JPH0918396A - 無線通信装置およびその送信ダイバーシチ回路 - Google Patents

無線通信装置およびその送信ダイバーシチ回路

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JPH0918396A
JPH0918396A JP7165093A JP16509395A JPH0918396A JP H0918396 A JPH0918396 A JP H0918396A JP 7165093 A JP7165093 A JP 7165093A JP 16509395 A JP16509395 A JP 16509395A JP H0918396 A JPH0918396 A JP H0918396A
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JP
Japan
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part component
transmission
reception
imaginary part
circuit
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Application number
JP7165093A
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English (en)
Inventor
Kiyoko Kanzaki
希世子 神埼
Hidehiro Takahashi
英博 高橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 送信電力を増加させることなく変動速度の速
いフェージングに対しても特性の良好な送信ダイバーシ
チを行なえるようにする。 【構成】 各受信機3a,3bから出力される受信信号
の複素平面上における実部成分および虚部成分に対応し
てそれぞれ実数推定回路21aI,21aQ,21b
I,21bQを設け、これらの実数推定回路21aI,
21aQ,21bI,21bQにおいて、過去の3つの
受信スロットで受信された各受信信号の実部成分および
虚部成分より次の送信スロットにおける伝送路伝搬係数
を推定する。そして、これら実部成分および虚部成分の
各推定値の絶対値を絶対値計算回路22a,22bで求
め、これらの絶対値を比較回路23で比較してその大き
い方に対応するアンテナ1a,1bを選択して送信する
ようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車・携帯電
話システム、簡易携帯電話システム(PHS)および無
線LANシステムなどの移動通信システムの基地局や、
自動車電話装置等の車載用移動局として使用される無線
通信装置に係わり、特にアンテナダイバーシチ機能を備
えた装置およびその送信ダイバーシチ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】無線通信システムにおいて、フェージン
グを克服する技術の一つとしてダイバーシチ技術が知ら
れている。ダイバーシチには種々の方式があるが、その
中に距離的に離れて設置された複数のアンテナを使用す
る受信ダイバーシチおよび送信ダイバーシチがある。
【0003】受信ダイバーシチは、例えば複数のアンテ
ナで同一の無線周波信号を受信し、その受信信号の内で
最も受信レベルの大きい信号を選択したり、すべての受
信信号を何らかの比率で加算合成することによりフェー
ジングの影響を軽減するものである。
【0004】一方、送信ダイバーシチとしては次のよう
な方式が検討されている。以下、送信リンクと受信リン
クとの分離を時間的に行なうTDD(Time Division Du
plex;時分割双方向多重)方式を採用した場合を例にと
って説明する。TDD方式は、上り方向の通信と下り方
向の通信を共通の無線周波数を使用して交互に行なうも
ので、例えば図10に示すような伝送フォーマットを使
用する。すなわち、1フレームは受信期間と送信期間と
に二分され、これらの受信期間および送信期間ごとにそ
れぞれ4個の受信スロットR1〜R4および4個の送信
スロットT1〜T4が時分割多重されている。そして、
通信を行なう場合、無線通信装置は上記4組の送受信ス
