JPH0918305A - 遅延回路 - Google Patents

遅延回路

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JPH0918305A
JPH0918305A JP18208595A JP18208595A JPH0918305A JP H0918305 A JPH0918305 A JP H0918305A JP 18208595 A JP18208595 A JP 18208595A JP 18208595 A JP18208595 A JP 18208595A JP H0918305 A JPH0918305 A JP H0918305A
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delay
delay time
paths
gate
path
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JP18208595A
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Inventor
Yutaka Sato
佐藤  裕
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Ando Electric Co Ltd
Original Assignee
Ando Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遅延時間の製造、温度ばらつきを自動的に補
償する遅延回路を提供する。 【構成】 遅延時間補償部22、23において、遅延処
理部21の各系統のパスA11〜A14、B11〜B1
2に用いられる可変遅延ゲートD(T1)、D(T2)
とそれぞれ同じ可変遅延ゲートD(T1)、D(T2)
を、クロックf0、f1 を1周期分遅延するのに必要な
数だけ直列に接続して遅延時間生成回路221、231
を構成し、対応するパスに近接配置する。そして、クロ
ックf0 、f1 と遅延時間生成手段221、231の遅
延出力とを位相比較して位相のずれ量を求め、そのずれ
を補正する遅延時間制御信号CTR1、CTR2を生成
し、各制御信号により遅延時間生成回路221、231
の遅延時間及びパスA11〜A14、B11〜B12の
遅延時間を同時に制御するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、互いに異なる遅延時
間を持つ複数のパスから1本を選択することで遅延時間
を切り替えるパス切り替え方式の遅延回路についてのも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の遅延回路は、例えば図3
に示すように構成される。この遅延回路は、各段の第1
のパスA1〜A4と第2のパスB1〜B4をセレクタ1
1〜14により選択的に接続し、最終段のパスA4、B
4をORゲート15の入力端に接続して構成される。
【0003】セレクタ11の入力端は入力端子INに接
続され、ORゲート15の出力端は出力端子OUTに接
続される。また、第1のパスA1〜A4は遅延時間T1
の遅延ゲートD(T1)を持ち、第2のパスB1〜B4
は遅延時間T2(T1>T2)の任意個数の遅延ゲート
D(T2)を持つ。なお、この例では、パスA1〜A4
のゲート数をそれぞれ1、2、1、2とし、パスB1〜
B4のゲート数をそれぞれ1、2、0、0とする。
【0004】図3の構成において、入力端子INに供給
される信号は1段目のセレクタ11によりパスA1かパ
スB1のいずれかに選択的に導出されて2段目のセレク
タ12に入力される。パスA1が持つ遅延ゲートD(T
1)の遅延時間T1は、パスBが持つ遅延ゲートD(T
2)の遅延時間T2よりも長い。このため、2段目のセ
レクタ12の出力には、パスA1、B1の選択に応じて
遅延ゲートD(T1)と遅延ゲートD(T2)との遅延
時間差を生じさせることができる。
【0005】パスA1、B1のいずれかを通った信号は
2段目のセレクタ12によりパスA2、B2のいずれか
に選択的に導出されて3段目のセレクタ13に入力され
る。パスA2が持つ2段の遅延ゲートD(T1)の遅延
時間T1×2は、パスB2が持つ2段の遅延ゲートD
(T2)の遅延時間T2×2よりも長い。このため、3
段目のセレクタ13の出力には、パスA2、B2の選択
に応じて、2段目のセレクタ12の出力の遅延差を含む
