JPH09184702A - 差動トランス用アンプの温度補償方法 - Google Patents

差動トランス用アンプの温度補償方法

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JPH09184702A
JPH09184702A JP7343225A JP34322595A JPH09184702A JP H09184702 A JPH09184702 A JP H09184702A JP 7343225 A JP7343225 A JP 7343225A JP 34322595 A JP34322595 A JP 34322595A JP H09184702 A JPH09184702 A JP H09184702A
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JP
Japan
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phase
data
amplifier
measured
differential transformer
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JP7343225A
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English (en)
Inventor
Motohiko Kuzutani
基彦 葛谷
Kenichi Inada
健一 稲田
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Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Indication And Recording Devices For Special Purposes And Tariff Metering Devices (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度による利得ドリフト及びオフセットドリ
フトを補償する差動トランス用アンプの温度補償方法を
提供する。 【解決手段】 予め初期データとして、A相及びB相の
増幅出力をそれぞれ測定すると共に、励磁入力を少なく
とも2点設定しその励磁入力を直接増幅した増幅出力を
それぞれ測定しておく。計測時、計測データとしてA相
及びB相の増幅出力と上記2点の励磁入力増幅出力とを
それぞれ測定する。これら計測データ及び上記初期デー
タを演算してA相及びB相の増幅出力を補正する。初期
と計測時との状態変化による入出力特性の違いは上記2
点の入出力を用いた演算で補正できる。データ演算は温
度の影響を受けないから、温度補償に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、差動トランスの電
気系を構成する差動トランス用アンプに係り、特に、温
度による利得ドリフト及びオフセットドリフトを補償す
る差動トランス用アンプの温度補償方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】工作機械などに、ミクロンオーダの精密
な寸法計測を行う目的で用いられる差動トランス(LV
DT)は、一次側コイルに励磁電力を供給し、これによ
って励磁されたコアを2つの二次側コイル(以下、一方
をA相、他方をB相の二次側コイルと呼ぶ)に対して変
位させ、これらA相及びB相の二次側コイルに現れる出
力を計測し、二次側コイル両相の出力差を一次側コイル
励磁入力と比較することにより、コアが変位した距離に
変換するようになっている。距離は、ミクロン(μm)
単位で測定することができる。励磁入力やA相及びB相
の出力を直流に変換して比較する過程で増幅のためにア
ンプが用いられる。これら差動トランスのためのアンプ
等からなる電気系を総合して差動トランス用アンプと呼
ぶことにする。この差動トランス用アンプには、これを
構成する様々な部品の温度変化によるゲイン変動、オフ
セット変動があるため励磁入力や二次側各相出力が変動
し距離測定が不安定になる。
【0003】図5に、このような差動トランス用アンプ
の入出力特性を示す。図示されるように、状態(1)に
おける入出力は線形特性を有する。また、温度変化によ
るゲイン変動、オフセット変動が生じた状態(2)にお
ける入出力も線形特性を有する。しかし、状態(1)と
状態(2)とではゲイン、オフセット共に異なるので、
状態が変化してしまうと同じ測定結果が得られない。
【0004】従って、これらの変動による測定結果を補
正し、温度変化による計測誤差を無くする必要がある。
即ち、状態(1)でも状態(2)でも同じ測定結果が得
られるように温度補償する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、差動
トランスによる距離測定は、温度により安定しないこと
がある。とりわけ、ミクロン単位での高精度の寸法計測
にとっては、温度変化による計測誤差は重大である。こ
のような誤差は、温度特性の良くない安価な部品でアン
プを構成すると顕著に現れる。しかし、温度特性の優れ
た高価な部品でアンプを構成しても、完全に温度ドリフ
トを抑えることは困難である。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、温度による利得ドリフト及びオフセットドリフトを
補償する差動トランス用アンプの温度補償方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、差動トランスの一次側コイルに励磁入力を
