JPH09181374A - トランジスター及びその製造方法 - Google Patents

トランジスター及びその製造方法

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JPH09181374A
JPH09181374A JP7336475A JP33647595A JPH09181374A JP H09181374 A JPH09181374 A JP H09181374A JP 7336475 A JP7336475 A JP 7336475A JP 33647595 A JP33647595 A JP 33647595A JP H09181374 A JPH09181374 A JP H09181374A
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JP7336475A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Kawawake
康博 川分
Hiroshi Sakakima
博 榊間
Mitsuo Satomi
三男 里見
Yasusuke Irie
庸介 入江
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランジスターの磁界感度を上げる。低電流
で動作させる。スヒ゜ントランジスターを作製する際必要で
ある、Si/金属人工格子/Siのショットキー接合を容易に
安定に形成する。 【解決手段】 ベースの人工格子膜4aにスヒ゜ンハ゛ルフ゛型
人工格子膜を用いる。それによって磁界感度を上昇させ
る。または、ベースの人工格子膜に、強磁性トンネル接
合型磁気抵抗効果膜を用いる。そうすることにより低電
流動作が可能になる。Si基板上にエヒ゜タキシャルに金属人工格
子膜を作製し、更にそれにエヒ゜タキシャルにSi膜を形成する。
そうすることにより、容易に、安定した接合界面を作製
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人工格子磁気抵抗効
果膜をベースに用い、高周波で使用が可能なトランジス
タおよびその製造方法に関する。このトランジスター
は、外部からの磁界によりコレクター電流を制御可能な
磁界センサーとして動作する。
【0002】
【従来の技術】BaibichらのFe/Cr人工格子の巨大磁気抵
抗効果の発見(フィジカル レヴューレター 61巻 第2
472項 (1988年)( Physical Review Letter Vol.61, p
2472, 1988))に続いて、磁気抵抗効果素子の研究開発が
盛んに行われている。磁気抵抗(Magnetoresistance,MR)
効果素子とは、外部の磁界によって電気抵抗が変化する
素子のことで、磁界読みとり用に磁気ヘッド、磁界セン
サーなどに応用可能である。巨大磁気抵抗効果を示す人
工格子膜としては、Fe/Cr,Co/Cu,NiFe/Cu,NiFeCo/Cu等
の反強磁性に磁性層が結合したタイプと、NiFe/Cu/Co/C
u,NiFe/Cu/NiFe/FeMn等の異なった保磁力を有する2種
以上の磁性層から構成されるスヒ゜ンハ゛ルフ゛タイプの人工格
子がある。一般に反強磁性結合タイプは磁気抵抗変化率
(以下MR比と略す)が大きいが磁界感度が低く、反対
にスヒ゜ンハ゛ルフ゛タイプはMR比は反強磁性結合タイプより小
さいが磁界感度が大きく、こちらの方が実用的である。
【0003】スヒ゜ンハ゛ルフ゛タイプのMR膜には、反強磁性体
を用いて、一方の磁化を固定して、それによって磁化の
反平行状態を作り出す(保磁力の差を発生させる)タイ
プの、NiFe/Cu/NiFe/FeMn(またはFeMnの代わりにNiOを
用いる)等の膜と、Co,CoPt,CoFe等の硬質磁性膜と、Ni
Fe,NiFeCo等の軟磁性膜をCu等の非磁性層を介して積層
したタイプのいわゆる2種類の磁性層を用いるタイプが
ある。
【0004】また一方、強磁性体/非磁性体/強磁性体の