1〜3段分の遅延ゲートD(T1)と遅延ゲートD(T
2)との遅延時間差を生じさせることができる。
【0006】パスA2、B2のいずれかを通った信号は
3段目のセレクタ13によりパスA3かパスB3のいず
れかに選択的に導出されて4段目のセレクタ14に入力
される。パスA3には遅延ゲートD(T1)が含まれる
が、パスB3には遅延ゲートが含まれない。このため、
4段目のセレクタ14の出力には、パスA3、B3の選
択に応じて、2、3段目のセレクタ12、13の出力の
遅延差を含む1〜7段分の遅延ゲートD(T1)と遅延
ゲートD(T2)との遅延時間差を生じさせることがで
きる。
【0007】パスA3、B3のいずれかを通った信号
は、4段目のセレクタ14によりパスA4かパスB4の
いずれかに選択的に導出されてORゲート15に入力さ
れる。パスA4には2段の遅延ゲートD(T1)が含ま
れるが、パスB3には遅延ゲートが含まれない。このた
め、ORゲート15の出力には2〜4段目のセレクタ1
2〜14の出力の遅延差を含む1〜15段分の遅延ゲー
トD(T1)と遅延ゲートD(T2)との遅延時間差を
生じさせることができる。
【0008】よって、以上のような構成による遅延回路
は、パスA1〜A4、B1〜B4を適宜選択することに
より、入力端子INに供給される信号を、1〜15段分
の遅延ゲートD(T1)と遅延ゲートD(T2)との遅
延時間差を与えて出力端子OUTから出力することがで
きる。
【0009】ところで、図3に示した遅延回路は4段の
パス切り替え方式であるため、遅延ゲートD(T1)の
遅延時間T1を1とすると、1段目のセレクタ11の選
択するパスA1、B1の遅延時間差は1/4、2段目の
セレクタ7の選択するパスA2、B2の遅延時間差は1
/2、3段目のセレクタ13の選択するパスA3、B3
の遅延時間差は1、4段目のセレクタ14の選択するパ
スA4、B4の遅延時間差は2となる。
【0010】遅延ゲートD(T1)の遅延時間と遅延ゲ
ートD(T2)の遅延時間の関係を、遅延ゲートD(T
1)、D(T2)が共に用いられる段数をnとして一般
化すると、遅延ゲートD(T2)は遅延ゲートD(T
1)の遅延時間に対して(1−1/2n )の遅延時間を
持っている。この遅延ゲートD(T1)と遅延ゲートD
(T2)の遅延時間差が遅延回路の分解能となる。
【0011】このように、図4に示した従来の遅延回路
は、セレクタ11〜14によりパスA1〜A4、パスB
1〜B4を任意に組み合わせる選択制御を行うことで、
プログラマブルに遅延時間を可変することができる。
【0012】なお、上記の動作は、遅延ゲートD(T
1)の遅延時間T1に対して遅延ゲートD(T2)の遅
延時間T2の方が大きい場合も成り立つ。このときの遅
延ゲートD(T1)と遅延ゲートD(T2)の遅延時間
の関係を上記と同様に一般化すると、遅延ゲートD(T
2)は遅延ゲートD(T1)の遅延時間に対して(1+
1/2n )の遅延時間を持っている。
【0013】しかし、上記のような従来のパス切り替え
方式による遅延回路では、モノリシック化すると、温度
変動によるゲート遅延の変化や、製造ロット間での遅延
時間のばらつきが発生してしまう。このため、設計値通
りの遅延時間を得ることは不可能であり、精度を必要と
する遅延回路を実現することは極めて困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のパス切り替え方式による遅延回路では、モノリシッ
ク化に際し、温度変動によるゲート遅延の変化や、製造
ロット間での遅延時間のばらつきが発生してしまうた
め、設計値通りの遅延時間を得ることができず、高精度
な遅延回路を実現することは極めて困難であった。この
発明は、製造、温度ばらつきを補償して精度の高い遅延
時間を設定する遅延回路を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明は、各段毎に可変遅延ゲートD(T1)、
D(T2)を直列に持つ複数段の複数系統のパスA11
〜A14、B11〜B14、前記複数段の複数系統のパ
スを段毎に選択的に接続して遅延時間を設定するパス選
択手段211〜215を備える遅延処理部21と、前記
パスの系統別に設けられ、それぞれ対応する系統のパス
に用いられる可変遅延ゲートD(T1)、D(T2)と
同じ可変遅延ゲートD(T1)、D(T2)を直列に接
続して、そのパスに近接配置し、入力クロックf0 、f
1 を通して1周期分遅延する遅延時間生成手段221、