供給すると共に二次側コイルのA相及びB相の出力を増
幅する差動トランス用アンプの温度補償方法において、
予め初期データとして、上記A相及びB相の増幅出力を
それぞれ測定すると共に、上記励磁入力を少なくとも2
点設定しその励磁入力を直接増幅した増幅出力をそれぞ
れ測定しておき、計測時、計測データとして上記A相及
びB相の増幅出力と上記2点の励磁入力増幅出力とをそ
れぞれ測定し、これら計測データ及び上記初期データを
演算してA相及びB相の増幅出力を補正するものであ
る。
【0008】上記初期データ及び計測データは、予めA
相及びB相の増幅出力を測定し、これを相殺するための
オフセットデータをそれぞれ求めておき、これらオフセ
ットデータによる調整成分を重畳した増幅出力から測定
してもよい。
【0009】上記初期データを上記差動トランスのコア
の基準位置にて測定すると共に、換算データとして基準
位置より上記コアを所定距離ずらせた位置で各相の増幅
出力を測定しておき、この換算データにより、上記補正
されたA相及びB相の増幅出力の差を上記コアが基準位
置から変位した距離データに換算してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明の方法の原理を説明
する。
【0011】図4に示されるように、状態(1)におい
て、任意のD1,D2を入力し、出力Y1,Y2を得た
のち、状態(2)において、同じD1,D2を入力し、
出力Y1´,Y2´を得たものとする。この状態(2)
において、Xを入力し、出力Yx´を得たとき補正によ
りこれをYx、即ち、状態(1)であればXを入力して
得られるはずの出力にすることができればよいことにな
る。
【0012】このために、まず、状態(1)の入出力特
性の傾斜(ゲイン)を求め、さらに、状態(2)の入出
力特性の傾斜(ゲイン)を求める。そして、これらゲイ
ンの比を求める。
【0013】 状態(1)のゲイン=(Y2−Y1)/(D2−D1) 状態(2)のゲイン=(Y2´−Y1´)/(D2−D1) ゲイン比 =(Y2−Y1)/(Y2´−Y1´) このゲイン比を用い、状態(2)における(X−D1)
分の入力に対する出力ΔYxを求めることができる。こ
れは傾斜の補正に相当する。
【0014】ΔYx=(Yx´−Y1´)×{(Y2−
Y1)/(Y2´−Y1´)} 次に、Y1をΔYxに加えると、状態(1)であればX
を入力して得られるはずの出力Yxが得られる。これは
差の補正に相当する。
【0015】 Yx=ΔYx+Y1 =(Yx´−Y1´)×{(Y2−Y1)/(Y2´−
Y1´)}+Y1 このような原理により、状態(1)及び状態(2)にお
ける2点の入出力データD1,D2,Y1,Y2,Y1
´,Y2´があれば、状態(2)における点Xでの測定
結果Yx´を状態(1)における測定結果Yxに補正す
ることができる。なお、ここではコア位置の変化は考慮
していない。
【0016】実際には、A相及びB相の出力がコア位置
によって変化するので、状態(1)においても状態
(2)においても、コア位置に左右されない励磁入力を
測定し、かつA相及びB相の増幅出力をそれぞれ測定
し、A相,B相個別に補正する必要がある。従って、具
体的な温度補償方法は、予め初期データとして、A相及
びB相の増幅出力をそれぞれ測定すると共に、励磁入力
を2点設定しその励磁入力を直接増幅した増幅出力をそ
れぞれ測定しておく。計測時には、計測データとしてA
相及びB相の増幅出力と上記2点の励磁入力増幅出力と
をそれぞれ測定する。これら計測データ及び初期データ
を演算してA相及びB相の増幅出力を補正することにな
る。
【0017】距離測定のためには、初期データを差動ト
ランスのコアの基準位置にて測定するのがよく、このと
き換算データとして基準位置よりコアを所定距離ずらせ
た位置で各相の増幅出力を測定しておく。
【0018】以下本発明の一実施形態を添付図面に基づ
いて詳述する。
【0019】図1に示されるように、本発明に係る差動
トランス用アンプ回路は、距離の変化を電圧の変化に変
えるセンサとしての差動トランス1と、差動トランス1
の仕様に基づく一次側コイル励磁周波数で発振する発振
器2と、この発振器2の出力を増幅し差動トランス1の
一次側コイルに励磁入力を供給するべく出力電圧(利
得)をプログラムにより変更可能に構成されたDACア
ンプ3と、アナログスイッチ,リレーなどで構成され差
動トランス1の一次側コイルに入力される励磁入力又は
差動トランスのA相,B相の出力を選択して取り出すマ
ルチプレクサ4と、差動トランス1の二次側コイル負荷
仕様を満足し、マルチプレクサ4を経由した信号を以降
の処理に必要な信号レベルに増幅する増幅器(ACアン
プ)5と、この信号の交流電圧を直流電圧に変換する整
流回路6と、整流回路6による全波整流出力の交流分を
減衰させる低域通過フィルタ(第1LPF)7と、第1
LPF7から出力される信号成分の中心を後述のADC
の入力範囲のほぼ中心に合わせるオフセット電圧調整回
路8と、オフセット電圧調整された信号の電圧を所望の
大きさに増幅する増幅器(DCアンプ)9と、DCアン
プ9で増幅された交流分を減衰させる低域通過フィルタ
(第2LPF)10と、第2LPF10の出力のアナロ
グ電圧をデジタル値に変換するAD変換器(ADC)1
1と、本発明の方法により温度補償処理を行うCPU1
2とからなる。
【0020】この構成において、マルチプレクサ4の選
択によって、ADC11には、A相及びB相の増幅出力
又は励磁入力の増幅出力が現れるようになっている。
【0021】CPU12は、データを格納するメモリ及
びプログラムを格納するメモリを有し、プログラムに従
