JPH09181118A - 電子回路部品の製造方法 - Google Patents

電子回路部品の製造方法

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Publication number
JPH09181118A
JPH09181118A JP8336035A JP33603596A JPH09181118A JP H09181118 A JPH09181118 A JP H09181118A JP 8336035 A JP8336035 A JP 8336035A JP 33603596 A JP33603596 A JP 33603596A JP H09181118 A JPH09181118 A JP H09181118A
Authority
JP
Japan
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chip
tool
bonding
alignment
stage
Prior art date
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Pending
Application number
JP8336035A
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English (en)
Inventor
Michiro Takahashi
道郎 高橋
Toru Mita
徹 三田
Yasuo Nakagawa
泰夫 中川
Toshimitsu Hamada
利満 浜田
Hisafumi Iwata
尚史 岩田
Aizo Kaneda
愛三 金田
Koji Serizawa
弘二 芹沢
Hiroyuki Tanaka
大之 田中
Koichi Sugimoto
浩一 杉本
Toshihiko Sakai
俊彦 酒井
Keizo Matsukawa
敬三 松川
Tsutomu Mimata
力 巳亦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/50Tape automated bonding [TAB] connectors, i.e. film carriers; Manufacturing methods related thereto
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/74Apparatus for manufacturing arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and for methods related thereto
    • H01L2224/79Apparatus for Tape Automated Bonding [TAB]

Landscapes

  • Wire Bonding (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ボンディング時の瞬間的な過剰加圧力を抑え
て、信頼性の高い電子回路部品の製造方法を提供する。 【構成】ツールが接続部を介して被接続部に加える圧力
と、ツールが接続部に接近、接触する時の速度とをそれ
ぞれ独立に設定し、該設定した値に応じてツール駆動機
構を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テープ上のリード
とICチップ上に形成したバンプとを位置合せして圧着
するTAB(Tape Automated Bonding)方式の多ピ
ンチップ取付け方法及び装置に係り、特にテープ上のイ
ンナーリードとペレット(ICチップ)上のバンプとを
高精度に、かつ両者が重り合った状態においても高精度
に位置合せし得るTABインナーリードボンディングの
方法及び装置、並びにそれらに用いられるアライメント
方法、ボンディングツール、ステージ及びそれらを用い
たICに関する。
【0002】
【従来の技術】TAB方式とは図2に示すようにテープ
1上に形成したインナーリード2とICチップ4上に形
成したバンプ3とを位置合せした後に、両者を一括して
接合圧着する接続方式である。従来ICチップの接続方
式としては、ワイヤボンディング方式が広く用いられて
きた。ワイヤボンディング方式では、ワイヤを加熱圧着
するボンディングツールの寸法制限から接続可能な電極
間の最小ピッチが約160μmまでとされている。
【0003】反面、計算機用論理LSIや液晶表示用駆
動ICなど多数の入出力ピン数を有するICチップで
は、チップコストや高密度実装要求から160μm以下
の狭ピッチで200ピン以上の接続を必要としており、
ワイヤボンディング方式では対応できなくなりつつあ
る。TAB方式では一括リード接続のため上記ボンディ
ングツールによる寸法上の制約がなく極めて狭ピッチ、
多ピンの接続が可能になる。一般に採用されているTA
B方式における位置合せは、テープ1とICチップ4の
位置合せを別々に検出し、予め設定した位置へ各々を移
動することによって行っていた。
【0004】特公昭62−27735号公報および特開
昭58−141号公報に開示する従来技術のものは図2
に示す如く、ボンディング位置より離れたテープ1上の
任意の1点に設けた位置合せマーク65を用いて位置合
せするか、又はインナーリード・パターンの特定な形状
を記憶し、新しいテープが供給されるごとにそのパター
ンを検出し、設定した位置とのずれ量を求め、テープ位
置を修正する方法がとられていた。同様にICチップ4
の位置合せも、ICチップ4内の特定な形状のパターン
を記憶し、ICチップ4毎に設定した位置とのずれ量を
求め、位置修正を行うようにしていた。
【0005】またテープ1とICチップ4の回転方向の
位置合せとしては、ボンディング前のICチップ4を搭
載したトレイとボンディング位置との中間にICチップ
4の回転方向を機械的に修正するステーションを設けて
回転ずれ量を修正する方法が採用されていた。
【0006】また、従来のテープボンディング装置は、
特開昭53−105972号公報に記載のように、ツー
ルに低いエア圧をかけた状態でツールを下降させ、ボン
ディング開始時にエア圧を高圧へと切換えることでボン
ディング時のICチップへの衝撃荷重を抑えていた。そ
の際エア圧の切換えは、ツール駆動機構に設けたタイミ
ングカムによってボンディング開始位置との同期をとっ
ていた。
【0007】また従来のボンディングツール及びステー
ジは、例えば特開昭62−97341号公報に記載のよ
うに、ヒータを有するボンディングツールによって、テ
ープ上のリードとICチップ上のバンプを加熱圧着して
いた。その際、ICチップを搭載したステージ上には、
加熱圧着時の温度を低減するためICチップ直下のステ
ージに加熱ヒータを有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記のTAB方式では
多ピン化が進み、バンプ3やリード2がさらに微細なも
のとなるため、より高精度な位置合せが必要とされてい
る。しかし上記従来技術はボンディング位置から離れた
位置に存在する位置合せマーク65等を検出し、機械的
精度を頼りにテープ1とICチップ4の位置を修正し、
そのままボンディングするようになっている。このため
位置合せ精度は位置合せマーク等の検出精度の他に、機
械的な精度も含まれることになる。このため多ピンTA
B用の微細化したリード2とバンプ3に対し、十分な位
置合せ精度が得られないという課題があった。
【0009】また上記従来技術は、個々のICチップの
間で接着部であるバンプの高さにばらつきがある点につ
いて配慮されていない。このためバンプ高さが低いIC
チップの場合、ツールがリードを介してバンプに接触す
る前にエア圧が高圧に切り替わりツールがリード及びバ
ンプに荷重加圧力を及ぼす可能性が大きかった。その結
果、リードやバンプに応力集中を起こし、リード切れ、
バンプはがれやバンプ下層部におけるフラックなどのい
わゆるボンディングダメージが発生しやすいという課題
があった。
【0010】又、一括ボンディングにおいては、バンプ
形成精度に起因したバンプ高さのばらつきが原因となっ
て加圧開始時に少数のバンプだけに加圧力が印加される
のは避けがたい。上記従来技術ではエアを2段階に切り
換えることで低圧にて多数バンプに接触させてしまうこ
とを意図しているが、接合個所であるリード・バンプの
数が多くなればなるほど、加圧中に必要とされる加圧力
に対して個々のバンプの耐荷重性は低下するので、上記
ボンディングダメージがやはり発生しやすくなる。
【0011】また、上記従来技術は、ICチップ上で特
にコーナ部と辺の中央部の接続部分での温度分布のばら
つきについて考慮されていない。更にテープ上のリード
に表面処理してあるSnやはんだがボンディングツール
底面に付着し、シールの片当たりを招いており、そのた
め十分な接続状態が得られていない課題があった。
【0012】本発明の目的は、多ピンTABに対応した
高精度、高信頼なTABインナリードのボンディング方
法及び装置並びにそのアライメント方法を提供すること
にある。
【0013】また、本発明の目的は、バンプ高さの精度
が不十分なICチップに対しても、衝撃力及び過大な加
圧力がかかることなく、良好なボンディングを達成する
ボンディング方法及び装置を提供することにある。
【0014】さらに本発明の目的は、均一な温度分布を
有するボンディングツール及びステージ並びにそれらを
用いて良好なボンディングを達成するボンディング装置
を提供することにある。
【0015】さらに本発明の他の目的は、チップ割れや
リード破壊などのないICを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的のため、本発明
は、バンプを表面に形成したICチップとキャリアテー
プ上に形成されたインナリードとをボンディングステー
ションで対向させ、前記ボンディングステーションでリ
ードを通してステージ上のICチップの位置を検出し、
ステージの位置補正量を算定して、リードとチップをア
ライメントした後、ボンディングするようにしたもので
ある。
【0017】また、バンプを表面に形成したICチップ
とテープ上に形成されたインナリードとをボンディング
位置で対峙させ、両部分が重なった状態を光学的に拡大
し、拡大像を撮像素子で検出し、検出した画像を処理す
ることでずれ量を求め、ICチップを搭載したXYθス
テージを微動することでインナリードとICチップをア
ライメントし、アライメント後は両者のXYθ方向の相
対的な位置関係を固定し、両者をボンディングツールで
圧着させるものである。
【0018】さらに、バンプを表面に形成したICチッ
プと、テープ上に形成されたインナリードをボンディン
グ位置で対峙させ、両表面に斜交する斜方照明により、
前記インナリードを明るく顕在化し、このパターンから
