JPH09187639A - 分散剤 - Google Patents
分散剤Info
- Publication number
- JPH09187639A JPH09187639A JP8352412A JP35241296A JPH09187639A JP H09187639 A JPH09187639 A JP H09187639A JP 8352412 A JP8352412 A JP 8352412A JP 35241296 A JP35241296 A JP 35241296A JP H09187639 A JPH09187639 A JP H09187639A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dispersant
- polymer
- slurry
- isoprene
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
- Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の分散剤に比し、固形燃料の高濃度化と
分散剤の低添加性が可能となり、しかもスラリーに高い
流動性を与えることができ、かつ長時間放置しても高い
流動性を保つことが可能な分散剤を提供すること。 【解決手段】 イソプレン系(共)重合体を、無水硫酸
と電子供与性化合物からなる錯体を用いてスルホン化し
て得られ、しかもスルホン酸含量が4〜5.4ミリモル
/g、かつ水溶液の表面張力が50ダイン/cm以上で
あるイソプレン系(共)重合体スルホン化物を主成分と
する分散剤。
分散剤の低添加性が可能となり、しかもスラリーに高い
流動性を与えることができ、かつ長時間放置しても高い
流動性を保つことが可能な分散剤を提供すること。 【解決手段】 イソプレン系(共)重合体を、無水硫酸
と電子供与性化合物からなる錯体を用いてスルホン化し
て得られ、しかもスルホン酸含量が4〜5.4ミリモル
/g、かつ水溶液の表面張力が50ダイン/cm以上で
あるイソプレン系(共)重合体スルホン化物を主成分と
する分散剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形燃料スラリー
組成物などに有用な特定の分散剤に関する。
組成物などに有用な特定の分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、石油を主体としたエネルギー構造
がとられてきたが、近年、石油資源の枯渇により、石
炭、石油コークス、ピッチなどの固形燃料が再認識さ
れ、その利用法が種々検討されている。しかしながら、
これらの固形燃料は、石油などの液体燃料と異なり固体
であるため、通常のパイプライン、タンクローリーなど
による輸送が困難である。このため、従来、これらの固
形燃料の輸送手段として、固形燃料を粉末化し、水と混
合して水スラリー組成物とする方法、あるいはこのよう
な水スラリー組成物に界面活性剤を添加し、固形燃料の
水への分散性、安定性を高める手段などが提案されるよ
うになった。
がとられてきたが、近年、石油資源の枯渇により、石
炭、石油コークス、ピッチなどの固形燃料が再認識さ
れ、その利用法が種々検討されている。しかしながら、
これらの固形燃料は、石油などの液体燃料と異なり固体
であるため、通常のパイプライン、タンクローリーなど
による輸送が困難である。このため、従来、これらの固
形燃料の輸送手段として、固形燃料を粉末化し、水と混
合して水スラリー組成物とする方法、あるいはこのよう
な水スラリー組成物に界面活性剤を添加し、固形燃料の
水への分散性、安定性を高める手段などが提案されるよ
うになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
前者の水スラリー組成物は、固形燃料の濃度を上げると
組成物の粘度が上昇し流動性が悪化し、一方濃度を下げ
るとスラリーの安定化が妨げられるうえ、燃焼効率が悪
化するなどの問題点を有する。また、後者の界面活性剤
を添加した水スラリー組成物においても、分散性、スラ
リーの経時安定性がいまだ充分満足できる域に達してい
ない。本発明は、これら従来の技術的課題を背景になさ
れたもので、特定の新規な分散剤を見出したものであ
り、従来の分散剤に比し固形燃料の高濃度化と分散剤の
低添加性が可能となり、しかもスラリーに高い流動性を
与えることができ、かつ長時間放置しても高い流動性を
保つことが可能な分散剤を提供することを目的とする。
前者の水スラリー組成物は、固形燃料の濃度を上げると
組成物の粘度が上昇し流動性が悪化し、一方濃度を下げ
るとスラリーの安定化が妨げられるうえ、燃焼効率が悪
化するなどの問題点を有する。また、後者の界面活性剤
を添加した水スラリー組成物においても、分散性、スラ
リーの経時安定性がいまだ充分満足できる域に達してい
ない。本発明は、これら従来の技術的課題を背景になさ
れたもので、特定の新規な分散剤を見出したものであ
り、従来の分散剤に比し固形燃料の高濃度化と分散剤の
低添加性が可能となり、しかもスラリーに高い流動性を
与えることができ、かつ長時間放置しても高い流動性を
保つことが可能な分散剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、イソプレン系
(共)重合体を、無水硫酸と電子供与性化合物からなる
錯体を用いてスルホン化して得られ、しかもスルホン酸
含量が4〜5.4ミリモル/g、かつ水溶液の表面張力
が50ダイン/cm以上であるイソプレン系(共)重合
体スルホン化物を主成分とする分散剤を提供するもので
ある。
(共)重合体を、無水硫酸と電子供与性化合物からなる
錯体を用いてスルホン化して得られ、しかもスルホン酸
含量が4〜5.4ミリモル/g、かつ水溶液の表面張力
が50ダイン/cm以上であるイソプレン系(共)重合
体スルホン化物を主成分とする分散剤を提供するもので
ある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、分散剤の原料と
なるイソプレンは、分子中に二重結合を2個含有する脂
肪族ジエンであるが、このほか、得られるイソプレン系
(共)重合体の主体を損なわない範囲で、他の脂肪族ジ
エンを併用することができる。この他の脂肪族ジエンと
しては、例えば1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエ
ン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、
2,3−ペンタジエン、1,2−ヘキサジエン、1,3
−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキ
サジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチ
ル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,
3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘ
プタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジ
エン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、
3,5−ヘプタジエンなどのほか、分岐した炭素数4〜
7の各種ジエン類が挙げられる。
なるイソプレンは、分子中に二重結合を2個含有する脂
肪族ジエンであるが、このほか、得られるイソプレン系
(共)重合体の主体を損なわない範囲で、他の脂肪族ジ
エンを併用することができる。この他の脂肪族ジエンと
しては、例えば1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエ
ン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、
2,3−ペンタジエン、1,2−ヘキサジエン、1,3
−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキ
サジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチ
ル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,
3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘ
プタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジ
エン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、
3,5−ヘプタジエンなどのほか、分岐した炭素数4〜
7の各種ジエン類が挙げられる。
【0006】また、本発明において、イソプレンに、他
の共重合可能な単量体(以下「他の単量体」という)を
併用することもできる。この他の単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチ
ルスチレンなどの芳香族化合物;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸メチル、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエ
ステル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノもしくはジ
カルボン酸またはジカルボン酸の無水物;アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどのビニルシアン化合物;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケト
ン、ビニルメチルエーテル、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、
アリルアセテート、メタアリルアセテート、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、
アクロレイン、アリルアルコールなどの不飽和基含有化
合物;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラ
ヒドロフラン、スチレンオキシド、ブチレンオキシドな
どの環状化合物を挙げることができる。これらの他の単
量体は、1種単独でも、あるいは2種以上を併用するこ
ともできる。これらの他の単量体を併用する場合には、
該単量体の使用量は、全単量体の70重量%以下、好ま
しくは1〜50重量%、さらに好ましくは2〜30重量
%程度である。
の共重合可能な単量体(以下「他の単量体」という)を
併用することもできる。この他の単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチ
ルスチレンなどの芳香族化合物;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸メチル、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエ
ステル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノもしくはジ
カルボン酸またはジカルボン酸の無水物;アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどのビニルシアン化合物;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケト
ン、ビニルメチルエーテル、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、
アリルアセテート、メタアリルアセテート、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、
アクロレイン、アリルアルコールなどの不飽和基含有化
合物;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラ
ヒドロフラン、スチレンオキシド、ブチレンオキシドな
どの環状化合物を挙げることができる。これらの他の単
量体は、1種単独でも、あるいは2種以上を併用するこ
ともできる。これらの他の単量体を併用する場合には、
該単量体の使用量は、全単量体の70重量%以下、好ま
しくは1〜50重量%、さらに好ましくは2〜30重量
%程度である。
【0007】本発明の分散剤に使用されるイソプレン系
(共)重合体とは、イソプレンを重合して得られる重合
体、または他の単量体を併用する場合にはイソプレンと
他の単量体とを共重合して得られるランダム型の共重合
体である。かかる(共)重合体の製造方法は、下記の通
りである。例えば、イソプレン(および他の単量体)
を、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビス
イソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤;n−ブ
チルリチウム、ナトリウムナフタレン、金属ナトリウム
などのアニオン重合開始剤などの存在下、反応温度、通
常、−100〜150℃、好ましくは0〜130℃で、
0.1〜20時間にわたり重合反応させ(共)重合体を
製造することができる。
(共)重合体とは、イソプレンを重合して得られる重合
体、または他の単量体を併用する場合にはイソプレンと
他の単量体とを共重合して得られるランダム型の共重合
体である。かかる(共)重合体の製造方法は、下記の通
りである。例えば、イソプレン(および他の単量体)
を、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビス
イソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤;n−ブ
チルリチウム、ナトリウムナフタレン、金属ナトリウム
などのアニオン重合開始剤などの存在下、反応温度、通
常、−100〜150℃、好ましくは0〜130℃で、
0.1〜20時間にわたり重合反応させ(共)重合体を
製造することができる。
【0008】前記(共)重合反応において、反応を円滑
に行うため重合反応用溶媒を用いることができ、この重
合反応用溶媒としては、(共)重合反応に支障がない限
り水などの極性溶媒、または炭化水素類、ハロゲン化炭
化水素類など任意のものを用いることができる。このよ
うにして得られるイソプレン系(共)重合体の分子量
は、反応条件、特に重合開始剤の種類およびその量、な
らびに溶媒の種類およびその量または反応温度、反応時
間により適宜変化させることができる。例えば、このイ
ソプレン系(共)重合体を固形燃料用分散剤の原料とし
て用いる場合には、固形燃料の種類、粒径などによって
特性が変わるため一義的に決めることはできないが、通
常、数平均分子量が300〜500,000、好ましく
は1,000〜200,000である。
に行うため重合反応用溶媒を用いることができ、この重
合反応用溶媒としては、(共)重合反応に支障がない限
り水などの極性溶媒、または炭化水素類、ハロゲン化炭
化水素類など任意のものを用いることができる。このよ
うにして得られるイソプレン系(共)重合体の分子量
は、反応条件、特に重合開始剤の種類およびその量、な
らびに溶媒の種類およびその量または反応温度、反応時
間により適宜変化させることができる。例えば、このイ
ソプレン系(共)重合体を固形燃料用分散剤の原料とし
て用いる場合には、固形燃料の種類、粒径などによって
特性が変わるため一義的に決めることはできないが、通
常、数平均分子量が300〜500,000、好ましく
は1,000〜200,000である。
【0009】本発明の分散剤は、前記イソプレン系
(共)重合体を、無水硫酸と電子供与性化合物からなる
錯体を用いてスルホンして得られるものである。ここ
で、無水硫酸の使用量は、イソプレン系(共)重合体中
のイソプレンユニット1モルに対して、通常、0.6〜
1.2モル、好ましくは0.7〜1.1モルであり、
0.6モル未満では本発明の分散剤を用いた組成物の分
散性、機械的安定性が低下し、一方1.2モルを超える
と該組成物の分散性が低下する。また、電子供与性化合
物としては、ジオキサン、トリアルキルリン酸、ピリジ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トリエチ
ルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、ジメ
チルスルフィド、ジエチルスルフィド、アセトニトリ
ル、エチルニトリル、プロピルニトリルなどの無水硫酸
と錯体を形成する化合物を挙げることができ、特にジオ
キサンが好ましい。
(共)重合体を、無水硫酸と電子供与性化合物からなる
錯体を用いてスルホンして得られるものである。ここ
で、無水硫酸の使用量は、イソプレン系(共)重合体中
のイソプレンユニット1モルに対して、通常、0.6〜
1.2モル、好ましくは0.7〜1.1モルであり、
0.6モル未満では本発明の分散剤を用いた組成物の分
散性、機械的安定性が低下し、一方1.2モルを超える
と該組成物の分散性が低下する。また、電子供与性化合
物としては、ジオキサン、トリアルキルリン酸、ピリジ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トリエチ
ルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、ジメ
チルスルフィド、ジエチルスルフィド、アセトニトリ
ル、エチルニトリル、プロピルニトリルなどの無水硫酸
と錯体を形成する化合物を挙げることができ、特にジオ
キサンが好ましい。
【0010】この錯体の生成において、電子供与性化合
物の使用量は、通常、無水硫酸1モルに対して、0.5
モル以上、好ましくは1モル以上、さらに好ましくは2
〜10モルであり、0.5モル未満ではスルホン化の際
に副反応が起こりイソプレン系(共)重合体の炭化が起
こることがあり好ましくない。また、この錯体生成の際
の反応温度は、通常、40℃以下、好ましくは30℃以
下、さらに好ましくは10〜25℃であり、40℃を超
えると錯体生成速度が著しく速くなるため、副反応が生
じやすく、また電子供与性化合物が炭化するので好まし
くない。なお、スルホン化の際、この錯体の添加方法
は、イソプレン系(共)重合体中にこの錯体を添加する
か、または両者を同時に添加することが望ましい。スル