い、DACアンプ3の出力電圧の設定、マルチプレクサ
4の選択、ADC11の読取り等を所定の手順で行い、
得られたデータを用いて補正計算や距離換算の演算を行
うようになっている。
【0022】この実施形態では、補正処理及び距離換算
の手順は、 1.基準位置にて初期データを測定する[基準位置の設
定]、 2.換算データを測定する[換算データの測定]、 3.計測データを測定し、補正データを計算し、距離デ
ータに換算する[計測・補正計算・距離換算]からな
る。
【0023】[基準位置の設定]基準となる位置(L
0)に差動トランス1のコアを移動した状態にて、CP
U12は、次の4つのデータからなる初期データをAD
C11から読み取る。これは図4における状態(1)で
の測定に相当する。尚、D1,D2,D3は、DACア
ンプ3の出力電圧を設定するためにプログラムによりD
ACアンプ3に書き込む値であり、D1,D2は異なる
任意の値を取り得る。また、D3はDACアンプ出力が
差動トランス入力仕様を満足するような値とする。
【0024】1)A相初期データ読み取り DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4は
COM端子−第1端子を接続し、ADC11からA相増
幅出力のデータを読み取る。この値をA相初期データY
a(L0)とする。
【0025】2)B相初期データ読み取り DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第2端子を接続し、ADC11からB相増
幅出力のデータを読み取る。この値をB相初期データY
b(L0)とする。
【0026】3)初期疑似データY1読み取り DACアンプ3にD1をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第3端子を接続し、ADC11から1点目
の励磁入力増幅出力のデータ(このように励磁入力を設
定して差動トランスを介さずに増幅して得たデータを疑
似データと呼ぶ)を読み取る。この値を初期疑似データ
Y1とする。
【0027】4)初期疑似データY2読み取り DACアンプ3にD2をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第3端子を接続し、ADC11から2点目
の励磁入力増幅出力のデータを読み取る。この値を初期
疑似データY2とする。
【0028】[換算データの測定]差動トランス1のコ
アを任意の距離Lc(μm)移動した状態にて、DAC
アンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4のCOM
端子−第1端子を接続し、ADC11からA相増幅出力
のデータを読み取る。この値を換算データYa(Lc)
とする。
【0029】さらに、差動トランス1のコアはそのまま
で、DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ
4のCOM端子−第2端子を接続し、ADC11からB
相増幅出力のデータを読み取る。この値を換算データY
b(Lc)とする。
【0030】[計測・補正計算・距離換算]被計測物を
セットした状態、即ち差動トランス1のコアを被計測物
に応じて移動させた状態にて、次の4つのデータからな
る計測データをADC11から読み取る。この時、回路
状態は基準位置を設定した時の状態から変動している可
能性がある。そこで、計測データと初期データとからA
相及びB相の増幅出力を補正する。最終的に、コアが基
準位置から移動した距離を求める。
【0031】1)A相計測データ読み取り DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第1端子を接続し、ADC11からA相増
幅出力のデータを読み取る。この値をA相計測データY
a´(L1)とする。
【0032】2)B相計測データ読み取り DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第2端子を接続し、ADC11からB相増
幅出力のデータを読み取る。この値をB相計測データY
b´(L1)とする。
【0033】3)計測疑似データY1´読み取り DACアンプ3にD1をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第3端子を接続し、ADC11から1点目
の励磁入力増幅出力のデータを読み取る。この値を計測
疑似データY1´とする。
【0034】4)計測疑似データY2´読み取り DACアンプ3にD2をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第3端子を接続し、ADC11から2点目
の励磁入力増幅出力のデータを読み取る。この値を計測
疑似データY2´とする。
【0035】5)補正データの算出(補正計算) A相補正出力をYxa、B相補正出力をYxbとする
と、これらの補正出力は、上記4つの初期データと4つ
の計測データとを用い、次式で計算される。
【0036】Yxa={Ya´(L1)−Y1´}×
{(Y1−Y2)/(Y1´−Y2´)}−{Ya(L
0)−Y1} Yxb={Yb´(L1)−Y1´}×{(Y1−Y
2)/(Y1´−Y2´)}−{Yb(L0)−Y1} 6)距離を求める A相補正出力YxaとB相補正出力Yxbとの差は、被
計測物によるコアの位置が基準位置から変位しているこ
とによる偏差値である。
【0037】偏差値=Yxa−Yxb この偏差値を距離データに換算する。
【0038】距離=(Yxa−Yxb)×La/{Ya
(Lc)−Yb(Lc)} このようにして、初期データと計測データとからA相補