構成のいわゆる強磁性トンネル接合を有する人工格子膜
において、膜面垂直方向に非磁性体を流れるトンネル電
流が、強磁性体の磁化方向により変化する現象が報告さ
れている(日本応用磁気学会誌 第19巻 369項 (19
95年))。手束らは、Fe/Al2O3/Feの構成のトンネル接合
膜において、室温で18%の抵抗変化を報告している。こ
の場合、前記の金属人工格子膜の磁気抵抗変化に比べ
て、比抵抗が高いために、抵抗変化も大きいことが特徴
である。
【0005】最近、人工格子の磁気抵抗変化を利用し
た、スヒ゜ントランジスターがMonsmaらによって提案された
(フィジカル レヴュー レター 74巻 第5260項 (199
5年)(Physical Review Letter Vol.74, p5260, 199
5))。Monsmaらが提案したスヒ゜ントランジスターの構造を
図4に示す。この製法は以下の通りである。まず最初
に、n型のSi(100)ウェハーを用意し、裏面にオーム接触
になるようにPtを蒸着する。コレクターとエミッターと
してウェハーを切り出し、表面をフッ酸等で洗浄し、コ
レクター上には[Cu(2nm)/Co(1.5nm)]x4膜をrfスパッタ
法で形成する。そうして洗浄したエミッターの表面と、
コレクターの表面の人工格子膜を接着させる。このよう
にして作製すると、金属人工格子膜(ベース)と、エミ
ッター及びコレクターの間で、ショットキー障壁が形成
され、トランジスターとして働くようになる。
【0006】このとき、金属人工格子膜を通過する電子
は、膜面に垂直方向に移動するために、磁性層のスヒ゜ンに
依存した散乱を受ける。Co/Cu人工格子の保磁力の磁界
でのコレクター電流をJ(AP)、外部磁界により飽和したとき
のコレクター電流をJ(P)とすると、コレクター電流の変
化は、 MC(%)=(J(P)-J(AP))/J(AP)*100・・・(1) と表せる。これを前述のように作製したスヒ゜ントランジス
タについて77Kで測定した所、図5に示すように500 Oe
で200%以上の電流変化を示している。これはこの人工格
子膜の膜面内に測定した抵抗変化が約3%であるのに対し
て大幅な増加となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにして作製
したスヒ゜ントランジスタは、優れた磁界感度を有するセン
サーとなっているが、金属人工格子層として、反強磁性
結合タイプのCo/Cu人工格子膜を用いているために磁界
感度が不十分である。
【0008】また作成方法としては、金属とSiをショッ
トキー接合ができるように機械的に接合するという大変
困難な技術を用いている。そのために安定して特性を確
保するのが困難である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明のトランジスターは、第1の金属電極の上
に、第1のSi単結晶、スヒ゜ンハ゛ルフ゛型磁気抵抗効果膜、第
2のSi単結晶、第2の金属電極が順次積層された構成で
あり、第1と第2のSi単結晶とスヒ゜ンハ゛ルフ゛型磁気抵抗効
果膜の間で、ショットキー型障壁が形成されていること
を特徴とする。
【0010】また、より望ましくは、前記スヒ゜ンハ゛ルフ゛型
磁気抵抗効果膜がNiFeCo層とCo層またはCoFe層またはCo
Pt層を非磁性層を介して交互に積層した構成である。
【0011】また、別の本発明のトランジスターは、第
1の金属電極の上に、第1のSi単結晶、強磁性トンネル
接合型磁気抵抗効果膜、第2のSi単結晶、第2の金属電
極が順次積層された構成であり、第1と第2のSi単結晶
とスヒ゜ンハ゛ルフ゛型人工格子膜の間で、ショットキー型障壁
が形成されていることを特徴とする。
【0012】より望ましくは、前記強磁性トンネル接合
型磁気抵抗効果膜が、第1の強磁性体、絶縁体、第2の
強磁性体を順次積層した構成からなり、その第1および
第2の強磁性体が、Fe,Ni,Coまたはその合金からなり、
絶縁体がAl2O3またはSi02からなる。