インナリード位置を求めると共に、前記両表面に直交す
る落射照明により前記インナリードおよびバンプを暗く
検出し、このパターン及び前記斜方照明の画像から求め
たインナリード位置を用いICチップ位置を求めるよう
にしたものである。
【0019】さらに上記目的は、ツールとICチップと
の間に働く加圧力を検出する手段及びツールの移動量を
検出する手段と、ツールの駆動力を変化する手段とを設
け、上記2つの検出手段により得られる検出結果をもと
にツール駆動力を変化させながらボンディングを行なう
ことにより達成される。
【0020】また上記目的のため本発明は、テープ上の
リードとICチップ上のバンプを熱圧着する際に、ボン
ディングツール底面の温度分布が均一になるように形状
及びヒータ配置を工夫したものである。
【0021】またボンディングツール底面に熱伝導性、
耐摩耗性に優れ、化学的に安定な材料を被覆して熱圧着
を行なうようにしたものである。
【0022】更にボンディングツールから衝撃的加圧力
やチップとツールの底面の平行度のずれを吸収する機能
をステージに設けようとしたものである。
【0023】上記構成をとることにより、レンズの光軸
等を基準位置にして、テープ、チップ、ツール、ステー
ジが位置合わせできるため、高精度なボンディングを行
えることができ、ICの多ピン化に対応することができ
る。
【0024】また、ステージをXYθ方向に微動するこ
とで、リードとチップの位置合せを高精度に行うことが
できる。
【0025】また、斜方照明と落射照明を用いること
で、ボンディング位置でリードとバンプが重なった状態
で位置合せができるため、位置合せ時の精度がボンディ
ングする時にもそのまま保たれ、リードとICチップの
高精度な位置合せが可能になる。
【0026】さらに、ボンディングにおけるツールとI
Cチップ間の加圧力が常時検出・制御でき、また、ボン
ディング中のツールとバンプとの接触状態及び押しつぶ
し状態に応じた加圧力設定が可能になる。
【0027】またボンディング時の各々の接続部が均一
な温度分布になるため接続状態のばらつきが低減でき、
高信頼のボンディングができる。
【0028】また、ボンディングツール底面へのSnや
はんだの付着が防止でき、ボンディング歩留まりを向上
できる。
【0029】更にボンディング時に、ツールからの衝撃
的加圧力を吸収できるので、ICチップへのダメージを
低減でき、高信頼のボンディングができる。またチップ
とツール底面との平行度のずれを吸収できるので、調整
時間が短縮でき、スループットの向上が図れる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を詳細に説
明する。
【0031】まず、本発明が適用される装置の全体構成
と、動作原理につき、図1及び図3から図9により説明
する。
【0032】図1及び図3に示すように、ベース100
の上面101に光学系ベース102が取付けられ、その
上面103に光学系プレート104が固定されている。
この光学系プレート104の先端部105に対物レンズ
14が配置されている。この対物レンズ14の光軸10
6を基準軸として全てのテーブルが配置されている。
【0033】落射照明用光源8から出た光はミラー9、
シャッタ11、ミラー12、ハーフプリズム13、対物
レンズ14を介して、テープ1上のインナリード2に投
光される。同様に斜方照明用光源16の光はロータリソ
レノイド17を駆動し、シャッタ18を開くことによ
り、ガラスファイバ19、リング照明装置を介してIC
チップ4に投光される。共に反射光は対物レンズ14、
ハーフプリズム13、ミラー23、フィールドレンズ2
4、リレーレンズ25、ミラー26bを介し、一方のコ
ーナの像は、ミラー27b,28bを介してTVカメラ
29bに取り込まれる。他方のコーナの像はミラー26
a,27a,28aを介して、TVカメラ29aに取り
込まれる。
【0034】図1及び図7等に示すように、36はベー
ス100の上面102に取付けられ、水平面内で前後左
右に移動するパルスモータ駆動ステージ36a,36b
と旋回する旋回テーブル36cで構成し、その上部には
ICチップ4の下面4bを真空ポンプ(図示せず)ソレ
ノイドバルブ107;チップステージ6を介して、吸着
穴6aによりチップステージ上面6bの中央部108に
吸着保持される。ICチップ4を保持した状態で、旋回
テーブル36cの旋回中心109と光軸106とが一致
する位置にXYθステージ36の駆動ステージ36a,
36bを動作する。1はテープであり、パルスモータ1
10を回動することにより、一対のタイミングプーリ1
11,112及びタイミングベルト113を介して、ス
プロケットベース14に取付けられ回動可能な状態で保
持されている駆動スプロケット115が回動することに
より、テープ1に設けられたスプロケットホール1bを
介して、一定ピッチだけ矢印A方向に搬送する。スプロ
ケットベース114の他方には、アイドルスプロケット
117が回動可能な状態で保持されている。
【0035】図1、図4に示すように、スプロケットベ
ース114はXYZテーブル118に取付けられ、パル
スモータ駆動ステージ118a,118b,118cで
構成し、スプロケットベース114を前後、左右、上下
に移動させることができる。スプロケットベース114
の中央部にはテープガイド119が取付けられ、テープ
1のデバイスホール1aの中心120とテープガイド1
19に設けられたボンディングホール121の中心12
2が光軸106と一致する位置にテープ1を案内すると
共に、テープガイド119の下面123は円弧状に加工
が施され、テープ1に適当な張力を加えることにより、
下面123に密着させることができる(図6参照)。図
4に示すように、124はツールテーブルベースであ
り、一対のスライドガイド125,126を介して、前
後摺動プレート127が取付けられ、モータ128はモ
ータ軸128a、ボールネジ129、ナット130を介
して、前後摺動プレート127に取付けられ、モータ1
28を回動することにより、前後摺動プレート127を
矢印B及び矢印C方向にスライドさせることができる。
【0036】モータ131は前後摺動プレート127に
取付けられ、モータ軸132、カップリング133、減
速機134、及びピン135で連結されたリング13
6,137を介して、上下摺動プレート138に連結さ
れている。上下摺動プレート138は前後摺動プレート
127に取付けられた一対のスライドガイド139,1
40によって案内され、モータ131を回動することに
より、上下摺動プレート138が矢印D、E方向にスラ
イドさせることができる。
【0037】図8に示すように、上下摺動プレート13
8の前面142には熱圧着用ボンディングツール7を把
持し、ボンディングツール7の下面7aの傾きを調整す
るピッチングプレート143と、ローリングプレート1
44及び、ボンディングツール7の軸部7bを把持する
溝145と、押え板146で構成するヘッド147と、
ヘッド147を上下に摺動可能な状態で保持する一対の
スライドガイド148,149とこれを取付けるヘッド
ベース150が取付けられている。151はロードセル
であり、ヘッドベース150の上部152とヘッド14
7の上面153の間隙に取付けられ、ヘッドベース15
0が降下し、チップステージ6上のICチップ4及びイ
ンナリード2にボンディングツール7の下面7aが接触
し、ヘッド147が停止しスライドガイド148,14
9を介してスライドし、ロードセル151が圧縮され、
ボンディング荷重を検出することができる。
【0038】ボンディングツール7は加熱ヒータ154
を取付ける穴155と、熱電対156を取付ける穴15
7が設けられ、固定ネジ158によって、各々取付けら
れており、温度制御ユニット(図示せず)によって所定
の温度に維持されている。同様に159はステージ加熱
ヒータであり、チップステージ6の上部6cを加熱し、
上部6cに穴6dを介して取付けられた熱電対160が
固定ネジ161によって取付けられ、温度制御ユニット
(図示せず)によって、所定の温度に維持されている。
チップステージ6の中央部には断熱台6eが取付けられ
中央部にはICチップ4を吸着する穴6fがあり、更に
下部にはチップステージベース6gがあり、XYθステ
ージ36に取付けられている。チップステージベース6
gには真空吸着穴6hがあり、管継手162、チューブ
163、ソレノイドバルブ107を介して真空ポンプ
(図示せず)に接続されている。
【0039】164はICチップ4移載用真空吸着パッ
トであり、管継手165、チューブ166、ソレノイド
バルブ167を介して真空ポンプ(図示せず)に接続さ
れている。吸着パット164はアーム168に取付けら
れ、一対のスライドガイド169a,169bに案内さ
れ、ハンドベース170に取付けられて、上下に摺動可
能な状態で保持され、ハンドベース170に取付けられ
たエアシリンダ171のロッド172がアーム168に
連結されている。エアシリンダ171は管継手173、
チューブ174、ソレノイドバルブ175を介して、高
圧エア配管(図示せず)に接続されている。ソレノイド
バルブ175を駆動することにより、アーム168を介
して、吸着パット164は上下にスライドする。
【0040】ハンドベース170は水平面内を前後、左
右に移動するXYステージ176のパルスモータ駆動ス
テージ176a,176bに取付けられている。
【0041】178はトレー台であり、上面179にト
レー180を一対の位置決めピン181,182によっ
て位置決めされ、トレー180の上面には複数個所の凹
部183が設けられ、ICチップ4が位置決めされ予め
搭載されている。
【0042】184はリールプレートであり、送りモー
タ185が取付けられ、モータ軸186にリール187
の角穴188をはめ合わせる角軸189が取付けられて
いる。図5に示すように、角軸の先端にはピン190を
支点に折れ曲るストッパレバー191が取付けられ、リ
ール187の抜けを防止する。192は固定ローラであ
り、リールプレート184に支点軸193が固定されベ
アリング(図示せず)を介して回動可能な状態で保持さ
れている。194はテンションローラであり、リールプ
レート184に取付けたスライドガイド195を介し、
テンションローラ軸196が固定され、ベアリング(図
示せず)を介して回動可能な状態で保持されている。
【0043】197はスペーサであり、テープ1と共に
リール187巻かられある。198はスペーサ用固定ロ
ーラであり、リールプレート184に支点軸199が固
定されベアリング(図示せず)を介して回動可能な状態
で保持されている。200はテンションローラであり、
リールプレート184に取付けたスライドガイド201
を介し、テンションローラ軸202が固定され、ベアリ
ング(図示せず)を介して回動可能な状態で保持されて
いる。
【0044】203はリールプレート184に取付けら