正出力及びB相補正出力を求め、両者による偏差値を換
算データにより距離データに換算する。
【0039】以上まとめると、予め(温度変化が生じる
前に)測定しておいた初期データと、その後、計測時
(温度変化が生じた後に)測定した計測データとを演算
することによって、温度補償が達成される。この演算
は、データ演算であるから温度には無関係に結果を出す
ことができる。実施形態のようにCPUを用いたものは
デジタル演算であるから正確であり、かつデータの読み
取りや設定の手順が自動化され好ましいし。また、初期
データを差動トランスのコアの基準位置にて測定し、基
準位置よりコアをずらせて換算データを測定するように
したので、回路状態が変動しないうちにこれらのデータ
を得ることができる。
【0040】ここで、上記実施形態の補正計算について
詳しく説明する。
【0041】まず、線形アンプの一般式は、 Y=GX+B Y:アンプ出力 G:アンプゲイン X:入力信号 B:オフセット で表される。
【0042】DACアンプ、差動トランス(LVDT)
を含んだこの差動トランス用アンプの入出力は、 Y=G×N(D)×X(L)+B N(D):DACアンプ設定データにより決まる倍率 D:DACアンプ設定データ X(L):LVDT入出力関数 Y,G,B:上記に同じ で表される。
【0043】差動トランスにはその特性上、次の関係が
ある。
【0044】Xa(L)−Xb(L)=L×GL Xa(L):差動トランスのA相入出力関数 Xb(L):差動トランスのB相入出力関数 L:計測距離 GL:差動トランス距離換算データ 基準位置を設定した時の回路状態をG,Bで表し、基準
位置をL0で示すとき、各相の出力は、 Ya(L0)=G×N(D3)×Xa(L0)+B Yb(L0)=G×N(D3)×Xb(L0)+B であるから、 Ya(L0)−Yb(L0)={G×N(D3)×Xa(L0)+B} −{G×N(D3)×Xb(L0)+B} … となり、疑似信号読み値Y1,Y2は、 Y1=G×N(D1)+B Y2=G×N(D2)+B となる。
【0045】この回路状態において計測位置L1にて計
測したとすると、 Ya(L1) −Yb(L1)={G×N(D3)×Xa(L1)+B} −{G×N(D3)×Xb(L1)+B} =G×N(D3) ×{Xa(L1)−Xb(L1)} … となる。
【0046】基準位置L0と計測位置L1との差による
式−式は、 {Ya(L1)−Yb(L1)}−{Ya(L0)一Yb(L0)} =G×N(D3)×{Xa(L1)−Xb(L1)} −G×N(D3)×{Xa(L0)−Xb(L0)} =G×N(D3)×[{(Xa(L1)−Xb(L1)} −{Xa(L0)−Xb(L0)}] … となる。
【0047】ところが、回路状態が変化しG´,B´に
なり、A相,B相の読み値がYa´,Yb´になったと
すると、 Ya´(L1)=G´×N(D3)×Xa(L1)+B´ Yb´(L1)=G´×N(D3)×Xb(L1)+B´ Ya´(L1)−Yb´(L1) ={G´×N(D3)×Xa(L1)+B´} −{G´×N(D3)×Xb(L1)+B´) =G´×N(D3)×{Xa(L1)−Xb(L1)} となり、疑似信号読み値Y1´、Y2´は、 Y1´=G´×N(D1)+B´ Y2´=G´×N(D2)+B´ となる。
【0048】この読み取り値を上記補正式にあてはめた
結果が、基準位置を設定した時の回路状態における基準
位置L0と計測位置L1との差による式になれば補正
できたことになる。
【0049】 Yxa={Ya´(L1)−Y1´} ×{(Y1−Y2)/(Y1´−Y2´)} −{Ya(L0)−Y1} (補正式) ={Ya´(L1)−Y1´} ×[{G×N(D1)+B}−{G×N(D2)+B}] /[{G´×N(D1)+B´} −{G´×N(D2)+B´}] −{Ya(L0)−Y1} ={Ya´(L1)−Y1´}×G×{N(D1)−N(D2)} /[G´×{N(D1)−N(D2)}] −{Ya(L0)−Y1} ={Ya´(L1)−Y1´}×G/G´ −{Ya(L0)−Y1} =[{G´×N(D3)×Xa(L1)+B´} −{G´×N(D1)+B´}]×G/G´ −[{G×N(D3)×Xa(L0)+B} −{G×N(D1)+B}] =G´×{N(D3)×Xa(L1)−N(D1)}×G/G´ −G×{N(D3)×Xa(L0)−N(D1)} ={N(D3)×Xa(L1)−N(D1)}×G −G×{N(D3)×Xa(L0)−N(D1)} =G×N(D3)×{Xa(L1)−Xa(L0)} 同様に、 Yxb={Yb´(L1)−Y1´} ×{(Y1−Y2)/(Y1´−Y2´)} −{Yb(L0)−Y1} (補正式) =G×N(D3)×{Xb(L1)−Xb(L0)} 基準位置との差の値=Yxa−Yxb =G×N(D3)×{Xa(L1)−Xa(L0)} −G×N(D3)×{Xb(L1)−Xb(L0)} =G×N(D3)×[{(Xa(L1)−Xb(L1)} −{Xa(L0)−Xb(L0)}] 上式は、計測位置から基準位置を引いた値(式)にな
っている。
【0050】距離データに換算すると、 距離=(Yxa−Yxb)×(La/[{Ya(Lc)
−Yb(Lc)}] となる。
【0051】次に本発明の他の実施形態を説明する。
【0052】差動トランスが例えば10mmのストロー
クのものであれば、ADC11のレンジが10mmに相
当するように差動トランス用アンプ回路の利得を設定す
ることにより、全ストロークが計測可能になる。この場
合、距離分解能はADC11の分解能に依存する。も
し、1μmの距離分解能を得るためにはADC11の分
解能計は1/10000が必要になる。計測したい距離
の分解能に対しデータ読み取りの分解能が足りない場合