【0013】また、本発明のトランジスターの製造方法
は、Si単結晶基板上に金属人工格子膜を直接またはバッ
ファー層を介してエピタキシャルに成長させる第1の行
程と、その金属人工格子膜上に直接またはバッファー層
を介してSiをエピタキシャル成長させる第2の行程から
なることを特徴とするものである。
【0014】より望ましくは、Si(100)基板上にCuバッ
ファー層を介してエヒ゜タキシャルに金属人工格子膜を作製する
かまたは、Si(111)基板上にAgバッファー層を介してエヒ゜
タキシャルに金属人工格子膜を作製する事である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明のスヒ゜ントランジスター
を具体的に説明する。
【0016】図1に本発明のスヒ゜ントランジスターの一例
の断面を模式的に表現して示す。本発明のスヒ゜ントランジ
スターは、エミッターとコレクターにともにSi単結晶1,
5を用い、電極2とから構成されている。ベースの部分
である金属人工格子膜は、従来はCo/Cu人工格子膜を用
いているが、本発明では、スヒ゜ンハ゛ルフ゛型人工格子膜を用
いる。Co/Cu人工格子膜のような反強磁性結合タイプの
膜は、磁界感度が不十分であり、スヒ゜ンハ゛ルフ゛タイプの方
が優れる。スヒ゜ンハ゛ルフ゛タイプのMR膜については、反強磁
性体を用いるタイプでも、2種類の磁性層を用いるタイ
プでもどちらでも良いが、望ましくは、2種類の磁性層
を用いるタイプがよい。FeMn,NiO等の反強磁性体を用い
るタイプは、これらの電気抵抗が大きいために、膜面と
垂直方向に電流を流す場合、磁気抵抗比が大きく低下し
てしまう可能性があるからである。前述したように、2
種類の磁性層を用いるMR膜は、軟磁性層8と硬質磁性層
7を非磁性層6を介して積層したものである。硬質磁性
層7としては、Co,CoPt,CoFe等がある。CoPtの原子組成
比としては、Co1-xPtxとして、 0≦x≦0.4 の範囲がよい。これ以上Ptが増加するとMR比が低下す
る。また、Co1-xFex膜の原子組成比としては、x=0.5付
近が最も適しており、 0.1≦x≦0.9 の範囲が良く、望ましくは、 0.4≦x≦0.6 の範囲がよい。硬質磁性層の1層あたりの膜厚は少なく
とも1nm以上は必要であり、生産性の面から、20nm以下
とするのが望ましい。
【0017】軟磁性層8としては、NiFe膜、NiFeCo膜等
が望ましい。この時軟磁性膜の特性として優れたものと
して、原子組成比として、NixCoyFez 0.6≦x≦0.9,0≦y≦0.4,0≦z≦0.3 のNi-rich膜か、 0≦x≦0.4,0.2≦y≦0.95, 0≦z≦0.5 のCo-rich膜を用いるのが望ましい。これらの組成の膜
はセンサーやMRヘッド用として要求される低磁歪特性
(1x10-5の程度かそれ以下)を有する。軟磁性層の膜厚
としては、1nm以上20nm以下、望ましくは3nm以上、更に
望ましくは10nm以上がよい。膜厚が薄くなると軟磁気特
性が劣化するからである。
【0018】非磁性層6としては、Cu,Ag,Auなどが良い
が中でもCuが優れている。Cu層の膜厚としては、磁性層
間の結合を弱くするために、少なくとも2nm以上望まし
くは5nm以上がよい。生産性の面から20nm以下望ましく
は10nm以下とするのが望ましい。
【0019】スヒ゜ンハ゛ルフ゛膜の構成としては、[硬質磁性層
7/非磁性層6/軟磁性層8/非磁性層6]を単位として、
1回以上繰り返して積層したものでも良いし、例えば、
図1に示すように、硬質磁性層7/非磁性層6/軟磁性層
8/非磁性層6/硬質磁性層7等の構成や、[硬質磁性層/
非磁性層/硬質磁性層/非磁性層/軟磁性層/非磁性層]を
単位として繰り返し積層したものでも良い。
【0020】またスヒ゜ンハ゛ルフ゛膜の結晶性としては、多結
晶膜でも良いが、望ましくは、Si基板上にエヒ゜タキシャル成長
させた膜を用いるのがより望ましい。この場合、人工格
子膜を作製する前に、バッファー層をあらかじめ作製す
るのがよい。バッファー層としては、Si(100)基板を用