ロットの中から空いているスロットを選択して通信を行
なう。なお、図10では受信スロットR1および送信ス
ロットT1の組を使用した場合を示している。
【0005】このようなTDD方式を使用した無線通信
装置において送信ダイバーシチを行なう場合には、例え
ば受信スロット期間t(-1)において複数の送受共用アン
テナで無線周波信号をそれぞれ受信し、その受信信号の
電力レベルが最も大きいアンテナを選択する。そして、
次の送信スロット期間t(0) においてこの選択したアン
テナから送信信号を送信する。この方式は、時刻t(0)
で送信を行なう場合、過去の時刻t(-1)における受信電
力レベルの比較結果がそのまま持続するであろうとの考
えに基づいている。
【0006】しかし、この方式を実行するには、通信相
手を含めたアンテナの位置や反射物体の位置などの電波
伝搬環境が時間によって変動することがないとの前提が
必要である。なぜなら、先行する受信期間において複数
のアンテナで無線周波信号を受信して受信電力レベルが
大きいアンテナを決定したとしても、次の送信期間まで
の間にフェージング状況が変動してしまえば、送信ダイ
バーシチの送信アンテナ選択基準の信頼度は低下するか
らである。したがって、このような過去の電波伝搬環境
が未来も持続するだろうとの予測の基に送信アンテナを
選択する方式は、フェージングの変動が低速の場合にの
み効果を発揮する。
【0007】一方、フェージングの変動がある程度速い
場合の対応として、線形予測の手法が提案されている。
例えば、1993年電子情報通信学会春季大会(B-413
)「TDMA/TDD伝送方式における予測型送信ダ
イバーシチ適用効果」(近藤靖、諏訪敬祐)には、受信
電力レベルを基に線形予測を行ない、その予測結果に基
づいて送信に使用するアンテナを選択する方式が示され
ている。しかし、この方式もフェージングの変動速度が
さらに高速になった場合には特性が劣化してしまう。
【0008】フェージングの変動速度が高速になって送
信ダイバーシチ特性が劣化した場合に、通信品質をある
程度良好に保つ方法としては、例えば送信電力を増大す
る方法が用いられる。しかし、送信電力を増大すること
は、例えば消費電力が増大してバッテリ交換周期を早め
ることになるため経済的に不利であり、さらに他の通信
システムに対し干渉妨害を与える虞れが増大するため、
好ましい方式とはいえなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように従来
より提案されている送信ダイバーシチ方式は、例えば高
速移動体通信を行なう場合のようにフェージングの変動
速度が高速になると特性の劣化を生じる。そして、この
送信ダイバーシチ特性の劣化を補償するために送信電力
を増加させると、経済性の面で不利であることは勿論の
こと、他の通信システムに干渉妨害を与える虞れが増大
するという別の問題点を生じていた。
【0010】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、送信電力を増加させるこ
となく変動速度の速いフェージングに対しても特性の良
好な送信ダイバーシチを行ない得る無線通信装置および
その送信ダイバーシチ回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の無線通信装置は、受信信号の複素平面上にお
ける実部成分および虚部成分を表わす情報を検出し、こ
の検出された実部成分および虚部成分の情報に基づいて
送信に最適なアンテナを推定するための推定手段を備
え、送信時に、複数のアンテナの中から上記推定手段に
より推定された最適なアンテナを選択し、このアンテナ
に送信回路を接続して送信を行なわせるようにしたもの
である。
【0012】また本発明は、送信リンクと受信リンクと
の分離方式として時分割双方向多重方式を採用し、上記
推定手段において、複数の送受共用アンテナでそれぞれ
受信された受信信号ごとにその複素平面上における実部
成分および虚部成分を表わす情報を検出し、この検出さ
れた実部成分および虚部成分の情報に基づいて未来の送
信に最適なアンテナを推定することも特徴としている。
【0013】上記推定手段としては、複数の送受共用ア
ンテナでそれぞれ得られた受信信号ごとにその複素平面
上における実部成分および虚部成分の値をそれぞれ検出
して、この検出された複素平面上の実部成分および虚部
