JPH091830A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

Info

Publication number
JPH091830A
JPH091830A JP15341995A JP15341995A JPH091830A JP H091830 A JPH091830 A JP H091830A JP 15341995 A JP15341995 A JP 15341995A JP 15341995 A JP15341995 A JP 15341995A JP H091830 A JPH091830 A JP H091830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ejection port
color
ink ejection
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15341995A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Kimura
辰夫 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP15341995A priority Critical patent/JPH091830A/ja
Publication of JPH091830A publication Critical patent/JPH091830A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低電力によるカラーインクの高速定着を可能
とし、記録装置自体の小型化に貢献すると共に高速定着
のために使用する加熱手段による火災を防止することの
できるインクジェット記録装置を提供する。 【構成】 異なる色のインクを列別に吐出する複数のイ
ンク吐出口列12,13,14,15を有する記録ヘッ
ド1の移動走査とシート送りとの繰返しにより被記録材
6上にカラー記録が可能なインクジェット記録装置にお
いて、先行の移動走査中に1つの色のインク吐出口列1
5からのインク吐出により記録し、その記録領域に対し
て次行の移動走査中に他の色のインク吐出口列12,1
3,14からのインク吐出による記録を重畳させるよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、特に、インクの高速定着により普通紙を使用す
るのに好適なカラー・インクジェット記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置の中でも
特にカラー・インクジェット記録装置においては、複数
色のインク滴を順次的に重ね打ちするために、被記録材
(通常は紙などの記録シート)に対してインク相互間に
にじみ(ブリーディング)を生じたり、多量のインクの
打込みによって被記録材にしわ(コックリング)が発生
し易い。そこで、従来のカラー・プリンタではインクの
高速定着を達成するために、シート表面をコーティング
することによりインクの吸収特性の改善された専用のコ
ート紙の使用を指定したり、あるいはハロゲンランプ
(特開昭62−109645号)、赤外線/フィラメン
ト(特開昭63−252772号)、(特開平1−23
5647号)等を利用した定着器を使用することで、強
制的にインクの定着を促進するなどの方法が取られてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ように専用のコート紙を使用するのではコート紙のコス
トが高価であり、しかもコート紙と言った特殊紙の使用
に限定されるのでユーザが限られてしまう。また、後者
のような定着器を設けるのではハロゲンランプや赤外線
/フィラメントの使用に相当な電力(通常数百ワット程
度)を消費する。また、高温ヒータ上を被記録材が通過
するために火炎に対する安全性の保証が容易でない。
【0004】さらにまた、専用のコート紙や定着器の使
用を不要とするために、インクにアセチレノールなどの
非イオン系の界面活性剤を添加し、インクの紙に対する
浸透性を促進させる方法も採用されている。ところが一
般に界面活性剤をインクに添加すると、紙への浸透性が
促進されてカラー画像などの多色インクの重ね打ちによ
るブリーディングなどは回避される反面、OD値が低下
し、特にブラック・インクに関しては黒文字の品位が低
下すると言った点が生じる。従って、カラー・プリンタ
としての機能を保持しつつ高品位の黒印字記録をするこ
とに難しさがあった。
【0005】本発明の目的は、上述の従来の欠点を鑑
み、低電力によるカラーインクの高速定着を可能とし、
かつ装置の小型化に貢献すると共に火災に対する安全性
を同時に確保することのできる定着方式を有するインク
ジェット記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、異なる色のインクを列別に吐出する複
数のインク吐出口列を有する記録ヘッドの前記インク吐
出口列とは交叉する方向の移動走査と前記インク吐出口