いた場合には、Cu,Ag等が良く、特にCuバッファー層が
優れている。Cu層の膜厚としては、最低でも5nm以上は
必要であり、望ましくは10nm以上、上限は生産性の面か
ら200nm以下望ましくは100nm以下がよい。またSi(111)
基板を用いた場合はAgバッファー層が良く、この場合Ag
の膜厚としては、最低でも5nm以上は必要であり、望ま
しくは7nm以上、上限は生産性の面から200nm以下望まし
くは100nm以下がよい。Ag膜を作成後、100℃前後で30分
程度アニールするとより平滑な表面が得られて、その上
に作製したMR素子の特性が向上するので、良い。
【0021】エヒ゜タキシャルスヒ゜ンハ゛ルフ゛タイプMR膜の場合、強
磁性層として、Co膜またはCoFe膜を用い、軟磁性層とし
てNi-20wt%Fe膜を用いたものが特に優れている。
【0022】これらのスヒ゜ンハ゛ルフ゛膜は、図1に示すよう
に、Si単結晶1、5と直接接していても良いが、バッフ
ァー層を介して接していても良い。バッファー層として
は、CuやAgがよい。ただし、Si単結晶1,5と接している
金属の間で、ショットキー障壁が形成されている必要が
ある。
【0023】電極2としては、金属で低抵抗のものがよ
く、Al,Cu,Ag,Au,Pt等がある。この中でもAlまたはPtと
くに、Alが適している。電極2と、Si単結晶1、5との
間で、オーム型の接合が形成されていることが必要であ
る。
【0024】図1に示す、スヒ゜ントランジスターの製造方
法としては、従来のスヒ゜ントランジスターの製造法でも良
いが、本発明の製造方法を用いればよりすぐれた素子を
作製することができる。
【0025】次に、図2の場合について説明する。図2
は本発明の別のトランジスターの一例の断面を模式的に
表現して示す。本発明のトランジスターは、エミッター
とコレクターにともにSi単結晶1,5を用い、電極2とか
ら構成されているところは図1に示される従来例と同じ
構成である。違うのは、ベースの部分である金属人工格
子膜の部分である。従来は、Co/Cu人工格子膜を用いて
いるが、本発明では、強磁性トンネル接合型MR膜を用い
る。
【0026】強磁性トンネル接合型MR膜の構成は、第1
の磁性層9/絶縁層10/第2の磁性層11である。第
1、第2の磁性層としては、Fe,Co,Niとその合金がよ
い。いずれか一方を軟磁性にして、片方を硬質磁性層と
するため、2つの磁性層の材質、膜厚等を変化させるの
がよい。軟磁性層としては、前述のNiFeCo膜の組成が、
良い。磁性層の膜厚としては、1nm以上200nm以下望まし
くは100nm程度がよい。絶縁層としては、Al2O3,SiO2,G
e,NiO,Gd等があるが、望ましくは、Al2O3かまたは、SiO
2、より望ましくは、Al2O3がよい。絶縁層の膜厚として
は、5〜25nm程度がよい。
【0027】これらのスヒ゜ンハ゛ルフ゛膜は、図2に示すよう
に、Si単結晶1、5と直接接していても良いが、バッフ
ァー層を介して接していても良い。バッファー層として
は、CuやAgがよい。ただし、Si単結晶1,5と接している
金属の間で、ショットキー障壁が形成されている必要が
ある。
【0028】電極2としては、金属で低抵抗のものがよ
く、Al,Cu,Ag,Au,Pt等がある。この中でもAlまたはPtと
くに、Alが適している。電極2と、Si単結晶1、5との
間で、オーム型の接合が形成されていることが必要であ
る。
【0029】図2に示す、トランジスターの製造方法と
しては、従来のトランジスターの製造法でも良いが、本
発明の製造方法を用いればよりすぐれた素子を作製する
ことができる。
【0030】図3に本発明のトランジスターの製造方法
で作製された、素子の概略を示す。3の基本的な構成
は、図1と同じであるが、その作成方法が異なるので、
その作成方法を順に示していく。
【0031】まず最初に基板としてn型のSi(100)基板1
を用いる。この基板を熱酸化で表面にSiO2層を形成した
