JPH09183690A - 熱遮蔽体及びその脱着用治具 - Google Patents

熱遮蔽体及びその脱着用治具

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JPH09183690A
JPH09183690A JP34348595A JP34348595A JPH09183690A JP H09183690 A JPH09183690 A JP H09183690A JP 34348595 A JP34348595 A JP 34348595A JP 34348595 A JP34348595 A JP 34348595A JP H09183690 A JPH09183690 A JP H09183690A
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heat shield
shielding body
thermal shielding
single crystal
crucible
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JP34348595A
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English (en)
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Masahiko Okui
正彦 奥井
Toshiyuki Fujiwara
俊幸 藤原
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
Shuichi Inami
修一 稲見
Teruo Izumi
輝郎 和泉
Hiroshi Morita
洋 森田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の熱遮蔽体では、単結晶成長装置を清掃
する際に邪魔になる。また原料をチャージする際にこれ
が当接し易いので、熱遮蔽体が破損し、また原料の充填
率が低下する。また熱遮蔽体下部に原料が付着すると反
応生成物が生成され、これが混入して転位を発生させる
ので、Si単結晶67の品質が低下し易い。また熱遮蔽
体が一体的に構成されており、この下部が破損したり、
この下部に原料が固着した場合、熱遮蔽体全体を更新し
なければならず、コストが嵩んでいた。 【解決手段】 上部熱遮蔽体14と、上部熱遮蔽体14
の下端部14a内径dよりも大きい上端部15a外径D
を有する下部熱遮蔽体15とを備えた熱遮蔽体13。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱遮蔽体及びその脱
着用治具に関し、より詳細には、例えばチョクラルスキ
ー法等によりシリコン単結晶を引き上げる際に使用され
る単結晶成長装置の内部に配設される熱遮蔽体及びその
脱着用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶を成長させるには種々の方法があ
り、その一つにチョクラルスキー法(以下、CZ法と記
す)がある。図5はこのCZ法に用いられる従来の単結
晶成長装置の一部を摸式的に示した断面図であり、図中
61aは内層容器を示している。内層容器61aは石英
材料を用いて略有底円筒形状に形成され、内層容器61
aの外側には略有底円筒形状の黒鉛製外層容器61bが
嵌合されており、これら内層容器61aと外層容器61
bとにより坩堝61が構成されている。坩堝61は支持
軸62により支持されており、支持軸62は図中矢印方
向に回転し、かつ昇降するようになっている。また坩堝
61の外周にはさらにヒータ63が略同心円筒状に配設
され、ヒータ63の外周には保温筒64が略同心円筒状
に配設されており、坩堝61内にはヒータ63により結
晶用原料を溶融させた溶融液65が充填されるようにな
っている。坩堝61の中心軸上には引き上げ棒あるいは
ワイヤー等からなる引上軸66が吊設され、引上軸66
の下部にはシードチャック66aを介して種結晶66b
が取り付けられており、引上軸66は支持軸62の回転
と同一方向または逆方向に回転すると共に、上下方向に
移動するようになっている。そして種結晶66bを溶融
液65の表面に接触させ、引上軸66を回転させながら