に、この距離を計る方法、即ち倍率を上げる方法として
以下の実施形態を用いることができる。
【0053】この実施形態では、予めA相及びB相の増
幅出力を測定し、これを相殺するためのオフセットデー
タをそれぞれ求めておく。初期データ及び計測データ
は、これらオフセットデータによる調整成分(オフセッ
ト)を重畳した増幅出力から測定する。A相のデータ読
取りとB相のデータ読取りとでは、互いに異なる(一致
することもある)オフセットを与えて行うことになる。
このオフセットはもともと存在しているオフセットを相
殺するものであり、これによりアンプ利得を大きくして
もADC11のレンジを越えないようにできるので、A
DC11で読み取れる電圧の範囲を実質上拡げることが
できる。
【0054】図2に示されるように、差動トランス用ア
ンプ回路は、図1と異なる要素として、基準電源13、
オフセット電圧DAC回路14及び第2マルチプレクサ
15を備えている。図1の形態は、オフセット電圧調整
回路8により第1LPF7から出力される信号成分の中
心をADC11の入力範囲のほぼ中心に合わせるように
していたが、図2の形態では、オフセット電圧DAC回
路14を用い、プログラムにより任意のデータを設定す
ることでオフセット電圧を調整する。基準電源13はオ
フセット電圧DAC回路14に基準電圧を提供するもの
である。第2マルチプレクサ15は、DCアンプ9及び
第2LPF10をバイパスしてデータを取り込めるよう
にしたものである。なお、第2LPF10はリップルが
小さい時は不要である。
【0055】この実施形態では、補正処理及び距離換算
の手順は、1.基準位置にて初期データを測定する[基
準位置の設定]、2.換算データを測定する[換算デー
タの測定]、3.計測データを測定し、補正データを計
算し、距離データに換算する[計測・補正計算・距離換
算]からなる。
【0056】[基準位置の設定]基準となる位置(L
0)に差動トランス1のコアを移動した状態にて、CP
U12は、まず、各相毎にオフセットの設定を行い、さ
らに各相3つ、合計6つのデータからなる初期データを
ADC11から読み取る。Da1,Da2,Db1,D
b2,D3は図1の実施形態におけるD1,D2,D3
同様に選ぶことができる。
【0057】(1)A相オフセット設定及び初期データ
読み取り 1.オフセット電圧算出 DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第1端子を接続し、第2マルチプレクサ1
5のCOM端子−第1端子を接続し、ADC11からオ
フセットをバイパスしたA相増幅出力のデータを読み取
る。この値と同じ大きさで逆符号の電圧がオフセット電
圧調整DAC回路14から出力されるようオフセット調
整DAC回路14に設定する値を求める。この値をオフ
セットデータD4aとする。
【0058】2.オフセットの設定 オフセット電圧調整DAC14にオフセットデータD4
aを設定する。
【0059】3.A相初期データ読み取り DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第1端子を接続し、第2マルチプレクサ1
5のCOM端子−第2端子を接続し、ADC11からオ
フセットを付加したA相増幅出力のデータを読み取る。
この値をA相初期データYa(L0)とする。
【0060】4.A相初期疑似データ読み取り(Ya
l,Ya2) DACアンプ3にDa1をセットし、マルチプレクサ4
のCOM端子−第3端子を接続し、第2マルチプレクサ
15のCOM端子−第2端子を接続し、ADC11から
オフセットを付加した1点目の励磁入力増幅出力のデー
タを読み取る。この値をA相初期疑似データYa1とす
る。
【0061】また、DACアンプ3にDa2をセット
し、マルチプレクサ4のCOM端子−第3端子を接続
し、第2マルチプレクサ15のCOM端子−第2端子を
接続し、ADC11からオフセットを付加した2点目の
励磁入力増幅出力のデータを読み取る。この値をA相初
期疑似データYa2とする。
【0062】(2)B相オフセット設定及び初期データ
読み取り 1. オフセット電圧算出 DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第2端子を接続し、第2マルチプレクサ1
5のCOM端子−第1端子を接続し、ADC11からオ
フセットをバイパスしたB相増幅出力のデータを読み取
る。この値と同じ大きさで逆符号の電圧がオフセット電
圧調整DAC回路14から出力されるようオフセット調
整DAC回路14に設定する値を求める。この値をオフ
セットデータD4bとする。
【0063】2. オフセットの設定 オフセット電圧調整DAC14にオフセットデータD4
bを設定する。
【0064】3.B相初期データ読み取り DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第2端子を接続し、第2マルチプレクサ1
5のCOM端子−第2端子を接続し、ADC11からオ
フセットを付加したB相増幅出力のデータを読み取る。
この値をB相初期データYb(L0)とする。
【0065】4.B相初期疑似データ読み取り(Yb
l,Yb2) DACアンプ3にDblをセットし、マルチプレクサ4
のCOM端子−第3端子を接続し、第2マルチプレクサ
15のCOM端子−第2端子を接続し、ADC11から
オフセットを付加した1点目の励磁入力増幅出力のデー
タを読み取る。この値をB相初期疑似データYb1とす
る。
【0066】また、DACアンプ3にDb2をセット
し、マルチプレクサ4のCOM端子−第3端子を接続
し、第2マルチプレクサ15のCOM端子−第2端子を