成分の値の各々から未来の実部成分および虚部成分の値
を推定し、この推定された未来の実部成分および虚部成
分の値に対応する絶対値を算出して、この算出された絶
対値を相互に比較してその最大値を検出し、この最大値
に対応するアンテナを判定する構成が考えられる。
【0014】またこのうち未来の実部成分および虚部成
分の値を推定する手段としては、過去の複数の受信期間
において検出された実部成分または虚部成分の値を検出
順に記憶する複数段のシフトレジスタと、このシフトレ
ジスタの各段から並列に読み出された実部成分または虚
部成分の値に対しそれぞれ予め定められた係数で重み付
けを行なう複数の重み付け回路と、これらの重み付け回
路から出力された値を相互に加算し、この加算結果を未
来の実部成分あるいは虚部成分の推定値として出力する
ための加算回路とを備えたものが考えられる。
【0015】一方本発明の送信ダイバーシチ回路は、複
数の送受共用アンテナでそれぞれ受信された受信信号ご
とにその複素平面上における実部成分および虚部成分を
表わす情報を検出し、この検出された実部成分および虚
部成分の情報に基づいて未来の送信に最適なアンテナを
推定するための推定手段を備え、未来の送信時に、上記
複数の送受共用アンテナの中から上記推定手段により推
定された最適なアンテナを選択し、このアンテナに送信
回路を接続して送信を行なわせるようにしたものであ
る。
【0016】
【作用】この結果本発明の無線通信装置およびその送信
ダイバーシチ回路によれば、受信信号の複素平面上にお
ける実部成分および虚部成分の値をもとに未来の送信期
間における伝送路の状態が推定され、この推定結果にし
たがって最適なアンテナを選択されて送信が行なわれる
ことになる。このため、受信電力レベルを検出してその
検出値をもとに推定を行なう従来の方式に比べて、フェ
ージング変動による伝送路損失の変化を比較的緩慢な変
化として検出することが可能となり、これによりフェー
ジングが高速度に変動する場合でも比較的特性の良い送
信ダイバーシチを行なうことが可能となる。
【0017】また、時分割双方向多重方式を採用した無
線通信装置に本発明を適用することで、送信リンクと同
じ搬送波周波数で受信された受信信号をもとに送信に使
用するアンテナを推定できるので、周波数選択性フェー
ジングの影響を受けずに高精度の送信ダイバーシチを行
なうことが可能となる。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に係わる無線通信
装置として、上りリンクと下りリンクの分離方式として
TDD方式を採用したPHS基地局の構成を示す回路ブ
ロック図である。
【0019】本実施例の装置は、2本の送受共用アンテ
ナ1a,1bを有している。これらの送受共用アンテナ
1a,1bは、互いに所定の距離だけ離間して配置され
ている。これらの送受共用アンテナ1a,1bで受信さ
れた無線周波信号は、それぞれ高周波スイッチ2a,2
bを介して受信機3a,3bに入力される。これらの受
信機3a,3bでは、受信信号を中間周波信号に変換す
るための周波数変換が行なわれ、その出力信号は受信ダ
イバーシチ回路4に入力される。なお、高周波スイッチ
2a,2bは、制御回路13から供給されるスイッチ制
御信号SSa,SSbに従って、TDDフレームの受信
期間にオンとなり送信期間にオフとなる。
【0020】受信ダイバーシチ回路4は、上記受信機3
a,3bから入力された各受信中間周波信号の電力値を
それぞれ検出し、電力値の大きい方の受信中間周波信号
を選択して復調回路(DEM)5に供給する。復調回路
5では、上記受信中間周波信号からディジタル信号が復
調される。復調方式としては、π/4シフトQPSK
(π/4 shifted quadrature phase shift keying)方
式に対応して直交検波方式が使用される。
【0021】そして、上記復調回路5から出力された復
調ディジタル信号はTDMA(timedivision multiple
access ;時分割多元接続)回路6に入力される。TD
MA回路6では、制御回路13の指示に従って受信スロ
ットごとに復調ディジタル信号が分解され、この分解さ
れたディジタル信号はADPCM(adaptive different
ial pulse code modulation ;適応差分符号化)コーデ