れた巻取りモータであり、モータ軸204には送りモー
タ185と同様に角軸189が取付けられている。リー
ルプレート184には、テンションローラ194の位置
を検出する一対のリミットスイッチ205,206が取
付けられ、スライドガイド195のスライド部195a
に接触することによって動作し、各々、送りモータ18
5及び矢印G方向に巻取りモータ203を駆動する。
【0045】以上の構成において、XYステージ176
を駆動し、トレー180上に搭載されている適当な位置
のICチップ4の中心4aに吸着パット164の中心1
64aが一致するように移動した後、ソレノイドバルブ
175を駆動しエアシリンダ171を動作し、アーム1
68を介して吸着パッド164を降下した後、ソレノイ
ドバルブ167を駆動し、ICチップ4の上面4aを真
空吸着し、再びアームを上昇させた後、XYステージ1
76を駆動し、ICチップ4をチップステージ6に搭載
する位置に移動する。同時、XYθステージ36を駆動
し、チップステージ6をICチップ4受取り位置に移動
しておく。
【0046】次にソレノイドバルブ175を駆動し、エ
アシリンダ171を動作させ、吸着パッド164を降下
させた後、ソレノイドバルブ167を駆動し、ICチッ
プをチップステージ6上に搭載した後、ソレノイドバル
ブ175を駆動し、エアシリンダ171を動作させ吸着
パッド164を上昇させる。
【0047】次にXYθステージ36を駆動し、旋回テ
ーブル36cの旋回中心109が光軸106と一致する
位置に戻す。同時にパルスモータ110を回動し、タイ
ミングプーリ111、タイミングベルト113、タイミ
ングプーリ112を介して駆動スプロケット115を回
動し、図6に示すように、テープ1を一定ピッチだけ矢
印F方向に搬送し、テープガイド119のボンディング
ホール121の中心122にテープ1の中心120を一
致させる。この時、搬送されたテープ1長さによりテン
ションローラ194bが自重で下方に降下し、リミット
スイッチ206bが動作し、巻取りモータ203が回動
し、リール187bが回転しながらテープ1とスペーサ
197を巻き取る。これによってテープ1が引張られ、
テンションローラ194bが押上げられリミットスイッ
チ205bが動作し、巻取りモータ203が停止する。
同時にテープ1が引張られテンションローラ194aが
押上げられ、リミットスイッチ205aが動作し、送り
モータ185が回動し、リール187aが回転しながら
テープ1とスペーサ197を送り出す。これによってテ
ープ1がゆるみ、テンションローラ194aが降下し、
リミットスイッチ206aが動作し、送りモータ185
が停止する。駆動スプロケット115が回動し、テープ
1を搬送する毎にこの一連の動作を繰返し行なうことに
よって常に一定の張力をテープ1に加えることができ
る。
【0048】次にシャッタ18を閉じ、シャッタ11を
開き落射照明用光源8による画像をTVカメラ29a,
29bに取り込みテープ1の最もコーナ寄りにあり直角
をなす各1本のインナリード2の位置を検出し、図9に
示すように、予め定めた基準位置207aとのオフセッ
ト量を加えた差を求め、その差分だけXYZテーブル1
18を駆動し、インナリード2を基準位置207aに合
わせる。次にシャッタ11を閉じ、シャッタ18を開
き、斜方照明用光源16による画像をTVカメラ29
a,29bに取り込みチップコーナ4c、4dの位置を
検出し、基準位置207a,207bとの差を求め、そ
の差から、ICチップ4の傾きと、傾きを修正した後の
前後左右方向の差分を計算により求め、XYθステージ
36を駆動し、基準位置207a,207bにICチッ
プ4のコーナ4c,4dを合わせる。
【0049】以上の動作を繰返えし行い所定の位置ズレ
以内に納めた後、再び落射照明用光源8を用い同様にし
て、インナリード2複数本の平均位置208a,208
bを求め、斜方照明用光源16を用いて、バンプ3の複
数個の平均位置209a,209bを求め、ICチップ
4の傾きと、傾きを修正した後の前後左右方向の差分を
計算により求め、XYθステージ36を駆動し、インナ
リード2の平均位置208a,208bに対し、バンプ
3の平均位置209a,209bを合わせる。この動作
を繰返えし行い所定の位置ズレ量以内に納め、位置合わ
せを終了する。
【0050】この時ICチップ4に欠陥が画像処理によ
って発見された場合、XYθステージ36を位置合わせ
前のICチップ4が搭載された位置に戻し、XYステー
ジ176、ソレノイドバルブ167、175を駆動し、
吸着パット164によってICチップ4をトレー180
の空き凹部183に戻した後、他のICチップ4を再び
チップステージ6に搭載し、同様の手段によって、位置
合わせを行う。
【0051】また、テープ1のインナリード2に欠陥が
発見された場合、駆動スプロケット115を回動し、テ
ープ1を一定ピッチ搬送し、新たなインナリード2を位
置決めした後、再び同様な手段によって位置合わせを行
う。
【0052】位置合わせが終了した後、モータ128を
駆動し、図4に示すように、前後摺動プレート127を
矢印B方向に移動し、ボンディングツール7をボンディ
ング位置39に位置合わせを行った後、モータ131を
駆動して、カップリング133、減速機134、ピン1
35、リンク136,137、上下摺動プレート13
8、を介してヘッドベース150を矢印E方向に降下さ
せながら、ボンディングツール7、ヘッド147を介し
ロードセル151の反力を検出する。ボンディングツー
ル7の下面7aが、インナリード2を介して、チップス
テージ6上のICチップ4と接触し、所定の荷重を検出
した後、所定時間ボンディングツール7を押し付け、加
熱し、インナリード2がバンプ3に接合された後、再び
モータ128及び、モータ131を駆動して元の位置に
戻り、1つのICチップ4とテープ1上のインナリード
2の熱圧着接合を完了する。上記全ての動作を繰返し行
うことによって連続的にインナリードボンディングを行
うことができる。
【0053】次に、図面を参照して本発明の一実施例に
よるTABインナリードボンディングのアライメント方
法を説明する。
【0054】図10は本発明によるアライメント方法を
適用したTABインナリードボンダのボンディング位置
周辺の構成及びアライメント用検出光学系の構成を示す
斜視図、図11はアライメント系の全体構成を示す機能
ブロック図である。
【0055】図10に示すように、テープ1上にはイン
ナリード2が順に設けられている。テープ1は図示しな
い送り機構により、矢印の方向(X方向)にインナリー
ド2の設定ピッチで送られ、インナリード2は順々にボ
ンディング位置39に位置決めされる。一方、ICチッ
プ4はXYθステージ36に取付け、耐熱性の黒塗装を
施したチップ加熱用ステージ6の上に搭載し、これもボ
ンディング位置39に位置決めする。テープ1上のイン
ナリード2とICチップ4上に形成されたバンプ3をす
べて位置合わせした後、ボンディングツール7は破線で
示す位置にY方向に移動後、すべてのインナリード2と
バンプ3を一括して同時に熱圧着する。
【0056】図10に示すアライメント用検出光学系
は、ボンディング位置39を光軸位置とした光学系で構
成され、重なり合ったインナリード2とICチップ4を
同時に検出する。本検出光学系は斜方照明系と落射照明
系とパターン検出系と観察系からなる。斜方照明系は光
源16、ロータリソレノイド17で動作するシャッタ1
8、導光用のガラスファイバ19、ファイバの開口部を
円周上に配置したリング照明装置20からなる。落射照
明系は光源8、ミラー9、絞り10、遮光用のシャッタ
11、ミラー12、ハーフプリズム13、対物レンズ1
4からなる。パターン検出系は対物レンズ14、対物レ
ンズ14の後側焦点位置に設置した絞り21、ミラー2
3、フィールドレンズ24、リレーレンズ25、分岐用
ミラー26a,26b、ミラー27a,27b,28
a,28b、TVカメラ29a,29bからなる。観察
系は絞り21の後方でハーフプリズム22で分岐し、ミ
ラー33、ズームレンズ34、TVカメラ35からな
る。
【0057】本発明によるアライメント方法、すなわち
すべてのインナリード2とバンプ3の位置合わせは、拡
大図37に示すように、ボンディング位置39でインナ
リード2とICチップ4が重なり合った状態で行う。そ
してアライメントを行うため、ICチップ4の対角コー
ナ部の2つの視野5a,5b内のパターンを検出する。
さらに検出した両視野の画像内で、各々インナリード2
とICチップ4の位置を求める。これらの位置データを
用い、ICチップ4を搭載したXYθステージの位置修
正量を算出、インナリード2は固定したままでICチッ
プ4の位置を修正しアライメントする。アライメント終
了後は、インナリード2及びICチップ4は固定したま
ま、その場でツール7によりボンディングする。このた
め機構部の精度等でアライメント精度を悪化させること
なく、ボンディングすることが可能となる。
【0058】重なり合った状態からインナリード2とI
Cチップ4の位置を確実に求めるため、落射照明と斜方
照明の2つの照明状態での画像を用いる。そこでアライ
メントを行う際は、斜方照明用リング照明装置20をボ
ンディング位置39上方に設置する。そして斜方照明系
のシャッタ18と落射照明系のシャッタ11の開閉を制
御することで照明方法を選択する。いずれかの照明がな
されたインナリード2とICチップ4は、対物レンズ1
4でフィールドレンズ近傍に結像後、さらにリレーレン
ズ25で拡大する。対角コーナ部を2つの視野で検出す
るため、リレーレンズ25を通過した検出光はミラー2
6a,26bで左右に分岐される。ミラー26aで反射
した光はさらにミラー27a,28aで反射後、TVカ
メラ29aの撮像面上に結像する。TVカメラ29a
は、ボンディング位置39を中心に左上半分の4半円3
8a内の拡大像を検出する。同様にTVカメラ29b
は、ボンディング位置39を中心に右下半分の4半円3
8b内の拡大像を検出する。TVカメラ29a,29b
は図示しないXYステージに各々保持されており、これ
らを移動することでICチップ4の寸法に合わせて視野
5a,5bの位置を調節し、対角コーナ部のパターンを
検出する。30a,30bは、視野5a,5b内のパタ
ーンをTVカメラ29a,29bで検出した画像であ
り、これらを画像処理部31に入力し処理する。
【0059】アライメント時にはICチップ4の位置を
修正するため、インナリード2はバンプ3との間にわず
かな間隙をもって保持される。このため拡大図37に示
すように重なり合ったインナリード2とICチップ4を
1つの結像系で同時に検出するには、検出光学系が広い
合焦範囲を持つことが必要となる。本発明では対物レン
ズ14の後側焦点位置に絞り21を設置することでテレ
セントリック光学系を構成し、同時検出を可能にした。
テレセントリック光学系は、測定用投影器等に用いられ
ているもので、試料が正しいピント位置から光軸方向に