列方向のシート送りとの繰返しにより被記録材上にカラ
ー記録が可能なインクジェット記録装置において、先行
の移動走査中に1つの色のインク吐出口列からのインク
吐出により記録された領域に対し、次行の移動走査中に
他の色のインク吐出口からのインク吐出による重畳記録
を行うようにしたことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、記録ヘッドの先行移動走査中
に例えばブラックインクなど加熱乾燥による定着に最も
時間を要するインク吐出口列からのインク吐出により一
走査分の記録を行ってシート送りし、そのシート送りの
間に一走査分の記録領域に対してインクの定着を促進さ
せるようにした上、次行の移動走査中に他の色のインク
吐出口からのインク吐出により上記記録領域上に他の色
のインク記録を重畳させるもので、これにより各インク
間のブリーディングを防止することができる。
【0008】
【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を具
体的に説明するが、まずその説明に先立って本発明にか
かわる基本的技術問題について述べておく。
【0009】本発明にかかるインクジェット記録装置
は、特にブラックインクの定着を重視するものである。
その理由は、記録装置として黒色印字の品位を保つこと
が製品の仕様上は欠かせない問題であり、そのために濃
度薄やにじみの生じないインクを選択する必要があるこ
とによる。
【0010】すなわち、インクの成分には、尿素、染
料、水、およびグリセリン、チオジエチレングリコー
ル、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤が含まれる
が、特にイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン
(C)のカラー・インクでは、紙への浸透性を促進させ
るためにアセチノールなどの非インク系の界面活性剤が
添加される。ところが上記のような界面活性剤を添加す
ると先にも述べたように紙への浸透性は促進され、カラ
ー画像などの多色インクの重ね打ちによるブリーディン
グなどは回避される反面、OD値が低下する。従って、
カラープリンタであり、かつ黒印字記録の品位をモノク
ロプリンタ同様に高く維持するために、Y,M,Cのカ
ラーインクに界面活性剤を添加するが、ブラック・イン
クにはこれを添加することができない。
【0011】そこでこうしたインクの組合せにより、カ
ラー画像を記録する場合、最初にブラックインクが打た
れ、続いて紙送りに伴いC→M→Yの順序でインクを打
ち込むとしても、ここでブラックインクが打ち込まれて
からこの領域に次にシアンインクが打ち込まれるまでの
時間経過の間に、ブラックインクが完全に定着していれ
ば問題は生じないが、そうでない場合には例えばシアン
を背景とする領域に黒印字のタイトルなどが存在するよ
うな場合を考えると、当然ながらブラックとシアンの両
インクの境界部分にブリーディングが発生する。実際
に、本実施例で使用した界面活性剤が含まれないブラッ
クインクが乾燥するまでには、少なくとも数10秒を要
した。後述するような本発明にかかる定着によればブラ
ック・インクを即座に乾燥することが有効となる。
【0012】図1は本発明にかかる記録ヘッド1のイン
ク吐出口面2を示す。なお、矢印Sは図2に示すように
キャリッジ3上にカートリッジガイド4を介して搭載さ
れる記録ヘッド1の走査方向(以下で主走査方向とい
う)である。図1において、12,13および14はそ
れぞれイエロー(Y),マゼンタ(M)、およびシアン
(C)インクを吐出するインク吐出口列、15はブラッ
ク(Bk)インクを吐出するインク吐出口列である。こ
の図に示すようにカラーインク吐出口列12,13,1
4はBkインク吐出口列15と主走査方向Sにおいては
それぞれ所定の間隔を保って形成されると共に、吐出口
列の形成方向においてカラーインク吐出口列12,1
3,14とBkインク吐出口列15とは位置が吐出口列
の長さ分、すなわち1回のシート送り量1Bだけずらさ
れている。
【0013】なお、本例の場合、各インク吐出口列12
〜15においてはいずれも360dpi(dot pe
r inch)の密度で64個のインク吐出口が形成さ
れていて、1回のシート送り量1Bは64個のインク吐
出口からなる吐出口列の長さ0.178インク(4.5
2mm)となる。
【0014】続いて、図2に従い本発明が適用されるイ
ンクジェット記録装置の構成について説明する。
【0015】なお、本例ではカートリッジガイド4によ
り記録ヘッド1と記録ヘッド1にカラーインク(Y,
M,C)を供給するカラーインクカートリッジ10およ
びブラックインク(Bk)を供給するブラックインクカ
ートリッジ11とが一体的に保持される形でキャリッジ
3に搭載されている。5はキャリッジ3の移動を案内す
るガイド軸であり、キャリッジ3は不図示のキャリッジ
駆動モータによりガイド軸5に沿って所定の記録タイミ
ングに合わせて主走査方向に往復移動する。6は記録シ
