JPH09186034A - 内燃機関の点火コイル - Google Patents

内燃機関の点火コイル

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JPH09186034A
JPH09186034A JP8017089A JP1708996A JPH09186034A JP H09186034 A JPH09186034 A JP H09186034A JP 8017089 A JP8017089 A JP 8017089A JP 1708996 A JP1708996 A JP 1708996A JP H09186034 A JPH09186034 A JP H09186034A
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正郎 谷脇
Toru Tanaka
徹 田中
Mitsuru Tokioka
充 時岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒形の樹脂ケースを使用することなく、その
樹脂ケースの外に固定していた円筒形の外装鉄心をケー
ス代りにした点火コイルを得る。 【解決手段】 閉鎖した前端部に高圧端子8を有する樹
脂の前部筒7と、樹脂の後部筒11と、磁性金属板によ
る円筒形の外装鉄心17と、上記外装鉄心の内周に嵌合
した絶縁シート19とを備え、前記外装鉄心の前端部を
前部筒に、後端部を後部筒に夫々嵌合して固定し、外装
鉄心とその内側の絶縁シートで囲まれた内部の中心に開
磁路鉄心3を、開磁路鉄心の外に1次コイル1と2次コ
イル2を夫々同心状に設け、前部筒の内部、絶縁シート
で囲まれた内部、及び後部筒の内部に熱硬化性絶縁樹脂
を充填し、該絶縁樹脂層20中に1次コイル、2次コイ
ル、及び開磁路鉄心を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンの各気
筒に設けられたプラグホールに挿入し、プラグホールの
底にある点火プラグの頭部端子に高圧端子を押付け、点
火プラグに高電圧を印加する細長い筒形の点火コイルに
関する。
【0002】
【従来の技術】このように使用する点火プラグとして、
開磁路鉄心を絶縁材料製の前端が閉じたボビンに挿入
し、そのボビンの外に同心状に1次コイルと2次コイル
を設け、これらを絶縁ケースの中に同心状に配置すると
共に、ケース中にエポキシ樹脂を注型し、開磁路鉄心、
ボビン、1次コイル及び2次コイルをエポキシ樹脂層中
に固定し、絶縁ケースの外に硅素鋼板などを丸めた、割
れ目を有する筒形のシールド部材を嵌合したものが特開
平5−13967号により公知である。このシールド部
材は、中心の開磁路鉄心と共に略閉磁路を構成し、点火
コイルが外部から磁気的な影響を受けないように点火コ
イルを保護する。又、シールド部材の割れ目は、点火コ
イルの動作時に、シールド部材の表面に生じ易い不要な
渦電流を減少させる。尚、高圧端子はボビンの閉鎖した
前端部に絶縁材を介して取付けてあり、エポキシ樹脂層
の前端から外に突出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】点火コイルを挿入する
プラグホールの直径は小さいので、点火コイルは小径で
あることが好ましい。上記従来のものは絶縁ケースを有
し、その外に筒形のシールド部材を嵌合するので、その
分、直径が大きくなる。更に、シールド部材が絶縁ケー
スの外で軸方向にずれ動くのを防止するため、シールド
部材と絶縁ケースとの間に位置決め装置を設けねばなら
ない。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した問
題点を解消するために開発されたもので、閉鎖した前端
部に高圧端子を有する樹脂の前部筒と、樹脂の後部筒
と、磁性金属板による円筒形の外装鉄心と、上記外装鉄
心の内周に嵌合した絶縁シートとを備え、前記外装鉄心
の前端部を前部筒に、後端部を後部筒に夫々嵌合して固
定し、外装鉄心とその内側の絶縁シートで囲まれた内部
の中心に開磁路鉄心を、開磁路鉄心の外に1次コイルと
2次コイルを同心状に設け、前部筒の内部、絶縁シート
で囲まれた内部、及び後部筒の内部に熱硬化性絶縁樹脂
を充填し、該絶縁樹脂層中に1次コイル、2次コイル、
及び開磁路鉄心を埋設、固定したことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】図示の実施形態において、1は1
次コイル、2は2次コイル、3は開磁路鉄心を示す。開
磁路鉄心3は、図2に示すように多数枚の短冊形硅素鋼
板を断面形状が円形に近くなるように積層して構成した