ホン化の際、錯体中にイソプレン系(共)重合体を添加
すると、得られるスルホン化物の表面張力が小さくな
り、結果としてスラリー組成物中に泡が生じ、キャビテ
ーションの問題が生じるばかりでなく、分散性、機械的
安定性が悪くなる。
物の使用量は、通常、無水硫酸1モルに対して、0.5
モル以上、好ましくは1モル以上、さらに好ましくは2
〜10モルであり、0.5モル未満ではスルホン化の際
に副反応が起こりイソプレン系(共)重合体の炭化が起
こることがあり好ましくない。また、この錯体生成の際
の反応温度は、通常、40℃以下、好ましくは30℃以
下、さらに好ましくは10〜25℃であり、40℃を超
えると錯体生成速度が著しく速くなるため、副反応が生
じやすく、また電子供与性化合物が炭化するので好まし
くない。なお、スルホン化の際、この錯体の添加方法
は、イソプレン系(共)重合体中にこの錯体を添加する
か、または両者を同時に添加することが望ましい。スル
ホン化の際、錯体中にイソプレン系(共)重合体を添加
すると、得られるスルホン化物の表面張力が小さくな
り、結果としてスラリー組成物中に泡が生じ、キャビテ
ーションの問題が生じるばかりでなく、分散性、機械的
安定性が悪くなる。
【0011】このイソプレン系(共)重合体のスルホン
化反応を均一かつ円滑に進行させるために、適当な溶媒
を用いることができる。有利に使用できる溶剤として
は、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオク
タン、シクロノナン、シクロデカンなどの3級炭素を有
しない炭素数5〜10の飽和炭化水素;クロロホルム、
四塩化炭素、ジクロルエタンなどのハロゲン化炭化水
素;および前述の電子供与性化合物などを挙げることが
できる。これらの溶剤は、1種単独でも、また2種以上
を併用することもできる。
化反応を均一かつ円滑に進行させるために、適当な溶媒
を用いることができる。有利に使用できる溶剤として
は、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオク
タン、シクロノナン、シクロデカンなどの3級炭素を有
しない炭素数5〜10の飽和炭化水素;クロロホルム、
四塩化炭素、ジクロルエタンなどのハロゲン化炭化水
素;および前述の電子供与性化合物などを挙げることが
できる。これらの溶剤は、1種単独でも、また2種以上
を併用することもできる。
【0012】スルホン化の反応温度は、通常、−60〜
80℃、好ましくは−20〜40℃であり、−60℃未
満ではスルホン化反応速度が遅くなって、スルホン化の
効率が悪くなり、一方80℃を超えると炭化物の生成が
起こり好ましくない。また、スルホン化は、常圧あるい
は加圧下のいずれでも実施することができる。
80℃、好ましくは−20〜40℃であり、−60℃未
満ではスルホン化反応速度が遅くなって、スルホン化の
効率が悪くなり、一方80℃を超えると炭化物の生成が
起こり好ましくない。また、スルホン化は、常圧あるい
は加圧下のいずれでも実施することができる。
【0013】なお、得られるスルホン化物のカチオン種
は、特に限定されるものでないが、水溶性にするために
は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム、アミンなどの塩基性化合物が好ましい。この
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化亜
鉛、水酸化カドミウムなどの金属水酸化物;ナトリウム
メトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシ
ド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブト
キシドなどのアルカリ金属アルコキシド;メチルリチウ
ム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブ
チルリチウム、アミルリチウム、プロピルナトリウム、
メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブ
ロマイド、プロピルマグネシウムアイオダイド、ジエチ
ルマグネシウム、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合
物;アンモニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、ピリジン、ピペラジンなどの
アミン類;ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウ
ム、亜鉛などの金属化合物を挙げることができ、これら
の塩基性化合物のうちでも、アルカリ金属水酸化化物、
特に水酸化ナトリウムが好ましい。これらの塩基性化合
物は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用
することもできる。
は、特に限定されるものでないが、水溶性にするために
は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム、アミンなどの塩基性化合物が好ましい。この
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化亜
鉛、水酸化カドミウムなどの金属水酸化物;ナトリウム
メトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシ
ド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブト
キシドなどのアルカリ金属アルコキシド;メチルリチウ
ム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブ
チルリチウム、アミルリチウム、プロピルナトリウム、
メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブ
ロマイド、プロピルマグネシウムアイオダイド、ジエチ
ルマグネシウム、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合
物;アンモニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、ピリジン、ピペラジンなどの
アミン類;ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウ
ム、亜鉛などの金属化合物を挙げることができ、これら
の塩基性化合物のうちでも、アルカリ金属水酸化化物、
特に水酸化ナトリウムが好ましい。これらの塩基性化合
物は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用
することもできる。
【0014】塩基性化合物の使用量は、スルホン化時に
使用したスルホン化剤である無水硫酸1モルに対し、通
常、0.1〜3モル、好ましくは0.5〜2モルであ
り、0.1モル未満では生成物の水に対する溶解性が悪
くなり、分散剤として使用した場合に分散性能の低下を
もたらし、一方3モルを超えると未反応の塩基性化合物
が多く残り、純度が低下して好ましくない。なお、この
際のスルホン基の中和の度合は、スルホン化物またはそ
の塩が水溶性または水分散性となる範囲内で適宜選択す
ればよく、さらににスルホン基がそれぞれ異なった塩を
形成していてもよい。
使用したスルホン化剤である無水硫酸1モルに対し、通
常、0.1〜3モル、好ましくは0.5〜2モルであ
り、0.1モル未満では生成物の水に対する溶解性が悪
くなり、分散剤として使用した場合に分散性能の低下を
もたらし、一方3モルを超えると未反応の塩基性化合物
が多く残り、純度が低下して好ましくない。なお、この
際のスルホン基の中和の度合は、スルホン化物またはそ
の塩が水溶性または水分散性となる範囲内で適宜選択す
ればよく、さらににスルホン基がそれぞれ異なった塩を
形成していてもよい。
【0015】このような本発明に使用されるスルホン化
物(塩)の構造は、赤外線吸収スペクトルによってスル
ホン基の吸収より確認でき、これらの組成比は電位差、
電導度などの酸・アルカリ滴定により知ることができ
る。また、核磁気共鳴スペクトルにより、その構造を確
認することができる。
物(塩)の構造は、赤外線吸収スペクトルによってスル
ホン基の吸収より確認でき、これらの組成比は電位差、
電導度などの酸・アルカリ滴定により知ることができ
る。また、核磁気共鳴スペクトルにより、その構造を確
認することができる。
【0016】本発明の分散剤は、以上のようなイソプレ
ン系(共)重合体のスルホン化物あるいはこの塩(以下
「スルホン化物(塩)」という)からなるが、このスル
ホン化物(塩)のスルホン酸含量は4〜5.4ミリモル
/g、好ましくは4.4〜5.2ミリモル/g、かつ水
溶液の表面張力が50ダイン/cm以上、好ましくは5
5ダイン/cm以上であることが必要である。前記スル
ホン化物(塩)のスルホン酸含量が4ミリモル/g未満
では得られる組成物の分散性、機械的安定性が低下する
とともに、分散剤の必要量が多くなり経済性が悪く、一
方5.4ミリモル/gを超えると組成物の分散性、流動
性が低下し好ましくない。また、スルホン化物(塩)の
表面張力が50ダイン/cm未満では、得られる組成物