ック(ADPCM−COD)7に入力される。ADPC
Mコーデック7は上記復調ディジタル信号をアナログ通
話信号に復号し、この復号されたアナログ通話信号を図
示しない公衆電話網の加入者線8へ送信する。
【0022】これに対し、図示しない公衆電話網から加
入者線8を介して到来したアナログ通話信号は、ADP
CMコーデック7でディジタル化されたのち適応差分符
号化され、TDMA回路6に入力される。TDMA回路
6は、制御回路13の指示に従って、上記ADPCMコ
ーデック6から出力されたディジタル通話信号を所望の
送信スロットに挿入して多重化し、この多重化ディジタ
ル通話信号を変調回路(MOD)9に供給する。変調回
路9では、上記多重化ディジタル通話信号により中間周
波信号がπ/4QPSK方式により変調され、この変調
された中間周波信号は送信機10に入力される。
【0023】送信機10は、上記変調中間周波信号を図
示しない周波数シンセサイザから発生された局部発振信
号とミキシングすることにより無線周波数に周波数変換
し、さらに所定の送信電力レベルに増幅する。そして、
この送信信号を切替スイッチ11に供給する。この切替
スイッチ11は、後述する送信ダイバーシチ回路12か
ら出力されるアンテナ選択信号SWSにより切り替わ
り、上記送信信号を送受共用アンテナ1aまたは送受共
用アンテナ1bに供給して送信させる。
【0024】ところで、送信ダイバーシチ推定回路12
は次のように構成される。図2はその構成を示す回路ブ
ロック図である。すなわち、送信ダイバーシチ回路12
は、受信機3a,3bの各々に対応して2個ずつ設けら
れた合計4個の実数推定回路21aI,21aQ,21
bI,21bQと、実数推定回路21aI,21aQお
よび実数推定回路21bI,21bQに対応して設けら
れた2個の絶対値計算回路22a,22bと、比較回路
23とから構成される。
【0025】上記実数推定回路21aI,21aQ,2
1bI,21bQには、受信機3a,3bからそれぞれ
出力された受信信号の複素平面上における実部成分およ
び虚部成分が入力される。図3は実数推定回路21a
I,21aQ,21bI,21bQの構成を示す回路ブ
ロック図である。実数推定回路21aI,21aQ,2
1bI,21bQは、3ビット構成のシフトレジスタ2
11と、3個の乗算器からなる重み付け回路212と、
加算回路213とから構成される。
【0026】シフトレジスタ211には、通信中の受信
スロット(例えば図10ではR1)のうち過去の3つの
受信スロットで受信された受信信号レベルの実部成分ま
たは虚部成分が順次シフト入力される。そして、一つの
スロットの受信信号レベルが入力されるごとに、各ビッ
トに保持された受信信号レベルを並列に読み出して重み
付け回路212の各乗算器に入力する。
【0027】ここで、重み付け回路212の各乗算器に
は、上記シフトレジスタ211に保持されている受信信
号レベルの古い順に対応して重み付け係数(3,−1
0,15)が予め設定されている。この重み付け係数の
値は、伝送路の伝搬係数の時間変化を例えば図9に示す
ような2次曲線と看做し、この2次曲線の時刻t0 にお
ける伝搬係数値y0 を推測するものとして算出した値で
ある。
【0028】すなわち、2次曲線は、 y=a0 +a1 x+a2 x2 で表わせることから、過去の3つの受信スロットタイミ
ングt(-1),t(-3),t(-5)における伝搬係数値y-1,
y-3,y-5は、それぞれ y(-1)=a0 +a1(-1) +a2(-1) 2 y(-3)=a0 +a1(-3) +a2(-3) 2 y(-5)=a0 +a1(-5) +a2(-5) 2 で表わされる。
【0029】そして、この連立方程式を解くと、 a0 =(15y(-1)−10y(-3)+3y(-5))/8 となり、上記重み付け係数(3,−10,15)が求ま
る。
【0030】重み付け回路212の各乗算器は、シフト
レジスタ211から出力された受信信号レベルに上記重
み付け係数(3,−10,15)を乗算し、その乗算値
を加算回路213へそれぞれ出力する。加算回路213
は重み付け回路212の各乗算器から出力された乗算
値、つまり重み付け後の受信信号レベルを相互に加算
し、その加算値を次の送信スロット期間t0 における伝
送路の伝搬係数の実部推定値または虚部推定値として絶
対値計算回路22a,22bへ出力する。
【0031】絶対値計算回路22a,22bは、それぞ