ート、7はシート送りローラ、Bはシート送りローラ7
による記録シート6のシート送り方向、8は記録シート
6をシート送りローラ7との間に圧接保持するシート押
えローラであり、キャリッジ3による記録ヘッド1の主
走査(往路)中に後述するようにして段階的にブラック
インク吐出口およびカラーインク吐出口列(図1参照)
から各インクの吐出が行われ、その復路中に記録シート
6のシート送りと共に定着のための加熱が行われる。9
は記録済の記録シート6を排出するための排出ローラで
ある。
【0016】続いて本発明にかかる記録ヘッドにより記
録シート6上にカラー画像記録を実施する場合の走査手
順について図3を参照しつつ説明する。なお、ここでは
説明を分り易くするためにキャリッジによる記録ヘッド
の走査ごとに吐出が行われるインク吐出口列を走査順に
付した番号1S〜nSと共に示し、記録ヘッドそのもの
は表示されていない。Sは記録のための主走査方向、B
は相対的シート送り方向、Pは記録方向をそれぞれ示
す。
【0017】この図に示すように、まず、記録シート6
の上端部から初回の走査1SでBkインク吐出口列15
からBkインクの吐出によって記録がなされ、1B分の
シート送りの後2回目の走査2Sでカラーインク吐出口
列12〜14およびBkインク吐出口列15からそれぞ
れの色のインク吐出による記録が実施される。このこと
はBkインクによる記録が行われたあとカラーインクの
重畳による記録がなされる迄の間には一走査分に相当す
る時間が置かれることを意味する。以下同様にして各走
査3S,4S,…,(n−1)SごとにBkインクによ
る記録が他のカラーインクによる記録時の走査に先行し
て行われ、最後の走査nSではカラーインク吐出口列1
2,13,14からのカラーインクのみの吐出が行われ
て(n−1)S走査時にBkインクによって行われた記
録画像上にカラーインクの記録画像が重畳され、1シー
ト分の記録が完了する。
【0018】ついで、図4に従い、Bkインクによる記
録に対して行われる本発明にかかる加熱定着について説
明する。
【0019】なおここでは、説明を分り易くするため
に、記録シート6と記録ヘッド1との相対位置が抽象的
に示されている。Sは記録ヘッド1を搭載したキャリッ
ジの復行時における移動方向を示す。また、H1は予熱
用ヒータ、H2はシート送りごとにその送り分に記録さ
れた画像を定着するための定着用ヒータである。ヒータ
H1およびH2はこの図に示すように記録シート6の幅
一杯にまたがって設けられており、シート6の全幅にわ
たり加熱による記録画像の定着が可能である。図5はこ
れらのヒータH1およびH2の構成の概要を示すもの
で、16はアルミナガラスまたはセラミック等によるヒ
ータ基板、17は基板16上にチッ化タンタル(Ta
N)やハフニウムボライド(HfB2 )などによって形
成した抵抗発熱体、18は抵抗発熱体17の両端部に設
けられている電極、19は抵抗発熱体17を保護すると
共に感電防止する目的で設けられた非吸湿性の例えばポ
リテトラフルオルエチレン(PTFE)等フッ素系樹脂
材料により円滑面に形成される表面コートである。な
お、双方の電極18には記録装置側に配設されるばね接
点(不図示)を介してヒータ電圧が印加される。
【0020】続いて図6により上述のヒータH1および
H2を具えたインクジェット記録装置による定着動作に
ついて説明する。
【0021】ここで、20はヒータH1およびH2を有
し、記録シート6を記録位置に保持しつつ記録シート6
に対して予備加熱および定着のための加熱を行う定着器
である。なお、記録ヘッド1は本来の場合キャリッジ
(ここでは不図示)により紙面に鉛直の方向に往復走査
し、その往行中にカラーインク吐出口列12〜14およ
びBkインク吐出口列15から先に述べたようにそれぞ
れの色のインクを吐出して記録を行うと共にキャリッジ
による復行中に1B分ずつS方向にシート送りが行わ
れ、さらにその間にヒータH1およびH2による予備加
熱および定着加熱が行われる。
【0022】さらに詳しくいうならば、まず予備加熱用
ヒータH1によって温度の高められた記録シート6上に
Bkインクによる記録が行われ、1B分のシート送りが
なされる間に定着用ヒータH2によって定着された上に
カラーインクY,M,Cによる記録が次の走査で行われ
る。そして、その各色による記録画像が再び定着用ヒー
タH2によって定着される。なお、カラーインクY,
M,C間のブリーディングについては、先にも述べたよ
うにこれらのインクには界面活性剤が添加されているの
で記録シート6への浸透性が良く、その懸念がない。
【0023】図7に発熱体17の温度上昇を表わす。前
述のように本発明では発熱体17による加熱は、シート
送り時に実施されるもので、記録中は実施されない。す
なわち、シート送り中に発熱体17が所定のヒート周期
0 で加熱され、その加熱時にはベース温度T0 から最
高温度(Tp)約300℃にまでΔT分上昇する。本実
施例での周期t0 は数ミリ秒から数10ミリ秒に設定さ
れているが、具体的な設定値はシート送り速度やインク
の成分などにより異なるため、その都度最適な値が設定