引き上げることにより、溶融液65が凝固させられてS
i単結晶67が成長させられる。これら坩堝61、ヒー
タ63、引上軸66等を含んで単結晶成長装置60が構
成されている。
【0003】ところで、このように構成された単結晶成
長装置60を用いてSi単結晶67を引き上げる場合、
Si単結晶67の電気抵抗率や電気伝導型を調整するた
め、予め溶融液65中に不純物を添加しておくことが多
い。しかし通常のCZ法においては、Si単結晶67と
溶融液65との間に生じる偏析現象に起因し、成長軸方
向に均一な電気抵抗率を有するSi単結晶67が得られ
難いという問題があった。
【0004】前記偏析現象とは、Si単結晶67と溶融
液65との界面において、Si単結晶67中に取り込ま
れる不純物濃度と、溶融液65中の不純物濃度とが一致
しないことをいい、実効偏析係数ke(Si単結晶67
中の不純物濃度/溶融液65中の不純物濃度)は1より
小さくなる場合が多い。実効偏析係数keが1より小さ
いとこの偏析現象が生じ、Si単結晶67が成長するに
つれて溶融液65中の不純物濃度が次第に高まり、電気
抵抗率が小さくなる。したがって前記通常のCZ法によ
り成長させたSi単結晶67では、電気抵抗率に関して
一部に基準を満たさないものが製造されてしまい、歩留
りが低くなるという問題があった。
【0005】この問題に対処するため、溶融層法が開発
されている。この溶融層法の基本的な特徴は、図5に示
した単結晶成長装置60と同様に構成された装置を用
い、坩堝61内の前記結晶用原料をヒータ63により溶
融させ、上層に溶融層、下層に固体層を形成する。次に
該固体層をSi単結晶67の引き上げと共に次第に溶出
させることにより、前記溶融層中の不純物濃度を一定に
保つことにある。この際、前記溶融層の厚さはヒータ6
3の長さやパワー、坩堝61の位置、保温筒64の材質
や形状等により制御している。この溶融層法として溶融
層厚一定法と、溶融層厚変化法とが提案されている。
【0006】前記溶融層厚一定法としては、不純物を含
有しない固体層をSi単結晶67の引き上げに伴って溶
融させ、この溶融層の体積を一定に保ちつつ前記不純物
を連続的に添加することにより、前記溶融層中の不純物
濃度を一定に維持する方法が開示されている(以下、こ
の方法を溶融層厚一定法(1)と記す。特公昭34−8
242号公報、特公昭62−880号公報及び実開昭6
1−150862号公報)。また固体層中に所定濃度の
不純物を予め含有させておき、溶融層の体積を略一定に
保ちながら、Si単結晶67を引き上げつつ前記固体層
を溶融させていくことにより、前記溶融層中の不純物濃
度を一定に維持する方法が開示されている(以下、この
方法を溶融層厚一定法(2)と記す。特公昭62−88
0号公報及び特開昭63−252989号公報)。
【0007】また溶融層厚変化法として、溶融層の体積
を意図的に変化させることにより、前記不純物を追加す
ることなく、前記溶融層中の不純物濃度を一定に維持す
る方法が開示されている(特開昭61−205691号
公報、特開昭61−205692号公報及び特開昭61
−215285号公報)。
【0008】また従来の単結晶成長装置60を用いてS
i単結晶67を引き上げる場合、溶融液65表面、坩堝
61上部からの輻射熱によりSi単結晶67が過度に加
熱されて冷却速度が遅くなり、Si単結晶67中に酸素
析出物や転位ループが発生し易い。このようなSi単結
晶67から形成したウエハでは、該ウエハ表面のデバイ
ス活性領域に前記酸素析出物や前記転位ループが存在す
る確率も高く、リーク電流が増大し易くなり、デバイス
特性が劣化するという問題があった。また冷却速度が遅
いので、生産効率が劣るという問題があった。
【0009】これらの問題に対処するため、坩堝内の上
方に熱遮蔽体が配設された単結晶成長装置が開発されて
いる。図6は従来のこの種熱遮蔽体が配設された単結晶
成長装置の一部を模式的に示した断面図であり、図中6
1は坩堝を示している。坩堝61内における溶融液65
の上方には引上軸66と同心上に熱遮蔽体71が配設さ
れており、熱遮蔽体71は略逆裁頭円錐筒形状を有する
黒鉛製の熱遮蔽体本体72と、この上部に一体的に形成
された略リング形状を有する黒鉛製の支持板73とによ
り構成されている。また熱遮蔽体71は保温筒64等に
接続された支持部(図示せず)において支持されてい
る。その他の構成は図5に示したものと同様であるの