231、遅延時間生成手段221、231の入出力の位
相誤差を検出する位相誤差検出手段222、232、位
相誤差検出手段222、232の検出結果から遅延時間
制御信号CTR1、CTR2を生成する制御信号生成手
段223、233を備え、遅延時間制御信号CTR1、
CTR2により内部可変遅延ゲートD(T1)、D(T
2)と共に対応する系統のパスに用いられる可変遅延ゲ
ートD(T1)、D(T2)の遅延時間を同時に制御す
る複数の遅延時間補償部22、23と、基準クロックf
0 から複数の遅延時間補償部22、23のそれぞれの入
力クロックf0 、f1 を一定の周波数関係を持って生成
するクロック生成部24とを具備して構成するように
し、遅延処理部21のパス選択切り替えにより任意の遅
延時間を設定する。
【0016】
【作用】この発明による遅延回路では、例えばA系統の
パスA11〜A14に用いられる可変遅延ゲートD(T
1)と同じ可変遅延ゲートD(T1)を、基準クロック
0 を1周期分遅延するのに必要な数だけ直列に接続し
たものを遅延時間生成手段221とし、パスA11〜A
14に近接配置し、基準クロックf0 と遅延時間生成手
段221の出力とを位相比較して位相のずれ量を求め、
そのずれを補正する遅延時間制御信号CTR1を生成
し、この制御信号により遅延時間生成手段221の可変
遅延ゲートD(T1)及びパスA11〜A14の可変遅
延ゲートD(T1)を同時に制御する。
【0017】また、クロック生成手段24により、基準
クロックf0 から一定の周波数関係を持つクロックf1
を生成し、B系統のパスB11〜B12に用いられる可
変遅延ゲートD(T2)と同じ可変遅延ゲートD(T
2)を直列に接続したものを遅延時間生成手段231と
し、パスB11〜B12に近接配置し、クロックf1
遅延時間生成手段231の出力とを位相比較して位相の
ずれ量を求め、そのずれを補正する遅延時間制御信号C
TR2を生成し、この制御信号により遅延時間生成手段
231の可変遅延ゲートD(T2)及びパスB11〜B
12の可変遅延ゲートD(T2)を同時に制御する。
【0018】遅延時間生成手段221とパスA11〜A
14、遅延時間生成手段231とパスB11〜B12は
それぞれ互いに近接して配置されるので、同程度のばら
つきを持っており、同じ遅延時間制御信号CTR1、C
TR2を用いて対応する系統のパスの可変遅延ゲートD
(T1)、D(T2)を制御することで、遅延時間のば
らつきを制御し、補償することが可能となる。また、遅
延時間補償部22が制御する可変遅延ゲートD(T1)
の遅延時間と、遅延時間補償部23が制御する可変遅延
ゲートD(T2)の遅延時間の差は、ばらつきが生じて
も補償されるため、分解能は補償される。
【0019】
【実施例】つぎに、図1及び図2を参照してこの発明の
実施例を説明する。図1はこの発明に係る4段のパス切
り替え方式による遅延回路の構成を示すものである。こ
の遅延回路は、A系統とB系統のパス切り替えにより入
力信号の遅延処理を行う遅延処理部21と、A系統のパ
スが持つ遅延ゲートの遅延時間の変動、ばらつきを補償
する第1の遅延時間補償部22と、B系統のパスが持つ
遅延ゲートの遅延時間の変動、ばらつきを補償する第2
の遅延時間補償部23と、A系統のパスに対してB系統
のパスの遅延時間を決定するシンセサイザ24とで構成
される。
【0020】遅延処理部21は、図3に示した回路とほ
ぼ同構成であり、各段のA系統のパスA11〜A14と
B系統のパスB11〜B14をセレクタ211〜214
により選択的に接続し、最終段のパスA14、B14を
ORゲート215の入力端に接続して構成される。
【0021】セレクタ211の入力端は入力端子INに
接続され、ORゲート215の出力端は出力端子OUT
に接続される。また、パスA11〜A14は遅延時間T
1の任意個数の遅延ゲートD(T1)を持ち、パスB1
1〜B14は遅延時間T2の任意個数の遅延ゲートD
(T2)を持つ。なお、この例では、パスA11〜A1
4のゲート数をそれぞれ1、2、1、2とし、パスB1
1〜B14のゲート数をそれぞれ1、2、0、0とす
る。
【0022】第1の遅延時間補償部22は、A系統のパ
スA11〜A14に用いられる可変遅延ゲートD(T
1)と同じ可変遅延ゲートD(T1)を、基準クロック
0 を1周期分遅延するのに必要な数だけ直列に接続し
た遅延時間生成回路221と、基準クロックf0 と遅延
時間生成回路221で遅延処理された基準クロック
