JPH09183938A - 表面被覆用組成物 - Google Patents

表面被覆用組成物

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JPH09183938A
JPH09183938A JP7343474A JP34347495A JPH09183938A JP H09183938 A JPH09183938 A JP H09183938A JP 7343474 A JP7343474 A JP 7343474A JP 34347495 A JP34347495 A JP 34347495A JP H09183938 A JPH09183938 A JP H09183938A
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JP
Japan
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ink
solid content
surface coating
ratio
polyvinyl alcohol
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Application number
JP7343474A
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English (en)
Inventor
Kiyobumi Tanaka
清文 田中
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 透明性、インク吸収性、インク定着性、イン
ク発色性、インクドットの濃度、インクドット真円性、
耐ブロッキン性、耐湿性(保存性)に優れ、インクジェ
ット記録方式におけるOHP用シートなどのインク受容
層に好適な表面被覆用組成物を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール誘導体の水溶液
又はエマルジョン、カチオン性基を側鎖に有する化合
物の水溶液又はエマルジョン、自己乳化型ポリイソシ
アネートおよび、軟化点100 ℃以上で、粒径2 μm 以
上10μm 以下の球形樹脂又はその水性分散液からなり、
との固形分の重量比が98:2 〜60:40、との成
分の固形分の合計重量との固形分の重量の比が98:2
〜80:20、ととの固形分の合計重量との固形分
の重量の比が99.8:0.2 〜99:1 である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙などの記録
媒体上にインク滴を飛ばして文字や画像を印刷するイン
クジェット記録方式に用いられる記録媒体のインク受容
層を形成する表面被覆用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式における
記録媒体としては、例えば特開昭60-220750号公報に記
載のポリエステルフィルムなどの基材の表面にけん化度
70〜90モル%の水溶性ポリビニルアルコールからなる親
水性被膜を設けてインク受容層としたオーバーヘッドプ
ロジェクター(OHP)用シート、特公平3-26665 号公
報に記載の紙などの基材の表面に微粉シリカとポリビニ
ルアルコールのような水溶性バインダーを含むインク受
容層を設けた記録紙、更には特開平7-61113 号公報に記
載の基材の少なくとも一方の面にポリビニルアセタール
樹脂とカチオン性化合物との混合物からなるインク受容
層を設けた記録媒体などが使用されてきた。 記録媒体
が、例えば透明なプラスチックフィルムの一面にインク
受容層を設けたOHP用シートや図面を作成するための
原紙用シートなどの場合は、インク受容層には、(1)
透明性、(2)インク吸収性、(3)インク定着性、
(4)インク発色性、(5)インクドットの濃度、
(6)インクドットの真円性、(7)耐ブロッキング
性、(8)耐湿性(保存性)などが要求される。しか
し、前記の従来技術では、(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)などの画像形成性に関わる要因はほぼ満
足しているが、OHPシートや図面作成用シートとして
使用する場合に重要なポイントとなる透明性が不十分で
あった。又、透明性を重視したインク受容層は、耐ブロ
ッキング性や耐湿性が劣っていた。つまり、従来技術で
は、透明性と上記した(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)などの画像形成性と耐ブロッキング性、