後、HF等でエッチングして清浄なSi表面を得る。裏面に
電極2を蒸着して形成する。この電極には、Al,Pt,Au,A
g,Cuなどがよい(特にAlがよい)が、重要なのは、電極
2とSi単結晶1、5をオーム型接合とすることである。
ここまでが下準備である。
【0032】次に、本発明の第1の行程として、金属人
工格子層4をSi基板1の表面にエヒ゜タキシャル成長させる。そ
のために、まずCu層をバッファー層3として形成する。
このバッファー層としては、Si基板上にエヒ゜タキシャル成長す
るものであれば何でも良いが、CuまたはAgが、より望ま
しくはCuがよい。バッファ層は、膜厚が最低5nm以上は
必要であり、生産性の点からは、200nm以下とするのが
望ましい。次に、金属人工格子層4をCu下地層上に形成
するが、金属人工格子層4としては、反強磁性結合タイ
プであっても、スヒ゜ンハ゛ルフ゛タイプであってもCu等のバッ
ファー層3上にエヒ゜タキシャル成長するものであればよい。具
体的には反強磁性結合タイプとしては、Co/Cu,CoFe/Cu,
NiFe/Cu,NiFeCo/Cuなど、スヒ゜ンハ゛ルフ゛タイプとしては、Co
/Cu/NiFe/Cu,Co/Cu/NiFeCo/Cu,CoFe/Cu/NiFeCo/Cuなど
がある。低磁界動作をさせるためには、スヒ゜ンハ゛ルフ゛タイ
プが優れている。中でもCo/Cu/NiFe/Cu膜はエヒ゜タキシャル成
長させた場合、NiFe層の保磁力が小さく低磁界動作に優
れる。この場合磁性層間のCu層の膜厚としては、磁性層
間の相互作用を小さくするため少なくとも2nm以上望ま
しくは5nm以上20nm以下とするのがよい。またCo層は硬
質磁性層として用い、膜厚としては、少なくとも1nm以
上、磁性層間の相互作用を小さくするため厚くとも10nm
以下、望ましくは、3nm以下とするのがよい。一方、Ni
Fe膜は軟磁性層として用い、組成としてはNi-20at%Fe前
後がよい。軟磁気特性を良くするために、膜厚は少なく
とも1nm以上、望ましくは3nm以上がよい。生産性から20
nm以下がよい。また膜の積層回数としては、[Co/Cu/NiF
e/Cu]の繰り返しを1回として、1回以上の繰り返しが
あればよい。繰り返し回数が多くなるに従い、MR比自体
は大きくなる。また必ずしもこの単位を保持しなくて
も、Co/Cu/NiFe/Cu/Co等の構成でも良い。繰り返し回数
の上限としては生産性から200回以下とするべきであ
る。下地層や人工格子層を形成する方法としては、スパ
ッタリング法や、蒸着法があるが、エヒ゜タキシャル成長をさせ
るためには、超高真空蒸着法が優れている。
【0033】このようにして、人工格子層をエヒ゜タキシャルに
Si基板上に作製した後、第2の行程として、人工格子層
4の上にSi層5をエヒ゜タキシャルに形成した。この時必要に応
じて、Si層を形成する前にCu,Ag等のバッファ層を蒸着
する。Si層5の形成方法としては、超高真空蒸着法が優
れているが、生産性の問題から、最初人工格子層にエヒ゜タ
キシャルにSi層を超高真空蒸着法で形成した後、CVD法でSi
層を厚く形成する等の方法もある。またこのSi層をn型
にするため、蒸着中、または形成後に、P等をドープす
る必要がある。またSi層を形成する際、図1に示すよう
に電極を取り出すために、マスクする必要がある。更に
この後、電極を再び表面に形成して、この電極とSiの間
はオーム性接触となるようにする。
【0034】以上は(100)基板を用いこの方位にエヒ゜タキシャ
ル成長させる場合について説明したが、(111)方位の基板
を用いた場合も同様に作製できる。この時は、バッファ
ー層3として、Agを用いるのが望ましい。
【0035】(実施例1)図1に示すようなスヒ゜ンハ゛ルフ゛
トランジスタを作成する方法をより具体的に説明する。
【0036】まず、膜厚400μm、比抵抗約1000Ωcmのn
型のSi(100)ウエハーを15x15mmにカットし、表面に熱酸
化でSiO2層を形成してこれをHF系の溶液でクリーニング
することにより、Siの清浄な表面を形成した。そのあ