多少動いても、像は若干ぼけるが、その大きさはほとん
ど変化せず、測定に与える影響が少ないという特長を持
つ。また落射照明光は対物レンズ14と絞り21の間の
ハーフプリズム13より導光しているため、絞り21の
径を変化させることで、落射照明の照野を変化させるこ
となく検出系のNA(開口数)を調整でき、これにより
焦点深度の調節が可能となり、必要な合焦範囲を得るこ
とができる。
【0060】本実施例では、対物レンズ14とリレーレ
ンズ25を用い、2段階の結像により拡大像を得てい
る。このため対物レンズ14の倍率を小さくし、作動距
離(対物レンズ14の先端から試料までの距離)を長く
できる。これにより検出光学系とボンディングツール7
が干渉しない構成を実現する。また対物レンズ14には
瞳径の大きな写真製版用レンズを使用することで、各種
ICチップ寸法に対応した視野を確保できる。
【0061】以上の構成により、ICチップ4の対角コ
ーナ部を2つの視野で検出する固定した検出光学系が実
現可能となる。また斜方照明系で用いたリング照明装置
20は、ツール7を移動するステージに固定して取付け
ることにより、専用の機構を設けることなくボンディン
グ時には破線で示す位置に退避できる。
【0062】観察系は対物レンズ14の結像光をハーフ
プリズム22で分岐、レンズ32の近傍でいったん結像
し、ミラー33で反射後ズームレンズ34で適当な倍率
で拡大し、TVカメラ35で検出する。ズームレンズ3
4とTVカメラ35は一体構造になっており、図示しな
いXYZ移動機構でこれを動かし、拡大図37に示すイ
ンナリード2とICチップ4の任意の位置のパターンを
適当な倍率で真上から観察することができる。
【0063】図11にアライメント系の全体構成の機能
ブロック図を示す。アライメント系は、ボンディング位
置で重なり合ったテープ1上のインナリード2とICチ
ップ4を同時に検出する検出光学系47と、ICチップ
4の対角コーナ部の2つの視野内のパターンから、各視
野内のインナリード位置(以後リード位置と略す)とI
Cチップ位置(以後チップ位置と略す)を画像処理によ
り求める画像処理部31と、前記2つの視野内の位置デ
ータを用い、ICチップ4を搭載したXYθステージ3
6の位置修正量を演算、さらにこれを制御する機構制御
部46と、ICチップ4移動用のXYθステージ36、
図示しないテープのXYZ移動機構からなる。
【0064】まず初めに、図12により、機構制御部4
6が画像処理部31から受け取った対角コーナ部の2つ
の視野5a,5b内の位置データを用い、ICチップ4
を搭載したXYθステージの位置修正量を算出する手順
を説明する。同図においてXOYはICチップを搭載し
たXYθステージ36の座標系、x111はTVカメ
ラ29aで検出する視野5aの座標系、x222はT
Vカメラ29bで検出する視野5bの座標系であり、θ
方向は同図において反時計回り方向を正とする。RはX
Yθステージ36の回転中心位置である。各視野内から
は画像処理により、リード位置L1,L2チップ位置
1,C2を求める。このL1とC1,及びL2とC2は、ア
ライメント後には一致すべき位置である。XYθステー
ジ36の位置修正量は、ベクトルC12をベクトルL1
2に一致させるためのXYθ方向の移動量として求ま
る。
【0065】まず各位置の座標を以下のように定義す
る。
【0066】R(XR,YR) O1(X1,X1
2(X2,Y2) L1(x1L,y1 L) C1(x
1C,y1C) L2(x2L,y2L) C2(x2C
2C) はXOY座標系、はx111座標系、
はx222座標系での座標である。ベクトルL12
ベクトルC12がx軸となす角θL,θCは、
【0067】
【数1】
【0068】
【数2】
【0069】となる。チップ位置のθ方向の修正角度Δ
θは
【0070】
【数3】θL=θC+Δθ ∴Δθ=θL−θC(=(数1)−(数2)) として求まる。回転中心Rを中心にΔθだけチップを回
転すると、チップ位置C1はC1′へ、C2はC2′へ移動
する。θ方向は既に修正されたため、ベクトルC1
2′はベクトルL12と平行になる。ここでC1′,C
2′の座標をXOY座標系で表わし、C1′(X′1C
Y′1C),C′2(X′2C,Y′2C)とする。
【0071】C′1の座標は以下の式で求まる。
【0072】
【数4】
【0073】
【数5】
【0074】となる。さらにC′1がL1に一致するため
のXY方向の修正量ΔX1,ΔY1
【0075】
【数6】
【0076】であるから
【0077】
【数7】
【0078】として求まる。C2の移動からも同様に
X,Y方向の移動量ΔX2,ΔY2が次式で求まる。
【0079】
【数8】
【0080】ベクトルC′1C′2とベクトルL12は平
行であるから
【0081】
【数9】
【0082】であり、(数7)或は(数8)式で求めた
XY方向移動量を用いチップ位置を修正すれば良い。
【0083】以上説明したように、回転中心位置Rと各
視野位置O1,O2と各視野内のリード位置L、チップ位
置CからICチップ4を搭載したXYθステージ36の
XYθ方向の位置修正量を算出することができる。なお
各視野位置O1,O2はICチップ4の寸法に応じて、T
Vカメラ5a,5bの位置を移動するごとに、あらかじ
め測定しておく値である。
【0084】上述したリード位置Lとチップ位置Cの定
義の実施例を、図13、図14、図15に示す視野5内
のパターンを例に説明する。
【0085】図13により一実施例を説明する。この場
合、チップ位置Cは直交するチップ外周の直線部分の交
点、すなわちチップコーナ位置とする。またリード位置
Lは最もコーナ側の水平・垂直方向各々1本のリードか
ら決まる第1リード位置l1を、第1リード位置補正量
ΔX,ΔYで補正した位置とする。この第1リード位置
補正量ΔX,ΔYは、図14に示すように正確にインナ
リード2とバンプ3がアライメントされた状態での、チ
ップコーナ位置Cと第1リード位置l1との差を示す。
よってここで定義したリード位置Lとチップ位置Cは、
アライメント後には一致すべき位置となっている。なお
第1リード位置補正量ΔX,ΔYはアライメント実行前
に設定しておく値である。
【0086】次に図15により第二の実施例を示す。こ
の場合は、実際に接合するインナリード2とバンプ3は
必ず重なった部分を持ち、かつ接合しないインナリード
2とバンプ3は重なる部分を持たないという条件付で定
義する。同図に示すように、チップ位置Cは視野5内に
含まれた複数のバンプ3の位置から求めた平均バンプ位
置とする。これはX方向にならぶすべてのバンプに対
し、各バンプのX方向の中心位置の平均値として求めた
X座標と、同様にして求めたY座標から定まる位置であ
る。なお、同図では水平・垂直方向とも2つバンプが含
まれた場合を示しているが、例えば1方向に6つのバン
プが含まれる場合には、6つのバンプの平均位置を用い
る。一方リード位置Lも、バンプの場合と同様に、視野
5内に含まれた複数のリードの位置から求めた平均リー
ド位置を用いる。
【0087】図13に示した定義では、チップコーナ位
置Cと第1リード位置l1が視野5内に入っていること
がアライメントのための必要条件となる。また図15に
示した平均リード・バンプ位置を用いる方法では、何ら
かの方法である程度位置合わせがなされ、前述した条件
が満足されていることがアライメントのための必要条件
となる。
【0088】次に図10に示すTVカメラ29a,29
bで検出した画像30a,30bから、前述のように定
義したリード位置Lとチップ位置Cを求める方法につい
て、図16〜図19を用い説明する。
【0089】図16によりリード位置を検出する方法を
説明する。リード位置検出の場合は、図10に示す斜方
照明系のシャッタ18を開、落射照明系のシャッタ11
を閉にし、斜方照明を行う。この照明では、リング照明
装置20の円周上に配置されたファイバの開口部から光
が照射される。開口部の径はICチップ4の外径よりも
大きく、このため照明光はインナリード2及びICチッ
プ4の両表面に対し、各方向から均等に斜め入射する。
インナリード2は銅箔をエッチングして形成したもので
あり、その表面はざらついているため、乱反射成分が多
く明るく検出される。一方ICチップ4はインナリード
2に比べれば、その表面は滑らかで乱反射成分が少ない
ため暗く検出される。このためICチップ4の上にイン
ナリード2が重なった状態を斜方照明し検出すると、イ
ンナリード2を明るく顕在化した画像が得られる。これ
を2値化すると図16(a)に示すような2値画像が得
られる。ここで白い部分は“1”、斜線部は“0”を示
す。この2値画像からX方向に並ぶリード位置を検出す
る手順を以下に説明する。
【0090】(1)同図(a)に示す投影幅でY方向に
沿った“1”部投影波形lead−pr(X)(同図
(b))、すなわち同一X座標の“1”画素の数を示す
波形を作成する。この場合投影幅は画像上端を始点と
し、lead−pr(X)の最大値と投影幅が等しくな
るように設定する。具体的には、最初は画像全面に対し
投影処理を行い、投影波形の最大値と投影幅を比較す
る。両者が等しくなければ最大値を投影幅として再度投
影処理を繰返す。この処理で上記の条件の投影波形が自
動的に得られる。
【0091】(2)lead−pr(X)と閾値Thl
の交点Ll,Lrの中点としてリード位置LCを求める。
Thlは投影幅に適当な比率r(0〈r〈1)を乗じた
値を用いる。
【0092】Y方向に並ぶリード位置も同様な手順で検
出する。上述した手順により、視野内に含まれるすべて
のリード位置を検出する。これらより図13に示した第
1リード位置l1及び図15に示した平均リード位置を
求めることができる。
【0093】次に図17によりチップ位置Cとしてチッ
プコーナ位置を検出する方法を説明する。チップコーナ
位置検出は前述したリード位置検出を行った後で行う。
この場合は図10に示す落射照明系のシャッタ11を
開、斜方照明系のシャッタ18を閉にし落射照明する。
この照明では、照明光はインナリード2及びICチップ
4の両表面に対しほぼ垂直に入射する。ICチップ4の
表面は平滑なため、回路パターンの明暗はあるものの正
反射成分が多いため明るく検出される。一方、インナリ
ード2は表面がざらついているため乱反射成分が多く、
ICチップ4の表面に比べると暗く検出される。ICチ
ップ4の表面でもバンプ3はめっき形成されるため表面
がざらついており、インナリード2と同等に暗く検出さ
れる。このためICチップ4の上にインナリード2が重
なった状態を落射照明し検出すると、インナリード2及
びバンプ3は共に暗く、チップ表面だけが明るくなった
画像が得られる。これを2値化すると図17(a)に示
すような2値画像が得られる。チップコーナ位置検出方
法は、同図(a)の2値画像からX,Y両方向のチップ
外周の近似直線を求め、これら2直線の交点として、チ
ップコーナ位置Cを検出するものである。以下X方向の
チップ外周を直線近似する手順を示す。