耐湿性のすべてを同時に満足させることは非常に困難で
あり、インクジェット記録方式における記録媒体として
十分満足出来るインク受容層を提供することは出来なか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記従来の問題点に鑑み、透明性かつインク吸収
性、インク定着性、インク発色性、インクドットの濃
度、インクドットの真円性、耐ブロッキング性、耐湿性
などに優れ、インクジェット記録方式におけるOHP用
シートや図面作成用シートなどの記録媒体のインク受容
層に好適な表面被覆用組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記表面被覆用
組成物が、インクジェット記録方式における記録媒体の
インク受容層として好適であることを見出し本発明を完
成させた。すなわち、本発明の表面被覆用組成物は、 ポリビニルアルコール誘導体の水溶液又はエマルジ
ョン カチオン性基を側鎖に有する化合物の水溶液又はエ
マルジョン 自己乳化型ポリイソシアネートおよび 軟化点100 ℃以上で、粒径 2μm 以上10μm 以下の
ポリオレフィン系球形樹脂又はその水性分散液からな
り、 A:との成分の固形分の重量比が98:2 〜60:40 B:との成分の固形分の合計重量との成分の固形
分の重量の比が98:2 〜80:20および C:ととの成分の固形分の合計重量との成分の
固形分の重量の比が99.8:0.2 〜99:1であることを特
徴とするものである。また、ポリビニルアルコール誘導
体が、アルキルアセタール化ポリビニルアルコールであ
り、カチオン性基を側鎖に有する化合物が、カチオン性
基を有するビニル系モノマーと疎水性基を有するビニル
系モノマーとの共重合体からなる親水性アクリル樹脂で
あることを好適とする。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
表面被覆用組成物を構成する成分のポリビニルアルコ
ール誘導体の水溶液又はエマルジョンは、主に得られる
インク受容層のインクの吸収体として働き、また成分
のバインダーとしても機能する。ポリビニルアルコール
誘導体としては、酢酸ビニルと例えば塩化ビニル、エチ
レン、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、ジメチル
アミノエチルメタアクリレートあるいはその4級化物な
どとのコポリマーをけん化して得られる変性ポリビニル
アルコールや、ポリビニルアルコールとその水酸基と反
応性を有する化合物、例えばメラミン樹脂、イソシアネ
ート化合物、アルデヒド類、エポキシ化合物、ホウ素或
いはクロム等を有する化合物等との反応生成物等が挙げ
られる。本発明においては、ポリビニルアルコールとア
ルデヒド化合物との反応生成物であるアセタ−ル化ポリ
ビニルアルコールが、特にインク吸収性に優れているの
で最も好ましい。アルデヒド化合物としては、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、
ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソプロピ
ルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒ
ドなどの脂肪族飽和モノアルデヒド、アクロレイン、ク
ロトンアルデヒド、プロピオールアルデヒド、ヘキセナ
ール、ヘプテナールなどの脂肪族不飽和アルデヒド、グ
リオキサール、スクシンジアルデヒド、グルタルジアル
デヒド、アジピンジアルデヒド、ピペリンジアルデヒ
ド、スベリンジアルデヒド、セバシンジアルデヒドなど
の脂肪族ジアルデヒド、ベンズアルデヒド、o−、m
−、p−トルアルデヒド、ベンジルアルデヒド、サリチ
ルアルデヒド、シンナムアルデヒド、α- またはβ- ナ
フトアルデヒドなどの芳香族アルデヒド、フルフラール
などの複素環アルデヒドが挙げられる。中でも、イソブ
チルアルデヒド、イソプロピルアルデヒドに代表される
脂肪族アルデヒド、ベンジルアルデヒドに代表される芳
香族アルデヒドが好適である。ポリビニルアルコール
は、そのけん化度が75〜98モル%の範囲であることが好
ましい。75モル%未満及び98モル%を超えたものを用い
たインク受容層は、インク吸収性が低く、そのためビー
ディング、境界滲みなどを引き起こし、画像品位が悪く
なる傾向にある。また、平均重合度は500 〜4500の範囲
が好ましい。500 未満及び4500を越えたものを用いる
と、耐湿性が悪くなったり、インク吸収性が劣る場合が
ある。得られたポリビニルアセタールは、そのアセター