の分散性が低下するとともに、組成物中に多数の泡が生
じ、組成物をスラリーポンプで移送する際、キャビテー
ションが生ずるなどの好ましくない現象が起こる。
ン系(共)重合体のスルホン化物あるいはこの塩(以下
「スルホン化物(塩)」という)からなるが、このスル
ホン化物(塩)のスルホン酸含量は4〜5.4ミリモル
/g、好ましくは4.4〜5.2ミリモル/g、かつ水
溶液の表面張力が50ダイン/cm以上、好ましくは5
5ダイン/cm以上であることが必要である。前記スル
ホン化物(塩)のスルホン酸含量が4ミリモル/g未満
では得られる組成物の分散性、機械的安定性が低下する
とともに、分散剤の必要量が多くなり経済性が悪く、一
方5.4ミリモル/gを超えると組成物の分散性、流動
性が低下し好ましくない。また、スルホン化物(塩)の
表面張力が50ダイン/cm未満では、得られる組成物
の分散性が低下するとともに、組成物中に多数の泡が生
じ、組成物をスラリーポンプで移送する際、キャビテー
ションが生ずるなどの好ましくない現象が起こる。
【0017】なお、本発明の分散剤は、前記スルホン化
物(塩)を単独で用いてもよいが、他の水溶性重合体を
併用することによってさらに良い効果が得られる。他の
水溶性重合体としては、 (イ)ナフタレンスルホン酸(塩)構造単位を含む重合
体、例えばナフタレンスルホン酸(塩)のアルデヒド縮
合物、ポリビニルナフタレンスルホン酸(塩)など; (ロ)リグニンスルホン酸(塩)構造単位を含む重合体
およびその誘導体; (ハ)スチレンスルホン酸(塩)構造単位を含む重合
体、例えばポリスチレンスルホン酸(塩)、スチレン/
スチレンスルホン酸(塩)共重合体; (ニ)ノルボルネンスルホン酸(塩)構造単位を含む重
合体、例えば5−プロペニル−ノルボルネン−2、ジシ
クロペンタジエン、5−エチリデン−ノルボルネン−2
などのノルボルネン誘導体のスルホン化物の(共)重合
体; (ホ)カルボン酸(塩)構造単位を含む重合体、例えば
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸
などの(共)重合体; (ヘ)ポリエーテル構造単位を含む重合体、例えばエチ
レンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドな
どの(共)重合体あるいはこれらの誘導体、ポリアルキ
レングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げら
れる。これらの水溶性重合体は、1種単独でも、また2
種以上を併用することもできる。
物(塩)を単独で用いてもよいが、他の水溶性重合体を
併用することによってさらに良い効果が得られる。他の
水溶性重合体としては、 (イ)ナフタレンスルホン酸(塩)構造単位を含む重合
体、例えばナフタレンスルホン酸(塩)のアルデヒド縮
合物、ポリビニルナフタレンスルホン酸(塩)など; (ロ)リグニンスルホン酸(塩)構造単位を含む重合体
およびその誘導体; (ハ)スチレンスルホン酸(塩)構造単位を含む重合
体、例えばポリスチレンスルホン酸(塩)、スチレン/
スチレンスルホン酸(塩)共重合体; (ニ)ノルボルネンスルホン酸(塩)構造単位を含む重
合体、例えば5−プロペニル−ノルボルネン−2、ジシ
クロペンタジエン、5−エチリデン−ノルボルネン−2
などのノルボルネン誘導体のスルホン化物の(共)重合
体; (ホ)カルボン酸(塩)構造単位を含む重合体、例えば
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸
などの(共)重合体; (ヘ)ポリエーテル構造単位を含む重合体、例えばエチ
レンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドな
どの(共)重合体あるいはこれらの誘導体、ポリアルキ
レングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げら
れる。これらの水溶性重合体は、1種単独でも、また2
種以上を併用することもできる。
【0018】本発明の分散剤であるスルホン化物(塩)
と前記水溶性重合体との併用割合は、通常、重量比で前
者が15〜95重量%、好ましくは25〜75重量%、
後者が85〜5重量%、好ましくは75〜25重量%で
あり、スルホン化物(塩)の使用量が15重量%未満で
は得られる組成物の分散性、静置安定性、熱的安定性、
機械的安定性のいずれか1つ以上が低下し好ましくな
い。
と前記水溶性重合体との併用割合は、通常、重量比で前
者が15〜95重量%、好ましくは25〜75重量%、
後者が85〜5重量%、好ましくは75〜25重量%で
あり、スルホン化物(塩)の使用量が15重量%未満で
は得られる組成物の分散性、静置安定性、熱的安定性、
機械的安定性のいずれか1つ以上が低下し好ましくな
い。
【0019】本発明の分散剤であるスルホン化物(塩)
は、水溶液として調製された場合、そのまま分散剤とし
て使用することもできるが、必要に応じて水溶液からこ
れらの塩を分離乾燥することによって固形の水溶性スル
ホン化物(塩)を得ることもできる。
は、水溶液として調製された場合、そのまま分散剤とし
て使用することもできるが、必要に応じて水溶液からこ
れらの塩を分離乾燥することによって固形の水溶性スル
ホン化物(塩)を得ることもできる。
【0020】本発明の分散剤は、この(a)分散剤、
(b)固形燃料粉末、および(c)水を主成分とする固
形燃料スラリー組成物とすることにより、スラリー分散
性がよく、少量の添加量により、優れた分散性、静置安
定性、機械的安定性、熱的安定性を示す。ここで、固形
燃料は、石炭、石油コークス、ピッチ、および木炭であ
る。石炭は、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭、無煙炭などいず
れであってもよく、またこれらをクリーン化した石炭で
もよく特に制限はない。石油コークスは、石油精製の際
に蒸留による重質残留として得られるアスファルト、ピ
ッチなどをさらに高温で熱分解して分解油を留出させた
残留コークスのことであり、一般に無材質を含有する石
炭に比較すると極めて水に濡れ難いものである。ピッチ
は、石油蒸留の際の重質残留物および石炭乾留により得
られるタールを蒸留し油分を残した重質残留物であり、
その軟化点は50〜180℃のものが好ましく、50℃
より低いと粉砕が困難である。ピッチは石炭に較べると
灰分および水分を殆ど含まず高発熱量のスラリー燃料に
することができる。
(b)固形燃料粉末、および(c)水を主成分とする固
形燃料スラリー組成物とすることにより、スラリー分散
性がよく、少量の添加量により、優れた分散性、静置安
定性、機械的安定性、熱的安定性を示す。ここで、固形
燃料は、石炭、石油コークス、ピッチ、および木炭であ
る。石炭は、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭、無煙炭などいず
れであってもよく、またこれらをクリーン化した石炭で
もよく特に制限はない。石油コークスは、石油精製の際
に蒸留による重質残留として得られるアスファルト、ピ
ッチなどをさらに高温で熱分解して分解油を留出させた
残留コークスのことであり、一般に無材質を含有する石
炭に比較すると極めて水に濡れ難いものである。ピッチ
は、石油蒸留の際の重質残留物および石炭乾留により得
られるタールを蒸留し油分を残した重質残留物であり、
その軟化点は50〜180℃のものが好ましく、50℃
より低いと粉砕が困難である。ピッチは石炭に較べると
灰分および水分を殆ど含まず高発熱量のスラリー燃料に
することができる。
【0021】これらの固形燃料の粒度は、粉末であれば
どのような粒度であってもよいが、現在火力発電所で燃
焼される微粉炭は、200メッシュパス分70重量%以
上のものであるから、この粒度が一応の目安となる。し
かし、本発明の分散剤は、粒度および固形燃料の種類に
よって影響されるものではなく、どのような固形燃料粉
末に対しても優れた効果を発揮する。
どのような粒度であってもよいが、現在火力発電所で燃
焼される微粉炭は、200メッシュパス分70重量%以
上のものであるから、この粒度が一応の目安となる。し
かし、本発明の分散剤は、粒度および固形燃料の種類に
よって影響されるものではなく、どのような固形燃料粉
末に対しても優れた効果を発揮する。
【0022】本発明の分散剤は、1種以上、必要に応じ
て後記する界面活性剤、添加剤などと併用して、特に限
定されないが、組成物全量中の固形燃料濃度が50〜8
5重量%、好ましくは60〜80重量%の固形燃料スラ
リーに添加される。分散剤の添加量は、大きくなるほど
スラリーの粘度は低下するため、所望の粘度に応じた添
加量を選ぶことができ、スラリー組成物全量に対し、通
常、0.01〜10重量%でよいが、作業性および経済
性の観点から0.05〜2重量%が好ましい。
て後記する界面活性剤、添加剤などと併用して、特に限
定されないが、組成物全量中の固形燃料濃度が50〜8
5重量%、好ましくは60〜80重量%の固形燃料スラ
リーに添加される。分散剤の添加量は、大きくなるほど
スラリーの粘度は低下するため、所望の粘度に応じた添
加量を選ぶことができ、スラリー組成物全量に対し、通
常、0.01〜10重量%でよいが、作業性および経済
性の観点から0.05〜2重量%が好ましい。