れ上記実数推定回路21aI,21aQおよび実数推定
回路21bI,21bQから出力された伝搬係数の実部
推定値と虚部推定値との絶対値の和を計算するもので、
例えば図4に示すように構成されている。すなわち、絶
対値計算回路22a,22bは、実部推定値および虚部
推定値をそれぞれ二乗する自乗乗算器221I,221
Qと、これらの自乗乗算器221I,221Qの出力を
加算する加算器222と、この加算器222の出力を開
平演算して複素数の絶対値を出力する開平器223とか
ら構成される。
【0032】比較回路23は、上記各絶対値計算回路2
2a,22bから出力された絶対値の大小を比較し、そ
の判定結果をアンテナ選択制御信号SWSとして前記切
替スイッチ11に供給する。
【0033】次に、以上のように構成された装置の動作
を説明する。いま仮に図10に示したように、各フレー
ムごとに受信スロットR1にて受信を行なうとともに送
信スロットT1にて送信を行なっているものとする。
【0034】各受信スロットR1ごとに各送受共用アン
テナ1a,1bで受信された無線周波信号は、受信機3
a,3bで中間周波信号に変換されたのち受信ダイバー
シチ回路4に入力され、ここで受信電力値の大きいほう
が選択されて復調回路5に供給される。
【0035】一方、上記各受信機3a,3bから出力さ
れた受信中間周波信号は送信ダイバーシチ回路12に入
力される。なお、このとき受信中間周波信号は、複素平
面上の実部成分と虚部成分とに分けられて受信機3a,
3bから出力される。
【0036】送信ダイバーシチ回路12では、上記受信
機3a,3bから出力された受信中間周波信号の実部成
分および虚部成分がそれぞれ実数推定回路21aI,2
1aQ,21bI,21bQのシフトレジスタ211に
シフト入力される。シフトレジスタ211は3ビットか
らなり、受信スロットR1に係わる過去の3つの受信タ
イミングt(-5),t(-3),t(-1))にて検出された受信
信号値が順に記憶される。シフトレジスタ211に過去
の3つの受信タイミングt(-5),t(-3),t(-1))の受
信信号値が記憶されると、これら3つの受信信号値はそ
れぞれ重み付け回路212の各乗算器に読み出され、こ
れらの乗算器で予め設定してある重み付け係数(×3,
×−10,×15)が乗算されて重み付けがなされる。
そして、これらの重み付けされた3つの受信信号値は加
算回路213で相互に加算されて推定値として出力され
る。かくして、次の送信スロットT1の送信タイミング
t0 における伝送路伝搬係数の推定値が求められる。
【0037】ところで、この推定値は受信信号の複素平
面上における実部成分または虚部成分について求めたも
のであるため、受信電力値について推定値を求める場合
に比べて、フェージング変動による受信信号レベルの変
化の影響が少ない値となる。これは、受信信号レベルの
複素平面上における実部成分および虚部成分の値をそれ
ぞれIr,Qrとすると、受信電力値Prは P=Ir2 +Qr2 で表わされることから明らかである。すなわち、受信信
号レベルがフェージング変動を起こすと、受信電力値P
は受信信号レベルの実部成分および虚部成分Ir,Qr
の二乗和となるため、その変化量が大きくなる。これに
対し、受信信号レベルの実部成分および虚部成分Ir,
Qrの変化量は、受信電力Pの平方根となるため小さく
なる。
【0038】図5はフェージングによる伝送路伝搬損失
の変化の一例を示したもので、このような伝搬損失の変
化に対しその伝搬係数の変化を複素数(実部および虚
部)で表すと、図6に示すように比較的緩慢なものとな
る。ちなみに、同じ伝搬損失変化に対しその伝搬係数の
変化を電力値で表わすと、図7に示すようにその時間変
化量は図6の場合に比べて傾きが急なものとなる。
【0039】そうして実数推定回路21aI,21a
Q,21bI,21bQにおいてそれぞれ送信タイミン
グt0 における伝搬係数の推定値が求まると、絶対値計
算回路22a,22bにおいてそれぞれ実部成分の推定
値と虚部成分の推定値との絶対値が算出される。そし
て、これらの絶対値計算回路22a,22bにより得ら
れた各絶対値は比較回路23においてその大きさが相互
に比較され、その比較結果を表わす信号がアンテナ選択
制御信号SWSとして切り替えスイッチ11に供給され
る。
【0040】例えば、いま絶対値計算回路22aから出
