JPH09182336A - 積層構造体 - Google Patents

積層構造体

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JPH09182336A
JPH09182336A JP33354195A JP33354195A JPH09182336A JP H09182336 A JPH09182336 A JP H09182336A JP 33354195 A JP33354195 A JP 33354195A JP 33354195 A JP33354195 A JP 33354195A JP H09182336 A JPH09182336 A JP H09182336A
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cracks
fitting
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Yuji Nakahara
裕治 中原
Nobuaki Miyake
展明 三宅
Kenichi Azuma
健一 東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転子軸との嵌合に伴って回転子鉄心を構成
する板状磁性部材に発生する歪を防止するためにはコス
トが増大する。 【解決手段】 回転子鉄心3を構成する複数の板状磁性
部材2の、回転子軸1が嵌合される嵌合穴2aの周に沿
った内部側に、破断に至らない亀裂2bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば回転電機
の回転子鉄心等のように、回転軸が圧入により嵌合され
る嵌合穴を有する複数の板状磁性部材を積重して形成さ
れる積層構造体の嵌合部の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種従来の積層構造体と、対をなす他
方の構造体との嵌合は圧入により成されている。しかし
ながら、積層構造体を形成する板状磁性部材個々の機械
的強度は弱いために歪みが発生し性能の低下を来す。一
方、このような圧入による歪の問題を解決するために、
積層構造体を加熱して膨張させ、この状態で嵌合穴に他
方の構造体を挿入し、その後常温に戻すことにより積層
構造体を収縮させて固定する焼ばめによる嵌合等も採用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の積層構造体は、
以上のように対をなす他方の構造体との圧入嵌合に伴う
歪の発生を防止するために、焼ばめによる嵌合等が採用
されているので、例えば炉等のように加熱のための設備
が必要となり、コストが増大するという問題点があっ
た。
【0004】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、コストを増大させることなく性
能の低下を防止することが可能な積層構造体を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る積層構造体は、対をなす他方の構造体との嵌合面の内
部側に破断に至らない亀裂を設けた複数の板状部材を積
重して形成したものである。
【0006】又、この発明の請求項2に係る積層構造体
は、請求項1において、中央部に回転子軸との嵌合穴を
有する複数の板状磁性部材を積重して形成された回転電
機の回転子鉄心である。
【0007】又、この発明の請求項3に係る積層構造体
は、請求項2において、破断に至らない亀裂を各板状磁
性部材の嵌合穴の周に沿った内部側に形成したものであ
る。
【0008】又、この発明の請求項4に係る積層構造体
は、請求項2において、破断に至らない亀裂を各板状磁
性部材の嵌合穴から放射状に形成したものである。
【0009】又、この発明の請求項5に係る積層構造体
は、請求項1において、固定子フレームと嵌合される外
周面を有する複数の板状磁性部材を積重して形成された
回転電機の固定子鉄心である。
【0010】又、この発明の請求項6に係る積層構造体
は、請求項5において、破断に至らない亀裂を各板状磁
性部材の外周面に沿った内部側に形成したものである。
【0011】又、この発明の請求項7に係る積層構造体
は、請求項3または6において、破断に至らない亀裂を
それぞれ程度の異なるものが同心状となるように複数層
形成したものである。
【0012】又、この発明の請求項8に係る積層構造体
は、請求項1において、少なくとも一対の板状磁性部材
をそれぞれ相対向する面に形成された突出部および窪み
部の嵌合により一体化された磁気応用機器の鉄心であ
る。
【0013】又、この発明の請求項9に係る積層構造体