ル化度が2 〜40モル%の範囲であることが好ましい。2
モル%に満たない場合は、通常のポリビニルアルコール
を用いた場合と大差はなく、画像上に、ビーディング、
境界滲みなどを引き起こす恐れがあり、また40モル%を
超えると、インク吸収性が低下し画質が悪くなる恐れが
あるので好ましくない。
【0006】成分のカチオン性基を側鎖に有する化合
物の水溶液又はエマルジョンは、インクの吸収、染料と
の反応、境界滲みを抑えることなどにより印刷特性の向
上に作用する。カチオン性基を側鎖に有する化合物とし
ては、ビニルピロリドン系モノマー、ビニルオキサゾリ
ドン系モノマー及びビニルイミダゾール系モノマーのそ
れぞれ単独、或いは前記単独モノマーと共重合可能なモ
ノマーとの共重合体などのカチオン変性したポリビニル
アルコールや同様のセルロース誘導体などが挙げられ
る。これらと共重合可能なモノマーとしては、メタクリ
レート、アクリレート、アクリロニトリル、ビニルエー
テル、酢酸ビニル、エチレン、スチレンなどが挙げられ
る。中でも、カチオン性基を有するビニル系モノマーと
疎水性基を有するビニル系モノマーとの共重合体である
親水性アクリル樹脂がコポリマーの状態で親水性を有す
ることによりインクの吸収性、インクの定着性が満足で
き、さらに他の成分とアロイ化することが可能なので最
も好ましい。この親水性アクリル樹脂を構成する各ビニ
ル系モノマーは、それぞれ下記の2つの群より各1種以
上選択される。カチオン性基を有するビニル系モノマー
としては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジエチル
アミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタ
アクリレート、メチルエチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレ
ン、メチルエチルアミノスチレン、およびその4級化化
合物など、側鎖に1〜3級アミンないし4級アンモニウ
ム塩基を有するものなどが挙げられる。疎水性基を有す
るビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメ
タクリル酸アルキルエステル、スチレン、ビニルトルエ
ン、酢酸ビニル、エチレンなどが挙げられる。また、必
要に応じて、例えば2- ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの親水性
モノマーを構成単位として含んでいてもよい。親水性ア
クリル樹脂は、その共重合組成が、カチオン性基を有す
るモノマー/疎水性基を有するモノマー=1 / 9 〜9 /
1 (モル比)であることが好ましい。この範囲外では、
親水性、インクの吸収性、インク定着性、インク発色性
が不十分であったり、また、耐湿性が不足したり、境界
滲みを起こしたりする場合がある。ここで、、にお
ける水溶液とは、、の固形分が水に溶解しているも
のをいい、エマルジョンとは、の固形分が水中に分
散しているものをいう。
【0007】成分の自己乳化型ポリイソシアネート
は、成分および成分中のカルボキシル基や水酸基と
反応し架橋構造を形成することにより、得られるインク
受容層の耐湿性や耐擦傷性を向上させる働きをする。自
己乳化型ポリイソシアネートとしては、イソシアヌレー
ト環を含有するヘキサメチレンジイソシアネート重合体
とアルコキシポリアルキレングリコールの反応生成物で
ある末端がイソシアネート基である自己乳化型プレポリ
マーがポットライフ、作業性、耐湿性の点で好適であ
る。原料のイソシアヌレート環を含有するヘキサメチレ
ンジイソシアネートの重合体は、下記の触媒を単独使用
または併用し、必要に応じて助触媒を用いて、100℃以
下で、ヘキサメチレンジイソシアネートをイソシアヌレ
ート化反応させることにより得ることが出来る。この触
媒としては、第3級アミン類、アルキル置換エチレンイ
ミン類、第3級アルキルホスフィン類、アセチルアセト
ン金属塩類、各種有機酸の金属塩類などが挙げられる。
また、助触媒としては、フェノール性ヒドロキシ化合
物、アルコール性ヒドロキシ化合物、第3級アミン類な
どを用いることにより反応を更に容易に進めることが出
来る。触媒は、停止剤として公知の強酸、例えばリン
酸、硫酸などを使用すれば不活性化することが出来る。
アルコキシポリアルキレングリコールの一般式は、R1O-
(R2O)n-Hで示され、ここで、R1 はアルキル基、R2
アルキレン基である。このアルコキシ基全体が非イオン
性界面活性剤的な働きをするため、自己乳化性の特徴を
発揮すると考えられる。本発明においては、平均分子量