と、裏面に、電極2として、Al層を蒸着して、Siと電極
のAl層間にオーム接合を形成した。この後、超高真空蒸
着装置に基板を入れてマスクで制限された10mmx10mmの
範囲の基板の表面に約10nmのCuバッファー層3、Co(3n
m)/Cu(5nm)/Ni0.8Fe0.2(10nm)/Cu(5nm)/Co(3nm)/Cu(5n
m)の順の人工格子膜4を形成した。更に、この後、マス
クにより、蒸着範囲を人工格子膜上5x5mmとなるように
制限して、Siをエヒ゜タキシャル成長させた。このときSiがn型
となるようにPをドープした。このようにして、人工格
子膜の両端に、基板のSiと蒸着したSiがショットキー接
合となるように膜を形成した。
【0037】このようにして作製したスヒ゜ントランジスタ
を、室温で、500 Oeの磁界を印可して評価した。このと
き、エミッタ電流は100mA,ベースーコレクタ間の電圧を0Vとし
た。図6はこの時のコレクタ電流の変化MCを低磁界の所を拡
大してかかせてある。測定の結果、約10 Oeの磁界で80%
のコレクタ電流の変化を示した。
【0038】(実施例2)n型の膜厚400μm、比抵抗約1
000ΩcmのSi(100)ウェハーを用意し、裏面にオーム接触
になるようにAlを蒸着する。コレクターとエミッターと
してウェハーを切り出し、表面をフッ酸等で洗浄し、コ
レクター上には[Cu(2.2nm)/Co0.5Fe0.5(2nm)/Cu(2.2nm)
/Ni0.8Fe0.1Co0.1(5nm)]x2人工格子膜をrfスパッタ法で
形成する。そうして洗浄したエミッターの表面と、コレ
クターの表面の人工格子膜を接着させる。このようにし
て作製すると、金属人工格子膜(ベース)と、エミッタ
ー及びコレクターの間で、ショットキー障壁が形成さ
れ、トランジスターとして働くようになる。
【0039】以上のようにして作製したトランジスター
の特性を77Kで評価すると、約20 Oeで200%のコレクタ
ー電流の変化があった。全く同様にして、比較例とし
て、人工格子膜を[Cu(2nm)/Co(2nm)]x4膜を形成してト
ランジスターを形成して評価すると、200%の電流変化を
起こすのに約300 Oeの磁界が必要であった。
【0040】(実施例3)実施例2と全く同様の方法
で、ただし、人工格子膜として、図2に示すように、Fe
(100nm)/Al2O3(20nm)/Ni0.8Fe0.2(150nm)とした。Al2O3
膜の作成方法としては、まずAlをrfスパッタ法で成膜し
た後、大気中に24時間放置して酸化させた。この膜を実
施例2と同様の方法で評価した。ただし、この時、エミッタ
電流は10mAにベース、コレクタ間の電圧は5Vとした。この結
果、約30 Oeの磁界で200%の電流が変化した。
【0041】(実施例4)実施例2と同じ方法で、ただ
し、人工格子膜を作製する前に、Si(100)基板上にCu膜
を10nmの厚みにエヒ゜タキシャル成長させ、更に人工格子膜とし
て、[Ni0.8Fe0.2(3nm)/Cu(5nm)/Co(3nm)/Cu(5nm)]x4膜
を作製した。この膜を77Kで、実施例2と同じ方法で評
価すると、コレクター電流が、20 Oeで220%の変化が起
こった。
【0042】(実施例5)実施例1と同じ方法で、ただ
し、人工格子膜を作製する前に、Si(111)基板上にAg膜
を10nmの厚みにエヒ゜タキシャル成長させ、373Kで30分アニール
した後、続いてCu膜を更に10nm形成した。更に人工格子
膜として、[Ni0.8Fe0.2(3nm)/Cu(5nm)/Co(3nm)/Cu(5n
m)]x4膜を作製した。この膜を室温で、実施例1と同じ方
法で評価すると、コレクター電流が、30 Oeで100%の変
化が起こった。
【0043】(実施例6)実施例2と同じ方法で、ただ
し、人工格子膜として[Ni0.2Fe0.2Co0.6(3nm)/Cu(5nm)
/Co0.8Pt0.2(3nm)/Cu(5nm)]x4膜を作製した。この膜を7
7Kで、実施例1と同じ方法で評価すると、コレクター電
