臓機能改善剤を製造するためのベータ
    セルリン蛋白質またはそのムテインの使用。
JP29620196A 1995-11-09 1996-11-08 膵臓機能改善剤 Expired - Fee Related JP3945846B2 (ja)

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