で、ここではその構成の詳細な説明は省略することとす
る。これら坩堝61、ヒータ63、引上軸66、熱遮蔽
体71等を含んで単結晶成長装置70が構成されてい
る。このように構成された単結晶成長装置70では、溶
融液65表面、坩堝61上部からの輻射熱が熱遮蔽板7
1により遮られ、引き上げられるSi単結晶67におけ
る過度の加熱が防止され、冷却速度が速められる。この
結果、前記酸素析出物や前記転位ループの発生が抑制さ
れると共に、生産効率が高められる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した単結
晶成長装置70内に配設された従来の熱遮蔽体71は、
単結晶成長装置70を解体して清掃する際に邪魔にな
り、構造的に弱い熱遮蔽体71下部が破損し易いという
課題があった。
【0011】また坩堝61内に結晶用原料をチャージす
る際、該原料が熱遮蔽体71下部に当接し易く、この結
果、熱遮蔽体71下部が破損し易いという課題があっ
た。また坩堝61内への原料の充填が困難なことから前
記原料の充填率が少なくなり、チャージ回数を多く必要
とするので、生産効率が低下するという課題があった。
また熱遮蔽体71下部に前記原料が当接してこれが付着
し、この付着した原料と熱遮蔽体71との反応で生成さ
れた反応物が溶融液65中に落下すると、これがSi単
結晶67に混入して転位を発生させるので、Si単結晶
67の品質が低下するという課題があった。
【0012】また熱遮蔽体71は一体的に構成されてお
り、この下部が破損したり、この下部に原料が固着した
場合、熱遮蔽体71全体を更新しなければならず、コス
トが嵩むという課題があった。
【0013】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、引き上げられるSi単結晶における過度の加
熱を防止し、冷却速度を速めて酸素析出物や転位ループ
の発生を抑制すると共に、生産効率を高めることがで
き、結晶用原料の挿入時や単結晶成長装置の清掃時に邪
魔になることなく、前記結晶用原料の充填率を高めると
共に、破損を防止することができ、交換が容易で常時反
応生成物の付着がない清浄なものにし易く、反応生成物
の混入による転位の発生を抑制することができ、かつコ
ストを削減することができる熱遮蔽体及びこの熱遮蔽体
を容易に脱着することができる脱着用治具を提供するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係る熱遮蔽体は、上部熱遮蔽体
と、該上部熱遮蔽体の下端部内径よりも大きい上端部外
径を有する下部熱遮蔽体とを備えていることを特徴とし
ている。
【0015】上記した熱遮蔽体によれば、前記上部熱遮
蔽体の下端部により前記下部熱遮蔽体の上端部が確実に
支持されて一体化され、坩堝やこの内部に充填された溶
融液の表面からの輻射熱が引上げられる単結晶に伝わっ
てこれが過度に加熱されるのが防止される。また脱着用
治具を利用すると前記下部熱遮蔽体のみを前記上部熱遮
蔽体に簡単に脱着させることができ、結晶用原料の挿入
時や前記単結晶成長装置の清掃時に前記下部熱遮蔽体を
外すことができるため、前記結晶用原料の充填率を高め
ると共に、生産効率を高めることができ、また熱遮蔽体
自体の破損を防止することができる。また前記下部熱遮
蔽体の交換が容易で、常時反応生成物の付着がない清浄
なものとし易いため、該反応生成物の落下・混入による
転位の発生を抑制することができる。また破損や反応生
成物の付着が生じても、前記下部熱遮蔽体のみを更新す
ればよく、熱遮蔽体全体を更新する場合に比べてコスト
を大幅に削減することができる。
【0016】また本発明に係る脱着用治具は、熱遮蔽体
の取り付け、取り外しを行なう脱着用治具であって、棒
状の軸部と、その先端あるいは途中に開閉可能に設けら
れた枝状の熱遮蔽体支持部とを備えていることを特徴と
している。
【0017】上記した脱着用治具によれば、下部熱遮蔽
体を上部熱遮蔽体に容易に取り付け、取り外しすること
ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る熱遮蔽体及び
その脱着用治具の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。なお、従来例と同一機能を有する構成部品には同一