流が、20 Oeで100%の変化が起こった。
【0044】
【発明の効果】本発明のトランジスターは、低磁界で大
幅なコレクター電流の変化する磁界センサーである。ま
た別の本発明のトランジスターは、高抵抗のために低電
流動作が可能である。また本発明のトランジスターの作
成方法により、室温でかつ低磁場で動作する磁界センサ
ーが容易に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランジスターの一例の断面模式図
【図2】本発明の別のトランジスターの一例の断面模式
【図3】本発明の製造方法で作製されるトランジスター
の断面模式図
【図4】従来のスヒ゜ントランジスターの断面模式図
【図5】従来のスヒ゜ントランジスターのコレクター電流の
印加磁界依存性を示す図
【図6】本発明の製造方法で作製されるランジスターの
コレクター電流の印加磁界依存性を示す図
【符号の説明】
1 Si基板 2 電極 3 バッファ層 4 金属人工格子層 4a スヒ゜ンハ゛ルフ゛型人工格子膜 4b 強磁性トンネル接合型MR膜 5 Si単結晶 6 非磁性層 7 硬質磁性層 8 軟磁性層 9 第1の磁性層 10 絶縁層 11 第2の磁性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入江 庸介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の金属電極の上に、コレクターとして
    第1のSi単結晶、ベースとしてスヒ゜ンハ゛ルフ゛型磁気抵抗効
    果膜、エミッターとして第2のSi単結晶、第2の金属電
    極が順次積層された構成であり、前記第1と第2のSi単
    結晶と前記スヒ゜ンハ゛ルフ゛型磁気抵抗効果膜の間で、ショッ
    トキー型障壁が形成されていることを特徴とするトラン
    ジスタ。
  2. 【請求項2】スヒ゜ンハ゛ルフ゛型磁気抵抗効果膜が、NiFeCo層
    の上に非磁性層を介してCo層またはCoFe層またはCoPt層
    を積層した構成となっていることを特徴とする請求項1
    に記載のトランジスタ。
  3. 【請求項3】第1の金属電極の上に、コレクターとして
    第1のSi単結晶、ベースとして強磁性トンネル接合型磁
    気抵抗効果膜、エミッターとして第2のSi単結晶、第2
    の金属電極が順次積層された構成であり、第1と第2の
    Si単結晶とトンネル接合型磁気抵抗効果膜の間で、ショ
    ットキー型障壁が形成されていることを特徴とするトラ
    ンジスタ。
  4. 【請求項4】強磁性トンネル接合型磁気抵抗効果膜が、
    第1の強磁性体、絶縁体、第2の強磁性体を順次積層し
    た構成からなり、その第1および第2の強磁性体が、F
    e,Ni,Coまたはその合金からなり、絶縁体がAl2O3または
    Si02からなることを特徴とする請求項3に記載のトラン
    ジスタ。
  5. 【請求項5】Si単結晶基板上に、ベースとして金属人工
    格子膜を直接またはバッファ層を介してエピタキシャル
    に成長させる第1の行程と、その金属人工格子膜上に直
    接またはバッファ層を介してSiをエピタキシャル成長さ
    せる第2の行程からなることを特徴とするトランジスタ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】Si(100)基板上にCuバッファー層を介してエ
    ヒ゜タキシャルに金属人工格子膜を作製する事を特徴とする請
    求項5に記載のトランジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】Si(111)基板上にAgバッファー層を介してエ
    ヒ゜タキシャルに金属人工格子膜を作製する事を特徴とする請
    求項5に記載のトランジスタの製造方法。
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