力された絶対値の方が大きかったとすれば、この絶対値
計算回路22aに対応する送受共用アンテナ1aを選択
するためのアンテナ選択制御信号SWSが送信スロット
タイミングt0 において出力される。このため、切替ス
イッチ11は送受共用アンテナ1a側に切り替わり、こ
れにより送信機10から出力された無線送信信号は送受
共用アンテナ1aから送信される。同様に、絶対値計算
回路22bから出力された絶対値の方が大きかったとす
れば、この絶対値計算回路22bに対応する送受共用ア
ンテナ1bを選択するためのアンテナ選択制御信号SW
Sが送信スロットタイミングt0 において出力される。
このため、切替スイッチ11は送受共用アンテナ1b側
に切り替わり、これにより送信機10から出力された無
線送信信号は送受共用アンテナ1bから送信される。
【0041】なお、絶対値計算回路22a,22bから
出力された各絶対値の差が一定範囲内であり、ほとんど
差がない場合には、例えば前回の送信スロットタイミン
グt(-2)において選択した側を引き続き選択するための
アンテナ選択制御信号SWSを出力する。
【0042】このように本実施例では、各受信機3a,
3bから出力される受信信号の複素平面上における実部
成分および虚部成分に対応してそれぞれ実数推定回路2
1aI,21aQ,21bI,21bQを設け、これら
の実数推定回路21aI,21aQ,21bI,21b
Qにおいて、過去の3つの受信スロットで受信された各
受信信号の実部成分および虚部成分より次の送信スロッ
トにおける伝送路伝搬係数を推定する。そして、これら
実部成分および虚部成分の各推定値の絶対値を絶対値計
算回路22a,22bで求め、これらの絶対値を比較回
路23で比較してその大きい方に対応する送受共用アン
テナ1a,1bを選択して送信するようにしている。
【0043】したがって本実施例によれば、受信信号の
複素平面上の実部成分および虚部成分をもとに次の送信
スロットにおける伝送路伝搬係数が推定されるので、受
信信号の電力値を検出してその検出値をもとに推定を行
なう従来の方式に比べて、フェージング変動による伝送
路損失の変化を比較的緩慢な変化として検出することが
でき、これによりフェージングが高速度に変動する場合
でも比較的特性の良好な送信ダイバーシチを行なうこと
が可能となる。例えば、従来では歩行速度程度でしか良
好な通信を行なえなかったものが、小走りまたは自転車
速度程度でも比較的良好な通信を行なえるようになる。
【0044】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、前記実施例では実数推定回路21
aI,21aQ,21bI,21bQを過去の3受信ス
ロットにおける受信信号値をもとに推定を行なうように
構成したが、過去の4つの受信スロット以上の受信スロ
ットあるいは過去の2つの受信スロットにおける受信信
号値をもとに推定を行なうように構成してもよい。
【0045】この場合、例えば過去の4スロットの受信
信号値をもとに推定する場合には、シフトレジスタを4
ビット構成とするとともに重み付け回路の乗算器を4個
にし、これらの乗算器に受信タイミングが古い順に重み
付け係数(−5,21,−35.35)を予め与えてお
けばよい。この重み付け係数は、過去の4つの受信スロ
ットタイミングt(-7),t(-5),t(-3),t(-1)にわた
る伝送路伝搬係数の変化特性が3次曲線で、つまり3次
多項式で表わされると看做し、この3次多項式を解くこ
とにより求められる。
【0046】また、過去の2スロットの受信信号値をも
とに推定する場合には、シフトレジスタを2ビット構成
とするとともに重み付け回路の乗算器を2個にし、これ
らの乗算器に受信タイミングが古い順に重み付け係数
(−1,3)を予め与えておけばよい。この重み付け係
数は、過去の2つの受信スロットタイミングt(-3),t
(-1)にわたる伝送路伝搬係数の変化特性が1次式で表わ
されると看做し、この1次式を解くことにより求められ
る。
【0047】また前記実施例では、絶対値計算回路22
a,22bに開平器223を設け、この開平器223に
より開平演算を行なって絶対値を出力するようにした
が、図8に示すごとく開平器223を用いずに自乗乗算
器221I′,221Q′および加算器222′のみに
より構成してもよい。このように構成すると、開平器2