されればよい。例えば、本実施例の場合、64のインク
吐出口列長さに相当する4.52mmのシート送りに1
00ミリ秒を要するため、ヒート周期を10ミリ秒に設
定した場合は、1回のシート送りで10回分の温度上昇
が実行される。すなわち0.452mm当り1回のヒー
トが実行される。なお1回のヒートにおける発熱体17
への電圧印加時間は周期の10〜20%分の時間とな
る。例えば、周期t0 が10ミリ秒の場合であれば、1
〜2ミリ秒の間、発熱体17に電力が投入されることに
なる。
【0024】本実施例では例えば1枚のA4サイズの記
録シート6に記録が行われる間に、64回のシート送り
が実施され、その間に図7に示すようにヒータ基板16
の温度(ベース温度Tb)が徐々に上昇する。本発明で
は、発熱体17の温度がパルスの印加と同時に瞬時に高
温まで上昇することが要求されるので、基板16は熱を
逃がさないような熱伝導率の低い材料を選択することが
必要となる。そこで、本実施例では基板16として、ア
ルミナガラスやセラミックを使用した。アルミナは通常
の硝子あるいはセラミックよりも熱伝導率は高いが、実
際には、記録シート6は発熱体17の部分だけに接する
訳ではなく、基板表面全体に接して搬送されるために、
基板16そのもののベース温度が定着性に与える影響に
ついても無視できない。アルミナの場合、基板温度の上
昇は硝子あるいはセラミックよりも勾配が急であり、基
板による定着性への寄与の度合も硝子あるいはセラミッ
クより大きくなる。
【0025】こうしたベース温度の上昇は基板に使用さ
れる材料にのみ依存するのではなく、実際には記録シー
ト6に打ち込まれるBkインクの量にも依存する。すな
わち、Bkインクの打込量が大きい場合は、インク中の
水分の乾燥に使用される熱量が大きくなるため、基板温
度の上昇がインクの打込量が少ない場合に比較して緩や
かになる。
【0026】図7から明らかなように、図5に示した基
板16のベース温度Tbはシート送りと共に次第に上昇
し、それによりピーク温度Tpも上昇するので、過剰な
エネルギが定着のために提供されることになる。そこで
本発明では、シート送り回数およびBkインクの打込量
をパラメータとして、発熱体17に印加するパルス電圧
の幅を制御する。すなわち、ベース温度Tbの上昇と共
にパルス幅を減少させるように制御し、発熱体17への
投入エネルギを抑制する。これによりピーク温度Tpを
常にほぼ一定に維持し、省エネ化を同時に達成すること
ができる。
【0027】図8は本発明にかかる制御用の回路構成例
を示す。図中81は商用電源、82は全波整流用のダイ
オード・ブリッジ、83は整流用のコンデンサ、84は
パワー制御用のFET、85はシート送り回数および記
録シートの枚数を監視しているモニタ手段、86はBk
インクの打込量のモニタ手段、87はモニタ手段85お
よび86の出力に基づいてパルス幅を決定するパルス幅
演算部、88は演算部87の出力に基づきパワー制御用
FET84に供給するパルス幅を制御するパルス幅制御
部である。
【0028】なお、モニタ手段85,86、およびパル
ス幅演算部87は本実施例の場合装置本体のシーケンス
制御および記録制御を司るマイクロプロセッサ(図示せ
ず)により実行される。
【0029】図9に基板温度Tbとパルス幅Pとの関係
を示す。本実施例では基板温度Tbの低温時には予備加
熱によりその温度をT1 に保ち、この時点で記録動作を
許可する。すなわちヒータH1,H2の発熱体17を所
定のパルス幅により駆動し、スタンバイ温度までヒータ
H1,H2の表面温度を上昇させる。これは基板温度T
bをある程度上昇させることにより定着条件を向上させ
ると共に、過大なパルス幅が発熱体17に印加されるこ
とによる発熱体17の破損を防止することを目的とす
る。なお、基板16内に温度検出素子を組み込まない場
合には、基板温度Tbの検出のために、周囲温度検出用
の素子を装置本体内に別途設けるか、あるいは記録ヘッ
ドに設けられる公知の温度検出素子(ヘッドの駆動パル
ス幅制御用として)を利用することなどが考えられる。
図9から明らかなように、基板温度Tbが上昇するにつ
れ、パルス幅すなわち図8のFET84に供給する印加
電圧の時間が減少する。そして、これにより前述したよ
うに基板温度Tb自身が定着に及ぼす効果、および図7
で説明したピーク到達温度Tpをほぼ一定に保つように
制御することが可能となる。
【0030】次に、本発明で使用するヒータH1,H2
の安全性について説明する。
【0031】これまでに述べてきたようにヒータH1,
H2は絶縁性の基板16上に形成されるので、その熱容
量は極めて低い。そこで、例えば図8に示すスイッチン
グ素子であるFET84が仮に短絡側に破壊したとして
も、一瞬のうちに発熱体17が断線する。従って、従来
の電熱線を利用した定着器に比較して、特に温度ヒュー
ズやサーモスイッチなどの安全装置を具備しなくても、
ヒータ固有の性質上からその安全性が保証される。
【0032】続いて図10および図11により本発明の
他の実施例について説明する。なお、本実施例は、例え