【0094】(1)同図(a)に示す投影幅でY方向に
沿った“1”部投影波形pelet−pr(X)(同図
(b))を作成する。この波形を閾値Thpで左側より
探索し、最初の交点をpeとする。このpeよりさらに
dpだけ進んだ点を始点とし、同図(b)に示す探索範
囲を設定する。dpを用いたのはICチップ4の傾きθ
が大きい場合でも、正しくX方向のチップ外周を探索す
る範囲を設定するためである。
【0095】(2)図17(a)の2値画像に対し、探
索範囲内で画像の上端からY方向に沿って探索し、画像
が“0”(斜線部)から“1”(白部)に最初に変化す
る点を抽出する。(同図(c)) (3)同図(c)ではインナリード2がICチップ4の
上に重なった部分では、チップ外周以外の部分が抽出さ
れている。そこで前述した斜方照明画像から既に求めて
いたリード位置データを用い、リード部近傍の抽出点を
除去(マスキング)する。(同図(d)) (4)同図(d)のチップ外周抽出結果を最小2乗法で
近似する。(同図(e))Y方向も同様に処理し、X,Y
両方向の近似直線の交点として、図13に示したチップ
コーナ位置を求めることができる。
【0096】次に図18、図19によりチップ位置Cと
して平均バンプ位置を求める方法を説明する。バンプ位
置検出は前述したチップコーナ位置検出と同様に、リー
ド位置検出後行い、また落射照明で検出した画像を用い
る。図18(a)はその2値画像でこの画像内でX方向
に並ぶバンプ位置の検出手順を以下に示す。
【0097】(1)図18(a)に示す投影幅pでX方
向に沿った“1”部投影波形pelet−pr(y)
(同図(b))を作成する。この波形を閾値Thpで上
側より探索し、最初の交点peを求める。
【0098】(2)(1)で求めたpeを基準に投影幅
bを設定し、Y方向に沿った“0”部投影波形bump
−pr(x)(同図(c))を作成する。投影幅bはI
Cチップ4の周辺のバンプが存在する範囲に限定し、チ
ップ内部のパターンの影響を受けないように設定する。
【0099】(3)図18(c)の投影波形bump−
pr(x)からバンプ位置を求める方法は、図19を用
いて説明する。これにはインナリード2とバンプ3の位
置合わせ状態により、以下に示す2つの方法を選択す
る。
【0100】(I) バンプ3の左右両方のエッジがイン
ナリード2の脇から見える場合(同図(d)−1) リード位置検出(同図(d)−2)により既知のリード
位置Lcを始点に、閾値Thb上でbump−pr
(x)を左右に探索し、各々最初の交点Bl,Brを求め
る。これらの中点としてバンプ位置Bcを求める。(同
図(d)−3) (II) バンプ3の一方のエッジがリードの下に隠れて見
えない場合(同図(e)−1) (I)と同様に交点B′l,B′rを求める。そして探索距
離の長い方の交点(この場合はB′l)からbw/2(b
w:バンプ幅)だけリード位置Lc側に戻った位置をバン
プ位置B′cとする。
【0101】なお(I),(II)いずれの方法を使うかの判
別は、探索距離の長い方の距離Sを用いて行う。すなわ
ちS≦bw− lw/2(lw:リード幅)の場合には
(I),S>bw− lw/2 の場合には(II)の方法でバン
プ位置を求める。
【0102】リード位置検出で既知となったX,Y方向
すべてのリード位置から、上述のようにバンプ位置を探
索することにより、視野内のすべてのバンプ位置を検出
できる。これより図15で示して平均バンプ位置の検出
が可能となる。
【0103】次に図11により、以上説明したリード位
置L、チップ位置Cを検出する画像処理部31の一実施
例を説明する。
【0104】画像処理部31は、スイッチ48、A/D
変換器40、多値メモリ41、2値化回路42、2値メ
モリ43、投影処理回路44、マイコン45からなる。
TVカメラ29a,29bで検出した画像信号はスイッ
チ48で切換えて交互に処理する。40でA/D変換後
いったん多値メモリ41に記憶する。さらに42により
2値化し、2値画像をメモリ43に記憶する。この2値
画像に対しマイコン45で投影幅を設定し、44により
投影波形を得る。マイコン45は投影波形すなわち1次
元波形を入力、これを処理しリード、バンプ等の位置を
検出する。この他マイコン45は検出光学系のシャッタ
18,11の開閉を制御し、画像処理の流れに応じて照
明方法を選択する。また2つの視野内の画像から検出し
たリード位置L、チップ位置Cの各画像内の位置データ
を機構制御部46に送る。
【0105】本発明による位置検出方法は、投影波形処
理の繰返しだけで行っており、画像処理部31の装置構
成は単純で、しかも規模を小さくすることが可能であ
る。
【0106】次に本発明によるアライメント方法を適用
したTABボンダのアライメント動作のフローの一実施
例を図20により説明する。
【0107】アライメントはボンディング前のインナリ
ード2とICチップ4をボンディング位置39に位置決
め後スタート(48)する。まず斜方照明し、いずれか
の視野内でリード位置検出49を行い第1リード位置を
求め、リード位置を修正(50)する。これはインナリ
ード2をボンディングツール7の圧着面の下部に位置決
めすることを目的とし、XY方向に位置修正する。修正
の目標位置は次のようにして求める。ツール7は図10
に示すようにYZ方向の一定距離の移動を繰返すだけ
で、圧着面の位置は変化しない。そこで実際のボンディ
ングをする前に、チップステージ6上にボリイミドテー
プ等を貼付けた薄板を乗せ、ボンディングと同様にツー
ル7を押付ける。薄板上のテープには焼跡マークがで
き、これをアライメント用TVカメラ29a(或は29
b)で観察することで圧着面の位置がわかる。圧着面の
寸法はICチップ4の寸法にほぼ等しいので、焼跡マー
クの位置にICチップ4を合わせる。そしてこのチップ
にインナリード2を合わせた状態での第1リード位置が
目標位置となり、この位置にリードを合わせる。
【0108】前述のようにツール7の圧着面にインナリ
ード2を位置合わせした後、再度リード位置検出(5
1)を行う。これより以降、リードは固定しチップを移
動することでアライメントする。そこで51で検出した
第1リード位置と平均リード位置が以後のアライメント
動作の目標位置となる。そして次にチップ位置検出52
により、インナリード2とバンプ3のアライメント状態
に応じ、チップコーナ位置もしくは平均バンプ位置を検
出する。53ではリード位置Lとチップ位置Cのずれ量
チェックを行い、目標とするアライメント精度に達して
いればボンディング(56)する。精度未達であればチ
ップ位置修正(55)し、再度チップ位置検出(52)
を繰返す。
【0109】図21(a)にずれ量チェック53の内容
を示す。2つの視野5a,5b内でのリード位置Lに対
するチップ位置CのXY方向のずれ量dx1,dy1,d
x2,dy2がいずれも目標精度D以下のときアライメント
終了とする。すなわち同図に示すように、各視野におい
てリード位置Lを中心にXY方向に±Dのアライメント
精度範囲58にチップ位置Cが入っていればアライメン
トを終了しボンディングする。
【0110】しかし実際の製品を上述のずれ量チェック
方法だけでアライメントすると、精度が収まらずボンデ
ィングできない場合がある。この原因の一つとしてワー
ク精度の悪さが挙げられる。例えばインナリード2を形
成したテープ1は耐熱性の材質を選択、使用しているも
のの、高温加熱したツール7やチップステージ6が近接
するため、熱的な変形は避けられない。図22にテープ
が膨張している場合のアライメントの例を示す。本実施
例では先に式(数9)で述べたように、原理的には2つ
の視野のいずれか一方で、チップ位置Cがリード位置L
に一致するように、XYθステージ36のXY方向の移
動量を求めてやればアライメントできるはずである。し
かし図22に示すようにテープが膨張し、ICチップ4
に対し大きくなっている場合、視野5aだけでXY方向
の移動量を求めると同図(a)のようになる。すなわち
視野5aではインナリード2とバンプ3は良く位置合わ
せされているものの、視野5bでは位置ずれが大きくな
る。結局、膨張が大きいと視野5bの位置ずれベクトル
22が大きくなりアライメントが終了しない。同様な
ことは同図(b)に示すように視野5bに着目した場合
にも起こる。
【0111】そこで本発明のアライメント方法におい
て、XY方向の移動量算出の他の実施例として、式(数
7)、(数8)で求めた各視野に着目し算出した移動量
の平均値をXY方向の移動量とする。このようにするこ
とで図22の場合、視野5a,5bの両視野において同
等なずれ量を持ったアライメントを行うことが可能にな
る。これによりワーク精度の悪い対象も、その精度に対
応した最適なアライメントを実現することができる。
【0112】前記した2視野の平均的アライメントは、
ある程度精度の悪いワークに対しても最適なアライメン
トを提供することができる。しかしこの方法でもワーク
精度がさらに悪い場合には、精度未達でアライメントを
終了できなくなる。図21(b)はθ方向の修正及び2
視野の平均的XY方向位置修正が終了した状態を示して
いる。しかし各視野内の位置ずれベクトルC11,ベク
トルC22は、大きさがほぼ等しく、どちらも同図
(a)に示すアライメント精度範囲58より大きいた
め、前述のずれ量チェック方法だけではアライメントを
終了できない。これを防ぐため、本発明ではずれ量チェ
ック方法の他の実施例として次の方法を付加する。すな
わち、 (1)θ方向の修正量が十分小さい。
【0113】(2)両視野とも位置ずれ量が目標精度よ
り大きい。
【0114】(3)両視野の位置ずれベクトルC11
ベクトルC22の和のベクトル(Δdx,Δdy)が、X
Y両方向とも設定値Δdよりも小さい。
【0115】上記(1)〜(3)の条件をすべて満足す
る場合には、これ以上のアライメントは不可能と判断
し、図20に示すように、ボンディングを中止(57)
する。
【0116】また図20に示すアライメント動作フロー
では、ずれ量チェック53が終了しチップ位置修正を行
う前に、アライメント回数チェック54を行う。本来、
位置修正量の算出が正しければ、数回のチップ位置修正
によりアライメントは終了するはずである。しかし何ら
かの原因により、精度の収束性が悪く、規定回数以上チ
ップ位置を修正しようとした場合にもボンディングを中
止(57)する。
【0117】ボンディング中止後は、警報を発し、ボン
ダの操作者にワーク不良、装置不良等の問題が発生した
ことを知らせ、操作者は必要な措置をする。このように
することで、精度の悪いテープ等の早期発見、精度の悪
いワークを無理にボンディングすることにより潜在的不
良の防止、アライメント動作の無限ループ化によるタク
ト低下の防止等に効果がある。
【0118】次に図23により、ICチップ4のコーナ
部が1視野内だけで検出される状態からのアライメント
方法を説明する。本発明ではインナリード2とICチッ
プ4のコーナ部が2つの視野内で検出される状態を、X