23を省略した分だけ回路構成を簡単化することができ
る。また、絶対値計算回路22a′,22b′からは絶
対値の二乗値がそのまま出力されることになるが、比較
回路23では絶対値計算回路22a′22b′の出力の
大小判定のみを行なえればよいので、何ら問題はない。
【0048】さらに前記実施例では、実数推定回路21
aI,21aQ,21bI,21bQを各受信機3a,
3bから出力される受信信号の複素平面上における実部
成分および虚部成分に対応してそれぞれ設けたが、各受
信機3a,3bから出力される受信信号の実部成分およ
び虚部成分をそれぞれメモリに一次記憶し、これらの記
憶値を1個の実数推定回路に順次読み出してそれぞれ推
定値を求めるようにしてもよい。このようにすると、高
速度のメモリおよび実数推定回路が必要になるが、実数
推定回路の数を1/4にすることができるのでその分構
成を簡単化することができる。
【0049】さらに前記実施例では、ディジタル回路に
より構成される送信ダイバーシチ回路12を制御回路1
3とは別に設けたが、制御回路13のソフトウエアに同
じ機能を持たせるようにしてもよい。
【0050】さらに、前記実施例ではTDD方式を採用
した無線通信装置を例にとって説明したが、周波数選択
性フェージングの影響が小さい場合であればFDD方式
を採用した無線通信装置に適用してもよい。
【0051】その他、アンテナ数や送信ダイバーシチ回
路の回路構成、推定処理の内容、適用する無線通信装置
の種類(自動車・携帯電話システムや無線LANシステ
ムの基地局、自動車電話装置やMCAシステム用の無線
端末装置等の車載用移動局として使用される無線通信装
置)や構成等についても、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形して実施できる。なお、以上述べた各実施
例では送信ダイバーシチについて説明したが、受信ダイ
バーシチにも同様の推定処理を適用してもよい。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、受信信
号の複素平面上における実部成分および虚部成分を表わ
す情報を検出し、この検出された実部成分および虚部成
分の情報に基づいて送信に最適なアンテナを推定するた
めの推定手段を備え、送信時に、複数のアンテナの中か
ら上記推定手段により推定された最適なアンテナを選択
し、このアンテナに送信回路を接続して送信を行なわせ
るようにしている。
【0053】したがって本発明によれば、送信電力を増
加させることなく変動速度の速いフェージングに対して
も特性の良好な送信ダイバーシチを行ない得る無線通信
装置およびその送信ダイバーシチ回路を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる無線通信装置とし
て、上りリンクと下りリンクの分離方式としてTDD方
式を採用したPHS基地局の構成を示す回路ブロック
図。
【図2】図1に示した無線通信装置の送信ダイバーシチ
推定回路の構成を示す回路ブロック図。
【図3】図2に示した送信ダイバーシチ回路の実数推定
回路の構成を示す回路ブロック図。
【図4】図2に示した送信ダイバーシチ回路の絶対値計
算回路の構成を示す回路ブロック図。
【図5】移動無線伝送路における伝送損失の時間変化の
一例を示す図。
【図6】図5に示した伝送損失に対応する伝搬係数の時
間変化を複素数で表わした図。
【図7】図5に示した伝送損失に対応する伝搬係数の時
間変化を電力値で表わした図。
【図8】図4に示した絶対値計算回路の他の構成例を示
す回路ブロック図。
【図9】実数推定回路の重み付け回路に与えられる重み
付け係数の算出手法を説明する際に使用する図。
【図10】TDMA/TDD方式における伝送フォーマ
ットの構成の一例を示す図。
【符号の説明】
1a,1b…送受共用アンテナ 2a,2b…高周波スイッチ 3a,3b…受信機 4…受信ダイバーシチ回路 5…復調回路(DEM) 6…TDMA回路 7…ADPCMコーデック 8…加入者線 9…変調回路(MOD) 10…送信機 11…切替スイッチ 12…送信ダイバーシチ回路 13…制御回路 21aI,21aQ,21bI,21bQ…実数推定回
路 22a,22b,22a′,22b′…絶対値計算回路 23…比較回路 211…シフトレジスタ 212…重み付け回路 213…加算回路 221I,221Q,221I′,221Q′…自乗乗