は、請求項8において、破断に至らない亀裂を板状磁性
部材の窪み部に沿った内部側に形成したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態を図に基づ
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1における
積層構造体としての回転子の鉄心の構成を示す斜視図、
図2は図1における線II−IIに沿う断面を示す断面
図である。図において、1は回転子軸、2は中央部に回
転子軸1が図中矢印で示す方向に挿入される嵌合穴2a
を有し、この嵌合穴2aの周に沿った内部側には、後述
する方法で形成された破断に至らない亀裂2bが施され
るとともに、軸方向に積重されて回転子鉄心3を構成す
る複数の板状磁性部材である。
【0015】次に、上記のように構成された実施の形態
1における回転子鉄心3を構成する板状磁性部材2に、
破断に至らない亀裂2bを形成する方法を図3に基づい
て説明する。まず、下面の所定の位置に寸法hだけ突出
した多数の突起4aを有する上型4と、この上型4の下
方に配設され上型4の各突起4aと対応する位置に、そ
れぞれ各突起4aと嵌合可能な窪み部5aとを有する下
型5とでなる第1のプレス金型6間に板状磁性部材2を
挿入する。
【0016】次いで、上型4を下降させて下面を下型5
の上面に当接させた後、上型4を上昇させて元に戻す
と、図に示すように半抜き部7が形成される。次に、下
面が平坦な上型8と上面が平坦な下型9とでなる第2の
プレス金型10間に、板状磁性部材2を挿入するととも
に上型8を下降させ、下面を下型9の上面に当接させた
後上型8を上昇させて元に戻すと、図に示すように第1
のプレス金型によって形成された半抜き部7は元に戻さ
れ、図4にその詳細を模式して示すように破断に至らな
い亀裂2bが形成される。
【0017】このように上記実施の形態1によれば、板
状磁性部材2の嵌合穴2aの周に沿った内部側に亀裂2
bを形成して強度を局部的に弱くしているので、回転子
軸1を嵌合穴2aに挿入する際にこの亀裂2bが緩衝部
として機能するため、板状磁性部材2に無理な力をかけ
ることなく、挿入作業を容易に行うことが可能になり、
又、加熱のための炉等も必要としないのでコストを増大
させることもない。
【0018】尚、上記実施の形態1においては、図1に
示すように亀裂2bを嵌合穴2aの周に沿った内部側に
2層形成した場合について説明したが、1層でも良く上
記同様の効果を発揮し得ることは言うまでもない。
【0019】又、図5に示すように、第1のプレス金型
12の上型11の下面の所定の位置に、両端がh1、h2
と異なる寸法だけ突出した多数の突起11aを設け、上
記図3で説明した方法と同様に、上型11および下型5
の間に板状磁性部材2を挿入し、上型11を下降させて
下面を下型5の上面に当接させた後、上型11を上昇さ
せて元に戻すと、図に示すような形状の半抜き部13が
形成される。
【0020】次に、上型8と下型9との間に板状磁性部
材2を挿入するとともに上型8を下降させ、下面を下型
9の上面に当接させた後上型8を上昇させて元に戻す
と、第1のプレス金型12によって形成された半抜き部
13は元に戻され、図6にその詳細を模式して示すよう
に破断に至らない程度の異なる亀裂2b1、2b2がそれ
ぞれ形成される。そして、突起11aの高い方の寸法h
1の端部で半抜きされた側の亀裂2b2の方が、低い方の
寸法h2の端部で半抜きされた側の亀裂2b1より半抜き
戻し量が多い分程度が大になっている。
【0021】このように、破断に至らない亀裂2b1
2b2というように、程度の異なるものを複数層形成す
るようにすれば、回転子軸1を挿入する際の嵌合の度合
に応じて、これに対応する程度の亀裂が緩衝部として機
能するため、回転子軸1の直径と嵌合穴2aとの寸法関
係を厳密に設定しておかなくても良く、挿入作業がより
容易になる。
【0022】さらに又、上記各亀裂2b、2b1、2b2
はいずれも嵌合穴2aの周に沿った内部側に環状に形成
されているが、図7に示すように、嵌合穴2aから放射
状に亀裂2b3を形成しても良く、上記同様の効果を得
ることができる。
【0023】実施の形態2.図8はこの発明の実施の形
態2における積層構造体としての固定子の鉄心の構成を
示す断面図である。図において、14は固定子フレー
ム、15はこの固定子フレーム14の内面側に軸方向に
積層して嵌入固定され、固定子鉄心16を構成する複数
の板状磁性部材で、固定子フレーム14に嵌入される外
周面に沿った内部側に、上記実施の形態1で説明したと
同様に、半抜き戻し加工を施すことによって形成される
破断に至らない亀裂15aが所定の間隔で配列されてい
る。そして、固定子鉄心16の内方には固定子フレーム