【0023】前記固形燃料スラリー組成物に必要に応じ
て使用される界面活性剤としては、ドデシルベンゼンス
ルホン酸塩、オレイン酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、リグニンスルホン
酸塩、アルコールエトキシサルフエイト、第2級アルカ
ンスルホネート、α−オレフインスルホン酸、タモール
などがあり、それらを配合したカルボン酸系、硫酸エス
テル系、スルホン酸系、燐酸エステル系、アルキルアリ
ルスルホネート系などの市販の製品を分散剤あるいは湿
潤剤として用いることができる。
て使用される界面活性剤としては、ドデシルベンゼンス
ルホン酸塩、オレイン酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、リグニンスルホン
酸塩、アルコールエトキシサルフエイト、第2級アルカ
ンスルホネート、α−オレフインスルホン酸、タモール
などがあり、それらを配合したカルボン酸系、硫酸エス
テル系、スルホン酸系、燐酸エステル系、アルキルアリ
ルスルホネート系などの市販の製品を分散剤あるいは湿
潤剤として用いることができる。
【0024】添加剤としては、例えば固形燃料中の灰分
に含まれる多価金属トラップ用のキレート剤、テトラポ
リ燐酸カリウム、クエン酸ソーダ、グルコン酸ソーダ、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリカルボン酸などがある。ま
た、発泡を抑えるために消泡剤を添加することもでき
る。消泡剤としては、例えばシリカシリコン系、金属石
鹸系、アマイド系、エステル系、あるいはポリエーテル
系エマルジョンがあり、これらのなかでもシリカシリコ
ン系エマルジョンが最も好ましい。さらに、安定化剤と
しては、有機系と無機系のものが有効であり、有機系と
してはセルロース系の半合成糊料やキサンタンガムなど
が挙げられ、無機系のものとしては、ベントナイトが挙
げられる。さらに、冬期の凍結を防止するため、凝固点
降下剤を添加することも可能である。凝固点降下剤とし
ては、例えばエチレングリコールなどの低級アルコー
ル、または多価アルコールなどが用いられる。
に含まれる多価金属トラップ用のキレート剤、テトラポ
リ燐酸カリウム、クエン酸ソーダ、グルコン酸ソーダ、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリカルボン酸などがある。ま
た、発泡を抑えるために消泡剤を添加することもでき
る。消泡剤としては、例えばシリカシリコン系、金属石
鹸系、アマイド系、エステル系、あるいはポリエーテル
系エマルジョンがあり、これらのなかでもシリカシリコ
ン系エマルジョンが最も好ましい。さらに、安定化剤と
しては、有機系と無機系のものが有効であり、有機系と
してはセルロース系の半合成糊料やキサンタンガムなど
が挙げられ、無機系のものとしては、ベントナイトが挙
げられる。さらに、冬期の凍結を防止するため、凝固点
降下剤を添加することも可能である。凝固点降下剤とし
ては、例えばエチレングリコールなどの低級アルコー
ル、または多価アルコールなどが用いられる。
【0025】前記固形燃料スラリー組成物の製造方法
は、特に限定されず、所望の方法で固形燃料、水および
本発明の分散剤を混合することからなる。例えば、固形
燃料をあらかじめ乾式で粉砕したのち、分散剤を溶かし
た水溶液中に混合する方法、スラリーを作ったのち、分
散剤を添加する方法、ミル中に固形燃料、水、分散剤を
加えて、該燃料を粉砕しながら混合する方法など、任意
の方法が実施できる。
は、特に限定されず、所望の方法で固形燃料、水および
本発明の分散剤を混合することからなる。例えば、固形
燃料をあらかじめ乾式で粉砕したのち、分散剤を溶かし
た水溶液中に混合する方法、スラリーを作ったのち、分
散剤を添加する方法、ミル中に固形燃料、水、分散剤を
加えて、該燃料を粉砕しながら混合する方法など、任意
の方法が実施できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、%とあるのは、重量基準
である。また、実施例中、各種の測定は、下記に従って
測定したものである。スルホン酸含量は、各分散剤の2
0%水溶液を調製し、透析膜〔半井化学薬品(株)製、
Cellulose Diolyzer Tubing
−VT351〕により、低分子物を除去、精製したサン
プルを用い、このサンプルを陽イオン交換樹脂〔オルガ
ノ(株)製、アンバーライトIR−118(H)〕でイ
オン交換し、完全に酸型にしたのち、そのスルホン酸含
量を電位差滴定から求めた。表面張力は、各分散剤の4
%水溶液を用い、表面張力計を用いて測定した。数平均
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GP
C)により、標準サンプルとしてポリスチレンあるいは
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを用いて測定した。
に説明する。なお、実施例中、%とあるのは、重量基準
である。また、実施例中、各種の測定は、下記に従って
測定したものである。スルホン酸含量は、各分散剤の2
0%水溶液を調製し、透析膜〔半井化学薬品(株)製、
Cellulose Diolyzer Tubing
−VT351〕により、低分子物を除去、精製したサン
プルを用い、このサンプルを陽イオン交換樹脂〔オルガ
ノ(株)製、アンバーライトIR−118(H)〕でイ
オン交換し、完全に酸型にしたのち、そのスルホン酸含
量を電位差滴定から求めた。表面張力は、各分散剤の4
%水溶液を用い、表面張力計を用いて測定した。数平均
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GP
C)により、標準サンプルとしてポリスチレンあるいは
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを用いて測定した。
【0027】分散性は、石炭スラリーの粘度を25℃に
おいて測定した。静置安定性は、石炭スラリーを30日
間放置し、放置後の粘度を測定し、初期粘度との比較に
より評価した。なお、30日後の粘度/初期粘度=Pと
し、Pが2以下を○、2を超える場合を×と評価した。
機械的安定性は、石炭スラリーをホモミキサーを用いて
60分撹拌し(3,000rpm)、撹拌後の粘度を測
定し、初期粘度との比較により評価した。なお、60分
後の粘度/初期粘度=Qとし、Qが2以下を○、2を超
える場合を×と評価した。熱的安定性は、石炭スラリー
を80℃で10分間静置し、静置後の粘度を測定し、初
期粘度との比較により評価した。なお、80℃での粘度
/初期粘度=Rとし、Rが0.8以下を○、0.8を超
える場合を×と評価した。低添加性は、分散剤量を、対
石炭0.3%の石炭スラリー粘度と、対石炭0.5%の
石炭スラリー粘度の比較により評価した。なお、0.3
%での石炭スラリーの粘度/0.5%での石炭スラリー
の粘度=Sとし、Sが1.3以下を○とし、1.3を超
える場合を×と評価した。
おいて測定した。静置安定性は、石炭スラリーを30日
間放置し、放置後の粘度を測定し、初期粘度との比較に
より評価した。なお、30日後の粘度/初期粘度=Pと
し、Pが2以下を○、2を超える場合を×と評価した。
機械的安定性は、石炭スラリーをホモミキサーを用いて
60分撹拌し(3,000rpm)、撹拌後の粘度を測
定し、初期粘度との比較により評価した。なお、60分
後の粘度/初期粘度=Qとし、Qが2以下を○、2を超
える場合を×と評価した。熱的安定性は、石炭スラリー
を80℃で10分間静置し、静置後の粘度を測定し、初
期粘度との比較により評価した。なお、80℃での粘度
/初期粘度=Rとし、Rが0.8以下を○、0.8を超
える場合を×と評価した。低添加性は、分散剤量を、対
石炭0.3%の石炭スラリー粘度と、対石炭0.5%の
石炭スラリー粘度の比較により評価した。なお、0.3
%での石炭スラリーの粘度/0.5%での石炭スラリー
の粘度=Sとし、Sが1.3以下を○とし、1.3を超
える場合を×と評価した。
【0028】参考例1 耐圧反応容器に、イソプレン35.0g、n−ブチル
リチウム0.44g、シクロヘキサン200gを仕込
み、60〜90℃で4時間重合したのち、イソプロピル
アルコール(IPA)を1g加えて重合を停止した。次
いで、減圧下で溶剤、未反応単量体を留去したのち、
1,2−ジクロルエタン50gで希釈した。 次に、別容器でN,N−ジメチルホルムアミド150
gに無水硫酸45.3gを内温を25℃に保ちながら添
加し、2時間撹拌し、無水硫酸−N,N−ジメチルホル
ムアミド錯体を得た。 前記で得られたポリマー溶液中に、前記で得られ
た錯体を、内温10℃に保ちながら1時間かけて添加し
た。添加後、2時間撹拌を続けたのち、水酸化ナトリウ
ム25.0g、水150gを添加し、1時間撹拌した。
撹拌後、減圧下で水および溶剤を留去し、生成物である
黄色粉末の化物塩を得た。この生成物をポリマー1と称
する。
リチウム0.44g、シクロヘキサン200gを仕込
み、60〜90℃で4時間重合したのち、イソプロピル
アルコール(IPA)を1g加えて重合を停止した。次
いで、減圧下で溶剤、未反応単量体を留去したのち、
1,2−ジクロルエタン50gで希釈した。 次に、別容器でN,N−ジメチルホルムアミド150