の符号を付すこととする。図1は本発明に係る熱遮蔽体
の実施の形態1及びこの熱遮蔽体が配設された単結晶成
長装置を概略的に示した断面図であり、図中11はメイ
ンチャンバーを示している。メインチャンバー11は略
有底円筒形状の真空容器であり、メインチャンバー11
内の略中央部には図5に示したものと同様の坩堝61が
配設されており、坩堝61を構成する内装容器61aの
形状は、例えば直径が約16インチ、高さが約14イン
チに設定されている。坩堝61の外周には例えば約90
mmの発熱長を有するヒータ63aが同心円筒状に配設
されており、ヒータ63aの下方には例えば約90mm
の発熱長を有するサブヒータ63bが同心円筒状に配設
されている。またヒータ63a及びサブヒータ63bの
外周と、メインチャンバー11下部の内面とには保温筒
64a、64bがそれぞれ配設されており、メインチャ
ンバー11下部の側壁には排気系(図示せず)に接続さ
れた排気口11aが形成されている。また、メインチャ
ンバー11上部からは略円筒形状を有するプルチャンバ
ー12が連設されており、プルチャンバー12上部から
図5に示したものと同様の引上軸66が吊設されてい
る。
【0019】坩堝61内における溶融液65の上方に
は、引上軸66と同心状に熱遮蔽体13が配設されてお
り、熱遮蔽体13は略逆裁頭円錐筒形状を有する黒鉛製
の上部熱遮蔽体14と、比較的小形の略逆裁頭円錐筒形
状を有する黒鉛製の下部熱遮蔽体15とにより構成され
ている。上部熱遮蔽体14の下端部14aと下部熱遮蔽
体15の上端部15aとが対向する箇所には略鈎形状の
接続面14b、15bがそれぞれ形成されており、上部
熱遮蔽体14下端の内径dよりも下部熱遮蔽体15上端
の外径Dが大きく設定されている。そして下部熱遮蔽体
15と上部熱遮蔽体14とが接続面14b、15bで密
接し、下部熱遮蔽体15が上部熱遮蔽体14の下端部1
4aにより支持されるようになっている。また上部熱遮
蔽体14の上端部14dは保温筒64等に固定された支
持部16により支持されている。その他の構成は図5に
示したものと同様であるので、ここではその構成の詳細
な説明は省略することとする。これら坩堝61、ヒータ
63a、63b、保温筒64a、64b、引上軸66、
熱遮蔽体13等を含んで単結晶成長装置10が構成され
ている。
【0020】上記説明から明らかなように、実施の形態
1に係る熱遮蔽体13では、上部熱遮蔽体14と、上部
熱遮蔽体14の下端部14a内径dよりも大きい上端部
15a外径Dを有する下部熱遮蔽体15とを備えている
ので、上部熱遮蔽体14の下端部14aにより下部熱遮
蔽体15の上端部15aが確実に支持されて一体化さ
れ、坩堝61やこの内部に充填された溶融液65表面か
らの輻射熱が引き上げられる単結晶17に伝わってこれ
が過度に加熱されるのが防止される。また脱着用治具2
0(図2)を利用すると下部熱遮蔽体15のみを上部熱
遮蔽体14から簡単に脱着させることができ、結晶用原
料の挿入時や単結晶成長装置10の清掃時に下部熱遮蔽
体15を外すことができるため、結晶用原料の充填率を
高めると共に、生産効率を高めることができ、また熱遮
蔽体13自体の破損を防止することができる。また下部
熱遮蔽体15の交換が容易で、常時反応生成物の付着が
ない清浄なものとし易いため、反応生成物の落下・混入
による転位の発生を抑制することができる。また破損や
反応生成物の付着が生じても、下部熱遮蔽体15のみを
更新すればよく、熱遮蔽体13全体を更新する場合に比
べてコストを大幅に削減することができる。
【0021】図2は実施の形態2に係る脱着用治具と熱
遮蔽体とを概略的に示した断面図であり、図中21aは
略円筒形状の筐体を示している。筐体21aの所定箇所
には複数個の長孔21bが形成される一方、筐体21a
内には回転軸21cが配設されており、回転軸21cの
両端部はボール軸受け部21d、21eにより回動可能
に支持されている。回転軸21cの上端部は単結晶成長
装置10の引上軸66に接続される一方、回転軸21c
の所定箇所にはねじ部21fが形成され、ねじ部21f
にはナット部21gが螺合されている。これら筐体21
a、回転軸21c、ボール軸受部21d、21e、ネジ
部21f、ナット部21g等を含んで略棒状の軸部21
が構成されている。
【0022】またナット部21gには長孔21b内を通