が250 〜4000のものが使用される。250 未満では水乳化
性が不足し、4000を越えると、水中安定性が悪くなると
同時に、平均分子量4000以上の化合物は結晶性が高いた
め、得られるプレポリマー自体の低温での貯蔵安定性が
低下し、濁りなどが発生し好ましくない。自己乳化型プ
レポリマーの製造は、公知の方法でよく、一般的には溶
媒の不存在下で行われる。残存NCO含有量は、15〜24
%に調整することが好ましい。15%未満であると、乳化
時、乳化粒子の界面層において親水性が必要以上に強く
なるため安定性が悪くなり、また、高粘度となるため分
散性が劣り、また24%を超えると、界面層における親水
性が不足するため、安定な乳化液が形成され難く好まし
くない。このプレポリマーは、水分散後、プレポリマー
粒子表面にポリウレタン保護皮膜を形成し、プレポリマ
ーのイソシアネート基と水との反応を抑制し得る状態を
保つので、安定化したイソシアネートエマルジョンを得
ることが出来る。
【0008】次に、成分の軟化点100 ℃以上で粒径2
μm 以上10μm 以下のポリオレフィン系球形樹脂は、前
記成分と成分とを混合すると、得られるインク受容
層の表面に滑性を与え、対接する記録媒体やインク受容
層の表面に対する耐ブロッキング性や耐擦傷性を向上す
る。特に、無定形のシリカや樹脂粉末などを用いる場合
に発生する振動などによるインク受容層表面や印字部の
損傷を防止する。このポリオレフィン系球形樹脂として
は、硬質ポリエチレン(屈折率1.54)、ポリプロピレン
(1.49)などが挙げられ(ワックスやシリコーンオイル
などは含まない。)、また、これらの水性分散液は、従
来公知の方法により製造すればよいが、屈折率は1.47〜
1.54の範囲が好ましい。本発明において、前記のポリオ
レフィン系球形樹脂においては、軟化点が100 ℃未満、
または個々の粒子の粒径が2μm 未満であると十分なブ
ロッキング防止効果が得られず、また、個々の粒子の粒
径が10μm を超えると塗膜から脱落するので好ましくな
い。このような条件に適合する市販品としては、例え
ば、三井石油化学社製ケミパールW300、W308などが挙げ
られる。これらポリオレフィン系球形樹脂の他にポリビ
ニルアルコールの屈折率が1.47〜1.53の範囲にあるポリ
メチルメタクリレート、ポリアセタールなどを使用して
もよい。
【0009】本発明の表面被覆用組成物はこれを構成す
る上記〜の各成分が、 A: 成分と成分の各固形分の重量比が98:2 〜60:
40 B: との各固形分の合計重量との固形分の重量の
比が98:2 〜80:20 C: ととの各固形分の合計重量との固形分の重
量の比が99.8:0.2 〜99 :1 の3条件を満たしていることに技術的な特徴がある。
【0010】上記Aの条件において、成分の固形分の
比率が2 %未満では、得られるインク受容層の耐湿性が
低く、高温高湿度下で画像に経時的な境界滲みを発生す
ることがあり、また40%を超えると、インク吸収性が劣
り、インクジェット印刷後に指で触れられるようになる
までの時間が長くなるばかりでなく、吸収しきれない部
分が画像のムラとなり不適当である。又、上記Bの条件
において、成分の固形分の比率が2 %未満では、得ら
れるインク受容層の耐湿性向上の効果が認められない
し、また20%を超えると、硬化後の密度が高くなりす
ぎ、インクジェット印刷した場合に、被覆層(インク受
容層のインクが載っている部分)に亀裂を生じて不適当
である。さらに、上記Cの条件において、成分の固形
分の比率が0.2 %未満では、インク受容層の耐擦傷性が
劣り、かつ記録媒体同士のブロッキングを生じることが
あり、また1%を超えると、基材へのインク受容層の定
着性が悪くなり、更に透明性も劣ることから不適当であ
る。
【0011】本発明の表面被覆用組成物の製造方法とし
ては、上記〜の各成分を各々前記の方法に従って別
々に調製し、前記のA〜Cの3つの条件の固形分重量比
の範囲内で4つの成分を混合すればよい。その際、前記
(1)〜(8)などのインク受容層としての特性に影響
を及ぼさない範囲で、必要に応じて、界面活性剤、可塑
剤、融合剤、レベリング剤、湿潤剤、消泡剤、防腐剤、
紫外線吸収剤、染料、顔料、酸化防止剤、無機粉末、酸
などを適宜加えることが出来る。これらの添加剤は通常
用いられるものであればどのようなものでもよい。
【0012】上記の方法で製造された本発明の表面被覆
用組成物が塗布される基材としては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリロ
ニトリル、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、
ポリスチレンなどの透明若しくは半透明プラスチックの
ほか、無機フィラーや顔料などを添加した不透明プラス
チックの単独あるいはアロイなどからなるフィルムもし
くはシートが挙げられる。更に、必要に応じて、紙、不
織布もしくは織布の単独またはこれらと上記フィルムも
しくはシートとの組み合わせも使用することが出来る。
【0013】表面被覆用組成物の上記基材への塗布方法
としては、浸漬法、スプレー法、フローコート法、グラ
ビア法、ロールコート法、マイヤーバーコート法、コン
マコート法などが用いられ、これにより平滑な表面のイ
ンク受容層を形成することが出来る。
【0014】表面被覆用組成物が基材へ塗布された上記
の記録媒体は、各素材の熱変形かつ熱変質温度以下で乾
燥固化される。素材の種類によっても異なるが、通常、
温度が40〜140 ℃、好ましくは60〜120 ℃の範囲内で固
化され、固化したインク受容層は、厚さが通常3 〜20μ
m 、好ましくは5 〜15μm の範囲内である。ただし、
紙、不織布もしくは織布などの浸透性のある素材を用い
る場合はこの限りではない。
【0015】さらに必要に応じて、インク受容層の平滑
化或いは表面強度強化のためにスーパーカレンダー処理
などを施しても良い。また、基材において、少なくとも
表面被覆用組成物を塗布する面に凹凸を施したり、コロ
ナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理などの接着性改良
処理を施すことにより、インク受容層と基材の接着性を
更に改善することができる。
【0016】本発明の表面被覆用組成物を基材に塗布し
た記録媒体は、透明性やインク吸収性、インクの定着
性、インクの発色性、インクドットの濃度、インクドッ
トの真円性などで示される画像形成性、耐ブロッキング
性、耐湿性等に優れているため、インクジェット記録方
式が適用されるOHP用シートや図面作成用シートとし
ての使用に適している。本発明の表面被覆組成物は、特
に、これまでの技術では実現できていない透明性、画像
形成性、耐ブロッキング性、耐湿性を同時に付与するこ
とが必要である場合、その被覆剤として用いるとより効
果的であり、電飾看板、被覆物製造分野およびプラスチ
ック加工分野においても利用することが出来る。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明する。但し、本発明はこれらに何ら限定され
るものではない。尚、文中、部または%とある場合、特
に断りのない限り重量基準である。 (使用成分の明細) ポリビニルアルコール誘導体の水溶液 積水化学工業(株)製のエスレックKW-10 (アルキルア
セタール化ポリビニルアルコール)(固形分[=表中
N.V.とする]は20%) アルキル基はポリビニルアリール基、ポリビニルアルコ
ールのけん化度は85モル%、平均重合度は3500程度、ア
セタール化度は10モル%である。 カチオン性基を側鎖に有する化合物の水溶液 日本純薬(株)製のジュリマーSP-50TF (カチオン性基
を側鎖に有する親水性アクリル樹脂)(固形分は20%) カチオン性基を有するビニル系モノマーとしてはアクリ
ル系4級アンモニウム塩化合物を、疎水性基を有するビ
ニル系モノマーとしてはメチルメタクレートを使用した
共重合体である。 自己乳化型ポリイソシアネート 日本ポリウレタン工業(株)製のDC-3901 (固形分は10
0 %) 軟化点100 ℃以上で粒径2 μm以上10μm以下のポリ
オレフィン系球形樹脂の水性分散液 三井石油化学(株)製のケミパールW-308 (ポリエチレ
ンビーズ水性分散液)(固形分は40%) 軟化点は、113 ℃、粒径は、7μmである。
【0018】(実施例1〜9、比較例1〜12)上記の各
成分を用いて、表1に示す混合割合の表面被覆用組成物
を製造した。実施例においては、塗布時は、いずれも、
水:IPA (イソプロピルアルコール)=85:15 の溶媒を
用いて希釈し、固形分を約14%に調整した。ただし、上
記の変わりに、比較例10では、軟化点100 ℃以上で粒
径0.5 μm又は1μmの球形樹脂又はその水性分散液と
して三井石油化学(株)製:W-900 を、また比較例11で
は、軟化点100 ℃以上で粒径12μmの球形樹脂又はその
水性分散液として日本純薬(株)製ジュリマー:MB-10X
を、比較例で12は軟化点100 ℃未満で粒径1μm以上10
μm以下の球形樹脂又はその水性分散液としてポリウレ
タン製ビーズの粒径が5μmのものを使用した。
【0019】
【表1】
【0020】次に、これらの表面被覆用組成物を厚さ0.