gに無水硫酸45.3gを内温を25℃に保ちながら添
加し、2時間撹拌し、無水硫酸−N,N−ジメチルホル
ムアミド錯体を得た。 前記で得られたポリマー溶液中に、前記で得られ
た錯体を、内温10℃に保ちながら1時間かけて添加し
た。添加後、2時間撹拌を続けたのち、水酸化ナトリウ
ム25.0g、水150gを添加し、1時間撹拌した。
撹拌後、減圧下で水および溶剤を留去し、生成物である
黄色粉末の化物塩を得た。この生成物をポリマー1と称
する。
【0029】参考例2 耐圧反応容器に、イソプレン35.0g、n−ブチル
リチウム0.44g、シクロヘキサン200gを仕込
み、60℃で2時間重合したのち、イソプロピルアルコ
ール(IPA)を1g加えて重合を停止した。次いで、
減圧下で溶剤、未反応単量体を留去したのち、1,2−
ジクロルエタン50gで希釈した。 次に、別容器のジオキサン100g中に無水硫酸3
2.9gを内温25℃に保ちながら添加し、2時間撹拌
して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。 前記で得られたポリマー溶液中に、前記で得られ
た錯体を、内温25℃に保ちながら2時間かけて添加し
た。添加後、2時間撹拌を続けたのち、水酸化ナトリウ
ム18.0g、水150gを添加し、80℃で1時間撹
拌した。撹拌後、減圧下で水および溶剤を留去し、生成
物である黄色粉末のスルホン化物塩を得た。この生成物
をポリマー2と称する。なお、本参考例の重合体スルホ
ン化物のスルホン酸分布を調べるため、反応途中におけ
るスルホン酸含量を測定した結果を、図1に示す。図1
から明らかなように、本参考例では、スルホン化反応時
間の経過とともにスルホン酸含量が比例的に増加し、ス
ルホン化物は均質な組成を有していることが類推でき
る。
リチウム0.44g、シクロヘキサン200gを仕込
み、60℃で2時間重合したのち、イソプロピルアルコ
ール(IPA)を1g加えて重合を停止した。次いで、
減圧下で溶剤、未反応単量体を留去したのち、1,2−
ジクロルエタン50gで希釈した。 次に、別容器のジオキサン100g中に無水硫酸3
2.9gを内温25℃に保ちながら添加し、2時間撹拌
して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。 前記で得られたポリマー溶液中に、前記で得られ
た錯体を、内温25℃に保ちながら2時間かけて添加し
た。添加後、2時間撹拌を続けたのち、水酸化ナトリウ
ム18.0g、水150gを添加し、80℃で1時間撹
拌した。撹拌後、減圧下で水および溶剤を留去し、生成
物である黄色粉末のスルホン化物塩を得た。この生成物
をポリマー2と称する。なお、本参考例の重合体スルホ
ン化物のスルホン酸分布を調べるため、反応途中におけ
るスルホン酸含量を測定した結果を、図1に示す。図1
から明らかなように、本参考例では、スルホン化反応時
間の経過とともにスルホン酸含量が比例的に増加し、ス
ルホン化物は均質な組成を有していることが類推でき
る。
【0030】参考例3 耐圧反応容器に、イソプレン35.0g、n−ブチル
リチウム0.12g、シクロヘキサン200gを仕込
み、60℃で2時間重合したのち、イソプロピルアルコ
ール(IPA)を1g加えて重合を停止した。次いで、
減圧下で溶剤、未反応単量体を留去したのち、ジオキサ
ン50gで希釈した。 次に、別容器のジオキサン100g中に無水硫酸3
2.9gを内温25℃に保ちながら添加し、2時間撹拌
して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。 前記で得られたポリマー溶液中に、前記で得られ
た錯体を、内温25℃に保ちながら1時間かけて添加し
た。添加後、1時間撹拌を続けたのち、水酸化ナトリウ
ム15.0g、水150gを添加し、80℃で1時間撹
拌した。撹拌後、減圧下で水および溶剤を留去し、生成
物である黄色粉末のスルホン化物塩を得た。
リチウム0.12g、シクロヘキサン200gを仕込
み、60℃で2時間重合したのち、イソプロピルアルコ
ール(IPA)を1g加えて重合を停止した。次いで、
減圧下で溶剤、未反応単量体を留去したのち、ジオキサ
ン50gで希釈した。 次に、別容器のジオキサン100g中に無水硫酸3
2.9gを内温25℃に保ちながら添加し、2時間撹拌
して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。 前記で得られたポリマー溶液中に、前記で得られ
た錯体を、内温25℃に保ちながら1時間かけて添加し
た。添加後、1時間撹拌を続けたのち、水酸化ナトリウ
ム15.0g、水150gを添加し、80℃で1時間撹
拌した。撹拌後、減圧下で水および溶剤を留去し、生成
物である黄色粉末のスルホン化物塩を得た。
【0031】参考例4 参考例1において、n−ブチルリチウムの代わりにアゾ
ビスイソブチロニトリル7gを使用し、重合時間を8時
間に変え、さらに無水硫酸の量を16.5gに、水酸化
ナトリウムの量を8.3gに変える以外は、参考例1と
同様にして生成物を得た。 参考例5〜10 表1のように、前記ポリマー1あるいはポリマー2と、
ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、
リグニンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン
酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、エチレンオ
キサイド/プロピレンオキサイド共重合体、あるいはス
ルホン化ジシクロペンタジエンの重合体とのブレンド物
を分散剤とした。
ビスイソブチロニトリル7gを使用し、重合時間を8時
間に変え、さらに無水硫酸の量を16.5gに、水酸化
ナトリウムの量を8.3gに変える以外は、参考例1と
同様にして生成物を得た。 参考例5〜10 表1のように、前記ポリマー1あるいはポリマー2と、
ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、
リグニンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン
酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、エチレンオ
キサイド/プロピレンオキサイド共重合体、あるいはス
ルホン化ジシクロペンタジエンの重合体とのブレンド物
を分散剤とした。
【0032】参考例11 参考例2において、前記で得られた無水硫酸−ジオキ
サン錯体中に、前記で得られたポリマー溶液を2時間
かけて添加する方法に変えた以外は、参考例2と同様に
して生成物を得た。なお、本参考例の重合体スルホン化
物のスルホン酸分布を調べるため、反応途中におけるス
ルホン酸含量を測定した結果を、図1に示す。図1から
明らかなように、本参考例では、スルホン化反応の初期
に高いスルホン酸含量を示しており、これは得られるス
ルホン化物が、スルホン酸含量の高いものと低いものと
の混合物になっていることを示している。
サン錯体中に、前記で得られたポリマー溶液を2時間
かけて添加する方法に変えた以外は、参考例2と同様に
して生成物を得た。なお、本参考例の重合体スルホン化
物のスルホン酸分布を調べるため、反応途中におけるス
ルホン酸含量を測定した結果を、図1に示す。図1から
明らかなように、本参考例では、スルホン化反応の初期
に高いスルホン酸含量を示しており、これは得られるス
ルホン化物が、スルホン酸含量の高いものと低いものと
の混合物になっていることを示している。
【0033】参考例12 参考例2において、無水硫酸の量を16.5g、水酸化
ナトリウムの量を8.2gに変えた以外は、参考例2と
同様にして生成物を得た。 参考例13 参考例2において、無水硫酸の量を53.5g、水酸化
ナトリウムの量を26.8gに変えた以外は、参考例2
と同様にして生成物を得た。
ナトリウムの量を8.2gに変えた以外は、参考例2と
同様にして生成物を得た。 参考例13 参考例2において、無水硫酸の量を53.5g、水酸化
ナトリウムの量を26.8gに変えた以外は、参考例2
と同様にして生成物を得た。
【0034】参考例14 撹拌装置、温度計を備えた内容積30Lのステンレス製
オートクレーブ中に、1,3−ペンタジエン1,000
g、亜硫酸水素ナトリウム1,530g、硝酸カリウム
62.5g、メチルアルコール3L、および蒸溜水1,
500gを入れ、室温でオートクレーブ中の内圧が1.
0kg/cm2 ・Gになるまで窒素ガスを供給したの
ち、バルブを密閉して強撹拌下で混合しながら110℃
で5時間にわたり反応させた。その後、室温まで放冷
し、蒸溜によりメチルアルコールの大部分を除去したの
ち、蒸溜水および石油エーテルを加えて充分混合し、分
離した石油エーテル層および沈澱物を除去して得られた
水層を濃縮し、蒸溜乾固した。これを氷酢酸に溶解し、
無機塩からなる酢酸不溶分を遠心分離機で分離した。得
られた酢酸可溶分を濃縮することによって、白色の固体
1,200gが得られた。これをスルホン化物Aとす
る。
オートクレーブ中に、1,3−ペンタジエン1,000
g、亜硫酸水素ナトリウム1,530g、硝酸カリウム
62.5g、メチルアルコール3L、および蒸溜水1,
500gを入れ、室温でオートクレーブ中の内圧が1.