Yθステージ36の位置修正量算出の前提としている。
インナリード2は図20の動作フローで示したように、
テープ1が1ピッチ分送られるごとにリード位置検出4
9とリード位置修正50を行う。このため両視野内の一
定位置にコーナ部を位置決めできる。一方、ICチップ
4はチップを整列配置したトレイ等から、適当な搬送機
構により、図10に破線で示したチップステージ6上に
搭載後ボンディング位置に位置決めする。搬送途中に位
置決め装置を有していれば、2視野内にICチップのコ
ーナ部を入れることは容易に行える。本実施例ではこの
ような位置決め機構を有さないボンダに対し、ICチッ
プ4の供給精度を緩和するための、本発明によるアライ
メント方法の応用例を示す。図23(a)はICチップ
4のコーナ部が視野5aで検出され、視野5bでは検出
されない場合を示す。このような場合には、視野5a内
で検出した位置だけから、XY方向の修正量を求めアラ
イメントする。すなわち視野5a内の第1リード位置と
チップコーナ位置から、位置修正量(ΔX,ΔY)を求
める。修正後は同図(b)に示すように、2つの視野で
いずれもICチップのコーナ部が検出できる。以後2視
野内の位置データによるXYθ方向位置修正を行い、同
図(c)の状態になるまでアライメント動作を繰返せば
良い。ただしチップの傾きが大きい場合には、XY方向
の位置修正をしても1視野だけにしかICチップ4のコ
ーナが入らないこともある。この場合には、θ方向修正
量の算出ができず、これ以上アライメントできないた
め、自動アライメントを中止し、ボンダ操作者にアシス
トを要求する。本実施例によれば、本発明によるアライ
メント装置以外にICチップ4の位置決め専用の機構、
装置等が不要となり、ボンダの構成を簡略化できる。
【0119】本発明ではアライメント動作に先立ち、予
め設定しておく値がある。以下設定方法の実施例を説明
する。
【0120】最初に図14に示す第1リード位置修正量
ΔX,ΔYの設定方法を説明する。まず同図に示すよう
に、インナリード2とバンプ3が2つの視野内で共にア
ライメントされた状態にする。実際には図10に示すT
Vカメラ29a,29bの検出画像を図示しないモニタ
で観察しながら、XYθステージを手動で動かしアライ
メントすれば良い。アライメント後、図20に示すリー
ド位置検出51とチップ位置検出52を実行し、第1リ
ード位置とチップコーナ位置を本実施例で前述したアル
ゴリズムにより自動検出する。これら2つの位置の差と
して、両視野内の第1リード位置補正量が各々求まる。
この方法はICチップ4の周辺パターンの見え方に応じ
て、修正量を求めることができる。また品種による変更
も、ボンディング前に一度手動アライメントを実施する
だけで良く、簡単に行える。また設計値を使っていない
ことから、精度の悪いワークに対しても、最適な修正量
を与えることが可能である。
【0121】次に図12に示す各視野位置O1,O2の設
定方法を説明する。これには図24(a)に示すチップ
ステージ6上に位置合わせマーク60を設け、これを利
用する。チップステージ6の黒塗装された表面は暗く検
出されるため、マーク60は明るく検出できる材質が表
面となるようにパターンを形成したものである。チップ
ステージ6はXYθステージ36のθステージ上に固定
し、前記位置合わせマーク60がθステージの回転中心
と一致するように組立てる。組立ての際は、θステージ
を回転しながらマーク60を観察し、その動きから偏心
方向を知る。これより微調機構61を用いチップステー
ジ6を微動することにより、マーク60とθステージの
回転中心の偏心をなくす。
【0122】さらにこの位置合わせマーク60を同図
(b)に示すように、各視野5内で検出し、視野内での
マーク60の位置及び検出した時のステージ位置から、
両視野の原点位置O1,O2をステージ座標系で求めるこ
とができる。
【0123】次に視野内の位置合わせマーク60の位置
を検出する手段の一実施例を図24(b)で説明する。
まずXYθステージ36を移動し、視野5内に位置合わ
せマーク60を位置決めする。このマーク60をTVカ
メラで撮像、2値化後、リード位置検出と同様に“1”
部投影波形を作成する。投影幅は画像全面とし、XY両
方向について投影した波形に対し、適当な閾値との交点
を求め、それらの中点からマーク60の視野内での位置
を求める。他の実施例としては、同図(c)に示すよう
に、基準パターン記憶領域59内に記憶した位置合わせ
マーク60の2値画像と、マーク60を検出した視野5
の画像とで、公知の技術であるパターンマッチングを行
うことで、マーク60の位置が求まる。また他の実施例
としては、視野5の画像内に検出されたマーク60の外
周に、カーソル等を外接することでも、位置を求めるこ
とが可能である。
【0124】次に図25により、本発明によるボンディ
ング位置39でインナリード2とバンプ3を同時検出し
てアライメント方式の特徴を生かした、インナリードボ
ンディング方法の実施例を示す。
【0125】図25(a)はボンディング対象近傍の構
成を示し、62はテープ1を案内するテープガイド、6
3はテープガイド62と連結したテープ用Zステージで
ある。アライメントは、ICチップ4を動かすことで、
固定したインナリード2にバンプ3を位置合わせする。
このためインナリード2とバンプ3の間にはわずかな隙
間が設けられている。アライメント終了後、この状態で
ツール7に熱圧着すると、同図(b)に示すように、イ
ンナリード2の曲がった部分でクラック64が発生しや
すくなる。また同図(c)に示すように、押付中にイン
ナリードが横ずれを起こし、圧着後のアライメント精度
が悪化する場合がある。横ずれは、ツール7の圧着面の
ICチップ4面に対する平行出し不良、或はツール7の
押付方向がICチップ4に対し垂直でないといったこと
が原因として考えられる。
【0126】上記問題の解決方法としては、図25
(d)に示すように、アライメント終了後、テープ用Z
ステージ63を下降し、インナリード2をバンプ3に近
接させてから圧着する。このようにすることで同図
(e)に示すように、インナリード2を曲げずにボンデ
ィングできることにより、クラック64の発生を防止で
きる。一方、インナリード2の横ずれは、ツール7の押
付けではほとんど発生しない。但しアライメント後にテ
ープ用Zステージ63を駆動するため、このステージの
移動方向がICチップ4に対し傾いていると、同図
(c)と同様な横ずれが発生する。これは再現性のある
現象のため、アライメント方法で対応できる。すなわ
ち、図21(a)に示すようにアライメントの目標位置
となる各視野のリード位置Lに、テープ用Zステージ6
3の動作に起因したずれ量分をオフセット量として加
え、これを目標位置としてアライメントする。この方法
では、インナリード2とバンプ3はずれた状態でアライ
メントされる。アライメント後、テープ用Zステージ6
3が下降するとインナリードは一定量だけ横ずれし、こ
れにより図25(d)の状態で正しくアライメントでき
る。
【0127】また上記ずれ量はテープ用Zステージ63
の下降前後でリード位置検出し、両者の差から求めるこ
とが可能である。
【0128】なお本実施例ではICチップ4の対角の2
つのコーナ部を検出していたが、2つのコーナ部であれ
ば、特に対角部分でなくともよい。また2つの視野を2
ヘッドで同時検出していたが、1ヘッドの検出系で、こ
れを移動することにより、2つの視野を検出してもよ
い。また本実施例で述べた位置検出方法は、1視野だけ
の場合にも適用でき、XY方向のアライメントに適用可
能なことは言うまでもない。また本実施例は公知のパタ
ーンマッチング技術を利用したチップ、テープ位置検出
方法と併用し、最終的にアライメントを高精度化する部
分として適用可能である。また本実施例では斜方照明用
にリング照明装置20を用いていたが、これは複数のガ
ラスファイバで構成した照明装置等の均一に対象を斜め
から照明する機能を持つものであれば代替可能である。
また落射照明も対物レンズ14を通して導光することを
限定するものではなく、対物レンズ14と対象との間か
ら導光することも可能である。
【0129】本発明はICチップ4が供給後、完全に非
接触でXYθ方向のアライメントを実現するものであ
り、アライメント時のチップの割れ、欠けといった不良
発生を防止できる。
【0130】次に本発明に用いられる加圧機構の実施例
について図面により説明する。
【0131】図26は本発明によるボンディングツール
の上下動機構である。(a)は正面図、(b)は側面図
を示す。ベース501に対してY方向に摺動可能に取付
けられたツールステージ502は、永久磁石型直流サー
ボモータ503により駆動されている。ツールステージ
502上にはツール駆動用の永久磁石型直流サーボモー
タ505があり、減速用のハーモニックドライブ507
を介してリンク機構508の入力リンク508aの角度
を変化させうるようになっている。上記リンク機構の出
力リンク508cは、摺動案内機構517に沿って上下
動可能であり、これと結合されたツールサポート509
及びツール510が上下に動く。ツールサポート509
には切欠き509aが施してあり、ツール先端にZ方向
の力成分518が加えられると、図27に示すように弾
性変形し、ロードセル511をツールサポート上面に押
付ける。ロードセル511はその接触力に応じた歪信号
を発生する。ロードセル511とツールサポート509
上面との間隔はネジ512を微調整することにより変化
させることができる。上記間隔の初期調整は、ツール5
10が図27の力518に相当する外力を受けない状態
において、ロードセル511とネジ512との間に接触
力が発生する位置までネジ512をしめこむことにより
行う。
【0132】次にシステムのブロック図を図28に示
す。この図において、519はボンディング装置全体の
管理を行なう主制御装置であり、一点鎖線で示した52
0がツール上下動制御装置である。主制御装置519か
ら送出されるボンディング指令522はボンディングア
ルゴリズム523により処理されて、ツールの駆動制御
が行なわれる。ボンディングが終了するとボンディング
アルゴリズムはボンディング中のデータを解析し、結果
を主制御装置519に送信521する。
【0133】このボンディングアルゴリズムの内容につ
いては後に詳細を記述する。
【0134】ツール上下動制御装置520では、ツール
上下動駆動モータ505に直結された光学式エンコーダ
506の出力パルス信号528をカウンタ529に入力
して計数処理を行なうことにより、ツールのZ方向の位
置を検出している。又並行して、上記モータ505の回
転角変位525とツール510の変位とで定まるロード
セルの力検出値527を、増幅器530を介してA/D
変換器531に入力し、デジタル量として取り込んでい
る。以上のツールZ方向位置の検出と力検出とは、同一
の時間間隔で行ない、これをもとにボンディングアルゴ