0′とを位相比較する位相比較器(PD)222と、
この位相比較器222の出力の低周波成分を通過させて
直流電圧信号を生成するローパスフィルタ(LPF)2
23とを備える。
【0023】ローパスフィルタ223の出力は遅延時間
制御信号CTR1として遅延時間生成回路221の各可
変遅延ゲートD(T1)に供給され、同時にA系統のパ
スA11〜A14の各可変遅延ゲートD(T1)にも供
給される。上記遅延時間生成回路221は遅延処理部2
1のA系統のパスA11〜A14に近接配置される。
【0024】同様に、第2の遅延時間補償部23は、B
系統のパスB11〜B12に用いられる可変遅延ゲート
D(T2)と同じ可変遅延ゲートD(T2)を、クロッ
クf1 を1周期分遅延するのに必要な数だけ直列に接続
した遅延時間生成回路231と、クロックf1 と遅延時
間生成回路231で遅延処理されたクロックf1 ′とを
位相比較する位相比較器(PD)232と、この位相比
較器232の出力の低周波成分を通過させて直流電圧信
号を生成するローパスフィルタ(LPF)233とを備
える。
【0025】ローパスフィルタ233の出力は遅延時間
制御信号CTR2として遅延時間生成回路231の各可
変遅延ゲートD(T2)に供給され、同時にB系統のパ
スB11〜B12の各可変遅延ゲートD(T2)にも供
給される。遅延時間生成回路231は遅延処理部21の
B系統のパスB11〜B12に近接配置される。
【0026】なお、第1の遅延時間補償部22の遅延時
間生成回路221の可変遅延ゲート数と第2の遅延時間
補償部23の遅延時間生成回路231の可変遅延ゲート
数は同数にする。
【0027】シンセサイザ24は、基準クロックf0
ら特定の周波数のクロックf1 を生成して、第2の遅延
時間補償部23に出力するものである。
【0028】次に、以上の構成において、その動作を説
明する。まず、第1の遅延時間補償部22の遅延時間生
成回路221は、基準クロックf0 の1周期分の遅延時
間に設計されている。また、遅延時間補償部23の遅延
時間生成回路231は、基準クロックf0 をシンセサイ
ザ24により変換したクロックf1 の1周期分の遅延時
間に設計されている。
【0029】図3と同様に、パスA13とパスB13の
遅延時間差を1とすると、パスA11とパスB11は1
/4、パスA12とパスB12は1/2、パスA14と
B14は2の遅延時間差を持つ。そのため、クロックf
0 、f1 の関係は、パスA11を通過する時間よりパス
B11の方を速くするとき、f1 =4/3*f0 とな
り、パスA11を通過する時間よりパスB11の方を遅
くするとき、f1 =4/5*f0 となる。
【0030】そこで、遅延処理部21をN段、遅延時間
補償部22が制御する可変遅延ゲートD(T1)の1段
分の遅延時間差を持たせる段を後ろから数えてM段とす
ると、この関係式は、 f1 /f0 =2N-M /(2N-M ±1) …(1) と一般化することができる。
【0031】ただし、(1) 式の極性符号がプラスになる
のは、パスA11の可変遅延ゲートD(T1)の遅延時
間T1よりパスB11の可変遅延ゲートD(T2)の遅
延時間T2が大きいときである。逆に、 (1)式の極性符
号がマイナスになるのは、パスA11の可変遅延ゲート
D(T1)の遅延時間T1よりパスB11の可変遅延ゲ
ートD(T2)の遅延時間T2が小さいときである。
【0032】実際には、設計値に対して遅延時間生成回
路221、231の遅延時間は温度により変動したり、
ばらついたりするので補償する必要がある。そこで、遅
延時間生成回路221に基準クロックf0 を入力して1
周期分遅延させ、その出力と入力の位相を位相比較器2
22で比較する。ここで、両者の位相が合っていれば位
相比較器222は何も出力しないが、位相がずれていれ
ばローパスフィルタ223へずれた分の位相誤差信号が
出力される。
【0033】ローパスフィルタ223は、位相比較器2
22からの出力をその低周波部分のみ通過させることで
直流電圧信号に変換する。この信号は遅延時間制御信号
CTR1として遅延時間生成回路221の各可変遅延ゲ
ートD(T1)を制御する。すなわち、遅延時間生成回
路221の遅延時間は、各ゲート遅延時間が遅延時間制
御信号CTR1により制御され、全体として基準クロッ
クf0 の1周期分の遅延時間に調整される。
【0034】この遅延時間生成回路221を遅延処理部
21のA系統のパスA11〜A14の近傍に配置し、ロ
ーパスフィルタ223から出力される遅延時間制御信号