1mm 、幅300mm 、長さ400mm の二軸延伸されたポリエチ
レンテレフタレート製のシート:ルミラー(東レ(株)
製商品名)上に26mil バーコーターを用いて塗布した
後、直ちに熱風乾燥機に入れて100 ℃で5分間乾燥及び
固化をおこない、厚さ7.3 μm のインク受容層を有する
記録媒体を得た。得られた記録媒体についてカラーバブ
ルジェットプリンター:BJC-600 J(キャノン(株)製
商品名)により画像印刷を行い、各項目について次の方
法により評価を行なった結果を表2に示す。
【0021】(評価項目) (1)透明性 OHP:型番 CL-303(ライオン(株)製商品名)にて
投影した際の画像を目視により下記の基準で評価した。 ○━明度が高いもの △━中位のもの ×━明度を欠き、画像全体が暗く見えるもの
【0022】(2)インク吸収性 それぞれの記録媒体を30℃、80%の環境下において、イ
エローとシアン、イエローとマゼンダ、シアンとマゼン
ダの組み合わせで各2色のフルドットで印刷してから放
置した後、画像に指触した時に、インクがインク受容層
内部に取り込まれて指に付着しなくなるか否かを下記の
基準で判断した。 ○━10分以内に指に付着しなくなる場合 △━20分以内に指に付着しなくなる場合 ×━20分経過しても付着する場合 (3)インク発色性 それぞれの記録媒体をOHP:CL-303(ライオン(株)
製商品名)に投影した時の画像にて、レッド、グリー
ン、ブルーのベタ印字部について画像を目視にて下記の
基準で評価した。 ○━鮮明なもの △━中位のもの ×━鮮明さを欠き暗く写るもの ー━試験せず
【0023】(4)耐ブロッキング性 30℃、80%の環境下において、イエロー、シアン、マゼ
ンダの各2色組み合わせでのフルドットで印刷してから
30分経過後、記録面にPPC 用紙をあてた後、クリアポケ
ットファイル(ライオン(株)製商品名)内に封入し、
この状態で40g/ cm2 の圧力を60分間加えた後に、記録
媒体とPPC 用紙が容易に剥離できるか否かを下記の基準
で判断した。 ○━容易に剥離できるもの △━中位のもの ×─剥離出来ずにインク受容層がPPC 用紙に転写した
り、PPC 用紙の一部が記録画像面に粘着したままのもの
【0024】(5)被覆物の耐湿性 それぞれの記録媒体を35℃、90%の環境下に7日間保管
した後に、20℃、55%の環境下に1日間保管し、その後
に、23℃、55%の環境下で上記のプリンターを用いて画
像を形成した後、下記の基準で評価した。 ○━保存前の記録媒体に比べ変化の認められないもの △━中位のもの ×━保存前の記録媒体に比べ、インクの溢れ、滲み出
し、文字太りが発生し、画質が著しく劣っているもの ××━インク吸収性の低下以外に、画像濃度の低下やフ
ィルムの白濁(透明性の低下)などの問題が発生してい
るもの (6)画像の耐湿性 それぞれの記録媒体にベタ印刷した画像について下記の
基準で評価した。 ○━濃淡にムラが認められないもの △━中位のもの ×━印字物から50cm離した目視で濃淡ムラを確認できる
もの (7)画像の保存性 それぞれの記録媒体を35℃、90%の環境下に7日間保管
した後に、下記の基準で保存前の画像と比較評価した。 ○━保存前の画像に比べ、インクの溢れ、滲み出し、文
字太りが発生し、画質が著しく劣っているもの △━中位のもの ×━上記の変化が認められないもの
【0025】(8)ビーディング:ドット集合の画像に
おいて、それぞれ別々に形成された各々のドットが独立
していることの確認試験 それぞれの記録媒体に上記の記録装置を用いてベタ印刷
した印字物の2つの単色インクの混合色である、レッ
ド、グリーン、ブルーそれぞれのベタ印字部について、
下記の基準で評価した。 ○━濃淡にムラが認められないもの(各々のドットが独
立しているもの) △━中位のもの(各ドットの境界が一部不明瞭なもの) ×━印字物から25cm離した目視で濃淡ムラを確認できる
もの 評価結果を表2に示した。
【0026】
【表2】
【0027】(試験結果)表2において、実施例1、
5、9及び比較例1、2、7は、成分と成分の固形