ば64個ずつのインク吐出口からなるインク吐出口列1
2〜14および15(図1参照)によるカラー記録にあ
たり2回の走査中に各吐出口列からそれぞれのインクを
吐出させて記録を行うモード(2パス記録モード)に適
用したものである。従って、1回のシート送り量はイン
ク吐出口列長さの半分にあたる0.089インチ(2.
26mm)であり、このシート送り量を図10および図
11においては1/2Bとして表わした。ただし、イン
クジェット記録装置本体については、先に図2に示した
構成と変わるところはなく、シート送り量と定着器の構
成とのみがこれ迄に述べてきたものと相違し、従って、
予熱、定着の動作も異なる。
【0033】本実施例においては、図10に示すように
初回の走査1Sと2回目の走査2SとによってまずBk
インク吐出口列15によるBkインクの記録が行われ、
その都度1/2Bずつのシート送りが実施されるもので
3回目の走査3Sおよび4回目の走査4Sにおいて、カ
ラーインク吐出口列12,13,14によるカラーイン
ク記録がBkインク記録領域上に重畳される。
【0034】ついで、本実施例での定着動作を図11に
より説明する。
【0035】本実施例では図11に示すように記録領域
に送給される記録シート6に対してその入口側に予熱用
ヒータH1および定着用ヒータH2,H3が1/2Bの
間隔で平行配置されている。そこで、図10の1Sで示
す走査直前の1/2B分のシート送りにおいて、予熱用
ヒータH1によってBkインク吐出口列15の半分長さ
に等しい記録シート6の記録領域1/2Bが予熱され
る。そしてその予熱された1/2Bの領域に対し初回の
走査1SでBkインクによる記録が行われた後のシート
送りときに第1定着用ヒータH2によってBkインク記
録領域に対する定着が行われると共にあと半分の1/2
Bの領域に対して予熱用ヒータH1による予熱が行われ
る。
【0036】なお、第2回目の走査時にはBkインク吐
出口列15の半分1/2Bにより初回の走査時に記録さ
れたBkインク記録領域のあとの部分にBkインク記録
が行われる。そして、この時点では第1回目の走査1S
により記録されたBkインク記録はすでに第1定着用ヒ
ータH2によって高速定着されており、このあとさらに
第2定着用ヒータH2によって定着が一層確実にされ
る。同様にして第3回目および第4回目の走査3Sおよ
び4SでBkインクの定着領域に対してカラー記録が行
われると共にBkインクにより次の予熱領域に対しての
Bkインク記録が繰返される。つまり、1/2B分のシ
ート送りを行う過程で予熱ヒータH1と定着用ヒータH
2およびH3によりそれぞれ予熱と乾燥定着を繰返すこ
とによってBkインクの高速定着乾燥を行い、カラー画
像形成時の特にBkインクとカラーインクとの間のブリ
ーディングを防止することができる。
【0037】なお、以上に述べた実施例では定格サイズ
の短葉通常規格紙を対象とするインクジェット記録装置
への適用例について説明したが、本発明はかかる短葉の
通常紙を対象とするものに限らず、定着に加熱手段が用
いられ、ブラックインク使用の記録装置であれば、連続
の記録シートやその他のカラー記録用プリンタに広く適
用できるものであることはいうまでもない。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、異なる色のインクを列別に吐出する複数のインク吐
出口列を有する記録ヘッドの前記インク吐出口列とは交
叉する方向の移動走査と前記インク吐出口列方向のシー
ト送りとの繰返しにより被記録材上にカラー記録が可能
なインクジェット記録装置において、先行の移動走査中
に1つの色のインク吐出口列からのインク吐出により記
録された領域に対し、次行の移動走査中に他の色のイン
ク吐出口からのインク吐出による重畳記録を行うように
したので、普通の記録用シートに対し、Bkインクを含
む高品位の記録、特にカラー記録画像を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる記録ヘッドのインク吐出口列配
置を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の適用が可能なインクジェット記録装置
の構成例を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例によるインク吐出動作を走
査順に従って示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施例による記録ヘッドインク吐
出口列と加熱手段との相対位置関係を示す説明図であ
る。
【図5】本発明による加熱手段の一例を平面図(A)お
よび(A)のA−A線断面図(B)によって示す構成図
である。
【図6】本発明の第1実施例による記録時の動作を側面
図で示す説明図である。
【図7】本発明にかかる加熱手段の温度制御例を示す特
性曲線図である。
【図8】本発明にかかる加熱手段の駆動制御用回路の構
成を示すブロック図である。
【図9】図8に示す回路により制御される加熱手段基板
温度と駆動電圧パルス幅との関係を示す特性曲線図であ