CTR1をパスA11〜A14の各可変遅延ゲートD
(T1)に分配供給する。この場合、遅延時間生成回路
221とパスA11〜A14とが、互いに近接して配置
されているため、そのばらつきは同程度となる。
【0035】よって、同じ遅延時間制御信号CTR1を
用いてパスA11〜A14の可変遅延ゲートD(T1)
を制御することで、温度変化、ばらつきによらず、遅延
時間を常に設計値に合わせることができる。
【0036】同様に、第2の遅延時間補償部23におい
ても、遅延時間生成回路231にクロックf1 を入力し
て1周期分遅延させ、その出力と入力の位相を位相比較
器232で比較して位相誤差信号を生成し、これをロー
パスフィルタ233で直流電圧信号に変換し、遅延時間
制御信号CTR2として遅延時間生成回路231の各可
変遅延ゲートD(T2)を制御する。
【0037】すなわち、遅延時間生成回路231の遅延
時間は、各ゲート遅延時間が遅延時間制御信号CTR2
により制御され、全体としてクロックf1 の1周期分の
遅延時間に調整される。
【0038】この遅延時間生成回路231をB系統のパ
スB11〜B12の近傍に配置し、ローパスフィルタ2
33から出力される遅延時間制御信号CTR2をパスB
11〜B12の各可変遅延ゲートD(T2)に分配供給
する。この場合、遅延時間生成回路231とパスB11
〜B12とが互いに近接して配置されているため、その
ばらつきは同程度となる。
【0039】よって、同じ遅延時間制御信号CTR2を
用いてパスB11〜B12の可変遅延ゲートD(T2)
を制御することで、温度変化、ばらつきによらず、遅延
時間を常に設計値に合わせることができる。
【0040】さらに、可変遅延ゲートD(T1)、D
(T2)の1段分の遅延時間よりも小さい遅延時間を発
生させる部分は、パスA11〜A12、パスB11〜B
12がそれぞれ製造、温度ばらつきに対して補償される
ので、パスA11とパスB11、パスA12とパスB1
2の遅延時間差は設計値が保たれ、遅延回路の分解能は
製造、温度ばらつきに対して補償される。
【0041】この遅延処理部21に入力した信号を任意
の時間遅延させるためには、各段のセレクタ211〜2
14で適当なパスA11〜A14、B11〜B14を選
択する。各段の可変遅延ゲートD(T1)、D(T2)
の遅延時間は、遅延時間制御信号CTR1、CTR2に
より自動的に調整される。そのため、遅延処理部21の
出力信号は、極めて精度高く遅延された信号となる。
【0042】したがって、上記構成による遅延回路は、
自由に分解能を設定することができ、製造、温度ばらつ
きを補償して精度の高い遅延時間を設定することができ
る。なお、図1の実施例において、遅延処理部21のセ
レクタの段数、各段の可変遅延ゲート数は、必要に応じ
て増減可能である。
【0043】図2はこの発明に係る遅延回路の他の実施
例の構成を示すものである。なお、図2において図1と
同一部分には同一符号を付して示し、その説明は省略す
る。図2に示す遅延回路では、図1と比較して明らかな
ように、遅延処理部21のパスの選択構成が異なってい
る。すなわち、この遅延処理部21では、パスA11〜
A14、B11〜B14の選択に2入力2出力構造(2
入力の一方を2出力する)のセレクタ216〜218と
1入力1出力構造のセレクタ219を用いている。
【0044】図2において、入力端子INに供給された
入力信号は直接双方のパスA11、B11を通ってセレ
クタ216に入力され、いずれか一方の信号が選択され
てパスA12、B12の双方に出力される。
【0045】同様に、パスA12、B12の伝送信号は
セレクタ217に入力され、いずれか一方の信号が選択
されてパスA13、B13の双方に出力され、パスA1
3、B13の伝送信号はセレクタ218に入力され、い
ずれか一方の信号が選択されてパスA14、B14の双
方に出力され、パスA14、B14の伝送信号はセレク
タ219に入力され、いずれか一方の信号が選択されて
出力端子OUTに出力される。
【0046】このような構成でも、図1に示した実施例
と全く同様に、パスA11〜A14の可変遅延ゲートD
(T1)のばらつきを第1の遅延時間補償部22からの
遅延時間制御信号CTR1により、パスB11〜B12
の可変遅延ゲートD(T2)のばらつきを第2の遅延時
間補償部23からの遅延時間制御信号CTR2によって
補償することができる。また、遅延回路の分解能とな
る、遅延時間生成回路221と231の可変遅延ゲート