14に軸受(図示せず)を介して支承される回転子軸1
と一体化された回転子鉄心3が配置されている。
【0024】このように上記実施の形態2によれば、固
定子鉄心16を構成する各板状磁性部材15の外周面に
沿った内部側に亀裂15aを所定の間隔で配列し、固定
子鉄心16の外周の強度を局部的に弱めるようにしてい
るので、固定子鉄心16を固定子フレーム14に嵌入す
る際に無理な力がかかることもなくなるため、挿入作業
が容易になることは勿論のこと、固定子フレーム14に
軸受を介して支承される回転子軸1の軸精度に悪影響を
与えることもなくなり、精度の高いモータを得ることが
可能になる。
【0025】尚、亀裂15aは上記実施の形態1におい
て図7で示すように、放射状に配置しても同様の効果を
得ることができる。
【0026】実施の形態3.図9はこの発明の実施の形
態3における磁気応用機器としての小型トランスの鉄心
の構成を示す斜視図である。図において、17はコ字状
に形成され両端にそれぞれ突起17a、17bが形成さ
れた複数の第1の板状磁性部材、18はこの第1の板状
磁性部材17の両突起17a、17bと対応する位置
に、両突起17a、17bと嵌合可能な窪み18a、1
8bが形成されるとともに、この両窪み18a、18b
の近傍に半抜き戻し加工を施すことによって形成された
亀裂18cが所定の間隔を介して配列された複数の第2
の板状磁性部材で、これら第1および第2の磁性部材1
7、18は両突起17a、17bと窪み18a、18b
との嵌合により一体化され、積層されることによりトラ
ンス鉄心19を構成する。
【0027】このように上記実施の形態3によれば、第
1の板状磁性部材17の両突起17a、17bと両窪み
18a、18bを介して嵌合されることにより一体化さ
れる第2の板状磁性部材18の両窪み18a、18bの
近傍に、強度が局部的に弱い亀裂18cを配置するよう
にしているので、第1および第2の板状磁性部材17、
18の嵌合を無理なく行うことが可能になり、組立作業
が容易になることは勿論のこと、磁気的な悪影響もなく
なり性能の高いトランスを得ることが可能になる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、対をなす他方の構造体との嵌合面の内部側に破断
に至らない亀裂を設けた複数の板状部材を積重して形成
したので、コストを増大させることなく性能の低下を防
止することが可能な積層構造体を提供することができ
る。
【0029】又、この発明の請求項2によれば、請求項
1において、中央部に回転子軸との嵌合穴を有する複数
の板状磁性部材を積重して形成された回転電機の回転子
鉄心に適用したので、コストを増大させることなく性能
の低下を防止することが可能になることは勿論のこと、
回転子軸の挿入作業が容易となる。
【0030】又、この発明の請求項3によれば、請求項
2において、破断に至らない亀裂を各板状磁性部材の嵌
合穴の周に沿った内部側に形成したので、コストを増大
させることなく性能の低下を防止することが可能になる
ことは勿論のこと、回転子軸の挿入作業が容易となる。
【0031】又、この発明の請求項4によれば、請求項
2において、破断に至らない亀裂を各板状磁性部材の嵌
合穴から放射状に形成したので、コストを増大させるこ
となく性能の低下を防止することが可能になることは勿
論のこと、回転子軸の挿入作業が容易となる。
【0032】又、この発明の請求項5によれば、請求項
1において、固定子フレームと嵌合される外周面を有す
る複数の板状磁性部材を積重して形成された回転電機の
固定子鉄心に適用したので、コストを増大させることな
く性能の低下を防止することが可能になることは勿論の
こと、回転子軸の軸精度に影響を与えることなく固定子
フレームへの挿入作業ができるようになる。
【0033】又、この発明の請求項6によれば、請求項
5において、破断に至らない亀裂を各板状磁性部材の外
周面に沿った内部側に形成したので、コストを増大させ
ることなく性能の低下を防止することが可能になること
は勿論のこと、回転子軸の軸精度に影響を与えることな
く固定子フレームへの挿入作業ができるようになる。
【0034】又、この発明の請求項7によれば、請求項
3または6において、破断に至らない亀裂をそれぞれ程
度の異なるものが同心状となるように複数層形成したの
で、コストを増大させることなく性能の低下を防止する
ことが可能になることは勿論のこと、嵌合のための挿入
作業がさらに容易となる。
【0035】又、この発明の請求項8によれば、請求項
1において、少なくとも一対の板状磁性部材をそれぞれ
相対向する面に形成された突出部および窪み部の嵌合に
より一体化された磁気応用機器の鉄心に適用したので、