リズム523が、各時間間隔内にて所定の演算を行なっ
て、モータ505に出力する電流値を定めている。この
出力電流指令値は、電流増幅器524に入力され、モー
タの電流が制御される。
【0135】上記の構成のツール上下動駆動機構の動作
について図29及び図30のフローチャートに従って説
明する。
【0136】各ボンディング動作の開始前、ツールステ
ージ502は後方に退避しており、チップとリードとの
アライメントが終了するのを待っている状態にある(3
02)。この状態にて主制御装置519からの通信を常
時監視し、ボンディング指令の有無を判定している(3
04)。主制御装置519はアライメントが終了する
と、チップ位置のY座標Ty,加圧力目標値FB,加圧時
間目標値TBの各データを、ボンディング指令とひとま
とまりのブロックとして送信する。ツール上下動制御装
置520はこれを受けるとそれぞれのデータを制御プロ
グラムの変数として記憶した後、ツール上下動機構の駆
動制御状態に移る(306)。
【0137】ツールはまずZ方向に上限界点に移動し、
停止する(308)。次にツールステージがY方向前方
に移動し、チップ位置Tyに停止する(310)。次に
ツールがZ方向に移動して、ツール先端とチップとの距
離が所定の値になると予想できる点Azまで接近し、停
止する(312)。次にあらかじめ定めておいた速度指
令値Vrefを制御アルゴリズムの指令値に代入し(3
14)、速度制御アルゴリズムを用いてツールのZ方向
の速度を一定値に保ちつつツールをチップ及びリードへ
と接近させる(316)。このとき同時にロードセルか
らの信号値を監視して、ツールとチップとの接触の有無
を判定する(318)。以後、所定の時間間隔で(31
6)及び(318)の処理をくり返し、ロードセルから
検出する信号値が加圧力の目標値に相当する値になるま
で続ける(320)。
【0138】加圧力目標値に対応するロードセルの検出
信号値に対してフィードバックの制御を行ない(32
2)、加圧時間目標値と実際に加圧力のフィードバック
制御を行なった時間とが等しくなった時点で(32
4)、ツールをZ方向に上限界点まで移動し停止する
(326)。更にツールステージをY方向後方限界点ま
で移動し停止した後(328)、加圧の力検出値の偏差
分布を集計し(330)、結果を主制御装置へ送信し
て、1サイクルを終える(332)。
【0139】図31に、本実施例によるツールの動きを
模式的に示す。図31(a)は各座標の時間変化であ
る。(b)はツールの空間的移動を示している。,
が位置決めをするモードであり、〜丸10は低速度でツ
ールを降下させつつ力を検出しつづけるモード、そして
丸11,丸12が検出された力をもとにフィードバック制御
して、加圧力を目標値に保持するモードである。
【0140】それぞれのモードにおける制御演算方式を
ブロック図により、図32に示す。この図において、5
31は、図28における電流増幅器524、モータ50
5、及び光学式エンコーダ506を統合したブロックで
あり、以後モータ系と呼ぶこととする。又、532は、
時系列信号の前後2項の差分をとる差分要素であり、同
図においてはモータ系の出力であるモータ出力軸回転角
度を近似微分して、回転速度をディジタル量として得る
機構である。533はサンプルホールド要素、534は
差分要素、532と逆の要素であり、近似積分を行う積
分器である。ZはZ変換因子である。
【0141】各モードにおいて、モータ系への出力mの
時系列m(K)(K=1,2,…)は次の様に演算され
る。
【0142】 (a)m(K)=Kp(θr(K)−θ(K))−Kv{θ(K)−θ(K−1)} このモードではθrは一定値でなく、与えられた初期位
置と目標位置との間を内分した値を用いる。
【0143】 (b)i(K)=i(K−1)+Kvi{vref−(θ(K)−θ(K−1))};i(θ)≡0 m(K)=i(K)−Kvv{θ(K)−θ(K−1)} 前述の如く、このモードではvrefは一定値としてい
る。
【0144】 (c)i(K)=i(K−1)+Kfi{Fref−KF(θ(K)−TZ(K))} m(K)=i(K)−Kff{Fref−KF(θ(K)−TZ(K))} このモードもFrefは一定として用いている。
【0145】以上述べたツール上下動機構によってボン
ディングを行なわせる際、図33に示すような条件設定
を実現できる。まず、ツールが接触する対象の反発力特
性KFにより、加圧力の増加速度すなわち図33におけ
る傾きは、ほぼKF・Vrefで与えられる。従って、設定
可能なパラメータである低速指令値を任意に変更するこ
とにより、加圧力の立上りにおける傾きは任意に実現可
能である。又、加圧力目標値Frefも、プログラム中の
一変数とできるため、任意に変更可能である。
【0146】本実施例の応用例として、ボンディング対
象のチップ上のバンプに高さ偏りがある場合への対応を
述べる。図34は応用例のフローチャート、図35は本
応用例におけるツールとバンプとの挙動を示したもので
ある。
【0147】初期においてツールはペレット(ICチッ
プ)およびリードとは離れた状態にある(400)。ボ
ンディング開始の指令があると制御装置はツールの移動
量を検出してこれを現在値としてメモリに保持する(4
02)。続いて初期加圧力f0を加圧力設定値frに代入
したのちツール駆動制御プログラムの繰返し実行にうつ
る。
【0148】まず加圧力が検出され(406)、加圧力
設定値frに対するサーボ演算動作が行なわれ、その結
果がツールの駆動力を変化する手段に出力される(40
8)。続いてツールの移動量が検出され、前回検出した
時の値x0と比較される(410,412)。x0とxn
が等しくなくツールが移動中でれば、加圧力設定値fr
はそのままの値に保持したまま繰返し部分の先頭に戻
る。これはツールが未だペレットに接触してないか、バ
ンプを初期加圧力f0以下の加圧力でつぶしているかの
どちらかの状態に対応する。
【0149】x0とxnが等しくなりツールの移動がなか
った場合は加圧力設定値frを増分Δfだけ増加させて繰
返し部分の先頭に戻る(414,416)。これはツー
ルがバンプを加圧したまま両者がつり合っている状態に
相当する。
【0150】この繰返しを加圧力設定値frが所定のボ
ンディング開始可能加圧力Fcより大きくなるまで続け
た後に、あらかじめ定められたボンディング荷重Fb
加圧力設定値としたボンディング動作を行ない(41
8)、その後ツールを後退させてボンディングを終了す
る(420,422)。この際に、Fcの値は充分に多
数のバンプがツールと接触状態になることを条件として
実験的に定める。
【0151】図35は上記のアルゴリズムの進行に対応
するツール7とバンプ3a,3bとの接触状態の変化を
図示したものである。ここでは理解の容易さのために、
図示するバンプ3は最も初期にツール7と接触するバン
プ3a、及び加圧力設定値frがFcより大きくなる以
前において最も遅くツール7と接触状態になったバンプ
3bとの2つのバンプに限っている。
【0152】同図(a)はツール7がどのバンプ3とも
接触せずに初期加圧力f0を設定値として降下している
状態である。(b)はツール7がバンプ3aに接触し
て、加圧力f0でつり合った状態を示している。(c)
は加圧力を次第に増加させながらバンプ3aを押しつぶ
しながらツール7が降下している状態であり、このとき
加圧力はバンプ3aを押しつぶし続けるのに必要な最小
限の値をとるため、衝撃力や過大な加圧力はバンプ3a
にはかからない。(d)はツール7降下が更にすすみ、
バンプ3bがツール7と接触する直前の状態である。こ
のときは、バンプ3aを含む所定の個数のバンプ3が、
加圧力Fc−Δfにより押しつぶされている。(e)は
バンプ3bがツール7に接触し、加圧力設定値がFcよ
り大きくなった状態で、この状態からボンディング荷重
をあらかじめ定められた値Fbとした正規のボンディン
グを行なう。
【0153】本応用例によれば、ICチップ(ペレッ
ト)4ごとにバンプ3の高さに誤差がある場合でも、ツ
ール7とバンプ3との接触時における衝撃的な荷重変化
があらかじめ定めた初期加圧力以内に抑えられる効果が
ある。又、ボンディング初期における少数のバンプ3へ
の過大な加圧力が回避される効果がある。
【0154】本実施例によれば、加圧力のパラメータが
ボンディング中に変更可能なため、対象の特性に合わせ
た条件設定、アルゴリズム変更が可能となり、チップに
対するダメージ低減に効果がある。
【0155】次に本発明に用いられるボンディングツー
ルの加熱方法について説明する。
【0156】従来ボンディングツール700は、通常イ
ンコネルで、ボンディング部に焼結ダイヤモンドをはり
つけた図36(a)に示す構造である。
【0157】ボンディング品質向上には、ツール700
の先端のボンディング面の温度が、均一であることが必
要である。図37(a),(b),(c)は種々のツー
ル形状を仮定して、ツールの温度分布をシミュレーショ
ンした結果である。ツール内温度分布が最も均一となる
のは、図37(c)の凹形ツール形状であり、図36
(b)に示す形状のツールを試作し、実験した結果、ツ
ールボンディング面内温度分布を±2℃以内にすること
ができた。このため、図36(b)に示す形状をとるこ
とにより、ボンディングの品質を向上させることができ
る。
【0158】なお、図36、図37において、700は
ボンディングツールで、701はヒータ、702は熱電
対、703は等温線である。
【0159】また、従来のツール形状は、図36(a)
に示したようにツール700の加熱には、ツール700
の上方に埋め込まれたヒータ701で行なっている。構
造上、ボンディング面への熱の供給は、インコネルのツ
ール700を通しての熱伝導で行なっている。このため
ツール表面からの輻射による熱損失のため、ツール内温
度分布は、図37(b)の如くならざるを得ず、ボンデ
ィング部の温度の均一化に難点がある。また連続でボン
ディングした場合には、一回毎のツール温度の低下が起
り、その回復には数秒を要し、ボンディングタクトタイ
ムの増加、スループットの低下を招いていた。そこで、
図38に示すように、ツール700の周囲を囲むヒータ
ブロック704から熱を供給する構造とすることで、よ
りボンディング部の温度の均一化をはかることができ
る。
【0160】一方、TABのインナボンダは、ボンディ
ング温度が450〜550℃と高い為、チップにかかる
熱衝撃が極めて大きい点が一つの問題である。とくに、
加圧をともなう加熱方式のため、ボンディングによるチ
ップダメージ、テープ変形等の問題も、チップ大形化、
多ピン化により益々問題となる状況にある。そこでイン
ナボンディング装置の大半は、図39(a)に示した如
く、ステージ600の中に棒状その他の形状にヒータ6
01を配置して、実施250℃程度の予熱が可能となる
ように設計している。この構造の問題点は、1つはステ
ージ600の温度分布の均一性についてほとんど考慮が