D(T1)、D(T2)の1段分の遅延時間差を、製
造、温度ばらつきに対して補償することができる。
【0047】なお、以上のような実施例においても、先
の実施例と同様に、遅延処理部21のセレクタの段数、
各段の可変遅延ゲート数は必要に応じて増減可能であ
り、系統別に個数を増減してもかまわない。また、いず
れの実施例もパスを2系統としたが、それ以上の系統数
であってもよい。この場合、各系統毎に遅延時間補償部
を設け、各遅延時間補償部の入力クロックをシンセサイ
ザによって基準クロックから生成するように構成すれ
ば、同様の効果が得られる。その他、種々の変形がこの
発明に含まれることはいうまでもない。
【0048】
【発明の効果】この発明によれば、製造、温度ばらつき
を補償し、精度の高い遅延時間を発生することが可能な
遅延回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による遅延回路の一実施例の構成を示
すブロック回路図である。
【図2】この発明による遅延回路の他の実施例の構成を
示すブロック回路図である。
【図3】従来のパス切り替え方式による遅延回路の構成
を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
11〜14 セレクタ 15 ORゲート 21 遅延処理部 211〜214 セレクタ 215 ORゲート 216〜219 セレクタ 22 第1の遅延時間補償部 221 遅延時間生成回路 222 位相比較器(PD) 223 ローパスフィルタ(LPF) 23 第2の遅延時間補償部 231 遅延時間生成回路 232 位相比較器(PD) 233 ローパスフィルタ(LPF) 24 シンセサイザ IN 入力端子 OUT 出力端子 A1〜A4、B1〜B4 パス A11〜A14、B11〜B14 パス f0 、f0 ′、f1 、f1 ′ クロック

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各段毎かつ各系統毎に可変遅延ゲート(D
    (T1),D(T2)) を直列に持つ複数段の複数系統のパス(A1
    1,A12,A13,A14,B11,B12,B13,B14) 、前記複数段の複数
    系統のパスを段毎に選択的に接続して遅延時間を設定す
    るパス選択手段(211,212,213,214,215) を備える遅延処
    理部(21)と、 前記パスの系統別に設けられ、それぞれ対応する系統の
    パスに用いられる可変遅延ゲート(D(T1),D(T2)) と同じ
    可変遅延ゲート(D(T1),D(T2)) を直列に接続して、その
    パスに近接配置し、入力クロック(f0,f1) を通して1周
    期分遅延する遅延時間生成手段(221,231) 、この遅延時
    間生成手段(221,231) の入出力の位相誤差を検出する位
    相誤差検出手段(222,232) 、この位相誤差検出手段(22
    2,232) の検出結果から遅延時間制御信号(CTR1,CTR2)
    を生成する制御信号生成手段(223,233) を備え、前記遅
    延時間制御信号(CTR1,CTR2) により内部可変遅延ゲート
    (D(T1),D(T2)) と共に対応する系統のパスに用いられる
    可変遅延ゲート(D(T1),D(T2)) の遅延時間を同時に制御
    する複数の遅延時間補償部(22,23) と、 基準クロック(f0)から前記複数の遅延時間補償部(22,2
    3) の入力クロック(f0,f1) を一定の周波数関係を持っ
    て生成するクロック生成部(24)とを具備し、 前記遅延処理部(21)のパス選択切り替えにより任意の遅
    延時間を設定することを特徴とする遅延回路。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記パス選択手段(2
    11,212,213,214) はセレクタであることを特徴とする遅
    延回路。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記位相誤差検出手
    段(222,232) は位相比較器であり、前記制御信号生成手
    段(223,233) はローパスフィルタであることを特徴とす
    る遅延回路。
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