周知のもので、その長さの途中を1次ボビン等の絶縁材
で被い、1次コイル1はその絶縁材上に巻付けてある。
2次コイル2は、図では省略したが2次ボビン4の外周
に分割巻きで巻いてある。2次ボビン4は前端が閉じ、
後端が開放した筒形で、前端の中心からは突起5が前向
きに突出し、後端部の外周からは複数(図4では3つ)
の突出片6が放射状に突出する。
【0006】7は閉鎖した前端部の中心に高圧端子8を
前向きに突出して取付けた前部筒で、前部筒は外周の後
部に直径が減少した環状段部9を有し、且つ閉鎖した前
端部の中心には前記2次ボビンの突起5を受入れる受入
筒10を後向きに備えている。11は後部外周から突出
したコネクタ部12に1次端子13を貫通状に装着した
後部筒で、その外周の前部に直径が減少した環状段部1
4を有する。前部筒の環状段部9の直径と、後部筒の環
状段部14の直径とは等しい。又、後部筒は、その内部
の中心に開磁路鉄心の後端部を嵌合保持する保持筒15
を備えている。この保持筒15は、後部筒の内周から半
径方向内向きに突出する突出部16で後部筒の内部に一
体に支持されている。前述した2次ボビンの後端部の外
周から突出する突出片6は後部筒の内周に接触する。前
部筒7、後部筒11はいずれも合成樹脂の成形品であ
る。
【0007】17は磁性金属板による円筒形の外装鉄心
(筒形シールド部材)、19は外装鉄心の内周に沿わせ
た円筒形の絶縁シートである。外装鉄心は、例えば1巻
き以上の長さ、つまり円周以上の長さの硅素鋼板を円筒
形に丸め、鋼板の一部を内外に重合させて構成しても、
1巻き以下の長さの硅素鋼板を円筒形に丸め、割れ目1
8を有するように構成してもよい。又、鋼管などを所定
の長さに輪切りにして構成してもよいし、そのように輪
切りにした鋼管に軸方向の割れ目18を1個所形成した
ものでもよい。図示の実施例では1巻き以下の長さの硅
素鋼板を円筒形に丸めて構成したため割れ目18を有す
るので、絶縁シート19がその割れ目を内外から塞いで
いる。外装鉄心17の内径は、前部筒の環状段部9や、
後部筒の環状段部14の外径と同じか、それより少し小
さい。絶縁シート19にはアラミドポリマー紙、合成樹
脂のフィルム、ガラスクロスなどを使用する。絶縁シー
トは予め円筒状にしておいて外装鉄心に挿入してもよい
し、シート状のものを丸めながら外装鉄心に挿入しても
よい。
【0008】点火コイルを組立てるには、2次ボビンの
前向きの突起5を前部筒7の受入筒10に挿入して前部
筒と2次ボビンを同心状に保ち、2次コイルの高圧端を
前部筒の高圧端子8に電気的に接続する。硅素鋼板を円
筒形に丸めた外装鉄心や、鋼板を輪切りにし、且つ割れ
目を形成した外装鉄心の場合は直径を拡大することがで
きるので、内周の絶縁シート19ごと外装鉄心17を拡
げて該鉄心の直径を拡大し、内周の絶縁シート19ご
と、外装鉄心の前端部を前部筒の環状段部9の外に嵌
め、必要ならば接着する。後部筒11の保持筒15に後
端部を挿入して保持された閉磁路鉄心3を1次コイルご
と2次ボビン4の内部に後から挿入し、直径を拡大した
外装鉄心の後端部を絶縁シートごと後部筒の環状段部1
4の外に嵌め、必要ならば接着すると共に、2次ボビン
の後端の突出片6を後部筒の内周に接触させ、1次コイ
ルの電線などを1次端子13に電気的に接続する。これ
により開磁路鉄心の外に1次コイル、2次コイル、及び
外装鉄心17は同心状に保たれる。
【0009】又、鋼管などを輪切りにしただけの外装鉄
心は、直径を拡大できないため、その前端部を内周の絶
縁シートごと前部筒の環状段部9の外に嵌合し、後端部
も内周の絶縁シートごと後部筒の環状段部14の外に嵌
合し、夫々接着して固定すればよい。
【0010】それから、後部筒11の後端内部からエポ
キシ樹脂などの熱硬化性絶縁樹脂を真空注型する。これ
により樹脂は2次ボビン4の中に後から流入し、2次ボ
ビンの内周と、1次コイル1、開磁路鉄心3、保持筒1
5との間を満たして固まると共に、2次ボビンの後端の
放射状の突出片6,6の間隔を通じ絶縁シート19、前
部筒7の内周と、2次ボビン、2次コイルとの間、及び
後部筒11の内部を満たして固まり、こうして固まった
樹脂層20で開磁路鉄心、1次コイル、2次ボビン、2
次コイル、前部筒、後部筒、及び内周に絶縁シートを有
する外装鉄心は同心状に固定される。尚、割れ目18を
有する外装鉄心の場合は、その割れ目を内外から絶縁シ
ート19が塞いでいるので、真空注型の際に、絶縁樹脂
が割れ目から外に洩れることがない。
【0011】絶縁シート19にアラミドポリマー紙を使
用すると、耐絶縁性、耐熱性を向上させることができ
る。又、合成樹脂のフィルムを使用すると作業性、及び
コストの面で有利であり、ガラスクロスを使用すると、