接続し、ADC11からオフセットを付加した2点目の
励磁入力増幅出力のデータを読み取る。この値をB相初
期疑似データYb2とする。
【0067】[換算データの測定]差動トランス1のコ
アを任意の距離Lc(μm)移動した状態にて、DAC
アンプ3にD3をセットし、オフセット電圧調整DAC
回路14にD4aを設定し、マルチプレクサ4のCOM
端子−第1端子を接続し、第2マルチプレクサ15のC
OM端子−第2端子を接続し、ADC11からオフセッ
トを付加したA相増幅出力のデータを読み取る。この値
を換算データYa(Lc)とする。
【0068】さらに、差動トランス1のコアはそのまま
で、DACアンプにD3をセットし、オフセット電圧調
整DAC回路14にD4bを設定し、マルチプレクサ4
のCOM端子−第2端子を接続し、第2マルチプレクサ
15のCOM端子−第2端子を接続し、ADC11から
オフセットを付加したB相増幅出力のデータを読み取
る。この値を換算データYb(Lc)とする。
【0069】[計測・補正計算・距離換算]被計測物を
セットした状態、即ち差動トランス1のコアを被計測物
に応じて移動させた状態にて、次の6つのデータからな
る計測データをADC11から読み取る。この時、回路
状態は基準位置を設定した時の状態から変動している可
能性がある。そこで、計測データと初期データとからA
相及びB相の増幅出力を補正する。最終的に、コアが基
準位置から移動した距離を求める。
【0070】(1)A相計測データの読み取り 1.オフセット電圧の設定 オフセット電圧調整DAC回路15にオフセットデータ
D4aを設定する。
【0071】2.A相計測データ読み取り DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第1端子を接続し、第2マルチプレクサ1
5のCOM端子−第2端子を接続し、ADC11からオ
フセットを付加したA相増幅出力のデータを読み取る。
この値をA相計測データYa(L1)とする。
【0072】3.A相計測疑似データ読み取り(Ya1
´,Ya2´) DACアンプ3にDa1をセットし、マルチプレクサ4
のCOM端子−第3端子を接続し、第2マルチプレクサ
15のCOM端子−第2端子を接続し、ADC11から
オフセットを付加した1点目の励磁入力増幅出力のデー
タを読み取る。この値をA相計測疑似データYa1´と
する。
【0073】また、DACアンプにDa2をセットし、
マルチプレクサ4のCOM端子−第3端子を接続し、第
2マルチプレクサ15のCOM端子−第2端子を接続
し、ADC11からオフセットを付加した2点目の励磁
入力増幅出力のデータを読み取る。この値をA相計測疑
似データYa2´とする。
【0074】(2)B相データ読み取り 1. オフセット電圧の設定 オフセット電圧調整DAC回路15にオフセットデータ
D4bを設定する。
【0075】2.B相計測データ読み取り DACアンプ3にD3をセットし、マルチプレクサ4の
COM端子−第2端子を接続し、第2マルチプレクサ1
5のCOM端子−第2端子を接続し、ADC11からオ
フセットを付加したB相増幅出力のデータを読み取る。
この値をB相計測データYb(L1)とする。
【0076】3.B相計測疑似データ読み取り(Yb1
´,Yb2´) DACアンプ3にDb1をセットし、マルチプレクサ4
のCOM端子−第3端子を接続し、第2マルチプレクサ
15のCOM端子−第2端子を接続し、ADC11から
オフセットを付加した1点目の励磁入力増幅出力のデー
タを読み取る。この値をB相計測疑似データYb1´と
する。
【0077】また、DACアンプ3にDb2をセット
し、マルチプレクサ4のCOM端子−第3端子を接続
し、第2マルチプレクサ15のCOM端子−第2端子を
接続し、ADC11からオフセットを付加した2点目の
励磁入力増幅出力のデータを読み取る。この値をB相計
測疑似データYb2´とする。
【0078】(3)計測データの算出(補正計算) A相補正出力をYxa、B相補正出力をYxbとする
と、これらの補正出力は、上記6つの初期データと6つ
の計測データとを用い、次式で計算される。
【0079】 Yxa={Ya´(L1)−Ya1´} ×{(Ya1−Ya2)/(Ya1´−Ya2´)} −{Ya(L0)−Ya1} Yxb={Yb´(L1)−Yb1´} ×{(Yb1−Yb2)/(Yb1´−Yb2´)} −{Yb(L0)−Yb1} (4)距離を求める A相補正出力YxaとB相補正出力Yxbとの差は、被
計測物によるコアの位置が基準位置から変位しているこ
とによる偏差値である。
【0080】偏差値=Yxa−Yxb この偏差値を距離データに換算する。
【0081】距離=(Yxa−Yxb)×La/{Ya
(Lc)−Yb(Lc)} このようにして、初期データと計測データとからA相補
正出力及びB相補正出力を求め、両者による偏差値を換
算データにより距離データに換算する。
【0082】以上まとめると、図1の実施形態と同様の
利点の他に、さらに、第1LPF7までに存在している
オフセットをオフセット電圧調整DAC回路15により
相殺しているため、DCアンプ9での利得が大きくでき
ることになり、ADC11で読み取れる電圧の範囲を実
質上拡げることができる。
【0083】ここで、上記実施形態の補正計算について
詳しく説明する。
【0084】まず、線形アンプの一般式は、 Y=GX+B Y:アンプ出力 G:アンプゲイン X:入力信号 B:オフセット で表される。
【0085】DACアンプ、差動トランス(LVDT)