0kg/cm2 ・Gになるまで窒素ガスを供給したの
ち、バルブを密閉して強撹拌下で混合しながら110℃
で5時間にわたり反応させた。その後、室温まで放冷
し、蒸溜によりメチルアルコールの大部分を除去したの
ち、蒸溜水および石油エーテルを加えて充分混合し、分
離した石油エーテル層および沈澱物を除去して得られた
水層を濃縮し、蒸溜乾固した。これを氷酢酸に溶解し、
無機塩からなる酢酸不溶分を遠心分離機で分離した。得
られた酢酸可溶分を濃縮することによって、白色の固体
1,200gが得られた。これをスルホン化物Aとす
る。
【0035】次いで、撹拌装置を備えた内容積5Lのグ
ラスライニングしたオートクレーブに、前記スルホン化
物Aを1.0kg、硫酸1.0kgおよび水0.45k
gを仕込み、120℃で12時間にわたって重合反応さ
せた。反応終了後、炭酸カルシウムでライミングを実施
し、硫酸を除去したところ、得られた固形分は、0.9
kgであった。このものの数平均分子量は、23,00
0であった。また、このものの4%水溶液の表面張力
は、63.8ダイン/cmと高かった。得られた重合体
24gを、水1,000g中に溶解し、これを酸型に変
換された強酸性カチオン交換樹脂1,000g中に入
れ、一昼夜放置後、前記樹脂をろ過して除いたろ液を乾
固した。
ラスライニングしたオートクレーブに、前記スルホン化
物Aを1.0kg、硫酸1.0kgおよび水0.45k
gを仕込み、120℃で12時間にわたって重合反応さ
せた。反応終了後、炭酸カルシウムでライミングを実施
し、硫酸を除去したところ、得られた固形分は、0.9
kgであった。このものの数平均分子量は、23,00
0であった。また、このものの4%水溶液の表面張力
は、63.8ダイン/cmと高かった。得られた重合体
24gを、水1,000g中に溶解し、これを酸型に変
換された強酸性カチオン交換樹脂1,000g中に入
れ、一昼夜放置後、前記樹脂をろ過して除いたろ液を乾
固した。
【0036】このものの元素分析を実施したところ、炭
素39.0%、水素6.6%、硫黄22.1%、酸素3
2.3%であり、この重合体の理論値である炭素40.
0%、水素6.7%、硫黄21.3%、酸素32.0%
と極めてよく一致していた。次に、このものを水酸化ナ
トリウムで中和滴定したところ、当量の水酸化ナトリウ
ムで中和された。これらの結果から、カチオン交換処理
後の重合体は、スルホン基が中和後はナトリウム塩に変
換されたことになる。スルホン酸含量は、5.8ミリモ
ル/gであった。また、この重合体塩の四%水溶液の表
面張力は64.2ダイン/cmであった。
素39.0%、水素6.6%、硫黄22.1%、酸素3
2.3%であり、この重合体の理論値である炭素40.
0%、水素6.7%、硫黄21.3%、酸素32.0%
と極めてよく一致していた。次に、このものを水酸化ナ
トリウムで中和滴定したところ、当量の水酸化ナトリウ
ムで中和された。これらの結果から、カチオン交換処理
後の重合体は、スルホン基が中和後はナトリウム塩に変
換されたことになる。スルホン酸含量は、5.8ミリモ
ル/gであった。また、この重合体塩の四%水溶液の表
面張力は64.2ダイン/cmであった。
【0037】参考例15 参考例2ので得たポリマー溶液とジオキサン100g
とを、反応容器に入れ、無水硫酸32.9gと1,2−
ジクロルエタン100gからなる溶液を内温25℃に保
ち、2時間かけて添加した。添加後、2時間撹拌を続け
たのち、水酸化ナトリウム18.0g、水150gを添
加し、80℃で1時間撹拌した。撹拌後、減圧下で水お
よび溶剤を除去した。参考例1などの錯体を用いた生成
物では淡黄色であったが、錯体を用いない本参考例の生
成物は黒褐色の水溶性の重合体であり、一部タール状の
生成物が生じていた。参考例1〜4および参考例10〜
15で得られた分散剤のスルホン酸含量、表面張力、数
平均分子量を表2に示す。
とを、反応容器に入れ、無水硫酸32.9gと1,2−
ジクロルエタン100gからなる溶液を内温25℃に保
ち、2時間かけて添加した。添加後、2時間撹拌を続け
たのち、水酸化ナトリウム18.0g、水150gを添
加し、80℃で1時間撹拌した。撹拌後、減圧下で水お
よび溶剤を除去した。参考例1などの錯体を用いた生成
物では淡黄色であったが、錯体を用いない本参考例の生
成物は黒褐色の水溶性の重合体であり、一部タール状の
生成物が生じていた。参考例1〜4および参考例10〜
15で得られた分散剤のスルホン酸含量、表面張力、数
平均分子量を表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】実施例1〜10、比較例1〜5 石炭は、オーストラリア産で200メッシュパス分を8
0%含有し、灰分6.5%、硫黄1.6%を含むものを
用いた。水の中にあらかじめ表3〜4に記載した分散剤
(対石炭0.5%)を入れ、その中に所定量の石炭粒子
を徐々に入れ、ホモミキサーによって3,000rpm
で15分間撹拌して濃度70%の石炭スラリーを調製し
た。また、このようにして得られた石炭スラリーを評価
した。その結果を表3〜4に示す。表3から明らかなよ
うに、本発明の分散剤によって得られるスラリー組成物
は、粘度が低く、静置安定性、機械的安定性、熱的安定
性および低添加性に優れている。
0%含有し、灰分6.5%、硫黄1.6%を含むものを
用いた。水の中にあらかじめ表3〜4に記載した分散剤
(対石炭0.5%)を入れ、その中に所定量の石炭粒子
を徐々に入れ、ホモミキサーによって3,000rpm
で15分間撹拌して濃度70%の石炭スラリーを調製し
た。また、このようにして得られた石炭スラリーを評価
した。その結果を表3〜4に示す。表3から明らかなよ
うに、本発明の分散剤によって得られるスラリー組成物
は、粘度が低く、静置安定性、機械的安定性、熱的安定
性および低添加性に優れている。
【0041】これに対し、表4から明らかなように、比
較例1のイソプレン重合体を無水硫酸−ジオキサン錯体
に加えて作製された表面張力の低いスルホン化物を分散
剤として用いた石炭スラリーは、静置安定性、熱的安定
性および低添加性に劣り、特に低添加性は粘度の測定が
できないほどスラリーの分散状態が悪かった。また、比
較例2のスルホン酸含量の少ないものは、分散安定性が
劣り、泡立ちが激しくてスラリーの製造が困難であると
いう欠点を有している。さらに、比較例3のスルホン酸
含量が本発明の範囲外に多量に付加したものは、スラリ
ーの調製が困難でスラリーとして評価することができな
かった。さらに、比較例4は、市販のナフタレンスルホ
ン酸ナトリウムとホルマリンとの縮合物を分散剤として
用いたものであり、スラリー粘度が高く、静置安定性、
機械的安定性、低添加性が悪い。さらに、比較例5は、
市販のエチルオキサイド/プロピレンオキサイド共重合
体を分散剤とし用いたものであり、スラリー粘度が低い
が、機械的安定性、熱的安定性、低添加性が悪い。
較例1のイソプレン重合体を無水硫酸−ジオキサン錯体
に加えて作製された表面張力の低いスルホン化物を分散
剤として用いた石炭スラリーは、静置安定性、熱的安定
性および低添加性に劣り、特に低添加性は粘度の測定が
できないほどスラリーの分散状態が悪かった。また、比
較例2のスルホン酸含量の少ないものは、分散安定性が
劣り、泡立ちが激しくてスラリーの製造が困難であると
いう欠点を有している。さらに、比較例3のスルホン酸
含量が本発明の範囲外に多量に付加したものは、スラリ
ーの調製が困難でスラリーとして評価することができな
かった。さらに、比較例4は、市販のナフタレンスルホ
ン酸ナトリウムとホルマリンとの縮合物を分散剤として
用いたものであり、スラリー粘度が高く、静置安定性、
機械的安定性、低添加性が悪い。さらに、比較例5は、
市販のエチルオキサイド/プロピレンオキサイド共重合
体を分散剤とし用いたものであり、スラリー粘度が低い
が、機械的安定性、熱的安定性、低添加性が悪い。
【0042】実施例11〜13、比較例6〜8 200メッシュパス分を70%含有し、灰分0.65
%、硫黄0.30%を含む石油コークスを用いた。水の
中にあらかじめ表4に記載した分散剤を入れ、その中に
所定量の石油コークスを徐々に入れ、ホモミキサーによ
って3,000rpmで15分間撹拌して石油コークス
水スラリーを調製した。石油コークス濃度は、70%、
分散剤の添加量は、対石油コークス0.5%一定とし
た。このようにして得られた石炭スラリーを評価した。
その結果を表4に示す。
%、硫黄0.30%を含む石油コークスを用いた。水の
中にあらかじめ表4に記載した分散剤を入れ、その中に
所定量の石油コークスを徐々に入れ、ホモミキサーによ
って3,000rpmで15分間撹拌して石油コークス
水スラリーを調製した。石油コークス濃度は、70%、
分散剤の添加量は、対石油コークス0.5%一定とし
た。このようにして得られた石炭スラリーを評価した。
その結果を表4に示す。
【0043】表4から明らかなように、本発明によって
得られるスラリー組成物は、粘度が低く、静置安定性、
機械的安定性、熱的安定性および低添加性に優れてい
る。これに対し、比較例6〜7では、分散剤の表面張力
が50ダイン/cm未満であり、得られるスラリー組成
物の粘度が高く、各種スラリー安定性のいずれかに劣
り、かつ低添加性が悪い。また、比較例8では、分散剤
のスルホン酸含量が5.4ミリモル/gを超えるため、
スラリーが流動化しない。
得られるスラリー組成物は、粘度が低く、静置安定性、
機械的安定性、熱的安定性および低添加性に優れてい
る。これに対し、比較例6〜7では、分散剤の表面張力