分の比率を規定したときの効果を、実施例1、3、5、
7、9、及び比較例3、4、8は、成分と成分の固
形分の合計重量と成分の固形分の重量の比率を規定し
たときの効果を、実施例3、4、7、8、9及び比較例
5、6、9は〜成分の固形分の合計重量と成分の
固形分の重量の比率を規定したときの効果を、比較例1
0、11、12はポリオレフィン系球形樹脂による効果をそ
れぞれ明らかにする実験結果を示したものである。
【0028】
【発明の効果】本発明の表面被覆用組成物を基材に塗
布、乾燥して得られた記録媒体は、透明性、インク吸収
性、インクの定着性、インクの発色性、インクドットの
濃度、インクドットの真円性、耐ブロッキング性、耐湿
性のすべての性質において優れているので、インクジェ
ット記録方式における記録媒体のインク受容層として適
用することが出来る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08J 7/16 C08J 7/16 (C09D 129/14 123:00)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール誘導体の水溶液
    又はエマルジョン、 カチオン性基を側鎖に有する化合物の水溶液又はエ
    マルジョン、 自己乳化型ポリイソシアネートおよび 軟化点100 ℃以上で、粒径2 μm 以上10μm 以下の
    ポリオレフィン系球形樹脂又はその水性分散液からな
    り、 A:との成分の固形分の重量比が98:2 〜60:40、 B:との成分の固形分の合計重量との成分の固形
    分の重量の比が98:2 〜80:20および C:ととの成分の固形分の合計重量との成分の
    固形分の重量の比が99.8:0.2 〜99:1であることを特
    徴とする表面被覆用組成物。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール誘導体が、アセタ
    ール化ポリビニルアルコールである請求項1に記載の表
    面被覆用組成物。
  3. 【請求項3】 カチオン性基を側鎖に有する化合物が、
    カチオン性基を有するビニル系モノマーと疎水性基を有
    するビニル系モノマーとの共重合体からなる親水性アク
    リル樹脂である請求項1又は2に記載の表面被覆用組成
    物。
JP7343474A 1995-12-28 1995-12-28 表面被覆用組成物 Pending JPH09183938A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999046130A1 (fr) * 1998-03-10 1999-09-16 Nicca Chemical Co., Ltd. Agent ameliorant l'impermeabilite a l'eau pour papier d'impression par jets d'encre et papier d'impression par jets d'encre
EP1116599A3 (en) * 2000-01-13 2003-08-13 Eastman Kodak Company Process for making an ink jet image display
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JP2007269022A (ja) * 2006-03-10 2007-10-18 Yasuhiko Tokuchi レンチキュラーレンズベースコーティング用受理材及びそれを用いた3dプリント用シート
JP2010214846A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Riso Kagaku Corp インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法

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