る複数個の梁部22aの一端部が回動可能に軸支される
一方、ボール軸受け部21dには複数個の支持部22b
の一端部が回動可能に軸支されている。また梁部22a
の他端部には支持部22bの所定箇所がそれぞれ回動可
能に軸支されている。これら梁部22a、支持部22b
を含んで略枝状の熱遮蔽体支持部22が構成されてい
る。筐体21aは熱遮蔽体13に対して回転不能であ
り、引上軸66を回転させると、回転軸21cの回転に
伴ってナット部21gが上下方向に移動し、梁部22a
を介して複数個の支持部22b間の開度が約ゼロから角
度αまでの所定角度に設定されるようになっている。こ
れら軸部21、熱遮蔽体支持部22を含んで実施の形態
2に係る脱着用治具20が構成されている。
【0023】以下にこのように構成された脱着用治具2
0を用い、単結晶成長装置10内に設置された上部熱遮
蔽体14に下部熱遮蔽体15を取り付ける場合について
説明する。まず開度を所定角度αに設定し、複数個の支
持部22b上部間に下部熱遮蔽体15を下端部15aか
ら挿入し、下部熱遮蔽体15の外面を支持部22bによ
り支持した後、引上軸66を下降させる。すると下部熱
遮蔽体15の接続面15bが上部熱遮蔽体14の接続面
14bに当接し、さらに引上軸66を下降させると、下
部熱遮蔽体15が上部熱遮蔽体14の下端部14aによ
り支持されると共に、支持部22bが下部熱遮蔽体15
から離れる。次に所定の位置で引上軸66の下降を停止
し、引上軸66を回転させて例えば支持部22bを仮想
線で示した支持部22cの位置まで閉じた後、引上軸6
6を引き上げると、脱着用治具20が単結晶成長装置1
0から取り出される。
【0024】上記説明から明らかなように、実施の形態
2に係る脱着用治具20では、下部熱遮蔽体15を上部
熱遮蔽体14に容易に取り付け、取り外しすることがで
きる。
【0025】図3は実施の形態3に係る熱遮蔽体及び脱
着用治具を概略的に示した断面図であり、図中14は図
1、2に示したものと略同様の上部熱遮蔽体を示してい
る。また下部熱遮蔽体35は黒鉛を用いて比較的小形の
略逆裁頭円錐筒形状に形成され、下部熱遮蔽体35上端
の外径Dは上部熱遮蔽体14下端の内径dよりも大きく
設定されている。下部熱遮蔽体35は上部熱遮蔽体14
内にはめ込まれており、これら上部熱遮蔽体14と下部
熱遮蔽体35とにより、実施の形態3に係る熱遮蔽体3
0が構成されている。
【0026】一方、図2に示したものと同様のナット部
21gには長孔21b内を通る複数個の梁部42aの一
端部が回動可能に軸支される一方、図2に示したものと
同様のボール軸受け部21dには複数個の支持部42b
の一端部が回動可能に軸支されている。また梁部42a
の他端部には支持部42bの所定箇所がそれぞれ回動可
能に軸支されている。また筐体21aは熱遮蔽体30に
対して回転不能となっており、引上軸66を回転させる
と、回転軸21cの回転に伴ってナット部21gが上下
方向に移動し、梁部42aを介して複数個の支持部42
b間の開度αが約ゼロから約180°までの所定角度に
設定されるようになっている。これら梁部42a、支持
部42bを含んで略枝状の熱遮蔽体支持部42が構成さ
れている。その他の構成は図2に示したものと同様であ
るので、ここではその構成の詳細な説明は省略すること
とする。これら軸部21、熱遮蔽体支持部42を含んで
実施の形態3に係る脱着用治具40が構成されている。
【0027】上記説明から明らかなように、実施の形態
3に係る熱遮蔽体30及び脱着用治具40では、図1、
2に示したものと同様の効果を得ることができる。また
脱着用治具40では、図2に示した脱着用治具20に比
べて坩堝61内への挿入深さを少なくすることができ、
ボール軸受部21d等の熱による損耗を防止することが
できる。
【0028】なお上記した実施の形態1〜3のものでは
いずれも熱遮蔽体13、30の材質が黒鉛の場合につい
て説明したが、耐熱性を有し、反応性の少ないものであ
ればセラミックス等の材料でも差し支えない。
【0029】
【実施例及び比較例】以下に熱遮蔽体13が配設された
単結晶成長装置10を用い、溶融層厚一定法(2)によ
り、Si単結晶17を引き上げる場合について説明す
る。まず坩堝61内に結晶用原料としてのSi多結晶
(約65kg)をチャージし、さらにn型ドーパントと
してP(燐)−Si合金(約0.6g)を添加する。次