る。
【図10】本発明の第2実施例によるインク吐出動作を
走査順に従って示す説明図である。
【図11】本発明の第2実施例による記録ヘッドインク
吐出口列と加熱手段との相対位置関係を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 1B シート送り量(ワンパス時) 1S,2S,…,nS 走査回数 2 インク吐出口面 3 キャリッジ 6 記録シート 10,11 インクカートリッジ 12,13,14 (カラーインク)吐出口列 15 ブラックインク吐出口列 16 ヒータ基板 17 抵抗発熱体 20 定着器 84 パワー制御用FET 85,86 モニタ手段 87 パルス幅演算部 88 パルス幅制御部 H1 (予熱用)ヒータ H2,H3 (定着用)ヒータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる色のインクを列別に吐出する複数
    のインク吐出口列を有する記録ヘッドの前記インク吐出
    口列とは交叉する方向の移動走査と前記インク吐出口列
    方向のシート送りとの繰返しにより被記録材上にカラー
    記録が可能なインクジェット記録装置において、 先行の移動走査中に1つの色のインク吐出口列からのイ
    ンク吐出により記録された領域に対し、次行の移動走査
    中に他の色のインク吐出口からのインク吐出による重畳
    記録を行うようにしたことを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  2. 【請求項2】 前記1つの色のインク吐出口列はブラッ
    クインクを吐出するインク吐出口列であることを特徴と
    する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記1つの色のインク吐出口列は前記他
    の色のインク吐出口列よりシート送り方向において下流
    側に配設されると共に、前記複数のインク吐出口列の対
    向面に前記被記録材の全幅にわたって密接する複数の発
    熱手段を平行配置したことを特徴とする請求項1または
    2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記1つの色のインク吐出口列と他の色
    のインク吐出口列とは前記シート送り量に対応する長さ
    に形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかの項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の発熱手段は前記移動走査方向
    と平行する方向に線状に形成され、かつ、互いに前記シ
    ート送り量に対応する間隔に保たれることを特徴とする
    請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の発熱手段はアルミナ基板また
    は硝子基板もしくはセラミック基板上に配設される抵抗
    発熱体を有することを特徴とする請求項3ないし5のい
    ずれかの項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記発熱手段は前記抵抗発熱体に印加さ
    れる電力が前記シート送りごとに制御されることを特徴
    とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記抵抗発熱体に印加される電力は所定
    周期のパルス状電圧として供給されることを特徴とする
    請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記抵抗発熱体が配設される基板の温度
    にかかわる条件を監視するモニタ手段を有し、該モニタ
    手段からの監視条件に基づいて前記発熱手段が制御され
    ることを特徴とする請求項5ないし8のいずれかの項に
    記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記監視条件は、前記シート送りの累
    積回数、前記被記録材の記録枚数および前記ブラックイ
    ンクの吐出回数であることを特徴とする請求項9に記載
    のインクジェット記録装置。
JP15341995A 1995-06-20 1995-06-20 インクジェット記録装置 Pending JPH091830A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15341995A JPH091830A (ja) 1995-06-20 1995-06-20 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15341995A JPH091830A (ja) 1995-06-20 1995-06-20 インクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH091830A true JPH091830A (ja) 1997-01-07