絶縁樹脂が浸透して固まるため絶縁樹脂層20との密着
性が向上する。
【0012】使用するには、図1に示すように前部筒7
の前端から同心状に突出する前向き筒21に電気絶縁性
で、弾力を有する、例えば合成ゴム製の筒形ブーツ22
を嵌めて延長状に保持し、この筒形ブーツを先頭にして
エンジンのプラグホール23に挿入し、プラグホールの
底から突出する点火プラグ24の絶縁体の外に筒形ブー
ツを弾力的に嵌めることにより高圧端子8を点火プラグ
の頭部端子25に圧接する。
【0013】外装鉄心17が硅素鋼板を円筒形に丸めた
ものであったり、割れ目18を有すると、前述したよう
に点火コイルの動作時に、外装鉄心の表面に生じ易い不
要な渦電流を減少させる効果を有し、鋼管を輪切りにし
ただけの外装鉄心の場合はその効果を有さないが、実用
的には充分に使用できる。
【0014】図示の実施形態では、後部筒11に1次端
子を取付けたものを使用したが、後部筒は1次端子を有
さないものでもよい。又、前部筒7の環状段部9と、後
部筒11の環状段部14には、夫々絶縁シート19ごと
外装鉄心17の前端部と、後端部とを嵌め、必要に応じ
接着したが、前部筒の環状段部9と、後部筒の環状段部
14に嵌めて固定するのは、外装鉄心の前端部と、後端
部だけで、絶縁シートの前端部と後端部は嵌めなくても
よい。
【0015】
【発明の効果】以上で明らかなように、本発明は筒形の
樹脂ケースを使用せず、外装鉄心にケースの役目をさせ
るので、点火コイルの直径を小さくできると共に、直径
を従来通りにすれば樹脂ケースの肉厚分を他の部品に回
すことができ、その分、絶縁性の確保や、性能、信頼性
の向上が図れる。そして、外装鉄心と熱硬化性絶縁樹脂
層は絶縁シートで遮られ直接接触しないため、樹脂層と
外装鉄心との熱膨張差により外装鉄心から樹脂層中にク
ラックが入り、絶縁破壊を生じることがない。要するに
外装鉄心を、熱硬化性樹脂を内部に注型するためケース
として使用し、その内周の絶縁シートで熱ストレスによ
る応力を緩和し、絶縁性に優れた点火コイルを提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による点火コイルの使用状態の断面図で
ある。
【図2】図1のII−II線での拡大断面図である。
【図3】外装鉄心と、絶縁シートの斜視図である。
【図4】(A)は2次ボビンを前から見た正面図、
(B)は後部筒を前から見た正面図である。
【符号の説明】
1 1次コイル 2 2次コイル 3 開磁路鉄心 4 2次ボビン 5 2次ボビンの突起 6 2次ボビンの放射状の突出片 7 前部筒 8 高圧端子 9 前部筒の環状段部 10 前部筒の受入筒 11 後部筒 12 後部筒のコネクタ部 13 1次端子 14 後部筒の環状段部 15 後部筒の保持筒 16 後部筒の突出部 17 外装鉄心 19 絶縁シート 20 熱硬化性絶縁樹脂層 21 前部筒の前向き筒 22 筒形ブーツ 23 プラグホール 24 点火プラグ 25 点火プラグの頭部端子
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 31/00 501N

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉鎖した前端部に高圧端子を有する樹脂
    の前部筒と、樹脂の後部筒と、磁性金属板による円筒形
    の外装鉄心と、上記外装鉄心の内周に嵌合した絶縁シー
    トとを備え、前記外装鉄心の前端部を前部筒に、後端部
    を後部筒に夫々嵌合して固定し、外装鉄心とその内側の
    絶縁シートで囲まれた内部の中心に開磁路鉄心を、開磁
    路鉄心の外に1次コイルと2次コイルを夫々同心状に設
    け、前部筒の内部、絶縁シートで囲まれた内部、及び後
    部筒の内部に熱硬化性絶縁樹脂を充填し、該絶縁樹脂層
    中に1次コイル、2次コイル、及び開磁路鉄心を固定し
    たことを特徴とする内燃機関の点火コイル。
JP8017089A 1996-01-05 1996-01-05 内燃機関の点火コイル Expired - Lifetime JP2864456B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6208231B1 (en) 1997-02-14 2001-03-27 Denso Corporation Stick-type ignition coil having improved structure against crack or dielectric discharge
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