を含んだこの差動トランス用アンプの入出力は、 Y=G×N(D)×X(L)+B+Voff(D4) N(D):DACアンプ設定データにより決まる倍率 D:DACアンプ設定データ X(L):LVDT入出力関数 Voff(D4):オフセット電圧調整DAC出力電圧 D4:オフセット電圧調整DAC設定データ D4aとD4bがある Y,G,B:上記に同じ で表される。
【0086】差動トランスにはその特性上次の関係があ
る。
【0087】Xa(L)−Xb(L)=L×GL Xa(L):差動トランスのA相入出力関数 Xb(L):差動トランスのB相入出力関数 L:計測距離 GL:差動トランス距離換算データ 基準位置を設定した時の回路状態をG,B,Voff
(D4a又はb)で表し、基準位置をL0で示すとき、
各相の出力は、 Ya(L0)=G×N(D3)×Xa(L0)+B+Voff(D4a) …a Yb(L0)=G×N(D3)×Xb(L0)+B+Voff(D4b) …b Ya(L0)−Yb(L0) ={G×N(D3)×Xa(L0)+B+Voff(D4a)} −{G×N(D3)×Xb(L0)+B+Voff(D4b)} =G×N(D3)×{Xa(L0)−Xb(L0)} +{Voff(D4a)一Voff(D4b)} … 同じ回路状態において計測位置L1で計測すると Ya(L1)=G×N(D3)×Xa(L1)+B+Voff(D4a) …a Yb(L1)=G×N(D3)×Xb(LI)+B+Voff(D4b) …b Ya(L1)−Yb(L1) ={G×N(D3)×Xa(L1)+B+Voff(D4a)} −{G×N(D3)×Xb(L1)+B+Voff(D4b)} =G×N(D3)×{Xa(L1)−Xb(L1) +{Voff(D4a)−Voff(D4b)} … 基準位置L0と計測位置L1との位置偏差は、式−
式となる。
【0088】 {Ya(L1)−Yb(L1)}−{Ya(L0)一Yb(L0)} =G×N(D3)×{Xa(L1)−Xb(L1)} +{Voff(D4a)−Voff(D4b)} −G×N(D3)×{Xa(L0)−Xb(L0)} +{Voff(D4a)−Voff(D4b)} =G×N(D3)×[{Xa(L1)−Xb(L1)} −{Xa(L0)−Xb(L0)}] … 疑似信号読み値Ya1,Ya2,Yb1,Yb2は、 Ya1=G×N(Da1)+B+Voff(D4a) Ya2=G×N(Da2)+B+Voff(D4a) Yb1=G×N(Db1)+B+Voff(D4b) Yb2=G×N(Db2)+B十Voff(D4b) そこで、回路状態が変化し、G´,B´,Voff(D
4a又はb)´になりA相,B相の読み値がYa´,Y
b´になったとすると、 Ya´(L1)=G´×N(D3)×Xa(L1)+B
´+Voff(D4a)´ Yb´(L1)=G´×N(D3)×Xb(LI)+B
´+Voff(D4b)´ Ya´(L1)−Yb´(L1)=G´×N(D3)×
{Xa(L1)−Xb(LI)}+{Voff(D4
a)´−Voff(D4b)´} 疑似信号読み値Ya1´,Ya2´,Yb1´,Yb2
´は、 Ya1´=G´×N(Da1)+B´+Voff(D4a)´ Ya2´=G´×N(Da2)+B´+Voff(D4a)´ Yb1´=G´×N(Db1)+B´+Voff(D4b)´ Yb2´=G´×N(Db2)+B´+Voff(D4b)´ この読み取り値を補正式にあてはめた結果が、基準位置
を設定した時の回路状態における基準位置L0と計測位
置L1との差による式になれば補正できたことにな
る。
【0089】 Yxa={Ya´(L1)−Ya1´} ×{(Ya1−Ya2)/(Ya1´−Ya2´)} −{Ya(L0)−Ya1} (補正式) ={Ya´(L1)−Ya1´} ×[{G×N(D1)+B+Voff(D4a)} −{G×N(D2)+B+Voff(D4a)}] /[{G´×N(D1)+B´+Voff(D4a)´} −{G´×N(D2)+B´+Voff(D4a)´}] −{Ya(L0)−Ya1} ={Ya´(L1)−Ya1´} ×{G×N(D1)−G×N(D2)} /[G´×{N(D1)−N(D2)}] −{Ya(L0)−Ya1} ={Ya´(L1)−Ya1´} ×G×{N(D1)−N(D2)} /[G´×{N(D1)−N(D2)}] −{Ya(L0)−Ya1} ={Ya´(L1)−Ya1´}×G/G´ −{Ya(L0)−Ya1} =[{G´×N(D3)×Xa(L1) +B´+Voff(D4a)´} −{G´×N(D1)+B´+Voff(D4a)´}] ×G/G´ −[{G×N(D3)×Xa(L0) +B+Voff(D4a)} −{G×N(D1)+B+Voff(D4a)}] =G´×{N(D3)×Xa(L1)−N(D1)}×G/G´ −G×{N(D3)×Xa(L0)−N(D1)} ={N(D3)×Xa(L1)−N(D1)}×G −G×{N(D3)×Xa(L0)−N(D1)} =G×N(D3)×{Xa(L1)−Xa(L0)} 同様に、 Yxb={Yb´(L1)−Yb1´} ×{(Y1−Y2)/(Y1´−Y2´)} −{Yb(L0)−Yb1} (補正式) =G×N(D3)×{Xb(L1)−Xb(L0)} 基準位置との差の値=Yxa−Yxb =G×N(D3)×{Xa(L1)−Xa(L0)} −G×N(D3)×{Xb(L1)−Xb(L0)} =G×N(D3)×[{(Xa(L1)−Xb(L1)} −{Xa(L0)−Xb(L0)}] 上式は、計測位置から基準位置を引いた値(式)にな
っている。
【0090】距離データに換算すると、 距離=(Yxa−Yxb)×La/{Ya(Lc)−Y
b(Lc)} となる。
【0091】次に、本発明の差動トランス用アンプの具
体的な例を説明する。
【0092】図3に示されるように、差動トランス用ア
ンプは、疑似信号DAC回路301、発振回路302、
基準電源303、サイズシフトDAC回路304、同期