組立作業が容易になることは勿論のこと、機器の性能の
向上を図ることが可能になる。
【0036】又、この発明の請求項9によれば、請求項
8において、破断に至らない亀裂を板状磁性部材の窪み
部に沿った内部側に形成したので、組立作業が容易にな
ることは勿論のこと、機器の性能の向上を図ることが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における積層構造体
としての回転子の鉄心の構成を示す斜視図である。
【図2】 図1における線II−IIに沿う断面を示す
断面図である。
【図3】 図1における鉄心を構成する板状磁性部材の
製造方法を示す断面図である。
【図4】 図3に示す製造方法で得られる板状磁性部材
の亀裂の状態を模式して示す図である。
【図5】 図3に示す製造方法とは異なる板状磁性部材
の製造方法を示す断面図である。
【図6】 図5に示す製造方法で得られる板状磁性部材
の亀裂の状態を模式して示す図である。
【図7】 図1に示すものとは異なる他の積層構造体と
しての回転子の鉄心の構成を示す斜視図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における積層構造体
としての固定子の鉄心の構成を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態3における磁気応用機
器としての小型トランスの鉄心の構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 回転子軸、2,15 板状磁性部材、2a 嵌合
穴、2b,2b1,2b2,2b3,15a,18c 亀
裂、3 回転子鉄心、4,8,11 上型、5,9 下
型、4a,11a 突起、5a 窪み部、6,12 第
1のプレス金型、7,13 半抜き部、10 第2のプ
レス金型、14 固定子フレーム、16 固定子鉄心。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対をなす他方の構造体との嵌合面の内部
    側に破断に至らない亀裂を設けた複数の板状部材を積重
    して形成されたことを特徴とする積層構造体。
  2. 【請求項2】 中央部に回転子軸との嵌合穴を有する複
    数の板状磁性部材を積重して形成された回転電機の回転
    子鉄心であることを特徴とする請求項1記載の積層構造
    体。
  3. 【請求項3】 破断に至らない亀裂は各板状磁性部材の
    嵌合穴の周に沿った内部側に形成されていることを特徴
    とする請求項2記載の積層構造体。
  4. 【請求項4】 破断に至らない亀裂は各板状磁性部材の
    嵌合穴から放射状に形成されていることを特徴とする請
    求項2記載の積層構造体。
  5. 【請求項5】 固定子フレームと嵌合される外周面を有
    する複数の板状磁性部材を積重して形成された回転電機
    の固定子鉄心であることを特徴とする請求項1記載の積
    層構造体。
  6. 【請求項6】 破断に至らない亀裂は各板状磁性部材の
    外周面に沿った内部側に形成されていることを特徴とす
    る請求項5記載の積層構造体。
  7. 【請求項7】 破断に至らない亀裂はそれぞれ程度の異
    なるものが同心状に複数層形成されていることを特徴と
    する請求項3または6記載の積層構造体。
  8. 【請求項8】 少なくとも一対の板状磁性部材をそれぞ
    れ相対向する面に形成された突出部および窪み部の嵌合
    により一体化された磁気応用機器の鉄心であることを特
    徴とする請求項1記載の積層構造体。
  9. 【請求項9】 破断に至らない亀裂は板状磁性部材の窪
    み部に沿った内部側に形成されていることを特徴とする
    請求項8記載の積層構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013240183A (ja) * 2012-05-15 2013-11-28 Mitsubishi Electric Corp 回転電機の積層鉄心及び回転子の積層鉄心の製造方法
CN107070107A (zh) * 2017-02-28 2017-08-18 武汉航达航空科技发展有限公司 航空发电机励磁转子组件修理方法

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CN107070107B (zh) * 2017-02-28 2019-04-05 武汉航达航空科技发展有限公司 航空发电机励磁转子组件修理方法

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