が50ダイン/cm未満であり、得られるスラリー組成
物の粘度が高く、各種スラリー安定性のいずれかに劣
り、かつ低添加性が悪い。また、比較例8では、分散剤
のスルホン酸含量が5.4ミリモル/gを超えるため、
スラリーが流動化しない。
【0044】比較例9 参考例14によって得られた重合体塩を分散剤として用
い、石炭に対し0.5%の割合で添加し、実施例1と同
様に石炭スラリーを調製し、評価した。結果を表4に示
す。比較例9では、分散性、静置安定性に優れている
が、機械的安定性、熱的安定性、低添加性に劣り、特に
分散剤を0.3%(対石炭)にした場合、全く流動性を
示さなかった。 比較例10 参考例15で得られた重合体塩を用いた以外は、比較例
9と同様にして石炭スラリーを調製し、評価した。結果
を表4に示す。比較例10では、熱的安定性には優れて
いるが、分散性、静置安定性、機械的安定性、低添加性
に劣ることが分かる。表4から、本発明の分散剤を用い
た石油コークス水スラリー組成物は、分散性、静置安定
性、機械的安定性、熱的安定性、低添加性に優れている
ことが分かる。
い、石炭に対し0.5%の割合で添加し、実施例1と同
様に石炭スラリーを調製し、評価した。結果を表4に示
す。比較例9では、分散性、静置安定性に優れている
が、機械的安定性、熱的安定性、低添加性に劣り、特に
分散剤を0.3%(対石炭)にした場合、全く流動性を
示さなかった。 比較例10 参考例15で得られた重合体塩を用いた以外は、比較例
9と同様にして石炭スラリーを調製し、評価した。結果
を表4に示す。比較例10では、熱的安定性には優れて
いるが、分散性、静置安定性、機械的安定性、低添加性
に劣ることが分かる。表4から、本発明の分散剤を用い
た石油コークス水スラリー組成物は、分散性、静置安定
性、機械的安定性、熱的安定性、低添加性に優れている
ことが分かる。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】*1)ナフタレンスルホン酸ナトリウムの
ホルマリン縮合物 *2)エチレンオサイド/プロピレンオキサイド共重合
体
ホルマリン縮合物 *2)エチレンオサイド/プロピレンオキサイド共重合
体
【0048】
【発明の効果】本発明の分散剤は、特定の製造方法によ
って得られるイソプレン系(共)重合体スルホン化物を
主成分とするものであり、スルホン酸含量が均一であ
り、水溶液の表面張力が大である。そして、この分散剤
を用いた固形燃料スラリー組成物は、従来技術によって
得られる組成物に比較し、スラリー分散性がよく、少量
の添加量より優れた分散性を持つとともに、静置安定
性、機械的安定性、熱的安定性を示す。
って得られるイソプレン系(共)重合体スルホン化物を
主成分とするものであり、スルホン酸含量が均一であ
り、水溶液の表面張力が大である。そして、この分散剤
を用いた固形燃料スラリー組成物は、従来技術によって
得られる組成物に比較し、スラリー分散性がよく、少量
の添加量より優れた分散性を持つとともに、静置安定
性、機械的安定性、熱的安定性を示す。
【図1】スルホン化物のスルホン化反応時間とスルホン
酸含量の関係を示すグラフである。
酸含量の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 寿男 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 イソプレン系(共)重合体を、無水硫酸
と電子供与性化合物からなる錯体を用いてスルホン化し
て得られ、しかもスルホン酸含量が4〜5.4ミリモル
/g、かつ水溶液の表面張力が50ダイン/cm以上で
あるイソプレン系(共)重合体スルホン化物を主成分と
する分散剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8352412A JP2741506B2 (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 分散剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8352412A JP2741506B2 (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 分散剤 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63200082A Division JP2638107B2 (ja) | 1988-08-12 | 1988-08-12 | 固形燃料スラリー組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09187639A true JPH09187639A (ja) | 1997-07-22 |
JP2741506B2 JP2741506B2 (ja) | 1998-04-22 |
Family
ID=18423904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8352412A Expired - Lifetime JP2741506B2 (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 分散剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2741506B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006525547A (ja) * | 2003-05-06 | 2006-11-09 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | エレクトロウェッティング・モジュール |
-
1996
- 1996-12-13 JP JP8352412A patent/JP2741506B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006525547A (ja) * | 2003-05-06 | 2006-11-09 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | エレクトロウェッティング・モジュール |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2741506B2 (ja) | 1998-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101056897B (zh) | 阴离子聚合物 | |
CN105154151A (zh) | 一种水煤浆添加剂及其制备方法 | |
CN100381388C (zh) | 用于水硬性材料的添加剂和混凝土组合物 | |
CN108218284A (zh) | 混凝土减水剂组合物 | |
US4897088A (en) | Dispersing agent and a solid fuel slurry composition containing the same | |
JP2741506B2 (ja) | 分散剤 | |
JP2638107B2 (ja) | 固形燃料スラリー組成物 | |
CN111621280B (zh) | 酸渣的再利用方法及二元驱体系表面活性剂 | |
CN110540608B (zh) | 制备氢化二烯基纳米乳液的方法和双子表面活性剂的用途 | |
CN112679675B (zh) | 一种聚羧酸减水剂及其制备方法 | |
CN106520231A (zh) | 一种萘系水煤浆添加剂的制备方法 | |
JPH07242885A (ja) | 固形燃料スラリー組成物 | |
JP3555089B2 (ja) | 固形燃料スラリー組成物 | |
DE69513576T2 (de) | Additiv für einen wässrigen Kohle-Wasser Schlamm, Verfahren zu dessen Herstellung und wässrige Kohle-Wasser Schlammzusammensetzung | |
CN101357832A (zh) | 一种梳型聚合物消泡剂 | |
CN111457397B (zh) | 一种工业黄油溶解掺烧方法 | |
JPS61152796A (ja) | 固形燃料スラリ−組成物 | |
JP2718069B2 (ja) | 分散体組成物 | |
JPH0367556B2 (ja) | ||
CN109289695B (zh) | 一种羧酸表面活性剂及其制备方法和应用 | |
JPS6248795A (ja) | 固形燃料スラリ−組成物 | |
JPH09143483A (ja) | 石炭−水スラリー組成物 | |
JPH0369390B2 (ja) | ||
JPH0515757B2 (ja) | ||
JPS63113098A (ja) | 石炭−水スラリ−用分散剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19971209 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090130 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090130 Year of fee payment: 11 |