に排気系を駆動すると共にArガスを導入し、メインチ
ャンバー11内を約10TorrのAr雰囲気に設定し
た後、ヒータ63a、サブヒータ63bのパワーをそれ
ぞれ50kWに設定し、一旦これら原料の全てを溶融さ
せる。次にヒータ63aのパワーを約70kW、サブヒ
ータ63bのパワーを0に設定し、溶融液65の下部に
固体層65aを形成する。次に種結晶66b下端部を溶
融液65に浸漬し、坩堝61を約1rpm、引上軸66
を約10rpmの速度で回転させつつ引上軸66を引き
上げる。そして溶融層(溶融液65)の厚さが常時一定
になるようにヒータ63a、サブヒータ63bのパワー
を調整しながら固体層65aを溶融させ、所定速度で引
上軸66を引き上げると、溶融液65が凝固し、熱遮蔽
体13内を通ってSi単結晶17が成長させられる。
【0030】次に、実施例に係る熱遮蔽体13が配設さ
れた装置10を用いて引き上げた単結晶17について、
転位に関する歩留りを調査した結果を説明する。比較例
としては図6に示した熱遮蔽体71が配設された装置7
0を用いて引き上げた単結晶67を採用した。図4から
明らかなように、転位に関する歩留りは、比較例の装置
を用いて引き上げられた単結晶67の場合に比べ、実施
例の装置を用いて引き上げられた単結晶17の場合は高
くなった。
【0031】なお、上記した実施例では、溶融層厚一定
法(2)によりSi単結晶17を引き上げた場合につい
て説明したが、溶融層厚一定法(1)や溶融層厚変化法
により引上げた場合にも略同様の効果を得ることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱遮蔽体の実施の形態1及びこの
熱遮蔽体が配設された単結晶成長装置を概略的に示した
断面図である。
【図2】実施の形態2に係る脱着用治具と熱遮蔽体とを
概略的に示した断面図である。
【図3】実施の形態3に係る熱遮蔽体及び脱着用治具を
概略的に示した断面図である。
【図4】引き上げられた単結晶の転位に関する歩留りを
示したグラフであり、(a)は実施例の装置を用いて引
き上げた場合、(b)は比較例の装置を用いて引き上げ
た場合を示している。
【図5】CZ法に用いられる従来の単結晶成長装置の一
部を摸式的に示した断面図である。
【図6】従来の熱遮蔽体が配設された単結晶成長装置の
一部を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
10 単結晶成長装置 13 熱遮蔽体 14 上部熱遮蔽体 14a 下端部 15 下部熱遮蔽体 15a 上端部
フロントページの続き (72)発明者 稲見 修一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 和泉 輝郎 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 森田 洋 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部熱遮蔽体と、該上部熱遮蔽体の下端
    部内径よりも大きい上端部外径を有する下部熱遮蔽体と
    を備えていることを特徴とする熱遮蔽体。
  2. 【請求項2】 熱遮蔽体の取り付け、取り外しを行なう
    脱着用治具であって、棒状の軸部と、その先端あるいは
    途中に開閉可能に設けられた枝状の熱遮蔽体支持部とを
    備えていることを特徴とする脱着用治具。
JP34348595A 1995-12-28 1995-12-28 熱遮蔽体及びその脱着用治具 Pending JPH09183690A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012101974A (ja) * 2010-11-09 2012-05-31 Shin Etsu Handotai Co Ltd 単結晶製造装置及び単結晶の製造方法
KR101275398B1 (ko) * 2011-11-23 2013-06-17 주식회사 엘지실트론 잉곳 성장 장치의 분해 장치 및 분해 방법
CN103741211A (zh) * 2013-12-19 2014-04-23 镇江环太硅科技有限公司 长晶炉及长晶炉均匀散热的控制方法

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