Family

ID=15562095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15341995A Pending JPH091830A (ja) 1995-06-20 1995-06-20 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH091830A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002166578A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Canon Inc インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP2003001807A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Canon Inc 記録装置
JP2010006028A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Seiko Epson Corp 印刷物製造方法、及び印刷物製造装置
JP2011046206A (ja) * 2010-12-07 2011-03-10 Canon Inc インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002166578A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Canon Inc インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP2003001807A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Canon Inc 記録装置
JP2010006028A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Seiko Epson Corp 印刷物製造方法、及び印刷物製造装置
JP2011046206A (ja) * 2010-12-07 2011-03-10 Canon Inc インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3678447B2 (ja) インク・ジェット印刷方法および装置
JP5072573B2 (ja) 記録装置及び記録ヘッドの制御方法
JP2004082629A (ja) 記録装置及び予備吐出制御方法
JP2002166536A (ja) インクジェット記録装置
JPH1086353A (ja) インクジェット記録装置
JP2675910B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH091830A (ja) インクジェット記録装置
JPH08132724A (ja) インクジェット記録方法およびその装置
US20050225598A1 (en) Fluid ejection devices and operation thereof
US8474941B2 (en) Inkjet printing apparatus and inkjet printing method
JP3138380B2 (ja) インクジェット記録装置および印字制御方法
JPH07299916A (ja) インクジェット記録方法および装置および情報処理システム
JP3667076B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP6579833B2 (ja) 液体吐出装置および液体吐出ヘッドの保温制御方法
JP2001113683A (ja) インクジェット記録装置
JP4497825B2 (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JPH0459359A (ja) インクジェット記録装置
JP2002234197A (ja) 高品質のグラフィック画像および写真品質画像を記録するプリントヘッドアセンブリを有するインクジェットプリンタ
JPH03218841A (ja) インクジェット記録装置
JP2672870B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2831424B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2688269B2 (ja) カラーインクジェット記録方法および装置
JP3515822B2 (ja) カラーインクジェットプリンタおよび情報処理装置
JP3035093B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3205592B2 (ja) インクジェット記録装置