なされていない点であり、もう1つは、ボンディング時
の加圧が、通常3〜10Kgf程度は行なわれるため、
場合によってはヒータ601の破損を招くことであっ
た。
【0161】そこで本実施例では、その点を考慮し、ツ
ールの支持ステージ600を円形として、その周囲をリ
ング状ヒータ602で囲む構造とした点である。このこ
とにより、ステージ上では、ほぼ均一な温度分布が得ら
れ、しかもツール加圧による荷重がヒータ602には伝
達されないため、ヒータの破損を防ぐことができる。
【0162】また、インナボンダーのステージ構造は、
テープとチップの位置合せのため、ステージ全体が、X
−Y−θテーブルにのっているのが普通であった。ステ
ージ600は、ボンディングツールからの熱、あるいは
予熱による熱発生をともなうため、冷却・断熱構造をと
ることにより、X−Y−θテーブルの熱による精度低下
を防いでいる。
【0163】特に予熱等を積極的に行なう場合には、発
生熱量が大きいため、図40(a)に示したごとく、ス
テージ600の周囲に放熱フイン603等をつけて熱放
散している例もある。
【0164】多ピンのインナボンディング(200ピン
以上)では、予熱が有効である反面、リードとバンプの
位置合せ精度が極めて高いことが要求されるため、特に
この放熱構造が重要となる。
【0165】実施例では上記の点にかんがみ、放熱をよ
り有効に行なうために、図40(b)に示すように、ス
テージ600をくりぬき構造とし水冷用水路604を設
け、水冷式としたものである。この構造の採用により、
予熱温度を従来以上に上げることは勿論、X−Y−θテ
ーブルの温度をほとんど上げることなく300℃迄の予
熱が可能となる。
【0166】従来のボンディングツール700は、図4
1(a)の如く、ボンディング面内の温度均一化と、リ
ードのSnめっきなどの酸化物等の付着を極小化するた
め、ボンディング面には、焼結ダイヤモンド710をは
りつけた構造となっている。しかし焼結ダイヤモンド1
0は、焼結の際、助剤としてCoを用いるため、焼結面
の粒界等にはCoが濃縮されて残り、これに酸化物等が
付着するため、10〜50IC毎に研磨が必要である。
【0167】分析の結果、このCoが核となり、主とし
てSnO2が付着することが判明したので、本実施例で
は、図41(b)の如く、プラズマCVD等でダイヤモ
ンド薄膜が形成可能な点に着眼し、ツール700のボン
ディング面上に15μm程度の膜711を形成して、ボ
ンディング実験を行なった。その結果、100IC程度
でも付着は希少で、しかも研磨も極めて容易であること
がわかり、有効性が確認できた。
【0168】なお、図41において、712はヒータ
孔、713は熱電対孔を示す。
【0169】また従来のボンディング用ステージはステ
ージとして、セラミックやステンレスなどの剛性の高い
材料が使用されている。このためツール700のボンデ
ィング面と、チップ間の平行度がわずかに狂っていて
も、ツール700の片当りによるボンディング不良が多
発するという問題がある。この傾向はチップが大形化、
多ピン化する程著しく、ボンディング開始前の調整に、
多大の時間を要し、しかも試しうちが必要でボンディン
グ歩留りも低下するという問題もある。また従来のボン
ディング方式は硬いチップ、ステージ、ツールでボンデ
ィングするため、ツールが当った瞬間に、非常に大き
な、衝撃力が発生し、チップにダメージを生じる場合も
ある。
【0170】図42に示す実施例では、ステージ600
上に、テフロン、シリコーンゴムあるいはポリイミドな
どの弾性体720をとりつけることにより、わずかの平
行度のずれを吸収し、しかも衝撃力を有効に吸収するも
のである。
【0171】実施例では簡単化のため、セラミックステ
ージ上に、125μmのポリイミドテープをはりつけた
構造で実験した。これにより従来、3時間程度かかって
いた調整を、わずか30分で行ない、同等のボンディン
グ歩留りを達成でき、本実施例の効果が確認できた。な
お、図42において、(a)はボンディング前の状態
を、(b)はボンディング時の状態を示す図である。
【0172】従来のステージ構造は、基本的にはツール
700のボンディング面とチップ4の平行度のずれを吸
収する構造はなく、あってもメカ的なバネ構造を有する
ものに限定されている。これだけでは平行度のずれの吸
収機能は十分でなく、又ボンディング時の衝撃荷重の吸
収にも不十分である。
【0173】そこで図43に示す実施例では、空気や油
等の流体の粘張挙動に着目し、上記の問題点を解決しよ
うとしたものである。すなわち、図43に示すように、
ステージ600の下方に、シリンダ構造を利用したダン
パー730を取りつけた。
【0174】これにより、実用上問題となるわずかの平
行度ずれ(−2μm/チップ面)を吸収し、従来の平行
度調整時間、3時間を30分程度に短縮しても同等のボ
ンディング歩留りが得られることがわかった。また同上
条件下でのチップのダメージを従来の1/10以下に低
減できることがわかった。
【0175】
【発明の効果】本発明によれば、高精度な位置合わせが
できると共に、位置合せ時の精度がボンディングする時
にもそのまま保たれ、インナボンディング工程での歩留
りを向上させることができる。また、バンプの高さに誤
差がある場合でもリードやバンプに過大な加圧力や衝撃
的加圧力がかかることがなく、チップ割れやリード破
壊、リードはがれなどの接着不良が起らないという効果
がある。さらに、ツールの温度分布を均一化する等によ
り、効率的な熱圧着を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成図。
【図2】従来方式の説明図。
【図3】本発明の装置の全体概観図。
【図4】動作部分の斜視図。
【図5】テープ及びスペーサの巻取り及びテンションナ
部の斜視図。
【図6】ボンディング部の拡大斜視図。
【図7】チップステージの断面図。
【図8】ヘッド部の斜視図。
【図9】位置合わせ状態図。
【図10】ボンディング位置周辺の構成及びアライメン
ト用検出光学系の構成を示す斜視図。
【図11】アライメント系の全体構成を示す機能ブロッ
ク図。
【図12】XYθ方向の位置修正量算出方法の説明図。
【図13】視野内のリード位置とチップ位置の定義の説
明図。
【図14】視野内のリード位置とチップ位置の定義の説
明図。
【図15】視野内のリード位置とチップ位置の定義の説
明図。
【図16】リード位置検出方法の説明図。
【図17】チップコーナ位置検出方法の説明図。
【図18】バンプ位置検出方法の説明図。
【図19】バンプ位置検出方法の説明図。
【図20】アライメント動作フローのブロック図。
【図21】ずれ量チェック方法の説明図。
【図22】2視野平均アライメントの説明図。
【図23】1視野検出状態からの復帰方法の説明図。
【図24】チップステージ位置合わせマークの説明図。
【図25】リード・バンプ近接後ボンディングの説明
図。
【図26】ボンディングツールの上下動機構を示す図。
【図27】図26の要部を示す図。
【図28】ツールの駆動制御を行うための回路ブロック
図。
【図29】ツール上下動駆動機構の動作フローチャー
ト。
【図30】ツール上下動駆動機構の動作フローチャー
ト。
【図31】ツールの動きを模式的に示す図。
【図32】図31における各モードの制御演算方式を示
すブロック図。
【図33】ツール上下動機構の条件設定を説明するため
の図。
【図34】加圧制御の応用例を示すフローチャート。
【図35】図34におけるツールとバンプとの挙動を示
す図。
【図36】ボンディングツールを加熱するための形状を
示す図。
【図37】ボンディングツールを加熱するための形状を
示す図。
【図38】ボンディングツールを加熱するための形状を
示す図。
【図39】チップステージを加熱及び冷却するための形
状を示す図。
【図40】チップステージを加熱及び冷却するための形
状を示す図。
【図41】ダイヤモンド薄膜を形成したツールの形状を
示す図。
【図42】弾性体をとり付けたステージ構造を示す図。
【図43】ダンパーをとり付けたステージ構造を示す
図。
【符号の説明】
1…テープ、 2…インナリード、 3…バンプ、 4
…ICチップ、5,5a,5b…視野、 6…チップ
ステージ、7…ボンディングツール、 8…落射照明
用光源、 9…ミラー、10…絞り、 11…シャッ
タ、 12…ミラー、 13…ハーフプリズム、14…
対物レンズ、 16…斜方照明用光源、 17…ロータ
リソレノイド、18…シャッタ、 19…ガラスファイ
バー、 20…リング照明装置、21…可変絞り、 2
2…ハーフプリズム、 23…ミラー、24…フィール
ドレンズ、 25…リレーレンズ、26a,26b,2
7a,27b,28a,28b…ミラー、29a,29
b…TVカメラ、 30a,30b…TVカメラの検出
画像、31…画像処理部、 32…レンズ、 33…ミ
ラー、34…ズームレンズ、 35…TVカメラ、 3
6…XYθステージ、37…ボンディング位置の拡大
図、 38a,38b…拡大像の検出範囲、39…ボン
ディング位置、 40…A/D変換器、 41…多値メ
モリ、42…2値化回路、 43…2値メモリ、 44
…投影処理回路、45…マイコン、 46…機構制御
部、 47…検出光学系、48…スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 利満 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 岩田 尚史 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 金田 愛三 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 芹沢 弘二 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 田中 大之 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 杉本 浩一 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 酒井 俊彦 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 松川 敬三 東京都小平市上水本1450番地 株式会社日 立製作所武蔵工場内 (72)発明者 巳亦 力 東京都小平市上水本1450番地 株式会社日 立製作所武蔵工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ツールが接続部を介して被接続部に加える
    圧力と、ツールが接続部に接近、接触する時の速度とを
    それぞれ独立に設定し、 該設定した値に応じてツール駆動機構を制御することを
    特徴とする電子回路部品の製造方法。
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