タイミング発生回路305、チャンネル#1〜#4から
なるアナログ回路群、アナログマルチプレクサ306、
LPF307、ADC308、アナログ入力バッファ
群、入力ポート309、出力ポート310、データバス
311、センサコネクタ312、補助コネクタ313を
備えている。ADC308、入力ポート309、出力ポ
ート310には、データバス311を介し図示されない
CPUが接続されている。センサコネクタ312には各
チャンネルにそれぞれ1基の差動トランスの一次側コイ
ル及びA相,B相の二次側コイルを接続することができ
る。
【0093】アナログ回路群は、チャンネル#1のみ詳
細が示されるように、バッファ回路(ACカップリン
グ)401、加算アンプ402、位相調整回路403、
同期検波タイミング回路404、ACアンプ405、同
期検波回路406、LPF407、DCアンプ408、
反転アンプ409、断線検出410、入力選択スイッチ
411、チャンネル選択スイッチ412を備えている。
アナログ入力バッファ群は、補助コネクタ313を介し
て入力されるアナログ入力のための4つのアナログ入力
バッファ451〜454を備えている。
【0094】CPUで出力電圧が制御される疑似信号D
AC回路301はDACアンプ3に相当し、発振回路3
02は発振器2に相当し、基準電源303は基準電源1
3に相当すると共に発振回路302に発振電圧基準電源
を供給し、CPUで出力電圧が制御されるサイズシフト
DAC回路304はオフセット電圧DAC回路14に相
当し、各チャンネルのLPF407及びDCアンプ40
8出力を選択してLPF307に入力するアナログマル
チプレクサ306は第2マルチプレクサ15に相当し、
LPF307は第2LPF10に相当し、ADC308
はADC11に相当し、ACアンプ405はACアンプ
5に相当し、交流信号の振幅を検出する同期検波回路4
06は整流回路6に相当し、LPF407は第1LPF
7に相当し、DCアンプ408はDCアンプ9に相当
し、センサコネクタ312からの入力及び疑似信号DA
C回路301の出力を選択する入力選択スイッチ411
はマルチプレクサ4に相当する。
【0095】図3の差動トランス用アンプは、各チャン
ネルを切り替えて使用することにより、励磁入力やオフ
セット電圧を発生するDAC回路及びデータを読み取る
ADCが複数の差動トランス共通に使用できる。
【0096】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0097】(1)予め(温度変化が生じる前に)測定
しておいた初期データと、その後、計測時(温度変化が
生じた後に)測定した計測データとを演算することによ
って、温度補償が達成される。この演算は、データ演算
であるから温度には無関係に結果を出すことができる。
【0098】(2)初期データを差動トランスのコアの
基準位置にて測定し、基準位置よりコアをずらせて換算
データを測定するようにしたので、回路状態が変動しな
いうちにこれらのデータを得ることができる。
【0099】(3)オフセットを相殺してデータを読み
取るので、アンプの利得が大きくできることになり、読
み取れる電圧の範囲を実質上拡げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す差動トランス用アン
プのブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す差動トランス用ア
ンプのブロック図である。
【図3】本発明の差動トランス用アンプの具体的回路の
一例を示す回路図である。
【図4】本発明の方法を適用した差動トランス用アンプ
の入出力特性図である。
【図5】差動トランス用アンプの入出力特性図である。
【符号の説明】
1 差動トランス 2 発振器 3 DACアンプ 5 ACアンプ 8 オフセット電圧調整回路 9 DCアンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 差動トランスの一次側コイルに励磁入力
    を供給すると共に二次側コイルのA相及びB相の出力を
    増幅する差動トランス用アンプの温度補償方法におい
    て、予め初期データとして、上記A相及びB相の増幅出
    力をそれぞれ測定すると共に、上記励磁入力を少なくと
    も2点設定しその励磁入力を直接増幅した増幅出力をそ
    れぞれ測定しておき、計測時、計測データとして上記A
    相及びB相の増幅出力と上記2点の励磁入力増幅出力と
    をそれぞれ測定し、これら計測データ及び上記初期デー
    タを演算してA相及びB相の増幅出力を補正することを
    特徴とする差動トランス用アンプの温度補償方法。
  2. 【請求項2】 上記初期データ及び計測データは、予め
    A相及びB相の増幅出力を測定し、これを相殺するため
    のオフセットデータをそれぞれ求めておき、これらオフ
    セットデータによる調整成分を重畳した増幅出力から測
    定することを特徴とする請求項1記載の差動トランス用
    アンプの温度補償方法。
  3. 【請求項3】 上記初期データを上記差動トランスのコ
    アの基準位置にて測定すると共に、換算データとして基
    準位置より上記コアを所定距離ずらせた位置で各相の増
    幅出力を測定しておき、この換算データにより、上記補
    正されたA相及びB相の増幅出力の差を上記コアが基準
    位置から変位した距離データに換算することを特徴とす
    る請求項1又は2記載の差動トランス用アンプの温度補
    償方法。
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