算器 222,222′…加算器 223…開平器 SWS…アンテナ選択制御信号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号から得られる情報に基づいて複
    数のアンテナを選択的に使用して送信を行なう送信ダイ
    バーシチ機能を備えた無線通信装置において、 受信信号の複素平面上における実部成分および虚部成分
    を表わす情報を検出し、この検出された実部成分および
    虚部成分の情報に基づいて送信に最適なアンテナを推定
    するための推定手段と、 送信時に、前記複数のアンテナの中から前記推定手段に
    より推定された最適なアンテナを選択し、このアンテナ
    に送信回路を接続して送信を行なわせるためのアンテナ
    選択手段とを具備したことを特徴とする無線通信装置。
  2. 【請求項2】 上りリンクと下りリンクとを分離する方
    式として時分割双方向多重方式を採用し、前記推定手段
    は、複数の送受共用アンテナでそれぞれ受信された受信
    信号ごとにその複素平面上における実部成分および虚部
    成分を表わす情報を検出し、この検出された実部成分お
    よび虚部成分の情報に基づいて未来の送信に最適なアン
    テナを推定することを特徴とする請求項1記載の無線通
    信装置。
  3. 【請求項3】 前記推定手段は、 前記複数の送受共用アンテナでそれぞれ得られた受信信
    号ごとにその複素平面上における実部成分および虚部成
    分の値をそれぞれ検出するための検出手段と、 この検出手段により検出された複素平面上の実部成分お
    よび虚部成分の値の各々から未来の実部成分および虚部
    成分の値を推定するための実数推定手段と、 この実数推定手段により推定された未来の実部成分およ
    び虚部成分の値に対応する絶対値を算出するための絶対
    値算出手段と、 この絶対値算出手段により算出された絶対値を相互に比
    較してその最大値を検出し、この最大値に対応するアン
    テナを判定する比較手段とを備えたことを特徴とする請
    求項2記載の無線通信装置。
  4. 【請求項4】 前記実数推定手段は、過去の複数の受信
    期間において検出された実部成分または虚部成分の値を
    検出順に記憶する複数段のシフトレジスタと、 このシフトレジスタの各段から並列に読み出された実部
    成分または虚部成分の値に対しそれぞれ予め定められた
    係数で重み付けを行なう複数の重み付け回路と、 これらの重み付け回路から出力された値を相互に加算
    し、この加算結果を未来の実部成分あるいは虚部成分の
    推定値として出力するための加算回路とを備えたことを
    特徴とする請求項3記載の無線通信装置。
  5. 【請求項5】 上りリンクと下りリンクとを分離する方
    式として時分割双方向多重方式を採用し、複数の送受共
    用アンテナを選択的に使用して送受信を行なう機能を有
    した無線通信装置に設けられる送信ダイバーシチ回路に
    おいて、 前記複数の送受共用アンテナでそれぞれ受信された受信
    信号ごとにその複素平面上における実部成分および虚部
    成分を表わす情報を検出し、この検出された実部成分お
    よび虚部成分の情報に基づいて未来の送信に最適なアン
    テナを推定するための推定手段と、 前記未来の送信時に、前記複数の送受共用アンテナの中
    から前記推定手段により推定された最適なアンテナを選
    択し、このアンテナに送信回路を接続して送信を行なわ
    せるためのアンテナ選択手段とを具備したことを特徴と
    する送信ダイバーシチ回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6226508B1 (en) 1997-07-04 2001-05-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Transmission diversity apparatus
JP2001308761A (ja) * 2000-04-26 2001-11-02 Toshiba Corp 移動無線端末

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